JP2011120196A - 基地局、端末装置、通信制御方法及び無線通信システム - Google Patents

基地局、端末装置、通信制御方法及び無線通信システム Download PDF

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Abstract

【課題】キャリアアグリゲーションを伴う無線通信におけるメジャメントギャップの増加によるスループットの低下又はハンドオーバ等の処理の遅延を抑制すること。
【解決手段】複数のコンポーネントキャリアを統合することにより形成される通信チャネル上で端末装置との間の無線通信を行う無線通信部と、前記無線通信部により前記端末装置から受信される受信信号に基づいて、当該端末装置の他の基地局へのハンドオーバの緊急度を判定する判定部と、前記判定部により判定された前記緊急度に応じて、前記端末装置のためのメジャメントギャップの割り当てをコンポーネントキャリアごとに制御する制御部と、を備える基地局を提供する。
【選択図】図7

Description

本発明は、基地局、端末装置、通信制御方法及び無線通信システムに関する。
3GPP(Third Generation Partnership Project)において討議されている次世代セルラー通信規格であるLTE−A(Long Term Evolution−Advanced)では、キャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)と呼ばれる技術を導入することが検討されている。キャリアアグリゲーションとは、端末装置(UE:User Equipment)と基地局(BS:Base Station、又はeNB:evolved Node B)との間の通信チャネルを、例えばLTEにおいてサポートされる周波数帯を複数統合することにより形成し、通信のスループットを向上させる技術である。キャリアアグリゲーションにより形成される1つの通信チャネルに含まれる個々の周波数帯を、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)という。LTEにおいて使用可能な周波数帯の帯域幅は1.4MHz、3.0MHz、5.0MHz、10MHz、15MHz又は20MHzである。従って、例えば、20MHzの周波数帯をコンポーネントキャリアとして5つアグリゲーションすると、合計で100MHzの通信チャネルを形成することができる。
キャリアアグリゲーションにおいて1つの通信チャネルに含まれるコンポーネントキャリアは、必ずしも周波数方向に互いに隣接していなくてよい。コンポーネントキャリアを周波数方向に隣接して配置するモードを、隣接(Contiguous)モードという。また、コンポーネントキャリアを隣接させることなく配置するモードを、非隣接(Non-contiguous)モードという。
また、キャリアアグリゲーションにおいてアップリンクにおけるコンポーネントキャリア数とダウンリンクにおけるコンポーネントキャリア数とは、必ずしも等しくなくてよい。アップリンクにおけるコンポーネントキャリア数とダウンリンクにおけるコンポーネントキャリア数とが等しいモードを、シンメトリックモードという。また、アップリンクにおけるコンポーネントキャリア数とダウンリンクにおけるコンポーネントキャリア数とが等しくないモードを、アシンメトリックモードという。例えば、アップリンクにおいて2つのコンポーネントキャリア、ダウンリンクにおいて3つのコンポーネントキャリアを使用する場合には、アシンメトリックなキャリアアグリゲーションであるということができる。
さらに、LTEでは、複信方式としてFDD(Frequency Division Duplex:周波数分割複信)及びTDD(Time Division Duplex:時分割複信)のいずれかを用いることができる。このうち、FDDの場合には各コンポーネントキャリアのリンクの向き(アップリンク又はダウンリンク)が時間的に変化しないため、TDDと比べてFDDの方がキャリアアグリゲーションには適している。
一方、セルラー通信規格において端末装置の移動性(mobility)を実現するための基本的な技術であるハンドオーバは、LTE−Aにおける重要なテーマの1つでもある。LTEでは、端末装置は、サービング基地局(接続中の基地局)との間の通信品質、及び周辺の基地局との間の通信品質をそれぞれ測定し、その測定結果(measurements)を含むメジャメントレポート(measurement report)をサービング基地局へ送信する。次に、メジャメントレポートを受信したサービング基地局は、レポートに含まれる測定結果に基づいてハンドオーバを実行すべきか否かを決定する。そして、ハンドオーバを実行すべきであると決定されると、ソース基地局(ハンドオーバ前のサービング基地局)、端末装置、及びターゲット基地局(ハンドオーバ後のサービング基地局)の間で、所定の手続に従ってハンドオーバが行われる(例えば、下記特許文献1参照)。
特開2009−232293号公報
しかしながら、キャリアアグリゲーションを伴う無線通信においてハンドオーバの手続をどのように進めるべきかについて具体的に検討した事例は未だ報告されていない。
例えば、一般的に、基地局との間の通信品質を測定するためには、端末装置により、当該基地局からのダウンリンクチャネルに同期することが求められる。このとき、同期すべき周波数帯は、必ずしもその時点で通信に使用している周波数帯と同じではない。そのため、端末装置において、無線通信部の運用周波数帯を物理層で変更する必要性が生じ得る。この運用周波数帯の変更のために、基地局は、メジャメントギャップ(measurement gap)と呼ばれる期間を端末装置に割り当てる。そして、基地局がメジャメントギャップの期間に当該端末装置にデータを送信しないことで、端末装置においてデータをロスすることなく運用周波数帯を変更してメジャメントを行うことができる。しかし、キャリアアグリゲーションを伴う場合には、1つの通信チャネルを構成するコンポーネントキャリアの数が複数となる。その場合、各コンポーネントキャリアについて従来と同様にメジャメントギャップを割り当てるとすると、メジャメントギャップの増加がスループットの低下やハンドオーバの遅延をもたらす可能性が高まる。
また、このようなメジャメントギャップの割り当てに関する課題は、キャリアアグリゲーションを伴う無線通信において、ハンドオーバではなく、1つの基地局のセル内でのコンポーネントキャリアの変更又は追加の際にも生じ得る。例えば、端末装置と基地局との間でキャリアアグリゲーションを伴う無線通信を行っている状態において、スループットをさらに向上させたいという要求があるものとする。その際、その時点で使用されていない周波数帯の通信品質を測定(即ちメジャメント)した上で、使用中のコンポーネントキャリアの運用周波数帯を良好な品質を得られる周波数帯に変更し、又は良好な品質を得られる周波数帯を運用周波数帯とするコンポーネントキャリアを新たに追加することで、スループットが向上される。この場合にも、使用中のコンポーネントキャリアにメジャメントギャップを割り当てる必要性が生じるが、メジャメントギャップの割り当てにより一時的なスループットの低下又は処理の遅延がもたらされる可能性がある。
そこで、本発明は、キャリアアグリゲーションを伴う無線通信におけるメジャメントギャップの増加によるスループットの低下又はハンドオーバ等の処理の遅延を抑制することのできる、新規かつ改良された基地局、端末装置、通信制御方法及び無線通信システムを提供しようとするものである。
本発明のある実施形態によれば、複数のコンポーネントキャリアを統合することにより形成される通信チャネル上で端末装置との間の無線通信を行う無線通信部と、上記無線通信部により上記端末装置から受信される受信信号に基づいて、当該端末装置の他の基地局へのハンドオーバの緊急度を判定する判定部と、上記判定部により判定された上記緊急度に応じて、上記端末装置のためのメジャメントギャップの割り当てをコンポーネントキャリアごとに制御する制御部と、を備える基地局が提供される。
また、上記判定部は、上記受信信号に基づいて検知される上記端末装置の移動速度が速いほど上記緊急度が高いと判定してもよい。
また、上記判定部は、上記受信信号に基づいて取得される上記通信チャネルのチャネル品質が低いほど上記緊急度が高いと判定してもよい。
また、上記制御部は、上記緊急度が高いほど多くのコンポーネントキャリアにメジャメントギャップを割り当ててもよい。
また、上記判定部は、上記無線通信部により上記端末装置から受信される受信信号に基づいて、コンポーネントキャリアごとのチャネル品質を取得する品質取得部、を含み、上記制御部は、チャネル品質の低いコンポーネントキャリアに優先的にメジャメントギャップを割り当ててもよい。
また、上記判定部は、上記無線通信部により上記端末装置から受信される受信信号に基づいて、コンポーネントキャリアごとのチャネル品質を取得する品質取得部、を含み、上記制御部は、2つ以上のコンポーネントキャリアにメジャメントギャップを割り当てる場合に、第1のコンポーネントキャリアに割り当てるメジャメントギャップの周期を、上記第1のコンポーネントキャリアよりもチャネル品質の低い第2のコンポーネントキャリアに割り当てるメジャメントギャップの周期よりも長くしてもよい。
