JP2011125316A - 風味増強剤 - Google Patents

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正 志 小笠原
Yuko Nakakuki
裕 子 仲久木
Yoshitaro Takahashi
橋 是太郎 高
Munehisa Shibata
田 宗 久 芝
Hideyuki Kurihara
原 秀 幸 栗
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Abstract

【課題】新規風味増強剤の提供。
【解決手段】ニコチンアミドもしくはその誘導体またはそれらの塩を有効成分として含有する、こく味増強剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、風味増強剤に関する。より詳しくは、本発明は、ニコチンアミドもしくはその誘導体またはそれらの塩を含有する、こく味増強剤に関する。
基本味とは、味覚の質を表すもっとも基本的な要素で、生理学的には甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の5種類の味をいう。また、基本味以外の味として、こく味がある。こく味とは、持続性のあるうま味をいい、好ましくはこれに濃厚感が付与された味をいう。
うま味調味料や、酵母エキス、蛋白加水分解物、魚介エキス、畜肉エキス等の天然調味料は、うま味等の基本味を付与することはできるが、こく味を十分に付与することは難しい。
こく味を付与する方法としては、ピラジン化合物類(特許文献1:特許第3929170号公報)や 、分子量1000〜5000のペプチドとカルボニル化合物とのアミノカルボニル反応物(特許文献2:特許第3623753号公報)等を用いる種々の方法が知られている。
一方、ニコチンアミドは、動物の肝臓、肉、乳、酵母、豆類及び穀粉類など、多くの食品に含まれており、ビタミンB群の一つとしてビタミンB3と呼ばれることもある。また、ニコチンアミドはニコチン酸と同様の生理効果を示すことから、栄養学上はニコチン酸と共にナイアシンと呼ばれることもある。
食品添加物としてのニコチンアミドは、様々な化学的な手法で合成されている。
また、ニコチンアミドは、トウモロコシ食品への添加や、ビタミン強化飲料などに使用されるほか、食肉加工食品の肉の色の保持の目的などで使用されることが知られている。しかしながら、ニコチンアミドと調味効果との関係についての報告はまれであり、そのこく味増強作用については報告されていない。
特許第3929170号公報 特許第3623753号公報
本発明は、新規なこく味増強剤、それを添加してなる飲食品、および飲食品のこく味増強方法を提供することをその目的とする。
本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)ニコチンアミドもしくはその誘導体またはそれらの塩を有効成分として含有する、こく味増強剤。
(2)上記誘導体が、ヒドロキシメチル基、アミノ基、メチル基もしくはアミノ酸残基で1以上の置換可能な水素原子が置換され、かつ/またはピリジン環の窒素原子上にオキシド基を有するニコチンアミド、ニコチン酸、酸化型もしくは還元型のニコチンアミドジヌクレオチドまたは酸化型もしくは還元型のニコチンアミドジヌクレオチドリン酸である、上記(1)に記載のこく味増強剤。
(3)上記(1)に記載のこく味増強剤を添加してなる、飲食品。
(4)上記(1)に記載のこく味増強剤を飲食品に添加することを含んでなる、飲食品のこく味増強方法。
本発明のこく味増強剤によれば、飲食品のこく味を効果的に増強することができる。
発明の具体的説明
本発明のこく味増強剤は、ニコチンアミドもしくはその誘導体またはそれらの塩を有効成分として含んでなる。本発明におけるニコチンアミドまたはその誘導体が、優れたこく味増強活性を有することは、意外な事実である。
本明細書において、本発明の「誘導体」とは、ニコチンアミドにおける、水素原子およびアミノ基のうち少なくとも一つの官能基が、それぞれ独立に、ヒドロキシアルキル基、アルキル基、アミノ酸残基および水酸基から選択される置換可能な基で置換され、かつ/またはピリジン環の窒素原子上に、オキシド基またはジヌクレオチド残基を有する化合物、その酸化もしくは還元形態、またはそのリン酸エステルを意味する。
また、基または基の一部としての「アルキル」という語は、直鎖状、分枝鎖状、または環状のアルキルを意味し、その炭素数は、好ましくは1〜5個である。
