JP2011125997A - 高分子の方向性光流体化現象を用いたパターン化された微細構造体の製作方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高分子の方向性光流体化現象を用いたパターン化された微細構造体の製作方法に関する。
【解決手段】微細パターンを有するゴムモールドと基板とを接着させて微細流体素子を製作する段階と、前記微細流体素子に高分子溶液を注入する段階と、高分子を乾燥させて微細流体管のパターンによって高分子アレイを製作する段階と、光の照射によって方向性光流体化現象を誘導して高分子アレイの模様及び大きさを制御する段階と、方向性光流体化によって構造が制御された高分子アレイの上に金属を塗布し、高分子を選択的に除去して高分子模様を金属に転写する段階、とを備えた製作プロセスを含む。光の偏光によって流体化方向が決定され、方向性光流体化現象を有する高分子アレイ型枠の模様と大きさを精密に制御し、制御された型枠を転写することによって規則的に配列された模様と大きさが多様な微細構造体を大面積及び平行的方法で製作する。
【選択図】図1
【解決手段】微細パターンを有するゴムモールドと基板とを接着させて微細流体素子を製作する段階と、前記微細流体素子に高分子溶液を注入する段階と、高分子を乾燥させて微細流体管のパターンによって高分子アレイを製作する段階と、光の照射によって方向性光流体化現象を誘導して高分子アレイの模様及び大きさを制御する段階と、方向性光流体化によって構造が制御された高分子アレイの上に金属を塗布し、高分子を選択的に除去して高分子模様を金属に転写する段階、とを備えた製作プロセスを含む。光の偏光によって流体化方向が決定され、方向性光流体化現象を有する高分子アレイ型枠の模様と大きさを精密に制御し、制御された型枠を転写することによって規則的に配列された模様と大きさが多様な微細構造体を大面積及び平行的方法で製作する。
【選択図】図1
Description
本発明は、方向性流体化性質を有する高分子アレイを型枠として用いた、マイクロ/ナノスケールの微細構造体アレイの製作、及び前記微細構造体アレイを多様な模様と大きさで制御する方法に関し、光の偏光によって流体化方向が決定され、光の照射時間にしたがって流体化による変形程度が変わる性質を用いて高分子アレイ型枠の模様と大きさを精密に制御し、このように制御された型枠を転写することによって規則的に配列された模様と大きさが制御された微細構造体を大面積及び並行的方法で製作する方法に関する。
本発明は、光の偏光によって流体化方向が決定され、光の照射時間にしたがって流体化による変形程度が変わる性質を用いて高分子アレイ型枠の模様と大きさを精密に制御し、このように制御された型枠を転写することによって規則的に配列された模様と大きさが制御された微細構造体を大面積及び並行的方法で製作する。
一般的にマイクロ/ナノスケールの微細構造体は、その光学的、電気的特性が既存の構造体とは異なる性質を示すようになる。例えば、金属微細構造体の場合、光を照射した時、光波が金属微細構造体の表面で大きく励起され、増幅される特性が現われる。このような金属微細構造体の光波増幅現象をプラズモニック現象という。プラズモニック現象は、回折限界を克服した小さなスケールでも光を集めることができ、増幅させることもできるため、量子光学素子及び微細サイズのセンサーのような微細光学素子製作に用いることができる。この時、増幅される光波の波長は、金属微細構造体の大きさの約2倍スケールで現われ、模様にも依存する性質を現す。したがって、微細構造体の模様及び大きさを制御して、微細光学素子の特性を制御することが可能となる。
本発明においては、線、楕円模様とその大きさが制御された微細構造体アレイを製造することによって、微細光学素子特性を調節する方法を提案する。
従来、模様及び大きさが制御された微細構造体の製作方法は、既に多くの研究が行われている。既存に提示された方法としては、直接書込(Direct−Writing)方式と、型枠を用いて転写(Pattern transfer of template)する方法がある。直接書込方法は、集束イオンビーム(focused−ion beam,FIB) 又は電子ビーム(electron−beam)を高分子フィルムの上に照射して消滅させる方法である。したがって、消滅された部分でパターンが形成されることができる(非特許文献1参照)。
