以下、本発明の具体的な実施の形態について説明する。以下の説明及び図面においては、同一部品には同じ参照符号及び名称を付してある。それらの機能も同様である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。なお、以下の実施の形態では、端末に表示される画像データとは、一般的な画像フォーマットのデータに限らず、最終的に端末に画像として表示されるデータ全般のことをいう。例えば、レイアウトを指定したテキストデータ(表示形式又はレイアウトと、表示される文字列とがXML形式で定義されたデータ等)も、最終的に端末に表示されるときには画像に変換されるので、画像データに含まれる。ただし、以下の説明では、説明を分かりやすくするため、一般的な画像フォーマットにしたがう画像を画像データの例として説明する。
―構成―
図1を参照して、本発明の一実施の形態に係る情報配信システム40は、LAN(Local Area Network)54に接続された情報処理端末50と、インターネット56及びゲートウェイ(図示せず)を介してLAN54に接続され、情報処理端末50に対して電子書籍を配信する配信サーバ52とを含む。
図2を参照して、情報処理端末50は、所定のプログラムを実行することにより情報処理端末50の全体の制御を行なうためのCPU(Central Processing Unit)60と、CPU60に接続されたバス62と、いずれもバス62に接続され、CPU60で実行されるプログラムを記憶するためのROM(Read−Only Memory)64と、CPU60の一時記憶メモリとして動作するRAM(Random Access Memory)66と、プログラムによる処理結果を最終的な表示のための画像データに変換するための表示制御部67と、表示制御部67から出力される画像データを表示するための表示部68と、音声を発するためのスピーカ72と、利用者からの入力操作を受けるための操作部70と、外部の記録媒体から情報を読取るための外部媒体読取部74と、LANへの接続を提供するためのLANインターフェイス76と、LANインターフェイス76を経由して受信したデータ、外部媒体読取部74を介して読取ったデータ、及び各種設定情報を記憶するための記憶部78とを含む。
表示制御部67は、例えば所定の画像フォーマットデータをデコードして表示のための画像データに変換したり、与えられた画像表示コマンドに応じた画像データを生成したり、与えられたテキストデータに対応する文字画像を、指定された大きさで指定された位置にレイアウトした画像データを生成したりする処理を行なう。また、利用者の操作に応じ、ポインタを所定位置に表示したり、画像の一部を反転表示したり、指定された位置に枠を表示したり、指定された領域の画像を指定された倍率で拡大又は縮小したりする処理も表示制御部67が実行するが、以下の説明では説明の煩雑を避けるために表示制御部67による処理を逐一説明することはしない。
情報処理端末50で処理する電子書籍データは、LANインターフェイス76を経由して受信する。また、外部媒体読取部74を用いて外部の記録媒体から読取ってもよい。取込んだ電子書籍データは記憶部78に記憶しておく。
図3を参照して、情報処理端末50は、端末上部中央に配置された表示部68と、端末下端中央部に配置されたスピーカ72とを有する。操作部70は、本実施の形態で電子書籍の画面を順番に閲覧する際の単位となるシーンを、選択されているシーンから1つ前に戻すトリガ信号を発生するためのボタン80と、シーンを1つ先に進めるトリガ信号を発生するためのボタン84と、画面の先頭のシーンに戻るトリガ信号を発生するためのボタン82と、シーン表示を終了させるトリガ信号を発生ための終了ボタン86と、表示部68に表示されるカーソル又はポインタを移動させるための選択ボタン88と、決定ボタン90と、0〜9の数字が割振られたテンキー92とを含む。ボタン84を操作した場合、その操作に応答して所定のトリガ信号が発生され、そのトリガ信号に応答して、選択されてシーンの選択が解除され、表示順序においてそのシーンの次に配置されているシーンが新たに選択されることになる。
テンキー92は、表示部68に表示される画面表示を変更するとき等に用いられる。特に、テンキー92のうち、所定の3つのボタンが、表示モードの切替に用いられる。本実施の形態では、表示モードとしてはノーマルモード、コンバインモード、及びスクロールモードの3つが準備されている。ノーマルモードとは、誌面のレイアウトを活かしたまま、最高で3つの連続するブロックまで並べて記事画像を閲覧できるモードである。コンバインモードとは、連続したブロックの配置において折返しが生じる時など、レイアウトを活かして連続したブロックの表示ができないときに、それらブロックをひとつの画面に組合わせて表示するためのモードである。スクロールモードとは、同じくレイアウトを活かして連続したブロックの表示ができないときに使用される表示モードであって、例えば、ブロック間で折返しが生じた前後のブロックをつなげて、スクロールさせながら読む場合に用いられる。これら表示モードの詳細については後述する。
図4を参照して、電子書籍データは、レイアウト画面を構成するために必要なデータからなる表示シーンデータ100を含む。
表示シーンデータ100は、この表示シーンデータ100を管理するための情報からなる管理情報500、この表示シーンデータ100により表されるレイアウト画面を構成する1又は複数個のブロックを特定するための1又は複数個のブロック情報600、610、…、640、及び表示シーンデータ100により表されるレイアウト画面を閲覧する際の閲覧画面を定義する1又は複数個のシーン情報700、…、800を含む。
本実施の形態では、表示シーンデータ100によって表されるレイアウト画面は、1又は複数個のブロックに分割される。シーン情報の各々は、レイアウト画面を、ブロック単位で表示部68に表示するための、表示順、表示方法等を特定する。
図4を参照して、管理情報500は、レイアウト画面1ページ分の画像データを識別するための画像データ情報領域識別子502と、当該画像データの1ページ分の表示領域を所定の画像として定義するための画像データ情報領域504とを含む。
表示シーンデータ100における先頭のブロック情報600は、ブロックID(識別子)602と、1ページ分の表示領域内において当該ブロックの領域を特定するための始点座標604と終点座標606とを含む。ブロック情報で特定される領域は、始点座標と終点座標とを結ぶ線分を対角線とする矩形領域である。他のブロック情報も、ブロック情報600と同様な構成を持つ。
表示シーンデータ100における先頭のシーン情報700は、そのシーンにより表示されるブロック(これを「現ブロック」と呼ぶ。)を特定するための現ブロックID742と、現ブロックに対し、その直前のブロックとして関連付けられているブロック(これを「前ブロック」と呼ぶ。)を特定するための前ブロックID740と、現ブロックに対し、次に続く領域として関連付けられているブロック(これを「次ブロック」と呼ぶ。)を特定するための次ブロックID744とを含む。前ブロックID740及び次ブロックID744は、それぞれブロックの表示順を特定するためのものである。したがって、表示順においてこのシーンに先行するシーンが存在しないときには前ブロックID740はブランクである。このシーンに後続するシーンが存在しないときには次ブロックID744はブランクである。