また、上記制御部は、2つ以上のコンポーネントキャリアにメジャメントギャップを割り当てる場合に、1つのメジャメントギャップのタイミングが他のメジャメントギャップのタイミングと同時とならないように上記2つ以上のコンポーネントキャリアへのメジャメントギャップの割り当てを決定してもよい。
また、上記制御部は、2つ以上のコンポーネントキャリアが周波数方向で隣接している場合には、当該2つ以上のコンポーネントキャリアのうちのいずれか1つのコンポーネントキャリアについてのみメジャメントギャップを割り当ててもよい。
また、上記制御部は、2つ以上のコンポーネントキャリアの周波数方向での距離が所定の閾値よりも近い場合には、当該2つ以上のコンポーネントキャリアのうちのいずれか1つのコンポーネントキャリアについてのみメジャメントギャップを割り当ててもよい。
また、上記制御部は、メジャメントギャップを割り当てるコンポーネントキャリアの数が上記無線通信部を介して上記端末装置から通知されるメジャメントのために使用可能なコンポーネントキャリアの数を超えないように、メジャメントギャップの割り当てを制御してもよい。
また、本発明の別の実施形態によれば、複数のコンポーネントキャリアを統合することにより形成される通信チャネル上で基地局との間の無線通信を行う無線通信部と、自装置における第1の基地局から第2の基地局へのハンドオーバの緊急度に応じてコンポーネントキャリアごとに割り当てられたメジャメントギャップを用いて、上記ハンドオーバのためのメジャメントを行う測定部と、を備える端末装置が提供される。
また、本発明の別の実施形態によれば、複数のコンポーネントキャリアを統合することにより形成される通信チャネル上での端末装置と基地局との間の無線通信を制御するための通信制御方法であって、上記基地局において、上記端末装置から受信される受信信号に基づいて、当該端末装置の他の基地局へのハンドオーバの緊急度を判定するステップと、上記基地局において、判定された上記緊急度に応じて、上記端末装置のためにコンポーネントキャリアごとにメジャメントギャップを割り当てるステップと、を含む通信制御方法が提供される。
また、本発明の別の実施形態によれば、複数のコンポーネントキャリアを統合することにより形成される通信チャネル上で基地局との間の無線通信を行う端末装置と、上記通信チャネル上で上記端末装置との間の無線通信を行う無線通信部、上記無線通信部により上記端末装置から受信される受信信号に基づいて、当該端末装置の他の基地局へのハンドオーバの緊急度を判定する判定部、及び、上記判定部により判定された上記緊急度に応じて、上記端末装置のためのメジャメントギャップの割り当てをコンポーネントキャリアごとに制御する制御部、を備える上記基地局と、を含む無線通信システムが提供される。
また、本発明の別の実施形態によれば、複数のコンポーネントキャリアを統合することにより形成される通信チャネル上で端末装置との間の無線通信を行う無線通信部と、上記無線通信部により上記端末装置から受信される受信信号に基づいて、コンポーネントキャリアごとのチャネル品質を取得する品質取得部と、上記品質取得部により取得された上記チャネル品質に応じて、上記端末装置のためのメジャメントギャップの割り当てをコンポーネントキャリアごとに制御する制御部と、を備える基地局が提供される。
また、上記制御部は、チャネル品質の低いコンポーネントキャリアに優先的にメジャメントギャップを割り当ててもよい。
また、上記制御部は、2つ以上のコンポーネントキャリアにメジャメントギャップを割り当てる場合に、第1のコンポーネントキャリアに割り当てるメジャメントギャップの周期を、上記第1のコンポーネントキャリアよりもチャネル品質の低い第2のコンポーネントキャリアに割り当てるメジャメントギャップの周期よりも長くしてもよい。
また、本発明の別の実施形態によれば、複数のコンポーネントキャリアを統合することにより形成される通信チャネル上で基地局との間の無線通信を行う無線通信部と、上記複数のコンポーネントキャリアのそれぞれについてチャネル品質を測定する測定部と、上記測定部により測定された上記チャネル品質に応じて第1の基地局により割り当てられるメジャメントギャップを用いて、当該第1の基地局から第2の基地局へのハンドオーバのためのメジャメントを行う制御部と、を備える端末装置が提供される。
また、本発明の別の実施形態によれば、複数のコンポーネントキャリアを統合することにより形成される通信チャネル上での端末装置と基地局との間の無線通信を制御するための通信制御方法であって、上記基地局において、上記端末装置から受信される受信信号に基づいて、コンポーネントキャリアごとのチャネル品質を取得するステップと、上記基地局において、取得された上記チャネル品質に応じて、上記端末装置のためにコンポーネントキャリアごとにメジャメントギャップを割り当てるステップと、を含む通信制御方法が提供される。
また、本発明の別の実施形態によれば、複数のコンポーネントキャリアを統合することにより形成される通信チャネル上で基地局との間の無線通信を行う端末装置と、上記通信チャネル上で上記端末装置との間の無線通信を行う無線通信部、上記無線通信部により上記端末装置から受信される受信信号に基づいて、コンポーネントキャリアごとのチャネル品質を取得する品質取得部、及び、上記品質取得部により取得された上記チャネル品質に応じて、上記端末装置のためのメジャメントギャップの割り当てをコンポーネントキャリアごとに制御する制御部、を備える上記基地局と、を含む無線通信システムが提供される。
また、本発明の別の実施形態によれば、複数のコンポーネントキャリアを統合することにより形成される通信チャネル上で端末装置との間の無線通信を行う無線通信部と、上記無線通信部により上記端末装置から受信される受信信号に基づいて、上記端末装置のためのメジャメントギャップの割り当てをコンポーネントキャリアごとに制御する制御部と、を備える基地局が提供される。
以上説明したように、本発明に係る基地局、端末装置、通信制御方法及び無線通信システムによれば、キャリアアグリゲーションを伴う無線通信におけるメジャメントギャップの増加によるスループットの低下又はハンドオーバ等の処理の遅延を抑制することができる。
一般的なハンドオーバ手続の流れを説明するためのシーケンス図である。 通信リソースの構成の一例について説明するための説明図である。 メジャメントギャップについて説明するための説明図である。 一実施形態に係る無線通信システムの概要を示す模式図である。 キャリアアグリゲーション時のメジャメントギャップに関する課題を説明するための説明図である。 一実施形態に係る端末装置の構成の一例を示すブロック図である。 一実施形態に係る無線通信部の詳細な構成の一例を示すブロック図である。 一実施形態に係る基地局の構成の一例を示すブロック図である。 一実施形態に係る判定部の詳細な構成の一例を示すブロック図である。 一実施形態に係る緊急度判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 一実施形態に係るメジャメントギャップ割り当て処理の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。 メジャメントギャップの割り当ての第1の例について説明するための説明図である。 メジャメントギャップの割り当ての第2の例について説明するための説明図である。 メジャメントギャップの割り当ての第3の例について説明するための説明図である。 一変形例に係るメジャメントギャップ割り当て処理の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。 コンポーネントキャリアの変更及び追加について説明するための説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付すことにより重複説明を省略する。
また、以下の順序にしたがって当該「発明を実施するための形態」を説明する。
1.関連技術の説明
1−1.ハンドオーバ手続
1−2.メジャメントギャップ
2.無線通信システムの概要
2−1.システムの全体像
2−2.キャリアアグリゲーションに関連する課題
3.一実施形態に係る装置の構成例
3−1.端末装置の構成例
3−2.基地局の構成例
4.一実施形態に係る処理の例
4−1.処理の流れ
4−2.メジャメントギャップの割り当ての例
4−3.変形例
4.一実施形態に係る処理の例
5.コンポーネントキャリアの変更又は追加への適用の例
6.まとめ
<1.関連技術の説明>
[1−1.ハンドオーバ手続]
まず、図1、図2A及び図2Bを参照しながら、本発明に関連する技術について説明する。図1は、一般的なハンドオーバ手続の一例として、キャリアアグリゲーションを伴わない無線通信におけるLTEに準拠したハンドオーバ手続の流れを示している。ここでは、ハンドオーバ手続に、端末装置(UE)、ソース基地局(Source eNB)、ターゲット基地局(Target eNB)及びMME(Mobility Management Entity(移動性管理エンティティ))が関与する。
