JP2011120271A - 音響振動板 - Google Patents

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Abstract

【課題】振動板として天然木(木製シート)を用いた場合において、音場表現を豊かにでき、低音の再生特性にも優れた音響振動板及びスピーカを提供する。
【解決手段】木製振動板5と、木製振動板5の中心を通る第1の方向に沿って木製振動板5の表面上に配置され、木製振動板5が木製振動板5の面内で音を伝搬させる伝搬速度を調整する伝搬速度調整部材73a、73bとを備える。
【選択図】図9

Description

本発明は、音響振動板に関する。
DVDオーディオ、スーパーオーディオCD(SACD)等の高音質デジタルコンテンツの登場によりコンテンツ本来のクオリティを余すことなく再現可能なスピーカーシステムの開発が求められている。
このようなスピーカーシステムに搭載される振動板素材としては、紙、プラスチック、金属等の均一素材が広く用いられている。
しかしながら、振動板材料として均一素材を用いた場合は、音の伝搬速度があらゆる方向において等しくなるため、定在波が発生しやすく、音場表現に劣る場合がある。
音場表現を豊かにする振動板として、例えばオブリコーン型の振動板が知られている。「オブリコーン型の振動板」は、ボイスコイルの位置を、振動板の中心からずらすことにより、断面形状を非対称とした振動板である。断面形状を非対称とすることで、共振を分散させ、高域特性に表れるピークを軽減することが可能となるため、より自然な再生音を得ることができる。
しかしながら、オブリコーン型の振動板は、一般的な振動板に比べて形状が複雑なため、製造が難しい。また、オブリコーン型の振動板は指向性に偏りを持っているため、どちらかといえば、音が前方に出にくいものもある。更に、オブリコーン型の振動板を用いた場合、中・高音の特性は改善されるが、それに比べて低音の特性改善が十分でない場合がある。
一方、音場表現を豊かにする別の振動板として、天然木を利用したウッドコーン型の振動板も知られている。ウッドコーン型の振動板は、繊維方向と繊維方向以外の方向の音の伝搬速度が異なるため、定在波が起きず、音場表現及び低音エネルギーも良好である。ウッドコーン型の振動板は、例えば、特許文献1に記載されている。
特開2004−254013号公報
振動板として天然木(木製シート)を用いた場合において、音場表現を豊かにでき、低音の再生特性にも優れた音響振動板の登場が望まれている。
そこで本発明は、音場表現を豊かにでき、低音の再生特性にも優れた音響振動板を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、以下の1)〜3)に記載の手段より成る。
すなわち、
1)木製振動板と、
前記木製振動板の面上における、前記木製振動板の中心を通る方向に沿った所定領域に配置され、前記木製振動板の面内で音が伝搬する伝搬速度を調整する伝搬速度調整部材と、
を備え、
前記伝搬速度調整部材は、前記木製振動板の繊維方向を横切る方向を前記方向として、前記木製振動板の面上に配置されていることを特徴とする音響振動板。
2)前記伝搬速度調整部材は、前記方向に繊維方向を有する異方性素材で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の音響振動板。
3)前記伝搬速度調整部材は、木製シートであることを特徴とする請求項2に記載の音響振動板。
本発明によれば、音場表現を豊かにでき、優れた低音の再生特性を得ることができる。
本発明の第1の実施の形態に係るスピーカを示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るスピーカユニットの断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る定在波抑制部材のパターン例を示す概略図である。 図4(a)〜図4(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る定在波抑制部材の固定例を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る指向感度特性の測定方法を表す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る指向性パターンの測定結果を表すグラフである。 本発明の第2の実施の形態に係るスピーカを示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係る定在波抑制部材のパターン例を示す概略図である。 本発明の第3の実施の形態に係るスピーカを示す斜視図である。 本発明の第3の実施の形態に係る定在波抑制部材のパターン例を示す概略図である。 本発明の第3の実施の形態に係る指向感度特性の測定方法を表す説明図である。 本発明の第3の実施の形態に係る指向性パターンの測定結果を表すグラフである。 