シーン情報700はさらに、ノーマルモードにおいてシーン内の前・現・次のブロックを表示部68に表示する際の表示パターンを示すブロック表示フラグ702と、現ブロック内のテキストが横書きか縦書きかを示す縦横書きフラグ704と、このシーンを表示部68に表示するときの表示モードを示す表示モードフラグ706と、スクロールモードにおいてどのブロックをどのように表示すべきかを示すスクロール情報710と、コンバインモードにおいてどのブロックをどこに表示するかを示すコンバイン情報730とを含む。縦横書きフラグ704は、後述するようにシーン画像においてブロックをどの方向に沿って配列すべきかを特定する情報であるということもできる。例えばブロック内の文字が縦書きのときには、ブロックを横方向(文字の配列方向と交差する方向)に並べると文字が読みやすくなる。逆にブロック内の文字が横書きのときには、ブロックを縦方向に配列すると文字が読みやすくなる。画像だけでは各ブロック内の文字が縦書きか横書きかは直ちには判定できないので、このように縦横書きフラグ704を予め適切な値としておくことで、ブロックの配置を適切なものとすることができる。
スクロール情報710は、前ブロック用座標712と、現前ブロック用座標714と、現次ブロック用座標716と、次ブロック用座標718と、スクロールにおける経路点数分の座標情報720とを含む。
前ブロック用座標712は、前ブロックID740で参照されるブロックを、スクロールモードにおいてどの位置に配置するかを示す。現前ブロック用座標714は、現ブロックID742で参照されるブロックの先頭部分を、スクロールモードにおいて画面のどこに配置するかを示す。現次ブロック用座標716は、現ブロックID742で参照されるブロックの後端部分を、スクロールモードにおける画面のどの位置に表示するかを示す。次ブロック用座標718は、次ブロックID744で参照される次ブロックを、スクロールモードにおける画面のどこに配置するかを示す。スクロールにおける経路点数分の座標情報720は、現ブロックID742で参照されるブロックをスクロールモードにおいてスクロール表示するときの、ブロックの表示データの経路点を示す。スクロールにおける経路点の数は、シーン情報が参照する現ブロックの領域の大きさによって異なる。そのため、この座標情報の数はシーン情報によって異なる。
上記した、スクロール情報710に含まれる各座標情報(前ブロック用座標712、現前ブロック用座標714、現次ブロック用座標716、及び次ブロック用座標718)の基準位置は、縦横書きフラグ704の値によって変化する。
縦横書きフラグ704が横書きを表す値(本実施の形態では「0」とする。)である場合、すなわち現ブロックが横書きの文章である場合、前ブロック用座標712、及び現次ブロック用座標716は、表示部68を上下に二等分した上半分の領域内の所定座標である。現前ブロック用座標714、及び次ブロック用座標718は、表示部68を上下に二等分した下半分の領域内の所定座標である。
縦横書きフラグ704の値が「1」である場合、すなわち現ブロックが縦書きの文章である場合、前ブロック用座標712、及び現次ブロック用座標716は、表示部68を左右に二等分した右半分の領域内の所定座標である。現前ブロック用座標714、及び次ブロック用座標718は、表示部68を左右に二等分した左半分の領域内の所定座標である。
コンバイン情報730は、前ブロック用座標732と現ブロック用座標734とを含む。前ブロック用座標732は、前ブロックID740が参照するブロックを、コンバインモードにおける画面の所定の配置位置に合わせるための座標である。現ブロック用座標734は、現ブロックID742が参照するブロックを、コンバインモードにおける画面の所定の配置位置に合わせるための座標である。
上記した、コンバイン情報730に含まれる各座標情報(前ブロック用座標732、及び現ブロック用座標734)の基準位置は、縦横書きフラグ704の値によって変化しない。前ブロック用座標732は、表示部68を上下に二等分した上半分の領域内の所定座標である。現ブロック用座標734は、表示部68を上下に2等分した下半分の領域内の所定座標である。
表示シーンデータ100に含まれる他のシーン情報も、シーン情報700と同様な構成を持つ。
ここで、誌面データ表示におけるノーマルモード、コンバインモード、及びスクロールモードについて説明する。ここでは、横書きの原稿で構成された誌面を用いる。図8を参照して、表示シーンデータ100で表される誌面350は、誌面全体を示すブロック301を含む。ブロック301はさらに、ブロック302〜ブロック306に分割される。ここでは、利用者によりブロック304が選択されたとする。
以下、現ブロックIDとしてブロック304のIDを持つシーン情報を単に「現ブロック304を持つシーン情報」と呼ぶ。この呼び方は、ブロックの大きさに関わらず使用される。また、同様にして、現ブロック304を持つシーン情報に基づいて表示されるシーンを「現ブロック304に対応するシーン」と呼ぶ。
図9は、現ブロック304を持つシーン情報をノーマルモードで表した画面351を表す図である。図9を参照して、ブロック304は、ブロック304を分割した領域であるブロック307〜ブロック315を含む。ブロック307は、見出しを表すブロックである。ブロック308〜ブロック313は、記事部分の表示をいくつかに分割した領域を表すブロックである。ブロック314及びブロック315は、写真等のイメージデータを表すブロックである。
図9を例にして、誌面データの表示モードについて説明する。ノーマルモードとは、誌面のレイアウト情報を残したまま記事画像を閲覧するモードである。図10を参照して、現ブロック308を持つシーン情報を表示する場合、ノーマルモードにおいては、現ブロック308と前ブロックであるブロック307とを含む領域がレイアウトに従って表示される。この領域内に他のブロックが存在していれば、それらも同時に表示される。このとき、これらブロックの表示時の大きさが表示部68のサイズに合うように(フィットするように)、表示倍率が調整される。同様に図11は、現ブロック309を持つシーン情報をノーマルモードで表示した画面354である。ブロック309の前ブロックであるブロック308は記事部分の画像であり、ブロック309と横サイズが同じである。そのため、画面354では、図11のようにブロック308とブロック309のみが拡大され表示される。
コンバインモードは、ブロック310とブロック311とのように連続したブロックの配置において折返しが生じる時等に、異なるブロック同士をひとつの画面に組合わせて表示するためのモードである。ノーマルモードは誌面レイアウト情報を残して表示するため、例えば、図9のブロック310とブロック311とのように、横組原稿で折返しが生じた時、現ブロック311を持つシーン情報のノーマルモード表示では、誌面レイアウトにしたがってブロック310とブロック311とが横に並んで表示される。そのため、表示倍率がそれまでのシーン表示と異なり、利用者にとって見づらくなる。なお、このようにブロックが横に並べられて表示されるのは、文字が縦書きになっているためである。文字が横書きの場合には、後述するようにブロックを縦に並べることが望ましい。