ハンドオーバの前段階として、まず、端末装置は、端末装置とソース基地局との間の通信チャネルのチャネル品質をソース基地局にレポートする(ステップS2)。チャネル品質のレポートは定期的に行われてもよく、又は予め決定された基準値をチャネル品質が下回ったことを契機として行われてもよい。端末装置は、ソース基地局からのダウンリンクチャネルに含まれるリファレンス信号を受信することにより、ソース基地局との間の通信チャネルのチャネル品質を測定することができる。
次に、ソース基地局は、端末装置から受信した品質レポートに基づいてメジャメントの要否を判定し、メジャメントが必要である場合には、端末装置にメジャメントギャップを割り当てる(ステップS4)。メジャメントギャップについては、後にさらに詳しく説明する。
次に、端末装置は、割り当てられたメジャメントギャップの期間に、周辺の基地局からのダウンリンクチャネルを探索する(即ち、セルサーチを行う)(ステップS12)。なお、端末装置は、予めソース基地局から提供されるリストに従って、探索すべき周辺の基地局を知ることができる。
次に、端末装置は、ダウンリンクチャネルとの同期を獲得すると、当該ダウンリンクチャネルに含まれるリファレンス信号を用いて、メジャメントを行う(ステップS14)。この間、ソース基地局は、端末装置によるデータ伝送が発生しないように、端末装置に関連するデータ通信の割り当てを制限する。
メジャメントを終えた端末装置は、メジャメントの結果を含むメジャメントレポートをソース基地局へ送信する(ステップS22)。メジャメントレポートに含まれるメジャメントの結果は、複数回のメジャメントにわたっての測定値の平均値又は代表値などであってもよい。また、メジャメントの結果には、複数の周波数帯についてのデータが含まれてもよい。
メジャメントレポートを受信したソース基地局は、メジャメントレポートの内容に基づいて、ハンドオーバを実行すべきか否かを判定する。例えば、ソース基地局のチャネル品質よりも周辺の他の基地局のチャネル品質が予め決定された閾値以上に良好である場合には、ハンドオーバが必要であると判定され得る。その場合、ソース基地局は、当該他の基地局をターゲット基地局としてハンドオーバ手続を進めることを決定し、ハンドオーバ要求メッセージ(Handover Request)をターゲット基地局へ送信する(ステップS24)。
ハンドオーバ要求メッセージを受信したターゲット基地局は、自ら提供している通信サービスの空き状況などに応じて、端末装置を受入れることが可能か否かを判定する。そして、端末装置を受入れることが可能である場合には、ターゲット基地局は、ハンドオーバ承認メッセージ(Handover Request Confirm)をソース基地局へ送信する(ステップS26)。
ハンドオーバ承認メッセージを受信したソース基地局は、端末装置にハンドオーバ命令(Handover Command)を送信する(ステップS28)。そうすると、端末装置は、ターゲット基地局のダウンリンクチャネルとの同期を獲得する(ステップS32)。次に、端末装置は、所定の時間スロットに設けられるランダムアクセスチャネルを使用して、ターゲット基地局にランダムアクセスを行う(ステップS34)。この間、ソース基地局は、端末装置宛てに届くデータをターゲット基地局へ転送する(ステップS36)。そして、端末装置は、ランダムアクセスが成功すると、ハンドオーバ完了メッセージ(Handover Complete)をターゲット基地局へ送信する(ステップS42)。
ハンドオーバ完了メッセージを受信したターゲット基地局は、MMEに端末装置についてのルート更新を要求する(ステップS44)。MMEがユーザデータのルートを更新することにより、端末装置が新たな基地局(即ち、ターゲット基地局)を介して他の装置と通信をすることが可能となる。そして、ターゲット基地局は、端末装置に確認応答(Acknowledgement)を送信する(ステップS46)。それにより、一連のハンドオーバ手続が終了する。
[1−2.メジャメントギャップ]
図2Aは、本発明を適用可能な通信リソースの構成の一例として、LTEにおける通信リソースの構成を示している。図2Aを参照すると、LTEにおける通信リソースは、時間方向において、10msecの長さを有する個々のラジオフレームに分割される。さらに、1ラジオフレームは10個のサブフレームを含み、1つのサブフレームは2つの0.5msスロットから構成される。LTEでは、時間方向においてはこのサブフレームが、各端末装置への通信リソースの割り当ての1単位となる。かかる1単位を、リソースブロック(Resource Block)という。1つのリソースブロックは、周波数方向においては、12本のサブキャリアを含む。即ち、1つのリソースブロックは、時間−周波数領域において、1msec×12サブキャリアのサイズを有する。同じ帯域幅、同じ時間長の中では、より多くのリソースブロックがデータ通信のために割り当てられるほど、データ通信のスループットは大きくなる。
図2Bは、一般的なメジャメントギャップについて説明するための説明図である。図2Bを参照すると、時間方向で左から2番目のラジオフレームに相当する位置に、メジャメントギャップMG1が割り当てられている。また、左から4番目のラジオフレームに相当する位置に、メジャメントギャップMG2が割り当てられている。各メジャメントギャップは、通常6msecの長さを有する。そのうち、端末装置は、中央の5.166msecをメジャメントのために使用することができる(図中のMG1a参照)。メジャメントギャップの残りの部分のうちの前半部は、端末装置が運用周波数帯をメジャメントの対象の周波数帯にチューニングするために使用される(図中のMG1b参照)。また、メジャメントギャップの残りの部分のうちの後半部は、端末装置が運用周波数帯をメジャメントの対象の周波数帯から元の周波数帯に再チューニングするために使用される(図中のMG1c参照)。メジャメントギャップの周期は、通常、ラジオフレーム長の整数倍となるように設定される。なお、メジャメントの対象の周波数帯がもとの運用周波数帯と同一である場合には、メジャメントギャップは割り当てられなくてよい。その場合には、端末装置は、自身の運用周波数帯を物理層で変更することなくメジャメントを行うことができる。このようなメジャメントギャップは、図1に示したようなハンドオーバ手続の前段階において端末装置に割り当てられるほか、コンポーネントキャリアの変更又は追加の際にも端末装置に割り当てられ得る。
<2.無線通信システムの概要>
[2−1.システムの全体像]
次に、図3及び図4を用いて、本発明を適用可能な無線通信システムの概要を説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係る無線通信システム1の概要を示す模式図である。図3を参照すると、無線通信システム1は、端末装置100、基地局200a及び基地局200bを含む。このうち、基地局200aが端末装置100についてのサービング基地局であるものとする。
端末装置100は、基地局200aにより無線通信サービスが提供されるセル202aの内部に位置している。端末装置100は、複数のコンポーネントキャリアを統合することにより(即ち、キャリアアグリゲーションにより)形成される通信チャネル上で、基地局200aを介して他の端末装置(図示せず)との間でデータ通信を行うことができる。但し、端末装置100と基地局200aとの間の距離は近くないため、端末装置100にとってハンドオーバが必要となる可能性がある。さらに、端末装置100は、基地局200bにより無線通信サービスが提供されるセル202bの内部に位置している。従って、基地局200bは、端末装置100のハンドオーバのためのターゲット基地局の候補となり得る。
基地局200aは、バックホールリンク(例えばX2インタフェース)を介して、基地局200bとの間で通信することができる。基地局200aと基地局200bとの間では、例えば、図1を用いて説明したようなハンドオーバ手続における各種メッセージ、又は各セルに属す端末装置についてのスケジューリング情報などが送受信され得る。さらに、基地局200a及び基地局200bは、例えばS1インタフェースを介して上位ノードであるMMEと通信することもできる。
なお、本明細書のこれ以降の説明において、特に基地局200a及び200bを相互に区別する必要がない場合には、符号の末尾のアルファベットを省略してこれらを基地局200と総称する。その他の構成要素についても同様とする。
[2−2.キャリアアグリゲーションに関連する課題]
図3に示したようなハンドオーバの可能性のある状況下で、端末装置100がキャリアアグリゲーションを行っている場合、通信チャネルを構成する複数のコンポーネントキャリアについてメジャメントギャップをどのように割り当てるべきかが課題となる。図4は、そのようなキャリアアグリゲーション時のメジャメントギャップに関する課題を説明するための説明図である。