従来、模様及び大きさが制御された微細構造体の製作方法は、既に多くの研究が行われている。既存に提示された方法としては、直接書込(Direct−Writing)方式と、型枠を用いて転写(Pattern transfer of template)する方法がある。直接書込方法は、集束イオンビーム(focused−ion beam,FIB) 又は電子ビーム(electron−beam)を高分子フィルムの上に照射して消滅させる方法である。したがって、消滅された部分でパターンが形成されることができる(非特許文献1参照)。
直接書込方法は、微細構造体の模様及び大きさを精密に調節することができる長所があるが、直接微細構造体個体を一つずつパターン化させなければならないため、工程時間も非常に長く、コストもかかり過ぎる短所があった。型枠を用いた転写方法は、コロイド粒子配列又はホログラフィック干渉パターンによって製造された高分子型枠を転写する方法であるといえる(非特許文献2参照)。
型枠を用いて転写する方法は、大面積及び並行的工程によって予め製造しておいた型枠を用いて微細構造体を転写する方法であるため、工程コストも低く、工程も早い長所がある。しかし、コロイド粒子及びホログラフィック干渉パターンから形成された高分子型枠は、その模様が円又は線に制限される問題点があった。その他にも、応用化学分野の有名ジャーナルである Angewandte Chemie International Edition に発表された論文(非特許文献3参照)によれば、金属膜が含まれたエポキシ樹脂にウルトラマイクロトミング(ultramicrotoming)技術を用いて薄く切った後、これを基板上に転写する方法を利用すれば、大きさ及び模様制御が可能であると報告している。しかし、この方法は、一般ユーザーの接近が困難であるウルトラマイクロトミングという微細加工技術を利用しなければならない短所がある。
Ohno,T.;Bain,J.A.;Schlesinger,T.E.Journal of Applied Physics,2007,101,083107 and Rechberger,W.;Hohenau,A.;Leitner,A.; Krenn,J.R.;Lamprecht,B.;Aussenegg,F.R.Optics Communication,2003,220,137
Haynes,C.L.;Van Duyane,R.P.The Journal of Physical Chemistry B,2001,105,5599 and Henzie,J.;Lee,M.H.;Odom,T.W.Nature Nanotechnology,2007,2,549
Xu,Q.;Bao,j.;Capasso,F.;Whitesides,G.M.Angewandte Chemie International Edition,2006,45,3631
本発明は、微細パターンを有するゴムモールドと基板とを接着させて微細流体素子を製作する段階と、前記微細流体素子に高分子溶液を注入する段階と、高分子を乾燥させて微細流体管のパターンによって高分子アレイを製作する段階と、光の照射によって方向性光流体化現象を誘導して高分子アレイの模様及び大きさを制御する段階と、方向性光流体化によって構造が制御された高分子アレイの上に金属を塗布し、高分子を選択的に除去して高分子模様を金属に転写する段階、とを含む微細構造体アレイの製作方法である。
本発明は、光の偏光によって流体化方向が決定され、光の照射時間にしたがって流体化による変形程度が変わる性質を用いて、高分子アレイ型枠の模様と大きさを精密に制御し、このように制御された型枠を転写することによって規則的に配列された模様と大きさが制御された微細構造体を大面積及び並行的方法で製作することができる。
本発明は、前記のような従来技術の問題を解決するために、アゾベンゼン分子を含む高分子に光を照射した時に現われる方向性光流体化現象を用いて高分子アレイの模様及び大きさを制御し、これを型枠として用いて微細構造体アレイを製造する。方向性流体化現象を用いて微細構造体の模様及び大きさを精密に制御することによって、微細構造体の光学性質を制御する方法を提供することにある。本発明の他の目的は、方向性流体化現象を用いて微細構造体の模様及び大きさを大面積及び並行的に制御して規則的に配列された微細構造体を大量生産することができる方法を提供することにある。
本発明は、高分子アレイの模様及び大きさを制御することによって、微細構造体の光学性質を制御する方法を提供し、微細構造体の模様及び大きさを大面積及び並行的に制御して規則的に配列された微細構造体を大量生産することができる。
本発明は、高分子の方向性光流体化現象を用いたパターン化された微細構造体の製作方法に関する。
