JP2011120693A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】制御基板に対する不正行為を好適に抑制することができる遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機10は、遊技に関する制御を行う主制御基板を基板ボックスに収容してなる主制御装置180を有している。主制御装置180は、遊技盤80に固定された取付台に対して係止具によって取り付けられている。基板ボックスは、当該基板ボックスが開封された場合に上記係止具が基板ボックスから分離することで、上記取付台からの同基板ボックスの取り外しが可能となるとともに上記係止具による同取付台への再取り付けが不能となるように構成されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
パチンコ機やスロットマシン等の遊技機は、遊技制御処理を実行するCPU、遊技制御プログラムが記憶されたROM、遊技の進行により発生する各種データを一時的に記憶するRAM等の各種電子部品が実装された制御基板を備えている。そして、ROMに記憶された制御プログラムに従って、CPUにより遊技機に搭載されている各種遊技機器が制御され、一連の遊技が実行される。制御基板は、基板ケースに収容された状態で遊技機に取り付けられており、同制御基板の基板ケース外への露出等が抑制されている。
この種の遊技機では、制御基板そのものや同制御基板のROM(ROMがCPUと共に1チップ化されている場合には当該チップ)が正規のものとは異なる不正なものに交換されるといった不正行為が数多く報告されている。このような不正行為に対処すべく、例えば、上記基板ケースに封印構造(いわゆる、カシメ構造)を設けて基板ケースの開封時には破壊等による開封痕跡を残すようにする等の不正対策が採用されている(例えば特許文献1参照)。このような不正対策は、基板ケースが開封された事実や制御基板が交換された事実を目視確認する場合にその確認作業を補助するものであり、またこのような不正対策の存在により不正行為を躊躇させる効果がある。
特開2003−180917号公報
しかしながら、上記封印構造等の不正対策が施されていても、未だに不正行為が行われているのが実状である。例えば、封印構造等を巧妙に破壊することにより、開封の痕跡を残存させることなく基板ケースの開放がなされるおそれがある。このように痕跡の隠蔽がなされた場合、制御基板に対する不正の発見が困難になると懸念される。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、制御基板に対する不正行為を好適に抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
請求項1記載の発明は、遊技に関する制御を行う制御基板と、内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板を収容する基板ケースと、前記基板ケースに設けられ、同基板ケースをベース体に取り付ける取付手段とを備え、前記基板ケースは、当該基板ケースが開封された場合に、前記取付手段による同ベース体への取り付けが不能となるように構成されていることを特徴とする。
制御基板に対する不正行為を好適に抑制することができる。
第1の実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機の主要な構成を分解して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を分解して示す斜視図である。 前面扉の構成を示す背面図である。 内枠の構成を示す正面図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 遊技盤の構成を示す背面図である。 パチンコ機を示す背面図である。 裏パックユニットの構成を示す正面図である。 主制御装置の構成を示す正面図である。 主制御装置を正面側から見た斜視図である。 主制御装置を主要部品ごとに分解して示す分解斜視図である。 主制御装置を主要部品ごとに分解して示す分解斜視図である。 (a)は基板ボックスを一部破断して示す部分破断図、(b)は(a)のA線矢視図である。 固定手段の分解斜視図である。 第1固定手段の動きを示す動作説明図である。 第2固定手段及びそれに関連する構成を示す主制御装置の拡大斜視図である。 (a)封印シールの構成を示す正面図、(b)封印シールの構成を示す裏面図である。 封印シールの構成を示す断面図である。 (a)貼付ベース及びその周辺を拡大して示す側面図、(b)貼付領域における封印シールの位置関係を説明するための説明図である。 (a)は図10のA−A線部分断面図、(b)は(a)のB線矢視図である。 破壊用部材の動きを示す動作説明図である。 カバー部材の取り外しの様子を示す動作説明図である。 主制御装置と取付台との関係を示す斜視図である。 取付台から主制御装置を取り外した状態を示す分解斜視図である。 (a)は軸受け322を挿入部323側から見た概略図、(b)は軸受け322を分解した状態を示す概略図、(c)は(a)のB−B線部分断面図である。 主制御装置を取付台から取り外し作業を説明する作業説明図である。 主制御装置の開封作業のを説明する作業説明図である。 第1の実施の形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態における主制御装置を主要部品ごとに分解して示す分解斜視図である。 第2の実施の形態における主制御装置を主要部品ごとに分解して示す分解斜視図である。 固定手段の分解斜視図である。 固定手段の内部構造を示す部分断面図である。 破壊用部材の動きを示す動作説明図である。 破壊用部材の動きを示す動作説明図である。 主制御装置の封印作業を示す作業説明図である。
<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機10」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場の島設備に設置される。
この外枠11によって遊技機主部12が開閉可能な状態で支持されている。具体的には、後述する支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている。
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前面扉14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。
内枠13には、図2に示すように、前面扉14が支持されており、同前面扉14はパチンコ機10の正面視における左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前面扉14について説明する。なお、以下の説明では、図1及び図2を参照するとともに、前面扉14の背面の構成については図4を参照する。図4は前面扉14の背面図である。
図2に示すように、前面扉14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20と、同枠体20の前面側に固定された前面カバー21とを主体に構成されており、内枠13における前面側のほぼ全域を覆っている。枠体20及び前面カバー21の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部20a,21aが形成されており、同窓部20a,21aはガラスユニット30によって同前面扉14の背面側から覆われている。
図4に示すように、枠体20には窓部20aを囲むようにしてガラスユニット設置部22が形成されている。詳しくは、ガラスユニット設置部22は、枠体20の背面側に配されているとともにパチンコ機10の前方に向けて凹んでおり、その底部に上記窓部20aが配設されている。ガラスユニット30は、ガラスユニット設置部22に嵌まることで上下方向及び左右方向への変位が規制されている。
ガラスユニット30は、透明性を有するガラスパネル31,32とそれらガラスパネル31,32を保持するガラスホルダ33とを有してなり、同ガラスホルダ33が枠体20に取り付けられたレバー部材23と同枠体20とによって挟持されることで、当該枠体20に対して一体化されている。なお、ガラスパネル31,32の間に所定の隙間が確保されており、それらガラスパネル31,32によって遊技領域PEがパチンコ機10の正面側から2重に覆われた状態となっている。
再び図1を参照して説明すれば、窓部20a,21aの周囲には各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部20a,21aの周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部24が設けられている。環状電飾部24では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部24の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部25が設けられ、窓部20a,21aの左右両側には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部26が設けられている。また、中央のエラー表示ランプ部25に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部27が設けられている。
前面扉14(詳しくは前面カバー21)における窓部21aの下方には、手前側へ膨出した上側膨出部28と下側膨出部29とが上下に並設されている。上側膨出部28内側には上方に開口した上皿28aが設けられており、下側膨出部29内側には同じく上方に開口した下皿29aが設けられている。上皿28aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導く機能を有している。また、下皿29aは、上皿28a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有している。
下側膨出部29並びとなる位置には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前面扉14の背面には、図2及び図4に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿28aに通じる前扉側上皿通路51と、下皿29aに通じる前扉側下皿通路52とが形成されてなる。通路形成ユニット50において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路51の入口部分と前扉側下皿通路52の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路51及び前扉側下皿通路52は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路51に入った遊技球は上皿28aに導かれ、前扉側下皿通路52に入った遊技球は下皿29aに導かれる。
次に、図1及び図5に基づき内枠13と同内枠13及び外枠11の関係とについて詳細に説明する。図5は内枠13の正面図である。なお、図5においては、図2と同様にパチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース60を主体に構成されている。樹脂ベース60の高さ寸法(上下方向における長さ寸法)は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、樹脂ベース60は外枠11の上側枠部に寄せて配置され、外枠11の下側枠部と樹脂ベース60との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、樹脂ベース60(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では同樹脂ベース60が幕板の上に載ることとなる。
幕板は着色された不透明な樹脂により薄板状に形成されており、同幕板の前面にはパチンコ機10のメーカ名(図示略)が記されている。幕板の後方となる領域にはスピーカユニットが配されており、同スピーカユニットが外枠11の下側枠部に固定されている。スピーカユニットは、その一部が幕板に形成された開口部を通じてパチンコ機10の前方に露出した状態となっている。
これらスピーカユニットは、後述する音声ランプ制御装置に配線を用いて電気的に接続されており、同音声ランプ制御装置から入力される信号に基づいて音声を出力する。既に説明したようにパチンコ機10(詳しくは前面扉14)の上部にはスピーカ部が設けられており、同スピーカ部とスピーカユニットとを併用することで、すなわちパチンコ機10の上部及び下部に配することで、パチンコ機10の音響に関する機能の向上を図っている。なお、スピーカユニットは必須の構成ではなくこれを省略することも可能である。
図5に示すように、樹脂ベース60の回動基端側(図5の左側)には、後述する支持機構が設けられており、この支持機構によって前面扉14が内枠13に対する回動が許容された状態で支持されている。
内枠13(詳しくは樹脂ベース60)の前面において、同内枠13の回動先端側となる部位には施錠装置75が設けられている。施錠装置75は、前面扉14に向けて延びる複数の前扉用鉤部材76を有している。これら前扉用鉤部材76に対応させて、前面扉14の背面には内枠13側に延びる鉤受け部材59が複数設けられている。前扉用鉤部材76が鉤受け部材59に引っ掛かることにより前面扉14が閉じた状態で施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
樹脂ベース60の右下隅部には、施錠装置の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置に一体化されており、その先端部分(鍵穴部分)が上記前面扉14に設けられた孔部を通じてパチンコ機10の前方に露出している。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右に回すことで内枠13に対する前面扉14の施錠が解除され、同キーを左に回すことで外枠11に対する内枠13の施錠が解除される。
樹脂ベース60の前面における略中央部分には、遊技盤80を収容する遊技盤収容部61が形成されている。遊技盤収容部61は、パチンコ機10の後方に凹み、遊技盤80を収容する収容空間を区画形成しており、樹脂ベース60に取り付けられた遊技盤80がその収容空間に嵌まった状態となっている。
遊技盤収容部61は、遊技盤80の背面に対向する平板状の対向板部62と、同対向板部62から起立し遊技盤80の周縁に沿って延びる周壁部63とによって構成されている。対向板部62は、その略中央に上述した中央開口64が形成されており、内枠13の正面視において略矩形枠状をなしている。周壁部63は、遊技盤80における上下左右の各端面に対して個々に対向する上側壁部65,下側壁部66,左側壁部67,右側壁部68が連なってなり、全体として遊技盤80を囲む環状をなしている。なお、周壁部63は中央開口64を囲むようにして形成されているとも言える。
遊技盤80は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が遊技盤収容部61の開放部分を通じて樹脂ベース60の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤80の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット30(詳しくはガラスパネル32)によって覆われている。ガラスパネル32は、遊技盤80の前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技盤80は木製に限定されるものではなく、合成樹脂材料製とすることも可能である。
また、本実施の形態における遊技盤80は樹脂ベース60に対して着脱可能な構成となっており、遊技盤収容部61には遊技盤80の取り外しを許容する許容状態と、同遊技盤80の取り外しを不可とする阻止状態とに切替可能なロック装置70が複数設けられている。このようにロック装置70を用いて遊技盤80を着脱可能な構成を採用することで、メンテナンス作業等の容易化が図られている。
以下、図6に基づき遊技盤80(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図6は遊技盤80の正面図である。
遊技盤80には、ルータ加工が施されることによって自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83b、スルーゲート84及び可変表示ユニット85等がそれぞれ設けられている。一般入賞口81、可変入賞装置82及び作動口83a,83bに遊技球が入ると、それら遊技球が後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤80の最下部にはアウト口86が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口86を通って遊技領域PEから排出される。
また、遊技盤80には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘87が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘87や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確立で発生するように調整されている。
可変入賞装置82は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置82の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、同可変入賞装置82の開放が複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として繰り返されるように設定されている。
可変表示ユニット85は遊技盤80の中央上寄りに配置されており、その下方に作動口83a,83bが配置されている。より詳しくは、作動口83a,83bは、作動口83aを上側、作動口83bを下側として上下に並設されている。可変表示ユニット85及び作動口83a,83bは、遊技性を司る部位であり遊技者の注意が集まりやすい。それら可変表示ユニット85及び作動口83a,83bを遊技機中央において上下に並べて配置することで両者間での視線の移動量を抑え、遊技者の目に生じる負担の低減に貢献している。
可変表示ユニット85は、作動口83a,83bへの入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置94を備えている。図柄表示装置94は、液晶ディスプレイ(表示画面94a)を備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御されている。具体的には、表示画面94aにおいては、上段,中段及び下段に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示される。そして、大当たり発生時には、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示され、特別遊技状態へと移行される。なお、表示画面94aにおける表示態様を以下のように変更してもよい。すなわち、左,中及び右に並べて図柄を表示し、それら図柄を上下スクロールさせるようにして変動表示させてもよい。
また、可変表示ユニット85は、図柄表示装置94を囲むようにして形成されたセンターフレーム95を備えている。センターフレーム95の上部には、第1特定ランプ部96及び第2特定ランプ部97が設けられている。また、センターフレーム95の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部98,99が設けられている。下側の保留ランプ部98は、図柄表示装置94及び第1特定ランプ部96に対応しており、遊技球が作動口83を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部98の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部99は、第2特定ランプ部97に対応しており、遊技球がスルーゲート84を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部99の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
再び図5を用いて説明すれば、樹脂ベース60における遊技盤収容部61(遊技盤80)の下方には、遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース60用の補強プレートを介して樹脂ベース60に取り付けられている。
発射レール112は、遊技盤80側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤80側、詳しくは遊技盤80に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域区画部材と共に遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤80において出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。
誘導レール100は、遊技球発射ハンドル41が遊技球を遊技領域PEに到達させることができる程度に操作された場合に、すなわち遊技球発射ハンドル41の操作量が第1の規定量を超えた場合に、発射レール112から打ち出された遊技球が当該誘導レール100の入口部分104、詳しくは外レール102において発射レール112の延長上に位置する特定部位に着地するように形成されている。なお、外レール102は、その特定部位における接線の向きが発射レール112のレール方向と略同一となるように形成されている。発射された遊技球の移動方向と、特定部位の接線方向を揃えることにより、遊技球の着地によって生じる衝撃を低減するとともに同遊技球の跳ね返りを抑え、誘導レール100によるそれら遊技球の円滑な誘導を可能としている。
同図5に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤80の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路55が配設されている。ファール球通路55は前面扉14の通路形成ユニット50に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路55内に入ることとなる。ファール球通路55は前扉側下皿通路52に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は図1に示した下皿29aに排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
樹脂ベース60において発射レール112の左方(詳しくは前面扉14を支持している側)には樹脂ベース60を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース60に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前面扉14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路51が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路51が配置されている(図2参照)。
樹脂ベース60において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123からの遊技球の流出を規制するシャッタ124が設けられている。シャッタ124は、両通路の出口部分を狭め遊技球の流出を阻止する阻止位置と、遊技球の流出を許容する許容位置との両位置に切り替え可能な状態で樹脂ベース60によって支持されている。また、樹脂ベース60にはシャッタ124を阻止位置に向けて付勢する付勢部材が取り付けられており、前面扉14を内枠13に対して開いた状態では付勢部材の付勢力によってシャッタ124が阻止位置に留まる構成となっている。これにより、本体側上皿通路122又は本体側下皿通路123に遊技球が貯留されている状態で前面扉14を開放した場合に、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が回避されている。これに対し、前面扉14を閉じた状態では、前面扉14の通路形成ユニット50に設けられた受口部53により上記付勢力に抗してシャッタ124が許容位置に押し戻される。この状態では、本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路51と、本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路52とがそれぞれ連通し、遊技球の移動が許容されることとなる。
次に、内枠13(樹脂ベース60及び遊技盤80)の背面構成について説明する。樹脂ベース60の背面における回動基端側には、軸受け金具が取り付けられている。軸受け金具には、上下に離間させて軸受け部が形成されており、これら軸受け部により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、樹脂ベース60の背面には、裏パックユニット15を内枠13に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
既に説明したように樹脂ベース60における遊技盤収容部61の底部分、すなわち上記対向板部62には樹脂ベース60の厚さ方向に貫通し同樹脂ベース60の背面側に開放された中央開口64が形成されており、その中央開口64が遊技盤収容部61に収容された遊技盤80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤80の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は中央開口64を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。ここで、図7に基づき遊技盤80の背面の構成について詳細に説明する。図7は遊技盤80を後方から見た斜視図である。
