JP2011117704A - 空気調和装置及び空気調和装置用加湿機構 - Google Patents

空気調和装置及び空気調和装置用加湿機構 Download PDF

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Abstract

【課題】 部屋を暖めるとともに部屋内の湿度を適切に維持することで暖かさと快適さを同時に実感することができる空気調和装置を提供する。
【解決手段】 ヒータ1で加熱された空気(熱気)hは、誘導板41,42によって誘導されながら水加熱パイプ7を通過して加湿ユニットに達する。加湿ユニット3は、水が溜められた水皿5と、水皿5の水を吸い上げて水を含んだ状態とする多数の加湿パネル6とを有する。水皿5と水加熱パイプ7は連通しているので、熱気hによって水が加熱される。各加湿パネル6の間の隙間を熱気hが通過する際、熱気hは各加湿パネル6の水を気化させ、水蒸気を多く含んだ気流となって前部開口80から放出される。水が予熱されているので、気化が促進される上、水蒸気と熱気hとの温度差が小さくなるので、熱気hは水蒸気を多く含んだ一つの気体の塊となって部屋を均一に満たす。
【選択図】 図2

Description

本願の発明は、室内を暖房しながら温度と湿度を最適に保つ空気調和装置関するものである。
冬季において人が快適に感じる温度は20〜22℃とされており、これを下回る場合、一般的に室内の暖房が必要となる。しかし、暖かいと感じるのに必要な要素は温度だけではない。湿度も重要な要素である。周知のように、湿度を高くすることで体感温度を上げることができるので、冬季の暖房においては加湿器等で部屋の湿度調節をすることが重要とされている。最近では、インフルエンザの脅威が問題となっているが、湿度を50%以上に維持することで、ウイルスを死滅させることが知られており、部屋の湿度管理の重要性が叫ばれている。
しかしながら、加湿器による加湿は、結露を生じさせやすいという問題がある。この点は、一般に考えられているよりも深刻である。
周知のように、暖房機により暖められた空気は、軽い(厳密には分子の運動エネルギーが大きいために上昇し、部屋の天井部分に溜まる。既存の冷たい空気は、相対的に下に溜まる。この際、気象における高気圧と低気圧の場合と同様、二つの温度の異なる空気は、混ざりにくく、部屋の中に二つの空気の塊ができる。即ち、暖められた高気圧の塊が上部にでき、冷たい低気圧の塊が下側にできる。
加湿器で蒸気を放出させた場合にも状況は同じで、蒸気を持った湿度の高い空気は重いので下に溜まり、軽い暖かな空気は上に溜まる。この傾向は、暖房により暖められた空気は乾燥しているためにより顕著となる。一般的に暖房は空気を暖める過程で水蒸気を拡散させるため、空気を乾燥させ易い。また、一般的に暖房は外気を取り入れながら行うが、冬季においては外気は室内よりも乾燥しているため、より乾燥が顕著となる。特に、寒冷地では、寒さによって空気中の水分が凍ってしまうため、外気を取り入れても加湿にはほとんど効果が無い。
このようなことから、暖房により、室内の上部には暖かな乾燥した空気の塊が形成され、下部には冷たい湿った空気の塊が形成される。そして、暖房を継続していくと、上部の暖かな乾燥した空気が膨張し、下部の冷たい湿った空気の塊を押し広げるような状態となる。この結果、冷たい湿った空気は、部屋の隅、タンスの裏、押し入れ等に押しやられ、それらの場所で結露現象を引き起こす。
また、暖かな空気の塊の膨張で部屋は暖かくはなるが、湿度は10〜15%程度に低下してしまう。そして、部屋全体としてはやはり温度差があり、天井付近で28〜30℃であっても床付近では21℃前後となる。
上記のような状態を解消するため、天井付近に扇風機を設けて室内を攪拌することもある。しかしながら、重い湿った冷たい空気と軽い暖かな乾いた空気とは混じり合いにくく、上記のような状態は本質的に解消されない。