本発明は、微細パターンを有するゴムモールドと基板とを接着させて微細流体素子を製作する段階と、前記微細流体素子に高分子溶液を注入する段階と、高分子を乾燥させて微細流体管のパターンによって高分子アレイを製作する段階と、光の照射によって方向性光流体化現象を誘導して高分子アレイの模様及び大きさを制御する段階と、方向性光流体化によって構造が制御された高分子アレイの上に金属を塗布し、高分子を選択的に除去して高分子模様を金属に転写する段階、とを備えた微細構造体アレイの製作プロセスを含むことを特徴とする高分子の方向性光流体化現象を用いたパターン化された微細構造体の製作方法を示す。
前記高分子は、アゾベンゼン分子を含む線形構造を有する高分子又はその組成物或いはその誘導体を使用することができる。
前記アレイは、高分子の方向性流体化現象によって製造された線形又は楕円アレイパターンである。
前記偏光方向及び照射時間により、方向性流体化現象の方向及び程度を制御することができる。
前記ホログラフィック1次元の干渉パターンを照射して部分的に高分子の方向性流体化現象を誘導し、楕円アレイパターンを製作することができる。
前記方向性流体化現象によって構造が制御された高分子線形パターンアレイに金属を塗布した後、高分子を選択的に除去してパターンを金属に転写することができる。
前記方向性流体化現象によって構造が制御された高分子楕円パターンアレイに金属を塗布した後、高分子を選択的に除去してパターンを金属に転写することができる。
本発明は、前記言及した方法で製造したパターン化された微細構造体を示す。
以下、本発明ついて詳細に説明する。
本発明の模様及び大きさが精密に制御された微細構造体アレイ製作方法は、ゴムモールドと基板の接着によって製作された微細流体素子に高分子溶液を 注入すれば、毛細管現象によって高分子溶液が注入される。その後、高分子溶液の溶媒を全て乾燥させれば、微細流体管の模様によって高分子線アレイが製作される。この時、高分子アレイに光を照射して高分子の方向性光流体化現象を誘導して、単位体を希望する模様及び大きさで大面積及び並行的に変形させる。その後、変形された高分子アレイの上に金属を塗布した後、高分子を取り除けば、高分子がマスク役目をするようになって、高分子模様が金属に転写される。
本発明の模様及び大きさが精密に制御された微細構造体アレイ製作方法は、ゴムモールドと基板の接着によって製作された微細流体素子に高分子溶液を 注入すれば、毛細管現象によって高分子溶液が注入される。その後、高分子溶液の溶媒を全て乾燥させれば、微細流体管の模様によって高分子線アレイが製作される。この時、高分子アレイに光を照射して高分子の方向性光流体化現象を誘導して、単位体を希望する模様及び大きさで大面積及び並行的に変形させる。その後、変形された高分子アレイの上に金属を塗布した後、高分子を取り除けば、高分子がマスク役目をするようになって、高分子模様が金属に転写される。
前記基板は、ガラス、シリコーンウエハー、石英のような物質で作られた硬い基板を使用することができる。また、基板は、柔軟な特性を有する柔軟性高分子フィルム基板を用いることができる。
前記高分子としては、アゾベンゼンを含む分子を有している高分子を用いることができる。
前記高分子パターンを製造するためにディスペンサーを用いた機械的な噴出法やインクジェットプリンティングを用いることができる。
前記高分子アレイのうち、構造体一つの大きさは、数ナノメートルから数百マイクロメートルであり、高分子パターンの高さは、数ナノメートルから数十マイクロメートルである。
前記製造された高分子アレイの全体面積は、数マイクロメートルから数センチメートルである。
前記高分子アレイの方向性流体化を誘導する方法は、遠距離(far−field)光照射と近距離(near−field)光照射を用いることができる。
前記高分子アレイの方向性流体化を誘導するために照射された光の波長帯は、アゾベンゼン分子が吸収する全ての領域帯を用いることができる。
前記方向性流体化の方向は、光の偏光方向に沿って調節することができる。
前記方向性流体化の程度は、光の照射時間及び光の強さによって調節することができる。
前記方向性流体化が発生できる領域は、ホログラフィー干渉パターンのようなパターン化された光を用いることができる。
前記方向性流体化の程度は、光の照射時間及び光の強さによって調節することができる。
前記方向性流体化が発生できる領域は、ホログラフィー干渉パターンのようなパターン化された光を用いることができる。