遊技盤80の背面には、可変表示ユニット85を遊技盤80に対して搭載する合成樹脂製の台座部材141が固定されている。台座部材141は、遊技盤80側に開放された略箱状をなしており遊技盤80の背面のほぼ全域を覆っている。台座部材141の一部は樹脂ベース60の中央開口64を通じて同樹脂ベース60の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置94と、その図柄表示装置94を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置94及び表示制御装置は前後方向(樹脂ベース60の厚さ方向)に図柄表示装置が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、遊技盤80には、表示制御装置の後方に位置するようにして音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
音声ランプ制御装置ユニット142の下方には、台座部材141を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤80の背面に固定された合成樹脂製の取付台170と、その取付台170に搭載された主制御装置180とを有している。主制御装置180は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。
台座部材141において遊技盤80の背面と対向している部分には、前記一般入賞口81,可変入賞装置82,上作動口83a,下作動口83bの遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤80の下方に集合する構成となっている。つまり、台座部材141には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口86についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口86を介して排出通路内に導出される。
また、上記回収通路には、遊技盤80表側の一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する入賞口スイッチと、可変入賞装置82に入賞した遊技球を検知するカウントスイッチと、作動口83a,83bに入った遊技球を検知する作動口スイッチとが装着されており、それら各種スイッチによって入賞検知機構が構成されている。更に、台座部材141において可変表示ユニット85の左右両側には、スルーゲート84を通過する遊技球を検知するゲートスイッチが設けられている。これら各種スイッチは主制御装置180に対して電気的に接続されており、各スイッチによる検知情報が同主制御装置180に出力される構成となっている。
次に、図3,図8及び図9に基づき裏パックユニット15について説明する。図8はパチンコ機10の背面図、図9は裏パックユニット15の正面図である。
図8に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、図11に示すように払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット85を囲むのに十分な大きさを有する(図8参照)。
ベース部211には、その右上部に外部端子板(図示略)が設けられている。外部端子板には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部215が形成されており、固定レバー134が挿通部215に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿28a、下皿29a又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路51を介して上皿28aに通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路52を介して下皿29aに通じるように形成されている(図2及び図3参照)。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
図9に示すように、制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置243にはRAM消去スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ247を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
<主制御装置180の構成>
次に、主制御装置180の構成を図10〜図13に基づいて詳細に説明する。図10は主制御装置180の正面図、図11は主制御装置180を表側から見た斜視図、図12及び図13は主制御装置180の分解斜視図である。
図10に示すように、主制御装置180は、横長の板状をなす主制御基板310と同主制御基板310の長手方向と同一方向に長い横長四角箱状の基板ボックス320とを備えており、当該基板ボックス320によって区画形成された内部空間に主制御基板310が収容されてなる。
主制御基板310は、主たる制御を司るMPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM等を備えている。本実施の形態においては、これらMPU等が1チップ化されてなるMPUチップ311が同主制御基板310に着脱可能な状態で取付られている。また、詳細な説明は省略するが、主制御基板310には上記MPUチップ311以外にも、入出力ドライバ用ICチップ,ラッチ用ICチップ,コンデンサ,抵抗などの各種素子や、複数のコネクタ312が搭載されている(図12参照)。
主制御基板310においては、MPUチップ311を除く上記各種構成が全て同一の板面上に搭載されており、その逆側の板面にて半田付けされている。つまり、主制御基板310は、一方の板面が素子搭載面315となっており、他方の板面が半田面316となっている。なお、半田面316とは、素子搭載面315に搭載される各種素子の半田付け部分が設けられる面であるが、当該半田面に対して回路パターンが形成されていてもよい。
図11に示すように基板ボックス320は、複数のボックス構成体として、表側構成体(ボックスカバー)350と裏側構成体(ボックスベース)450とを有しており、それら両構成体350,450が相互に組み合わされてなる。これら表側構成体350及び裏側構成体450は、基板ボックス320内に収容された主制御基板310の素子搭載面315及び半田面316を基板ボックス320外から視認可能となるように透明性を有する材料によって形成されている。具体的には、無色透明のポリカーボネート樹脂により形成されているが、形成材料はこれに限定されることなく、アクリル樹脂等であってもよい。
表側構成体350は、図12及び図13に示すように、表側構成体350の周縁を規定する表側周縁部351と、当該表側周縁部351から一方に膨出するようにして形成された膨出部352とが一体形成されてなり、主制御基板310側に開放された略矩形箱状をなしている。
膨出部352は主制御基板310に対向する平面部353と同平面部353から起立するとともに主制御基板310を囲む周壁部356とを有してなり、同膨出部352によって主制御基板310を収容する収容空間の一部が区画形成されている。なお、詳細な説明は省略するが、表側周縁部351には主制御基板310に設けられたコネクタ312を基板ボックス320外に露出させるための開口部や、放熱用の開口部等が形成されている。
表側構成体350にはその背面側から主制御基板310がネジ止めされている。なお、表側構成体350への主制御基板310の固定は主制御基板310の半田面側から行われており、主制御基板310の素子搭載面315に搭載された各種素子が主制御基板310と表側構成体350との間の領域内に収容されている。
主制御基板310が一体化された表側構成体350に対して、裏側構成体450が固定されている。裏側構成体450は、図12に示すように、正面視で四角形状、具体的には長方形状をなす略板状に形成されており、平面状に形成された平面部451と、当該平面部451の周縁を囲むようにして形成された裏側周縁部452とが一体形成されてなる。
表側構成体350に対してその裏面側から裏側構成体450を固定することにより、表側構成体350の表側周縁部351と裏側構成体450の裏側周縁部452とが重なり、膨出部352の裏面側への開放部分が裏側構成体450の平面部451により塞がれている。この場合、主制御基板310の半田面316は、裏側構成体450によって覆われることとなる。つまり、主制御基板310の素子搭載面315はその全体が表側構成体350と対向しており、主制御基板310の半田面316はその全体が裏側構成体450と対向している。上記構成の主制御装置180は、表側構成体350の表面がパチンコ機10後方を向くようにして搭載されている(図7及び図8参照)。
次に、表側構成体350と裏側構成体450との固定に係る構成について説明する。両構成体350,450の固定に係る構成としては、両構成体350,450の相対変位を特定の規制方向のみに規制する規制手段と、当該規制方向への相対変位を妨げるようにして両構成体350,450を相互に固定する固定手段とが採用されている。
先ず、規制手段について詳細に説明する。
図13の部分拡大図に示すように、表側構成体350には、規制手段としてフック部355が一体形成されている。フック部355は表側周縁部351の両長辺部(具体的には、上縁部及び下縁部)にそれぞれ配設されており、それら長辺部に沿って延びている。また、それらフック部355は、裏側構成体450側に向けて起立しており、各フック部355において自由端側となる部位(先端部分)が他方のフック部355とは反対側に向けて折れ曲がっている。
裏側構成体450(詳しくは平面部451)の上下の各長辺部には、上記フック部355とともに規制手段を構成する溝部453が形成されている(図12参照)。各溝部453は、平面部451の各長辺に沿って延びているとともに表側構成体350側に開放されており、その開放部分を通じてフック部355の先端部分が同溝部453内に嵌まっている。
これら開放部分には、フック部355の先端部分に対して表側構成体350側から当接する当接部454が形成されており、溝部453に嵌まったフック部355はこれら当接部454によって溝部453からの脱落が抑えられた状態で同溝部453内を摺動可能となっている。
溝部453における一方の端部(すなわち裏側構成体450の一方の短辺部)には、他方の短部(他方の短辺部)とは反対側に開放された入口部453aが形成されており、この入口部453aを通じてフック部355が挿入又は離脱可能となっている。例えば表側構成体350のフック部355を上記入口部453aに挿入してそのまま表側構成体350を同挿入方向(上記規制方向)へスライドさせることで、両構成体350,450を組み合わせることができる。
裏側構成体450(詳しくは平面部451)において入口部453aが形成されている側とは反対側の短辺部には、同短辺部から起立し、表側構成体350の膨出部352(詳しくは周壁部354)に対向する対向壁部455が設けられている。上述した溝部453に沿って表側構成体350を組み合わせ側にスライド(相対変位)させた場合には、表側構成体350が対向壁部455に当接する位置へ到達することで、同方向へのそれ以上の移動が阻止されることとなる。
また、対向壁部455の外周縁には他方の短辺側に起立する起立壁部456が形成されており、これら対向壁部455及び起立壁部456によって膨出部352の一側部を囲む囲み部457が構成されている。両構成体350,450の組み合わせが完了した状態では、この囲み部457に対して膨出部352が嵌まる。これにより、同囲み部457によって上記規制方向と交差する方向への両構成体350,450の相対変位が規制されることとなる。つまり、囲み部457を有する構成とすることにより、溝部453やフック部355に生じる負荷を分散させることが可能となっている。
基板ボックス320において対向壁部455が設けられている側の端部には、両構成体350,450を相互に固定する固定手段330が設けられている(図11参照)。固定手段330は、基板ボックス320において上記内部空間を区画形成している本体部321から側方(主制御基板310とは反対側)に突出しており、同固定手段330によって主制御基板310が見えづらくなることが回避されている。
<固定手段330>
固定手段330については、主制御基板310を基板ボックス320内に封印する封印手段としての機能が付与されている。つまり、固定手段330によって表側構成体350と裏側構成体450とが開封不能に固定される。固定手段330を用いて封印を施すことで、主制御基板310に対する不正なアクセス等が抑制される。
固定手段330は、個別に設けられた第1固定手段330A及び第2固定手段330Bを有してなり、それら各固定手段330A,330Bによる封印をそれぞれ解除することにより基板ボックス320が開封され、両構成体350,450の分離が許容されることとなる。本実施の形態においては特に、各固定手段330A,330Bに異なる固定手法が適用されている。そこで以下、図14及び図15を参照して第1固定手段330Aについて説明し、その後第2固定手段330Bについて説明する。図14(a)は基板ボックス320を一部破断して示す部分破断図、図14(b)は図14(a)のA線矢視図、図15は固定手段330の分解斜視図である。
<第1固定手段330A>
図14に示すように、第1固定手段330Aは、表側構成体350に設けられた表側固定部331と、裏側構成体450に設けられた裏側固定部332とによって構成されている。
表側固定部331は、周壁部354において裏側構成体450の対向壁部455(図12参照)に対向している側の壁部に一体的に設けられている。表側固定部331は、周壁部354に一体形成され、同周壁部354から上記規制方向と同じ方向(側方)に延設されたアーム部361,362を有している。アーム部361,362の先端部分には、表側係止金具370を搭載する台座部363が、それら各アーム部361,362に跨るようにして形成されている。この台座部363に対して表側係止金具370がネジ止めされることにより同表側係止金具370が表側構成体350に対して一体化されている。このように、アーム部361,362及び台座部363に、表側構成体350と表側係止金具370とを連結する機能が付与されている点に着目すれば、これらアーム部361,362等を「連結部」と称することも可能である。
裏側構成体450の対向壁部455には、表側固定部331に対応する開口部458が形成されている。開口部458は、対向壁部455の厚さ方向に貫通するとともに表側固定部331の通過を許容する大きさに形成されており、同開口部458を通じて表側固定部331が基板ボックス320の本体部321とは反対側に突出しているとともに表側構成体350の周壁部354によって本体部321側から塞がれている(図14参照)。
より具体的には、開口部458からアーム部361,362が突出することで、台座部363及び表側係止金具370が囲み部457の外側に張り出した状態となっている。このように表側固定部331において開口部458から囲み部457外に張り出している部分が上記裏側固定部332によって覆われている。
裏側固定部332は、表側固定部331を収容する収容部461を有している。図15に示すように、収容部461は、対向壁部455に一体成形されており、開口部458側に開放された略箱状をなしている。つまり、収容部461は開口部458と連通しており、同開口部458を通じた当該収容部461内への表側固定部331の移動を許容している。収容部461の内部には、表側固定部331の表側係止金具370に対応する裏側係止金具470が配設されている。
再び図14を参照して説明すれば、収容部461において開口部458側を向いた奥壁部462にはボス462aが形成されており、このボス462aに対して裏側係止金具470が同収容部461の内側からネジ止めされている。これらネジ463及びボス462aに関しても同収容部461内に収容されることで、同収容部461外からのネジ463等へのアクセスが制限されている。
ボス462aは、収容部461において開口部458側を向いた奥壁部から起立しており、その先端部分(ネジ穴が形成されている部分)が同開口部458側に開放されている。両構成体350,450が分離されている状態にて裏側係止金具470を着脱する際には、開口部458を通じて挿入された工具を用いることで同着脱作業を容易に行うことができるが、それら構成体350,450が組み合わされて表側係止金具370と裏側係止金具470とが係止状態となった場合には、上記台座部363等がネジ463の取り外し経路上に位置することとなる。このため、両係止金具370,470が一端係止状態となった後は、それら係止金具370,470を取り外して係止状態を解除することが困難となる。
ここで、各係止金具370,470の構成について補足説明する。図15に示すように、表側係止金具370は、複数の金具が組み合わされてなり、全体として略箱状をなしている。表側係止金具370において本体部321とは反対側(すなわち収容部461の奥側)を向いている部分の略中央には裏側係止金具470側に開放された開放部371が設けられており、同開放部371を通じて、裏側係止金具470が表側係止金具370内に嵌まっている。
裏側係止金具470は、上記ボス462aにネジ止めされているベース部471と、同ベース部471の両端部分をボス462a側(開放部371側)に折り曲げて形成された折曲部472とを有しており、開放部371とは反対側に凸となる略コ字状をなしている。より具体的には、裏側係止金具470は、金属製の長板をその長手方向に3等分となる位置で折り曲げることで、その中央部分(ベース部471)が開放部371を通過可能となるように同開放部371よりも小さく形成されている。
折曲部472は、それら折曲部472の先端部分が表側係止金具370の内側から同表側係止金具370において開放部371を挟んだ両側部分(以下便宜上、ストッパ部372,373と称する)に対向している。これにより裏側係止金具470が表側係止金具370の開放部371を通過して同表側係止金具370から離脱することが回避され、両係止金具370,470が係止状態となっている。
特に、ベース部471及び折曲部472に跨る裏側係止金具470の全長は、折曲部472の並設方向における表側係止金具370の内幅よりも大きく設定されている。これにより、裏側係止金具470が表側係止金具370内で完全に開ききること(すなわち折曲部472の折り曲げ角度が0°となること)が回避されている。つまり、仮に両係止金具370,470が上記係止状態となっている場合に表側構成体350と裏側構成体450とが分離方向へ引っ張られる等したとしても、裏側係止金具470が逆側に凸となるように変形して開放部371を通過可能となる大きさになることで裏側係止金具470が表側係止金具370から離脱して係止状態が解除されることを抑制できる。
また、折曲部472はボス462aを挟んで対峙しており、同折曲部472の先端部分における間隔寸法が同折曲部472の基端部分における間隔寸法よりも大きく設定されている。つまり、本体部321とは反対側に拡がっている。そして、折曲部472とボス462aとの間には、同折曲部472がベース部471を基端として撓み変形した場合の動作スペースが確保されている。
ここで、図16を参照して表側構成体350及び裏側構成体450とを組み合わせる際の係止状態への移行動作について説明する。図16は第1固定手段330Aの動きを示す動作説明図であり、両構成体350,450の組み合わせ操作(スライド操作)に基づいて図16(a)→図16(b)→図16(c)の順に動作する。なお、表側構成体350と裏側構成体450とは、溝部453等によって定められた上記規制方向への相対移動によって組み合わされるが、この際、表側構成体350に対して裏側構成体450をスライドさせた場合と、裏側構成体450に対して表側構成体350をスライドさせた場合とでは実質的に同一の結果となる。そこで以下の説明では、裏側構成体450に対して表側構成体350をスライドさせた場合について例示する。
表側構成体350のフック部355を裏側構成体450における溝部453の入口部453aから挿入し、同表側構成体350を溝部453に沿って対向壁部455側へスライドさせることにより、表側固定部331が裏側固定部332に向けて移動する(図16(a)参照)。継続して表側構成体350をスライドさせることにより、表側固定部331が開口部458を通じて裏側固定部332内へと進入し、その後、表側係止金具370の開放部371を通じて同表側係止金具370内へ裏側係止金具470のベース部471が進入する。
さらに表側構成体350のスライド操作が継続されることにより表側係止金具370における開放部371の縁部が裏側係止金具470の折曲部472に当たると、同表側構成体350の押し込みに伴って、折曲部472が互いに近づく側(ボス462a側)に撓み変形する。つまり、裏側係止金具470が開口部458に対応する大きさとなるように変形して、同裏側係止金具470の表側係止金具370内への移動が許容される。
そして、図16(c)に示すように、表側構成体350が組み合わせ完了位置へ到達することにより裏側係止金具470が表側係止金具370内に収容されると、開放部371の縁部と裏側係止金具470の折曲部472との接触が解除され、裏側係止金具470の折曲部472が自身の弾性力によって元の状態に復帰する。これにより、ストッパ部372,373に対して折曲部472の先端部分が対向することで表側係止金具370と裏側係止金具470とが係止状態となり、表側構成体350及び裏側構成体450が固定される。つまり、主制御基板310が基板ボックス320内に封印された状態となる。
<第1固定手段330Aの封印解除に関する構成>
次に、再び図14及び図15を参照して、両係止金具370,470による係止状態を解除する場合に利用される構成、すなわち第1固定手段330Aによる封印状態を解除する場合に利用される構成について説明する。
収容部461において対向壁部455と繋がっている部分には、収容部461の内外に貫通する複数のスリット464が形成されており、収容部461の強度が部分的に弱くなるように設定されている。言い換えれば、スリット464間の肉部分(以下、繋ぎ部465,466と称する)を介して収容部461と対向壁部455とが繋がっている。各繋ぎ部465,466は表側固定部331のアーム部361,362に対して外側から重なる位置に配されており、カッターやニッパ等の工具を用いて繋ぎ部465,466ごとアーム部361,362を切断することにより、第1固定手段330Aの主要部分が基板ボックス320から分離されることとなる。つまり、上記表側係止金具370と裏側係止金具470との係止状態そのものを解除するのではなく、それら係止金具370,470を含んだ固定部331,332を基板ボックス320から分離することにより、両構成体350,450の固定が解除される。これにより、基板ボックス320が開封されることとなる。
このように、第1固定手段330Aによる封印を解除した場合には、基板ボックス320に破壊の痕跡(開封痕跡)が残存することとなり、事後的に基板ボックス320の開封がなされたことを確認可能となっている。第1固定手段330Aに開封痕跡を残存させる機能が付与されている点に着目すれば、第1固定手段330A(特に繋ぎ部465,466)を「第1痕跡手段」と称することも可能である。
特に、上述したスリット464(繋ぎ部465,466)は、係止金具370,470の係止状態を解除したり、収容部461の繋ぎ部465,466以外の部分を破壊する等して第1固定手段330Aを基板ボックス320から分離したりして基板ボックス320を開封させるよりも同開封作業が容易となるように形成されている。
また、スリット464は、同スリット464よりも上記台座部363や表側係止金具370のほうが収容部461の奥側に位置するように配されている。これにより、同スリット464を通じてワイヤ等の不正具が挿入された場合であっても、同不正具が係止部位へ到達することを困難なものとし、防犯機能の低下を好適に抑制している。
以上詳述した第1固定手段330Aは、基板ボックス320の各長辺部寄りとなる位置、すなわち各溝部453寄りとなる位置にそれぞれ配置されており、封印機能の向上が図られている。それら両第1固定手段330Aによって挟まれた位置に上記第2固定手段330Bが配置されている(図10参照)。第1固定手段330Aにおいては目視によって開封事実の確認を可能としたが、第2固定手段330Bについては目視による開封事実の確認機能に加え、目視以外の方法による開封事実の確認機能が付与されている。以下、図15及び図17に基づき第2固定手段330Bについて説明する。図17は、第2固定手段330B及びそれに関連する構成を示す基板ボックス320の拡大斜視図である。なお、同図17においては便宜上、後述する破壊手段及びカバー体を基板ボックス320から取り外した状態を示している。
<第2固定手段330B>
図15に示すように、第2固定手段330Bは、両構成体350,450に跨るようにして貼り付けられることでそれら構成体350,450を結合する封印シールと、同封印シールの貼付部位を構成する貼付ベース341とを有している。
貼付ベース341は、表側構成体350の短辺部(詳しくは周壁部354)から突出する表側貼付ベース部381と、裏側構成体450の短辺部(詳しくは対向壁部455)から突出する裏側貼付ベース部481とを有してなる。対向壁部455には裏側貼付ベース部481に並べて挿通孔459が形成されており、表側構成体350及び裏側構成体450が組み合わされた状態においては、同挿通孔459に挿通された表側貼付ベース部381と裏側貼付ベース部481とが両構成体350,450の並設方向に重なりあっている(相対向している)。
このように表側貼付ベース部381と裏側貼付ベース部481との重なり合うことで略直方体形状の上記貼付ベース341が構成され、貼付ベース341の表面には封印シールを貼り付けるための貼付領域342が形成されている。
貼付領域342は、表側貼付ベース部381により構成される表面領域343と、裏側貼付ベース部481により構成される裏面領域344と、表側貼付ベース部381及び裏側貼付ベース部481の両方により構成され、それぞれコーナー部を介して表面領域343及び裏面領域344の両方に連続しこれら表面領域343及び裏面領域344の間に介在する側面領域345と、を備えている。これら表面領域343、裏面領域344及び側面領域345は平面状に形成されている。
側面領域345は上記のとおり表側貼付ベース部381及び裏側貼付ベース部481の両方により構成されている。このため、当該側面領域345には両貼付ベース部381,481の境界BLが存在している。ここで、当該境界BLが生じる構成について詳細に説明する。
図15に示すように、表側貼付ベース部381は、表面領域343及び側面領域345の一部を構成する表側貼付用板部382を備えているとともに、当該表側貼付用板部382を間に挟むようにして形成された一対の表側対向板部383,384を備えている。