本発明の第4の実施の形態に係るスピーカを示す斜視図である。 本発明の第4の実施の形態に係る定在波抑制部材のパターン例を示す概略図である。 本発明の第4の実施の形態に係る指向性パターンの測定結果を表すグラフである。 本発明の第5の実施の形態に係るスピーカを示す斜視図である。 本発明の第5の実施の形態に係るスピーカユニットを示す斜視図である。 本発明の第5の実施の形態に係る指向性パターンの測定結果を表すグラフである。 本発明の第5の実施の形態に係る指向性パターンの測定結果を表すグラフである。 本発明の第6の実施の形態に係るスピーカを示す斜視図である。 本発明の第6の実施の形態に係るキャビネットを示す斜視図である。 本発明の第7の実施の形態に係るスピーカを示す斜視図である。 図23(a)は、本発明の第7の実施の形態に係る振動板を示す平面図、図23(b)は、本発明の第6の実施の形態に係る振動板を示す断面図である。 図24(a)〜図24(g)は、本発明の第7の実施の形態に係る定在波抑制部材の配置例を表す平面図である。 本発明のその他の実施の形態に係るスピーカを示す斜視図である。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載においては、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものではない。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の 形態に係るスピーカ100aは、図1に示すように、前面にユニット装着口2を有するキャビネット1と、ユニット装着口2に装着されたスピーカユニット3を備える。
スピーカユニット3は、例えば図2に示すように、磁気回路34と、磁気回路34上に配置されたフレーム33と、フレーム33に固定された振動板5を備える。磁気回路34は、ドーナツ状のプレート35、プレート35の下に設けられたドーナツ状のマグネット36、及びポールピース30を備える。プレート35とポールピース30との間の磁気ギャップ37には、ボイスコイル31aが遊挿されている。ダンパー32は、ボイスコイルボビン31b及びフレーム33に接着されている。
振動板5は、均一素材(等方性材料)で形成されている。「均一素材」とは、振動板内のあらゆる方向において音の伝搬速度がほぼ等しい単一材料を意味する。均一素材としては、例えば、パルプなどの紙、ポリプロピレンなどのプラスチック、アルミニウムなどの金属等が挙げられる。ウッドコーン型の振動板は、製造方法が複雑で製造コストが高くなる面があるが、振動板5は均一素材で形成されているので、振動板5自体の製造は容易且つ安価である。
振動板5は、図2に示すように、断面がコーン(円錐)形状を有しており、中心に開口部51が設けられている。開口部51には、ボイスコイル31aへの異物の侵入を防ぐためのダストキャップ38が取り付けられている。振動板5の外周部(エッジ)52には、全周に渡ってゴムエッジ等が取り付けられ、ガスケット39を介してフレーム33に固定されている。
振動板5の表面上には、振動板5に発生する定在波を抑制するための1組の定在波抑制部材7a、7bが配置されている。定在波抑制部材7a、7bの双方を定在波抑制部材7とする。図1に示すように、定在波抑制部材7a、7bは、ダストキャップ38を挟んで、キャビネット1の底面に対してほぼ垂直方向(紙面上下方向)に、振動板5の中心に関してほぼ対称となるように対向配置されている。定在波抑制部材7a、7bの厚みとしては、振動板5の総重量との関係を考慮すると、例えば10μm〜700μm程度とするのが好ましい。
定在波抑制部材7a、7bの形状は特に限定されないが、例えば、図3(a)〜図3(f)に示すような形状の板または薄膜が利用可能である。例えば、図3(a)に示すように、定在波抑制部材7a、7bの両端の幅L1、L2を変化させた定在波抑制部材7a、7bを振動板5に貼り付けることにより、音響振動板として利用した場合の伝搬速度の変化がより大きくなるため好ましい。なお、0≦L2<L1である。特に、開口部51側の端部の幅を、外周部側の端部の幅より広くした形状(例えば、図3(a)、図3(b)、図3(c))を採用するのが好ましい。
定在波抑制部材7a、7bの固定方法としては、例えば、図4(a)の断面図に示すように、振動板5の表面全体に定在波抑制部材7a、7bを密着させるように貼り付けることが好ましい。接着手段としては、例えば、両面粘着テープ、市販の接着剤、熱硬化性接着剤、熱プレスなどを用いることができる。
但し、図4(b)に示すように、接着手段の接着強度や振動板5の素材によっては、定在波抑制部材7a、7bの両端が、振動板5の表面から剥れる場合がある。図4(b)の例でも十分効果は得られるが、より効果的には、図4(c)に示すように、少なくとも、定在波抑制部材7a、7bの開口部51側の端部が振動板5の表面と密着するように、接着手段等を用いて振動板5上に固定するのが望ましい。これにより、ボイスコイル31aから伝わる振動を、定在波抑制部材7a、7bに伝えやすくすることができるため、定在波抑制部材7a、7bが延伸する方向に、聴覚上の音の広がり感が得られる。