本発明は、方向性流体化を用いて模様及び大きさが制御された高分子アレイに金属を塗布する段階と高分子を選択的に除去してパターンを金属に転写する段階とを含む微細構造体アレイの製作方法を示す。
前記金属塗布は、電子ビーム噴射(electron beam evaporation)又は熱噴射(thermal evaporation)を用いることができる。
前記基板と金属との接触特性を向上させるためにクロム(Chromium)又はチタン(Titanium)を用いることができる。
前記高分子除去は、溶媒を用いて高分子を溶かし出す方法を用いることができる。前記高分子除去は、プラズマ又はイオン処理をして除去する方法を用いることができる。
本発明によれば、方向性光流体化性質を有する高分子アレイを用いることによって、微細構造体の模様及び大きさを精密に制御する効果がある。また、微細構造体の模様及び大きさ制御工程が大面積及び並行的工程によって行われるため、大量生産に好適である。さらに、模様及び大きさが精密に調節された微細構造体は、プラズモンのようなナノ光学特性も精密に調節することができるため、微細光学素子としても広く用いることができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明は、(a)微細パターンを有するゴムモールドと基板とを接着させて微細流体素子を製作する段階と、前記微細流体素子に高分子溶液を注入する段階と、高分子を乾燥させて微細流体管のパターンによって高分子アレイを製作する段階と、高分子アレイに光の照射によって方向性光流体化を誘導して高分子アレイの模様及び大きさを制御する段階と、(b)方向性光流体化によって構造が制御された高分子の上に金属を塗布した後、選択的に除去して高分子模様を金属に転写する段階、とを含む多様な模様及び大きさの微細構造体の製作方法から構成される(図1参照)。
本発明は、(a)微細パターンを有するゴムモールドと基板とを接着させて微細流体素子を製作する段階と、前記微細流体素子に高分子溶液を注入する段階と、高分子を乾燥させて微細流体管のパターンによって高分子アレイを製作する段階と、高分子アレイに光の照射によって方向性光流体化を誘導して高分子アレイの模様及び大きさを制御する段階と、(b)方向性光流体化によって構造が制御された高分子の上に金属を塗布した後、選択的に除去して高分子模様を金属に転写する段階、とを含む多様な模様及び大きさの微細構造体の製作方法から構成される(図1参照)。
<微細構造体アレイの模様及び大きさを制御>
前記(a)段階のゴムモールドの場合、架橋されたポリジメチルシロキサンとアクリルレート基とを含む架橋された高分子を用いることができ、好ましくは、ポリジメチルシロキサンを含むゴムモールドを用いる。また、前記用いた高分子は、アゾベンゼン分子が含まれ、線形形態の高分子構造であれば、制限なしに使用することができ、高分子溶液の濃度は0.01から10wt%まで用いることができるが、好ましくは1乃至2wt%を用いる。
前記(a)段階のゴムモールドの場合、架橋されたポリジメチルシロキサンとアクリルレート基とを含む架橋された高分子を用いることができ、好ましくは、ポリジメチルシロキサンを含むゴムモールドを用いる。また、前記用いた高分子は、アゾベンゼン分子が含まれ、線形形態の高分子構造であれば、制限なしに使用することができ、高分子溶液の濃度は0.01から10wt%まで用いることができるが、好ましくは1乃至2wt%を用いる。
<多様な模様及び大きさの微細構造体アレイ製作>
前記(b)段階の光照射は、10mW/cm2から100W/cm2まで利用可能であり、好ましくは30乃至40mW/cm2を利用する。また、高分子の方向性流体化の方向は、光の偏光方向に平行に生じるため、円形偏光及び線形偏光を含んだ全ての偏光を用いることができ、光の波長はアゾベンゼン分子が吸収する波長であれば、如何なる範囲においても用いることができる。また、金属の場合、全ての金属の使用が可能であり、本発明では金が用いられた。しかし、全ての金属を使用することができる。また、金属塗布の場合、電子ビーム噴射や熱噴射が主に用いられ、本発明においては、電子ビーム噴射が用いられた。しかし、金属を塗布することができる方法は、何れも使用することができる。また、本発明においては、高分子除去の場合、高分子を溶媒に溶かす方法が利用された。しかし、高分子を除去することができる方法は、何れも使用することができる。