一方、裏側貼付ベース部481は、裏面領域344を構成する裏側貼付用板部482を備えているとともに、当該裏側貼付用板部482において裏面領域344側とは反対側から表側貼付用板部382側に向けて突出した台座部485を備えている。台座部485は、裏側貼付用板部482を間に挟むようにして形成された一対の裏側対向板部483,484間に亘って形成されている。台座部485の突出側の端面は表側貼付用板部382において表面領域343側とは反対側の面に近接している。但し、両者は当接しておらず、所定の隙間をへだてて対峙している。
台座部485における基板ボックス320外側の側面は、表側貼付用板部382の突出側の端面に対して、上記所定の隙間を挟んで同一面上に位置しており、これら側面及び端面により上記側面領域345が形成されている。また、上記所定の隙間によって台座部485と表側貼付用板部382との間には所定の空間が形成されているとともに、当該空間は側面領域345上における台座部485と表側貼付用板部382との境界BLによって側方に開放されている。なお、同境界BLは各対向板部383,384の並設方向に延びている。
両構成体350,450の組み合わせが完了している状況では、図17に示すように、台座部485と表側貼付用板部382との間の空間が側面領域345の境界BLを通じて開放された状態となっている。
また、図15に示すように、台座部485には、表側貼付用板部382側に向けて開放されたネジ孔486が複数形成されているとともに、表側貼付用板部382には各ネジ孔486に連通する貫通孔386が形成されている。貫通孔386は対応するネジ孔486に対して同一軸線上となるように配置されている。そして、表側貼付用板部382側から貫通孔386に挿入されたネジ411が各ネジ孔486に対して螺着されることにより、両貼付ベース部381,481の固定が行われている。このようにネジ411によって両貼付ベース部381,481を固定することにより、両構成体350,450の相対変移が規制されている。
上記のようにネジ固定が行われた貼付ベース341に対して、図17に示すように、封印シール500が貼り付けられている。
ここで、封印シール500について図18及び図19を用いて説明する。図18(a)は封印シール500の正面図、図18(b)は封印シール500の裏面図、図19は封印シール500の断面図である。
封印シール500は、図18及び図19に示すように、略矩形状のベースシート501を備えており、ベースシート501の裏面には粘着剤が塗布されてなる粘着層502が設けられている。粘着層502には電子タグ(又はRFIDタグ)としてのICタグ503が埋め込まれている。なお、図19においては、粘着層502に剥離シート504が積層されているが、当該剥離シート504は封印シール500を基板ボックス320に貼り付ける際に剥がされる。
ベースシート501はポリエステル系フィルムなどの可撓性樹脂フィルムにより形成されており適度な脆性を有し、さらに溶剤や熱に対して反応性を有する。具体的には、粘着層502を構成する粘着剤に対して溶解性を備えたトルエンなどがベースシート501に塗布されると、ベースシート501は変色する。また、粘着層502の粘着力が低下する温度(例えば、50℃)以上の熱が加えられた場合にもベースシート501は変色する。これにより、基板ボックス320の貼付領域342から封印シール500を不正に剥がそうとして溶剤がかけられたり、熱が加えられたりした場合、ベースシート501が変色することで当該不正行為の痕跡を残すことができる。
ベースシート501の表面には、図18(a)に示すように、インク塗布部505、識別番号部506及び機種情報部507が設けられている。インク塗布部505には、紫外線などといった特定の波長の光が照射されることにより模様が表れる特殊インクが塗布されている。識別番号部506には、複数の数字が記載されており、当該識別番号部506に記載される数字はパチンコ機毎に異なっている。機種情報部507には、当該遊技機の機種名や当該遊技機の製造メーカー名などが記載されている。
粘着層502の粘着剤は、従来の封印シールと同様に、一旦貼り付けされた後に剥がされるとベースシート501から剥がれる程度の粘着力を有している。したがって、封印シール500が剥がされた場合には再度貼り付けすることが不可能なものであり、さらには粘着層502の一部が貼付領域側に残ることとなる。よって、封印シール500を不正に剥がした痕跡を残すことができる。
ICタグ503は、ICチップ511及びアンテナ部材512を備えている。ICチップ511は集積回路として形成されるものであり、制御部及びメモリ領域を有する。メモリ領域は、データ書き換え不可な不揮発性メモリ(ROM)により構成されており、その記憶容量は例えば128bitとなっている。メモリ領域には、識別情報としてのID情報が格納されている。具体的には、製造メーカ名(又は複数のメーカごとに付されたメーカ固有番号)、遊技機固有のID番号が格納されている。ICチップ511のメモリ領域はデータ書き換え不可であるため、ID情報が不正に改ざんされる等の不都合が抑制できるようになっている。
アンテナ部材512は平面矩形状であって比較的薄い(例えば、10〜200μm)長尺状となっており、アルミや銅等の金属の導体箔として形成されている。アンテナ部材512の長手方向(又は長さ方向)のほぼ中央には、ICチップ511が配置されている。かかるICチップ511の配置は、例えば異方導電性フィルムや導電ペーストなどの接着剤によって、ICチップ511の図示しない電極をアンテナ部材512に固定することで行われている。
アンテナ部材512においてICチップ511が配置された位置には、アンテナ部材512の表面から裏面に貫通させてスリット513が形成されている。スリット513は、ICチップ511からアンテナ部材512の長手方向に延びる第1スリット部514と、ICチップ511から上記長手方向に対して交差する方向、具体的には上記長手方向に直交する方向に延び、アンテナ部材512の端部に達する第2スリット部515とからなり、全体としてL字状に形成されている。スリット513は、ICチップ511の内部に形成されている容量素子と結合してICチップ511とアンテナ部材512との間のインピーダンスを整合させるマッチング回路を構成するインダクタとして機能する。この点、スリット513を整合用切り込みと称することができ、さらには当該スリット513が正常に機能しないとICタグ503において正常な通信が不可となる構成に鑑みると通信用整合部又は不可状態発生部と称することができる。
また、アンテナ部材512は共振調整回路としての機能を有しており、アンテナ部材512の長さ寸法は通信特性に重要な影響を与えるものである。最適なアンテナ部材512の長さ寸法は動作条件により変わるが、アンテナ部材512の周囲が空気である場合には、動作周波数のほぼ1/2波長が最適値となり、周囲が誘電体で覆われている場合には誘電体による波長短縮効果があるので、最適長さ寸法はこれより短い大きさとなることが知られている。本パチンコ機10におけるアンテナ部材512の長さ寸法は、動作周波数が一定周波数となるように、約50mmの大きさに設定されている。
ICチップ511のID情報は、制御部によって呼び出されてアンテナ部材512から電波として発信することができるように構成されており、アンテナ部材512から発信された電波を、リーダ装置で受信してID情報を読み取ることができるようになっている。
ICタグ503(アンテナ部材512)は、図18(b)に示すように、ベースシート501においてその一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って斜めに配置されている。この場合、長尺状のアンテナ部材512はその長手方向がベースシート501のすべての辺方向と交差することとなる。
封印シール500にはアンテナ用切り込み516が形成されている。アンテナ用切り込み516はベースシート501の表面から粘着層502の表面まで貫通している。なお、粘着層502の表面とは、封印シール500の裏面側において露出している面であり、この点、アンテナ用切り込み516は封印シール500の表面から裏面まで貫通しているとも言える。
アンテナ用切り込み516は、アンテナ部材512の長手方向に対して直交する方向又は略直交する方向に延びる直線状である。ちなみに、アンテナ部材512の長手方向に対して直交する方向又は略直交する方向は、ベースシート501の全ての辺方向と交差する方向となる。
アンテナ用切り込み516は、アンテナ部材512の短手方向において当該アンテナ部材512を間に挟むようにして形成されているとともに、各長辺部側において長手方向に沿って等間隔となるように複数形成されている。各アンテナ用切り込み516は、ベースシート501においてアンテナ部材512の配置されていない領域側を一端として、他端側がアンテナ部材512の配置されている領域に若干かかる構成となっている。この場合に、一方の長辺部側のアンテナ用切り込み516は他方の長辺部側のアンテナ用切り込み516に対して短手方向に並ばないように形成されている。
複数のアンテナ用切り込み516の一部は、アンテナ部材512においてスリット513が形成された領域に対しても隣接させて設けられている。この場合、一方の長辺部側における一部のアンテナ用切り込み516が、アンテナ部材512においてスリット513が形成された領域に対して隣接させて設けられているとともに、他方の長辺部側における一部のアンテナ用切り込み516も、アンテナ部材512においてスリット513が形成された領域に対して隣接させて設けられている。つまり、アンテナ用切り込み516は、少なくともアンテナ部材512においてスリット513が形成された領域を間に挟むようにして形成されている。
封印シール500の4隅には、ベースシート501の表面側から粘着層502の表面まで貫通する隅側切り込み517がそれぞれ形成されている。隅側切り込み517は、封印シール500の隅角に沿うようにしてL字状に形成されている。また、封印シール500の外縁には、外縁端部から内側に向けて多数の外縁切り込み518が形成されている。これら外縁切り込み518は、内側から外側に向けて開くようにして鋭角のV字状となっており、さらに封印シール500の外周に沿って等間隔で形成されている。
上記のようにアンテナ用切り込み516、隅側切り込み517及び外縁切り込み518が形成されていることにより、封印シール500を貼付領域342から剥がそうとすると、ベースシート501に破れが生じたり、アンテナ部材512が切断されたりする。
具体的には、封印シール500を貼付領域342から剥がす場合、剥がす力に伴う応力が封印シール500の隅側切り込み517や外縁切り込み518に集中するため、封印シール500の破壊が生じる。これにより、ホール管理者等にとっては、剥がした後の封印シール500が再貼付されている場合にはその破壊を目視確認することで上記不正開放の事実を把握することが可能となる。
また、剥がす力に伴う応力がアンテナ用切り込み516の端部に集中することで、アンテナ用切り込み516を介してベースシート501が破壊され、それに伴ってアンテナ部材512が切断される。この場合、アンテナ部材512の長さ寸法が小さくなるため、通信可能距離が短くなる。これにより、上記管理者にとっては、リーダ装置を用いた通信がしづらい又は通信ができないことを確認することで、上記不正開放の事実を把握することができる。
さらに、アンテナ用切り込み516は、少なくともアンテナ部材512においてスリット513が形成された領域を間に挟むようにして形成されており、貼付ベース341の上記境界BLを基準として表面領域343側及び裏面領域344側の両方にアンテナ用切り込み516が配置されている。したがって、同境界BLを全て露出させる際に、スリット513が形成された箇所においてアンテナ部材512の切断又は破壊が生じることが期待される。そうすると、インピーダンス整合が良好に行われなくなり、通信がしづらくなる又は通信が不可となる。この場合、上記管理者にとっては、リーダ装置を用いた通信がしづらい又は通信ができないことを確認することで、上記不正開放の事実を把握することができる。
なお、アンテナ用切り込み516がアンテナ部材512において一方の長辺部側に形成されているとともに他方の長辺部側に形成されていることにより、封印シール500が剥がされた場合にアンテナ用切り込み516を通じたスリット領域の破壊又は切断が生じ易くなっている。
また、各アンテナ用切り込み516は、ベースシート501においてアンテナ部材512の配置されていない領域側を一端として、他端側がアンテナ部材512の配置されている領域に若干かかるように形成されている。これにより、アンテナ用切り込み516を通じて封印シール500が破れた場合には、その破れ領域は封印シール500においてスリット領域に容易に達するため、アンテナ用切り込み516を通じたスリット領域の破壊又は切断が生じ易くなる。
また、アンテナ用切り込み516はベースシート501に形成されておりアンテナ部材512には形成されていない。さらに、アンテナ部材512の一方の長辺部側に形成されたアンテナ用切り込み516と他方の長辺部側に形成されたアンテナ用切り込み516とがアンテナ部材512の幅方向に並ばないように形成されている。これにより、アンテナ用切り込み516を通じてスリット領域が破壊又は切断され易くなるようにした構成において、封印シール500を貼付領域342に正規に貼り付ける際に誤ってスリット領域が破壊又は切断されてしまう可能性が低減される。
次に、封印シール500の貼付位置に係る構成について図17に加えて図20を用いて説明する。図20(a)は貼付ベース341及びその周辺を概略化して示す側面図、図20(b)は貼付領域342における封印シール500の位置関係を説明するための説明図である。なお、説明の便宜上、図20においては、隅側切り込み517及び外縁切り込み518を省略して示す。
図17及び図20(b)に示すように、封印シール500は貼付領域342に貼り付けられている。この場合、貼付領域342において表面領域343、側面領域345及び裏面領域344に亘って封印シール500が配置されるように当該封印シール500はコ字状に曲げて貼り付けられている。封印シール500により、表面領域343の略全体、側面領域345の略全体及び裏面領域344の略全体が覆われている。したがって、表面領域343に形成されている各貫通孔386の開口部及び裏面領域344に形成されている各ネジ孔486の開口部が封印シール500により覆われているとともに、側面領域345における表側貼付ベース部381と裏側貼付ベース部481との境界BLもその略全体が封印シール500により覆われている。つまり、封印シール500は表側貼付ベース部381及び裏側貼付ベース部481の境界BLに跨って貼り付けられている。これにより、基板ボックス320の開放操作が封印シール500によって阻害される。よって、封印シール500において上記境界BLに跨って貼り付けられている箇所を切断する又は封印シール500を剥がすことなく、基板ボックス320を開放することが困難になっている。
封印シール500においてアンテナ部材512は、既に説明したとおり、ベースシート501においてその一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って配置されているため、封印シール500と同様に、アンテナ部材512も表面領域343、側面領域345及び裏面領域344に亘ってコ字状に曲げて配置されている。この場合、ICタグ503のアンテナ部材512が上記境界BLを跨いでいるとともに、図20(b)に示すように、アンテナ部材512においてインピーダンス整合用のスリット513のうち、アンテナ部材512の長手方向に延びる第1スリット部514が境界BLを跨いでいる。これにより、境界BLに沿って封印シール500が切断された場合には、アンテナ部材512において第1スリット部514が形成された領域が切断され、ICタグ503において正常な通信が不可となる。
ここで、アンテナ部材512と貫通孔386との位置関係について説明する。
アンテナ部材512における長手方向の一方の端部は、図17及び図20(b)に示すように、表面領域343における一の貫通孔386の開口部を跨いでいる。詳細には、アンテナ部材512の短手方向の寸法は貫通孔386の開口部の孔径よりも小さくなっており、さらにアンテナ部材512が貫通孔386の開口部を挟んで当該開口部の周縁部を架渡すように配置されている。このようにアンテナ部材512が配置されていることにより、アンテナ部材512の端部は、ネジ411におけるネジ溝側とは反対側の端部と対峙している。但し、ネジ411におけるネジ溝側とは反対側の端部が貫通孔386における軸線方向の途中位置に配置されているため、ネジ411とアンテナ部材512とは接触していない。
アンテナ部材512において上記開口部を跨ぐ側の端部とは反対側の端部は、裏面領域344における一のネジ孔486の開口部を跨いでいる。この場合に、ネジ411におけるネジ溝側の端部がネジ孔486における軸線方向の途中位置に配置されているため、ネジ411とアンテナ部材512とは接触していない。
例えば、アンテナ部材512がネジ411に接触すると、設定された動作周波数(例えば、2.45GHz)が変化してしまい、アンテナ部材512を通じた通信が良好に行えなくなるおそれがある。そうすると、ICチップ511に記憶されたID情報をリーダ装置により読み取ろうとしてもそれが行えないおそれがあるが、上記のようにアンテナ部材512とネジ411とが接触していないことにより、上記不都合の発生が抑えられている。
貼付ベース341には貼付領域342を区画するように囲み部346が形成されている。つまり、貼付領域342は囲み部346によって囲まれている。そして、貼付領域342に貼り付けられている封印シール500の周縁はその全体が囲み部346に近接している。これにより、封印シール500を剥がそうとしても、その剥がし行為が困難なものとなっている。
封印シール500が囲み部346に近接していることにより、封印シール500の貼り付け作業に際しては、封印シール500が囲み部346によって囲まれた領域内からはみ出ないように貼り付けることで、アンテナ部材512とネジ孔486並びに貫通孔386との位置関係、アンテナ部材512と境界BLとの位置関係は、自ずと上記のような関係となる。
また、図20(b)に示すように、囲み部346によって囲まれる領域は、封印シール500の面積よりも広くなっている。これにより、封印シール500の貼り付け作業に際しては、貼り付け位置に所定のゆとりが生まれ、貼り付け作業の作業性が向上されている。この場合に、その貼り付け位置のゆとりは、アンテナ部材512と境界BLとの位置関係、アンテナ部材512と貫通孔386との上記位置関係及びアンテナ部材512とネジ孔486との上記位置関係が、自ずと維持される範囲内で設定されている。
<カバー部材550>
貼付領域342に貼り付けられた封印シール500は、その周囲が破壊用部材を有するカバー部材550によって覆われている。以下、このカバー部材550について、図15及び図17に加え、図21を用いて説明する。図21(a)は図10のA−A線部分断面、図21(b)は図21(a)のB線矢視図である。
カバー部材550は、無色透明の合成樹脂(具体的にはポリカーボネート樹脂)からなり、当該カバー部材550を通じた上記封印シール500の視認性が担保されている。但し、カバー部材550は無色透明に限定されることはなく、カバー部材550外から封印シール500を目視確認できるようにする上では、封印シール500を目視確認できる程度の透明性を有していればよい。例えば有色透明とすることも可能である。また、カバー部材550外から封印シール500を目視確認することはできなくなるが、カバー部材550を非透明に形成してもよい。この場合、カバー部材550により囲まれた空間内を外部から確認することができないため、不正行為者にとってはカバー部材550への対策を採りづらくなる。
カバー部材550は、図15に示すように、基板ボックス320側に開口する略箱状をなしている。具体的には、カバー部材550は、貼付ベース341に対して同貼付ベース341の先端側から対向する奥壁部552と、同奥壁部552から貼付ベース341側に起立するとともに同貼付ベース341を各貼付用板部382,482の並設方向(貼付ベース部の厚さ方向)両側から挟んで対向する1組の第1対向壁部553と、両第1対向壁部553に亘って設けられ貼付ベース341を当該貼付ベース341の幅方向両側から挟んで相対向する第2対向壁部554とを有してなる。これら各壁部552〜554によって区画形成されている空間は、封印シール500が貼り付けられた貼付ベース341全体を収容可能な大きさを有している。カバー部材550は、基板ボックス320側に開口する開口部551を介して貼付ベース341が差し込まれるように移動することにより同貼付ベース341に対して装着される。以下、便宜上当該移動する方向を装着方向とも言う。
カバー部材550には、貼付ベース341に対して引っ掛かる係止部561が設けられている。係止部561は、奥壁部552から開口部551側に向けて突出しており、上記第1固定手段330A側から挟む位置に配置されている。
より具体的には、第2対向壁部554にはカバー部材550の内外に貫通する開放部556が形成されており、上記係止部561がそれら各開放部556に嵌る位置に配置されている。このように係止部561を開放部556に配することで、各壁部552〜554によって囲まれた領域外の領域を同係止部561が係止状態から係止解除状態に切り替わる際の動作領域として利用可能となっている。詳しくは、係止部561の先端は自由端となっており、奥壁部552に繋がっている固定端を基端として撓み変形することで同自由端が貼付ベース341に近づく側と遠ざかる側とに開放部556を通じて変位する構成となっている。係止部561の先端部分には、貼付ベース341に向けて凸となる爪部562が形成されている。一方、貼付ベース341(詳しくは表側貼付ベース部381)には、貼付ベース341の内側へ向けて凹み、それら爪部562が引っ掛かる受け部387が形成されている。カバー部材550の係止部561(爪部562)が各受け部387に対して引っ掛かって係止状態となることで、同カバー部材550の取り外しが不可となる。
爪部562は、係止部561の先端側から基端側へ向けて徐々に突出量が大きくなるように形成されており、同基端側に向かうにつれて上記向き合う方向に傾斜する傾斜面562aを備えている。また、両爪部562の間隔寸法は、貼付ベース341の幅寸法よりも僅かに小さく設定されている。このため、カバー部材550を上記装着方向へ押し込んだ場合には、貼付ベース341に当接した各傾斜面562aが同貼付ベース341によって当該貼付ベース341から離れる側に押され、奥壁部552を基端として係止部561が撓み変形(弾性変形)する。その後、カバー部材550の押し込みが継続されることで爪部562が受け部387に到達すると、自身の弾性力により変形前の状態に復帰することで、爪部562と受け部387とが引っ掛かることとなる。これにより、図21(b)に示すように、爪部562が受け部387に対して装着方向の先側から当接し、上記装着方向とは逆の方向にカバー部材550を移動させようとしても、上記当接によってそれが阻止される。
カバー部材550によって貼付ベース341の略全体が囲まれていることにより、封印シール500はその全体がカバー部材550によって囲まれた状態となっている。これにより、封印シール500がカバー部材550により保護されることとなる。例えば、パチンコ機10の出荷時などにはシュリンクフィルムを熱収縮させてパチンコ機10が覆われることとなるが、主制御装置180がパチンコ機10の背面に露出している構成においては、シュリンクフィルムが熱収縮する際の収縮方向への負荷や熱などの封印シール500やICタグ503への影響を抑えることが好ましく、上記のようにカバー部材550が設けられていることにより上記影響を低減することができる。
また、カバー部材550は電波を透過可能に形成されているとともに、封印シール500のICタグ503とカバー部材550との間には電波を遮断する部材が設けられていない。したがって、遊技ホールの管理者等はICタグ503からID情報の読み取りを行う場合にカバー部材550を取り外すことなく当該読み取り作業を行うことができる。
この場合、遊技ホールの管理者等はICタグ503からID情報の読み取りを行う場合にリーダ装置の先端をカバー部材550に当接又は近接させることで、ID情報の読み取り作業を簡単且つ確実に行うことができる。つまり、カバー部材550はID情報の読み取り作業に際しての位置決め部として機能する。
ICタグ503がカバー部材550によって覆われているため、遊技ホールの管理者等がICタグ503へリーダ装置を近づけようとすると、カバー部材550と当接し、それ以上近づけることができない。換言すれば、ICタグ503に対してリーダ装置による識別情報の読み取りを行う場合の読み取り位置がICタグ503から予め定められた距離(カバー部材550とICタグ503との距離)よりも近づかないように制限されている。これにより、リーダ装置の先端をカバー部材550に当接又は近接させた状態で読み取り作業を行うように決めておけば、アンテナ部材512に切断が生じることによってICタグ503の通信可能距離が短くなった場合には、リーダ装置にてID情報を読み取ることができなくなる。よって、アンテナ部材512に切断が生じた事実を把握することが可能となり、基板ボックス320の不正な開放操作が行われた可能性があることを認識することができる。
ここで、カバー部材550が装着完了位置に配置されている状態、すなわちカバー部材550の開口部551が基板ボックス320に近接している状態では、貼付ベース341と奥壁部552との間に隙間が形成されるように、カバー部材550の奥行き寸法(深さ寸法)が設定されている。図21に示すように、貼付ベース341と奥壁部552との間に形成された上記隙間には、封印シール500及びICタグ503を破壊(詳しくは切断)する上記破壊用部材600が配設されている。
<破壊用部材600>
ここで、図15及び図21を参照して、破壊用部材600について説明する。破壊用部材600は、カバー部材550と同様に無色透明な合成樹脂材料によって形成されており、当該破壊用部材600を通じた封印シール500の視認性が担保されている。
図21(b)に示すように、破壊用部材600は、貼付ベース341の境界BLに沿って延びる長尺状の本体部601を有している。本体部601の両端部は、カバー部材550の開放部556を通じて同カバー部材550の外部に突出している。開放部556について補足説明すれば、同開放部556はカバー部材550の装着方向と同じ方向に延びており、当該開放部556に対して破壊用部材600が嵌ることにより、同破壊用部材600が同方向へのスライド移動が許容された状態で保持されている。言い換えれば、上記開放部556には、カバー部材550の移動方向を規定する機能と同カバー部材550を保持する機能が付与されている。
