JP5874850B2 - ハンドオーバを制御するための方法、端末装置及び基地局 - Google Patents

ハンドオーバを制御するための方法、端末装置及び基地局 Download PDF

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Description

本発明は、ハンドオーバを制御するための方法、端末装置及び基地局に関する。
3GPP(Third Generation Partnership Project)において討議されている次世代セルラー通信規格であるLTE−A(Long Term Evolution−Advanced)では、キャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)と呼ばれる技術を導入することが検討されている。キャリアアグリゲーションとは、端末装置(UE:User Equipment)と基地局(BS:Base Station、又はeNB:evolved Node B)との間の通信チャネルを、例えばLTEにおいてサポートされる周波数帯を複数統合することにより形成し、通信のスループットを向上させる技術である。キャリアアグリゲーションにより形成される1つの通信チャネルに含まれる個々の周波数帯を、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)という。LTEにおいて使用可能な周波数帯の帯域幅は1.4MHz、3.0MHz、5.0MHz、10MHz、15MHz又は20MHzである。従って、例えば、20MHzの周波数帯をコンポーネントキャリアとして5つアグリゲーションすると、合計で100MHzの通信チャネルを形成することができる。
キャリアアグリゲーションにおいて1つの通信チャネルに含まれるコンポーネントキャリアは、必ずしも周波数方向に互いに隣接していなくてよい。コンポーネントキャリアを周波数方向に隣接して配置するモードを、隣接(Contiguous)モードという。また、コンポーネントキャリアを隣接させることなく配置するモードを、非隣接(Non-contiguous)モードという。
また、キャリアアグリゲーションにおいてアップリンクにおけるコンポーネントキャリア数とダウンリンクにおけるコンポーネントキャリア数とは、必ずしも等しくなくてよい。アップリンクにおけるコンポーネントキャリア数とダウンリンクにおけるコンポーネントキャリア数とが等しいモードを、シンメトリックモードという。また、アップリンクにおけるコンポーネントキャリア数とダウンリンクにおけるコンポーネントキャリア数とが等しくないモードを、アシンメトリックモードという。例えば、アップリンクにおいて2つのコンポーネントキャリア、ダウンリンクにおいて3つのコンポーネントキャリアを使用する場合には、アシンメトリックなキャリアアグリゲーションであるということができる。
キャリアアグリゲーションを伴わない従来のセルラー方式の無線通信では、通信リソースの割り当て情報(即ちスケジューリング情報)は、ダウンリンクの制御チャネル(例えば、PDCCH:Physical Downlink Control Channel)上で基地局から各端末装置へ配信される。このスケジューリング情報の配信に関し、キャリアアグリゲーションを伴う無線通信では、2種類の方式の実現の可能性がある。第1の方式は、従来の方式をそのまま個々のコンポーネントキャリアに適用した方式である。即ち、第1の方式では、あるコンポーネントキャリアにおけるデータ伝送についてのスケジューリング情報を配信する制御チャネルを、当該コンポーネントキャリア内に設ける。本明細書では、このような第1の方式をストレートスケジューリング方式という。これに対し、第2の方式では、あるコンポーネントキャリアにおけるデータ伝送についてのスケジューリング情報を配信する制御チャネルを、当該コンポーネントキャリアとは異なるコンポーネントキャリア内に設ける。第2の方式によれば、スケジューリング情報の配信に用いられる通信リソースが集約されることにより、通信リソースに占めるオーバヘッドの割合が減少するため、第1の方式と比較してより高いスループットを達成できる。本明細書では、このような第2の方式をクロススケジューリング方式という。これらストレートスケジューリング方式及びクロススケジューリング方式は、1つの通信チャネル内で複合的に用いられ得る。即ち、通信チャネルを構成する1つのチャネルがクロススケジューリング方式で運用され、他のチャネルがストレートスケジューリング方式で運用されることも可能である。
また、セルラー通信規格において端末装置の移動性(mobility)を実現するための基本的な技術であるハンドオーバは、LTE−Aにおける重要なテーマの1つでもある。LTEでは、端末装置は、サービング基地局(接続中の基地局)との間の通信品質、及び周辺の基地局との間の通信品質をそれぞれ測定し、その測定結果(measurements)を含むメジャメントレポート(measurement report)をサービング基地局へ送信する。次に、メジャメントレポートを受信したサービング基地局は、レポートに含まれる測定結果に基づいてハンドオーバを実行すべきか否かを決定する。そして、ハンドオーバを実行すべきであると決定されると、ソース基地局(ハンドオーバ前のサービング基地局)、端末装置、及びターゲット基地局(ハンドオーバ後のサービング基地局)の間で、所定の手続に従ってハンドオーバが行われる(例えば、下記特許文献1参照)。
特開2009−232293号公報
しかしながら、キャリアアグリゲーションを伴う無線通信においてハンドオーバの手続をどのように進めるべきかについて具体的に検討した事例は未だ報告されていない。
上記特許文献1に記載されている既存のハンドオーバ手続では、1つの通信チャネルを1つのコンポーネントキャリアが構成することを前提として、ハンドオーバの要求、当該要求の承認、ハンドオーバ命令の発行、ターゲット基地局へのランダムアクセスなどの処理が行われる。キャリアアグリゲーション技術を導入する場合には、コンポーネントキャリアごとにチャネル品質が異なることを想定すると、コンポーネントキャリアごとにハンドオーバが実行されることが望ましい。しかし、上述したクロススケジューリング方式が用いられる状況下では、データ伝送が行われるデータチャネルと当該データ伝送に関するスケジューリング情報が配信される制御チャネルとが異なるコンポーネントキャリア内に位置し得る。そのため、コンポーネントキャリアごとのハンドオーバの順序を適切に制御しなければ、スケジューリング情報の逸失又は不整合などの原因で、データのロスが発生するおそれがある。
そこで、本発明は、クロススケジューリング方式が用いられる状況下においても、データをロスすることなくハンドオーバを遂行することのできる、新規かつ改良されたハンドオーバを制御するための方法、端末装置及び基地局を提供しようとするものである。
本発明のある実施形態によれば、複数のコンポーネントキャリアを統合することにより形成される通信チャネル上で無線通信している端末装置による第1の基地局から第2の基地局へのハンドオーバを制御するための方法であって、各コンポーネントキャリアについてのスケジューリング情報は、ストレートスケジューリング方式及びクロススケジューリング方式のいずれかに従って端末装置へ配信され、前記方法は、前記通信チャネルを形成するコンポーネントキャリアについてハンドオーバを実行すべきであると判定された場合に、前記第2の基地局において前記ストレートスケジューリング方式に従って運用されるべき第1のコンポーネントキャリアについての前記第1の基地局から前記第2の基地局へのハンドオーバを、最初に前記端末装置に命令するステップと、前記第2の基地局への前記ハンドオーバが行われる前に、前記クロススケジューリング方式に従うコンポーネントキャリアについてのスケジューリング情報の配信方式を、前記クロススケジューリング方式から前記ストレートスケジューリング方式へ変更するステップと、を含む、方法が提供される。
また、本発明の別の実施形態によれば、複数のコンポーネントキャリアを統合することにより形成される通信チャネル上で基地局との間の無線通信を行う無線通信部と、前記無線通信部による第1の基地局から第2の基地局へのハンドオーバを制御する制御部と、を備え、各コンポーネントキャリアについてのスケジューリング情報は、ストレートスケジューリング方式及びクロススケジューリング方式のいずれかに従って配信され、前記制御部は、前記通信チャネルを形成するコンポーネントキャリアについてハンドオーバを実行すべきであると判定された場合に、前記第2の基地局において前記ストレートスケジューリング方式に従って運用されるべき第1のコンポーネントキャリアについての前記第1の基地局から前記第2の基地局へのハンドオーバを、前記第1の基地局からの命令に応じて最初に実行し、前記第2の基地局への前記ハンドオーバが行われる前に、前記クロススケジューリング方式に従うコンポーネントキャリアについてのスケジューリング情報の配信方式が、前記クロススケジューリング方式から前記ストレートスケジューリング方式へ変更される、端末装置が提供される。