図13は、現ブロック311を持つシーン情報をコンバインモードで表示した画面358である。図13を参照すると、ブロック310及びブロック311が、それらの横幅の最大長が表示部68の横のサイズにフィットするように、かつ現ブロック311の全体が表示されるように表示倍率が変更されて上下に並んで表示される。その結果、利用者は快適に記事を閲覧することができる。
スクロールモードは、例えば、ブロック間で折返しが生じた前後のブロックをつなげて、スクロールさせながら読む場合に用いるモードである。図14は、現ブロック312を持つシーン情報をスクロールモードで表示した画面360である。図14を参照して、画面360では、現ブロック312の開始部分(先頭部分)と前ブロック311の後半部分とが、所定の間隔をあけて表示される。このときのブロックの表示倍率は、前ブロック311、現ブロック312、及び現ブロックの直後のブロックの横幅のうち最大のものが表示部68の横のサイズにフィットするように調整される。この画面で画面スクロールを指示すると、現ブロック312がスクロール表示され現ブロック312の開始部分以降の内容を閲覧することができる。表示データにおけるブロック領域は予め定められており、そのブロックはレイアウト及びブロックに含まれる記事内容を考慮して設定される。そのため、ブロック領域は一定ではなく、領域の小さいブロック、大きいブロックが混在する。スクロールモードを用いてそれら前後のブロックを繋げて表示することで、利用者にとってシーン変更の手間が少なくなり、快適に記事を閲覧することができる。
図5は、情報処理端末50で実行される、表示シーンデータ100により表わされる画像の表示動作を実現するためのプログラムの制御構造を示す。このプログラムは、利用者により画像表示が指示されたときに実行される。図5を参照して、このプログラムは、表示シーンデータ100から最初のシーン情報を読取るステップ202と、ステップ202に続いて実行され、取得したシーン情報に基づき、そのシーン情報に含まれる現ブロックIDで示されるブロックの画像(シーン)を表示部68の表示サイズに合わせて調整して表示するステップ204と、ステップ204に続いて実行され、利用者からシーン切替操作を受けたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ206とを含む。
ステップ202で取得する最初のシーン情報は、現ブロック301を持つシーン情報である。この時、ステップ204によって、表示部68には図8に示す誌面350が表示される。このシーン情報の前ブロックIDはブランクであり、ブロック表示フラグには、現ブロック(ブロック301)のみを表示するように指定されている。図8において、誌面350はブロック302〜ブロック306を含む。利用者は操作部70を用いて、これらのブロックのいずれかを直接選択するか、又は現ブロックに関連付けられた前後のブロックに移動するための操作を行なうことでシーン切替操作を行なう。
このプログラムはさらに、ステップ206で切替操作を受けた(YES)と判定されたときに実行され、ボタン84(「進む」ボタン)が押されたかを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ208と、ステップ208でNOと判定された場合に実行され、ボタン80(「戻る」ボタン)が押されたかを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ210と、ステップ210でNOと判定された場合に実行され、選択ボタン88と、決定ボタン90とによって移動先のブロックが選択されたか否かを判定して、制御の流れを分岐させるステップ212と、ステップ212でNOと判定された場合に実行され、ボタン82(「先頭」ボタン)が押されたかを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ214と、ステップ214でNOと判定された場合に実行され、終了ボタン86が押されたかを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ216とを含む。ステップ216でNOと判定された場合、制御はステップ208に戻る。ステップ216でYESと判定された場合は、このプログラムを終了する。
このプログラムはさらに、ステップ208でYESと判定された(「進む」ボタン84が押された)場合に実行され、表示されているシーン情報に含まれる次ブロックIDを現ブロックIDとして持つシーン情報を取得するステップ220と、ステップ210でYESと判定された(「戻る」ボタン80が押された)場合に実行され、表示されているシーン情報に含まれる前ブロックIDを現ブロックIDとして持つシーン情報を取得するステップ222と、ステップ212でYESと判定された(ブロックが直接に選択された)場合に実行され、選択されたブロックが持つブロックIDを現ブロックIDとして持つシーン情報を取得するステップ224と、ステップ214でYESと判定された(「先頭」ボタン82が押された)場合に実行され、最初のシーン情報を取得するステップ228とを含む。ステップ228実行後、制御はステップ204に進む。
このプログラムはさらに、ステップ220、ステップ222、及びステップ224のいずれかの処理に続いて実行され、各ステップにおいてシーン情報を取得したか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ230と、ステップ230でシーン情報を取得した(YES)と判定された場合に実行され、取得したシーン情報のノーマルモードの表示画像を生成し、サイズ調整をして表示部68に表示するステップ232と、ステップ232に続いて実行され、利用者から表示モードの切替操作を受けたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ234と、ステップ234でYESと判定された場合に実行され、コンバインモードが選択されたかを判定し判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ236と、ステップ236でYESと判定された場合に実行され、コンバインモードでの表示処理を行なうステップ238と、ステップ236でNOと判定された(コンバインモードが選択されたのではない)場合に実行され、スクロールモードでの表示処理を行なうステップ240とを含む。ステップ234でNOと判定された(表示モードの切替操作がされていない)場合、制御はステップ206に戻る。ステップ238又はステップ240実行後、制御はステップ206に戻る。ステップ230でシーン情報が取得できない(NO)と判定された場合は、このプログラムを終了する。