本体部601において開放部556から突出している部位には、破壊用部材600を使用して封印シール500を破壊する際に操作される操作部602が形成されている。操作部602はクランク状をなしており、このようにして操作部602を形成することで同操作部602とカバー部材550の奥壁部552との間に所定の隙間が確保されている。破壊用部材600を操作する際には、上述した隙間に挿入した指等を操作部602に引っ掛けて奥壁部552から遠ざかる側に(すなわち上記装着方向と同じ方向に)スライドさせることにより破壊用部材600全体が封印シール500側に変位する構成となっている。
ここで、操作部602とカバー部材550との関係について補足説明する。カバー部材550の奥壁部552及び第1対向壁部553は、第2対向壁部554よりも第1固定手段330A(詳しくは収容部461)側に延出しており、各壁部552〜554によって区画された領域に操作部602が配されている。同区画された領域は、第1固定手段330A側に開放されており、同開放部分を通じた操作部602へのアクセスが許容されている。
第1対向壁部553及び奥壁部552は、第1固定手段330Aの収容部461に対して封印シール500側から当接している。これにより、操作部602が配された領域が収容部461によって塞がれた状態となっている。つまり、カバー部材550が装着された状態では第1固定手段330Aによって操作部602へのアクセスが規制されるため、同第1固定手段330Aを残存させたまま同操作部602を操作することが困難となっている。なお、カバー部材550については、第1固定手段330Aによって挟まれた状態となっているため、同第1固定手段330Aの並設方向への位置ずれ等が好適に抑制されることとなる。
本体部601において両操作部602の間となる部位、詳しくは本体部601において貼付ベース341(境界BL)と対向している部分には、複数の歯部を有する切断部603が形成されている。特に切断部603の長手方向の長さ寸法は貼付ベース341の幅寸法、詳細には表側対向板部383,384間の距離も大きく設定されている。つまり、切断部603の両端は、封印シール500の縁部よりも外側に配置されている。
切断部603を構成している上記各歯部は境界BLに沿って相互に連なるようにして並設されており、封印シール500側に凸となる先細り状をなしている。すなわち、封印シール500側に尖っている。
切断部603(詳しくは歯部)の本体部601からの突出量は、破壊用部材600の封印シール500側へのスライド限界位置へ到達した場合に、同切断部603のほぼ全体が境界BLを通じて両貼付ベース部381,481の間に入り込むように設定されている。このため、操作部602が操作されることで破壊用部材600が貼付ベース341側のスライド限界位置に達した場合には、切断部603(歯部)が封印シール500に対して押し付けられることで同封印シール500が境界BLに沿って切断され、同封印シール500が表側構成体350側と裏側構成体450側とに2分されることとなる。
本実施の形態においては特に、カバー部材550が装着された後は同カバー部材550の取り外しを規制し、破壊用部材600が操作され封印シール500が破壊(切断)されることで同カバー部材550の取り外しの規制を解除する取外規制手段が設けられている。
<カバー部材550の取り外し規制に関する構成>
以下、図21(b)に基づいてこの取外規制手段について説明する。既に説明したようにカバー部材550は、同カバー部材550の係止部561(詳しくは爪部562)が貼付ベース341の受け部387に対して引っ掛かることにより、基板ボックス320に対して取り付けられている。係止部561において爪部562が形成されている側と同一側となる部分、すなわち貼付ベース341側を向いている部分には、同貼付ベース341側に凸となる突起563が形成されている。突起563は、爪部562よりも係止部561の基端寄り、すなわち破壊用部材600寄りとなる位置に配置されている。
突起563は、係止部561の先端側から基端側に向けて徐々にその突出量が大きくなるように形成されており、爪部562の傾斜面562aとは傾斜が逆となる傾斜面563aを有している。
突起563(詳しくは傾斜面563a)は、上記破壊用部材600のスライド経路上に配置されており、当該破壊用部材600には同突起563に対応する押圧部604が形成されている。押圧部604は、本体部601において貼付ベース341側を向いている部分に切断部603と操作部602との間に位置するようにして配置されており、上記傾斜面563aに向けて突出している。ここで、上記係止部561と押圧部604とは、ともに片もちとなっているが、同係止部561と比較して押圧部604は高強度となるように形成されており、撓み変形の発生が抑制されている。
押圧部604の先端部分には、上記傾斜面563aに対向する傾斜面604aが形成されている。破壊用部材600が封印シール500側に変位した場合には、係止部561の傾斜面563aに対して押圧部604の傾斜面604aが当接し、更なる破壊用部材600の変位に基づいて傾斜面563aが貼付ベース341とは反対側に押される構成となっている。
ここで、図22及び図23に基づき第2固定手段330Bにおける封印解除作業について説明する。図22は破壊用部材600の動きを示す動作説明図、図23はカバー部材550の取り外しの様子を示す動作説明図であり、図22(1)群は第2固定手段330Bを部分的に破断させることでその内部構成を示した斜視図、図22(2)群は図22(1)群における破断部分を拡大して示す部分拡大図である。封印解除を行う際には、図22(a)→図22(b)→図23(c)→図23(d)の順に作業が行われることとなる。
なお、以下の説明では、主制御装置180がパチンコ機10(詳しくは取付台170)から取り外されていること前提として、すなわち第1固定手段330Aについては既に封印が解除されて基板ボックス320から取り外されていることを前提として説明するため、同第1固定手段330Aについては、その存在を2点鎖線によって仮想的に示しているがこれに限定されるものではない。
図22(a)に示すように、主制御装置180がパチンコ機10から取り外された後は、カバー部材550から露出している破壊用部材600の操作部602を指等で引っ掛けて封印シール500側にスライドさせる。これにより、破壊用部材600の切断部603が封印シール500に対して押し付けられ、同切断部603が貼付ベース341の境界BLに進入することで当該切断部603の歯部によって封印シール500等が切断されることとなる(図22(b)参照)。
この際、図23(c)に示すように、係止部561の突起563が破壊用部材600の押圧部604によって押されることで係止部561が撓み、突起563及び爪部562が貼付ベース341から離れる側に変位する。そして、図22(b)に示すように封印シール500が切断されるタイミングと同じタイミングにて、係止部561の爪部562が貼付ベース341の受け部387から離間し、それら係止部561と貼付ベース341との係止状態が解除されることとなる。つまり、押圧部604(詳しく傾斜面563a)及び突起563(詳しくは傾斜面563a)には、爪部562を係止解除位置に誘導する誘導機能が付与されている。このような誘導機能に着目すれば、押圧部604及び突起563を「誘導部」と称することも可能である。なお、押圧部604及び突起563の両者が必ずしも誘導部としての傾斜面563a,604aを有する必要はなく、これら両傾斜面563a,604aのうち一方を省略することも可能である。
このように係止部561と貼付ベース341との引っ掛かりが解除された後、すなわちカバー部材550の取外規制が解除された後、図23(d)に示すように上記破壊用部材600を切断位置に保持したままカバー部材550を装着方向とは反対側に引っ張ることで、同カバー部材550及び破壊用部材600が基板ボックス320から取り外されることとなる。
このようにして基板ボックス320が取り外された状態では、封印シール500が表側構成体350側(表側貼付ベース部381側)と裏側構成体450(裏側貼付ベース部481側)とに分断されることで、両構成体350,450の結合が解除される。つまり、第2固定手段330Bによる固定が解除されることとなる。
因みに、カバー部材550が取り外された状態では、表側貼付ベース部381が裏側構成体450の挿通孔459を通じた移動が許容され、両構成体350,450の分離が許容されることとなる。言い換えれば、図22(a)に示したように未だカバー部材550が取り外されていない状態にて、両構成体350,450を分離しようとした場合には、カバー部材550が表側貼付ベース部381に対して装着されたままとなっているため、表側貼付ベース部381が上記挿通孔459を通じて移動することが不可となる。つまり、カバー部材550には、両構成体350,450の分離を妨げる機能が付与されている。但し、カバー部材550における同機能は必ずしも必須の機能ではなく、これを省略することも可能である。
<主制御装置180の取付構造>
次に、図24及び図25に基づき主制御装置180(基板ボックス320)の取付構造について補足説明する。図24は主制御装置180と取付台170との関係を示す斜視図、図25は取付台170から主制御装置180を取り外した状態を示す分解斜視図である。なお、図24及び図25においては便宜上、遊技盤80を2点鎖線を用いて表示いている。
既に説明したように、主制御装置180は、取付台170を介して遊技盤80に取り付けられている(図24参照)。より詳しくは、主制御装置180は主制御基板310の素子搭載面315が遊技盤80とは反対側、すなわち遊技機後方を向いた状態で同遊技盤80から離間させて取り付けられている。
取付台170は、遊技盤80の背面に平行な平板状のベース部701を有しており、当該ベース部701が遊技盤80に対してネジ止めされることで、同遊技盤80に対して固定されている。
ベース部701には主制御装置180を支持する第1支持部702及び第2支持部703が設けられている。図25に示すように第1支持部702はベース部701から遊技機後方へ起立しており、その先端部には軸部711が形成されている。この軸部711に対応させて主制御装置180(詳しくは基板ボックス320)の一側部、具体的には固定手段300が設けられている側とは反対側の側部には軸受け322が設けられており、この軸受け322に軸部711が相通されることで主制御装置180が回動可能に支持されている。
より詳しくは、軸部711は上方に延びているとともに軸受け322には下方に開放された挿入部323が形成されており、この挿入部323に対して軸部711が下方から挿入されることで、当該軸部711の中心軸線を中心として主制御装置180が回動可能となっている。
一方、上記第2支持部703は、ベース部701において主制御装置180の回動先端寄りとなる位置に配されている。第2支持部703についても第1支持部772と同様に、ベース部701から起立しており、その先端部分に主制御装置180が当接した状態となっている。
ベース部701において第1支持部773と第2支持部774との間となる領域には、主制御装置180とベース部701との隙間を埋めるスペーサ部704が形成されている。スペーサ部704はベース部701から主制御装置180側に張り出しす箱状をなしており、主制御装置180と対向している部分が同主制御装置180に対して当接している。これにより、主制御装置180と遊技盤80との間に不正基板等が設置されるといった不都合の発生を抑制している。なお、取付台170に関しては透明性を有する合成樹脂材料によって形成されており、上記不正基板等の有無を確認する際の作業性向上が図られている。
<第1支持部702及びそれに付随する構成>
本実施の形態においては特に、第1支持部702による主制御装置180の支持構造に関して特徴的な構成を有している。以下、図25及び図26を参照して、第1支持部702及びそれに付随する構成について補足説明する。図26(a)は軸受け322を挿入部323側から見た概略図、図26(b)は軸受け322を分解した状態を示す概略図、図26(c)は図26(a)のB−B線部分断面図である。
基板ボックス320に設けられた軸受け322は、表側構成体350に設けられた表側軸受け部395と、裏側構成体450に設けられた裏側軸受け部495とを有しており、それら両軸受け部395,495が組み合わされることで軸部711を収容する空間を区画形成している。
表側軸受け部395は、表側構成体350の周壁部354から側方に突出しており、裏側構成体450側に開口する略箱状をなしている。一方、裏側軸受け部495は裏側構成体450の周縁部452から側方に突出しており、表側構成体350側に開口する略箱状をなしている。両軸受け部395,495は各軸受け部395,495の開口が一致するようにして形成されており、それら各軸受け部395,495の内部空間が連通した状態となっている。
表側軸受け部395において下方を向いている壁面部には当該表側軸受け部395の内外に開放された開放部396が形成されており、裏側軸受け部495において下方を向いている壁面部には当該裏側軸受け部495の内外に開放された開放部496が形成されている。これら各開放部396,496は共に半円状をなしており、両者が互いの間欠部分を補い合うことで円形状の上記挿入部323が構成されている。
図25に示すように、軸部711は、段付き円柱状をなしており、当該軸部711において先端寄りとなる部分が小径部711a、基端寄りとなる部分が大径部711bとなっている。上記挿入部323の内径はこの大径部711bの外径と同等に設定されており、当該挿入部323に軸部711が挿入されることで、大径部711bと挿入部323とが嵌合することとなる。
各軸受け部395,495において挿入部323が形成されている側とは反対側の壁面部には、小径部711aに対応する凹部397,497が設けられている。凹部397,497は挿入部323とは反対側に凹んでおり、それら両凹部397,497によって軸部711の小径部711aに嵌合する嵌合部324が構成されている。小径部711aの先端部は嵌合部324の奥壁部324aに対して当接しており、これによって主制御装置180が軸部711によって支えられた状態となっている。
特に、奥壁部324aは軸部711の挿入方向に対して凸となるように僅かに湾曲する弧状をなしており、その中央部分が上記挿入部323の中心軸線上に位置するようにして形成されている。奥壁部324aに対して小径部711aが当接した状態にて軸部711に主制御装置180の自重負荷が加わることで、軸部711と嵌合部324との位置ずれ等が好適に払拭されることとなる。
また、嵌合部324の内径は、小径部711aの外径よりも僅かに大きく設定されており、当該嵌合部324に対して小径部711aが嵌合することで、軸部711の倒れ等が抑えられることとなる。このように、軸部711の先端部分が嵌合部324に嵌合し、基端部分が挿入部323に嵌合する構成とすることで、主制御装置180を回動させる際の安定性の向上が図られている。
軸受け322には、軸受け322の内部にて軸部711を囲む金属製の囲み部650が設けられている。囲み部650は、表側軸受け部395に収容されている表側囲み部材651と、裏側軸受け部495に収容されている裏側囲み部材652とによって構成されている。これら一対の囲み部材651,652のうち表側囲み部材651は相手側に開放された箱状をなしており(図13参照)、表側軸受け部395の内部に形成されたボス398に対してネジ止めされている。詳しくは表側軸受け部395の開口を通じて挿入されたネジ665によって固定されている。
表側囲み部材651の開放部分には軸部711に合わせて形成された切り欠きが形成されている。これにより、軸部711の挿入が囲み部650によって妨げられることが回避されている。
一方、裏側囲み部材652は、軸部711を挟んで表側囲み部材651とは反対側に配されており、同表側囲み部材651の開放部分を覆っている。裏側囲み部材652は、軸部711の中心軸線方向に延びる半円筒状をなしており、表側囲み部材651とはその形状が明らかに相違している。このように、表側囲み部材651と裏側囲み部材652との形状を相違させたのは、囲み部650によって区画される領域の拡がりを抑えつつ、同領域内に、軸受け322からの軸部711の取り外しを規制する構成を収容するための工夫である。
<軸部711の取外規制に関する構成>
以下、軸部711の取り外しを規制する構成について説明する。図25(b)に示すように、軸部711(詳しくは小径部711a)において囲み部650により区画された領域内に位置している部位には、当該軸部711の放射方向に張り出す張出部712が形成されている。
張出部712は軸部711の中心軸線を中心とした環状をなしており、その外径が軸部711の先端側から基端側に向けて徐々に拡張されている。つまり、張出部712は、軸部711の先端部に向けて傾斜する傾斜面713を有してなる。張出部712において大径部711b側の端部には、小径部711aに対して略直交する平面状をなす平面部714が形成されている。平面部714は軸部711の挿入方向とは反対側を向いており、この平面部714に対して表側囲み部材651によって区画された領域に配置された係止金具660が対峙している。
係止金具660は、表側囲み部材651の奥壁部に当該表側囲み部材651の内側から重なった状態で上記ボス398に対してネジ665により共締めされている。係止金具660のおける取付部661は、軸部711と同じ方向に延びる長板状をなしており、挿入部323側の端部には折曲部662が設けられている。折曲部662は、挿入部323とは反対側に鋭角に折り曲げられてなり、その先端部が軸部711(詳しくは張出部712)の挿入経路上に位置するようにして形成されている。
軸部711が軸受け322に挿入され、当該軸部711の先端部が嵌合部324の奥壁部324aに当接した状態では、折曲部662の先端部分が軸部711の平面部714に対して上記挿入方向における手前側から対向している。この位置に折曲部662の先端部が位置することにより、仮に軸部711が外れる側に主制御装置180が変位しようとした場合、同折曲部662と張出部712(詳しくは平面部714)とが引っ掛かることにより、軸受け322からの軸部711の取り外しが規制されることとなる。
<第1支持部702の支持解除に関する構成>
次に、第1支持部702による支持状態の解除に関する構成について説明する。上述したように、第1支持部702は表側軸受け部395及び裏側軸受け部495によって構成されている。表側軸受け部395において周壁部354に繋がっている部分には、同周壁部354との境界に沿うようにして複数のスリット399aが形成されている。スリット399aは、表側軸受け部395の内外に貫通しており、上記囲み部650よりも周壁部354寄りに配置されている。このため、同スリット399aを通じた軸部711及び係止金具660との引っ掛かり部位へのアクセスが抑制されている。
このように、表側軸受け部395にスリット399aを形成することにより、同表側軸受け部395における他の部位を破壊して同表側軸受け部395を基板ボックス320(表側構成体350)から取り除くよりも、同スリット399a間の肉部を破壊して表側軸受け部395を除去することが容易となっている。なお、表側軸受け部395がスリット399aの肉部を介して周壁部354に繋がっている点に着目すれば、同肉部を繋ぎ部399bと称することも可能である。また、表側軸受け部395に対して破壊作業が容易となるように脆弱な部分(弱体化した部分)としてスリット399a及び繋ぎ部399bが存在している点に着目すれば、スリット399a及び繋ぎ部399bが形成されている部分を「脆弱部」と称することも可能である。
これら繋ぎ部399bがカッタやニッパ等の工具によって破壊(切断)された場合には、表側軸受け部395とともに表側囲み部材651及び係止金具660が基板ボックス320から分離されることとなる。この場合、裏側軸受け部495及び裏側囲み部材652は基板ボックス320に残存するものの、それら裏側軸受け部495及び裏側囲み部材652による軸部711の支持が不可になるとともに、取付台170からの主制御装置180の取外規制が解除されることとなる。つまり、軸受け322の軸受け機能及び支持機能が停止することとなる。
<第2支持部703及びそれに付随する構成>
本実施の形態においては、第1支持部702による支持構造だけでなく第2支持部703による支持構造に関しても特徴的な構成を有している。以下、図17及び図25を参照して、第1支持部702及びそれに付随する構成について補足説明する。
図17に示すように、第1固定手段330Aにおける裏側固定部332、詳しくは裏側固定部332を構成している収容部461の奥壁部462には、取付台170の第2支持部703に形成された受け部721に対して引っ掛かる係止具680が配設されている。具体的には、奥壁部462は当該奥壁部462から側方に突出するようにしてホルダ部491が一体形成されており、当該ホルダ部491に対して係止具680が固定されている。
受け部721は遊技機前方に凹んでおり、係止具680はこの受け部721に対して嵌った状態で引っ掛かることにより、主制御装置180の回動が規制されるとともに同主制御装置180の重量負荷の一部が係止具680及び第2支持部703によって支えられた状態となる。
主制御装置180に関しては、係止具680によって上記軸部711を中心とした回動が規制されている状態では主制御基板310の素子搭載面315が視認可能である。また、係止具680による回動規制を解除して主制御装置180を回動させることにより、主制御装置180を取付台170から取り外すことなく、半田面316側に不正等が施されていないか等の確認が可能となる。このように主制御装置180を取付台170に対して取り付けた状態のまま、同確認作業を可能とすることにより、不正確認作業等の容易化が図られている。
このように、第1固定手段330Aについては係止具680を有することにより、主制御装置180の重量負荷の一部を支える機能を有することとなる。このように第1固定手段330Aに対して重量負荷が加わる構成においては、上述したように部分的に弱体化されてなる繋ぎ部465,466に対して負荷が集中しやすくなると想定される。そこで、本実施の形態においては、繋ぎ部466とアーム部362との位置関係を工夫することにより、上記負荷の集中に起因した繋ぎ部466の変形や破損を好適に抑制することが可能となっている。
具体的には、繋ぎ部466には、溝部453等によって規定されたスライド方向に延びる溝部466aが形成されている。溝部466aは、収容部461の内側及び開口部458と同一側に開放されている。両構成体350,450を組み合わせる際には、両構成体350,450の相対移動に伴って、同溝部466aに対してアーム部362が挿入され、それら溝部466aとアーム部362とが嵌合することとなる。これにより、主制御装置180の重量負荷の一部がアーム部362に分散されることとなり、上述した不都合の発生を好適に抑制することができる。
<主制御装置180の開封作業>
次に、図27及び図28を参照して主制御装置180開封時の作業の流れについて説明する。図27は主制御装置180と取付台170との関係を示す概略図、図28は主制御装置180の開封の様子を示す概略図である。主制御装置180を開封する際には、図27(a)→図27(b)→図28(c)→図28(d)の順に作業が行われる。なお、図27においては便宜上、遊技盤80を二点鎖線を用いて表示している。
主制御装置180を開封する際には、図27(a)に示すように主制御装置180が取付台170に取り付けられている状態から、先ず表側軸受け部395の繋ぎ部399bをカッタ等の工具を用いて切断する。これにより、表側軸受け部395及びそれに付随する表側囲み部材651や係止金具660が基板ボックス320から分離され、取付台170の軸部711と基板ボックス320の軸受け322との取外規制が解除される。
このように、表側軸受け部395等が分離されると、第1支持部702(軸部711)によって基板ボックス320を支えることができなくなるだけでなく、同基板ボックス320の遊技盤80に対する再取り付けが不可となる。具体的には、軸部711を裏側軸受け部495に嵌まった状態で維持しようとしても、軸部711の先端部分と上記嵌合部324の奥壁部324aとの間に主制御装置180の自重負荷が加わることで、軸部711と主制御装置180が奥壁部324aに沿って軸部711の放射方向すなわち裏側軸受け部495の開口側へ向けてスライドすることとなる。これにより、軸部711によって裏側軸受け部495を支え続けることが困難となり、結果主制御装置180が軸部711から離脱するとともに再取り付けが不可となる。
その後、係止具680を解除状態に切り替えることにより、図27(b)に示すように、主制御装置180が取付台170から取り外されることとなる。なお、上述した表側軸受け部395の分離に先行して、係止具680を解除状態に切り替えておくことも可能である。
主制御装置180を取付台170から分離した後は、図28(c)→図28(d)に示すように、カッタ等の工具を用いて基板ボックス320の繋ぎ部465,466をアーム部361,362ごと切断する。これにより、第1固定手段330Aが基板ボックス320から分離され、同第1固定手段330Aによる両構成体350,450の固定が解除される。すなわち、第1固定手段330Aを用いた基板ボックス320の封印が解除されることとなる。この際、第1固定手段330Aに一体的に設けられた係止具680についても基板ボックス320から分離されることで、同係止具680(第2支持部703)を利用した主制御装置180の再取付けが不可となる。
特に、図28(c)に示すように、第1固定手段330Aが基板ボックス320に残存している状態では、第2固定手段による封印を解除するための破壊用部材600(詳しくはその操作部602)へのアクセスが同第1固定手段及びカバー部材550によって妨げられることとなる。つまり、第1固定手段330Aによる封印を解除する前に、すなわち係止具680を利用した主制御装置180の再取り付けを不可とする前に第2固定手段330Bによる封印を解除することが不可であるため、先ず第1固定手段330Aによる封印の解除が必要となる。
第1固定手段330Aを基板ボックス320から分離した後は、上記操作部602へのアクセスが許容される。図28(e)に示すように、これら操作部602を指等で引っ掛けてスライドさせることにより封印シール500が切断されて両構成体350,450の結合が解除される。これに合わせてカバー部材550の基板ボックス320からの取り外しも許容されることとなる。つまり、図28(f)に示すようにカバー部材550を当該カバー部材550の装着方向とは反対方向へ引っ張ることにより、カバー部材550が基板ボックス320から取り外されることとなる。