前記(b)段階の光照射は、10mW/cm2から100W/cm2まで利用可能であり、好ましくは30乃至40mW/cm2を利用する。また、高分子の方向性流体化の方向は、光の偏光方向に平行に生じるため、円形偏光及び線形偏光を含んだ全ての偏光を用いることができ、光の波長はアゾベンゼン分子が吸収する波長であれば、如何なる範囲においても用いることができる。また、金属の場合、全ての金属の使用が可能であり、本発明では金が用いられた。しかし、全ての金属を使用することができる。また、金属塗布の場合、電子ビーム噴射や熱噴射が主に用いられ、本発明においては、電子ビーム噴射が用いられた。しかし、金属を塗布することができる方法は、何れも使用することができる。また、本発明においては、高分子除去の場合、高分子を溶媒に溶かす方法が利用された。しかし、高分子を除去することができる方法は、何れも使用することができる。
前記(b)段階から製造された金属微細構造体の場合、光が照射された時、金属微細構造体の表面で特定波長帯の光が増幅される現象を見せる特徴がある。一方、増幅される光の波長は、大きさが大きくなるほど、その大きさに比例して増加する現象を見せるので、大きさを調節することによって、増幅される光の波長も調節することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、下記の実施例は発明の理解を助けるためのものであり、本発明がこれらにより限定されるものではない。
実施例1:高分子アレイ製造
まず、フォトリソグラフィを用いてシリコーン上に線模様のパターンを製造する。その後、ポリジメチルシロキサン前駆体を注入し、熱硬化させてゴムモールドを製作する。製作されたゴムモールドの製作されたポリジメチルシロキサン線パターンの場合、周期が3.84マイクロメートル(um)であり、線一つの幅は1.30マイクロメートルである。製作されたポリジメチルシロキサンモールドを石英基板上に接着させて微細流体素子を製作する。ディスパースオレンジ3(Disperse Orange 3)とビスフェノールAジグリシジルエーテル(Bisphenol A Diglycidyl ether)分子とを互いに縮重合して合成したポリディスパースオレンジ3(分子量4700(wt)、PDI=1.74)をメチルピロリドン溶媒に1.0wt%濃度で溶かして高分子溶液を用意する。ポリディスパースオレンジ3溶液を微細流体素子入口に注入し、毛細管現象を用いて微細流体素子ラインを満たして、常温で2日間乾燥させる。その後、ポリジメチルシロキサンゴムモールドを取り除けば、ポリディスパースオレンジ3線模様パターンを得ることができる。ポリディスパースオレンジ3線模様パターンの全体面積は3.3ミリメートル2乗である。
まず、フォトリソグラフィを用いてシリコーン上に線模様のパターンを製造する。その後、ポリジメチルシロキサン前駆体を注入し、熱硬化させてゴムモールドを製作する。製作されたゴムモールドの製作されたポリジメチルシロキサン線パターンの場合、周期が3.84マイクロメートル(um)であり、線一つの幅は1.30マイクロメートルである。製作されたポリジメチルシロキサンモールドを石英基板上に接着させて微細流体素子を製作する。ディスパースオレンジ3(Disperse Orange 3)とビスフェノールAジグリシジルエーテル(Bisphenol A Diglycidyl ether)分子とを互いに縮重合して合成したポリディスパースオレンジ3(分子量4700(wt)、PDI=1.74)をメチルピロリドン溶媒に1.0wt%濃度で溶かして高分子溶液を用意する。ポリディスパースオレンジ3溶液を微細流体素子入口に注入し、毛細管現象を用いて微細流体素子ラインを満たして、常温で2日間乾燥させる。その後、ポリジメチルシロキサンゴムモールドを取り除けば、ポリディスパースオレンジ3線模様パターンを得ることができる。ポリディスパースオレンジ3線模様パターンの全体面積は3.3ミリメートル2乗である。
図2は、製作されたポリジメチルシロキサンゴムモールドの走査電子顕微鏡写真を示す。スケールバーは10マイクロメートルである。図3は、製作されたポリディスパースオレンジ3線模様パターンの走査電子顕微鏡写真を示す。スケールバーは2.5マイクロメートルである。
実施例2:方向性光流体化を用いた高分子アレイの構造制御