また、本発明の別の実施形態によれば、複数のコンポーネントキャリアを統合することにより形成される通信チャネル上で端末装置との間の無線通信を行う無線通信部と、前記端末装置による他の基地局へのハンドオーバを制御する制御部と、を備え、各コンポーネントキャリアについてのスケジューリング情報は、ストレートスケジューリング方式及びクロススケジューリング方式のいずれかに従って配信され、前記制御部は、前記通信チャネルを形成するコンポーネントキャリアについてハンドオーバを実行すべきであると判定された場合に、前記他の基地局において前記ストレートスケジューリング方式に従って運用されるべき第1のコンポーネントキャリアについての前記他の基地局へのハンドオーバを最初に前記端末装置に命令し、前記制御部は、前記他の基地局への前記ハンドオーバが行われる前に、前記クロススケジューリング方式に従うコンポーネントキャリアについてのスケジューリング情報の配信方式を、前記クロススケジューリング方式から前記ストレートスケジューリング方式へ変更する、基地局が提供される。
以上説明したように、本発明に係るハンドオーバを制御するための方法、端末装置及び基地局によれば、クロススケジューリングが行われ得る状況下においても、データをロスすることなくハンドオーバを遂行することができる。
一般的なハンドオーバ手続の流れを説明するためのシーケンス図である。 通信リソースの構成の一例について説明するための説明図である。 通信リソースに含まれる制御チャネルの配置の一例について説明するための説明図である。 スケジューリング情報の2種類の配信方式について説明するための説明図である。 一実施形態に係る無線通信システムの概要を示す模式図である。 第1の実施形態に係る端末装置の構成の一例を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る無線通信部の詳細な構成の一例を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る基地局の構成の一例を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る基地局によるハンドオーバの順序の判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係るハンドオーバ手続の流れの一例を示すシーケンス図である。 図10を用いて説明したシナリオについてさらに説明するための第1の説明図である。 図10を用いて説明したシナリオについてさらに説明するための第2の説明図である。 図10を用いて説明したシナリオについてさらに説明するための第3の説明図である。 図10を用いて説明したシナリオについてさらに説明するための第4の説明図である。 第2の実施形態に係る端末装置の構成の一例を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る基地局の構成の一例を示すブロック図である。 第2の実施形態に係るハンドオーバ手続の第1のシナリオに沿った流れの一例を示すシーケンス図である。 第2の実施形態に係るハンドオーバ手続の第2のシナリオに沿った流れの一例を示すシーケンス図である。 第3の実施形態に係る端末装置の構成の一例を示すブロック図である。 第3の実施形態に係る基地局の構成の一例を示すブロック図である。 第3の実施形態に係るハンドオーバ手続の流れの一例を示すシーケンス図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付すことにより重複説明を省略する。
また、以下の順序にしたがって当該「発明を実施するための形態」を説明する。
1.関連技術の説明
1−1.ハンドオーバ手続
1−2.通信リソースの構成
1−3.スケジューリング情報の配信方式
2.無線通信システムの概要
3.第1の実施形態の説明
3−1.端末装置の構成例
3−2.基地局の構成例
3−3.処理の流れ
3−4.第1の実施形態のまとめ
4.第2の実施形態の説明
4−1.端末装置の構成例
4−2.基地局の構成例
4−3.処理の流れ
4−4.第2の実施形態のまとめ
5.第3の実施形態の説明
5−1.端末装置の構成例
5−2.基地局の構成例
5−3.処理の流れ
5−4.第3の実施形態のまとめ
<1.関連技術の説明>
[1−1.ハンドオーバ手続]
まず、図1〜図4を参照しながら、本発明に関連する技術について説明する。図1は、一般的なハンドオーバ手続の一例として、キャリアアグリゲーションを伴わない無線通信におけるLTEに準拠したハンドオーバ手続の流れを示している。ここでは、ハンドオーバ手続に、端末装置(UE)、ソース基地局(Source eNB)、ターゲット基地局(Target eNB)及びMME(Mobility Management Entity(移動性管理エンティティ))が関与する。
ハンドオーバの前段階として、まず、端末装置は、端末装置とソース基地局との間の通信チャネルのチャネル品質をソース基地局にレポートする(ステップS2)。チャネル品質のレポートは定期的に行われてもよく、又は予め決定された基準値をチャネル品質が下回ったことを契機として行われてもよい。端末装置は、ソース基地局からのダウンリンクチャネルに含まれるリファレンス信号を受信することにより、ソース基地局との間の通信チャネルのチャネル品質を測定することができる。
次に、ソース基地局は、端末装置から受信した品質レポートに基づいてメジャメントの要否を判定し、メジャメントが必要である場合には、端末装置にメジャメントギャップを割り当てる(ステップS4)。
次に、端末装置は、割り当てられたメジャメントギャップの期間に、周辺の基地局からのダウンリンクチャネルを探索する(即ち、セルサーチを行う)(ステップS12)。なお、端末装置は、予めソース基地局から提供されるリストに従って、探索すべき周辺の基地局を知ることができる。
次に、端末装置は、ダウンリンクチャネルとの同期を獲得すると、当該ダウンリンクチャネルに含まれるリファレンス信号を用いて、メジャメントを行う(ステップS14)。この間、ソース基地局は、端末装置によるデータ伝送が発生しないように、端末装置に関連するデータ通信の割り当てを制限する。
メジャメントを終えた端末装置は、メジャメントの結果を含むメジャメントレポートをソース基地局へ送信する(ステップS22)。メジャメントレポートに含まれるメジャメントの結果は、複数回のメジャメントにわたっての測定値の平均値又は代表値などであってもよい。また、メジャメントの結果には、複数の周波数帯についてのデータが含まれてもよい。
メジャメントレポートを受信したソース基地局は、メジャメントレポートの内容に基づいて、ハンドオーバを実行すべきか否かを判定する。例えば、ソース基地局のチャネル品質よりも周辺の他の基地局のチャネル品質が予め決定された閾値以上に良好である場合には、ハンドオーバが必要であると判定され得る。その場合、ソース基地局は、当該他の基地局をターゲット基地局としてハンドオーバ手続を進めることを決定し、ハンドオーバ要求メッセージ(Handover Request)をターゲット基地局へ送信する(ステップS24)。
ハンドオーバ要求メッセージを受信したターゲット基地局は、自ら提供している通信サービスの空き状況などに応じて、端末装置を受入れることが可能か否かを判定する。そして、端末装置を受入れることが可能である場合には、ターゲット基地局は、ハンドオーバ承認メッセージ(Handover Request Confirm)をソース基地局へ送信する(ステップS26)。
ハンドオーバ承認メッセージを受信したソース基地局は、端末装置にハンドオーバ命令(Handover Command)を送信する(ステップS28)。そうすると、端末装置は、ターゲット基地局のダウンリンクチャネルとの同期を獲得する(ステップS32)。次に、端末装置は、所定の時間スロットに設けられるランダムアクセスチャネルを使用して、ターゲット基地局にランダムアクセスを行う(ステップS34)。この間、ソース基地局は、端末装置宛てに届くデータをターゲット基地局へ転送する(ステップS36)。そして、端末装置は、ランダムアクセスが成功すると、ハンドオーバ完了メッセージ(Handover Complete)をターゲット基地局へ送信する(ステップS42)。
ハンドオーバ完了メッセージを受信したターゲット基地局は、MMEに端末装置についてのルート更新を要求する(ステップS44)。MMEがユーザデータのルートを更新することにより、端末装置が新たな基地局(即ち、ターゲット基地局)を介して他の装置と通信をすることが可能となる。そして、ターゲット基地局は、端末装置に確認応答(Acknowledgement)を送信する(ステップS46)。それにより、一連のハンドオーバ手続が終了する。