このようにカバー部材550を取り外した後は、両構成体350,450を主制御装置180の長手方向へ相対移動(スライド)させることで、主制御基板310が露出することとなる。その後、表側構成体350から主制御基板310を取り外すことにより、主制御基板310(特にMPUチップ311)の検査が容易化される。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図29のブロック図に基づき説明する。図29では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置180に設けられた主制御基板310には、主制御回路802と停電監視回路803とが内蔵されている。主制御回路802には、上記MPU311が搭載されている。MPU311には、当該MPU311により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM812と、そのROM812内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM813と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM813は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御装置243に設けられた電源・発射制御基板821からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
MPU311には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。主制御回路802の入力側には、主制御基板310に設けられた停電監視回路803、払出制御装置242に設けられた払出制御基板822及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路803には電源・発射制御基板821が接続されており、主制御回路802には停電監視回路803を介して電力が供給される。
一方、主制御回路802の出力側には、停電監視回路803、払出制御基板822及び中継端子板823が接続されている。払出制御基板822には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板823を介して主制御回路802から音声ランプ制御装置143に設けられた音声ランプ制御基板824に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路803は、主制御回路802と電源・発射制御基板821とを中継し、また電源・発射制御基板821から出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。
払出制御基板822は、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU831は、そのMPU831により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM832と、ワークメモリ等として使用されるRAM833とを備えている。
払出制御基板822のRAM833は、主制御回路802のRAM813と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御基板821からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
払出制御基板822のMPU831には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。払出制御基板822の入力側には、主制御回路802、電源・発射制御基板821、及び裏パック基板829が接続されている。また、払出制御基板822の出力側には、主制御回路802及び裏パック基板829が接続されている。
電源・発射制御基板821は、電源部と発射制御部とを備えている。電源部は、二重線矢印で示す経路を通じて、主制御回路802や払出制御基板822等に対して各々に必要な動作電力を供給する。発射制御部は、遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作にしたがって遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御基板824は、各種ランプ部24〜26やスピーカ部27、及び表示制御装置825を制御するものである。演算装置であるMPU841は、そのMPU841により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM842と、ワークメモリ等として使用されるRAM843とを備えている。
音声ランプ制御基板824のMPU841にはアドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。音声ランプ制御基板824の入力側には中継端子板823に中継されて主制御回路802が接続されており、主制御回路802から出力される各種コマンドに基づいて、各種ランプ部24〜25、スピーカ部27、及び表示制御装置825を制御する。表示制御装置825は、音声ランプ制御基板824から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置94を制御する。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
主制御装置180(基板ボックス320)を開封することにより、主制御基板310へのアクセスが許容され、同主制御基板310の検査等が容易化される。このように基板ボックス320を開封した場合には、基板ボックス320の再取付機能が無効化されることとなる。このように基板ボックス320を再取付不能とすることにより、例えば開封済みの基板ボックス320(詳しくは主制御基板310が不正基板に換装された基板ボックス320)をあたかも開封していないかのように見せかけて取付台170に戻すといった基板ボックス320の不正利用を難しくすることができる。故に、主制御基板310に対する不正を抑制し、パチンコ機10における防犯機能の向上に貢献することができる。
特に、基板ボックス320が開封された場合には、同基板ボックス320の破壊を伴って取付手段を構成する表側軸受け部395と係止具680とが基板ボックス320から分離されることにより、それら分離後の取付手段を基板ボックス320に戻すことが困難又は不可となる。これにより、開封済みの基板ケースが再取り付けされるといった不都合を生じにくくすることができる。
第1固定手段330Aにおいては、裏側構成体450に形成された繋ぎ部465,466と表側構成体350に形成されたアーム部361,362とを切断することにより、同第1固定手段330Aとともに係止具680が基板ボックス320から分離される。繋ぎ部465,466に関しては、係止具680を基板ボックス320に対して一体化する機能が付与されており、アーム部361,362に関しては両構成体350,450の結合する機能が付与されている。繋ぎ部465,466及びアーム部361,362を重ねて配置することにより、それら両者の切断作業が容易化されている。
特に、アーム部361,362に関しては繋ぎ部465,466によって外側から覆われており(すなわち収容部461によって覆われており)、繋ぎ部465,466を回避して各アーム部361,362を切断することが困難となっている。つまり、再取付無効化機能を発揮させることなく、基板ボックス320を開封させることが困難となっている。特に、繋ぎ部466に関しては収容部461の内側に開放された溝部466aを有しており、この溝部466aに対してアーム部362が係合している。このため、同繋ぎ部466を回避してアーム部362のみが切断されるといった不都合を好適に抑制することができる。
主制御基板検査時等の開封作業の効率化を考慮すれば、繋ぎ部466等を弱体化することによりそれら繋ぎ部466等の破壊作業(例えば切断作業)をできるだけ容易化することが好ましい。しかしながら、係止具680に基板ボックス320を支える機能が付与されている場合には、基板ボックス320の本体部321と係止具680とを繋いでいる繋ぎ部466等にも基板ボックス320の重量負荷が加わりやすいと想定され、上述の如く繋ぎ部466等を弱体化することは基板ボックス320の支持機能を低下させる要因となり得るため好ましくない。そこで、本特徴に示すように、繋ぎ部466とアーム部362とが係合する構成(特にアーム部362が下方から当接する構成)とすれば、繋ぎ部466に生じる主制御装置180の重量負荷をアーム部362側に分散させることが可能となり、支持強度の確保と繋ぎ部466等の破壊容易化とを好適に両立することができる。
また、本実施の形態における軸受け322や係止具680には、主制御装置180の重量負荷を支える機能が付与されている。このため、上記繋ぎ部465,466に生じる負荷を大きくすることが可能である。これにより、以下の効果が期待できる。すなわち、仮に基板ボックス320を不正に再利用しようとした場合には、切断部分が接着剤等によって再結合されることにより、取り外しの痕跡が隠蔽され得る。この点、上述の如く基板ボックス320の自重負荷によって切断部分に生じる負荷が大きくなる構成とすれば、この種の不正行為を困難なものとすることができる。これにより、防犯機能の向上が期待できる。
特に、基板ボックス320は横方向に延びており、係止具680は基板ボックス320の一側部に設けられている。これにより、基板ボックス320の自重を利用して、上記切断部分に生じ得る重量負荷を好適に増大させることが可能となる。故に、取外痕跡(切断痕跡)の隠蔽による基板ボックス320の再利用を困難なものとし、上記防犯機能の更なる向上に貢献することができる。
例えば基板ボックス320の重量を増加させることで、同防犯効果を向上させることも可能であるが、これはパチンコ機10の重量増の要因となるため好ましくない。この点、上述の如く基板ボックス320の一側部に係止具680を配設すれば、基板ボックス320の重量増を抑えつつ、防犯機能の向上に貢献することができ、実用上好ましい構成を実現できる。
また、本実施の形態においては、繋ぎ部465,466を切断した際の切断面が水平方向に向きやすくなっている。このため、上述の如く切断面同士を接着することで、開封済みの基板ボックス320の再利用を試みた場合であっても、主制御装置180の重量負荷が、接着部位に対してせん断方向に働くため接着状態を維持することが困難となる。これにより上記防犯機能の更なる向上が期待できる。
主制御装置180は、第1固定手段330Aを分離することにより、開封可能となる封印シール500を有している。封印シール500は、両構成体350,450を結合する機能を有しており、当該封印シール500が切断されることで、両構成体350,450の分離が可能となる。これにより、基板ボックス320が開封されることとなるが、この開封痕跡が封印シール500の破壊痕跡として残存することとなる。つまり、封印シール500に残る開封痕跡を確認することで、事後的に開封事実を把握することが可能となっている。
封印シール500を破壊する破壊用部材600が予め準備されており、同破壊用部材600を操作することで、封印シール500を切断することが可能となっている。これにより、例えば封印シール切断用の工具等を準備する必要が無く、また作業ミス等を抑制することができ、実用上好ましい構成が実現されている。
破壊用部材600及び封印シール500は、カバー部材550によって覆われており、外部からのアクセスが規制されている。これにより、開封されていないにも関わらず封印シール500が切断されるといった不都合を生じにくくしている。
破壊用部材600に関しては、その操作部602へのアクセスが第1固定手段330Aによって規制され、第1固定手段330Aが取り外されることで同操作部602へのアクセスが許容される構成となっている。これにより、破壊用部材600が誤って操作される機会を減らすことが可能となっている。
破壊用部材600の両端部に操作部602をそれぞれ設けることにより、両手での操作が可能となる。これにより、操作力を効率よく破壊力に変換することができ封印シール500が撓む等して同封印シール500を上手く破壊できないといった不都合の発生を抑えることができる。このようにして、封印シール500を破壊する際の確実性を高めることで、封印シール500の大型化を促進することができ、痕跡の視認性向上が期待できる。
また、各操作部602をカバー部材550及び第1固定手段330Aによって個別に覆う構成とすることにより、各操作部302へのアクセスを好適に抑制することができる。特に、第1固定手段330Aとは反対側にカバー部材550が押される等した場合、同第1固定手段330Aとカバー部材550との隙間が拡がって上記アクセス抑制機能が低下すると想定される。この点、本実施の形態においては、カバー部材550を挟んだ両側に第1固定手段330Aを配置することで、上述したようなカバー部材550の動きを抑制し、アクセス抑制機能を好適に担保することができる。
主制御装置180(基板ボックス320)は、取付台170を介して遊技盤80に取り付けられているが、この取付状態では主制御基板310の素子搭載面315が遊技盤80とは反対側を向いている。これにより、素子搭載面315の視認性が向上されている。一方、半田面316について遊技盤80側を向いているが、基板ボックス320を軸部711を中心に回転させることで、同半田面316が遊技盤80とは反対側を向くこととなる。これにより、主制御装置180の背面側に不正基板等が設置された場合であっても、主制御装置180を取付台170から取り外すことなく、同不正の目視による確認が可能となっている。つまり、取付台170からの主制御装置180の取り外しを規制する構成を採用しつつ、それによる防犯機能の低下や不正確認作業の作業性低下を好適に抑制している。
基板ボックス320に形成された軸受け322は、軸部711が挿入されることで、両構成体350,450の分離を妨げる阻止機能を発揮する。つまり、基板ボックス320を開封する際には、少なくとも軸部711による基板ボックス320の支持状態を解除する必要が生じる。表側軸受け部395を基板ボックス320から分離することで、軸部711との係合が解除されることとなり、これにより基板ボックス320に係合解除の痕跡が残存することとなる。つまり、基板ボックス320の取り外し痕跡が残存することとなる。特に、本実施の形態における軸部711及び軸受け322は一種の封印機能を有している点に着目すれば、同痕跡を開封痕跡と称することも可能である。
表側軸受け部395が分離された後は、軸部711の先端が軸受け322の嵌合部324(詳しくは奥壁部324a)に沿って移動しやすくなり、基板ボックス320を支持状態で維持することが困難となる。つまり、例えば開封済みの基板ボックス320をあたかも取り外していないかのように見せかけて取付台170に戻すといった不正行為が困難となる。
本実施の形態においては、取付台170の軸部711が破壊されるのではなく、基板ボックス320の軸受け322が破壊される構成であるため、正規の基板ボックス320が新たに準備された場合には、同基板ボックス320を軸部711を用いて取り付けることが可能となる。
軸受け322は、表側軸受け部395と裏側軸受け部495とが一体となることで軸受け機能を発揮する一方で、裏側軸受け部495単体では同軸受け機能を発揮することができない。このため、開封済みの基板ボックス320を軸部711に取り付けようとしても軸部711と軸受け322とが引っ掛かることがなく、同行為を困難なものとすることができる。これにより、基板ボックス320の再利用を好適に抑制することができる。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、主制御装置180に対する不正行為を抑制する各種防犯構造が採用されていたが、本実施の形態においてはそれら防犯構造に関する構成の一部が上記第1の実施の形態と相違している。具体的には、封印シール500における封印解除に関する構成と、遊技盤80への主制御装置の取り付けに関する構成とが相違している。そこで以下、先ず図30〜図33に基づきそれら相違する構成のうち前者について説明する。図30及び図31は主制御装置180の分解斜視図、図32は固定手段の分解斜視図、図33は固定手段300の内部構造を示す部分断面図である。なお、以下の説明では上記第1の実施の形態と同一符号に係る構成についてはその説明を援用して、同構成に関する説明を簡略化又は省略し、第1の実施の形態との違いを主体に説明する。
図30及び図31に示すように、本実施の形態における主制御装置180は上記第1の実施の形態における主制御装置180とほぼ同じ構成を有してなり、カバー部材850及び破壊用部材900に関する構成の一部が上記カバー部材550及び破壊用部材600と相違している。
カバー部材850の機能は上記第1の実施の形態におけるカバー部材550と同様であり、その構成についても類似となっている。具体的には、図32に示すように、カバー部材850は、基板ボックス320側に開口する略箱状をなしている。詳しくは、カバー部材850は、貼付ベース341に対して同貼付ベース341の先端側から対向する奥壁部852と、同奥壁部852から貼付ベース341側に起立するとともに同貼付ベース341を各貼付用板部382,482の並設方向(貼付ベース部の厚さ方向)両側から挟んで対向する1組の第1対向壁部853と、両第1対向壁部853に亘って設けられ貼付ベース341を当該貼付ベース341の幅方向両側から挟んで相対向する第2対向壁部854とを有してなる。これら各壁部852〜854によって区画形成されている空間は、封印シール500が貼り付けられた貼付ベース341全体を収容可能な大きさを有している。カバー部材850は、基板ボックス320側に開口する開口部551を介して貼付ベース341が差し込まれるように移動することにより同貼付ベース341に対して装着される。
また、カバー部材850には、貼付ベース341に対して引っ掛かる係止部861が設けられている。係止部861は、奥壁部852から開口部851側に向けて突出しており、上記第1固定手段330A側から挟む位置に配置されている。
より具体的には、第2対向壁部854にはカバー部材850の内外に貫通するスリット状の開放部856が形成されており、上記係止部861がそれら各開放部856に嵌る位置に配置されている。このように係止部861を開放部856に配することで、各壁部852〜854によって囲まれた領域外の領域を同係止部861が係止状態から係止解除状態に切り替わる際の動作領域として利用可能となっている。詳しくは、係止部861の先端は自由端となっており、奥壁部852に繋がっている固定端を基端として撓み変形することで同自由端が貼付ベース341に近づく側と遠ざかる側とに開放部856を通じて変位する構成となっている。
係止部861の先端部分には、貼付ベース341に向けて凸となる爪部862が形成されている。一方、貼付ベース341(詳しくは表側貼付ベース部381)には、貼付ベース341の内側へ向けて凹み、それら爪部862が引っ掛かる受け部387が形成されている。カバー部材850の係止部861(爪部862)が各受け部387に対して引っ掛かって係止状態となることで、同カバー部材850の取り外しが不可となる。
爪部862は、係止部861の先端側から基端側へ向けて徐々に突出量が大きくなるように形成されており、同基端側に向かうにつれて上記向き合う方向に傾斜する傾斜面862aを備えている。また、両爪部862の間隔寸法は、貼付ベース341の幅寸法よりも僅かに小さく設定されている。このため、カバー部材850を上記装着方向へ押し込んだ場合には、貼付ベース341に当接した各傾斜面562aが同貼付ベース341によって当該貼付ベース341から離れる側に押され、奥壁部852を基端として係止部861が撓み変形(弾性変形)する。その後、カバー部材850の押し込みが継続されることで爪部862が受け部387に到達すると、自身の弾性力により変形前の状態に復帰することで、爪部862と受け部387とが引っ掛かることとなる。これにより、爪部862が受け部387に対して装着方向の先側から当接し、上記装着方向とは逆の方向にカバー部材850を移動させようとしても、上記当接によってそれが阻止される。
カバー部材850によって貼付ベース341の略全体が囲まれていることにより、封印シール500はその全体がカバー部材850によって囲まれた状態となっている。これにより、封印シール500がカバー部材850により保護されることとなる。
ここで、カバー部材850が装着完了位置に配置されている状態、すなわちカバー部材850の開口部851が基板ボックス320に近接している状態では、貼付ベース341と奥壁部852との間に隙間が形成されるように、カバー部材850の奥行き寸法(深さ寸法)が設定されている。図33に示すように、貼付ベース341と奥壁部852との間に形成された上記隙間には、封印シール500及びICタグ503を破壊(詳しくは切断)する上記破壊用部材900が配設されている。
本体部901においてカバー部材850の奥壁部852に対向している部分には、同奥壁部852側に起立するようにして操作部902が複数形成されている。奥壁部852は、それら各操作部902に対して個別に対応する貫通孔855が形成されており、それら貫通孔855を通じて操作部902がカバー部材850外に突出している。これら操作部902を貫通孔855に向けて押し込むことにより、破壊用部材900が封印シール500側へスライドすることとなる。
破壊用部材900は、上記破壊用部材600と同様に、貼付ベース341の境界BLに沿って延びる長尺状の本体部901を有している。本体部901の両端部は、カバー部材850の係止部861に対して同カバー部材850の内側から当接している。このようにカバー部材850に係止部861によって挟むことにより、同係止部861に沿ったスライド移動を許容しつつ、カバー部材850内での破壊用部材600の位置ずれ等が抑制されている。
本体部901において貼付ベース341(境界BL)と対向している部分には、複数の歯部を有する切断部903が形成されている。特に切断部903の長手方向の長さ寸法は貼付ベース341の幅寸法、詳細には表側対向板部383,384間の距離も大きく設定されている。つまり、切断部903の両端は、封印シール500の縁部よりも外側に配置されている。
切断部903を構成している上記各歯部は境界BLに沿って相互に連なるようにして並設されており、封印シール500側に凸となる先細り状をなしている。すなわち、封印シール500側に尖っている。
切断部903(詳しくは歯部)の本体部901からの突出量は、破壊用部材900の封印シール500側へのスライド限界位置へ到達した場合に、同切断部903のほぼ全体が境界BLを通じて両貼付ベース部381,481の間に入り込むように設定されている。このため、操作部902が操作されることで破壊用部材900が貼付ベース341側のスライド限界位置に達した場合には、切断部903(歯部)が封印シール500に対して押し付けられることで同封印シール500が境界BLに沿って切断され、同封印シール500が表側構成体350側と裏側構成体450側とに2分されることとなる。
本実施の形態においては特に、カバー部材850が装着された後は同カバー部材850の取り外しを規制し、破壊用部材900が操作され封印シール500が破壊(切断)されることで同カバー部材850の取り外しの規制を解除する取外規制手段が設けられている。
<カバー部材850の取り外し規制に関する構成>
以下、図33に基づいてこの取外規制手段について説明する。既に説明したようにカバー部材850は、同カバー部材850の係止部861(詳しくは爪部862)が貼付ベース341の受け部387に対して引っ掛かることにより、基板ボックス320に対して取り付けられている。係止部861において爪部562が形成されている側と同一側となる部分、すなわち貼付ベース341側を向いている部分には、同貼付ベース341側に凸となる突起863が形成されている。突起863は、爪部862よりも係止部861の基端寄り、すなわち破壊用部材600寄りとなる位置に配置されている。
突起863は、係止部861の先端側から基端側に向けて徐々にその突出量が大きくなるように形成されており、爪部862の傾斜面862aとは傾斜が逆となる傾斜面863aを有している。
突起863(詳しくは傾斜面863a)は、上記破壊用部材900のスライド経路上に配置されており、当該破壊用部材900には同突起863に対応する押圧部904が形成されている。押圧部904は、本体部901において貼付ベース341側を向いている部分にて切断部603と並べて配置されており、上記傾斜面863aに向けて突出している。ここで、上記係止部861と押圧部904とは、ともに片持ちとなっているが、同係止部861と比較して押圧部904は高強度となるように形成されており、撓み変形の発生が抑制されている。
押圧部904の先端部分には、上記傾斜面863aに対向する傾斜面904aが形成されている。破壊用部材900が封印シール500側に変位した場合には、係止部861の傾斜面863aに対して押圧部904の傾斜面904aが当接し、更なる破壊用部材900の変位に基づいて傾斜面863aが貼付ベース341とは反対側に押される構成となっている。
ここで、図34に基づき第2固定手段330Bにおける封印解除作業について説明する。図34は破壊用部材600の動きを示す動作説明図であり、図34(1)群は第2固定手段330Bを部分的に破断させることでその内部構成を示した斜視図、図34(2)群は図34(1)群における破断部分を拡大して示す部分拡大図である。封印解除を行う際には、図22(a)→図22(b)の順に作業が行われることとなる。
なお、以下の説明では、主制御装置180がパチンコ機10(詳しくは取付台170)から取り外されていること前提として、すなわち第1固定手段330Aについては既に封印が解除されて基板ボックス320から取り外されていることを前提として説明するため、同第1固定手段330Aについては、その存在を2点鎖線によって仮想的に示しているがこれに限定されるものではない。
図34(a)に示すように、主制御装置180がパチンコ機10から取り外された後は、カバー部材850の貫通孔855から露出している破壊用部材900の操作部902を同貫通孔855へ向けて押し込む。これにより、破壊用部材900の切断部903が封印シール500に対して押し付けられ、同切断部903が貼付ベース341の境界BLに進入することで当該切断部903の歯部によって封印シール500等が切断されることとなる(図34(b)参照)。
この際、係止部861の突起863が破壊用部材900の押圧部904によって押されることで係止部861が撓み、突起863及び爪部862が貼付ベース341から離れる側に変位する。そして、封印シール500が切断されるタイミングと同じタイミングにて、係止部861の爪部862が貼付ベース341の受け部387から離間し、それら係止部861と貼付ベース341との係止状態が解除されることとなる。つまり、押圧部904(詳しく傾斜面863a)及び突起863(詳しくは傾斜面863a)には、爪部862を係止解除位置に誘導する誘導機能が付与されている。このような誘導機能に着目すれば、押圧部904及び突起863を「誘導部」と称することも可能である。なお、押圧部904及び突起863の両者が必ずしも誘導部としての傾斜面863a,904aを有する必要はなく、これら両傾斜面863a,904aのうち一方を省略することも可能である。