実施例1で製作されたポリディスパースオレンジ3線模様パターンに線形偏光された光を照射して、方向性光流体化現象を誘導した。この時、線形偏光は、線模様のパターンのグレーティング・ベクターに平行な方向を導入した。導入した光の強さは35.5mW/cm2であり、光の波長は488nmであった。初期ポリディスパースオレンジ3線の間の間隔が2.45マイクロメートルであり、照射時間が長くなるほど光偏光方向と平行な方向への光流体化現象が持続されて、ポリディスパースオレンジ3線の間の間隔が減り続けることが確認できた。最終的に25分間光を照射した後、間隔が230ナノメートルに減った。これは、ポリディスパースオレンジ3線パターンが照射された光の偏光方向に広がって現われた結果である。すなわち、ポリディスパースオレンジ3が光の偏光方向に平行な方向に光流体化現象を起こして広がり、その結果ポリディスパースオレンジ3線の間の間隔が減ったのである。一方、同一の光の強さと波長で線形偏光が線模様のパターンのグレーティング・ベクターに垂直な方向を有する光を照射した場合、ポリディスパースオレンジ3線の間の間隔は減らなかった。すなわち、方向性光流体化現象が生じなかった。したがって、方向性光流体化現象は照射された光の偏光方向に沿って生じることを示す。
実施例1で製作されたポリディスパースオレンジ3線模様パターンに線形偏光された光を照射して、方向性光流体化現象を誘導した。この時、線形偏光は、線模様のパターンのグレーティング・ベクターに平行な方向を導入した。導入した光の強さは35.5mW/cm2であり、光の波長は488nmであった。初期ポリディスパースオレンジ3線の間の間隔が2.45マイクロメートルであり、照射時間が長くなるほど光偏光方向と平行な方向への光流体化現象が持続されて、ポリディスパースオレンジ3線の間の間隔が減り続けることが確認できた。最終的に25分間光を照射した後、間隔が230ナノメートルに減った。これは、ポリディスパースオレンジ3線パターンが照射された光の偏光方向に広がって現われた結果である。すなわち、ポリディスパースオレンジ3が光の偏光方向に平行な方向に光流体化現象を起こして広がり、その結果ポリディスパースオレンジ3線の間の間隔が減ったのである。一方、同一の光の強さと波長で線形偏光が線模様のパターンのグレーティング・ベクターに垂直な方向を有する光を照射した場合、ポリディスパースオレンジ3線の間の間隔は減らなかった。すなわち、方向性光流体化現象が生じなかった。したがって、方向性光流体化現象は照射された光の偏光方向に沿って生じることを示す。
また、実施例1において製作されたポリディスパースオレンジ3線パターンにホログラフィック干渉パターンを照射して、部分的方向性光流体化現象を誘導した。ポリディスパースオレンジ3線パターンのグレーティング・ベクターに平行な方向を有する2つの光を1箇所で干渉させた。光干渉の際、2つの光は、対称的に光が照射され、入射角は4°であった。この時、発生した1次元の干渉パターンの周期は、3.49マイクロメートルであった。この時、照射された2つの光の強さは30.0mW/cm2であった。20分照射した時、1次元の干渉パターンの明るい部分でだけ、照射された光の偏光方向に沿って光流体化が発生して広がる現象が現われた。その結果、バーベル模様のポリディスパースオレンジ3パターンが得られた。このように流線形模様であり、明るい部分でだけ光流体化現象が現われたことは、干渉パターン内で光の強さが周期的に流線形に変わるからである。前記生成された干渉パターンを60分間照射すれば、明るい部分での光流体化によるポーリディスオレンジ3の広がりは、結局、両ポリディスパースオレンジ3線の集塊現象につながり、その結果、流線形模様を有する楕円の穴が形成される結果につながった。特に、干渉パターンが周期的配列を成しているため、楕円の穴も周期的配列形態を表した。
図4は、照射された光の偏光方向、ポリディスパースオレンジ3線パターン、ポリディスパースオレンジ3線パターンのグレーティング・ベクター、方向性光流体化によって変形されたポリディスパースオレンジ3線パターンの概要を示す。
図5は、光の照射時間による方向性光流体化によって変形されたポリディスパースオレンジ3のパターンの走査電子顕微鏡写真を示す。スケールバーは25マイクロメートルを示す。
図6は、ポリディスパースオレンジ3線パターンのグレーティング・ベクターに垂直な方向に偏光を有する光を30分照射した時のパターンの走査電子顕微鏡写真である。
図7は、1次元の干渉パターンの偏光方向、1次元の干渉パターンのグレーティング・ベクター、ポリディスパースオレンジ3線のグレーティング・ベクター、1次元の干渉パターンの照射を用いて誘導された方向性光流体化によって変形されたポリディスパースオレンジ3パターン模様の概要を示す。
図8は、1次元の干渉パターンの照射時間による部分的方向性光流体化によって変形されたポリディスパースオレンジ3のパターンの走査電子顕微鏡写真である。スケールバーは5マイクロメートルを示す。