一般的に、キャリアアグリゲーションを行っていない場合にも、メジャメントの対象とすべきハンドオーバ後の周波数帯の候補は複数存在する。そして、キャリアアグリゲーションを伴う場合には、メジャメントの所要回数は、コンポーネントキャリア数に応じて増加する。図4の例では、周波数方向に部分的に不連続に配置された3つのコンポーネントキャリアCC1〜CC3が、端末装置とサービング基地局との間の通信チャネルを構成している。また、運用周波数帯の変更を伴うメジャメントの対象とすべきハンドオーバ後のコンポーネントキャリアの候補は、コンポーネントキャリアごとに3つである。そして、図4の例において、重複する候補についてメジャメントを1回のみ行うとしても、通信チャネル全体についてターゲット基地局における7つコンポーネントキャリアについてのメジャメントが求められる。なお、使用中のコンポーネントキャリアが3つ、コンポーネントキャリアごとのハンドオーバ後のコンポーネントキャリアの候補が3つであれば、最も単純化して計算した場合には、最大で3×3=9回のメジャメントを要する。
メジャメントの所要回数の増加は、メジャメントの際の運用周波数帯の変更(即ち、チューニング及び再チューニングを含み得る)のためのメジャメントギャップをより多く割り当てなければならないことを意味する。これは、メジャメントギャップの最中のデータ通信の停止に伴うスループットの低下及びハンドオーバの遅延を招来する。従って、キャリアアグリゲーションが行われる無線通信システム1において、次節より説明する一実施形態に係る手法により、メジャメントギャップの割り当てを効率的に行うことが有益である。
<3.一実施形態に係る装置の構成例>
以下、図5〜図8を用いて、本発明の一実施形態に係る無線通信システム1に含まれる端末装置100及び基地局200の構成の一例について説明する。
[3−1.端末装置の構成例]
図5は、本実施形態に係る端末装置100の構成の一例を示すブロック図である。図5を参照すると、端末装置100は、無線通信部110、信号処理部150、制御部160及び測定部170を備える。
(無線通信部)
無線通信部110は、キャリアアグリゲーション技術を用いて複数のコンポーネントキャリアを統合することにより形成される通信チャネル上で、基地局200との間の無線通信を行う。
図6は、無線通信部110のより詳細な構成の一例を示すブロック図である。図6を参照すると、無線通信部110は、アンテナ112、スイッチ114、LNA(Low Noise Amplifier)120、複数のダウンコンバータ122a〜122c、複数のフィルタ124a〜124c、複数のADC(Analogue to Digital Convertor)126a〜126c、復調部128、変調部130、複数のDAC(Digital to Analogue Convertor)132a〜132c、さらなる複数のフィルタ134a〜134c、複数のアップコンバータ136a〜136c、合成器138、及びPA(Power Amplifier)140を含む。
アンテナ112は、基地局200から送信される無線信号を受信すると、スイッチ114を介して受信信号をLNA120へ出力する。LNA120は、受信信号を増幅する。ダウンコンバータ122a及びフィルタ124aは、LNA120により増幅された受信信号から、第1のコンポーネントキャリア(CC1)のベースバンド信号を分離する。そして、分離された当該ベースバンド信号は、ADC126aによりデジタル信号に変換され、復調部128へ出力される。同様に、ダウンコンバータ122b及びフィルタ124bは、LNA120により増幅された受信信号から、第2のコンポーネントキャリア(CC2)のベースバンド信号を分離する。そして、分離された当該ベースバンド信号は、ADC126bによりデジタル信号に変換され、復調部128へ出力される。また、ダウンコンバータ122c及びフィルタ124cは、LNA120により増幅された受信信号から、第3のコンポーネントキャリア(CC3)のベースバンド信号を分離する。そして、分離された当該ベースバンド信号は、ADC126cによりデジタル信号に変換され、復調部128へ出力される。その後、復調部128は、各コンポーネントキャリアのベースバンド信号を復調することによりデータ信号を生成し、当該データ信号を信号処理部150へ出力する。
また、信号処理部150からデータ信号が入力されると、変調部130は、当該データ信号を変調し、コンポーネントキャリアごとのベースバンド信号を生成する。それらベースバンド信号のうち、第1のコンポーネントキャリア(CC1)のベースバンド信号は、DAC132aにより、アナログ信号に変換される。そして、フィルタ134a及びアップコンバータ136aにより、当該アナログ信号から、送信信号のうちの第1のコンポーネントキャリアに対応する周波数成分が生成される。同様に、第2のコンポーネントキャリア(CC2)のベースバンド信号は、DAC132bにより、アナログ信号に変換される。そして、フィルタ134b及びアップコンバータ136bにより、当該アナログ信号から、送信信号のうちの第2のコンポーネントキャリアに対応する周波数成分が生成される。また、第3のコンポーネントキャリア(CC3)のベースバンド信号は、DAC132cにより、アナログ信号に変換される。そして、フィルタ134c及びアップコンバータ136cにより、当該アナログ信号から、送信信号のうちの第3のコンポーネントキャリアに対応する周波数成分が生成される。その後、生成された3つのコンポーネントキャリアに対応する周波数成分が合成器138により合成され、送信信号が形成される。PA140は、かかる送信信号を増幅し、スイッチ114を介してアンテナ112へ出力する。そして、アンテナ112は、当該送信信号を無線信号として基地局200へ送信する。
なお、図6では、無線通信部110が3つのコンポーネントキャリアを扱う例について説明したが、無線通信部110が扱うコンポーネントキャリアの数は、2つであってもよく、又は4つ以上であってもよい。
また、無線通信部110は、図6の例のようにアナログ領域で各コンポーネントキャリアの信号を処理する代わりに、デジタル領域で各コンポーネントキャリアの信号を処理してもよい。後者の場合、受信時においては、1つのADCにより変換されたデジタル信号が、デジタルフィルタにより各コンポーネントキャリアの信号に分離される。また、送信時においては、各コンポーネントキャリアのデジタル信号が周波数変換され及び合成された後、1つのDACでアナログ信号に変換される。一般に、アナログ領域で各コンポーネントキャリアの信号を処理する場合には、ADC及びDACの負荷がより少ない。一方、デジタル領域で各コンポーネントキャリアの信号を処理する場合には、AD/DA変換のためのサンプリング周波数が高くなるため、ADC及びDACの負荷が増大し得る。
(信号処理部)
図5に戻り、端末装置100の構成の一例についての説明を継続する。
信号処理部150は、無線通信部110から入力される復調後のデータ信号について、デインターリーブ、復号及び誤り訂正などの信号処理を行う。そして、信号処理部150は、処理後のデータ信号を上位レイヤへ出力する。また、信号処理部150は、上位レイヤから入力されるデータ信号について、符号化及びインターリーブなどの信号処理を行う。そして、信号処理部150は、処理後のデータ信号を、無線通信部110へ出力する。
(制御部)
制御部160は、CPU(Central Processing Unit)又はDSP(Digital Signal Processor)などの処理装置を用いて、端末装置100の機能全般を制御する。例えば、制御部160は、無線通信部110が基地局200から受信するスケジューリング情報に従って、無線通信部110によるデータ通信のタイミングを制御する。また、制御部160は、測定部170にサービング基地局である基地局200からのリファレンス信号を用いてチャネル品質を測定させ、チャネル品質レポートを無線通信部110を介して基地局200へ送信する。さらに、本実施形態において、制御部160は、基地局200により端末装置100にメジャメントギャップが割り当てられると、割り当てられたメジャメントギャップの期間に測定部170にメジャメントを実行させる。
(測定部)
測定部170は、例えば、制御部160からの制御に従い、基地局200からのリファレンス信号を用いてコンポーネントキャリアごとのチャネル品質を測定する。また、測定部170は、基地局200により端末装置100にメジャメントギャップが割り当てられると、割り当てられた当該メジャメントギャップを用いて、ハンドオーバのためのメジャメントを実行する。
本実施形態において、メジャメントギャップは、後に説明するように、基地局200によりコンポーネントキャリアごとに割り当てられる。そこで、制御部160は、例えば、第1のコンポーネントキャリアに割り当てられたメジャメントギャップの期間において、無線通信部110の第1のコンポーネントキャリアのための運用周波数帯(例えば、図6に示したダウンコンバータ122a、フィルタ124a及びADC126aのブランチの運用周波数帯)をメジャメントの対象の所定の周波数帯にチューニングする。次に、測定部170は、当該周波数帯についてのメジャメントを行う。そして、制御部160は、メジャメントギャップの期間が終了する前に、無線通信部110の第1のコンポーネントキャリアのための運用周波数帯をもとの周波数帯に再チューニングする。このようなメジャメントは、第2及び第3のコンポーネントキャリアについても同様に行われる。