このように係止部861と貼付ベース341との引っ掛かりが解除された後、すなわちカバー部材550の取外規制が解除された後、上記破壊用部材900を切断位置に保持したままカバー部材850を装着方向とは反対側に引っ張ることで、同カバー部材850及び破壊用部材900が基板ボックス320から取り外されることとなる。
このようにして基板ボックス320が取り外された状態では、封印シール500が表側構成体350側(表側貼付ベース部381側)と裏側構成体450(裏側貼付ベース部481側)とに分断されることで、両構成体350,450の結合が解除される。つまり、第2固定手段330Bによる固定が解除されることとなる。
本実施の形態においては、上述した封印シール500の切断やカバー部材850の取り外しが第1固定手段330Aが分離されている場合に許容される構成となっている。以下、再び図33を参照して、同機能を実現するための構成について説明する。
カバー部材850の係止部861の先端部分において上記爪部862が形成されている側とは反対側となる部分には、同爪部862とは反対側に突出する突起864が形成されている。突起864は第1固定手段330Aの収容部461に対して近接しており、それら突起864と収容部461との隙間寸法は、上記爪部862と受け部387との掛かり代よりも小さく設定されている。
また、カバー部材850の第1対向壁部553及び奥壁部552は、第1固定手段330Aの収容部461に対して封印シール500側から当接している。これにより、係止部861の突起864が配された領域が収容部461によって塞がれた状態となっている。つまり、カバー部材850が装着された状態では第1固定手段330Aによって係止部861へのアクセスが規制されるため、操作部902を操作することなく係止部861を直接変形させることが困難となっている。
ここで、図35を参照し、第1固定手段330Aの有無による係止部861の動きの違いについて説明する。図35(a)は第1固定手段330Aが基板ボックス320に残存している状態を示す概略図、図35(b)は第1固定手段330Aが基板ボックス320から分離された状態を示す概略図である。なお、図35(a)においては便宜上、第1固定手段330Aを2点鎖線を用いて表示している。
図35(a)に示すように、第1固定手段330Aが残存している状態にて、操作部902の押し込みを行った場合には、破壊用部材900が僅かにスライドすることで、押圧部904の傾斜面904aによってカバー部材850(詳しくは係止部861)における突起863の傾斜面863aが押されることで、係止部861が奥壁部852側の端部を基端として撓み変形する。但し、この場合、係止部861の突起864が第1固定手段330Aの収容部461に対して当接することにより、同係止部861の撓み変形が制限されることとなり、操作部902の押し込み操作が不可となる。つまり、操作部902に対するアクセスが許容されているとしても、その操作自体は制限されることとなる。
このように係止部861の撓み変形が制限された状態では、破壊用部材900の切断部903は封印シール500の手前で止まり、カバー部材850の爪部862と受け部387との引っ掛かりも維持されることとなる。つまり、封印シール500による封印が維持されるとともに、カバー部材850の取り外し規制も維持される。
一方、図35(b)に示すように、第1固定手段330Aが基板ボックス320から分離されている状態にて、操作部902の押し込みが行われた場合には、係止部861(詳しくは突起864)の移動経路上に第1固定手段330Aが位置せず、同係止部861の撓み変形が同第1固定手段330Aによって制限されることはない。
このため、操作部902を押し込むことで、既に説明したように封印シール500の切断による封印の解除と、カバー部材850の取外規制解除による両構成体350,450の分離規制の解除とが実現され、基板ボックス320からの主制御基板310等の取り外しが許容されることとなる。
次に、再び図32を参照して、遊技盤80(詳しくは取付台170)に対する主制御装置180の取り付けに関する構成について説明する。具体的には、主制御装置180を取付台170に取り付ける係止具の配置が相違しているため、同係止具及びそれに付随する構成について説明する。
第1の実施の形態においては、裏側構成体450の収容部461にホルダ部491を形成し、同ホルダ部491に対して係止具680を固定する構成とした。これに対して、本実施の形態では係止具680と同様の構成を有する係止具980を表側構成体350に対して固定する構成が採用されている。
具体的には、本実施の形態における表側構成体350においては、表側固定部331を構成する表側係止金具370が台座部363に対してネジ止めされており、同台座部363がアーム部361,362を介して周壁部354に一体化されている。台座部363には、上記係止具980の取付対象としてのホルダ部964が一体形成されている。
より詳しくは、ホルダ部964は収容部461に形成された開口部951を通じて収容部461外に突出しており、その突出した部分に係止具980が取り付けられている。因みに、係止具980は、操作部981と、同操作部981に対して組み合わされており、当該操作部981の操作に基づいて取付状態と解除状態とに切替可能な可動部982とを有しているが、これに限定されるものではない。上記第1の実施の形態と同様に操作部と可動部とが一体式の係止具を採用することも可能である。
ここで、図36に基づき、基板ボックス320の封印作業について説明する。図36は、表側構成体350と裏側構成体450とを組み合わせる際の作業説明図である。
表側構成体350及び裏側構成体450を組み合わせる際には、係止具980を表側構成体350から取り外した状態で、表側構成体350を組み合わせ完了位置へ向けてスライドさせる。図36(a)→図36(b)に示すように、表側構成体350が組み合わせ完了位置に到達すると、表側係止金具370と裏側係止金具470とが係止状態となり、両構成体350,450の分離が不可となる。これにより、主制御基板310が基板ボックス320内に収容された状態となる。
この際、表側構成体350のホルダ部491が裏側構成体450の開口部951を通じて収容部461の外部に突出することとなる。このようにして、開口部951から突出したホルダ部491に係止具980を固定することにより、主制御装置180の遊技盤80(詳しくは取付台170)への取り付けが可能となる。
このように、封印後に、係止具980を固定する構成とすることにより、上記開口部951に対して同係止具980の通過隙を加味する必要がなくなり、同開口部951を極力小さくすることができる。開口部951が収容部461の内部領域に通じており、同内部領域に係止金具370,470が配置されている点を考慮すれば、上述の如く開口部951を小さくすることで、同開口部951を通じた係止部位等への不正なアクセスを好適に抑制することができ、実用上好ましい構成を実現することができる。
基板ボックス320から主制御基板310等を取り出す際には、上記第1の実施の形態と同様に、繋ぎ部465,466及びアーム部361,362を切断することで封印を解除することで両構成体350,450を分離するとよい。この際、第1固定手段330Aが基板ボックス320から除去されることで、同第1固定手段330Aに配設された係止具980についても同様に基板ボックス320から取り除かれることとなる。これにより、開封済みの基板ボックス320の遊技盤80に対する再取り付けが不可となる。
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記各実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記各実施の形態では、基板ボックス320内に主制御基板310を収容した状態で封印する「封印手段」として、第1固定手段330A及び第2固定手段330Bを有する構成としたが、必ずしもこれら第1固定手段330A及び第2固定手段330Bを採用する必要は無い。基板ボックス320の軸受け322を利用して、封印手段としての機能を発揮させることも可能である。
具体的には、主制御装置180の軸受け322に対して取付台170の軸部711が挿入された状態では、主制御装置180の取付台170からの取り外しが規制されるとともに、両構成体350,450の分離が軸部711によって規制されることとなる。詳しくは、表側軸受け部395と裏側軸受け部495とが両構成体350,450の着脱方向と交差する方向に並設されているため、軸部711が軸受け322に挿入されている状態では、両構成体350,450の分離が規制されることとなる。
一方、基板ボックス320を開封する際には、表側軸受け部395が基板ボックス320から分離することにより、軸部711と軸受け322との係止状態が解除されることで、主制御装置180の取付台170からの取り外しが許容される。この際、軸部711が軸受け322から外れることにより、両構成体350,450の相対移動が許容されることとなり、基板ボックス320から主制御基板310等を取出可能となる。
以上の変更を行った場合には、基板ボックス320の開封と同基板ボックス320の再取り付け制限とが同時に実現されることとなり、上記表側軸受け部395の分離作業によってそれら二つの機能を同時に発揮させることが可能となる。これにより、防犯機能を向上させつつ、それに起因した作業性の低下を好適に抑制することができる。
(2)上記各実施の形態では、第1固定手段330A及び第2固定手段330Bを併用したがこれに限定されるものではない。例えば、それら両固定手段330A,330Bのうち一方を省略することも可能である。更には、第2固定手段330Bを挟んだ両側に第1固定手段330Aをそれぞれ配置したが、これら両第1固定手段330Aにうち一方を省略することも可能である。但し、各第1固定手段330Aには破壊用部材600による封印シール500の切断を規制するが付与されている。故に、このような変更を行った場合、例えば第1の実施の形態においては省略される側と同一側の操作部602を併せて省略することが好ましい。
また、第1固定手段330Aはカバー部材550の移動を規制する機能が付与されており、カバー部材550と第1固定手段330Aとの隙間をひろげることで操作部602へのアクセスが容易化されることを抑制している。仮に、上述の如く一方の第1固定手段330Aを省略した場合には、上記機能が低下すると考えられる。故に、望ましくはカバー部材550を挟んで第1固定手段330Aを配置することが望ましい。
(3)上記各実施の形態では、第1固定手段330Aを基板ボックス320から分離することにより、破壊用部材600による封印シール500の切断が許容される構成とした。つまり、封印シール500の切断には別の事前操作が必要となる構成とした。この事前操作については、必ずしも両構成体350,450の結合を解除する操作が伴う必要はない。例えば、破壊用部材600を操作不能にロックするロック状態と、同破壊用部材600の操作を許容するロック解除状態とに切替可能なロック装置を設け、破壊用部材600による切断操作を行う場合には、事前にロック装置によるロック解除状態への切替操作が必要な構成としてもよい。
(4)上記各実施の形態では、破壊用部材600をスライド式としたが、これに限られず、破壊用部材を回動式とすることも可能である。
また、破壊用部材600をカバー部材550に取り付ける必要は必ずしもなく、同破壊用部材600の取付対象は任意である。例えば貼付ベース341に対して破壊用部材600を取り付けることも可能である。
(5)上記各実施の形態では、「結合手段」として係止金具370,470を採用したが、両構成体350,450を結合する上での構成は上記のものに限定されることはなく、例えば周知のカシメ構造を採用してもよいし、接着等の固定手段を採用してもよい。但し、カシメ構造等のように結合後の分離を不可とする構成においては、開封に伴って、それら結合部分が除去される構成とすることが好ましい。
(6)上記第3の実施の形態では、「破壊部」としての破壊用部材600が「痕跡カバー」としてのカバー部材550とは独立して動作する構成としたが、これら破壊用部材600及びカバー部材550が一体となって動作する構成とすることも可能である。但し、このような変更を行った場合には、以下の変更を採用することが望ましい。すなわち、痕跡カバーを基板ボックス320から取り外すことにより、封印シール500が切断される構成とすることが望ましい。具体的には、痕跡カバーの一部(破壊部)を予め表側貼付ベース部381と裏側貼付ベース部481との間に待機させておき、痕跡カバーが装着方向とは反対側へ移動することで、上記破壊部が封印シール500を横切って変位する構成とするとよい。
この場合、痕跡カバーの取り外しを第1固定手段330Aによって妨げる構成とすることで、基板ボックス320が開封されていないにも関わらず、封印シール500が切断されて開封の痕跡が残存することを抑制することができる。
(7)上記各実施の形態において、破壊されることによって、開放操作の阻害が解除されるとともに痕跡状態となる痕跡手段は、ICタグ503を有する封印シール500に限定されることはなく、ICタグ503を有していない封印シール500であってもよく、封印シール500が不具備となった状態のICタグ503であってもよい。また、痕跡を残すことができるのであれば、封印シール500やICタグ503に限定されず、例えば周知のカシメ構造等を採用することも可能である。
また、封印シール500においてアンテナ部材512が斜めに配置されている構成に限定されることはなく、斜め以外の方向に配置されている構成としてもよい。また、封印シール500のベースシート501は長方形状であることに限定されることはなく、正方形状、他の多角形状又は円形状であってもよい。
(8)上記各実施の形態では、ICタグ503はリーダ装置からの呼出波を受信することにより識別情報を応答波として発信する構成としたが、これに代えて、識別情報を含んだ電波を常時発信するICタグとしてもよい。
(9)長尺状のアンテナ部材512に代えてループ状のアンテナ部材を用いてもよい。この場合、ループ部が切断された場合には通信不可又は通信しづらくなるように構成するとともに、当該ループ部を上記各実施の形態におけるスリット513に相当するものとして境界BLとの位置関係やアンテナ用切り込み516との位置関係を設定するとよい。例えば、ループ部に向けて延びる易破壊部を形成することで、封印シール500が剥がされた場合にはループ部の切断が期待される。また、ループ部が境界BLを跨ぐようにして封印シール500を配置することで、境界BLを露出させるべく封印シール500が切断された場合や封印シール500が剥がされた場合にはループ部の切断が期待される。
(10)上記各実施の形態では、主制御装置180を取付台170を介して遊技盤80に取り付ける構成としたが、この取付台170を省略し、同主制御装置180を遊技盤80に対して直接取り付ける構成とすることも可能である。
また、主制御装置180の取付対象は、遊技盤80に限定されるものではなく、例えば、同取付対象を内枠13の樹脂ベース60等に変更することも可能である。
(11)上記各実施の形態では、主制御装置180を取付台170に取り付ける「取付手段」として軸受け322及び係止具680を併用したが、これら両者のうち一方を省略することも可能である。但し、主制御装置180が不正の対象となりやすく、定期的に不正等の確認作業が行われやすい点に着目すれば、主制御装置180を回動可能に支持する構成としての軸受け322を省略することは、同作業時の作業低下の要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは、軸受け322を採用し、主制御装置180を取付状態のまま回動可能とするとよい。
(12)上記各実施の形態では、主制御装置180が軸受け322を有し、取付台170が軸部711を有する構成としたが、これを逆にすることも可能である。
更には、取付台170の軸部711に対して軸受け322が上方から嵌まる構成としたが、これを変更し当該軸受け322が下方から嵌まる構成とすることで、更なる防犯機能の向上が期待できる。このような変更を行った場合には、軸部711と軸受け322との引っ掛かりが解除された後、すなわち主制御装置180を開封した後は、軸部711によって主制御装置180を支えることが極めて困難になると想定される。つまり、上記各実施の形態では、嵌合部324の奥壁部324aの形状を工夫することで、主制御装置180が支持されにくくなる構成としたが、かかる構成よりも更に好適に主制御装置180の支持機能を低下させることができる。つまり、主制御装置180を開封後に再取り付けしようとしても、主制御装置180を支持状態にて維持することが困難なものとなる。
(13)上記各実施の形態では、表側軸受け部395を分離するこで、軸受け322による主制御装置180の取付機能を無効化する構成としたが、これに限定されるものではない。上記各実施の形態においては、主制御装置180が回動可能に支持されているため、主制御装置180を回動させて、その裏面側へのアクセスを可能とすることで、裏側軸受け部495を分離させる構成としたとしても作業性を担保することができる。
このように、裏側軸受け部495を基板ボックス320から分離させる構成を採用した場合には、開封後の主制御装置180を軸部711に対して取り付けようとしても同主制御装置180は上記奥壁部324aに沿って遊技盤80から離れる側へ移動し、最終的に軸部711から離脱することとなる。つまり、主制御装置180を表側軸受け部395単体にて軸部711により支持させることは困難となる。これにより、上記各実施の形態と比べて、取付偽装を一層困難なものとすることができ、防犯機能の更なる向上が期待できる。
(14)上記各実施の形態では、表側軸受け部395の表側開放部396と裏側軸受け部495の裏側開放部496とが共に半円状をなす構成としたが、これに限定されるものではない。2つの軸受け部395,495を合わせることで軸部711による支持機能が担保され、一方の軸受け部395,495のみでは軸部711による支持機能が無効となる構成であれば、上記各開放部396,496の形状は任意である。
(15)上記各実施の形態では、両軸受け部395,495の並設方向を前後方向とし、両構成体350,450の着脱方向を左右方向としたが、これに限定されるものではなく、各方向は任意に設定してよい。但し、両軸受け部395,495の並設方向を構成体350,450の着脱方向と交差する方向となるように設定することにより軸部711及び軸受け322に構成体350,450の分離を規制する機能を付与することができる。
(16)上記各実施の形態では、「痕跡カバー」としてカバー部材550を有する構成としたが、同構成を省略することも可能である。但し、カバー部材550が封印シール500を保護するという機能に加え、破壊用部材600へのアクセスを制限し、同破壊用部材600の操作を規制する点に着目すれば、同カバー部材550を採用することが望ましい。
(17)上記各実施の形態では、基板ボックスの再取り付けを不可とする構成を、主制御装置180に適用したが、これに限定されるものではない。同様の技術的思想を払出制御装置242等の他の制御装置に適用することも可能である。
(18)上記各実施の形態では、「基板ケース」としての基板ボックス320が「ケース構成体」として表側構成体350と裏側構成体450とを有する構成とした。すなわち、2つの構成体350,450を組み合わせることにより基板ボックス320を形成する構成とした。「ケース構成体」の数は2つに限定されるものではなく任意である。
(19)2個の構成体350,450が組み合わされて基板ボックス320が形成されている構成に限定されることはなく、3個以上の構成体が組み合わされて基板ボックス320が形成されていてもよい。
(20)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
(21)上記各実施の形態に示した、「基板ケース」としての基板ボックス320の適用対象は遊技機に限定されるものではない。少なくとも、同基板ケースに制御基板が収容されてなる制御装置を有する電気機器であればその適用対象は任意である。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴A1.遊技に関する制御を行う制御基板(主制御基板310)と、
内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板を収容する基板ケース(基板ボックス320)と、
前記基板ケースに設けられ、同基板ケースをベース体(遊技盤80の取付台170)に取り付ける取付手段(例えば係止具680)と
を備え、
前記基板ケースは、当該基板ケースが開封された場合に、前記取付手段による前記ベース体への取り付けが不能となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、基板ケースを開封することにより、制御基板へのアクセスが許容され、制御基板の検査等が容易化される。このように基板ケースを開封する場合には、ベース体に対する基板ケースの取り付けが不能となる。このように基板ケースの取り付けを不能とすることにより、例えば開封済みの基板ケース(詳しくは不正基板に換装された基板ケース)をあたかも開封していないかのように見せかけてベース体に戻すといった基板ケースの不正利用を難しくすることができる。故に、制御基板に対する不正を抑制し、遊技機における防犯機能の向上に貢献することができる。
特徴A2.遊技に関する制御を行う制御基板(主制御基板310)と、
内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板を収容する基板ケース(基板ボックス320)と、
前記基板ケースに設けられ、同基板ケースをベース体(遊技盤80の取付台170)に取り付ける取付手段(例えば係止具680)と
を備え、
前記基板ケースは、当該基板ケースが開封された場合に、前記取付手段による前記ベース体への再取り付けが不能となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、基板ケースを開封することにより、制御基板へのアクセスが許容され、制御基板の検査等が容易化される。このように基板ケースを開封した場合には、ベース体に対する基板ケースの再取り付けが不能となる。このように基板ケースの再取り付けを不能とすることにより、例えば開封済みの基板ケース(詳しくは不正基板に換装された基板ケース)をあたかも開封していないかのように見せかけてベース体に戻すといった基板ケースの不正利用を難しくすることができる。故に、制御基板に対する不正を抑制し、遊技機における防犯機能の向上に貢献することができる。
例えば、基板ケースが開封された場合に取付手段によるベース体への取り付けが解除され、同ベース体からの基板ケースの取り外しが可能となる構成を採用するとよい。
特徴A3.遊技に関する制御を行う制御基板(主制御基板310)と、
内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板を収容する基板ケース(基板ボックス320)と、
前記基板ケースに設けられ、同基板ケースをベース体(遊技盤80の取付台170)に取り付ける取付手段(例えば係止具680)と
を備え、
前記基板ケースは、当該基板ケースが開封された後、前記ベース体から取り外されることで同基板ケースからの前記制御基板の取り外しを許容するとともに、同基板ケースが開封された場合に、前記取付手段による同ベース体への再取り付けが不能となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴A3によれば、基板ケースを開封することにより、制御基板へのアクセスが許容され、制御基板の検査等が容易化される。このように基板ケースを開封して同基板ケースから制御基板を取り外す場合には、ベース体に対する基板ケースの再取り付けが不能となる。このように基板ケースの再取り付けを不能とすることにより、例えば開封済みの基板ケース(詳しくは不正基板に換装された基板ケース)をあたかも開封していないかのように見せかけてベース体に戻すといった基板ケースの不正利用を難しくすることができる。故に、制御基板に対する不正を抑制し、遊技機における防犯機能の向上に貢献することができる。
なお、特徴A1乃至特徴A3に示す「開封」は、基板ボックスの封印を解除して同基板ボックスの内部空間を開放可能とすることを示し、基板ボックスの内部空間の開放を必須とするものではない。例えば、上記「開封」は、基板ボックスがカシメ等の封印手段(痕跡手段)を有している構成において同カシメ等を破壊して基板ボックスの内部空間を開放可能とすること含む。
特徴A4.前記取付手段は、前記基板ケースが開封された場合に当該基板ケースの一部が破壊されることにより、同基板ケースから分離されることを特徴とする特徴A1乃至特徴A3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A4によれば、基板ケースが開封された場合に、基板ケースの破壊を伴って取付手段が基板ケースから分離されることにより、同取付手段(基板ケース)を元に戻すことが困難又は不可となる。取付手段を無力化することにより基板ケースの取り付け(再取り付け)を不能とすれば、特徴A1等に示した構成を好適に実現することができる。
例えば、基板ケースが開封された場合に、制御基板が取り付けられている部分と制御基板が取り付けられていない部分とに基板ケースが2分される構成を採用する場合には、制御基板が取り付けられていない一方に取付手段を配設するとよい。
特徴A5.前記基板ケースは、
前記内部空間を区画形成する本体部(本体部321)と、
当該基板ケースの開封を規制する規制部(第1固定手段330A)と
を有し、
前記取付手段は、前記規制部を介して前記本体部に一体化されており、
前記規制部は、当該規制部が破壊又は分離されて前記取付手段が前記本体部から分離されることにより、前記規制を解除する解除状態となることを特徴とする特徴A1乃至特徴A3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A5によれば、取付手段は規制部を介して本体部に一体化されており、規制部が解除状態となることで本体部から取付手段が分離される。このように取付手段が分離されることにより、基板ケースの開封が許容され、基板ケースの取り付けが不能となる。例えば、基板ケースの取り外しが可能になるとともに同基板ケースの再取り付けが不能となる。仮に基板ケースを取付不能(再取付不能)にすることなく開封しようとしても、このような行為は不可となる。これにより、特徴A1等に示した防犯機能を好適に発揮させることができる。
特に、規制部の破壊によって規制状態への復帰を不可とする構成を採用すれば、開封済みの基板ケースが再取り付けされるといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴A6.前記基板ケースは、相互に組み合わされることにより前記内部空間を区画形成する複数のケース構成体(表側構成体350や裏側構成体450)を有してなり、