また、本発明における誘導体は、好ましくは、ヒドロキシメチル基、アミノ基、メチル基もしくはアミノ酸残基で1以上の置換可能な水素原子が置換され、かつ/またはピリジン環の窒素原子上にオキシド基を有するニコチンアミド、ニコチン酸、酸化型もしくは還元型のニコチンアミドジヌクレオチドまたは酸化型もしくは還元型のニコチンアミドジヌクレオチドリン酸であり、よりに好ましくは、ニコチンアミド、ニコチン酸、N−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド、ニコチンアミドN-オキシド、ニコチヌル酸、N−メチルニコチンアミド、5−メチルニコチンアミド、6−メチルニコチンアミド、6−アミノニコチンアミド、NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)、NADH(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド還元型)、NADP(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)またはNADPH(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸還元型)等である。
本発明においては、ニコチンアミドまたはその誘導体の塩をこく味増強剤の有効成分として用いることができる。使用できる塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩得、マレイン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等の有機酸との酸付加塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩糖の無機塩、メチルアミン塩、エチルアミン塩、エタノールアミン塩、リジン塩、オルニチン塩、アンモニウム塩等が挙げられるが、食品への使用の観点から、酢酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等の有機酸塩、ナトリウム塩およびカリウム塩糖の無機塩が好ましく用いられる。
また、本発明におけるニコチンアミド、その誘導体またはそれらの塩は、こく味増強剤の有効成分として単独で用いてもよく、2つ以上を混合して用いてもよい。
また、本発明のこく味増強剤は、ニコチンアミド、その誘導体またはそれらの塩を含んでなる組成物として提供することができる。本発明のこく味増強剤には、飲食品に使用可能な添加物をさらに含有していてもよく、そのような添加物としては、食塩等の無機塩、アスコルビン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、脂肪酸等のカルボン酸等の酸、グルタミン酸ナトリウム、グリシン、アラニン等のアミノ酸類、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム等の核酸、ショ糖、ブドウ糖、乳糖等の糖類、醤油、味噌、畜肉エキス、家禽エキス、魚介エキス、酵母エキス、蛋白質加水分解物等の天然調味料、スパイス類、ハーブ類等の香辛料、デキストリン、各種澱粉等の賦形剤等が挙げられる。
また、本発明のこく味増強剤は、うま味物質を含有していてもよい。うま味物質としては、グルタミン酸ナトリウム、アスパラギン酸、オキシグルタミン酸、イボテン酸、トリコロミン酸、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム等が挙げられる。なお、うま味物質を含有するこく味増強剤は、調味料として用いることもでき、本発明にはかかる態様も包含される。
本発明のこく味増強剤におけるニコチンアミド、その誘導体またはそれらの塩の含有量は、添加対象や、供給源の種類・性質に応じて当業者が適宜決定することができ、液体クロマトグラフィー等の常法により定量できる。
本発明のこく味増強剤は、液状、粉状、顆粒状等のいずれの形状を有するものであってもよい。
本発明におけるニコチンアミド、その誘導体またはそれらの塩は、常法により合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。また、天然または合成の供給源から、それらを常法により単離、精製して用いてもよい。
ナイアシン(ニコチン酸、ニコチンアミド)の供給源としては、例えば、五訂日本食品標準成分表に記載のうち、ナイアシン含量の高いものから順に、魚介類、肉類、藻類、種実類、きのこ類、調味料および香辛料類、野菜類、嗜好飲料類等が挙げられる。
より具体的には、ニコチンアミドの供給源としては、落花生、大豆などの豆類、マイタケ、えのきたけ等のきのこ類、パン酵母、ビール酵母等の酵母類、豚ロース、鶏ささみ等の肉類、レバー、あんこう肝等の肝類、タラコ、イクラ等の魚卵類、かつお節、身欠きニシン、シラス等の水産乾物類、マグロ、カツオ、イワシ、サバ、サワラ、ヒラメなどの魚介類が挙げられるが、好ましくは魚介類である。