周知のように、部屋の隅、タンスの裏、押し入れ等における結露現象の発生は、カビを生じさせ、健康上の大きな問題となる。また、室内の乾燥した状態は、温度の割にはあまり暖かく感じない(体感温度が低い)問題の他、ハウスダストのような塵や埃が舞い上がり易くなったり、皮膚がカサカサに乾燥する問題を招く。さらには、風邪やインフルエンザ等のウイルスの活動が活発になり、健康上の深刻な問題を招く。また、空気が乾燥して密度が薄くなると、酸素濃度も薄くなるため、ぼーっとして集中力が無くなったり、立ちくらみが生じやすくなったりすると言われている。また、暖房で膨張した空気が圧力が高く、老人や体調が悪い人にとってはダルさを感じる要因になるとも言われている。
このようなことから、従来の暖房設備では、暖かさは感じても快適さを感じることはできない。
特開2006−266668号公報
本願の発明は、上記のような課題を解決するために為されたものであり、部屋を暖めるとともに部屋内の湿度を適切に維持することで暖かさと快適さを同時に実感することができる空気調和装置を提供することを課題としたものである。
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、室内を暖房しながら最適に加湿することで室内空気の調和を図る空気調和装置であって、
ヒータと、
加湿ユニットと、
ヒータで加熱された空気を加湿ユニットに誘導する誘導板と
を備えており、
加湿ユニットは、水が溜められる水皿と、水皿の水を吸い上げて水を含んだ状態とする加湿パネルと、水皿に接続された水加熱パイプとを有しており、
水加熱パイプは、ヒータで加熱された空気が誘導板で誘導される際の流路上に位置していて、ヒータで加熱された空気で内部の水が加熱されるよう設けられているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記誘導板により誘導されて前記加湿ユニットにより到達する前記空気の量を調節する調節手段が設けられているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、前記請求項2の構成において、前記調節手段は、誘導板の姿勢を変更して前記加熱ユニットに到達する前記空気の量を調節する機構であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、室内を暖房しながら最適に加湿することで室内空気の調和を図る空気調和装置に用いられる加湿機構であって、
加湿ユニットと、
ヒータで加熱された空気を加湿ユニットに誘導する誘導板と
を備えており、
加湿ユニットは、水が溜められる水皿と、水皿の水を吸い上げて水を含んだ状態とする加湿パネルと、水皿に接続された水加熱パイプとを有しており、
水加熱パイプは、ヒータで加熱された空気が誘導板で誘導される際の流路上に位置していて、ヒータで加熱された空気で内部の水が加熱されるよう設けられているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、前記請求項4の構成において、前記誘導板により誘導されて前記加湿ユニットにより到達する前記空気の量を調節する調節手段が設けられているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項6記載の発明は、前記請求項5の構成において、前記調節手段は、誘導板の姿勢を変更して前記加熱ユニットに到達する前記空気の量を調節する機構であるという構成を有する。
以下に説明する通り、本願発明によれば、熱気と水蒸気との温度差が小さくなって一つの気体の塊となって放出されるので、部屋全体が適度に加熱・加湿された空気で均一に満たされることになる。このため、室内の空気を最適に調和させつつ、部屋の隅等における結露を防止することができる。また、ヒータが水皿内の水の予熱に兼用されるので、使用エネルギーが増大する問題も無い。