それらケース構成体同士を結合する結合部(表側係止金具370及び裏側係止金具470)を備え、
前記規制部は、
前記結合部による結合を解除する解除部(アーム部361,362)と、
前記結合部及び前記解除部を覆う覆い部(収容部461)と
を有し、
前記解除部によって前記結合が解除されることにより前記基板ケースが開封されることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、覆い部によって結合部及び解除部を覆う構成とすることにより、それら結合部や解除部へのアクセスを妨げることができる。これにより、基板ケースの取り付け(再取り付け)が不能となることを回避しつつ基板ケースを開封するといった不正行為を好適に抑制できる。例えば、覆い部によって区画形成された空間内に結合部や解除部を収容する構成とするとよい。これにより、それら結合部や解除部へのアクセスを一層困難なものとすることができる。
なお、覆い部を本体部に対して一体的に設けることで、解除部及び覆い部への不正な区アセスを一層好適に抑制することが可能である。
特徴A7.前記取付手段は、前記覆い部に配設されており、
前記覆い部は、当該覆い部において前記取付手段が配設されている部分と前記本体部とを繋ぐ繋ぎ部(繋ぎ部465,466)を有し、
前記繋ぎ部は、当該覆い部における他の部位よりも破壊が容易となるように形成されており、
前記解除部は、前記繋ぎ部に重ねて配置されていることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
基板ケースを開封する場合にはケース構成体同士の結合を解除する必要があるが、繋ぎ部を破壊することにより、解除部に対して容易にアクセスすることができる。この際、繋ぎ部が破壊されることで、覆い部が本体部から分離される。取付手段についてもこの分離される部分に配設されているため、同じく本体部から分離されることとなる。これにより、特徴A6等に示した構成を好適に具現化することができる。
特徴A8.前記解除部は、前記結合部と前記本体部とを繋いでいるとともに、当該解除部が破壊されることにより、前記ケース構成体同士の結合を解除するものであることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A7に示した技術的思想を実現するには、本特徴に示す構成を適用するとよい。
複数の要破壊部分を有する構成においては、仮にそれら要破壊部分が別々の箇所に設けられていると、破壊作業が煩雑なものとなり得る。これは、制御基板を検査する際の作業効率を低下させる要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴においては、解除部と繋ぎ部とを重ねて配置することによりそれら両要破壊部分の破壊作業(例えば切断作業)が煩雑になることを抑制することができる。これにより、制御基板を検査する際の作業効率の低下を好適に抑えることができる。
特徴A9.前記取付手段は、前記基板ケースが前記ベース体に取り付けられている状態にて同基板ケースの荷重を支えるものであることを特徴とする特徴A7又は特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、上記破壊部分に生じる負荷を大きくすることが可能である。これにより、以下の効果が期待できる。すなわち、仮に基板ケースを不正に再利用しようとした場合には、破壊部分が接着剤等によって再結合されることにより、取り外しの痕跡が隠蔽され得る。この点、上述の如く基板ケースの自重によって破壊部分に生じる負荷が大きくなる構成とすれば、この種の不正行為を困難なものとすることができる。これにより、防犯機能の向上が期待できる。
なお、基板ケースが透明性を有し、制御基板の視認性が担保されている構成を採用する場合には、併せて以下の構成を採用するとよい。すなわち、基板ケース(特徴A6との組み合わせにおいては本体部)が制御基板の板面(詳しくは素子搭載面や半田面)と対向する対向部と、同制御基板の周縁部に沿って形成され当該制御基板を囲む周壁部とを有し、上記規制部及び取付手段が周壁部に対して一体的に設けられている構成を採用するとよい。これにより、取付手段等によって制御基板の視認性が低下することを好適に抑制できる。
特徴A10.前記基板ケースは遊技機における横方向に延びており、
前記規制部及び前記取付手段は、前記基板ケースにおいて前記横方向と同じ方向における一側部に配設されていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、基板ケースの自重を利用して、破壊部分に生じ得る重量負荷を好適に増大させることが可能となる。これにより、取り外し痕跡(破壊痕跡)の隠蔽による基板ケースの再利用を困難なものとし、特徴A9に示した防犯機能の更なる向上に貢献することができる。
例えば基板ケースの重量を増加させることで、特徴A7に示した効果を好適なものとすることも可能であるが、これは遊技機の重量増の要因となるため好ましくない。この点、本特徴に示す構成によれば、基板ケースの重量増を抑えつつ、防犯機能の向上に貢献することができ、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴A11.前記取付手段は、前記基板ケースが前記ベース体に取り付けられている状態にて同基板ケースの荷重を支えるものであり、
前記解除部は、前記繋ぎ部に対して下側から当接していることを特徴とする特徴A7乃至特徴A10のいずれか1つに記載の遊技機。
制御基板検査時等の開封作業の効率化を考慮すれば、繋ぎ部を弱体化することにより同繋ぎ部の破壊作業(例えば切断作業)をできるだけ容易化することが好ましい。しかしながら、取付手段に基板ケースを支える機能が付与されている場合には、基板ケースの本体部と取付手段とを繋いでいる繋ぎ部にも基板ケースの重量負荷が加わりやすいと想定され、上述の如く繋ぎ部を弱体化することは基板ケースの支持機能を低下させる要因となり得るため好ましくない。そこで、本特徴に示すように、繋ぎ部に対して解除部を下側から当接させる構成とすれば、解除部に繋ぎ部のバックアップ機能を付与することができ、基板ケースの重量負荷を解除部側に分散させることができる。これにより、支持強度の確保と繋ぎ部の破壊容易化とを好適に両立することができる。
また、本特徴によれば、繋ぎ部によって解除部の露出を抑制し、同解除部に対する不正なアクセスを抑制することができる。
特徴A12.前記取付手段は、前記基板ケースが前記ベース体に取り付けられている状態にて同基板ケースの荷重を支えるものであり、
前記解除部は、前記繋ぎ部によって挟まれることで、同繋ぎ部に対して係合していることを特徴とする特徴A7乃至特徴A10に記載の遊技機。
制御基板検査時等の開封作業の効率化を考慮すれば、繋ぎ部を弱体化することにより同繋ぎ部の破壊作業(例えば切断作業)をできるだけ容易化することが好ましい。しかしながら、取付手段に基板ケースを支える機能が付与されている場合には、基板ケースの本体部と取付手段とを繋いでいる繋ぎ部にも基板ケースの重量負荷が加わりやすいと想定され、上述の如く繋ぎ部を弱体化することは基板ケースの支持機能を低下させる要因となり得るため好ましくない。そこで、本特徴に示すように、本特徴に示すように、繋ぎ部に解除部を係合させる構成とすれば、同解除部に第2切断部のバックアップ機能を付与することができ、基板ケースの重量負荷を解除部側に分散させることができる。これにより、支持強度の確保と繋ぎ部の切断容易化とを好適に両立することができる。
また、本特徴によれば、繋ぎ部によって解除部の露出を抑制し、同解除部に対する不正なアクセスを抑制することができる。
例えば、繋ぎ部が溝状部分を有する構成とし、解除部がその溝状部分に係合する構成とすればよい。特に、ケース構成体を特定方向に相対移動させることで両ケース構成体を組み合わせる構成においては、繋ぎ部の溝状部分が同特定方向に延びる構成とするとともに、解除部も同方向に延びる構成を採用するとよい。
特徴A13.前記基板ケースは、前記取付手段によって前記ベース体に取り付けられている場合には、同ベース体によって支えられた支持状態となっており、
前記基板ケースが開封された場合には、前記ベース体による支持状態が解除されることを特徴とする特徴A1乃至特徴A12のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A1等に示した構成においては、基板ケースが開封された場合に同基板ケースをベース体から取り外すことなく制御基板を入れ替えるといった不正行為が行われることで、基板ケースの取付不能(再取付不能)とすることによる防犯機能が発揮されなくなるといった不都合が生じ得る。この点、本特徴によれば、基板ケースが開封された場合に同基板ケースの支持状態が解除される構成とすることにより以下の効果が期待できる。すなわち、基板ケースをベース体から取り外すことなく制御基板を入れ替えるといった不正行為を困難なものとし、基板ケースを再取付不能とすることによる防犯機能を好適に発揮させることができる。
特徴A14.前記基板ケースは、当該基板ケースが前記ベース体から取り外された場合に同基板ケースからの前記制御基板の取り外しが許容されるように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A13のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A14によれば、制御基板を取り外す際には、基板ケースをベース体から取り外す必要が生じる。このように基板ケースの取り外しが必要となることで、特徴A1等に示した不正行為を好適に抑制することができる。これにより、基板ケースを再取付不能とすることによる防犯機能を好適に発揮させることができる。
なお、特徴A3や特徴A6との組み合わせにおいては特に、本特徴を以下のように変更することも可能である。すなわち、「前記基板ケースは、当該基板ケースが前記ベース体から取り外された場合に前記複数のケース構成体への分離が許容されるように構成されていることを特徴とする遊技機」に変更することも可能である。
特徴A15.遊技に関する制御を行う制御基板と、
内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板を収容する基板ケースと、
前記基板ケースに設けられ、同基板ケースをベース体に取り付ける取付手段と、
前記基板ケースに設けられ、当該基板ケースが開封された場合にその開封の痕跡を残存させる痕跡手段と
を備え、
前記基板ケースは、前記痕跡手段により前記開封の痕跡が残存する状態となった場合に、前記取付手段による同ベース体への取り付けが不能となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴A15によれば、基板ケースを開封した場合には、その痕跡が残存することとなり、事後的な開封事実の把握が可能となる。そして、制御基板へのアクセスが許容され、制御基板の検査等が容易化される。
開封の痕跡が残存する残存状態となった場合には、ベース体に対する基板ケースの再取り付けが不可となる。これにより、例えば制御基板が不正なものに換装された開封済みの基板ケースがあたかも開封していないかのように見せかけてベース体に戻されるといった不正行為を難しくし、防犯機能の向上に貢献することができる。
なお、本特徴に特徴A1乃至特徴A14に記載の技術的思想を適用することも可能である。この場合、「開封された場合に」等の基板ケースの開封に関する記載を、「痕跡が残存する状態となった場合に」等の痕跡手段に関する記載に置き換えるとよい。
特徴A16.遊技に関する制御を行う制御基板と、
内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板を収容する基板ケースと、
前記基板ケースに設けられ、同基板ケースをベース体に取り付ける取付手段と
を備え、
前記取付手段は、前記基板ケースの開封に伴って当該取付手段が破壊されることにより、同取付手段による同ベース体への取り付けが不能となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴A16によれば、特徴A1等に示した効果に加え以下の効果が期待できる。すなわち、基板ケースの開封時に取付手段が破壊される構成とすることにより、取付手段の取付機能を回復させることを困難なものとすることができる。これにより、例えば取付不能となった基板ケースがベース体に戻されるといった不都合を好適に抑制することができる。
また、例えばベース体を破壊することにより、基板ケースを取付不能とすることも可能であるが、この場合、新調された正規の基板ケース(制御基板)をベース体に取り付ける際に、同じくベース体を新調する必要が生じ得る。これは、防犯機能の向上及び基板ケース(制御基板)入替時の作業効率向上の観点から好ましくないと想定される。この点、上述の如く取付手段を破壊することで再取付不能とすれば、ベース体を破壊する必要が無くなり、同ベース体を基板ケース入替後も継続して使用することができる。これにより、防犯機能の向上と、上記作業効率の向上とを好適に両立することができる。
なお、本特徴に特徴A4等に記載の技術的思想を適用することも可能である。この場合、特徴A5等に示した「規制部」は必須の構成ではなく、同「規制部」を省略することも可能である。例えば、特徴A5との組み合わせにおいては、同特徴A5に示した構成を「前記取付手段は、当該取付手段が破壊されることにより、前記基板ケースの開封操作を規制する規制状態から同規制を解除する解除状態に移行される」構成とするとよい。
特徴A17.前記取付手段は、前記基板ケースが前記ベース体に取り付けられている状態にて同基板ケースを支えるものであり、
前記基板ケースは、前記規制部が破壊された場合に重量が相対的に大小となる2つのケース部に分離されるように形成されており、
前記基板ケースに設けられているとともに前記取付手段は、前記両ケース部のうち重量が相対的に小さい一方に配設されていることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
取付手段を用いて基板ケースを支える構成においては、同取付手段や上記規制部に対して基板ケースの重量負荷が加わりやすいと想定される。そこで、本特徴に示すように、2分される基板ケースのうち重量が小さい一方のケース部に取付手段を配する構成とすれば、上記破壊部分に生じる負荷を大きくすることが可能である。これにより、以下の効果が期待できる。
すなわち、仮に基板ケースを不正に再利用しようとした場合には、破壊部分が接着剤等によって再結合されることにより、取り外しの痕跡が隠蔽され得る。この点、上述の如く基板ケースの自重によって破壊部分に生じる負荷が大きくなる構成とすれば、この種の不正行為を困難なものとすることができる。これにより、防犯機能の向上が期待できる。
なお、基板ケースが透明性を有し、制御基板の視認性が担保されている構成を採用する場合には、併せて以下の構成を採用するとよい。すなわち、基板ケース(特徴A6との組み合わせにおいては本体部)が制御基板の板面(詳しくは素子搭載面や半田面)と対向する対向部と、同制御基板の周縁部に沿って形成され当該制御基板を囲む周壁部とを有し、上記規制部及び取付手段が周壁部に対して一体的に設けられている構成を採用するとよい。これにより、取付手段等によって制御基板の視認性が低下することを好適に抑制できる。
特徴A18.前記取付手段は、前記基板ケースが前記ベース体に取り付けられている状態にて同基板ケースの荷重を支えるものであり、
前記基板ケースは、前記ベース体に対して取り付けられている状態にて、遊技機における横方向に延びており、
さらに、前記基板ケースは、当該基板ケースが開封された場合に前記横方向にて重量側相対的に大小となる2つのケース部に分離されるものであり、
前記取付手段は、それら2分されるケース部のうち、重量が相対的に小さい一方に配設されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A18によれば、基板ケースの自重を利用して、破壊部分に生じ得る重量負荷を好適に増大させることが可能となる。これにより、取り外し痕跡(破壊痕跡)の隠蔽による基板ケースの再利用を困難なものとし、防犯機能の更なる向上に貢献することができる。
例えば基板ケースの重量を増加させることで、上記防犯機能を好適に発揮させることも可能であるが、これは遊技機の重量増の要因となるため好ましくない。この点、本特徴に示す構成によれば、基板ケースの重量増を抑えつつ、防犯機能の向上に貢献することができ、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴A19.前記制御基板は、前記分離される複数のケース部分のうち前記取付手段が配設されているものとは別のケース部分に取り付けられていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A19によれば、上述した破壊部分に加わる重量負荷に制御基板の重量負荷を加えることができ、上記不正行為を一層困難なものとすることができる。このように、制御基板の重量を利用することで特徴A16に示した重量増に関する懸念を好適に払拭することができる。なお、本特徴に示す技術的特徴を特徴A18に適用することも可能である。
特徴A20.制御基板(主制御基板310)と、
内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板を収容する基板ケース(基板ボックス320)と
を有してなる制御装置(主制御装置180)であって、
前記基板ケースは、同基板ケースを取付対象(遊技盤80の取付台170)に取り付ける取付手段(例えば係止具680)を備え、
さらに、前記基板ケースは、当該基板ケースが開封された場合に、前記取付手段による前記取付対象への取り付けが不能となるように構成されていることを特徴とする制御装置。
特徴A20によれば、基板ケースを開封することにより、制御基板へのアクセスが許容され、制御基板の検査等が容易化される。このように基板ケースを開封する場合には、取付対象に対する基板ケースの取り付けが不能となる。このように基板ケースの取り付けを不能とすることにより、例えば開封済みの基板ケース(詳しくは不正基板に換装された基板ケース)をあたかも開封していないかのように見せかけて取付対象に戻すといった基板ケースの不正利用を難しくすることができる。故に、制御基板に対する不正を抑制し、防犯機能の向上に貢献することができる。
なお、本特徴を以下のように変更することも可能である。すなわち、「内部空間が形成されており、その内部空間に制御基板を収容する基板ケースであって、前記基板ケースは、同基板ケースを取付対象に取り付ける取付手段を備え、さらに、前記基板ケースは、当該基板ケースが開封された場合に、前記取付手段による前記取付対象への取り付けが不能となるように構成されていることを特徴とする基板ケース」に変更することも可能である。
因みに、特徴A4乃至特徴A19に示した技術的思想を本特徴に適用することも可能である。
特徴A20は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の電気機器は、制御処理を実行するCPU、制御プログラムが記憶されたROM等の各種電子部品が実装された制御基板を備えている。そして、ROMに記憶された制御プログラムに従って、CPUにより各種遊技機器が制御される。制御基板は、基板ケースに収容された状態で取付対象としての遊技機本体に取り付けられており、同制御基板の基板ケース外への露出等が抑制されている。
この種の制御基板を有する電気機器では、制御基板そのものや同制御基板のROM(ROMがCPUと共に1チップ化されている場合には当該チップ)が正規のものとは異なる不正なものに交換されるといった不都合が生じる可能性がある。このような不正に対処すべく、例えば、上記基板ケースに封印構造(いわゆる、カシメ構造)を設けて基板ケースの開封時には破壊等による開封痕跡を残すようにする等の不正対策が採用されている。このような不正対策は、基板ケースが開封された事実や制御基板が交換された事実を目視確認する場合にその確認作業を補助するものであり、またこのような不正対策の存在により不正行為を躊躇させる効果がある。
しかしながら、上記封印構造等の不正対策が施されていても、例えば、封印構造等を巧妙に破壊することにより、開封の痕跡を残存させることなく基板ケースの開放がなされるおそれがある。このように痕跡の隠蔽がなされた場合、制御基板に対する不正の発見が困難になると懸念される。
特徴B1.遊技に関する制御を行う制御基板(主制御基板310)と、
内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板を収容する基板ケース(基板ボックス320)と、
前記基板ケースに設けられ、同基板ケースをベース体(遊技盤80の取付台170)に取り付ける取付手段(軸受け322)と
を備え、
前記基板ケースは、当該基板ケースが前記取付手段による前記ベース体への再取り付けが不能となる再取付不能状態となった場合に、前記ベース体から同基板ケースが取り外し可能になるとともに、同基板ケースが開封可能となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、基板ケースを開封する場合には、少なくとも基板ケースの再取り付けが不能となるため、開封済みの基板ケースの再利用が困難となる。例えば開封済みの基板ケース(詳しくは不正基板に換装された基板ケース)をあたかも開封していないかのように見せかけてベース体に戻すといった基板ケースの不正利用を難しくすることができる。故に、制御基板に対する不正を抑制し、遊技機における防犯機能の向上に貢献することができる。
なお、本特徴に示した技術的思想を以下の構成によって具現化することも可能である。すなわち、「遊技に関する制御を行う制御基板と、内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板を収容する基板ケースと、前記基板ケースに設けられ、同基板ケースをベース体に取り付ける取付手段と、前記取付手段による前記基板ケースの前記ベース体に対しての取り付けを無効化する無効化手段とを備え、前記無効化手段によって前記基板ケースの取り付けが無効化される場合に、前記基板ケースが開封される又は同基板ケースの開封が許容される」構成を採用することも可能である。
特徴B2.前記基板ケースは、当該基板ケースが前記再取付不能状態となることに伴って開封されることを特徴とするB1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、基板ケースを再取付不能とすることで基板ケースが開封される。これにより、再取り付けを不能とする構成を採用して特徴B1に示す防犯機能の向上効果を享受しつつ、検査時等に同防犯機能の向上に起因して同検査の準備作業等が煩雑化することを好適に抑制することができる。つまり、作業性の低下を抑えつつ、防犯機能を向上させることができる。
特徴B3.前記基板ケースは、当該基板ケースが開封された場合にその開封の痕跡を残存させる痕跡手段(例えば表側軸受け部395)を有し、
前記痕跡手段は、前記取付手段の前記再取付不能状態への移行に伴って前記基板ケースが開封されることにより、前記痕跡を残存させることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B3によれば、特徴B2に示した効果に加え以下の効果が期待できる。基板ケースが開封の痕跡を残存させる痕跡手段を有することにより、事後的に基板ケースの開封事実を確認することが可能となる。但し、痕跡を残存させる構成を適用する場合に、同痕跡を残存させるための別途作業が必要になることは防犯機能の向上が期待できる反面、検査時等の作業効率を低下させる要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴に示すように、取付手段の再取付不能状態への移行に伴って基板ケースが開封されることにより痕跡状態となる構成を採用すれば、上述した不都合を払拭し、作業効率の低下を抑えつつ、防犯機能の向上を図ることができる。
特徴B4.前記取付手段は、前記基板ケースに設けられたケース側取付部であり、
前記ベース体に設けられ、前記ケース側取付部に係合することにより前記ベース体に対して前記基板ケースを取付状態とするベース側取付部(軸部711)と、
前記ケース側取付部の少なくとも一部が前記基板ケースから分離されることにより前記ケース側取付部と前記ベース側取付部との係合を解除するとともに前記ケース側取付部と前記ベース側取付部との再係合を不可とする解除部(例えば繋ぎ部399b等)と
を備え、
前記基板ケースは、前記解除部によって前記再係合が不可となることにより前記ベース体に対して再取付不能となることを特徴とする特徴B1乃至特徴B3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B4によれば、ケース側取付部とベース側取付部との係合を解除することにより、基板ケースが開封可となる。この際、ケース側取付部の一部が分離(例えば除去)されることにより、両取付部の再係合が不可となる。このように、ベース側取付部ではなくケース側取付部の一部を分離する構成とすることにより、開封済みの基板ケースの再利用を抑制しつつ、ベース体の再利用を促進することができる。これにより実用上好ましい構成が実現される。
特徴B5.前記ベース側取付部は軸部であるとともに、前記ケース側取付部は前記ベース側取付部が挿入される軸受け部であり、
前記基板ケースは、前記ベース側取付部が前記ケース側取付部に挿入された場合に同ケース側取付部内にて同ケース側取付部と係合することにより前記取付状態となることを特徴とする特徴B4記載の遊技機。
特徴B5によれば、係合部分の露出を抑えることで、ベース側取付部とケース側取付部との係合が解除部を利用することなく不正に解除されることを抑制することができる。
また、例えば軸部の少なくとも一部を分離(除去)することにより係合を解除する構成を採用することも可能であるが、この様な構成においては上記分離作業が軸受け部によって妨げられやすくなると想定される。この点、軸受け部の一部を分離する構成とすれば、軸受け部は軸部に対して外側に位置しているため上記分離作業が軸部によって妨げられるといった不都合を生じにくくすることができる。これにより、分離作業の効率化に貢献することができる。
特徴B6.前記基板ケースは、相互に組み合わされることにより前記内部空間を区画形成する第1ケース構成体(表側構成体350)及び第2ケース構成体(裏側構成体450)を有しており、
前記ケース側取付部は、前記第1ケース構成体に設けられた第1取付部(表側軸受け部395)と、前記第2ケース構成体に設けられた第2取付部(裏側軸受け部495)とが組み合わされてなり、