定在波抑制部材7a、7bの素材は、振動板5を構成する素材よりも音の伝搬速度の速い素材とするのが好ましい。例えば、振動板5の素材として紙またはポリプロピレンを用いる場合は、定在波抑制部材7a、7bの素材としては、例えば、カーボン、アルミ、チタン、銅またはそれらの合金等を用いることができる。振動板5の素材としてアルミ等の金属を用いる場合は、定在波抑制部材7a、7bの素材としては、例えば、チタン、ベリリウム、マグネシウム、またはこれらの合金を用いることができる。
第1の実施の形態に係る音響振動板によれば、図1に示すように、振動板5を構成する均一素材よりも音の伝搬速度の速い素材で形成された定在波抑制部材7a、7bが、振動板5の中心を通る方向、即ち、キャビネット1の底面に対してほぼ垂直方向(紙面上下方向)に配置される。これにより、垂直方向の音速が他の方向に比べて速くなるため、振動板5として、紙等の均一素材を用いた場合においても、定在波の発生を抑制できるとともに、キャビネット1に対してほぼ垂直方向に聴覚上の音の広がりが生まれ、音場感をより向上できる。
また、第1の実施の形態に係る音響振動板によれば、オブリコーン型振動板と異なり、開口部51を振動板5の中心からずらすこともしないので、低音が減少することもない。また、板状または膜状の原料から図3(a)〜図3(f)に示す形状の定在波抑制部材7a、7bを切り出して、振動板5の表面上に接着剤等で貼り付けるだけで、図1に示す音響振動板を作成できるので、加工が簡単で安価に製造できる。
なお、図1に示すスピーカ100aの特性を調べるために、図5に示すような方法により、スピーカ100aの指向感度特性を評価した。図5に示すように、指向感度特性試験においては、図1に示すスピーカ100aを真横に倒した状態で、ターンテーブル(図示省略)上に載せた。そして、ターンテーブルの中心から半径1m離れたところにマイクロホンを置き、スピーカ100aの前面を0度として、時計回りにターンテーブルを360度回転させた。測定周波数を8kHzとして、図6に示すような指向性パターンを測定した。比較例としては、定在波抑制部材7a、7bを有しないスピーカの指向性パターンをスピーカ100aを測定した場合と同様の条件で測定した。
図6に示す結果から分かるように、定在波抑制部材7a、7bを配置したスピーカ100a(太線:定在波抑制部材あり)は、定在波抑制部材7a、7bを配置しないスピーカ(細線:定在波抑制部材なし)に比べて、各方面とも音域のレベルが3dB程度上昇していることが分かる。このように、図1に示す音響振動板及びスピーカ100aによれば、振動板5の材料として均一素材を用いた場合であっても、定在波抑制部材7a、7bを配置することにより、指向特性を変化させ、特定方向に音の広がりを持たせることができることが分かる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係るスピーカ100bは、図7に示すように、定在波抑制部材7a、7bが、キャビネット1の底面に対してほぼ水平方向(紙面左右方向)に配置されている点が、図1に示すスピーカ100aと異なる。
振動板5は、均一素材で形成されている。図7において「均一素材」とは、振動板内のあらゆる方向において音の伝搬速度がほぼ等しい単一材料を意味する。均一素材としては、例えば、パルプなどの紙、ポリプロピレンなどのプラスチック、アルミニウムなどの金属等が利用可能である。
図7に示す定在波抑制部材7a、7bの厚みとしては、振動板5の総重量との関係を考慮すると、例えば10μm〜700μm程度とするのが好ましい。定在波抑制部材7a、7bの形状は特に限定されないが、例えば、図8(a)〜図8(f)に示すように、一方向に細長い形状が利用可能である。例えば、図8(e)に示すように、ボイスコイル31a(図2参照)に隣接する開口部51側の定在波抑制部材7a、7bの端部の幅L11を、振動板5の外周側の端部の幅L12より細くした形状を用いるのが好ましい。これにより、ボイスコイル31aで発生する振動が、定在波抑制部材7a、7bにも伝搬され易くなり、振動板として用いた場合の伝搬速度の特性が向上する。
図8(a)〜図8(f)に示す定在波抑制部材7a、7bは、例えば、両面粘着テープ、市販の接着剤、熱硬化性接着剤、熱プレスなどの接着手段を用いて、振動板5上に貼り付けてもよい。
定在波抑制部材7a、7bの素材としては、振動板5を構成する均一素材よりも音の伝搬速度が遅い素材を用いるのが好ましい。そのため、例えば、振動板5の素材として紙を用いる場合は、定在波抑制部材7a、7bの素材としては、例えば、ポリプロピレン等のプラスチックが利用される。振動板5の素材としてアルミ等の金属を用いる場合は、定在波抑制部材7a、7bの素材としては、紙、ポリプロピレン等のプラスチックが用いられる。