図9は、1次元の干渉パターン内での光の強さの変化を示す。この時、矢印の長さは光の強さを示す。スケールバーは5マイクロメートルを示す。
実施例3:金属塗布及び選択的高分子除去を用いた方向性光流体化によって構造が制御された高分子型枠の転写
実施例2で製作された方向性光流体化によって構造が変形されたポリディスパースオレンジ3パターンを型枠として用いてパターン転写した。まず、変形されたポリディスパースオレンジ3パターンの上に電子ビーム噴射を用いて、クロムを4ナノメートル塗布し、金を40ナノメートル塗布した。クロムは、石英基板と金との間の接着特性を向上させるために導入した。その後、金の塗布された変形されたポリディスパースオレンジ3パターンを除去するために、アセトン溶媒に1分間浸した後、直ちにメチルピロリドン溶媒に 5分間入れて放置した。この2回の溶媒処理を通してポリディスパースオレンジ3を全て除去することができた。その結果、変形されたポリディスパースオレンジ3パターンから、金線パターンを得ることができ、金線パターンの幅は変形されたポリディスパースオレンジ3線パターンの間の間隔と同一であった。同様に1次元の干渉パターンを用いて変形されたポリディスパースオレンジ3楕円パターンも金楕円パターンに転写され、転写された金楕円の大きさはポリディスパースオレンジ3楕円と同様の大きさであった。1次元の干渉パターンの照射時間による金楕円の大きさは、1次元の干渉パターンの照射時間が長くなるほど減ることを確認することができたが、その理由は、照射時間が長くなるほど方向性光流体化が進み続け、ポリディスパースオレンジ3楕円の大きさがだんだん小さくなるからである。
実施例2で製作された方向性光流体化によって構造が変形されたポリディスパースオレンジ3パターンを型枠として用いてパターン転写した。まず、変形されたポリディスパースオレンジ3パターンの上に電子ビーム噴射を用いて、クロムを4ナノメートル塗布し、金を40ナノメートル塗布した。クロムは、石英基板と金との間の接着特性を向上させるために導入した。その後、金の塗布された変形されたポリディスパースオレンジ3パターンを除去するために、アセトン溶媒に1分間浸した後、直ちにメチルピロリドン溶媒に 5分間入れて放置した。この2回の溶媒処理を通してポリディスパースオレンジ3を全て除去することができた。その結果、変形されたポリディスパースオレンジ3パターンから、金線パターンを得ることができ、金線パターンの幅は変形されたポリディスパースオレンジ3線パターンの間の間隔と同一であった。同様に1次元の干渉パターンを用いて変形されたポリディスパースオレンジ3楕円パターンも金楕円パターンに転写され、転写された金楕円の大きさはポリディスパースオレンジ3楕円と同様の大きさであった。1次元の干渉パターンの照射時間による金楕円の大きさは、1次元の干渉パターンの照射時間が長くなるほど減ることを確認することができたが、その理由は、照射時間が長くなるほど方向性光流体化が進み続け、ポリディスパースオレンジ3楕円の大きさがだんだん小さくなるからである。
図10は、光照射時間によって変形されたポリディスパースオレンジ3線パターンから転写された金線パターンの走査電子顕微鏡写真である。スケールバーは25マイクロメートルを示す。
図11は、1次元の干渉パターンの照射によって変形されたポリディスパースオレンジ3楕円パターンから転写された金楕円パターンの走査電子顕微鏡写真である。
図12は、1次元の干渉パターンの照射時間によって変形されたポリディスパースオレンジ3楕円パターンから転写された金楕円パターンの走査電子顕微鏡写真及び寸法グラフである。
実施例4:金楕円の光波増幅現象調査
実施例3で製作された金楕円アレイの光波増幅現象を評価した。金楕円にハロゲンランプから発生された光を照射した。この時の光の強さは100W/cm2であり、入射角は60°であった。その後、金楕円から増幅されて散乱される光をスペクトロメーターに送って、光が増幅される波長領域を調べた。この時、金楕円から増幅されて散乱される光を金楕円の短縮方向の偏光版を用いて金楕円の短縮方向の偏光を有する、増幅されて散乱される光だけを選択的に分離して分析した。その結果、金楕円の大きさによって600乃至1,150ナノメートル領域帯で増幅されて散乱されることを確認することができた。
実施例3で製作された金楕円アレイの光波増幅現象を評価した。金楕円にハロゲンランプから発生された光を照射した。この時の光の強さは100W/cm2であり、入射角は60°であった。その後、金楕円から増幅されて散乱される光をスペクトロメーターに送って、光が増幅される波長領域を調べた。この時、金楕円から増幅されて散乱される光を金楕円の短縮方向の偏光版を用いて金楕円の短縮方向の偏光を有する、増幅されて散乱される光だけを選択的に分離して分析した。その結果、金楕円の大きさによって600乃至1,150ナノメートル領域帯で増幅されて散乱されることを確認することができた。
