JP2011122272A - タイヤコード用すだれ織物 - Google Patents
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Abstract
【課題】トップ反をスリットしてジョイントレスバンドを作製するに際して、容易にスリット位置を知ることができ、スリット工程での作業時間を短縮することができ、製造コストの低減や生産性の向上を図ることができるタイヤコード用すだれ織物を提供する。
【解決手段】経糸密度30〜70本/5cmで総横幅500〜2000mmのタイヤコード用すだれ織物であって、端部に所定の太さおよび密度で織り込まれた緯糸を有するタビー部を備え、前記タビー部が、前記経糸を5〜20本の所定本数単位に纏めて隣接する前記経糸を密接に配置した経糸群と、緯糸とが交互に織り合わされて構成されている。
【選択図】 図2
【解決手段】経糸密度30〜70本/5cmで総横幅500〜2000mmのタイヤコード用すだれ織物であって、端部に所定の太さおよび密度で織り込まれた緯糸を有するタビー部を備え、前記タビー部が、前記経糸を5〜20本の所定本数単位に纏めて隣接する前記経糸を密接に配置した経糸群と、緯糸とが交互に織り合わされて構成されている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、タイヤコード用すだれ織物に関し、詳しくは、ジョイントレスバンド用のトップ反を作製するために用いられるタイヤコード用すだれ織物に関する。
近年、タイヤの製造工程において、タイヤの高速耐久性を高めることを目的として、ジョイントレスバンド(以下、「JLB」とも言う)と言われるテープ状材料を用いることが一般的に行われている。
このJLBは、所定本数(通常、5〜20本)の経糸をゴムで被覆(以下、「トッピング」とも言う)して得られるテープ状材料の形で供給されている。そして、タイヤの製造工程においては、成形工程の経済性の観点から、2ヘッド方式の巻付け装置により2対のテープ状のJLBを一度に成形ドラムに巻付けて、成形サイクルタイムの短縮を図っているが、左右のタイヤにおける経糸本数が異なる場合には、タイヤ拘束力に差(ばらつき)が生じ、コニシティー(タイヤの回転方向に関係無く、常に一定方向に発生する横方向の力)を悪化させる。
また、1本のJLBに含まれる経糸の本数にばらつきが生じた場合にも、同様に、タイヤ拘束力にばらつきが生じ、コニシティーを悪化させる。
このため、所定本数の経糸を等間隔に配置し、その表裏両面にゴムをトッピングすることにより、経糸の本数のばらつきが抑制されたJLBを得る「シングルコード方式」という方法が用いられていたが、この方法は個別に所望するサイズのJLBを作製する方法であるため、製造コストが著しく高く、生産性も高いものではなかった。
そこで、総横幅500〜2000mm程度の反物状のタイヤコード用すだれ織物の表裏両面にゴムをトッピングしてトップ反とし、このトップ反を所定の経糸本数毎にスリットして所望するサイズのJLBを得る方法が広く用いられている(特許文献1〜3)。
この方法は、広幅のトップ反をスリットして一度に多くのJLBを得ることができるため、製造コストを低減でき、生産性も向上するが、スリット時にナイフを用いるため、経糸を切断してしまい、経糸本数にばらつきが生じるという問題があった。
そこで、経糸の糸切れ対策として、ナイフをリニアレール上でフローティングさせたホルダーに固定し、スリット時の経糸の位置の変化に合わせてナイフが追従する方法が採用されていたが、所定の経糸本数毎にスリットする場合、ゴムで被覆したトップ反の表面上は何らの変化もないため、経糸本数を数える作業に多大な時間が必要があり、前記した生産性の向上を阻害していた。
また、トップ反のスリット工程では、トップ反の大割りによりマザーテープを作成し、各マザーテープをスリットして所望幅のJLBを得る方法と、マザーテープを作成せずにトップ反から直接JLBを得る方法があり、通常はハンドリングの容易さから前者の方法が採用されるが、この方法であっても、経糸本数を正確に数える作業に多大な時間を必要とする。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑み、トップ反をスリットしてジョイントレスバンドを作製するに際して、容易にスリット位置を知ることができ、スリット工程での作業時間を短縮することができ、製造コストの低減や生産性の向上を図ることができるタイヤコード用すだれ織物を提供することを課題とする。
本発明に係るタイヤコード用すだれ織物は、
経糸密度30〜70本/5cmで総横幅500〜2000mmのタイヤコード用すだれ織物であって、
端部に所定の太さおよび密度で織り込まれた緯糸を有するタビー部を備え、