[1−2.通信リソースの構成]
図2は、本発明を適用可能な通信リソースの構成の一例として、LTEにおける通信リソースの構成を示している。図2を参照すると、LTEにおける通信リソースは、時間方向において、10msecの長さを有する個々のラジオフレームに分割される。さらに、1ラジオフレームは10個のサブフレームを含み、1つのサブフレームは2つの0.5msスロットから構成される。また、1つの0.5msスロットは、通常、時間方向において7つのOFDMシンボルを含む。時間方向において7つのOFDMシンボル、周波数方向において12本のサブキャリアを含む通信リソースの1単位を、リソースブロック(Resource Block)という。LTEでは、時間方向においてはこのサブフレーム又はリソースブロックごとに各端末装置へ通信リソースが割り当てられる。また、時間方向において1つのOFDMシンボル、周波数方向において1本のサブキャリアに相当する通信リソースの1単位を、リソースエレメント(Resource Element)という。即ち、1リソースブロックは7×12=84リソースエレメントに相当する。同じ帯域幅、同じ時間長の中では、より多くのリソースブロックがデータ通信のために割り当てられるほど、データ通信のスループットは大きくなる。
また、周波数方向の所定の位置(通常は帯域の中央)のリソースブロックには、同期シーケンス(Synchronization Sequence)が挿入される。同期シーケンスには、プライマリ同期シーケンス(PSS)とセカンダリ同期シーケンス(SSS)の2種類が存在する。そして、端末装置は、セルサーチにおいてこれら2種類の同期シーケンスを受信することにより、基地局を相互に区別し、特定の基地局との同期を獲得することができる。2種類の同期シーケンスは、時間方向では、1つのサブフレームの第6及び第7OFDMシンボル(#5,#6)上に配置される。また、同期シーケンスの後に続くOFDMシンボルは、システム情報の配信のためのブロードキャストチャネルとして使用され得る。
また、各リソースブロック内の所定のリソースエレメントは、リファレンス信号(Reference Signal)の配信のために使用される。端末装置は、リファレンス信号を受信することにより、リソースブロックごとに通信品質を測定することができる。また、基地局のスケジューラは、ダウンリンクについては端末装置により測定され、アップリンクについては基地局自ら測定するリソースブロックごとの通信品質に応じて、端末装置への通信リソースの割り当てを決定する。
[1−3.スケジューリング情報の配信方式]
図3は、通信リソースに含まれる制御チャネルの配置の一例として、LTEにおける制御チャネルの配置を示している。図3においては、図2と異なり、縦軸が時間方向、横軸が周波数方向である。図3を参照すると、12サブキャリア×1サブフレームの通信リソースが示されている。1サブフレームは、時間方向において14個のOFDMシンボルを含む。このような通信リソースのうち、サブフレームの先頭の最大で3個までのOFDMシンボルに、スケジューリング情報の配信のために使用される制御チャネル、即ちPDCCHが配置される。PDCCH上では、スケジューリング情報に加えて、変調方式を指定する情報及び電力制御情報なども配信され得る。端末装置は、かかる制御チャネル上のスケジューリング情報を参照することにより、各装置がデータを送信又は受信すべき通信リソースを認識する。データの送受信は、サブフレームの残りのOFDMシンボルに配置されるデータチャネルであるPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)上で行われる。
ここで、キャリアアグリゲーションを伴う無線通信においては、複数のコンポーネントキャリアが1つの通信チャネルを形成する。そして、通常、各コンポーネントキャリアがそれぞれ制御チャネルを有する。しかし、より多くのリソースブロックをデータ通信のために割り当てて(即ちオーバヘッドを少なくして)スループットを向上させるために、図4を用いて説明するクロススケジューリング(又はクロスキャリアスケジューリング)と呼ばれる技術が使用され得る。
図4は、キャリアアグリゲーションを伴う無線通信における、スケジューリング情報の2種類の配信方式について説明するための説明図である。図4を参照すると、3つのコンポーネントキャリアCC1〜CC3が1つの通信チャネルを形成している。このうち、コンポーネントキャリアCC1及びCC2は、制御チャネル(PDCCH)を有する。コンポーネントキャリアCC1におけるデータ通信のためのスケジューリング情報は、コンポーネントキャリアCC1の制御チャネル上で配信される。コンポーネントキャリアCC2におけるデータ通信のためのスケジューリング情報は、コンポーネントキャリアCC2の制御チャネル上で配信される。一方、コンポーネントキャリアCC3は、制御チャネルを有しない。コンポーネントキャリアCC3におけるデータ通信のためのスケジューリング情報は、コンポーネントキャリアCC2の制御チャネル上で配信される。従って、図4の例では、コンポーネントキャリアCC1及びCC2がストレートスケジューリング方式に従うコンポーネントキャリア、コンポーネントキャリアCC3がクロススケジューリング方式に従うコンポーネントキャリアである。クロススケジューリング方式に従うコンポーネントキャリアは、拡張キャリア(Extension Carrier)とも呼ばれる。なお、本明細書では、拡張キャリアのための制御チャネルを有するコンポーネントキャリアを、拡張キャリアのマスタという。図4の例では、コンポーネントキャリアCC2が、コンポーネントキャリアCC3のマスタである。
<2.無線通信システムの概要>
図5は、本発明の一実施形態に係る無線通信システム1の概要を示す模式図である。図5を参照すると、無線通信システム1は、端末装置100、基地局200a及び基地局200bを含む。このうち、基地局200aが端末装置100についてのサービング基地局であるものとする。
端末装置100は、基地局200aにより無線通信サービスが提供されるセル202aの内部に位置している。端末装置100は、複数のコンポーネントキャリアを統合することにより(即ち、キャリアアグリゲーションにより)形成される通信チャネル上で、基地局200aを介して他の端末装置(図示せず)との間でデータ通信を行うことができる。但し、端末装置100と基地局200aとの間の距離は近くないため、端末装置100にとってハンドオーバが必要となる可能性がある。さらに、端末装置100は、基地局200bにより無線通信サービスが提供されるセル202bの内部に位置している。従って、基地局200bは、端末装置100のハンドオーバのためのターゲット基地局の候補となり得る。
基地局200aは、バックホールリンク(例えばX2インタフェース)を介して、基地局200bとの間で通信することができる。基地局200aと基地局200bとの間では、例えば、図1を用いて説明したようなハンドオーバ手続における各種メッセージ、又は各セルに属す端末装置についてのスケジューリング情報などが送受信され得る。さらに、基地局200a及び基地局200bは、例えばS1インタフェースを介して上位ノードであるMMEと通信することもできる。
ここで、端末装置100が基地局200aとの間でキャリアアグリゲーションを伴う無線通信を行っている最中に、基地局200bへのハンドオーバの必要性が生じたものと仮定する。その場合に、例えば、端末装置100と基地局200aとの間で最も品質の悪いコンポーネントキャリアについて最初にハンドオーバをしようとしても、当該コンポーネントキャリアが拡張キャリアである場合には、マスタであるコンポーネントキャリアよりも先にハンドオーバをすることでスケジューリング情報の逸失又は不整合によるデータのロスが発生するおそれがある。そのため、次節より詳細に説明する本発明の第1〜第3の実施形態のように、クロススケジューリング方式が用いられる状況下において、データのロスが生じないようにハンドオーバの順序を制御することが有益である。
なお、本明細書のこれ以降の説明において、特に基地局200a及び200bを相互に区別する必要がない場合には、符号の末尾のアルファベットを省略してこれらを基地局200と総称する。その他の構成要素についても同様とする。
<3.第1の実施形態の説明>
以下、図6〜図11Dを用いて、本発明の第1の実施形態について説明する。
[3−1.端末装置の構成例]
図6は、本実施形態に係る端末装置100の構成の一例を示すブロック図である。図6を参照すると、端末装置100は、無線通信部110、信号処理部150、制御部160及び測定部170を備える。
(無線通信部)
無線通信部110は、キャリアアグリゲーション技術を用いて複数のコンポーネントキャリアを統合することにより形成される通信チャネル上で、基地局200との間の無線通信を行う。