第2の実施の形態に係る音響振動板によれば、図7に示すように、振動板5を形成する均一素材よりも音の伝搬速度の遅い素材で形成された定在波抑制部材7a、7bが、振動板5の中心を通る方向(キャビネット1の底面に対してほぼ水平方向)に配置される。これにより、ほぼ水平方向(紙面左右方向)の音速が垂直方向に比べて遅くなるため、定在波の発生を抑制できる。また、水平方向の音速が遅くなることにより、逆に垂直方向への聴感上の音の広がりが得られるため、音場感をより高めた音響振動板及びスピーカ100bが得られる。
また、第2の実施の形態に係る音響振動板によれば、オブリコーン型振動板と異なり、開口部51を振動板5の中心からずらすこともしないので、低音が減少することもない。また、薄膜または板状の原料から、図8(a)〜図8(f)に示すような形状の定在波抑制部材7a、7bを切り出して振動板5の表面に接着剤等で貼り付けるだけで、図7に示す音響振動板が作製できるので、加工が簡単で安価に製造できる。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に係るスピーカ100cは、図9に示すように、前面にユニット装着口2及びツィーター装着口6を有するキャビネット1と、ユニット装着口2に装着されたスピーカユニット3と、ツィーター装着口6に装着されたツィーター8を備える。ツィーター8は必須ではない。
図9の振動板5は木製であり、繊維方向が、キャビネット1の底面に対してほぼ垂直方向(紙面上下方向)となるようにユニット装着口2に装着されている。振動板5に用いられる木としては、例えば、導管密度が均一で小さい、導管が短い、木繊維質が長い、夏目の成長が遅い等の条件に加えて、成形加工のし易さや音響特性等の各条件を満たす天然木が好ましい。例えば、マカバ、ダケカンバ等のカバ系材、ホウノキ材、イタヤカエデ等のカエデ系材や、ハードメープル等のメープル系材、チェリーなどを好適に用いることができる。
振動板5の表面には、振動板5の中心を通る方向、即ち、ダストキャップ38を挟んでキャビネット1の底面に対してほぼ水平方向(紙面左右方向)にそれぞれ配置された1組の伝搬速度調整部材73a、73bが配置されている。伝搬速度調整部材73a、73bの双方を伝搬速度調整部材73とする。上記のように振動板5を木製とした場合、振動板5には定在波が発生しない。定在波抑制部材7と伝搬速度調整部材73とはほぼ同様の形状であるが、伝搬速度調整部材73は振動板5の面内で音を伝搬させる伝搬速度を調整する部材として作用するので、伝搬速度調整部材と称することとする。伝搬速度調整部材73a、73bの厚みとしては、振動板5の総重量との関係を考慮すると、例えば10μm〜700μm程度とするのが好ましい。
伝搬速度調整部材73a、73bの素材としては、振動板5よりも音の伝搬速度の速い素材を用いるのが好ましい。例えば、伝搬速度調整部材73a、73bとして天然木を用いる場合は、例えば図9に示すように、振動板5の繊維方向とは異なる繊維方向(例えば、紙面左右方向)を持った木製シートを振動板5の表面に貼り付けることができる。
振動板5及び伝搬速度調整部材73a、73bの素材として用いられる木製シートは、一般的に、一定の繊維方向を有する。木製シートの繊維方向の伝搬速度は高い値を示すが、繊維方向と直角な方向は伝搬速度が大幅に低下する。そのため、木製シートを利用して大口径のウッドコーンスピーカを製造すると、水平方向の音の伝搬速度の遅さが再生音に影響し、音が前方に出にくく、音場表現に欠けるといった不都合を生じ得る。
これに対し、図9に示すように、キャビネット1の底面に対してほぼ水平方向に伝搬速度調整部材73a、73bを配置することにより、水平方向の音速も速くすることができるため、大口径のウッドコーンスピーカを製造した場合においても、非繊維方向の伝搬速度の遅れによる再生音の劣化を抑制でき、音場表現が豊かで、指向特性の良い音響振動板及びスピーカ100cを提供することができる。
なお、第3の実施の形態においては、伝搬速度調整部材73a、73bとして、紙、アルミ等の均一素材を代用しても構わない。また、天然木の他にも、繊維方向を有する他の異方性材料、例えば、カーボン、アラミドなどの繊維状の素材を用いても構わない。
また、伝搬速度調整部材73a、73bの形状は特に限定されないが、例えば、図10(a)〜図10(f)に示すように、一方向に細長い形状の板または薄膜が採用できる。例えば、図10(a)に示すように、伝搬速度調整部材73a、73bの両端の幅L1、L2を変化させたり、図10(b)、図10(c)、図10(e)、図10(f)に示すように、伝搬速度調整部材73a、73bの幅を伝搬速度調整部材73a、73bの長手方向で変化させたりすることによって、振動板5に接着した場合に、特定の方向の音速を変化させることができる。なお、0≦L2<L1である。また、ボイスコイル31aで発生する振動をより伝え易くするために、ボイスコイル31aに隣接する開口部51側の端部の幅を、他端の幅l2より広くした、図10(a)、図10(b)、図10(c)のような形状を採用してもよい。