本願発明の実施形態に係る空気調和装置を示した正面概略図である。 本願発明の実施形態に係る空気調和装置を示した側面断面概略図である。 加湿ユニット3の正面概略図である。 各加湿パネル6の取り付け構造を示した平面断面概略図である。 加湿パネル6の構造を示した正面概略図である。 加湿パネル6の構造を示した斜視分解図である。 水加熱パイプ7の形状を示した平面概略図である。 実施形態の空気調和装置を使用した加熱、加湿実験の結果を示す図である。
次に、本願発明を実施するための形態(以下、実施形態)について説明する。
図1及び図2は、本願発明の実施形態に係る空気調和装置を示した図であり、図1は正面概略図、図2は側面断面概略図である。
図1及び図2に示す空気調和装置は、室内を暖房しながら最適に加湿することで室内空気の調和を図る空気調和装置である。この装置は、ヒータ1と、加湿機構2とから構成されている。加湿機構2は、加湿ユニット3と、ヒータ1で熱せられた空気を加湿ユニット3に誘導する誘導板41,42等から構成されている。
ヒータ1としては、特に限定されるものではなく、部屋の広さ等に応じて適宜のものを使用し得る。石油ストーブ、ガスストーブ等の他、セントラルヒーティング方式のヒータパネルであっても良い。図1及び図2に示す実施形態では、密閉式石油ヒータ(FFヒータ)が使用されている。
加湿ユニット3は、ヒータ1で熱せられた空気(以下、熱気)に水分を合体させるためのものである。「合体させる」とは、加湿ユニット3から蒸発する水蒸気を熱気と一体化させて一つの気体を塊を形成させる(分離しないようにする)ことを言う。
図3は、加湿ユニット3の正面概略図である。図1〜図3に示すように、加湿ユニット3は、水が溜められる水皿5と、水皿5の水を吸い上げて水を含んだ状態とする加湿パネル6と、水皿5に接続された水加熱パイプ7とを有している。
水皿5は、上面が開口した横長の容器であり、図2に示すように、水平な底板部と、底板部から斜めに伸びる斜面部等からなる断面形状となっている。図1及び図3に示すように、装置は、左右一対のフレーム板8を備えている。水皿5は、一対のフレーム板8に両端が固定されており、一対のフレーム板8によって保持されている。
水皿5には、給水タンク51と給水管52が付設されている。給水管52は、給水タンク51と水皿5をつないでおり、給水タンク51内の水が減少した際に少しずつ水を水皿5に供給するようになっている。
本実施形態では、加湿パネル6は多数並べられて設けられている。各加湿パネル6は、水皿5内に設けられた保持棒50に保持されている。保持棒50は、両側のフレーム板8に両端部が支持されており、水平な姿勢で取り付けられている。
図4は、各加湿パネル6の取り付け構造を示した平面断面概略図である。また、図5及び図6は加湿パネル6の構造を示した図であり、図5は正面概略図、図6は斜視分解図である。
各加湿パネル6は、全体としては円盤状で、中央に円形の開口が設けられている。各加湿パネル6は、中央の開口に保持棒50を挿通させて保持棒50に固定されている。各加湿パネル6の中央の開口には、リング状のボス61が嵌め込まれている。ボス61の内径は保持棒50の外径に適合しており、各加湿パネル6はボス61に保持棒50を挿通させて保持されている。また、多数の加湿パネル6を挿通させて並べた両側には、図4に示すようにコイルスプリング62が設けられている。コイルスプリング62は、保持棒50上で各加湿パネル6が遊動しないように位置を固定させるためのものである。尚、保持棒50上で各加湿パネル6は所定の狭い隙間60を持って並ぶようになっている。この隙間60は、ボス61の幅によって規定される。
尚、保持棒50は丸棒状であり、不図示のベアリング等を介してフレーム板8に支持されており、中心軸の回りに回転可能となっている。保持棒50には、不図示の取っ手が設けられており、取っ手を回すことで保持棒50が回転し、これに伴い各加湿パネル6も回転するようになっている。
各加湿パネル6は、芯材63と、芯材63に設けた吸水材64とから成る構造を有している。芯材63は、アルミのような金属又はプラスチックから形成されている。芯材63は、図5に示すように、放射状及び同心円周状に伸びるリブから成る形状である。尚、図5は、芯材63を示すために吸水材64を一部破断させて示している。