このようにして測定部170が実行したコンポーネントキャリアごとのメジャメントの結果は、制御部160によりメジャメントレポートのための所定のフォーマットに整形され、無線通信部110を介して基地局200へ送信される。その後、基地局200により、当該メジャメントレポートに基づいて、端末装置100についてハンドオーバを実行すべきか否かが判定される。
[3−2.基地局の構成例]
図7は、本実施形態に係る基地局200の構成の一例を示すブロック図である。図7を参照すると、基地局200は、無線通信部210、インタフェース部250、コンポーネントキャリア(CC)管理部260、判定部270及び制御部280を備える。
(無線通信部)
無線通信部210の具体的な構成は、サポートすべきコンポーネントキャリア数及び処理性能の要件等が異なるものの、図6を用いて説明した端末装置100の無線通信部110の構成と類似してよい。無線通信部210は、キャリアアグリゲーション技術を用いて複数のコンポーネントキャリアを統合することにより形成される通信チャネル上で、端末装置との間の無線通信を行う。
(インタフェース部)
インタフェース部250は、例えば、図3に例示したS1インタフェースを介して、無線通信部210及び制御部280と上位ノードとの間の通信を仲介する。また、インタフェース部250は、例えば、図3に例示したX2インタフェースを介して、無線通信部210及び制御部280と他の基地局との間の通信を仲介する。
(CC管理部)
CC管理部260は、基地局200のセルに属している端末装置ごとに、各端末装置がどのコンポーネントキャリアを使用して通信をしているかを表すデータを保持する。かかるデータは、新たな端末装置が基地局200のセルに参加した際、又は既存の端末装置がコンポーネントキャリアを変更した際に、制御部280により更新され得る。従って、例えば、判定部270及び制御部280は、CC管理部260により保持されているデータを参照することにより、端末装置100がどのコンポーネントキャリアを使用しているかを知ることができる。
(判定部)
判定部270は、無線通信部210により端末装置から受信される受信信号に基づいて、当該端末装置のハンドオーバの緊急度を判定する。より具体的には、判定部270は、端末装置から受信される受信信号に基づいて検知される端末装置の移動速度が速いほど、当該端末装置のハンドオーバの緊急度が高いと判定してもよい。また、判定部270は、端末装置から受信される受信信号に含まれるチャネル品質が低いほど、当該端末装置のハンドオーバの緊急度が高いと判定してもよい、
図8は、判定部270のより詳細な構成の一例を示すブロック図である。図8を参照すると、判定部270は、品質取得部272、速度検出部274、及び緊急度判定部276を含む。
品質取得部272は、端末装置からの受信信号に基づいて、端末装置と基地局200との間の通信チャネルの品質レベルを、コンポーネントキャリアごとに取得する。例えば、品質取得部272は、端末装置から送信されるチャネル品質レポートを受信することにより、コンポーネントキャリアごとの品質レベルを取得してもよい。また、品質取得部272は、端末装置からの受信信号の受信信号強度又はエラーレート等のパラメータを自ら測定することにより、コンポーネントキャリアごとの品質レベルを取得してもよい。品質取得部272は、このように取得したコンポーネントキャリアごとの品質レベルを、緊急度判定部276へ出力する。
速度検出部274は、端末装置から受信される受信信号に基づいて、端末装置の移動速度を検出する。例えば、端末装置がGPS(Global Positioning System)機能を備えている場合には、当該GPS機能により測定された端末装置の位置を表す位置データが、受信信号に含められる。その場合、速度検出部274は、受信信号から当該位置データを取得した後、取得した位置データを用いて端末装置の位置の経時的な変化を算出することにより、端末装置の移動速度を検出することができる。また、GPS機能により測定された位置から端末装置内で移動速度が算出されてもよい。その場合には、速度検出部274は、端末装置から移動速度を通知され得る。また、速度検出部274は、端末装置からの受信信号についての測定結果、例えば受信信号の信号遅延量の変化から、端末装置の移動速度を検出してもよい。さらに、速度検出部274は、無線信号に基づく公知の測位技術を用いて自ら端末装置の位置を測定し、端末装置の移動速度を算出してもよい。速度検出部274は、このように検出した端末装置の移動速度を、緊急度判定部276へ出力する。
緊急度判定部276は、品質取得部272から入力されるチャネル品質レベル、及び速度検出部274から入力される端末装置の移動速度に応じて、端末装置のハンドオーバの緊急度を判定する。図9は、本実施形態に係る判定部270による緊急度判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9を参照すると、まず、品質取得部272により、コンポーネントキャリアごとの品質レベルが取得される(ステップS102)。次に、速度検出部274により、端末装置の移動速度が検出される(ステップS104)。
次に、緊急度判定部276は、コンポーネントキャリアごとの品質レベルを用いて、チャネル品質が所定の基準よりも低いか否かを判定する(ステップS106)。より具体的には、例えば、緊急度判定部276は、コンポーネントキャリアごとの品質レベルの平均値又は最小値などのパラメータを、予め決定された所定の基準値と比較する。ここで、チャネル品質が所定の基準よりも低いと判定された場合には、処理はステップS112へ進む。一方、チャネル品質が所定の基準よりも低くないと判定された場合には、処理はステップS108へ進む。
ステップS108では、緊急度判定部276は、端末装置の移動速度が予め決定された所定の基準値よりも速いか否かを判定する(ステップS108)。ここで、端末装置の移動速度が所定の基準よりも速いと判定された場合には、処理はステップS112へ進む。一方、端末装置の移動速度が所定の基準よりも速くないと判定された場合には、処理はステップS110へ進む。
ステップS110では、チャネル品質が所定の基準よりも低くなく、かつ端末装置の移動速度も所定の基準より速くないため、緊急度判定部276は、端末装置のハンドオーバの緊急度は低いと判定する(ステップS110)。一方、ステップS112では、チャネル品質が所定の基準よりも高く、又は端末装置の移動速度が所定の基準より速いため、緊急度判定部276は、端末装置のハンドオーバの緊急度は高いと判定する(ステップS112)。
緊急度判定部276は、このように判定した緊急度を、制御部280へ出力する。また、品質取得部272は、コンポーネントキャリアごとの品質レベルを制御部280へ出力する。なお、図9では端末装置のハンドオーバの緊急度が“高い”又は“低い”のいずれかであると判定する例について説明した。しかしながら、かかる例に限定されず、ハンドオーバの緊急度は、より多くのレベルに分類されてもよい。また、例えば、図9のステップS106において、コンポーネントキャリアごとの品質レベルの平均値又は最小値などのパラメータと比較されるべき基準値は、動的に変化してもよい。例えば、基地局に接続している端末装置の数、又は周囲の電場状況などに基づいて、上記基準値を動的に変化させることができる。それにより、柔軟なシステム運用が可能となる。同様に、ステップ108において端末装置の移動速度と比較されるべき基準値も、動的に変化してよい。
(制御部)
制御部280は、CPU又はDSPなどの処理装置を用いて、基地局200の機能全般を制御する。また、本実施形態において、制御部280は、上述した判定部270による緊急度判定処理の結果として判定された緊急度に応じて、端末装置のためのメジャメントギャップの割り当てをコンポーネントキャリアごとに制御する。
より具体的には、制御部280は、ハンドオーバの緊急度が高いほど多くのコンポーネントキャリアにメジャメントギャップを割り当てることができる。例えば、図9を用いて説明したように、ハンドオーバの緊急度が“高い”又は“低い”のいずれかに分類される場合を想定する。この場合、制御部280は、ハンドオーバの緊急度が高いと判定されたときには、端末装置が使用している全てのコンポーネントキャリアにメジャメントギャップを割り当てる。また、制御部280は、ハンドオーバの緊急度が低いと判定されたときには、端末装置が使用している一部(例えばいずれか1つ)のコンポーネントキャリアにメジャメントギャップを割り当てる。それにより、ハンドオーバの緊急度が低い場合には相対的に長い時間をかけてメジャメントを行うことでスループットの低下を回避し、及び、ハンドオーバの緊急度が高い場合には短時間でメジャメントを行うことによりハンドオーバの遅延を防止することができる。