第3の実施の形態に係る音響振動板によれば、図9に示すように、振動板5を構成する素材よりも、伝搬速度の速い素材で形成された伝搬速度調整部材73a、73bが、キャビネット1の対面に対してほぼ水平方向(紙面左右方向)に配置される。これにより、振動板5の水平方向の音速が速くなるため、振動板5として異方性材料である天然木(木製シート)を用いた場合においても、水平方向の音速の遅れを緩和でき、音場表現をより向上させることができる。
また、振動板5として天然木を用いた場合、振動板の外径を大きくすればするほど、繊維方向に沿って、割れ等の不具合が生じやすくなる。図9に示す音響振動板及びスピーカ100cによれば、機械的強度の弱い方向に伝搬速度調整部材73a、73bを形成することにより、補強材としての役割も果たすため、振動板5の割れ等を抑制でき、特に大口径の振動板を製造する場合の製造歩留まりを向上させることができる。
また、第3の実施の形態に係る音響振動板によれば、オブリコーン型振動板と異なり、開口部51を振動板5の中心からずらすこともしないので、低音も減少しない。更に、板状または膜状の素材から、図10(a)〜図10(f)に示す形状の伝搬速度調整部材73a、73bを切り出して、振動板5の表面上に接着剤等で貼り付けるだけで、図9に示す音響振動板が作成できるので、加工が簡単で安価に製造できる。
ここで、図9に示すスピーカ100cの特性を調べるため、図11に示すように、スピーカ100cの指向感度特性を評価した。図11では、図9に示すスピーカ100cをそのままターンテーブル(図示省略)上に載せ、ターンテーブルの中心から半径1m離れたところにマイクロホンを置いて、スピーカ100cの前面を0度とし、時計回りにターンテーブルを360度回転させて指向性パターンを測定した。測定周波数は、8kHzとした。得られた指向性パターンを図12に示す。
図12に示す結果から分かるように、伝搬速度調整部材73a、73bを配置することにより(太線:定在波抑制部材あり)、配置しない場合(細線:定在波抑制部材なし)に比べて、特に、30度〜120度方向の音域のレベルが5dB程度向上していることが分かる。このように、図9に示す音響振動板及びスピーカ100aによれば、振動板5の材料として天然木を用いた場合においても、音を前面に出すことができ、音場表現をより向上させることができる。
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態に係るスピーカ100dは、図13に示すように、前面にユニット装着口2及びツィーター装着口6を有するキャビネット1と、ユニット装着口2に装着されたスピーカユニット3と、ツィーター装着口6に装着されたツィーター8を備える。ツィーター8は必須ではない。
振動板5は、均一素材で形成されている。図13において「均一素材」とは、振動板内のあらゆる方向において音の伝搬速度がほぼ等しい単一材料を意味する。均一素材としては、例えば、パルプなどの紙、ポリプロピレンなどのプラスチック、アルミニウムなどの金属等が利用される。
図13の定在波抑制部材7a、7bの素材としては、異方性を有し、振動板5よりも音の伝搬速度の速い素材が用いられる。例えば、図13の定在波抑制部材7a、7bは木製シートであり、繊維方向が、キャビネット1の底面に対してほぼ垂直方向(紙面上下方向)となるように、ダストキャップ38を挟んで振動板5の上下に貼り付けられている。定在波抑制部材7a、7bに用いられる素材としては、例えば、導管密度が均一で小さい、導管が短い、木繊維質が長い、夏目の成長が遅い等の条件に加えて、成形加工のし易さや音響特性等の各条件を満たす素材が好ましい。例えば、マカバ、ダケカンバ等のカバ系材、ホウノキ材、イタヤカエデ等のカエデ系材や、ハードメープル等のメープル系材、チェリー等を好適に用いることができる。また、天然木の他にも、水平方向と垂直方向とでそれぞれ異なる伝搬速度を持った他の異方性材料を定在波抑制部材7a、7bの素材として用いても構わない。
定在波抑制部材7a、7bの厚みとしては、振動板5の総重量との関係を考慮すると、10μm〜700μm程度とするのが好ましい。定在波抑制部材7a、7bの形状は特に限定されないが、例えば、図14(a)〜図14(f)に示すような形状の板または薄膜が利用可能である。例えば、図14(a)、図14(b)、図14(c)、図14(e)、図14(f)に示すように、両端の幅を変化させた定在波抑制部材7a、7bを振動板5に貼り付けることにより、ボイスコイル31aで発生する振動が、定在波抑制部材7a、7bに伝搬され易くなる。特に、ボイスコイル31aで発生する振動を伝え易くするために、ボイスコイル31aに隣接する開口部51側の端部の幅を、他端の幅より広くした、図14(a)、図14(b)、図14(c)のような形状が特に好ましい。
第4の実施の形態に係る音響振動板によれば、図13に示すように、振動板5を構成する素材よりも伝搬速度の速い異方性素材で形成された定在波抑制部材7a、7bが、キャビネット1の底面に対してほぼ垂直方向(紙面上下方向)に配置される。これにより、垂直方向の音速が他の方向に比べて速くなるため、垂直方向の指向特性が広がり、垂直方向の音の広がり感が得られる。