前記解除部は、前記第1取付部を前記第1ケース構成体から分離させることにより、前記ケース側取付部と前記ケース側取付部との係合を不可とするものであることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B6によれば、第1取付部及び第2取付部の両方を分離させる場合と比較して、ケース側取付部の分離作業の煩雑化を好適に抑制することができる。これにより、特徴B1等に示した防犯機能を享受しつつ、それに伴う作業の煩雑化を抑えることが可能となる。
特徴B7.前記ベース側取付部は軸部であるとともに、前記ケース側取付部は、前記ベース側取付部が挿入される軸受け部であり、
前記基板ケースは、前記ベース側取付部が前記ケース側取付部に挿入された場合に同ケース側取付部内にて同ケース側取付部と係合することにより前記取付状態となり、
前記第1取付部及び前記第2取付部は、前記ケース側取付部を挟んで並設されており、
前記第1ケース構成体及び前記第2ケース構成体の組み合わせ方向を規定する規定部(溝部453やフック部355)を有し、
前記第1取付部及び前記第2取付部は、前記規定部によって規定された方向とは異なる方向に並設されていることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、特徴B5に示した効果と同様の効果に加え、以下の効果が期待できる。
特徴B1等に示したように基板ケースを再取付不能とする構成を採用した場合、再取付不能状態への移行を回避して基板ケースが開封されることは好ましくない。この点、本特徴においては、再取付不能状態へ移行させることなく、すなわち上記第1取付部を分離させることなく基板ケースを開封することを難しくすることができる。これにより、基板ケースに付与された防犯機能を好適に発揮させることができる。
特徴B8.前記第1取付部及び前記第2取付部は、それら両者が組み合わされた状態にて前記ケース側取付部による支持が可能となり、それら両者のうち一方のみでは前記ケース側取付部による支持が不可となるように構成されていることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
特徴B8によれば、第1取付部が分離された後は、第2取付部単体によってベース側取付部の支持機能を享受することが困難となる。つまり、第2取付部によってベース側取付部による支持機能を享受しようとしても同ベース側取付部は第2取付部から脱落することとなり、あたかも基板ケースが取り付いているかのように見せかけることが困難となる。また、第2取付部が不正に分離されたとしても残った第1取付部によってベース側取付部による支持機能を享受することが困難となる。これにより、基板ケースに付与された防犯機能を好適に発揮させることができる。
なお、本特徴に示す防犯機能向上の技術的思想を以下の構成によって実現することも可能である。すなわち、「前記第2取付部に形成され、前記第1取付部側に開放された開放部と、前記ベース側取付部及び前記第2取付部の少なくとも一方に設けられ、前記ベース側取付部を前記開放部へ誘導する誘導部(嵌合部324の奥壁部324a)とを備え、前記開放部は、前記ベース側取付部の通過を許容する大きさを有していることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機」を採用してもよい。
特徴B9.前記ベース側取付部は、前記ケース側取付部に対して上方から挿入されていることを特徴とする特徴B7又は特徴B8に記載の遊技機。
特徴B7等に示すようにケース側取付部にベース側取付部を挿入する構成においては、ベース側取付部がケース側取付部に対して下方から挿入される構成を採用することも可能である。しかしながら、このような構成を採用した場合、係合不能となっている状態であってもケース側取付部にベース側取付部が挿入されることで、基板ケースが支持されやすくなると想定される。これは、開封済みの基板ケースの再利用を容易なものとする要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴によれば、再取付不能状態(再係合不能な状態)となった後は、ベース側取付部によってケース側取付部を支持しておくことが困難となる。つまり、係合不能となっている状態にてケース側取付部にベース側取付部を挿入させることで、あたかも基板ケースが取り付いているかのように見せかけることが困難となる。これにより、基板ケースに付与された防犯機能を好適に発揮させることができる。
なお、本特徴に示した技術的思想を特徴B5に適用することも可能である。
特徴B10.前記基板ケースは、前記取付手段によって前記ベース体に取り付けられている場合には、同ベース体によって支えられた支持状態となっており、
前記基板ケースが開封された場合には、前記ベース体による支持状態が解除されることを特徴とする特徴B1乃至特徴B9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B1等に示した構成においては、再取付不能となった後に基板ケースを取り外すことなく制御基板が入れ替えられた場合には、基板ケースの再取り付けを不要となることで、防犯機能が十分に発揮されなくなると懸念される。この点、本特徴によれば、基板ケースが開封された場合に支持状態が解除される構成とすることにより、開封済みの基板ケースがあたかもベース体に取り付いているかのように見せかけて再利用されるといった不都合を好適に抑制することができる。
特徴B11.前記基板ケースは、当該基板ケースが前記ベース体から取り外された場合に同基板ケースからの前記制御基板の取り外しが許容されるように構成されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B11によれば、制御基板を取り外す際には、同制御基板をベース体から取り外す必要が生じる。このように基板ケースを取り外しが必要となることで、特徴B10に示した不正行為を好適に抑制することができる。つまり、基板ケースを再取付不能とすることによる防犯機能を好適に発揮させることができる。
なお、特徴B4等(基板ケースが複数のケース構成体を有してなる構成)との組み合わせにおいては特に、本特徴を以下のように変更することも可能である。すなわち、「前記基板ケースは、当該基板ケースが前記ベース体から取り外された場合に前記複数のケース構成体への分離が許容されるように構成されていることを特徴とする遊技機」に変更することも可能である。
特徴B12.制御基板(主制御基板310)と、
内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板を収容する基板ケース(基板ボックス320)と
を有してなる制御装置(主制御装置180)であって、
前記基板ケースは、同基板ケースを取付対象(遊技盤80の取付台170)に取り付ける取付手段(軸受け322)を備え、
さらに、前記基板ケースは、当該基板ケースが前記取付手段による前記取付対象への再取り付けが不能となる再取付不能状態となった場合に、前記取付対象から同基板ケースが取り外し可能になるとともに、同基板ケースが開封可能となるように構成されていることを特徴とする制御装置。
特徴B12によれば、基板ケースを開封する場合には、少なくとも基板ケースの再取り付けが不能となるため、開封済みの基板ケースの再利用が困難となる。例えば開封済みの基板ケース(詳しくは不正基板に換装された基板ケース)をあたかも開封していないかのように見せかけてベース体に戻すといった基板ケースの不正利用を難しくすることができる。故に、制御基板に対する不正を抑制し、防犯機能の向上に貢献することができる。
なお、本特徴を以下のように変更することも可能である。すなわち、「内部空間が形成されており、その内部空間に制御基板を収容する基板ケースであって、前記基板ケースは、同基板ケースを取付対象に取り付ける取付手段を備え、さらに、前記基板ケースは、当該基板ケースが前記取付手段による前記取付対象への再取り付けが不能となる再取付不能状態となった場合に、前記取付対象から同基板ケースが取り外し可能になるとともに、同基板ケースが開封可能となるように構成されていることを特徴とする基板ケース」に変更することも可能である。
因みに、特徴B2乃至特徴B11に示した技術的思想を本特徴に適用することも可能である。
特徴B12は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の電気機器は、制御処理を実行するCPU、制御プログラムが記憶されたROM等の各種電子部品が実装された制御基板を備えている。そして、ROMに記憶された制御プログラムに従って、CPUにより各種遊技機器が制御される。制御基板は、基板ケースに収容された状態で取付対象としての遊技機本体に取り付けられており、同制御基板の基板ケース外への露出等が抑制されている。
この種の制御基板を有する電気機器では、制御基板そのものや同制御基板のROM(ROMがCPUと共に1チップ化されている場合には当該チップ)が正規のものとは異なる不正なものに交換されるといった不都合が生じる可能性がある。このような不正に対処すべく、例えば、上記基板ケースに封印構造(いわゆる、カシメ構造)を設けて基板ケースの開封時には破壊等による開封痕跡を残すようにする等の不正対策が採用されている。このような不正対策は、基板ケースが開封された事実や制御基板が交換された事実を目視確認する場合にその確認作業を補助するものであり、またこのような不正対策の存在により不正行為を躊躇させる効果がある。
しかしながら、上記封印構造等の不正対策が施されていても、例えば、封印構造等を巧妙に破壊することにより、開封の痕跡を残存させることなく基板ケースの開放がなされるおそれがある。このように痕跡の隠蔽がなされた場合、制御基板に対する不正の発見が困難になると懸念される。
特徴C1.遊技に関する制御を行う制御基板(主制御基板310)と、
内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板を収容する基板ケース(基板ボックス320)と、
前記基板ケースの開封を阻害するように設けられ、当該阻害状態が解除された場合に前記開封の痕跡を残存させる痕跡部(封印シール500)と、
予め定められた特定方向へ変位可能に設けられ、同特定方向への変位により前記痕跡部に当接して当該痕跡部を破壊することにより、前記阻害状態を解除するとともに同痕跡部により前記痕跡を残存させる破壊部(破壊用部材600)と
前記基板ケースに設けられ、前記破壊部の前記特定方向への変位を規制する規制手段(第1固定手段330Aの収容部461)と
を備え、
前記規制手段が前記規制を解除する解除状態となることにより、前記破壊部の前記特定方向への変位が許容されることを特徴とする遊技機。
特徴C1に示すように基板ケースが開封された場合にその開封痕跡を残存させる構成においては、同開封痕跡を目視等で確認することで、事後的な開封事実の把握が可能となる。これにより、例えば基板ケースに対する不正行為が行われた場合に、その事実の把握が可能となる。しかしながら、このような痕跡部を有する構成においては、基板ケースが開封されていないにも関わらずあたかも開封されたかのように痕跡が残存してしまうと、それを発見した場合に制御基板の検査等を不要であると判断することが難しくなり、無駄な確認作業が生じ得る。特に、このような事象が繰り返された場合には、痕跡部の信頼性を低下させ、ひいては防犯機能を効果的に発揮させることが困難になり得る。
この点、本特徴において特に、規制手段によって破壊部の特定方向への変位を規制することにより、作業ミス等に起因して開封痕跡が残存してしまうといった不都合を生じにくくすることができる。これにより、痕跡部を用いた防犯機能の信頼性を好適に向上させることができ、防犯性の向上に貢献することができる。
特徴C2.前記破壊部は、当該破壊部に設けられた操作部(操作部602)が操作されることにより前記阻害状態を解除するものであり、
前記操作部は、前記規制手段と前記痕跡部との間に配置されており、
前記規制手段は、当該規制手段が前記操作部を挟んで前記痕跡部と対峙している位置から離れることにより前記解除状態となることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、規制手段と痕跡部との間に操作部を配置することにより、それら規制手段及び痕跡部によって操作部へのアクセスを抑制することができる。具体的には、作業ミス等に起因した操作部へのアクセスや、不正を目的とした同操作部へのアクセスを抑制することができる。
また、基板ケースを開封する場合には、規制手段が操作部を挟んで痕跡部と対峙している位置から離れることで、同操作部に対するアクセスが容易化される。これにより、上述したように操作部に対する不要なアクセスを抑えつつ、それに起因して基板ケースの開封作業が煩雑化することを抑制できる。
特徴C3.前記基板ケースは、複数のケース構成体(表側構成体350や裏側構成体450)が組み合わされることで前記内部空間を区画形成する本体部(本体部321)を有し、
前記規制手段は、
前記本体部と一体的に設けられ、前記ケース構成体同士を結合する結合部(表側固定部331及び裏側固定部332)と、
前記結合部を前記本体部から分離させることにより、前記ケース構成体同士の結合を解除させる解除部(例えば繋ぎ部465,466やアーム部361,362)と
を有し、
前記結合部が前記本体部から分離されることで前記規制手段が前記解除状態となった場合に、前記阻害状態の解除が許容されることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、結合部を本体部から分離することによりケース構成体同士の結合が解除される。このように基板ケース開封時に必要となる操作によって規制を解除する構成とすれば、規制解除のための専用操作を追加する場合と比較して、基板ケース開封作業の煩雑化を抑制することができる。つまり、作業の煩雑化を抑えつつ、特徴C1等に示した効果を享受することができる。
また、結合部によって阻害状態の解除を規制する構成としたことで、阻害状態を規制する専用の構成を追加する場合と比較して、基板ケースにおける構成の煩雑化を好適に抑制することが可能である。
特徴C4.前記結合部は、
前記各ケース構成体に個別に設けられた係合部(表側係止金具370及び裏側係止金具470)と、
それら係合部を収容する収容部(収容部461)と
を有し、
前記係合部同士が前記収容部内にて係合することで、前記各ケース構成体を結合するものであり、
前記収容部によって前記阻害状態の解除が規制されることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
特徴C1等に示したように規制手段によって阻害状態の解除を規制する構成を採用する場合には、規制手段が容易に変形したり変位したりすることは規制機能が低下する要因となり得るため好ましくない。この対策として、規制手段を強固なものとしようとすれば、規制手段に関する構成が大型化し、同規制手段の占有領域が拡張されると想定される。特に基板ケースに制御基板の目視による確認機能が付与されている場合には、規制手段等の配置が制限されやすいと想定され、上述の如く占有領域が拡張されることは好ましくない。
ここで、本特徴においては、収容部によって係合部を収容することで同係合部への不正なアクセスを抑制することが可能となっており、同収容部を用いて阻害状態の解除を規制する構成を採用している。このように、ある程度の強度を付与することが好ましい構成(収容部)を共用することで、強度確保による上記占有領域の拡張を極力抑えることができ、基板ケースにおける限られた領域にて周辺部品等と好適に共存させることができる。
なお、本特徴に示すように収容部を有する構成においては、同収容部を強固なものとすることで防犯機能を向上できる反面、上記係合部による係合状態を解除することが難しくなると想定される。そこで、以下の構成を併用することにより実用上好ましい構成を実現することができる。すなわち、「前記係合部の係合状態を解除することで前記結合状態を解除するよりも、前記収容部ごと前記各係合部を前記本体部から分離させることで、前記結合状態を解除しやすくなるように切断容易に形成された切断部(例えば繋ぎ部465,466やアーム部361,362)を有する」構成を併用するとよい。このように、結合状態を容易に解除することができる部分を設けておくことで、基板ケース開封時の作業効率が低下することを抑制しつつ、上記収容部による規制機能の向上を図ることができる。
特徴C5.前記基板ケースは、前記内部空間を区画形成する本体部(本体部321)を有し、
前記規制手段は、前記基板ケースをベース体(遊技盤80の取付台170)に取り付ける取付部(係止具680等)を有し、
前記取付部は、前記本体部に一体化されており、
前記基板ケースは、当該基板ケースの一部が破壊されて前記取付部が前記本体部から分離されることで、前記ベース体からの取り外しが可能となるとともに、同ベース体への再取り付けが不能となり、
前記破壊部は、前記取付部が前記本体部から分離されて前記解除状態となった場合に、前記阻害状態の解除が許容されることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
特徴C5によれば、本体部から取付部が分離されることにより、基板ケースの取り外しが可能となるとともに、同基板ケースの再取り付けが不能となる。取付部には、破壊部による阻害状態の解除を規制する機能が付与されているが、同取付部が分離されることで、この規制が解除される。これにより、基板ケースの開封が許容されることとなる。このように、基板ケース開封時に除去される構成に規制機能を付与する構成とすることにより、実用上好ましい構成を実現することができる。例えば、開封時の作業効率が低下することを抑制しつつ、防犯機能の向上に貢献することができ、更には基板ケースの構成の煩雑化を抑制しつつ、防犯機能の向上に貢献することができる。
特に、取付部に関しては基板ケース等の重量負荷が生じやすいと想定され、ある程度の強度が必要となり得る。このように、強度確保が要求される部分に規制機能を付与することにより、以下の効果が期待できる。すなわち、規制手段の強度向上を図ることにより、同規制手段が変形又は変位して規制機能が低下することを好適に抑制することができる。
特徴C6.前記痕跡部とは別体で設けられているとともに前記規制手段と並設され、前記痕跡部を覆う痕跡カバー(カバー部材550)を備え、
前記破壊部は、前記阻害状態の解除時に操作される操作部(操作部602)を有し、
前記操作部は、前記痕跡カバーと前記規制手段とによって覆われており、
前記規制手段は、当該規制手段が前記痕跡カバーと共に前記操作部を覆っている位置から離れることにより前記解除状態となることを特徴とする特徴C1乃至特徴C5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C6によれば、規制手段と痕跡カバーとによって操作部を覆うことにより、それら規制手段及び痕跡カバーによって操作部へのアクセスを抑制することができる。具体的には、作業ミス等に起因した操作部へのアクセスや、不正を目的とした同操作部へのアクセスを抑制することができる。
基板ケースを開封する場合には、規制手段が操作部を覆う位置から離れることで、同操作部に対するアクセスが容易化される。これにより、上述したような操作部に対する不要なアクセスを抑えつつ、それに起因した基板ケースの開封作業の煩雑化を抑制することができる。
また、痕跡カバーによって痕跡部を覆うことにより痕跡部を保護することができ、更には痕跡カバーによって痕跡部へのアクセスが制限されることで痕跡部に対する不正行為を抑制することができる。このように防犯機能が付与された痕跡カバーを利用して、操作部及び痕跡部を覆う構成とすれば、基板ケースにおける構成の煩雑化を抑えつつ、防犯機能の向上に貢献することができる。
特徴C7.前記痕跡カバーは、前記規制手段側に開放された凹部を有し、
前記操作部は、前記開放部分を通じた前記規制手段側への突出が抑えられた状態で前記凹部内に配置されており、
前記凹部の開放部分が、前記規制手段の壁面部(収容部461の外壁)よって塞がれていることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
特徴C6に示したように、規制手段と痕跡カバーとによって操作部を覆う構成においては、痕跡カバーの装着時等に規制手段と操作部とが干渉して破壊部が変位した場合に、基板ケースを開封していないにも関わらず開封痕跡が残存するといった不都合が生じ得る。これは、特徴C1に示した防犯機能の信頼性を低下させる要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴に示すように、操作部を痕跡カバーの凹部内に収める構成とすれば、そのような不都合の発生を好適に抑制することができる。
特徴C8.前記規制手段は、前記痕跡カバーを挟んだ両側に配置されており、
前記凹部は、前記各規制手段に個別に対応させて設けられており、
前記破壊部は、前記両規制手段の並設方向と同じ方向に延び、同方向と交差する方向に変位することで前記痕跡部を破壊するように形成されており、
前記破壊部の両端部には、前記各凹部に1対1で対応させて前記操作部がそれぞれ設けられており、
前記各規制手段には、前記各凹部に1対1で対応させて前記壁面部それぞれ設けられていることを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
特徴C8によれば、破壊部の両端部に操作部を2つ設けることにより、両手での操作が可能となる。これにより、操作力を効率よく破壊力に変換することができ痕跡部を上手く破壊できないといった不都合の発生を抑えることができる。このようにして、痕跡部を破壊する際の確実性を高めることで、痕跡部の大型化を促進することができ、痕跡の視認性向上が期待できる。
また、各操作部を凹部及び壁面部によって個別に覆う構成とすることにより、各操作部へのアクセスを好適に抑制することができる。特に特徴C7に示した構成においては、規制手段とは反対側に痕跡カバーが押される等した場合、壁面部と凹部との隙間が拡がって上記アクセス抑制機能が低下すると想定される。この点、本特徴においては、痕跡カバーを挟んだ両側に規制手段を配置することで、上述したような痕跡カバーの動きを抑制し、アクセス抑制機能を好適に担保することができる。
特徴C9.前記痕跡カバーは、前記基板ケースとは別体で設けられ、同基板ケースに対して取り外しが規制された状態で取り付けられており、
さらに、前記痕跡カバーは、前記痕跡部が前記痕跡を残存させる状態となった場合に取り外し可能となることを特徴とする特徴C6乃至特徴C8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C6等に示したように、規制手段単独で操作部を覆うのではなく、痕跡カバーと共に操作部を覆う構成とした場合、同特徴C6に示した効果を享受することができる反面、以下の不都合が生じ得る。すなわち、痕跡カバーが取り外されることにより、操作部が露出し、同操作部へのアクセスが容易化される。これは防犯機能向上の観点から好ましくない。この点、本特徴によれば、規制手段による規制が解除された後、痕跡部が痕跡を残存させることで、痕跡カバーの取り外しが可能となる。つまり、規制手段による規制が解除されることなく、痕跡カバーが取り外されることを抑制できる。これにより、操作部へのアクセスを好適に抑制することができ、上記不都合の発生を好適に払拭することができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘87等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
10…遊技機としてのパチンコ機、80…遊技盤、160…主制御装置ユニット、170…取付台、180…主制御装置、310…主制御基板、320…基板ケースとしての基板ボックス、321…本体部、322…ケース側取付部としての軸受け、330…固定手段、330A…規制手段を構成する第1固定手段、330B…第2固定手段、341…貼付ベース、350…ケース構成体としての表側構成体、355…規定部を構成するフック部、361,362…解除部としてのアーム部、370…結合手段としての表側係止金具、395…第1取付部としての表側軸受け部、450…ケース構成体としての裏側構成体、453…規定部を構成する溝部、461…覆い部としての収容部、465,466…繋ぎ部、470…裏側係止金具、495…第2取付部としての裏側軸受け部、500…痕跡手段としての封印シール、550…カバー部材、600…破壊部としての破壊用部材、602…操作部、680…係止具。

Claims (5)

  1. 遊技に関する制御を行う制御基板と、
    内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板を収容する基板ケースと、
    前記基板ケースに設けられ、同基板ケースをベース体に取り付ける取付手段と
    を備え、
    前記基板ケースは、当該基板ケースが開封された場合に、前記取付手段による前記ベース体への取り付けが不能となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記取付手段は、前記基板ケースが開封された場合に当該基板ケースの一部が破壊されることにより、同基板ケースから分離されることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記基板ケースは、
    前記内部空間を区画形成する本体部と、
    当該基板ケースの開封を規制する規制部と
    を有し、
    前記取付手段は、前記規制部を介して前記本体部に一体化されており、
    前記規制部は、当該規制部が破壊又は分離されて前記取付手段が前記本体部から分離されることにより、前記規制を解除する解除状態となることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  4. 前記基板ケースは、相互に組み合わされることにより前記内部空間を区画形成する複数のケース構成体を有してなり、
    それらケース構成体同士を結合する結合部を備え、
    前記規制部は、
    前記結合部による結合を解除する解除部と、
    前記結合部及び前記解除部を覆う覆い部と
    を有し、
    前記解除部によって前記結合が解除されることにより前記基板ケースが開封されることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
  5. 前記取付手段は、前記覆い部に配設されており、
    前記覆い部は、当該覆い部において前記取付手段が配設されている部分と前記本体部とを繋ぐ繋ぎ部を有し、
    前記繋ぎ部は、当該覆い部における他の部位よりも破壊が容易となるように形成されており、
    前記解除部は、前記繋ぎ部に重ねて配置されていることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
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