図7は、無線通信部110のより詳細な構成の一例を示すブロック図である。図7を参照すると、無線通信部110は、アンテナ112、スイッチ114、LNA(Low Noise Amplifier)120、複数のダウンコンバータ122a〜122c、複数のフィルタ124a〜124c、複数のADC(Analogue to Digital Convertor)126a〜126c、復調部128、変調部130、複数のDAC(Digital to Analogue Convertor)132a〜132c、さらなる複数のフィルタ134a〜134c、複数のアップコンバータ136a〜136c、合成器138、及びPA(Power Amplifier)140を含む。
アンテナ112は、基地局200から送信される無線信号を受信すると、スイッチ114を介して受信信号をLNA120へ出力する。LNA120は、受信信号を増幅する。ダウンコンバータ122a及びフィルタ124aは、LNA120により増幅された受信信号から、第1のコンポーネントキャリア(CC1)のベースバンド信号を分離する。そして、分離された当該ベースバンド信号は、ADC126aによりデジタル信号に変換され、復調部128へ出力される。同様に、ダウンコンバータ122b及びフィルタ124bは、LNA120により増幅された受信信号から、第2のコンポーネントキャリア(CC2)のベースバンド信号を分離する。そして、分離された当該ベースバンド信号は、ADC126bによりデジタル信号に変換され、復調部128へ出力される。また、ダウンコンバータ122c及びフィルタ124cは、LNA120により増幅された受信信号から、第3のコンポーネントキャリア(CC3)のベースバンド信号を分離する。そして、分離された当該ベースバンド信号は、ADC126cによりデジタル信号に変換され、復調部128へ出力される。その後、復調部128は、各コンポーネントキャリアのベースバンド信号を復調することによりデータ信号を生成し、当該データ信号を信号処理部150へ出力する。
また、信号処理部150からデータ信号が入力されると、変調部130は、当該データ信号を変調し、コンポーネントキャリアごとのベースバンド信号を生成する。それらベースバンド信号のうち、第1のコンポーネントキャリア(CC1)のベースバンド信号は、DAC132aにより、アナログ信号に変換される。そして、フィルタ134a及びアップコンバータ136aにより、当該アナログ信号から、送信信号のうちの第1のコンポーネントキャリアに対応する周波数成分が生成される。同様に、第2のコンポーネントキャリア(CC2)のベースバンド信号は、DAC132bにより、アナログ信号に変換される。そして、フィルタ134b及びアップコンバータ136bにより、当該アナログ信号から、送信信号のうちの第2のコンポーネントキャリアに対応する周波数成分が生成される。また、第3のコンポーネントキャリア(CC3)のベースバンド信号は、DAC132cにより、アナログ信号に変換される。そして、フィルタ134c及びアップコンバータ136cにより、当該アナログ信号から、送信信号のうちの第3のコンポーネントキャリアに対応する周波数成分が生成される。その後、生成された3つのコンポーネントキャリアに対応する周波数成分が合成器138により合成され、送信信号が形成される。PA140は、かかる送信信号を増幅し、スイッチ114を介してアンテナ112へ出力する。そして、アンテナ112は、当該送信信号を無線信号として基地局200へ送信する。
なお、図7では、無線通信部110が3つのコンポーネントキャリアを扱う例について説明したが、無線通信部110が扱うコンポーネントキャリアの数は、2つであってもよく、又は4つ以上であってもよい。
また、無線通信部110は、図7の例のようにアナログ領域で各コンポーネントキャリアの信号を処理する代わりに、デジタル領域で各コンポーネントキャリアの信号を処理してもよい。後者の場合、受信時においては、1つのADCにより変換されたデジタル信号が、デジタルフィルタにより各コンポーネントキャリアの信号に分離される。また、送信時においては、各コンポーネントキャリアのデジタル信号が周波数変換され及び合成された後、1つのDACでアナログ信号に変換される。一般に、アナログ領域で各コンポーネントキャリアの信号を処理する場合には、ADC及びDACの負荷がより少ない。一方、デジタル領域で各コンポーネントキャリアの信号を処理する場合には、AD/DA変換のためのサンプリング周波数が高くなるため、ADC及びDACの負荷が増大し得る。
(信号処理部)
図6に戻り、端末装置100の構成の一例についての説明を継続する。
信号処理部150は、無線通信部110から入力される復調後のデータ信号について、デインターリーブ、復号及び誤り訂正などの信号処理を行う。そして、信号処理部150は、処理後のデータ信号を上位レイヤへ出力する。また、信号処理部150は、上位レイヤから入力されるデータ信号について、符号化及びインターリーブなどの信号処理を行う。
(制御部)
制御部160は、CPU(Central Processing Unit)又はDSP(Digital Signal Processor)などの処理装置を用いて、端末装置100の機能全般を制御する。例えば、制御部160は、無線通信部110が基地局200から受信するスケジューリング情報に従って、無線通信部110によるデータ通信のタイミングをコンポーネントキャリアごとに制御する。より具体的には、例えば、制御部160は、基地局200との間の通信チャネルを形成するコンポーネントキャリアのうち、ストレートスケジューリング方式に従うコンポーネントキャリアの制御チャネル上のスケジューリング情報を参照する。かかるスケジューリング情報には、同じコンポーネントキャリアの通信リソースについての情報に加えて、クロススケジューリング方式に従う拡張キャリアについての情報も含まれ得る。そこで、制御部160は、拡張キャリアについての情報がスケジューリング情報に含まれている場合には、当該情報に従って、拡張キャリアのデータチャネル上でのデータ通信のタイミングを制御する。また、制御部160は、制御チャネルと同じコンポーネントキャリアの通信リソースについての情報に従って、ストレートスケジューリング方式に従うコンポーネントキャリアのデータチャネル上でのデータ通信のタイミングを制御する。このほか、制御部160は、図1を用いて説明したハンドオーバ手続における端末装置と同様に、端末装置100を動作させる。
(測定部)
測定部170は、例えば、制御部160からの制御に従い、基地局200からのリファレンス信号を用いてコンポーネントキャリアごとのチャネル品質を測定する。また、測定部170は、基地局200により割り当てられるメジャメントギャップを用いて、コンポーネントキャリアごとにハンドオーバのためのメジャメントを実行する。測定部170が実行したメジャメントの結果は、制御部160によりメジャメントレポートのための所定のフォーマットに整形され、無線通信部110を介して基地局200へ送信される。その後、基地局200により、当該メジャメントレポートに基づいて、端末装置100についてハンドオーバを実行すべきか否かが判定される。
[3−2.基地局の構成例]
図8は、本実施形態に係る基地局200の構成の一例を示すブロック図である。図8を参照すると、基地局200は、無線通信部210、インタフェース部250、コンポーネントキャリア(CC)管理部260及び制御部280を備える。
(無線通信部)
無線通信部210の具体的な構成は、サポートすべきコンポーネントキャリア数及び処理性能の要件等が異なるものの、図7を用いて説明した端末装置100の無線通信部110の構成と類似してよい。無線通信部210は、キャリアアグリゲーション技術を用いて複数のコンポーネントキャリアを統合することにより形成される通信チャネル上で、端末装置との間の無線通信を行う。
(インタフェース部)
インタフェース部250は、例えば、図5に例示したS1インタフェースを介して、無線通信部210及び制御部280と上位ノードとの間の通信を仲介する。また、インタフェース部250は、例えば、図5に例示したX2インタフェースを介して、無線通信部210及び制御部280と他の基地局との間の通信を仲介する。
(CC管理部)
CC管理部260は、基地局200のセルに属している端末装置ごとに、各端末装置がどのコンポーネントキャリアを使用して通信をしているかを表すデータを保持する。かかるデータは、新たな端末装置が基地局200のセルに参加した際、又は接続済みの端末装置がコンポーネントキャリアを変更した際に、制御部280により更新され得る。従って、制御部280は、CC管理部260により保持されているデータを参照することにより、端末装置100がどのコンポーネントキャリアを使用しているかを知ることができる。また、CC管理部260は、コンポーネントキャリアごとに各コンポーネントキャリアがストレートスケジューリング方式及びクロススケジューリング方式のいずれに従って運用されているかを表すデータを保持する。