ステップ232で、取得されたシーン情報をノーマルモードで表示する処理は以下のように行なわれる。取得したシーン情報が現ブロックIDのみを含む場合、現ブロックIDに対応するブロックの表示領域が表示画像に設定される。シーン情報に、現ブロックIDに加えて前ブロックID及び次ブロックIDを含む場合は、ブロック表示フラグの値にしたがって以下のような表示を行なう。ブロック表示フラグには、シーン情報のノーマルモード表示における表示パターンが記憶されている。表示パターンとしては、例えば、シーン情報に含まれる現ブロックID及び前ブロックIDに対応するブロックを同時に表示するパターン、シーン情報に含まれる現ブロックID、前ブロックID、及び次ブロックIDにそれぞれ対応するブロックを同時に表示するパターン等がある。シーン情報に複数のブロックIDを含む時の表示画像は、ブロック表示フラグの設定にしたがって、表示されるブロックの表示領域を全て含むように作成される。このように作成された表示画像は、表示部68の表示サイズに合うようにサイズ調整が行なわれ表示される。
図6を参照して、図5のステップ238で実行される、コンバインモードでの処理を実現するためのプログラムは、当該シーン情報からコンバイン情報を取得するステップ260と、ステップ260に続いて実行され、シーン情報に含まれる前ブロックIDで参照されるブロックの表示領域の画像を、コンバイン情報の前ブロック用座標で指定される(前ブロック)領域にサイズを調整して配置するステップ262と、ステップ262に続いて実行され、シーン情報に含まれる現ブロックIDで参照されるブロックの表示領域の画像を、コンバイン情報の現ブロック用座標で指定される(現ブロック)領域にサイズを調整して配置するステップ264と、ステップ264に続いて実行され、ステップ262及びステップ264で配置された画像を含んだシーン表示画像を表示部68に表示するステップ266と、ステップ266に続いて実行され、利用者からシーン切替操作を受けるまで待機するステップ268とを含む。ステップ268でYESと判定された場合は、制御は図5に示すプログラムのステップ206に進む。
図7を参照して、図5のステップ240で実行される、スクロールモードでの処理を実現するためのプログラムは、現在表示中のシーンのシーン情報からスクロール情報を取得するステップ270と、ステップ270に続いて実行され、スクロール情報に含まれる前ブロック用座標と現前ブロック用座標とを用いて、前ブロックの後半と現ブロックの前半とを組合せたシーン表示画像を表示部68に表示するステップ272とを含む。
ステップ272で、前ブロックの後半と現ブロックの前半とを組合せたシーン表示画像を作成する処理は、以下のように行なわれる。前ブロック画像については、シーン情報に含まれる前ブロックIDで参照される表示領域の画像の終点座標方向から、スクロールモードの前ブロックの表示領域分だけが切取られ、前ブロック用座標で指定される位置に前ブロック画像として配置される。現ブロック画像については、シーン情報に含まれる現ブロックIDで参照される表示領域の画像の始点座標方向から、スクロールモードの現前ブロックの表示領域分だけが切取られ、現前ブロック用座標で指定される位置に現ブロック画像として配置される。こうして配置された2つの画像がシーン表示画像として表示される。ステップ272で表示されるシーンを、スクロールの開始画面と呼ぶ。
このプログラムはさらに、ステップ272に続いて実行され、利用者から画面のスクロール操作を受けたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ274と、ステップ274でYESと判定された(スクロール操作を受けた)場合に実行され、そのスクロール方向が順方向(現ブロックにおける始点座標から終点座標に向かう方向)か否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ276と、ステップ276でYESと判定された(スクロール方向は順方向である)場合に実行され、現在表示されている画面が最終画面か否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ280と、ステップ280でNO(最終画面ではない)と判定された場合に実行され、現ブロックを順方向にスクロールして表示するステップ284と、ステップ280でYES(最終画面である)と判定された場合に実行され、現ブロックの後半と次ブロックの前半とを組合せたシーン表示画像を表示するステップ282とを含む。ステップ282又はステップ284を実行後、制御はステップ274に戻る。
ステップ282で、現ブロックの後半と次ブロックの前半とを組合せたシーン表示画像を作成する処理は、以下のように行なわれる。現ブロック画像については、シーン情報に含まれる現ブロックIDで参照される表示領域の画像の終点座標方向から、スクロールモードの現次ブロックの表示領域分だけが切取られ、現次ブロック用座標で指定される位置に現ブロック画像として配置される。次ブロック画像については、シーン情報に含まれる次ブロックIDで参照される表示領域の画像の始点座標方向から、スクロールモードの次ブロックの表示領域分だけが切取られ、次ブロック用座標で指定される位置に次ブロック画像として配置される。こうして配置された2つの画像がシーン表示画像として表示される。ステップ282で表示されるシーンを、スクロールの最終画面と呼ぶ。
ステップ284の現ブロックの順方向スクロール処理は以下の様に行なわれる。シーン情報には現ブロックのスクロール表示における経路点及び経路点の座標情報が含まれている(図4参照)。経路点及び経路点座標は、縦横書きフラグに対応して、表示するブロックの改行方向に沿って順番に配置される。この時、経路点はブロックの始点位置及び終点位置に対応する経路点及び経路点座標を含むものとする。順方向スクロールを行なう場合には、ブロックの始点から終点方向に向かって順番に配置される経路点及び経路点座標を参照する。現ブロックにおいて、前に実行された順方向スクロール処理で参照された経路点の次の経路点を参照し、その間の経路点間領域の矩形画像を取出す。画面上では、現ブロックの経路点の位置に続いて取出された矩形画像が挿入され、その矩形画像のサイズ分だけ画面がスクロール表示される。順方向スクロール処理が繰返され、終点位置に対応する経路点が選択されている時に順方向スクロール処理が指示された場合は、ステップ282と同様の処理を行ない、最終画面を表示する。
このプログラムはさらに、ステップ276でNO(逆方向のスクロール指示を受けた)と判定された場合に実行され、現在表示されている画面がスクロールの開始画面か否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ286と、ステップ286でNO(開始画面ではない)と判定された場合に実行され、現ブロックを逆方向にスクロールして表示するステップ290と、ステップ286でYES(開始画面である)と判定された場合に実行され、前ブロックの後半と現ブロックの前半とを組合せたシーン表示画像を表示するステップ288とを含む。ステップ288又はステップ290を実行後、制御はステップ274に戻る。
ステップ288で表示される、前ブロックの後半と現ブロックの前半とを組合せたシーン表示画像は、ステップ272と同じような処理手順で作成できる。
ステップ290の現ブロックの逆方向スクロール処理は以下の様に行なわれる。逆方向スクロールを行なう場合には、終点側から始点側に経路点をたどる。現在の経路点から見て、画面上の画像に含まれる経路点で始点位置側にある経路点を検出し、現ブロックにおいて、検出した経路点とその経路点より1つ始点側にある経路点との経路点間領域に対応する矩形画像を取出す。画面上では、始点位置に近い経路点の前に取出した矩形画像が挿入され、その画像サイズ分だけスクロール表示される。逆方向スクロール処理が繰返され、始点位置に対応する経路点を含む画像が表示されている時に逆方向スクロール処理が指示された場合は、ステップ288と同様の処理を行ない、スクロールの開始画面を表示する。