図13は、大きさの異なる金楕円から散乱され、増幅される光のうち、金楕円の短縮方向に偏光された光の散乱波及び増幅波グラフである。
上述のように、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当の技術分野の熟練された当業者にとっては、特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から免脱しない範囲内で本発明を種々修正及び変更させることが可能だという点が分かる。
[産業上の利用可能性]
本発明は、方向性光流体化性質を有する高分子アレイを用いることによって、微細構造体の模様及び大きさを精密に制御する效果がある。また、微細構造体の模様及び大きさ制御工程が大面積及び並行的工程によって行われるため、大量生産に好適である。また、模様及び大きさが精密に調節された微細構造体は、プラズモンのようなナノ光学特性も精密に調節することができるので、微細光学素子としても広く利用することができる。
本発明は、方向性光流体化性質を有する高分子アレイを用いることによって、微細構造体の模様及び大きさを精密に制御する效果がある。また、微細構造体の模様及び大きさ制御工程が大面積及び並行的工程によって行われるため、大量生産に好適である。また、模様及び大きさが精密に調節された微細構造体は、プラズモンのようなナノ光学特性も精密に調節することができるので、微細光学素子としても広く利用することができる。
Claims (8)
- 微細パターンを有するゴムモールドと基板とを接着させて微細流体素子を製作する段階と、
前記微細流体素子に高分子溶液を注入する段階と、
高分子を乾燥させて微細流体管のパターンによって高分子アレイを製作する段階と、
光の照射によって方向性光流体化現象を誘導して高分子アレイの模様及び大きさを制御する段階と、
方向性光流体化によって構造が制御された高分子アレイの上に金属を塗布し、高分子を選択的に除去して高分子模様を金属に転写する段階、とを備えた微細構造体アレイの製作プロセスを含むことを特徴とする高分子の方向性光流体化現象を用いたパターン化された微細構造体の製作方法。 - 高分子は、アゾベンゼン分子を含む線形構造を有する高分子又はその組成物或いはその誘導体であることを特徴とする請求項1に記載の高分子の方向性光流体化現象を用いたパターン化された微細構造体の製作方法。
- 高分子アレイは、高分子の方向性流体化現象によって製造された線形又は楕円アレイパターンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の高分子の方向性光流体化現象を用いたパターン化された微細構造体の製作方法。
- 偏光方向及び照射時間により、方向性流体化現象の方向及び程度を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高分子の方向性光流体化現象を用いたパターン化された微細構造体の製作方法。
- ホログラフィック1次元の干渉パターンを照射して部分的に高分子の方向性流体化現象を誘導し、楕円アレイパターンを製作することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高分子の方向性光流体化現象を用いたパターン化された微細構造体の製作方法。
- 方向性流体化現象によって構造が制御された高分子線形パターンアレイに金属を塗布した後、高分子を選択的に除去してパターンを金属に転写することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高分子の方向性光流体化現象を用いたパターン化された微細構造体の製作方法。
- 方向性流体化現象によって構造が制御された高分子楕円パターンアレイに金属を塗布した後、高分子を選択的に除去してパターンを金属に転写することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の高分子の方向性光流体化現象を用いたパターン化された微細構造体の製作方法。
- 請求項1〜7から選択された何れか1項の方法で製造したパターン化された微細構造体。
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