(制御部)
制御部280は、CPU又はDSPなどの処理装置を用いて、基地局200の機能全般を制御する。例えば、制御部280は、データ通信のための通信リソースを端末装置100及び他の端末装置のために割り当てた後、スケジューリング情報の配信方式に応じたコンポーネントキャリアの制御チャネル上で、スケジューリング情報を配信する。より具体的には、制御部280は、ストレートスケジューリング方式に従うコンポーネントキャリア内の通信リソースについてのスケジューリング情報を、同じコンポーネントキャリアの制御チャネル上で配信する。また、制御部280は、拡張キャリア内の通信リソースについてのスケジューリング情報を、マスタである他のコンポーネントキャリアの制御チャネル上で配信する。
また、制御部280は、端末装置100による他の基地局へのハンドオーバを制御する。より具体的には、制御部280は、例えば、拡張キャリアについてハンドオーバを実行すべきであると判定すると、ターゲット基地局においてストレートスケジューリング方式に従って運用されるべきコンポーネントキャリアについてのターゲット基地局へのハンドオーバを、最初に端末装置100に命令する。例えば、基地局200とターゲット基地局との間で、スケジューリング情報の配信方式がコンポーネントキャリアごとに(運用周波数帯ごとに)共通しているものとする。その場合、制御部280は、例えば、拡張キャリアについてハンドオーバが必要であると判定すると、拡張キャリアのハンドオーバの前に、当該拡張キャリアのマスタのコンポーネントキャリアについてのハンドオーバを、端末装置100に命令する。そして、制御部280は、マスタのコンポーネントキャリアについてのハンドオーバが完了した後、拡張キャリアについてのハンドオーバを端末装置100に命令する。制御部280は、他の利用可能なコンポーネントキャリアが存在する場合には、例えば、マスタのコンポーネントキャリアについてのハンドオーバの開始から拡張キャリアについてのハンドオーバの完了までの間、拡張キャリアについてのスケジューリング情報を当該他のコンポーネントキャリアの制御チャネル上で一時的に配信してもよい。これらの他に、制御部280は、図1を用いて説明したハンドオーバ手続におけるソース基地局又はターゲット基地局と同様に、基地局200を動作させる。
[3−3.処理の流れ]
図9は、本実施形態に係る基地局200の制御部280による、ハンドオーバの順序の判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9を参照すると、まず、制御部280は、無線通信部210を介して端末装置100からメジャメントレポートを受信する(ステップS102)。次に、制御部280は、メジャメントレポートの内容に基づいて、品質が所定の基準を満たさないコンポーネントキャリアが存在するか否かを判定する(ステップS104)。ここで、品質が所定の基準を満たさないコンポーネントキャリアが存在しない場合には、処理は終了する。一方。品質が所定の基準を満たさないコンポーネントキャリアが存在する場合には、処理はステップS106へ進む。次に、制御部280は、品質が所定の基準を満たさないコンポーネントキャリアが、クロススケジューリング方式に従って運用されるべきコンポーネントキャリアであるか否かを判定する(ステップS106)。ここで、当該コンポーネントキャリアが、クロススケジューリング方式に従って運用されるべきコンポーネントキャリアである場合には、処理はステップS108へ進む。一方、当該コンポーネントキャリアが、クロススケジューリング方式に従って運用されるべきコンポーネントキャリアでない場合には、処理はステップS110へ進む。ステップS108では、制御部280は、クロススケジューリング方式に従って運用されるべきコンポーネントキャリアよりも先に、当該コンポーネントキャリアのマスタのコンポーネントキャリアについてハンドオーバをすることを決定する(ステップS108)。一方、ステップS110では、制御部280は、品質が所定の基準を満たさないと判定されたコンポーネントキャリアについてハンドオーバをすることを決定する(ステップS110)。
図10は、本実施形態に係るハンドオーバ手続の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、図10のシナリオでは、端末装置100、ソース基地局である基地局200a及びターゲット基地局である基地局200bの間でハンドオーバ手続が行われるものとする。また、図1に例示した一般的なハンドオーバ手続のうち端末装置におけるメジャメントまでの手続(ステップS2〜ステップS14)については特別な相違点が無いため、その説明を省略する。
図10を参照すると、まず、端末装置100は、通信チャネルを構成する複数のコンポーネントキャリアについてのメジャメントレポートを基地局200aへ送信する(ステップS120)。次に、基地局200aは、図9を用いて説明したように、受信したメジャメントレポートに基づいて、コンポーネントキャリアごとのハンドオーバの要否とハンドオーバの順序とを判定する(ステップS130)。
図10のシナリオでは、例えば、拡張キャリアとして運用されるべきコンポーネントキャリアについてハンドオーバが必要であると判定されたものとする。その場合、基地局200aは、まず、当該コンポーネントキャリアのマスタのコンポーネントキャリアについてのハンドオーバ要求メッセージを基地局200bへ送信する(ステップS144)。ハンドオーバ要求メッセージを受信した基地局200bは、自ら提供している通信サービスの空き状況などに応じて、端末装置100を受入れることが可能か否かを判定する。そして、基地局200bは、端末装置100を受入れることが可能であると判定すると、ハンドオーバ承認メッセージを基地局200aへ送信する(ステップS146)。ハンドオーバ承認メッセージを受信した基地局200aは、マスタのコンポーネントキャリアについてのハンドオーバ命令を、端末装置100へ送信する(ステップS148)。そうすると、ハンドオーバ命令を受信した端末装置100、基地局200a、基地局200b及びMMEの間で、マスタのコンポーネントキャリアについてハンドオーバが実行される(ステップS150)。ステップS150には、例えば、図1を用いて説明した処理と同様に、ターゲット基地局への同期及びランダムアクセス、ハンドオーバ完了メッセージの送信、ルート更新並びに確認応答の送信などが含まれる。
次に、基地局200aは、拡張キャリアとして運用されるべきコンポーネントキャリアについてのハンドオーバ要求メッセージを基地局200bへ送信する(ステップS164)。ハンドオーバ要求メッセージを受信した基地局200bは、自ら提供している通信サービスの空き状況などに応じて、端末装置100を受入れることが可能か否かを判定する。そして、基地局200bは、端末装置100を受入れることが可能であると判定すると、ハンドオーバ承認メッセージを基地局200aへ送信する(ステップS166)。ハンドオーバ承認メッセージを受信した基地局200aは、拡張キャリアとして運用されるべきコンポーネントキャリアについてのハンドオーバ命令を、端末装置100へ送信する(ステップS168)。そうすると、ハンドオーバ命令を受信した端末装置100、基地局200a、基地局200b及びMMEの間で、当該コンポーネントキャリアについてハンドオーバが実行される(ステップS170)。
さらにその後、他のコンポーネントキャリアについてもハンドオーバが必要である場合には、上述した手続と同様に、各コンポーネントキャリアについてハンドオーバが実行される。
図11A〜図11Dは、図10を用いて説明したシナリオについてさらに説明するための説明図である。
図11Aを参照すると、端末装置100と基地局200aとの間の通信チャネルを形成する3つのコンポーネントキャリアCC1〜CC3が描かれている。図11Aの時点において、基地局200aは、端末装置100のサービング基地局である。また、3つのコンポーネントキャリアのうち、コンポーネントキャリアCC1及びCC2は、ストレートスケジューリング方式に従って運用されている。コンポーネントキャリアCC3は、クロススケジューリング方式に従って運用されている。このような状況において、コンポーネントキャリアCC3について基地局200bへのハンドオーバが必要であると判定されると、まず、コンポーネントキャリアCC3のマスタのコンポーネントキャリアCC2についてハンドオーバが行われる。なお、コンポーネントキャリアCC2についてハンドオーバが必要であると判定された場合も同様である。