また、制御部280は、品質取得部272により取得されたコンポーネントキャリアごとのチャネル品質の品質レベルに応じて、メジャメントギャップの割り当てのパターンを変化させてもよい。
より具体的には、制御部280は、例えば、一部のコンポーネントキャリアにメジャメントギャップを割り当てる場合に、品質レベルの低いコンポーネントキャリアに優先的にメジャメントギャップを割り当ててもよい。また、制御部280は、2つ以上のコンポーネントキャリアにメジャメントギャップを割り当てる場合に、第1のコンポーネントキャリアに割り当てるメジャメントギャップの周期を、より品質レベルの低い第2のコンポーネントキャリアに割り当てるメジャメントギャップの周期よりも長くしてもよい。それにより、品質レベルの高いコンポーネントキャリアについては通信リソースに占めるメジャメントギャップの割合が小さくなるため、品質レベルによらず全てのコンポーネントキャリアに均一にメジャメントギャップを割り当てる場合と比べて、スループットの低下を抑制することができる。
さらに、制御部280は、例えば、2つ以上のコンポーネントキャリアにメジャメントギャップを割り当てる場合に、1つのメジャメントギャップのタイミングが他のメジャメントギャップのタイミングと同時とならないようにメジャメントギャップの割り当てを決定してもよい。それにより、データ伝送を全く行うことができない時間が生じることによるデータ伝送の遅延を回避することができる。
また、制御部280は、例えば、2つ以上のコンポーネントキャリアが周波数方向で隣接している場合、又は2つ以上のコンポーネントキャリアの周波数方向での距離が所定の閾値よりも近い場合には、当該2つ以上のコンポーネントキャリアのうちのいずれか1つのコンポーネントキャリアについてのみメジャメントギャップを割り当ててもよい。そうした場合には、例えば、1つのコンポーネントキャリアについてのメジャメントの結果を周波数方向で隣接し又は近傍に位置する他のコンポーネントキャリアについて代用することで、メジャメントに要する時間を短縮してハンドオーバの遅延を回避すると共に、スループットの低下を抑制することができる。
また、制御部280は、例えば、メジャメントのために使用可能なコンポーネントキャリアの数が端末装置から通知された場合には、メジャメントギャップを割り当てるコンポーネントキャリアの数が当該通知された数を超えないように、メジャメントギャップの割り当てを制御してもよい。それにより、メジャメントギャップの無駄な割り当てを回避し、スループットの低下を抑制することができる。
<4.一実施形態に係る処理の例>
[4−1.処理の流れ]
図10は、本実施形態に係る基地局200によるメジャメントギャップ割り当て処理の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。
図10を参照すると、まず、無線通信部210は、端末装置からチャネル品質レポートを受信する(ステップS202)。そして、無線通信部210は、受信したチャネル品質レポートを、制御部280へ出力する。
次に、制御部280は、チャネル品質レポートに基づいてハンドオーバのためのメジャメントの要否を判定する(ステップS204)。ここで、例えばチャネル品質が良好であるなどの理由から、ハンドオーバのためのメジャメントは不要であると判定された場合には、メジャメントギャップが割り当てられることなく(ステップS206)、メジャメントギャップ割り当て処理は終了する。一方、ハンドオーバのためのメジャメントが必要であると判定された場合には、処理はステップS208へ進む。
ステップS208では、判定部270により、図9を用いて説明した緊急度判定処理が行われる(ステップS208)。そして、判定部270は、判定したハンドオーバの緊急度を、制御部280へ出力する。
次に、制御部280は、判定部270により判定されたハンドオーバの緊急度が高いか否かを判定する(ステップS210)。ここで、ハンドオーバの緊急度が高い場合には、処理はステップS212へ進む。一方、ハンドオーバの緊急度が高くない場合には、処理はステップS214へ進む。
ステップS212では、制御部280は、端末装置が使用している全てのコンポーネントキャリアにメジャメントギャップを割り当てる(ステップS212)。一方、ステップS214では、制御部280は、端末装置が使用している一部のコンポーネントキャリアにメジャメントギャップを割り当てる(ステップS214)。そして、メジャメントギャップ割り当て処理は終了する。
[4−2.メジャメントギャップの割り当ての例]
図11A〜図11Cは、それぞれ、制御部280によるメジャメントギャップ割り当て処理の結果として割り当てられるメジャメントギャップのパターンの一例を示している。
(パターンA)
図11Aを参照すると、1つの通信チャネルを3つのコンポーネントキャリアCC1〜CC3が構成している。コンポーネントキャリアCC1〜CC3は、周波数方向で互いに近傍には位置していない。また、判定部270により、ハンドオーバの緊急度は高いと判定されたものとする。
この場合、制御部280は、全てのコンポーネントキャリアCC1〜CC3にメジャメントギャップを割り当てる。図11Aの例では、コンポーネントキャリアCC1に、メジャメントギャップMG11、MG12…が割り当てられている。また、コンポーネントキャリアCC2に、メジャメントギャップMG13、MG14…が割り当てられている。また、コンポーネントキャリアCC3に、メジャメントギャップMG15…が割り当てられている。従って、端末装置が短時間でメジャメントを行うことにより、ハンドオーバを早期に実行することができる。
(パターンB)
図11Bを参照すると、図11Aと同様に、1つの通信チャネルを3つのコンポーネントキャリアCC1〜CC3が構成している。このうち、コンポーネントキャリアCC1及びCC2は、周波数方向で互いに近傍に位置している。また、判定部270により、ハンドオーバの緊急度は高いと判定されたものとする。さらに、コンポーネントキャリアCC1の品質レベルは、コンポーネントキャリアCC2の品質レベルよりも高い。
この場合、制御部280は、周波数方向で互いに近傍に位置しているコンポーネントキャリアCC1及びCC2のうち、例えば品質レベルのより低いコンポーネントキャリアCC2にメジャメントギャップを割り当てる。さらに、制御部280は、コンポーネントキャリアCC3にもメジャメントギャップを割り当てる。図11Bの例では、コンポーネントキャリアCC2に、メジャメントギャップMG21、MG22…が割り当てられている。また、コンポーネントキャリアCC3に、メジャメントギャップMG23、MG24…が割り当てられている。一方、スループットへの寄与の大きい(即ち、品質レベルの高い)コンポーネントキャリアCC1には、メジャメントギャップが割り当てられない。従って、パターンBにおいては、メジャメントギャップの割り当てによるスループットの低下が効果的に抑制される。
(パターンC)
図11Cを参照すると、図11A及び図11Bと同様に、1つの通信チャネルを3つのコンポーネントキャリアCC1〜CC3が構成している。また、判定部270により、ハンドオーバの緊急度は低いと判定されたものとする。さらに、コンポーネントキャリアごとの品質レベルは、コンポーネントキャリアCC1、CC2、CC3の順に低いものとする。
この場合、制御部280は、コンポーネントキャリアごとの品質レベルが低いほど多くの通信リソースを、メジャメントギャップのために割り当てる。図11Cの例では、最も品質レベルの高いコンポーネントキャリアCC3にはメジャメントギャップは割り当てられていない。一方、コンポーネントキャリアCC1に、メジャメントギャップMG31、MG32、MG33…が割り当てられている。また、コンポーネントキャリアCC2に、メジャメントギャップMG34、MG35…が割り当てられている。但し、コンポーネントキャリアCC1におけるメジャメントギャップの周期T1は2ラジオフレーム、コンポーネントキャリアCC2におけるメジャメントギャップの周期T2は4ラジオフレームである。即ち、より品質レベルの高いコンポーネントキャリアCC2のメジャメントギャップの周期をより長くすることで、通信チャネル全体としてのスループットの低下が効果的に抑制される。
さらに、図11A〜図11Cの例を通じて、1つのメジャメントギャップのタイミングが他のメジャメントギャップのタイミングと同時とならないように決定されている。これにより、データ伝送を全く行うことができない時間が生じないため、データ伝送の遅延が回避される。
[4−3.変形例]
上述した実施形態では、基地局が、端末装置のハンドオーバの緊急度を判定した上で、当該緊急度及びコンポーネントキャリアごとの品質レベルに応じてメジャメントギャップの割り当てを制御する例について説明した。しかし、基地局が、端末装置のハンドオーバの緊急度を判定することなく、コンポーネントキャリアごとの品質レベルに応じてメジャメントギャップの割り当てを制御することも可能である。図12は、そのような本実施形態の一変形例に係るメジャメントギャップ割り当て処理の流れの一例を示している。