吸水材64は、シート状の部材であり、毛細管現象により水を吸い上げることができる材質であれば任意のものを使用し得るが、繊維状のものが好適に使用され、ガーゼのような織布や各種不織布等を使用し得る。図6に示すように、吸水材64は、芯材63の両側に設けられており、接着等の方法で芯材63に固定されている。吸水材64を袋状にして芯材63に被せて設ける場合もある。
次に、図1及び図7を参照して水加熱パイプ7について説明する。図7は、水加熱パイプ7の形状を示した平面概略図である。
図1及び図7に示すように、水加熱パイプ7は、水皿5の下部に接続された一対の主管71と、一対の主管71を繋いで設けられた複数の分岐管72とから成る形状である。水加熱パイプ7は、熱伝導性の良い材料で形成されており、典型的には銅のような金属であり、必要に応じて防錆用のメッキが表面に施されている。
次に、図1及び図2を参照して誘導板41,42について説明する。誘導板としては、本実施形態では、ヒータ1の前部で熱気を誘導する前部誘導板41と、ヒータ1の上部で熱気を誘導する上部誘導板42とが設けられている。
前部誘導板41は、図1に示すように、左右のフレーム板8の間に橋渡しするように固定されている。前部誘導板41は、図2に示すように、ヒータ1側に向けて斜め上方に延びており、上端部分が折れ曲がって水平な姿勢となっている。この水平な部分に加湿ユニット3が載置、固定されている。
一方、左右一対のフレーム板8は、図2に示すように、ヒータ1の後ろ側においては後部連結板81によって連結されている。上部誘導板42は、後部連結板81の上端から斜め前方に延びるよう設けられている。本実施形態では、加湿ユニット3に到達する熱気の量を調節する調節手段が設けられており、この手段は、上部誘導板42の姿勢を変更して熱気の量を調節する機構となっている。
より具体的に説明すると、図2に示すように、上部誘導板42は、後部連結板81の上端に蝶番421を介して固定されており、上部誘導板42の角度が変更可能となっている。そして、上部誘導板42の先端部分は、若干折れ曲がっており、その部分に取っ手43が設けられている。
また、上部誘導板42の上方には、上側カバー板82が設けられている。上側カバー板82は、左右一対のフレーム板8を上部において橋渡しするよう設けられることで全体を覆った部材である。
図2に示すように、上側カバー板82には、取っ手43を挿通させた取っ手用開口820が設けられている。取っ手用開口820の縁には、ほぼL字状のフック44が設けられている。一方、取っ手43の背面には、フック44を引っかけるための係止用溝431が形成されている。係止用溝431は、取っ手43の高さ方向に沿って複数設けられている。図2中に拡大して示すように、いずれかの係止用溝431を選択してその係止用溝431にフック44を引っ掛けることで、その位置で取っ手43が係止され、上部誘導板42の傾斜角度が維持されることになる。上部誘導板42の傾斜角度を変更する場合には、フック44を係止溝431から外し、別の係止溝431に引っ掛ける。
尚、図1及び図2に示すように、左右一対のフレーム板8を前側において橋渡しするように前側カバー板83が設けられている。前側カバー板83は、加湿ユニット3を前側において覆っている。図1に示すように、前側カバー板83の上端と、上側カバー板の前端との間は大きく離間しており、開口(以下、前部開口)80が形成されている。加湿ユニット3を経由した熱気は、この前部開口80から放出されるようになっている。
次に、上記構成に係る本実施形態の空気調和装置の動作について説明する。
給水タンク51に所定量の水を溜め、ヒータ1を動作させる。給水タンク51の水は、水皿5に移動して水皿5を所定の水位まで溜まる。この水位においては、加湿パネル6の下側部分が水に浸かった状態となる。水に浸かった加湿パネル6においては、毛細管現象により水が吸い上げられ、吸水材64は水を豊富に含んだ状態となる。尚、水皿5と水加熱パイプ7とは連通しているので、水皿5に水が溜まった際、同時に水加熱パイプ7内も水で満たされることになる。