図11Bは、コンポーネントキャリアCC2について端末装置100が基地局200aから基地局200bへハンドオーバした後(図10のステップS150の完了後)の時点の状況を示している。図11Bにおいて、端末装置100の3つのコンポーネントキャリアのうち、コンポーネントキャリアCC1及びCC3は基地局200aに接続し、コンポーネントキャリアCC2は基地局200bに接続している。また、コンポーネントキャリアCC2は、基地局200bとの間でもストレートスケジューリング方式で運用されている。一方、コンポーネントキャリアCC3のマスタは、コンポーネントキャリアCC1へ一時的に変更されている。このような拡張キャリアのマスタの変更は、例えば、基地局200aから端末装置100(及び他の端末装置)への変更通知の後、基地局200aが拡張キャリアについてのスケジューリング情報を挿入するチャネルを切り替えることにより行われ得る。
図11Cは、さらにコンポーネントキャリアCC3について端末装置100が基地局200aから基地局200bへハンドオーバした後(図10のステップS170の完了後)の時点の状況を示している。図11Cにおいて、端末装置100の3つのコンポーネントキャリアのうち、コンポーネントキャリアCC1は基地局200aに接続し、コンポーネントキャリアCC2及びCC3は基地局200bに接続している。また、コンポーネントキャリアCC2は、基地局200bとの間の通信チャネルにおいて、コンポーネントキャリアCC3のマスタとなっている。
図11Dは、さらにコンポーネントキャリアCC1について端末装置100が基地局200aから基地局200bへハンドオーバした後の時点の状況を示している。図11Dにおいて、端末装置100の3つのコンポーネントキャリアはいずれも、基地局200bに接続している。
[3−4.第1の実施形態のまとめ]
ここまで、図6〜図11Dを用いて、本発明の第1の実施形態について説明した。本実施形態によれば、キャリアアグリゲーションを伴う無線通信において、クロススケジューリング方式に従う拡張キャリアについてハンドオーバを実行すべきであると判定された場合に、ターゲット基地局においてストレートスケジューリング方式に従って運用されるべきコンポーネントキャリアについてのハンドオーバが最初に実行される。この場合にハンドオーバが最初に実行されるコンポーネントキャリアは、例えば、拡張キャリアのマスタとなるコンポーネントキャリアである。その後、ターゲット基地局においてクロススケジューリング方式に従って運用されるべきコンポーネントキャリアについてのハンドオーバが実行される。このような順序で、拡張キャリアのマスタのコンポーネントキャリアと拡張キャリアとを連続的にハンドオーバさせることにより、スケジューリング情報の逸失又は不整合などの原因でデータのロスが発生するリスクが低減又は排除される。従って、クロススケジューリング方式が行われている状況下においても、シームレスなハンドオーバを実現できる。また、本実施形態では、コンポーネントキャリアごとのスケジューリング情報の配信方式をハンドオーバ手続のために変更しなくてよいため、システムに与えるインパクトも小さい。
<4.第2の実施形態の説明>
次に、図12〜図14Bを用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。
[4−1.端末装置の構成例]
図12は、本実施形態に係る端末装置300の構成の一例を示すブロック図である。図12を参照すると、端末装置300は、無線通信部110、信号処理部150、制御部360及び測定部170を備える。
(制御部)
制御部360は、CPU又はDSPなどの処理装置を用いて、端末装置300の機能全般を制御する。例えば、制御部360は、第1の実施形態に係る制御部160と同様、無線通信部110が基地局400から受信するスケジューリング情報に従って、無線通信部110によるデータ通信のタイミングをコンポーネントキャリアごとに制御する。また、本実施形態において、制御部360は、例えば、測定部170によるメジャメントの結果に応じて、クロススケジューリング方式で運用されている拡張キャリアの品質が低下していると判定される場合には、スケジューリング情報の配信方式の変更の要求を基地局400へ送信する。これは、品質が低下しているコンポーネントキャリアのスケジューリング情報の配信方式をクロススケジューリング方式からストレートスケジューリング方式に変更し、当該コンポーネントキャリアについてのハンドオーバに備えるためである。また、制御部360は、自らスケジューリング情報の配信方式の変更を要求しない場合であっても、基地局400からスケジューリング情報の配信方式の変更が通知された場合には、コンポーネントキャリアの運用の方式を当該通知に従って変更する。これらの他に、制御部360は、図1を用いて説明したハンドオーバ手続における端末装置と同様に、端末装置300を動作させる。
[4−2.基地局の構成例]
図13は、本実施形態に係る基地局400の構成の一例を示すブロック図である。図13を参照すると、基地局400は、無線通信部210、インタフェース部250、CC管理部260及び制御部480を備える。
(制御部)
制御部480は、CPU又はDSPなどの処理装置を用いて、基地局400の機能全般を制御する。例えば、制御部480は、第1の実施形態に係る制御部280と同様、データ通信のための通信リソースを端末装置300及び他の端末装置のために割り当てた後、スケジューリング情報の配信方式に応じたコンポーネントキャリアの制御チャネル上で、スケジューリング情報を配信する。
また、制御部480は、端末装置300による他の基地局へのハンドオーバを制御する。例えば、本実施形態において、制御部480は、拡張キャリアであるコンポーネントキャリアについてハンドオーバを実行すべきであると判定すると、ターゲット基地局により当該コンポーネントキャリアについてのハンドオーバが承認された後、拡張キャリアについてのスケジューリング情報の配信方式を、クロススケジューリング方式からストレートスケジューリング方式へ変更する。また、制御部480は、スケジューリング情報の配信方式の変更を端末装置300へ通知する。また、制御部480は、スケジューリング情報の配信方式の変更の要求が端末装置300から受信された場合には、当該要求に応じてスケジューリング情報の配信方式を変更する。なお、制御部480は、端末装置300からの要求が他の端末装置と競合する場合(例えば、優先度の高い他の端末装置の通信のスループットの低下を招く場合など)には、端末装置300からの要求を拒否してもよい。その後、制御部480は、ハンドオーバを実行すべきであると判定されたコンポーネントキャリアについてハンドオーバを実行する。これらの他に、制御部480は、図1を用いて説明したハンドオーバ手続におけるソース基地局又はターゲット基地局と同様に、基地局400を動作させる。
[4−3.処理の流れ]
次に、本実施形態に係るハンドオーバ手続の2つのシナリオについて説明する。なお、これらシナリオでは、端末装置300、ソース基地局である基地局400a及びターゲット基地局である基地局400bの間でハンドオーバ手続が行われるものとする。また、図1に例示した一般的なハンドオーバ手続のうち端末装置におけるメジャメントまでの手続(ステップS2〜ステップS14)については特別な相違点が無いため、その説明を省略する。
図14Aは、本実施形態に係るハンドオーバ手続の第1のシナリオに沿った流れの一例を示すシーケンス図である
図14Aを参照すると、まず、メジャメントを終えた端末装置300は、基地局400aとの間の通信チャネルの品質をコンポーネントキャリアごとに評価する(ステップS210)。そして、端末装置300は、クロススケジューリング方式で運用されている拡張キャリアの品質が低下していると判定される場合には、当該拡張キャリアについて、スケジューリング情報の配信方式をクロススケジューリング方式からストレートスケジューリング方式に変更する要求を基地局400aへ送信する(ステップS212)。次に、基地局400aは、上記拡張キャリアについて、要求に応じてスケジューリング情報の配信方式を変更し、確認応答を端末装置300へ送信する(ステップS214)。次に、端末装置300は、メジャメントレポートを基地局400aへ送信する(ステップS222)。次に、基地局400aは、メジャメントレポートに基づいてハンドオーバが必要であると判定されるコンポーネントキャリアについて、ハンドオーバ要求メッセージを基地局400bへ送信する(ステップS224)。ここでハンドオーバが必要であると判定されるコンポーネントキャリアは、例えば、ステップS212〜S214においてスケジューリング情報の配信方式がクロススケジューリング方式からストレートスケジューリング方式に変更されたコンポーネントキャリアである。ハンドオーバ要求メッセージを受信した基地局400bは、自ら提供している通信サービスの空き状況などに応じて、端末装置300を受入れることが可能か否かを判定する。そして、基地局400bは、端末装置300を受入れることが可能であると判定すると、ハンドオーバ承認メッセージを基地局400aへ送信する(ステップS226)。ハンドオーバ承認メッセージを受信した基地局400aは、ハンドオーバ命令を、端末装置300へ送信する(ステップS228)。そうすると、ハンドオーバ命令を受信した端末装置300、基地局400a、基地局400b及びMMEの間で、ハンドオーバが実行される(ステップS230)。ステップS230には、例えば、図1を用いて説明した処理と同様に、ターゲット基地局への同期及びランダムアクセス、ハンドオーバ完了メッセージの送信、ルート更新並びに確認応答の送信などが含まれる。