このプログラムはさらに、ステップ274でNOと判定された(スクロール操作を受けなかった)場合に実行され、利用者からシーン変更操作を受けたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ278を含む。ステップ278でNOと判定された(シーン変更操作を受けなかった)場合、制御はステップ274に戻る。ステップ278でYESと判定された(シーン変更操作を受けた)場合、制御は図5に示すプログラムのステップ206へ進む。
―動作―
本実施の形態に係る情報処理端末50は以下のように動作する。
ここでは、情報処理端末50は、配信サーバ52から記事のレイアウト情報を含んだ表示シーンデータ100を既に受信しているものとする。
情報処理端末50は、利用者から受信データの表示指示を受けると、表示シーンデータ100から、誌面全体を表すブロックのブロックIDを現ブロックIDとして持つシーン情報(「最初のシーン情報」と呼ぶ。)を取得する(ステップ202)。情報処理端末50は、このシーン情報の現ブロックIDで示されるブロックの画像を表示部68の表示サイズに合わせて調整し表示する(ステップ204)。
以下、利用者が行なうシーン切替操作は、「進む」ボタン84を押す、「戻る」ボタン80を押す、選択ボタン88及び決定ボタン90を用いて表示している画像に含まれるブロックのいずれかを選択する、「先頭」ボタン82を押す、及び終了ボタン86を押す、のいずれかである。利用者が「進む」ボタン84を押すと、現在のシーン情報の次ブロックIDがブランクでなければ次ブロックIDを現ブロックIDとしてもつシーンが表示される。利用者が「戻る」ボタン80を押すと、現在のシーン情報の前ブロックIDがブランクでなければその前ブロックIDを現ブロックIDとして持つシーンが表示される。利用者が選択ボタン88及び決定ボタン90を用い、表示されている画像に含まれるブロックのいずれかを選択すると、そのブロックのブロックIDを現ブロックとして持つシーンが表示される。利用者が「先頭」ボタン82を押すと最初のシーン情報のシーンが表示される。利用者が終了ボタン86を押すと、シーン表示が終了する。なお、何らかの操作が行なわれたときに、その操作により特定される次ブロックID、前ブロックID等がブランクであったときには、操作誤りを表示する。以下の説明では、動作の説明を明確にするために、そのような場合の動作については記載しない。
情報処理端末50は、利用者からシーン切替操作を受けたと判定すると(図5のステップ206でYES)、上記のいずれの操作がされたかを判定する。
最初のシーン情報の画面表示が選択された場合(ステップ214でYES)、最初のシーン情報が取得され表示部68に最初のシーンが表示され、既に説明した処理が実行される(ステップ228からステップ204)。
次のシーンの表示が選択された場合(ステップ208でYES)、情報処理端末50は、表示部68に表示されているシーンのシーン情報から次ブロックIDを取出し、その次ブロックIDを現ブロックIDとして持つシーン情報を取得する(ステップ220)。
前のシーンの表示が選択された場合(ステップ210でYES)、情報処理端末50は、表示部68に表示される画像のシーン情報から前ブロックIDを取出し、その前ブロックIDを現ブロックIDとして持つシーン情報を取得する(ステップ222)。
表示されている画面上のブロックのいずれかが直接に選択された場合(ステップ212でYES)、情報処理端末50は、選択されたブロックに対応するブロックIDを取出し、そのブロックIDを現ブロックIDとして持つシーン情報を取得する(ステップ224)。
ステップ220、ステップ222、及びステップ224のいずれかを実行後、情報処理端末50は、シーン情報が取得されたか否かを確認する(ステップ230)。シーン情報が取得された場合、そのシーン情報にしたがった画像が表示部68にノーマルモードで表示される(ステップ232)。表示されるブロックの数は、表示フラグの値によって異なり、最小で1、最大で3である。
このように、新たなシーンが表示されたとき、利用者の行なえる操作は大きく分けて2通りある。第1番目は、上記したシーン切替操作である。2番目は、表示されているシーンの表示モードを切替える操作である。シーン切替操作については前述したとおりであるからここでは繰返さない。表示モード切替操作は、表示された画像が見づらかったり、他の表示モードを試して見たいときに行なう操作である。以下、表示モード切替操作について説明する。
シーン情報の表示モードをコンバインモードに切替える操作が行なわれると(ステップ234及びステップ236でYES)、情報処理端末50は、表示されている画像のシーン情報のコンバイン情報、前ブロックID、及び現ブロックIDを用いて、現ブロックを中心とするコンバインモードの表示画像を作成する(ステップ238)。コンバインモードの表示画像では、前ブロックIDによって指定されるブロックの画像が、コンバイン情報で指定される前ブロック領域にサイズ調整をして配置され(ステップ260、ステップ262)、現ブロックIDによって指定されるブロックの画像がコンバイン情報で指定される現ブロック領域にサイズ調整をして配置される(ステップ264)。シーン情報をコンバインモードで表示することで、レイアウト上で離れて配置されている2つのブロックの画像を並べて見ることができる。
利用者によりスクロールモードへの表示切替が指示されると(ステップ234でYES,ステップ236でNO)、情報処理端末50は、表示されている画像のシーン情報のスクロール情報、縦横書きフラグ、前ブロックID、現ブロックID、及び次ブロックIDを用いてスクロールモード処理を実行する(ステップ240)。スクロールモード処理が実行されると、情報処理端末50は、シーン情報からスクロール座標を取得し(ステップ270)、前ブロックIDで参照されるブロックの後半部分と、現ブロックIDで参照されるブロックの前半部分とを組合せて、スクロールの開始画面を表示する(ステップ272)。
この時、縦横書きフラグが参照される。縦横書きフラグの値が「0」である場合は、前ブロックIDの画像は表示部68を上下に分割した上側に配置され、現ブロックIDの画像は表示部68の下側に配置される。画面のスクロール方向は上下方向になる。縦横書きフラグの値が「1」である場合は、前ブロックIDの画像は表示部68を左右に分割した右側に配置され、現ブロックIDの画像は表示部68の左側に配置される。後述する画面のスクロール方向は左右方向になる。
スクロールを行なおうとする場合、利用者は図2に示す選択ボタンを操作する。利用者により、順方向(文章における改行方向)のスクロールが指示されると(ステップ276でYES)、画面が最終画面であるかを判定する(ステップ280)。最終画面でない場合は、表示部68の画面を順方向にスクロールさせる(ステップ284)。順方向のスクロールを繰返し、現ブロックIDに対応するブロックの後半部分と、次ブロックIDに対応するブロックの前半部分が表示されたら、その画面をスクロールの最終画面とし、それ以上順方向のスクロールを行なわない(ステップ280でYES、ステップ282)。