図12を参照すると、まず、無線通信部210は、端末装置からチャネル品質レポートを受信する(ステップS302)。そして、無線通信部210は、受信したチャネル品質レポートを、制御部280へ出力する。
次に、制御部280は、チャネル品質レポートに基づいてハンドオーバのためのメジャメントの要否を判定する(ステップS304)。ここで、例えばチャネル品質が良好であるなどの理由から、ハンドオーバのためのメジャメントは不要であると判定された場合には、メジャメントギャップが割り当てられることなく(ステップS306)、メジャメントギャップ割り当て処理は終了する。一方、ハンドオーバのためのメジャメントが必要であると判定された場合には、処理はステップS308へ進む。
ステップS308では、制御部280は、品質取得部272により取得されたコンポーネントキャリアごとの品質レベルに応じて、コンポーネントキャリアごとにメジャメントギャップを割り当てる(ステップS308)。このとき、例えば、図11B及び図11Cを用いて説明したように、品質レベルの低いコンポーネントキャリアに優先的にメジャメントギャップが割り当てられ得る。また、品質レベルの低いコンポーネントキャリアについて、より短い周期のメジャメントギャップが割り当てられ得る。そして、メジャメントギャップ割り当て処理は終了する。
なお、このようなメジャメントギャップ割り当て処理、又は図10を用いて説明したメジャメントギャップ割り当て処理において、例えば、メジャメントギャップを割り当て可能なコンポーネントキャリアの数についての制約条件が予め定められていてもよい。例えば、メジャメントギャップを割り当て可能なコンポーネントキャリアの数は常に1つであって、最も品質レベルの低いコンポーネントキャリアにメジャメントギャップが割り当てられてもよい。また、メジャメントを実行可能な1つ又は複数のコンポーネントキャリア(あるいはRF回路)が予め規定されている場合には、当該1つ又は複数のコンポーネントキャリア(あるいはRF回路)にメジャメントギャップが割り当てられてもよい。
<5.コンポーネントキャリアの変更又は追加への適用の例>
上述したメジャメントギャップの割り当ての制御に関する手法は、1つの基地局200のセル内における端末装置100のコンポーネントキャリアの変更(コンポーネントキャリアの運用周波数帯の変更)又はコンポーネントキャリアの追加に対しても適用可能である。
図13は、上述した実施形態をコンポーネントキャリアの変更又は追加に適用する例について説明するための説明図である。なお、図13のシナリオでは、端末装置100がサービング基地局である基地局200との間でキャリアアグリゲーションを伴う無線通信を行っているものとする。図13の右側には、端末装置100と基地局200との間のコンポーネントキャリアの変更の手続についてのシーケンス図が示されている。そして、図13の左側には、シーケンスの各段階における運用周波数帯の状況が示されている。
図13を参照すると、まず、端末装置100は、3つのコンポーネントキャリアCC1〜CC3を使用して、基地局200との間で無線通信をしている。コンポーネントキャリアCC1、CC2及びCC3の運用周波数帯は、それぞれ、第1の周波数帯(#1)、第2の周波数帯(#2)及び第3の周波数帯(#3)である。
まず、端末装置100は、コンポーネントキャリアごとのチャネル品質を基地局200にレポートする(ステップS402)。チャネル品質のレポートは、定期的に行われてもよく、又は予め決定された基準値をチャネル品質が下回ったことを契機として行われてもよい。また、端末装置100は、チャネル品質レポートの代わりに、スループット向上のためのコンポーネントキャリア変更(又は追加)要求を基地局200へ送信してもよい。
次に、基地局200は、例えば、図10又は図12を用いて説明したメジャメントギャップ割り当て処理により、端末装置100にメジャメントギャップを割り当てる(ステップS404)。即ち、例えば、コンポーネントキャリアCC1、CC2及びCC3のうち、品質レベルの低いコンポーネントキャリアに優先的にメジャメントギャップが割り当てられ得る。また、品質レベルの低いコンポーネントキャリアについて、より短い周期のメジャメントギャップが割り当てられ得る。
次に、端末装置100は、割り当てられたメジャメントギャップの期間に、使用中でない周波数帯についての基地局200からのダウンリンクチャネルとの同期を獲得し、当該ダウンリンクチャネルに含まれるリファレンス信号を用いて、メジャメントを行う(ステップS412)。図13の例では、コンポーネントキャリアCC2に割り当てられたメジャメントギャップの期間に、第4の周波数帯(#4)についてのメジャメントが行われている。また、コンポーネントキャリアCC3に割り当てられたメジャメントギャップの期間に、第5の周波数帯(#5)についてのメジャメントが行われている。
次に、メジャメントを終えた端末装置100は、メジャメントの結果を含むメジャメントレポートを基地局200へ送信する(ステップS414)。メジャメントレポートに含まれるメジャメントの結果は、複数回のメジャメントにわたっての測定値の平均値又は代表値などであってもよい。
メジャメントレポートを受信した基地局200は、メジャメントレポートの内容に基づいて、端末装置100のコンポーネントキャリアの変更又は追加の要否を判定する。例えば、コンポーネントキャリアCC1〜CC3のいずれかのチャネル品質よりも良好な品質を有する周波数帯が存在する場合には、コンポーネントキャリアの運用周波数帯を当該良好な品質を有する周波数帯へと変更すべきであると決定され得る。また、端末装置100において現在使用されているコンポーネントキャリアの数が使用可能なコンポーネントキャリアの数よりも少ない場合であって、良好な品質を有する他の周波数帯が存在するときには、当該良好な品質を有する周波数帯を運用周波数帯とするコンポーネントキャリアを追加すべきであると決定され得る。図13の例では、基地局200は、メジャメントレポートの内容に基づいて、コンポーネントキャリアCC3の運用周波数帯を第3の周波数帯(#3)から第4の周波数帯(#4)へと変更すべきであると決定している。
従って、基地局200は、次に、端末装置100へ、コンポーネントキャリアCC3を指定してコンポーネントキャリア削除命令を送信する(ステップS422)。それに応じて、端末装置100において、使用中のコンポーネントキャリアからコンポーネントキャリアCC3が削除される(ステップS424)。次に、基地局200は、端末装置100へ、第4の周波数帯(#4)を指定してコンポーネントキャリア追加命令を送信する(ステップS426)。それに応じて、端末装置100において、新たに第4の周波数帯(#4)を運用周波数帯とするコンポーネントキャリアCC3を追加するために、第4の周波数帯(#4)のダウンリンクチャネルとの同期が獲得される(ステップS428)。なお、ハンドオーバの場合と異なり、同一の基地局100のセル内でのコンポーネントキャリアの変更又は追加に際しては新たなタイミング調整が不要であるため、ランダムアクセスは行われなくてよい。
このような手続を経て、端末装置100は、基地局200との間で、新たに第1、第2及び第4の周波数帯をそれぞれ運用周波数帯とするコンポーネントキャリアCC1〜CC3を用いて、無線通信を継続する(ステップS430)。
なお、コンポーネントキャリアの変更ではなくコンポーネントキャリアの追加が決定された場合には、例えば、図13に示したステップS422及びS424が省略され得る。そして、例えば、ステップS426において、第4又は第5の周波数帯を運用周波数帯とするコンポーネントキャリアの追加命令が、基地局200から端末装置100へ送信される。
また、コンポーネントキャリアが追加される場合とは、端末装置100において未使用のコンポーネントキャリア(又は未使用のRF回路等)が残っている場合である。このような場合には、端末装置100は、メジャメントギャップの割り当てを受けることなく、未使用のコンポーネントキャリアを用いてメジャメントを行ってもよい。但し、コンポーネントキャリアを緊急に追加すべきである場合には、使用中のコンポーネントキャリアと未使用のコンポーネントキャリアとを並列的に用いて、より高速にメジャメントが行われ得る。また、省電力化等の目的でスリープ中のRF回路をアクティブ化させたくない場合などにも、使用中のコンポーネントキャリアを用いて、メジャメントが行われ得る。
<6.まとめ>
ここまで、図3〜図13を用いて、本発明の一実施形態に係る無線通信システム1に含まれる端末装置100及び基地局200について説明した。本実施形態によれば、基地局200において、判定部270により判定されたハンドオーバの緊急度に応じて、メジャメントギャップの割り当てが制御部280によりコンポーネントキャリアごとに制御される。また、コンポーネントキャリアごとの品質レベルに応じて、メジャメントギャップの割り当てのパターンが制御される。そして、端末装置100において、基地局200により割り当てられたメジャメントギャップを用いて、ハンドオーバのためのメジャメントが行われる。それにより、キャリアアグリゲーションを伴う無線通信におけるメジャメントギャップの増加によるスループットの低下又はハンドオーバ処理の遅延を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、ハンドオーバのみならず、コンポーネントキャリアの変更又は追加に際しても、コンポーネントキャリアごとの品質レベルに応じて、メジャメントギャップの割り当てのパターンをコンポーネントキャリアごとに制御し得る。それにより、コンポーネントキャリアの変更又は追加に伴うスループットの低下及び処理の遅延を抑制することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 無線通信システム