前記タビー部が、前記経糸を5〜20本の所定本数単位に纏めて隣接する前記経糸を密接に配置した経糸群と、緯糸とが交互に織り合わされて構成されていることを特徴とする。
経糸密度30〜70本/5cmで総横幅500〜2000mmのタイヤコード用すだれ織物であって、
端部に所定の太さおよび密度で織り込まれた緯糸を有するタビー部を備え、
前記タビー部が、前記経糸を5〜20本の所定本数単位に纏めて隣接する前記経糸を密接に配置した経糸群と、緯糸とが交互に織り合わされて構成されていることを特徴とする。
そして、前記のタイヤコード用すだれ織物は、
前記経糸が、太さ600〜2100dtexの片撚りまたは2本あるいは3本撚り構造の合成繊維またはパルプ系繊維からなるタイヤコードであることを特徴とする。
前記経糸が、太さ600〜2100dtexの片撚りまたは2本あるいは3本撚り構造の合成繊維またはパルプ系繊維からなるタイヤコードであることを特徴とする。
また、前記のタイヤコード用すだれ織物は、
前記タビー部の前記緯糸の太さが、前記経糸の太さの50〜150%であることを特徴とする。
前記タビー部の前記緯糸の太さが、前記経糸の太さの50〜150%であることを特徴とする。
また、前記のタイヤコード用すだれ織物は、
前記タビー部の前記緯糸の太さが、前記経糸の太さとほぼ同じであり、前記経糸とほぼ同じ密度で織り合わされていることを特徴とする。
前記タビー部の前記緯糸の太さが、前記経糸の太さとほぼ同じであり、前記経糸とほぼ同じ密度で織り合わされていることを特徴とする。
さらに、前記のタイヤコード用すだれ織物は、
前記タビー部の緯糸が、ガラス繊維を含む混紡糸であることを特徴とする。
前記タビー部の緯糸が、ガラス繊維を含む混紡糸であることを特徴とする。
本発明によれば、トップ反をスリットしてジョイントレスバンドを作製するに際して、ゴムがトッピングされたトップ反は、端部のタビー部では、経糸が密接に配置された経糸群の間に大きな隙間が生じているため、容易にスリット位置を知ることができる。その結果、スリット工程での作業時間を大幅に短縮することができ、製造コストの低減や生産性の向上を図ることができる。
以下、本発明をその実施の形態に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
1.タイヤコード用すだれ織物
最初に、本発明に係るタイヤコード用すだれ織物につき、図1を用いて説明する。図1は、本発明に係るタイヤコード用すだれ織物の一例を模式的に示す図である。
最初に、本発明に係るタイヤコード用すだれ織物につき、図1を用いて説明する。図1は、本発明に係るタイヤコード用すだれ織物の一例を模式的に示す図である。
図1に示すように、このタイヤコード用すだれ織物Aは、経糸1と緯糸2、2aとが織り合わされて総横幅500〜2000mmの反物状に形成されている。
タイヤコード用すだれ織物Aは、本体部Bと、反始及び反末に緯糸2aが本体部Bの緯糸2よりも密に打ち込まれたタビー部Cとを備えており、経糸1の密度は30〜70本/5cmに設定されている。
本体部Bは、タビー部Cの近傍を除いて等間隔に配列された多数本の経糸1と、少数本の緯糸2とを交互に織り合せて形成されている。
タビー部Cの緯糸2aは、経糸1の密度と同密度で配列されている。タビー部Cは、経糸1を5〜20本(JLBテープに所望される経糸本数)の所定本数単位に纏めて隣接する経糸1を密接に配置した経糸群3と、緯糸2aとが交互に織り合わされて形成されている。これにより、隣接する経糸群3との間に大きな間隔4が形成されるようになっている。
経糸1の材質としては、例えば、ナイロン(登録商標)(ポリアミド系繊維)、ケブラー(デュポン社製アラミド繊維)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PET(ポリエステル繊維)などの合成繊維、またはレーヨンなどのパルプ系繊維など、従来からタイヤコードとして用いられているものを適宜選択して用いることができる。また、経糸1は、600〜2100dtexの片撚りまたは2本あるいは3本撚り構造の太さを有している。
また、緯糸2、2aとしては、経糸の材質に応じて適宜選択して用いることができ、例えば、ポリエチレン繊維などを挙げることができるが、タビー部Cの緯糸2aは、幅方向の寸法変化を抑制するため、ガラス繊維を含む混紡糸を用いることが望ましい。
また、タビー部Cの緯糸2aの太さは、経糸1の太さの50〜150%であることが望ましい。なお、本体部Bの緯糸2の太さは、一般的に20s(20番手)であることが望ましい。
2.トップ反
次に、本発明に係るトップ反につき、図2を用いて説明する。図2は、タイヤコード用すだれ織物を用いたトップ反をスリットする様子を模式的に示す斜視図である。
次に、本発明に係るトップ反につき、図2を用いて説明する。図2は、タイヤコード用すだれ織物を用いたトップ反をスリットする様子を模式的に示す斜視図である。