ヒータ1が動作して熱気hが放出されると、放出された熱気hは、前述したように軽いので上昇する。この際、図2に示すように、熱気hは前側誘導板41,42及び上部誘導板42により誘導され、加湿ユニット3に達する。
加湿ユニット3では、多数の円盤状の加湿パネル6が中心軸を水平にして横に並べられており、各加湿パネル6の間に狭い隙間60が形成されている。したがって、加湿ユニット3に達した熱気hは、各隙間60を通って流れ、加湿ユニット3の前方の前部開口80を通って放出される。
熱気hは、各加湿パネル6の間の隙間60を通り抜ける際、吸水材64が保持している水を暖めて水の気化を促進する。この結果、熱気hは、気化した水(水蒸気)を多く含んだ気流となり、この状態で前部開口80から放出される。
上記動作で重要なことは、熱気hが加湿パネル6に到達する際、その流路上に水加熱パイプ7が位置しているので、水加熱パイプ7内の水が熱気hによって加熱される点である。即ち、熱気hは、まず水加熱パイプ7内の水を加熱した後、各加湿パネル6の間の隙間60に達する。加熱された水加熱パイプ7内の水は、対流により水皿5に移動し、循環する。即ち、水加熱パイプ7を介して水皿5内の水が加熱されて温度上昇する。このため、加熱されて温度上昇した水が吸水材64に保持された状態となる。
この結果、各吸水材64においては、熱気hが通過することによる水の気化がより促進され、より多くの水が気化する。と同時に、気化した水(水蒸気)の温度が、隙間60を通過する熱気の温度により近くなる。即ち、熱気hは、水加熱パイプ7を通過する際に一度水と熱交換を行った後、各加湿パネル6の間の隙間60を通る際にさらに水と熱交換を行う。このため、水ないし水蒸気と熱気との温度差がより小さくなる。
このように、熱気hと水蒸気との温度差が小さくなるため、従来見られたような熱気と加湿された空気とが別々の気体の塊となって分離してしまう問題が、本実施形態においては防止される。即ち、ヒータ1からの熱気hと、各加湿パネル6から放出された水蒸気とが一つの気体の塊として合体し、その状態で前部開口80から放出される。放出される気体の塊は、単にヒータ1で加熱された乾燥した(即ち、軽い)気体の塊ではなく、豊富に水蒸気を含んだ(即ち、重い)気体の塊である。このため、急速に上昇して部屋の天井付近に溜まってしまうようなことはなく、部屋全体に広がって部屋全体を均一に暖め、また加湿する。このため、部屋全体が加熱・加湿された空気で均一に満たされることになり、室内を暖めつつ適度な湿度に維持することができる上、部屋の隅等における結露が防止される。
水皿5内の水を予め加熱する構成としては、ヒータ1以外の加熱手段を採用することが考えられる。例えば、水皿5に電熱器を設け、電熱器で予め水を加熱しておくことが考えられる。しかしながら、このような構成では、ヒータ1以外のエネルギーを使用するので、その分だけエネルギー使用量が多くなり、エネルギーコストの問題が生じる。また、地球温暖化防止の観点からも好ましくはない。本実施形態の構成は、ヒータ1を水皿5内の水の予熱用に兼用するので、このような問題は無い。
また、加湿ユニット3の到達する熱気の量を調節する場合、前述したようにフック44を係止溝431から外し、別の係止溝431に引っ掛ける。この結果、上部誘導板42の傾斜姿勢が変化する。図2から解るように、上部誘導板42の先端部分が加湿ユニット3から遠ざかるように傾斜姿勢を変化させると、加湿ユニット3に到達せずにその上をすり抜けて前部開口80から放出される熱気の量が多くなる。逆に、上部誘導板42の先端部分が加湿ユニット3に近づくように傾斜姿勢を変化させると、上にすり抜ける熱気の量が少なくなるから、相対的に加湿ユニット3に到達する熱気の量が多くなる。上部誘導板42の先端部分を加湿ユニット3に接触させると、実質的にすべての熱気を加湿ユニット3に到達させることができるようになる。