利用者により、逆方向のスクロールが指示されると(ステップ276でYES、ステップ276でNO)、画面が開始画面であるかを判定する(ステップ286)。開始画面でない場合は、表示部68の画面を逆方向にスクロールさせる(ステップ290)。逆方向のスクロールを繰返し、現ブロックIDに対応するブロックの前半部分と、前ブロックIDに対応するブロックの後半部分とがともに表示されたら(スクロールの開始画面が表示されたら)、それ以上逆方向のスクロールを行なわない(ステップ286でYES、ステップ288)。
表示終了が選択された場合(ステップ216でYES)、及びシーン切替操作においてシーン情報が取得できなかった場合(ステップ230でNO)、このプログラムの実行は終了される。
[横書き記事で構成された誌面の表示動作例]
図8〜図17を用いて、情報処理端末50における、横書き記事で構成された誌面の表示動作例について説明する。
図8は、横書き記事で構成された誌面350が最初に表示された状態を表す図である。誌面350は全体として1つのブロック301を構成している。この誌面350はさらに、小さなブロック302,303,304,305及び306等に分割されている。
ここで、利用者が、選択ボタン88及び決定ボタン90を用いてブロック304を選択したものとする。情報処理端末50は、現ブロック304を持つシーン情報を取得し、ブロック304に対応するシーンをノーマルモードで表示する。
図9は、現ブロック304に対応するシーンをノーマルモードで表した画面351を表す。図9を参照して、ブロック304はさらにブロック307,308,309,301,311,312,313,314及び315に分割されているものとする。これらの中で、ブロック307−313については、この順番で表示が行なわれるように、各ブロックに対応するシーン情報の前ブロックID、現ブロックID、及び次ブロックIDの値が決められている。
ここで利用者が、ブロック308を直接に選択したものとする。情報処理端末50は、現ブロック308を持つシーン情報を取得し、そのシーン情報にしたがってノーマルモードで現ブロック308に対応するシーンを表示する。
図10は、現ブロック308を持つシーン情報をノーマルモードで表した画面352を表す。このシーンのシーン情報では、ブロック表示フラグは、前ブロックと現ブロックとの画像を表示するように設定されている。したがって、このシーンでは、現ブロックとしてブロック308が、前ブロックとしてブロック307が、それぞれ表示される。この画面352ではブロック307及びブロック308以外のブロックも表示されているが、これはレイアウトを活かしてブロック307及びブロック308を表示しようとしたためである。なお、説明を簡明にするため、以下ではブロック表示フラグは常に前ブロックと現ブロックとを表示する値に設定されているものとする。
この画面352において、利用者が「進む」ボタン84を押して次シーンの表示を選択したものとする。情報処理端末50は、現ブロック308を持つシーン情報の次ブロックIDを参照して、現ブロック309を持つシーン情報を取得し、ブロック309に対応するシーンをノーマルモードで表示する。
図11は、現ブロック309を持つシーン情報をノーマルモードで表した画面354を表す。画面354は、ブロック308及びブロック309の画像を含む。画面354においては、両ブロックが上下に連続しているため、ノーマルモードで表示すると画面の全体を使用してこれらブロックを表示できる。
この状態で、利用者がさらに次シーンの表示を選択したものとする。情報処理端末50は、現ブロック309を持つシーン情報の次ブロックIDを参照して、現ブロック310を持つシーン情報を取得する。
図12は、現ブロック310を持つシーン情報をノーマルモードで表した画面356を表す。図12を参照して、ノーマルモードの画面356では、ブロック309及び310が表示されている。画面354はノーマルモードであるため、シーン情報に含まれないブロック314も表示されている。
画面356において、利用者が次シーンの表示を選択すると、ブロック311を現ブロックとして持つ画面に遷移する。しかし、図9に示すように、ブロック311とその前ブロックのブロック310とは、上下に並んだ関係ではなく、ノーマルモードとして表示するとこれらブロックは小さく表示されることになる。そこで、利用者がコンバインモードを選択した場合を想定する。
図13は、現ブロック311に対応するシーンをコンバインモードで表した画面358を表す。コンバインモードでは、もともとのレイアウトでは横に並んでいた前ブロック310と現ブロック311とが縦に配列され、サイズも調整されて表示される。そのため、ノーマルモードと比較して各ブロックの表示サイズは大きくなり、内容を簡単に確認することができる。
図13に示される状態で、利用者がさらに次のシーンに進む操作を行なったものとする。この場合には、現ブロック312に対応するシーンが表示される。しかし、図9に示されるように、もともとのレイアウトでは現ブロック312と前ブロック311とが横に並んでいる上、現ブロックの縦サイズは前ブロックの縦サイズよりもかなり大きい。したがって、ノーマルモードで現ブロック312に対応するシーンを表示すると、文字が小さくなってしまい、内容を確認することが難しくなる。そこで、利用者はこの場合にはスクロールモードを選択するものとする。
図14は、現ブロック312に対応するシーンをスクロールモードで表した時のスクロールの開始画面360を表す。現ブロック312は横書きなので、現ブロック312を持つシーン情報の縦横書きフラグの値は「0」である。また、前ブロックIDとしてブロック311のブロックIDが、次ブロックIDとしてブロック313のブロックIDが、それぞれシーン情報に保持されている。したがってスクロール開始画面では、図14に示されるように、前ブロック311の後半部分の画像が上段に配置され、ブロック312の前半部分の画像が下段に配置される。この状態では、いずれのブロックの文字も読みやすい大きさで表示される。
図14に示される状態で利用者が順方向スクロールを指示したものとする。表示は図15に示される状態に遷移する。図15を参照して、順方向スクロール時を行なった結果、この例ではブロック311の後半部分はスクロールによって見えなくなり、ブロック312の画像のみが表示される。さらに利用者が順方向スクロールを指示すると表示は図16に示されるスクロールの最終画面に遷移する。
図16は、現ブロック312に対応するシーンをスクロールモードで表した時のスクロールの最終画面364を表す。図16を参照して、ブロック312の後半部分の画像が画面の上段に配置され、次ブロックであるブロック313の前半部分の画像が下段に配置されている。この状態でも、いずれのブロックの文字も読みやすく確認しやすい状態である。
スクロール最終画面364において、利用者が次シーンの表示を指示したものとする。表示は、ブロック313に対応するシーンの画面に遷移する。
図17は、ブロック313に対応するシーンのノーマルモードでの画面368を表す。画面368では、現ブロック313が下段に表示され、前ブロック312の後端部分が上段に表示される。