トップ反は以下の工程を経て作製される。
最初に、経糸1および緯糸2、2aとトッピングゴム5との接着性を向上させるために、公知の方法により、タイヤコード用すだれ織物にディップ処理を施す。
ディップ処理されたタイヤコードすだれ織物の表裏両面にトッピングゴム5を被覆することによりトップ反A1を得る。このトップ反A1が冷却されると、トップ反A1表面においては、間隔4に対応する部分(図2の斜線部)が他の部分と異なる表面状態となる。
そして、このトッピング工程において、タビー部から離れた箇所では、トッピングラインにおいて加えられるテンションにより、経糸1がほぼ等間隔に配された状態となる。
なお、トッピング工程では、タイヤコード用すだれ織物(反物)同士をタビー部Cにおいてゴムを介して加硫接着し、トッピングラインに連続的にタイヤコード用すだれ織物を通過させることにより、反物単位でトッピングラインを通過させる手間を省いて生産性を向上させることができる。
トッピングが完了したトップ反は巻き取られ、次のスリット工程に送られる。
3.スリット工程
図2に示すように、トップ反A1表面のうちタビー部Cの間隔4に対応する部分を目印として、ナイフ6により、間隔4の中央で所定の切断ピッチPで切断することにより、トップ反A1をスリットする。これにより、所望のJLBを容易に且つ確実に作製することができる。
図2に示すように、トップ反A1表面のうちタビー部Cの間隔4に対応する部分を目印として、ナイフ6により、間隔4の中央で所定の切断ピッチPで切断することにより、トップ反A1をスリットする。これにより、所望のJLBを容易に且つ確実に作製することができる。
なお、トップ反A1を切断して直接JLBを得るのではなく、まずトップ反A1から所定数のJLBに相当する本数単位にスリットしてマザーテープとし、このマザーテープを切断して所望するJLBを作製しても良い。マザーテープの作製に際しても、前記と同様に、タビー部Cの間隔4に対応する部分を目印として所定数を数えてナイフ6を入れることにより、所望するマザーテープを容易に且つ確実に作製することができる。
4.実施例および比較例
(1)実施例
本実施例は、10本の経糸(タイヤコード)を1束として150束、即ち、1500本の経糸を有し、経糸を1束毎に緯糸で纏めたタビー部を有するタイヤコード用すだれ織物である。
(1)実施例
本実施例は、10本の経糸(タイヤコード)を1束として150束、即ち、1500本の経糸を有し、経糸を1束毎に緯糸で纏めたタビー部を有するタイヤコード用すだれ織物である。
前記のタイヤコード用すだれ織物にトッピングゴムを被覆してトップ反を形成した。その後、トップ反表面に現れたタビー部Cの間隔に対応する部分を目印に、間隔中央にナイフを入れ、作業時間3分で、経糸100本のマザーテープ15本を得るための段取り作業を完了した。
さらに、このマザーテープの各タビー部の間隔中央にナイフを入れ、各マザーテープ1本につき作業時間2分で、それぞれ経糸10本のJLBを得るための段取り作業を完了した。従って、実施例における合計の段取り作業時間は、3分+(2分/本×15本)=33分であった。
(2)比較例
経糸1500本が配された従来のタイヤコード用すだれ織物を用いて、トップ反を形成した。その後、トップ反の断面で100本の経糸を数えてナイフを入れて、経糸100本のマザーテープ15本を得た。このときの段取り作業時間は30分であった。また、端部をばらして経糸をトップ反の端部からはみ出させた状態で100本の経糸を数えても、段取り作業時間は30分であった。
経糸1500本が配された従来のタイヤコード用すだれ織物を用いて、トップ反を形成した。その後、トップ反の断面で100本の経糸を数えてナイフを入れて、経糸100本のマザーテープ15本を得た。このときの段取り作業時間は30分であった。また、端部をばらして経糸をトップ反の端部からはみ出させた状態で100本の経糸を数えても、段取り作業時間は30分であった。
さらに、各マザーテープについて、トップ反からマザーテープを作製したときと同様の方法により経糸10本を数え、そこにナイフを入れて、それぞれ経糸10本のJLBを得た。このときの段取り作業時間は各15分であった。従って、本比較例における合計の段取り作業時間は、30分+(15分/本×15本)=255分であった。
(3)評価
このように、本発明に係るタイヤコード用すだれ織物を用いることにより、段取り作業時間を大幅に短縮することが可能となり、生産性の向上を図ることができる。また、本発明に係るタイヤコード用すだれ織物は、タイヤコード用すだれ織物の製造工程を変更する必要がなく、既存の設備をそのまま利用することができ、コストの上昇を招くことがない。