100 端末装置
110 無線通信部
160 制御部
170 測定部
200 基地局
210 無線通信部
270 判定部
280 制御部

Claims (20)

  1. 複数のコンポーネントキャリアを統合することにより形成される通信チャネル上で端末装置との間の無線通信を行う無線通信部と;
    前記無線通信部により前記端末装置から受信される受信信号に基づいて、当該端末装置の他の基地局へのハンドオーバの緊急度を判定する判定部と;
    前記判定部により判定された前記緊急度に応じて、前記端末装置のためのメジャメントギャップの割り当てをコンポーネントキャリアごとに制御する制御部と;
    を備える基地局。
  2. 前記判定部は、前記受信信号に基づいて検知される前記端末装置の移動速度が速いほど前記緊急度が高いと判定する、請求項1に記載の基地局。
  3. 前記判定部は、前記受信信号に基づいて取得される前記通信チャネルのチャネル品質が低いほど前記緊急度が高いと判定する、請求項1に記載の基地局。
  4. 前記制御部は、前記緊急度が高いほど多くのコンポーネントキャリアにメジャメントギャップを割り当てる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の基地局。
  5. 前記判定部は、前記無線通信部により前記端末装置から受信される受信信号に基づいて、コンポーネントキャリアごとのチャネル品質を取得する品質取得部、を含み、
    前記制御部は、チャネル品質の低いコンポーネントキャリアに優先的にメジャメントギャップを割り当てる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の基地局。
  6. 前記判定部は、前記無線通信部により前記端末装置から受信される受信信号に基づいて、コンポーネントキャリアごとのチャネル品質を取得する品質取得部、を含み、
    前記制御部は、2つ以上のコンポーネントキャリアにメジャメントギャップを割り当てる場合に、第1のコンポーネントキャリアに割り当てるメジャメントギャップの周期を、前記第1のコンポーネントキャリアよりもチャネル品質の低い第2のコンポーネントキャリアに割り当てるメジャメントギャップの周期よりも長くする、
    請求項1に記載の基地局。
  7. 前記制御部は、2つ以上のコンポーネントキャリアにメジャメントギャップを割り当てる場合に、1つのメジャメントギャップのタイミングが他のメジャメントギャップのタイミングと同時とならないように前記2つ以上のコンポーネントキャリアへのメジャメントギャップの割り当てを決定する、請求項1に記載の基地局。
  8. 前記制御部は、2つ以上のコンポーネントキャリアが周波数方向で隣接している場合には、当該2つ以上のコンポーネントキャリアのうちのいずれか1つのコンポーネントキャリアについてのみメジャメントギャップを割り当てる、請求項1に記載の基地局。
  9. 前記制御部は、2つ以上のコンポーネントキャリアの周波数方向での距離が所定の閾値よりも近い場合には、当該2つ以上のコンポーネントキャリアのうちのいずれか1つのコンポーネントキャリアについてのみメジャメントギャップを割り当てる、請求項1に記載の基地局。
  10. 前記制御部は、メジャメントギャップを割り当てるコンポーネントキャリアの数が前記無線通信部を介して前記端末装置から通知されるメジャメントのために使用可能なコンポーネントキャリアの数を超えないように、メジャメントギャップの割り当てを制御する、請求項1に記載の基地局。
  11. 複数のコンポーネントキャリアを統合することにより形成される通信チャネル上で基地局との間の無線通信を行う無線通信部と;
    自装置における第1の基地局から第2の基地局へのハンドオーバの緊急度に応じてコンポーネントキャリアごとに割り当てられたメジャメントギャップを用いて、前記ハンドオーバのためのメジャメントを行う測定部と;
    を備える端末装置。
  12. 複数のコンポーネントキャリアを統合することにより形成される通信チャネル上での端末装置と基地局との間の無線通信を制御するための通信制御方法であって:
    前記基地局において、前記端末装置から受信される受信信号に基づいて、当該端末装置の他の基地局へのハンドオーバの緊急度を判定するステップと;
    前記基地局において、判定された前記緊急度に応じて、前記端末装置のためにコンポーネントキャリアごとにメジャメントギャップを割り当てるステップと;
    を含む、通信制御方法。
  13. 複数のコンポーネントキャリアを統合することにより形成される通信チャネル上で基地局との間の無線通信を行う端末装置と:
    前記通信チャネル上で前記端末装置との間の無線通信を行う無線通信部;
    前記無線通信部により前記端末装置から受信される受信信号に基づいて、当該端末装置の他の基地局へのハンドオーバの緊急度を判定する判定部;
    及び、前記判定部により判定された前記緊急度に応じて、前記端末装置のためのメジャメントギャップの割り当てをコンポーネントキャリアごとに制御する制御部;
    を備える前記基地局と:
    を含む無線通信システム。
  14. 複数のコンポーネントキャリアを統合することにより形成される通信チャネル上で端末装置との間の無線通信を行う無線通信部と;
    前記無線通信部により前記端末装置から受信される受信信号に基づいて、コンポーネントキャリアごとのチャネル品質を取得する品質取得部と;
    前記品質取得部により取得された前記チャネル品質に応じて、前記端末装置のためのメジャメントギャップの割り当てをコンポーネントキャリアごとに制御する制御部と;
    を備える基地局。
  15. 前記制御部は、チャネル品質の低いコンポーネントキャリアに優先的にメジャメントギャップを割り当てる、請求項14に記載の基地局。
  16. 前記制御部は、2つ以上のコンポーネントキャリアにメジャメントギャップを割り当てる場合に、第1のコンポーネントキャリアに割り当てるメジャメントギャップの周期を、前記第1のコンポーネントキャリアよりもチャネル品質の低い第2のコンポーネントキャリアに割り当てるメジャメントギャップの周期よりも長くする、請求項14又は請求項15に記載の基地局。
  17. 複数のコンポーネントキャリアを統合することにより形成される通信チャネル上で基地局との間の無線通信を行う無線通信部と;
    前記複数のコンポーネントキャリアのそれぞれについてチャネル品質を測定する測定部と;
    前記測定部により測定された前記チャネル品質に応じて第1の基地局により割り当てられるメジャメントギャップを用いて、当該第1の基地局から第2の基地局へのハンドオーバのためのメジャメントを行う制御部と;
    を備える端末装置。
  18. 複数のコンポーネントキャリアを統合することにより形成される通信チャネル上での端末装置と基地局との間の無線通信を制御するための通信制御方法であって:
    前記基地局において、前記端末装置から受信される受信信号に基づいて、コンポーネントキャリアごとのチャネル品質を取得するステップと;
    前記基地局において、取得された前記チャネル品質に応じて、前記端末装置のためにコンポーネントキャリアごとにメジャメントギャップを割り当てるステップと;
    を含む、通信制御方法。
  19. 複数のコンポーネントキャリアを統合することにより形成される通信チャネル上で基地局との間の無線通信を行う端末装置と:
    前記通信チャネル上で前記端末装置との間の無線通信を行う無線通信部;
    前記無線通信部により前記端末装置から受信される受信信号に基づいて、コンポーネントキャリアごとのチャネル品質を取得する品質取得部;
    及び、前記品質取得部により取得された前記チャネル品質に応じて、前記端末装置のためのメジャメントギャップの割り当てをコンポーネントキャリアごとに制御する制御部;
    を備える前記基地局と:
    を含む無線通信システム。
  20. 複数のコンポーネントキャリアを統合することにより形成される通信チャネル上で端末装置との間の無線通信を行う無線通信部と;
    前記無線通信部により前記端末装置から受信される受信信号に基づいて、前記端末装置のためのメジャメントギャップの割り当てをコンポーネントキャリアごとに制御する制御部と;
    を備える基地局。
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