図14Bは、本実施形態に係るハンドオーバ手続の第2のシナリオに沿った流れの一例を示すシーケンス図である。
図14Bを参照すると、まず、メジャメントを終えた端末装置300は、メジャメントレポートを基地局400aへ送信する(ステップS310)。次に、基地局400aは、端末装置300と基地局400aとの間の通信チャネルの品質をコンポーネントキャリアごとに評価する(ステップS312)。次に、基地局400aは、ハンドオーバが必要であると判定されるコンポーネントキャリアについて、ハンドオーバ要求メッセージを基地局400bへ送信する(ステップS324)。ハンドオーバ要求メッセージを受信した基地局400bは、自ら提供している通信サービスの空き状況などに応じて、端末装置300を受入れることが可能か否かを判定する。そして、基地局400bは、端末装置300を受入れることが可能であると判定すると、ハンドオーバ承認メッセージを基地局400aへ送信する(ステップS326)。次に、基地局400aは、ハンドオーバが承認されたコンポーネントキャリアがクロススケジューリング方式で運用されている拡張キャリアである場合には、当該拡張キャリアについて、スケジューリング情報の配信方式をクロススケジューリング方式からストレートスケジューリング方式に変更する旨の通知を端末装置300へ送信する(ステップS330)。次に、基地局400aは、端末装置300から確認応答が受信されると(ステップS332)、上記拡張キャリアについて、スケジューリング情報の配信方式をストレートスケジューリング方式に変更する。そして、基地局400aは、ハンドオーバ命令を、端末装置300へ送信する(ステップS334)。そうすると、ハンドオーバ命令を受信した端末装置300、基地局400a、基地局400b及びMMEの間で、ハンドオーバが実行される(ステップS340)。
[4−4.第2の実施形態のまとめ]
ここまで、図12〜図14Bを用いて、本発明の第2の実施形態について説明した。本実施形態によれば、キャリアアグリゲーションを伴う無線通信において、クロススケジューリング方式に従う拡張キャリアについてハンドオーバを実行すべきであると判定された場合に、当該拡張キャリアについてのスケジューリング情報の配信方式が、ハンドオーバの実行の前にストレートスケジューリング方式へと変更される。その結果、ハンドオーバが最初に実行されるコンポーネントキャリアは、ストレートスケジューリング方式に従って運用されるコンポーネントキャリアとなる。それにより、スケジューリング情報の逸失又は不整合などの原因でデータのロスが発生するリスクが低減又は排除される。また、本実施形態では、拡張キャリアと当該拡張キャリアのマスタのコンポーネントキャリアとを連続的にハンドオーバさせなくてよいため、例えば、マスタのコンポーネントキャリアの品質が良好である場合には、品質の良好な当該コンポーネントキャリアのソース基地局との接続を維持することができる。
<5.第3の実施形態の説明>
次に、図15〜図17を用いて、本発明の第3の実施形態について説明する。
[5−1.端末装置の構成例]
図15は、本実施形態に係る端末装置500の構成の一例を示すブロック図である。図15を参照すると、端末装置500は、無線通信部110、信号処理部150、制御部560及び測定部170を備える。
(制御部)
制御部560は、CPU又はDSPなどの処理装置を用いて、端末装置500の機能全般を制御する。例えば、制御部560は、第1の実施形態に係る制御部160と同様、無線通信部110が基地局600から受信するスケジューリング情報に従って、無線通信部110によるデータ通信のタイミングをコンポーネントキャリアごとに制御する。また、本実施形態において、制御部560は、例えば、クロススケジューリング方式で運用されているコンポーネントキャリアについて基地局600からハンドオーバ命令が受信された場合に、当該コンポーネントキャリアについてターゲット基地局へアクセスする際、新たにストレートスケジューリング方式に従ったコンポーネントキャリアとしてアクセスを行う。即ち、制御部560は、拡張キャリアについての運用方式を、ターゲット基地局へのアクセスに際して、クロススケジューリング方式からストレートスケジューリング方式へと切り替える。この他に、制御部560は、図1を用いて説明したハンドオーバ手続における端末装置と同様に、端末装置500を動作させる。
[5−2.基地局の構成例]
図16は、本実施形態に係る基地局600の構成の一例を示すブロック図である。図16を参照すると、基地局600は、無線通信部210、インタフェース部250、CC管理部260及び制御部680を備える。
(制御部)
制御部680は、CPU又はDSPなどの処理装置を用いて、基地局600の機能全般を制御する。例えば、制御部680は、第1の実施形態に係る制御部280と同様、データ通信のための通信リソースを端末装置500及び他の端末装置のために割り当てた後、スケジューリング情報の配信方式に応じたコンポーネントキャリアの制御チャネル上で、スケジューリング情報を配信する。
また、制御部680は、端末装置500による他の基地局へのハンドオーバを制御する。例えば、本実施形態において、制御部680は、拡張キャリアであるコンポーネントキャリアについてハンドオーバを実行すべきであると判定すると、ターゲット基地局においてストレートスケジューリング方式に従って運用されるコンポーネントキャリアを検出する。ターゲット基地局においてストレートスケジューリング方式に従って運用されるコンポーネントキャリアは、例えば、図5に示したX2インタフェースを介して、又はターゲット基地局からブロードキャストチャネル上で配信されるシステム情報を受信することにより検出され得る。そして、制御部680は、ハンドオーバを実行すべきであると判定された拡張キャリアを、ターゲット基地局においてストレートスケジューリング方式に従って運用されるコンポーネントキャリアにハンドオーバさせるハンドオーバ命令を、端末装置500へ送信する。これらの他に、制御部680は、図1を用いて説明したハンドオーバ手続におけるソース基地局又はターゲット基地局と同様に、基地局600を動作させる。
[5−3.処理の流れ]
図17は、本実施形態に係るハンドオーバ手続の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、図17のシナリオでは、端末装置500、ソース基地局である基地局600a及びターゲット基地局である基地局600bの間でハンドオーバ手続が行われるものとする。また、図1に例示した一般的なハンドオーバ手続のうち端末装置におけるメジャメントまでの手続(ステップS2〜ステップS14)については特別な相違点が無いため、その説明を省略する。
図17を参照すると、まず、端末装置500は、通信チャネルを構成する複数のコンポーネントキャリアについてのメジャメントレポートを基地局600aへ送信する(ステップS420)。次に、基地局600aは、メジャメントレポートに基づいて、拡張キャリアであるコンポーネントキャリアについてハンドオーバを実行すべきであると判定すると、基地局600bにおいてストレートスケジューリング方式に従って運用されるコンポーネントキャリアを検出する(ステップS430)。次に、基地局600aは、検出したコンポーネントキャリアへのハンドオーバを要求するハンドオーバ要求メッセージを基地局600bへ送信する(ステップS444)。ハンドオーバ要求メッセージを受信した基地局600bは、自ら提供している通信サービスの空き状況などに応じて、端末装置500を受入れることが可能か否かを判定する。そして、基地局600bは、端末装置500を受入れることが可能であると判定すると、ハンドオーバ承認メッセージを基地局600aへ送信する(ステップS446)。ハンドオーバ承認メッセージを受信した基地局600aは、ハンドオーバを実行すべきであると判定した拡張キャリアを、ステップS430において検出した基地局600bとの間のコンポーネントキャリアにハンドオーバさせるためのハンドオーバ命令を、端末装置500へ送信する(ステップS448)。そうすると、ハンドオーバ命令を受信した端末装置500、基地局600a、基地局600b及びMMEの間で、スケジューリング方式をクロススケジューリング方式からストレートスケジューリング方式に切り替えながら、ハンドオーバが実行される(ステップS450)。より具体的には、例えば、端末装置500は、拡張キャリアの運用周波数帯をハンドオーバ命令において指定されたコンポーネントキャリアの周波数帯に変更した後、基地局600bとの同期及びランダムアクセスを試行する。そして、ランダムアクセスが成功すると、端末装置500から基地局600bへハンドオーバ完了メッセージが送信され、MMEによりルートが更新される。その後、端末装置500は、基地局600bとの間の新たなコンポーネントキャリア上で、他の装置と通信をすることが可能となる。このとき、新たなコンポーネントキャリアはストレートスケジューリング方式に従ったコンポーネントキャリアであるため、端末装置500は、同じコンポーネントキャリアの制御チャネル上のスケジューリング情報に従って、基地局600bを介する通信を行う。