このようにして加熱ユニットに到達する熱気の量を調節すると、熱気の通過によって吸水材64の水の気化が促進されるから、水の気化量が調節でき、結果的に部屋の湿度を調節することができる。したがって、部屋の湿度が低いようであれば、取っ手43を操作して上部誘導板42を下に下がった位置に変更し、湿度が高いようであれば、上部誘導板42を上に上がった位置に変更する。尚、部屋の暖房温度の調節については、ヒータ1に備えられている温度調節機能を利用することは、言うまでもない。
上述したように、本実施形態の空気調和装置によれば、熱気と水蒸気との温度差が小さくなって一つの気体の塊となって放出されるので、部屋全体が適度に加熱・加湿された空気で均一に満たされることになる。このため、室内の空気を最適に調和させつつ、部屋の隅等における結露を防止することができる。
上記実施形態の空気調和装置を使用する場合、水皿5内の水に木炭や活性炭のような消臭、殺菌作用のある部材を沈めておくと好適である。また、アロマテラピーのように部屋の空気に香りを付けたい場合、水皿5内の水に芳香剤のエッセンス液を所定量溶かし込んでおいてもよい。
尚、上記実施形態の空気調和装置を使用して部屋の暖房を行う場合、部屋の窓から寒気の進入が問題となるので、窓の内側にポリシート(ポリプロピレン又はポリエチレン製のシート状部材)を貼り付けると好適である。ポリシートは、二重に(二枚重ねで)設けることが望ましく、二枚のポリシートの間に少し隙間(例えば2cm程度)を設けることが望ましい。ポリシートは、枠に張って設けることになるが、アルミのような金属製の枠を使用すると、熱伝導率が良いため枠の部分を伝わって寒気が進入し易い。したがって、角材で製作する等して木製の枠に対してポリシートを張ることが望ましい。そして、このように張ったポリシートを窓ガラスから少し(例えば5cm程度)離して配置するようにする。
図8は、上述した実施形態の空気調和装置を使用した加熱、加湿実験の結果を示す図である。図8には、参考のため、加湿機構2を取り外してヒータ1だけとした場合の実験結果が示されている。図8中の(1)が実施形態の空気調和装置を使用した場合、(2)がヒータ1だけを使用した場合の実験結果である。
図8(1)に示す例では、午後3時〜4時半の間、ヒータ1が動作し、暖房が行われた。ヒータ1の動作の開始とともに部屋の温度は上昇し、また湿度も上昇した。湿度の上昇は、加湿機構2の作用である。ヒータ1の停止後、部屋の温度は徐々に下がるが、低下は緩慢であり、5℃程度下がるのに約9時間半(図8(1)に示すt)要した。また、湿度もヒータ1の停止とともに低下するが、それでも55%程度の湿度が維持された。
一方、図8(2)に示す例では、午後3時半〜6時の間と、午後11時〜11時半の間、ヒータ1が動作した。ヒータ1の動作とともに部屋の温度は上昇するが、逆に湿度は低下した。ヒータ1の停止後、部屋は急速に温度が低下し、4時間半(図8(2)に示すt)で5℃程度低下した。湿度は、45%程度の低い値に終始した。
湿度の違いは予想されたことであるが、ヒータ1を停止してからの温度低下の度合いに大きな違いが出たのは意外であった。このような違いが生じたのは、やはり、加熱・加湿された気体の塊で部屋が満たされたことの結果によるものと推測される。
即ち、本実施形態の空気調和装置を使用しない場合、ヒータ1からの熱気は、従来と同様、急速に上昇して部屋の上部に溜まる。この結果、部屋には、上部に暖かい空気の塊ができ、下部に冷たい空気の塊ができる。暖房によって上部の暖かい空気の塊は、下方に膨張して部屋を徐々に暖めるが、ヒータ1を停止してしまうと、熱気の上昇が無くなってしまうため、上部の暖かい空気の塊は急激に収縮してしまい、下部の冷たい空気の塊が広がって部屋全体を冷ましてしまう。
一方、本実施形態の空気調和装置を使用した場合には、適度や温度・湿度の一つの気体の塊で部屋全体が満たされ、分離していないので、ヒータ1を停止した場合も、その気体の塊が徐々に温度低下していくのみとなる。このため、温度低下が緩慢で、暖められた状態が長い時間維持されるものと思われる。