図14〜図16に示されるように、情報処理端末50は、スクロールモードを用いることで、現ブロック312に対応するシーンでは、前・現・次ブロックIDで参照されるブロックの画像を連続して表示できる。現ブロック312を持つシーン情報の次のシーン情報を取得し、ノーマルモードで表示した時も、前ブロックIDで参照されるブロック312の画像の後端部分を閲覧できる。その結果、利用者は、ブロック画像の境目を気にせず情報を読み進めていくことができる。
[縦書き記事で構成された誌面の表示動作例]
図18〜図28を用いて、情報処理端末50における、縦書き記事で構成された誌面の表示動作例について説明する。縦書記事の場合には、各シーン情報の縦横書きフラグの値は「1」である。
図18は、縦書き記事で構成された例としての誌面450を表す図である。図18を参照して、誌面450は、誌面全体を表すブロック401を含む。ブロック401はさらに、ブロック402〜ブロック412に分割される。利用者は、この画面において選択ボタン88及び決定ボタン90を用いて任意のブロックを選択できる。ここでは、ブロック403を選択したものとする。
図19は、ブロック403に対応するシーンをノーマルモードで表した画面451を表す。図19を参照して、ブロック403は、ブロック413〜ブロック422を含む。ブロック413は見出しブロックであり、ブロック414〜ブロック420は、記事部分の画像をいくつかの領域に分割したブロックである。ブロック414〜ブロック420はこの順番で表示される。すなわち、これらブロックの前ブロックID、現ブロックID及び次ブロックIDは、各ブロックがこの順番で表示されるような値に設定されている。ブロック421及びブロック422は、イメージデータが表示されるブロックである。
画面451において、利用者がブロック414を選択したものとする。表示は図20に示される状態に遷移する。
図20は、ブロック414に対応するシーンをノーマルモードで表した画面452を表す。図20に示されるように、この例では前ブロック413が現ブロック414とともに表示される。これらはいずれも縦長のブロックで、その高さがほぼ等しいのでこのようにノーマルモードで表示しても特に問題はない。
ここで、利用者が次シーンの表示を選択したものとする。表示は図21に示される状態に遷移する。図21を参照して、ブロック415に対応するシーンの画面454では、現ブロックとしてブロック415が表示され、前ブロックとしてブロック414が表示される。この例ではブロック414の高さがブロック415よりかなり高いが、いずれも文字が縦書きなので、ブロック414においてもブロック415においても文字を読み取ることは容易にできる。したがって利用者はあえてコンバインモードに変更する必要はない。コンバインモードに変更した場合には、かえって読みづらい表示となってしまう。ここでは周囲のブロックも同時に表示されるが、読みやすさに特に影響はあたえない。
さらに、利用者が次シーンの表示を選択したものとする。表示は図22に示される状態に遷移する。図22を参照して、ブロック416に対応するシーンの画面456では、ブロック416と前ブロックであるブロック415とがノーマルモードで表示される。図22に示すように、いずれのブロックも横幅がひとしいので、表示倍率を適切に調整することでこれら2ブロックのみをノーマルモードで表示できる。文字サイズも大きくなり、字は容易に確認できる。
さらに利用者が次シーンの表示を選択したものとする。表示は図23に示す画面458に遷移する。画面458では、現ブロックとしてブロック417が、前ブロックとしてブロック416が、ノーマルモードで図22と同様に表示される。ただし、ブロックの縦横比の関係で、ブロック417の下に、レイアウトにしたがって配置されたブロック421の一部が表示される。
ここでさらに利用者が次シーンの表示を指示したものとする。次シーンはブロック418に対応するシーンである。しかし、図19を参照すると分かるように、ブロック418とその前ブロックに相当するブロック417とはレイアウト上で離れている。したがって両者をノーマルモードで表示すると見づらい画面になってしまう。そのためこの場合利用者は、コンバインモードを選択するものとする。画面は図24に示される状態に遷移する。
図24を参照して、ブロック418に対応するシーンをコンバインモードで表示した画面460では、前ブロック417と現ブロック418とが上下に配列されて表示される。いずれのブロックの大きさも適度に拡大されるため、その中の文字を容易に確認できる。
さらに利用者が次シーンの表示を指示したものとすると、ブロック419に対応するシーンがノーマルモードで表示される。しかし、図19から明らかなように、現ブロック419の横幅は前ブロック418の横幅に比してかなり大きい。そのためノーマルモードでは文字が小さくなり、内容を容易に確認できない。こうした場合には利用者はスクロールモードを指定する。
図25に、ブロック419に対応するシーンをスクロールモードで表示したときの、スクロールの開始画面462を示す。現ブロック419を持つシーン情報は、現ブロックIDとしてブロック419のブロックIDを、前ブロックIDとしてブロック418のブロックIDを、次ブロックIDとしてブロック420のブロックIDを、それぞれ持つ。スクロール開始画面では、ブロック418の後半部分が画面の右領域に、ブロック419の先頭部分が左領域に、それぞれ並んで表示される。したがって、ブロック419の先頭部分を読んでいるときに、その直前の情報を簡単に確認することができる。
この状態で利用者が順方向スクロールを指示したものとする。表示は図26に示される状態に遷移する。図26を参照して、順方向スクロールを行なった結果、ブロック418の後半部分はスクロールによって見えなくなり、ブロック419の画像のみが表示されている。文字の大きさはスクロール開始画面と同じであり、内容を確認することは容易である。
利用者がさらに順方向スクロールを指示すると、表示は図27に示されるスクロール最終画面466に遷移する。図27を参照して、スクロール最終画面466では、ブロック419が右側領域に、次ブロックであるブロック420が左側領域に、並んで表示される。このようにスクロールの最終部分と次のブロックとが読む方向に沿って並んで配置されるため、利用者はレイアウト画面上では互いに離れている部分を連続して読み進めることができる。
この画面466で利用者がさらに次シーンの表示を選択したものとする。画面は、ブロック420(図19参照)に対応するシーンに遷移する。しかい、図19から明らかなように、前ブロックであるブロック419の横幅が現ブロック420の横幅よりかなり大きいため、両者をノーマルモードで表示すると文字が小さくなりすぎ、読みにくい。そこで利用者はコンバインモードでの表示を選択する。表示は図28に示される状態に遷移する。
図28を参照して、ブロック420に対応するシーンをコンバインモードで表示すると、ブロック419の最終部分が上段に、ブロック420が下段に、それぞれ配置される。したがって、両ブロックに含まれる文字は適度な大きさで表示され、内容を容易に確認できる。ブロック420を読んでいるときに直前の記事の内容を確認しようとしたときには、同じ画面に前ブロック419の最終部分が表示されているため、確認は容易である。