本発明のこく味増強剤は、上記のようにして得られるニコチンアミド、その誘導体またはそれらの塩を、飲食品に使用可能な上記添加物やうま味物質に添加・混合する等、常法により調製することができる。
また、本発明のこく味増強剤は、上記の供給源を乾燥処理、粉砕処理、酵素処理等に供し、得られた処理物を、水または緩衝液等の水性媒体や、エタノール等の有機溶媒等により抽出して調製することもできる。また、畜産加工品、水産加工食品の製造時に副生物として得られる煮汁、蒸煮液、クッカージュース、フィッシュソルブル、スティックウォーター等の液媒体を用意し、この液媒体をこく味調味料として用いることもでき、本発明にはかかる態様も包含される。
また、本発明のこく味増強剤は、飲食物に添加し、飲食物のこく味を増強しうる。したがって、本発明の別の態様によれば、本発明のこく味調味料が添加されてなる、飲食物が提供される。また、本発明のさらに別の態様によれば、こく味増強剤を飲食品に添加することを含んでなる、飲食物のこく味増強方法が提供される。
本発明のこく味増強剤の添加方法は、特に限定されないが、飲食品の調理時に素材として添加する方法や、摂食時に添加する方法等が挙げられる。
こく味増強剤の添加量は、飲食品の種類・性質に応じて当業者が適宜調整してよいが、例えば、食品100重量部に対して、ニコチンアミド、その誘導体またはそれらの塩0.005〜0.3重量部であり、好ましくは0.01〜0.1重量部である。
また、本発明のこく味調味料が添加される飲食品としては、味噌、醤油、たれ、だし、ドレッシング、マヨネーズ、トマトケチャップ等の調味料、吸い物、コンソメスープ、卵スープ、ワカメスープ、フカヒレスープ、ポタージュ、味噌汁等のスープ類、麺類(そば、うどん、ラーメン、パスタ等)のつゆ、スープ、ソース類、おかゆ、雑炊、お茶漬け等の米調理食品、ハム、ソーセージ、チーズ等の畜産加工品、かまぼこ、干物、塩辛、珍味等の水産加工品、漬物等の野菜加工品、ポテトチップス、煎餅、クッキー等のスナック菓子類、煮物、揚げ物、焼き物、カレー等の調理食品等があげられる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
加工用赤味噌35.8重量%、加工用白味噌35.7重量%、かつおエキス(キリン協和フーズ社製)2重量%、アミノ酸系調味料(キリン協和フーズ社製)1重量%、水25.5重量%の組成を有する味噌汁の素に熱水を加えて150mlとし、味噌汁を調製した。該味噌汁にニコチンアミドを0.03%(W/V)となるように添加し、各味噌汁のこく味について、6名のトレーニングされたパネラーにより官能評価を行った。
評価は以下の基準に従い、7点評価法で行なった。
7点:非常に強くこく味を感じる
6点:こく味を強く感じる
5点:こく味を少し強く感じる
4点:こく味を感じる
3点:少しこく味を感じる
2点:わずかにこく味を感じる
1点:まったくこく味を感じない
評価の結果、評点の平均点は表1に示される通りであった。
Figure 2011125316
表1に示す通り、ニコチンアミドを味噌汁に添加した結果、こく味が有意に増強された。
実施例2
イカの塩辛(小野万社製)200gにニコチンアミドを0.1%(W/W)となるように添加し、こく味について、実施例1と同様の評価方法により、5人のトレーニングされたパネラーにより官能評価した。
評価の結果、評点の平均点は表2に示される通りであった。
Figure 2011125316
表2に示す通り、ニコチンアミドをイカの塩辛に添加することにより、こく味が有意に増強された。

Claims (4)

  1. ニコチンアミドもしくはその誘導体またはそれらの塩を有効成分として含有する、こく味増強剤。
  2. 前記誘導体が、ヒドロキシメチル基、アミノ基、メチル基もしくはアミノ酸残基で1以上の置換可能な水素原子が置換され、かつ/またはピリジン環の窒素原子上にオキシド基を有するニコチンアミド、ニコチン酸、酸化型もしくは還元型のニコチンアミドジヌクレオチド、または酸化型もしくは還元型のニコチンアミドジヌクレオチドリン酸である、請求項1に記載のこく味増強剤。
  3. 請求項1に記載のこく味増強剤を添加してなる、飲食品。
  4. 請求項1に記載のこく味増強剤を飲食品に添加することを含んでなる、飲食品のこく味増強方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102669757A (zh) * 2012-05-24 2012-09-19 马胜清 一种咸菜丁汤冻

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