このように、ヒータ1を停止した後の温度低下が緩慢であるということは、暖房のエネルギー効率という点で顕著な効果を有する。即ち、ある設定温度以下に室内の温度が低下した場合にはヒータ1が動作する自動運転の場合、ヒータ1の動作時間が短くなるので、エネルギー消費量が少なくなる。自動運転でない場合も、より少ないエネルギー使用量で、ある快適な温度範囲に部屋を暖めることができる。使用エネルギー量が少ないということは、暖房費が節約できるメリットの他、地球環境的にも好ましいことであることは、言うまでもない。
尚、上記実施形態では、ヒータ1はFF式の石油ヒータであったが、これは一例であり、各種のヒータを用いることができることは勿論である。例えば、セントラルヒーティング等も採用することができる。この場合、セントラルヒーティングのヒータパネルがヒータであり、熱気はヒータパネルを通って上昇する気体の塊ということになる。
また、調節手段の構成として、誘導体の姿勢を変更する機構が採用されたが、これも一例であり、他の構成が採用されることもある。例えば、ルーバーのような熱気の流れを一部遮蔽するような部材を設け、その姿勢を変更する手段であっても良い。
尚、上記説明から解る通り、ヒータとしては特別なものは必要はなく、通常の市販のものを任意に選択して使用できるし、現在使用しているヒータをそのまま使うこともできる。したがって、ヒータを含んだ空気調和装置全体が一つの製品として販売されることもあるが、ヒータを除いた加湿機構(空気調和装置用加湿器)が製品として販売されることもある。
1 ヒータ
2 加湿機構
3 加湿ユニット
41 前部誘導板
42 上部誘導板
43 取っ手
5 水皿
51 給水タンク
6 加湿パネル
63 芯材
64 吸水材
7 水加熱パイプ
8 フレーム板
h 熱気

Claims (6)

  1. 室内を暖房しながら最適に加湿することで室内空気の調和を図る空気調和装置であって、
    ヒータと、
    加湿ユニットと、
    ヒータで加熱された空気を加湿ユニットに誘導する誘導板と
    を備えており、
    加湿ユニットは、水が溜められる水皿と、水皿の水を吸い上げて水を含んだ状態とする加湿パネルと、水皿に接続された水加熱パイプとを有しており、
    水加熱パイプは、ヒータで加熱された空気が誘導板で誘導される際の流路上に位置していて、ヒータで加熱された空気で内部の水が加熱されるよう設けられていることを特徴とする空気調和装置。
  2. 前記誘導板により誘導されて前記加湿ユニットにより到達する前記空気の量を調節する調節手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の空気調和装置。
  3. 前記調節手段は、誘導板の姿勢を変更して前記加熱ユニットに到達する前記空気の量を調節する機構であることを特徴とする請求項2記載の空気調和装置。
  4. 室内を暖房しながら最適に加湿することで室内空気の調和を図る空気調和装置に用いられる加湿機構であって、
    加湿ユニットと、
    ヒータで加熱された空気を加湿ユニットに誘導する誘導板と
    を備えており、
    加湿ユニットは、水が溜められる水皿と、水皿の水を吸い上げて水を含んだ状態とする加湿パネルと、水皿に接続された水加熱パイプとを有しており、
    水加熱パイプは、ヒータで加熱された空気が誘導板で誘導される際の流路上に位置していて、ヒータで加熱された空気で内部の水が加熱されるよう設けられていることを特徴とする空気調和装置用加湿機構。
  5. 記誘導板により誘導されて前記加湿ユニットにより到達する前記空気の量を調節する調節手段が設けられていることを特徴とする請求項4記載の空気調和装置用加湿機構。
  6. 前記調節手段は、誘導板の姿勢を変更して前記加熱ユニットに到達する前記空気の量を調節する機構であることを特徴とする請求項2記載の空気調和装置用加湿機構。
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