[5−4.第3の実施形態のまとめ]
ここまで、図15〜図17を用いて、本発明の第3の実施形態について説明した。本実施形態によれば、キャリアアグリゲーションを伴う無線通信において、クロススケジューリング方式に従うコンポーネントキャリアについてハンドオーバを実行すべきであると判定された場合に、当該コンポーネントキャリアについてハンドオーバが実行される。そして、ターゲット基地局においては、ハンドオーバの完了時から当該コンポーネントキャリアがストレートスケジューリング方式に従って運用される。それにより、スケジューリング情報の逸失又は不整合などの原因でデータのロスが発生するリスクが低減又は排除される。また、本実施形態においても、拡張キャリアと当該拡張キャリアのマスタのコンポーネントキャリアとを連続的にハンドオーバさせなくてよいため、例えば、マスタのコンポーネントキャリアの品質が良好である場合には、品質の良好な当該コンポーネントキャリアのソース基地局との接続を維持することができる。
このように、本明細書で説明した3つの実施形態によれば、コンポーネントキャリアごとのハンドオーバの順序が適切に制御されることにより、クロススケジューリングが行われ得る状況下においても、データをロスすることなくハンドオーバを遂行できる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 無線通信システム
100,300,500 端末装置
110 無線通信部(端末装置)
160,360,560 制御部(端末装置)
200,400,600 基地局
210 無線通信部(基地局)
280,480,680 制御部(基地局)

Claims (15)

  1. 複数のコンポーネントキャリアを統合することにより形成される通信チャネル上で無線通信している端末装置による第1の基地局から第2の基地局へのハンドオーバを制御するための方法であって、
    各コンポーネントキャリアについてのスケジューリング情報は、ストレートスケジューリング方式及びクロススケジューリング方式のいずれかに従って端末装置へ配信され、
    前記方法は、
    前記通信チャネルを形成するコンポーネントキャリアについてハンドオーバを実行すべきであると判定された場合に、前記第2の基地局において前記ストレートスケジューリング方式に従って運用される第1のコンポーネントキャリアについての前記第1の基地局から前記第2の基地局へのハンドオーバを、最初に前記端末装置に命令するステップと、
    前記第2の基地局への前記ハンドオーバが行われる前に、前記クロススケジューリング方式に従うコンポーネントキャリアについてのスケジューリング情報の配信方式を、前記クロススケジューリング方式から前記ストレートスケジューリング方式へ変更するステップと、
    を含む、方法。
  2. 前記第1のコンポーネントキャリアについての前記第2の基地局への前記ハンドオーバが行われた後に、前記クロススケジューリング方式に従う前記端末装置と前記第2の基地局との間の第2のコンポーネントキャリアを構成するステップ、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1のコンポーネントキャリアは、前記第2のコンポーネントキャリアについてのスケジューリング情報を配信する制御チャネルを有する、請求項2に記載の方法。
  4. コンポーネントキャリアごとに測定されるチャネル品質に関連する前記判定の基準に基づいて、前記第1の基地局において、前記ハンドオーバを実行すべきか否かを判定するステップ、をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記第1の基地局は、前記第2の基地局により前記ハンドオーバが承認された後、スケジューリング情報の配信方式の前記変更を行う、請求項1に記載の方法。
  6. 複数のコンポーネントキャリアを統合することにより形成される通信チャネル上で基地局との間の無線通信を行う無線通信部と、
    前記無線通信部による第1の基地局から第2の基地局へのハンドオーバを制御する制御部と、
    を備え、
    各コンポーネントキャリアについてのスケジューリング情報は、ストレートスケジューリング方式及びクロススケジューリング方式のいずれかに従って配信され、
    前記制御部は、前記通信チャネルを形成するコンポーネントキャリアについてハンドオーバを実行すべきであると判定された場合に、前記第2の基地局において前記ストレートスケジューリング方式に従って運用される第1のコンポーネントキャリアについての前記第1の基地局から前記第2の基地局へのハンドオーバを、前記第1の基地局からの命令に応じて最初に実行し、
    前記第2の基地局への前記ハンドオーバが行われる前に、前記クロススケジューリング方式に従うコンポーネントキャリアについてのスケジューリング情報の配信方式が、前記クロススケジューリング方式から前記ストレートスケジューリング方式へ変更される、
    端末装置。
  7. 前記制御部は、前記第1のコンポーネントキャリアについての前記第2の基地局への前記ハンドオーバが行われた後に、前記クロススケジューリング方式に従う前記端末装置と前記第2の基地局との間の第2のコンポーネントキャリアを構成する、請求項6に記載の端末装置。
  8. 前記第1のコンポーネントキャリアは、前記第2のコンポーネントキャリアについてのスケジューリング情報を配信する制御チャネルを有する、請求項7に記載の端末装置。
  9. 前記端末装置は、コンポーネントキャリアごとにチャネル品質を測定する品質測定部、をさらに備え、
    前記ハンドオーバを実行すべきかは、コンポーネントキャリアごとに測定される前記チャネル品質に関連する前記判定の基準に基づいて判定される、
    請求項6〜8のいずれか1項に記載の端末装置。
  10. スケジューリング情報の配信方式の前記変更は、前記第2の基地局により前記ハンドオーバが承認された後に行われる、請求項6に記載の端末装置。
  11. 複数のコンポーネントキャリアを統合することにより形成される通信チャネル上で端末装置との間の無線通信を行う無線通信部と、
    前記端末装置による他の基地局へのハンドオーバを制御する制御部と、
    を備え、
    各コンポーネントキャリアについてのスケジューリング情報は、ストレートスケジューリング方式及びクロススケジューリング方式のいずれかに従って配信され、
    前記制御部は、前記通信チャネルを形成するコンポーネントキャリアについてハンドオーバを実行すべきであると判定された場合に、前記他の基地局において前記ストレートスケジューリング方式に従って運用される第1のコンポーネントキャリアについての前記他の基地局へのハンドオーバを最初に前記端末装置に命令し、
    前記制御部は、前記他の基地局への前記ハンドオーバが行われる前に、前記クロススケジューリング方式に従うコンポーネントキャリアについてのスケジューリング情報の配信方式を、前記クロススケジューリング方式から前記ストレートスケジューリング方式へ変更する、
    基地局。
  12. 前記第1のコンポーネントキャリアについての前記他の基地局への前記ハンドオーバが行われた後に、前記クロススケジューリング方式に従う前記端末装置と前記他の基地局との間の第2のコンポーネントキャリアが構成される、請求項11に記載の基地局。
  13. 前記第1のコンポーネントキャリアは、前記第2のコンポーネントキャリアについてのスケジューリング情報を配信する制御チャネルを有する、請求項12に記載の基地局。
  14. 前記制御部は、コンポーネントキャリアごとに測定されるチャネル品質に関連する前記判定の基準に基づいて、前記ハンドオーバを実行すべきかを判定する、請求項11〜13のいずれか1項に記載の基地局。
  15. 前記制御部は、スケジューリング情報の配信方式の前記変更を、前記他の基地局により前記ハンドオーバが承認された後に行う、請求項11に記載の基地局。
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