また、第4の実施の形態に係る音響振動板によれば、オブリコーン型振動板と異なり、開口部51を振動板5の中心からずらすこともしないので、低音も減少しない。更に、板状または膜状の素材から、図14(a)〜図14(f)に示す形状の定在波抑制部材7a、7bを切り出して、振動板5の表面上に接着剤等で貼り付けるだけで、図13に示す音響振動板が作成できるので、加工が簡単で安価に製造できる。
ここで、図13に示すスピーカ100dの特性を調べるため、図5に示す例と同様にして、スピーカ100dの指向感度特性を評価した。比較例として、定在波抑制部材7a、7bを全く備えないスピーカの指向感度特性を評価した。
図15に示す結果から分かるように、定在波抑制部材7a、7bを配置することにより(太線:定在波抑制部材あり)、全く配置しないスピーカ(細線:定在波抑制部材なし)に比べて、特に、0度〜120度方向の音域レベルが大きく向上していることが分かる。
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態に係るスピーカ100eは、図16に示すように、キャビネット1と、キャビネット1の前面に装着されたスピーカユニット3及びツィーター8を備えており、振動板5の表面に配置された表面定在波抑制部材7a、7bと、図17に示すように、振動板5の裏面に配置された裏面定在波抑制部材17a、17bを更に備えている点が、第1〜第4の実施の形態に係る音響振動板及びスピーカ100a〜100dと異なる。ツィーター8は必須ではない。
裏面定在波抑制部材17aは、振動板5を介して表面定在波抑制部材7aと対向する位置に配置されている。図17からは見えない裏面定在波抑制部材17bは、振動板5を介して表面定在波抑制部材7aと対向する位置に配置されている。
表面定在波抑制部材7a、7b及び裏面定在波抑制部材17a、17bの素材としては、振動板5よりも伝搬速度の速いものが用いられる。例えば、振動板5の素材として紙またはポリプロピレンを用いる場合は、表面定在波抑制部材7a、7b及び裏面定在波抑制部材17a、17bの素材としては、例えば、カーボン、アルミ、チタン、銅またはそれらの合金等を用いることができる。振動板5の素材としてアルミ等の金属を用いる場合は、表面定在波抑制部材7a、7b及び裏面定在波抑制部材17a、17bの素材としては、例えば、チタン、ベリリウム、マグネシウム、またはこれらの合金を用いることができる。
振動板5の素材として、天然木(木製シート)を用いる場合は、表面定在波抑制部材7a、7b及び裏面定在波抑制部材17a、17bは、第3の実施の形態で説明したように伝搬速度調整部材となる。伝搬速度調整部材としては、カーボン、アルミ、チタン、銅またはそれらの合金や、振動板5より伝搬速度が速い他の天然木や異方性材料を用いることができる。他は、第1〜第4の実施の形態に係る音響振動板及びスピーカ100a〜100dと実質的に同様である。
図16及び図17に示す音響振動板及びスピーカ100eによれば、振動板5の表面及び裏面に表面定在波抑制部材7a、7b及び裏面定在波抑制部材17a、17bが配置される。これにより、キャビネット1の底面に対してほぼ垂直方向の音速が他の方向に比べて速くなるため、振動板5として紙等の均一素材を用いた場合においても、定在波の発生を抑制でき、音もより前面に出てくるようになる。
また、振動板5として天然木を用いた場合においては、表面伝搬速度調整部材及び裏面伝搬速度調整部材を形成することにより、音場表現が豊かで、指向特性の良い音響振動板及びスピーカ100eを提供することができる。振動板5の機械的強度が高まるため、特に大口径の振動板を製造する場合の製造歩留まりを向上させることもできる。
更に、第5の実施の形態に係る音響振動板によれば、オブリコーン型振動板と異なり、開口部51を振動板5の中心からずらすこともしないので、低音も減少しない。更に、板状または膜状の原料から、所望の形状の表面定在波抑制部材7a、7b及び裏面定在波抑制部材17a、17bを切り出して、振動板5の表面及び裏面に接着剤等で貼り付けるだけで、図16及び図17に示す音響振動板が作成できるので、加工が簡単で安価に製造できる。
ここで、図16に示すスピーカ100eの特性を調べるため、図11に示す例と同様にして、スピーカ100eの指向感度特性を評価した。第1の比較例として、表面定在波抑制部材7a、7b及び裏面定在波抑制部材17a、17bを全く備えないスピーカの指向感度特性を評価した(図18参照。)。第2の比較例として、表面定在波抑制部材7a、7bのみを備えるスピーカの指向感度特性も評価した(図19参照。)。
図18に示す結果から分かるように、表面定在波抑制部材7a、7b及び裏面定在波抑制部材17a、17bを配置することにより(太線:定在波抑制部材あり)、全く配置しないスピーカ(細線:定在波抑制部材なし)に比べて、特に、60度〜120度方向および240度〜360度方向の音域レベルが大きく向上していることが分かる。