図25〜図27に示されるように、情報処理端末50は、縦書き表示においても、スクロールモードでは、シーン情報に含まれる前・現・次ブロックIDで参照されるブロックの画像を連続して表示できる。縦横書きフラグの情報によって、スクロールモードにおける表示様態及びスクロール方向が変更されることで、利用者は、読み方向に合わせて画面をスクロールして情報を読み進めていくことができる。
また、コンバインモード及びスクロールモードを用意しているため、現ブロックと前ブロックとの中の文字がいずれも適度な大きさで表示される。その結果、利用者は記事内容をスムーズに閲覧することができる。
以上のように、情報処理端末50では、レイアウト配置された誌面画像を複数の領域ブロックに分割し、各ブロックの表示に関するシーン情報を用いて表示を遷移させる。シーン情報には、そのシーンで表示するブロックの情報が含まれる。その情報に基づいてシーン(ブロック)の表示順が決定される。このシーン情報から、現ブロックと、もしあれば前ブロックの画像とを含むシーン画像が生成され、表示部のサイズに合わせてサイズ調整がなされて表示される。ノーマルモードの表示では、シーンには、書籍等の誌面レイアウトにあわせて、現ブロックと、表示順においてその直前のブロックの画像が含まれる。利用者は、現ブロックの記事内容を読みながら、必要に応じて直前のブロック内容をすぐに確認することができる。その際に特に何か処理をする必要はなく、ストレスなく記事を読み進めることができる。誌面レイアウトにしたがって表示されるので、誌面の構成者の意図にしたがい、記事の重要度を判断することができる。その結果、書籍等の誌面レイアウト情報活かしながら、記事内容を快適に閲覧することができる情報処理端末を提供することができる。
表示されたシーンにおいて、現ブロックと前ブロックとの大きさがつりあっていないときには、現ブロックの記事が小さく表示されてしまうことがある。そうしたときには、スクロールモードに表示モードを変更すれば、現ブロックの記事部分をスクロールさせて読むことができる。この場合にも、スクロールの開始画面では、直前のブロックが表示されるので、記事の前の部分の内容を確認することは容易である。スクロールの終了画面では、現ブロックの最終部分と、次ブロックとがともに表示されるので、ストレスなく記事を読み進めることができる。
さらに、表示順にしたがって現ブロックと前ブロックとの2つのブロックを表示するシーンで、それらが離れてレイアウトされているような場合には、コンバインモードを使用することにより、レイアウトとは別に、現ブロックと前ブロックとが並べて表示される。倍率もこれらの内容が確認できるように適度に調整されるので、現ブロックの内容を容易に確認できるとともに、直前のブロックの内容も必要に応じて直ちに確認することができる。
上に述べた実施の形態では、シーンを進めるためのトリガとなる信号を発生するための手段としてボタン84を使用している。しかし本発明はこのような実施の形態には限定されない。例えば最近では、各種のセンサが小型化され、携帯型の情報処理装置に組込まれることが多くなっており、そうしたセンサの出力をトリガとすることもできる。そうしたセンサとしては、加速度センサ、熱センサ、フォトセンサ、タッチセンサ、光タッチセンサ、においセンサ、音センサ等がある。また、センサ以外に、タイマにより定期的にシーンを進めるためのトリガとなる信号を発生させたりすることもできる。
加速度センサを持つ情報処理装置の場合には、加速度センサにより検知された加速度の絶対値が所定の大きさ以上になったとき、逆に加速度の絶対値が所定の大きさ以下になったとき、又は加速度の大きさが所定の振幅で所定回数以上変動したときなどにトリガ信号を発生させることができる。又は、加速度センサにより装置の姿勢が所定以上傾いたとき、又はあるしきい値を越えて変化したとき等にトリガ信号を発生させることができる。
その他のセンサの場合にも、それらセンサの機能に応じて適宜トリガ信号を発生させることができる。例えば熱センサの場合には、熱センサの感知した温度が所定以上となったとき、又は所定以下となったときにトリガ信号を発生させるようにすることができる。フォトセンサの場合には、フォトセンサの感知した光度又は照度が所定の値以上となったとき、又は所定の値以下となったときにトリガ信号を発生させるようにすることができる。タッチセンサの場合には、タッチセンサの所定領域に触れたとき、タッチセンサの領域に所定時間以下の時間だけ触れたとき、逆に所定時間以上の時間にわたり触れたとき、タッチセンサに指等が触れた状態から離れた状態に変化したとき、タッチセンサの表面に触れた指等が所定のジェスチャ(図形)を描いたとき、等にトリガ信号を発生させることができる。光タッチセンサの場合には、光タッチセンサが感知した光度・照度が所定の値以上となったとき、若しくは逆に所定の値以下となったとき、光が透過せずに影となった部分の面積が所定の大きさ以上となったとき、影の領域の形状が所定の形状と一致したとき、逆に所定の形状と一致していた影の形状が、別の形状に変化したときなどにトリガ信号を発生させるようにすることができる。においセンサの場合には、所定のにおいを検出したときにトリガ信号を発生させるようにすることができる。音センサの場合には、所定の音声を認識したとき、所定の大きさの音声が検知されたとき、一定の音声が所定時間以上連続して検知されたとき、などにトリガ信号を発生させるようにすることができる。
これ以外にも、シーンを進めるためのトリガとなる信号の発生手段としては種々のものが考えられる。例えばタイマがある。あるシーンの表示時間をタイマで計測し、所定時間が経過したらトリガ信号を発生して次のシーンの表示に移ることができる。この時間は、シーンごとに予め設定できるようにしておくとさらに便利である。各シーンの表示にあわせて各ブロックごとに予め準備されていた音声ファイルの再生をするようにもできるが、そうした場合には、表示されているブロックに割当てられた音声ファイルの再生が終了したときにトリガ信号を発生させることができる。各ブロックに、予め説明のためなどのテキストファイルが割当てられており、テキスト音声変換(Text−To−Speech)機能などを用いて再生するときにも、テキストファイルの終了と共にトリガ信号を発生させることができる。
さらに、光又は電波による通信機能を持つ情報処理装置の場合、外部から光又は電波によりある指示が与えられたことに応答して上記したトリガ信号を発生するようにしてもよい。
このように、利用者によるボタンの操作に限らず、情報処理装置に備えられた各種センサ、通信機能、タイマ機能、ファイル処理機能などを利用することにより、自動的にシーンを進めて行くような構成を実現することができる。同様にして、シーンを一つ前に戻したり、最初のシーンに戻したり、最後のシーンに進めたり、という操作を自動的に行なうことも可能である。
本実施の形態では、電子書籍について述べたが、本発明を電子新聞、又は電子雑誌に適用することもできる。電子書籍と電子新聞、及び電子雑誌とは、一般的に表示領域のサイズが異なるだけと考えることができる。そのため、上記実施の形態と全く同じ考えでこれらを閲覧するための情報処理装置を得ることができる。
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。