このように、本発明に係るタイヤコード用すだれ織物を用いることにより、段取り作業時間を大幅に短縮することが可能となり、生産性の向上を図ることができる。また、本発明に係るタイヤコード用すだれ織物は、タイヤコード用すだれ織物の製造工程を変更する必要がなく、既存の設備をそのまま利用することができ、コストの上昇を招くことがない。
また、タビー部の10本の経糸が纏められた経糸群は、緯糸で挟まれることにより、緯糸のテンションによってさらに強固に束ねられることになるため、特別の技術を必要とせず通常の製織機で作製することができる。さらに、タビー部では大きな隙間が存在するが、タビー部から数メートル離れた本体部ではトッピングラインにおいてタイヤコード用すだれ織物に加わるテンションにより同密度で並ぶため、スリット後のJLBテープ幅はほぼ均一になり、幅変化によるコニシティーの悪化などの悪影響が及ぶことはない。
1 経糸
2,2a 緯糸
3 経糸群
4 間隔
5 トッピングゴム
6 ナイフ
A タイヤコード用すだれ織物
A1 トップ反
B 本体部
C タビー部
2,2a 緯糸
3 経糸群
4 間隔
5 トッピングゴム
6 ナイフ
A タイヤコード用すだれ織物
A1 トップ反
B 本体部
C タビー部
Claims (5)
- 経糸密度30〜70本/5cmで総横幅500〜2000mmのタイヤコード用すだれ織物であって、
端部に所定の太さおよび密度で織り込まれた緯糸を有するタビー部を備え、
前記タビー部が、前記経糸を5〜20本の所定本数単位に纏めて隣接する前記経糸を密接に配置した経糸群と、緯糸とが交互に織り合わされて構成されていることを特徴とするタイヤコード用すだれ織物。 - 前記経糸が、太さ600〜2100dtexの片撚りまたは2本あるいは3本撚り構造の合成繊維またはパルプ系繊維からなるタイヤコードであることを特徴とする請求項1に記載のタイヤコード用すだれ織物。
- 前記タビー部の前記緯糸の太さが、前記経糸の太さの50〜150%であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタイヤコード用すだれ織物。
- 前記タビー部の前記緯糸の太さが、前記経糸の太さとほぼ同じであり、前記経糸とほぼ同じ密度で織り合わされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタイヤコード用すだれ織物。
- 前記タビー部の緯糸が、ガラス繊維を含む混紡糸であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のタイヤコード用すだれ織物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009281211A JP2011122272A (ja) | 2009-12-11 | 2009-12-11 | タイヤコード用すだれ織物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009281211A JP2011122272A (ja) | 2009-12-11 | 2009-12-11 | タイヤコード用すだれ織物 |
Publications (1)
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JP2011122272A true JP2011122272A (ja) | 2011-06-23 |
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ID=44286416
Family Applications (1)
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JP2009281211A Pending JP2011122272A (ja) | 2009-12-11 | 2009-12-11 | タイヤコード用すだれ織物 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113584690A (zh) * | 2021-07-06 | 2021-11-02 | 神马实业股份有限公司 | 一种快速识别帘子布分切位置的穿综方法 |
-
2009
- 2009-12-11 JP JP2009281211A patent/JP2011122272A/ja active Pending
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CN113584690A (zh) * | 2021-07-06 | 2021-11-02 | 神马实业股份有限公司 | 一种快速识别帘子布分切位置的穿综方法 |
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