また、図19に示す結果から分かるように、振動板5の両面に表面定在波抑制部材7a、7b及び裏面定在波抑制部材17a、17bを配置した場合(太線:裏面定在波抑制部材あり)は、表面のみに配置した場合(細線:裏面定在波抑制部材なし)に比べて90〜150度方向、240〜360度方向の音域レベルが向上していることが分かる。
(第6の実施の形態)
本発明の第6の実施の形態に係るスピーカ100fは、図20に示すように、中央部に設けられたアンプ40を収納するアンプ収納部4およびアンプ40の周辺に設けられたユニット装着口2a、2bを有するキャビネット1と、ユニット装着口2a、2bにそれぞれ装着されたスピーカユニット3a、3bを備える。
キャビネット1は木製であり、図21に示すように、スピーカユニット3a、3bとアンプ40を同時に収納できる一体型となっている。スピーカユニット3a、3b間の距離は、例えば、15〜60cm程度である。
スピーカユニット3aは、振動板5aと、ダストキャップ38aを挟んでキャビネット1の底面に対してほぼ水平方向(紙面左右方向)に配置された1対の第1の定在波抑制部材70a、70bと、ダストキャップ38aを挟んで紙面左上方向及び紙面右下方向に配置された1対の第2の定在波抑制部材70c、70dとを備える。
スピーカユニット3bは、振動板5bと、ダストキャップ38bを挟んでキャビネット1の底面に対してほぼ水平方向(紙面左右方向)に配置された1対の第1の定在波抑制部材72a、72bと、ダストキャップ38bを挟んで紙面右上方向及び紙面左下方向に配置された1対の第2の定在波抑制部材72c、72dとを備える。
なお、図20において、第2の定在波抑制部材70c、70dと第2の定在波抑制部材72c、72dは、キャビネットの中心を通り、キャビネットの底面に垂直な面を基準とした場合に、それぞれ互いに逆向きに傾くように、位置を調整してある。これにより、紙面左側にあるスピーカユニット3aから再生される音は、左斜め方向に音速が速くなる。一方、紙面右側にあるスピーカユニット3bから再生される音は、右斜め方向に音速が速くなる。
振動板5a、5bは、第1〜第4の実施の形態において説明したものと同様の均一素材または天然木で形成されている。振動板5a、5bが天然木で形成されている場合には、定在波抑制部材70a、70b、70c、70d、72a、72b、72c、72dは、第3の実施の形態で説明したように伝搬速度調整部材となる。定在波抑制部材70a、70b、70c、70d、72a、72b、72c、72dとしては、振動板5a、5bよりも伝搬速度の速い素材が用いられる。例えば、振動板5a、5bとして紙またはポリプロピレンを用いる場合は、定在波抑制部材70a、70b、70c、70d、72a、72b、72c、72dの素材としては、例えば、カーボン、アルミ、チタン、銅またはそれらの合金等を用いることができる。振動板5a、5bの素材としてアルミ等の金属を用いる場合は、定在波抑制部材70a、70b、70c、70d、72a、72b、72c、72dの素材としては、例えば、チタン、ベリリウム、マグネシウム、またはこれらの合金を用いることができる。振動板5a、5bに用いられる天然木の繊維方向が紙面上下方向である場合には、紙面左右方向に繊維方向を持つ天然木または異方性材料を用いることができる。
定在波抑制部材70a、70b、70c、70d、72a、72b、72c、72dの厚みとしては、振動板5a、5bの総重量との関係を考慮すると、10μm〜700μm程度とするのが好ましい。他は、第1〜第4の実施の形態において説明した音響振動板及びスピーカ100a〜100eと実質的に同様である。
第6の実施の形態に係る音響振動板及びスピーカ100fによれば、定在波抑制部材70a、70b、70c、70d、72a、72b、72c、72d(または伝搬速度調整部材)を備えることにより、音の伝搬速度が、振動板5a、5bの面内でそれぞれ変わる。これにより、紙等の均一素材を用いた場合においても、定在波の発生を抑制でき、音場表現を向上させ、音もより前面に出てくるようになり、聴感上、立体感のある音が再生できるようになる。
特に、図20に示すようなスピーカ100fは、スピーカユニット3aとスピーカユニット3bとの距離が比較的近い一体型で構成されているため、ステレオ感が出ず、真ん中に音が集中し、スケール感、音場感が不足していた。しかしながら、紙面左側の振動板5aに対しては、左右方向と左斜め方向の音速が速くなるように定在波抑制部材70a、70b、70c、70d(または伝搬速度調整部材)を配置し、紙面右側の振動板5bに対しては、左右方向と右斜め方向の音速が速くなるように定在波抑制部材72a、72b、72c、72d(または伝搬速度調整部材)を配置する。これにより、スピーカユニット3a、3b間の距離の短い一体型のスピーカ100fであっても、従来の装置に比べて、より立体感のある音が再生できるようになる。
(第7の実施の形態)
本発明の第7の実施の形態に係るスピーカユニット9は、図22に示すように、磁気回路91と、磁気回路91を収納する収納部92と、磁気回路91上に配置されたドーム形状を有する振動板50と、振動板50の表面上に配置された帯状の定在波抑制部材27と、振動板50を固定するフレーム93とを備える。
振動板50としては、第1〜第6の実施の形態において示した均一素材や木製シートの他、シルク、綿、麻、化学繊維、フィルム等を用いることができる。振動板50の外周部54には所定の形状の布エッジが全周に渡って形成されている。定在波抑制部材27は、図23(a)及び図23(b)に示すように、接着手段により、振動板50のドーム部分に一直線に接着されている。定在波抑制部材27の厚みとしては、振動板50の総重量を考慮すると、10μm〜700μm程度とするのが好ましい。なお、振動板50のドーム部分の曲率が比較的大きいため、定在波抑制部材27の素材及び接着手段の接着強度によっては剥離が生じる可能性がある。そのため、定在波抑制部材27の帯の幅としては、1mm程度とするのが好ましい。
定在波抑制部材27の素材は、用途に応じて選択することができる。例えば、定在波抑制部材27として、振動板50より伝搬速度の速い素材を用いることにより、図23(a)の紙面上下方向の音速が早くなるため、紙面上下方向の指向特性が広がり、上下方向の聴覚上の音の広がりが得られる。逆に、定在波抑制部材27として、振動板50より伝搬速度の遅い素材を用いることにより、図23(a)の紙面上下方向の音速が遅くなるため、上下方向の指向特性が狭まり、紙面左右方向の聴覚上の音の広がりが得られる。また、定在波抑制部材27として、天然木等の異方性材料を用いれば、図23(a)に示す場合とは別の音の広がりが感じられる。定在波抑制部材27の配置パターンとしては、図24(a)や図24(B)に示す例に限られず、例えば、図24(c)に示すように、十字形状としても構わないし、図24(d)〜図24(g)に示すように、V字形状としても構わない。
(その他の実施の形態)
本発明は上記の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
図25に示すように、第1〜第6の実施の形態においては、ダストキャップ38上に、定在波抑制部材7a、7bと同一方向に貼り付けられた補助部材77が配置されていてもよい。補助部材77を配置することにより、ダストキャップより伝搬速度の速い素材であれば、紙面上下方向の指向特性が広まるため、紙面上下方向の聴覚上の音の広がりが得られる。
第1〜第6の実施の形態においては、ダストキャップ38を挟んで互いに対向する2枚の定在波抑制部材7a、7b(または伝搬速度調整部材73a、73b)を配置する例を示したが、開口部51から外周部へ延びる1枚の定在波抑制部材(または伝搬速度調整部材)を配置してもよい。但し、振動板5としての重量バランスが損なわれるため、断面においてダストキャップ38を挟んでそれぞれ対称となるように1対の定在波抑制部材7a、7b(伝搬速度調整部材73a、73b)を1方向に配置するのが望ましい。
第1〜第6の実施の形態においては、全帯域型のスピーカ及びツィーターを搭載したスピーカを例示するが、ツィーターの他にも、ミッドレンジ、ウーファ等を搭載して2〜5ウェイ構造のスピーカを構築してもよい。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論であり、その要旨を逸脱しない範囲で種々の改変を施すことができる。
1…キャビネット
2、2a…ユニット装着口
3、3a、3b…スピーカユニット
4…アンプ収納部
5、5a、5b…振動板
6…ツィーター装着口
7a、7b、17a…定在波抑制部材
8…ツィーター
9…スピーカユニット
30…ポールピース
31a…ボイスコイル
31b…ボイスコイルボビン
32…ダンパー
33…フレーム
34…磁気回路
35…プレート
36…マグネット
37…磁気ギャップ
38…ダストキャップ
39…ガスケット
40…アンプ
50…振動板
51…開口部
52…外周部
54…外周部
73a、73b…伝搬速度調整部材
77…補助部材
91…磁気回路
92…収納部
93…フレーム
100a〜100f…スピーカ

Claims (3)

  1. 木製振動板と、
    前記木製振動板の面上における、前記木製振動板の中心を通る方向に沿った所定領域に配置され、前記木製振動板の面内で音が伝搬する伝搬速度を調整する伝搬速度調整部材と、
    を備え、
    前記伝搬速度調整部材は、前記木製振動板の繊維方向を横切る方向を前記方向として、前記木製振動板の面上に配置されていることを特徴とする音響振動板。
  2. 前記伝搬速度調整部材は、前記方向に繊維方向を有する異方性素材で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の音響振動板。
  3. 前記伝搬速度調整部材は、木製シートであることを特徴とする請求項2に記載の音響振動板。
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