JP2011117319A - 直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃焼室の容積を変えることなく、中央突起部周辺において燃焼に寄与する空気を確保することができ、良好な燃焼を生起することのできる直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室構造を提供すること。
【解決手段】直接噴射式のディーゼルエンジンにおいて、ピストン8頂面に凹設された燃焼室1の中央突起部14を、円錐部14a、第1円錐台部14b、第2円錐台部14c、第3円錐台部14dから構成し、斜面に凹部16a、16b及び凸部18a、18bを形成する。
【選択図】図1
【解決手段】直接噴射式のディーゼルエンジンにおいて、ピストン8頂面に凹設された燃焼室1の中央突起部14を、円錐部14a、第1円錐台部14b、第2円錐台部14c、第3円錐台部14dから構成し、斜面に凹部16a、16b及び凸部18a、18bを形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃焼室内に直接燃料を噴射する直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室構造に関する。
直接噴射式ディーゼルエンジンは、ピストン頂面に燃焼室(キャビティ)が凹設され、圧縮行程時に当該燃焼室内に燃料が噴射されることで、自己着火による燃焼が生起される。
当該燃焼室形状には、種々の形状があるが代表的な形状として、ピストン頂面に形成されている開口部径より燃焼室内部の径が大きく形成された、いわゆるリエントラント形状がある。一般に当該リエントラント形状では、燃焼室周縁が円環状(トロイダル状)をなし、中央部にはピストン頂面側に隆起した中央突起部が形成されている。
当該燃焼室形状には、種々の形状があるが代表的な形状として、ピストン頂面に形成されている開口部径より燃焼室内部の径が大きく形成された、いわゆるリエントラント形状がある。一般に当該リエントラント形状では、燃焼室周縁が円環状(トロイダル状)をなし、中央部にはピストン頂面側に隆起した中央突起部が形成されている。
また、燃焼室内に燃料を噴射するインジェクタは、燃料噴射ノズルが燃焼室開口部の中心部に対応する位置に臨んでおり、燃焼室周縁に向けて放射状に高圧燃料を霧状に噴射する。そして、噴射された燃料が空気中の酸素と混合されることで燃焼が生起されるが、燃焼の安定性等は燃焼室形状や、空気流、即ち吸入空気のスワール流等の条件に左右される。
排ガス性能改善や燃費性能の向上を図るためには、所望の燃焼を生起できることが必要であり、噴射された燃料噴霧に対し適切に空気を混合できる燃焼室形状が望まれる。
排ガス性能改善や燃費性能の向上を図るためには、所望の燃焼を生起できることが必要であり、噴射された燃料噴霧に対し適切に空気を混合できる燃焼室形状が望まれる。
しかし、燃焼室形状の設計においては、圧縮比や、ピストン径、ピストンの長さ(深さ)等の制約を受ける。例えば、圧縮比を一定とした場合、空気を多く取り入れるよう燃焼室の開口部径を拡げれば、燃焼室の深さは浅くなり燃焼の火炎が燃焼室から漏れやすくなる。一方、開口部径を狭くすれば空気の取り込み量が減少し、十分な空気量を得られなくなる。
そこで、ピストン頂面の主キャビティに加え、シリンダヘッド下面に副キャビティを形成した燃焼室構造が知られている(特許文献1参照)。このような燃焼室構造とすることで、スキッシュ流の一部により副キャビティ内で渦流を生成するとともに、主キャビティ内に生成される渦流の勢いを弱くすることで、燃焼室容積を確保しつつ、主キャビティ内での乱れエネルギの大きい部分をピストン頂面寄りに移動させ、スモーク低減を図っている。
そこで、ピストン頂面の主キャビティに加え、シリンダヘッド下面に副キャビティを形成した燃焼室構造が知られている(特許文献1参照)。このような燃焼室構造とすることで、スキッシュ流の一部により副キャビティ内で渦流を生成するとともに、主キャビティ内に生成される渦流の勢いを弱くすることで、燃焼室容積を確保しつつ、主キャビティ内での乱れエネルギの大きい部分をピストン頂面寄りに移動させ、スモーク低減を図っている。
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術では、シリンダヘッド下面に副キャビティという新たな空間を形成しなければならず、燃焼室構造が複雑化する上、加工の工数が増加するという問題がある。
また、上記特許文献1では燃焼室周縁に生じるスキッシュ流を利用しているが、スキッシュ流だけでは燃焼室の中央部分、即ち中央突起周辺の空気を有効に活用することは困難である。
また、上記特許文献1では燃焼室周縁に生じるスキッシュ流を利用しているが、スキッシュ流だけでは燃焼室の中央部分、即ち中央突起周辺の空気を有効に活用することは困難である。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、燃焼室の容積を変えることなく、中央突起部周辺において燃焼に寄与する空気を確保することができ、良好な燃焼を生起することのできる直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室構造を提供することにある。
上記した目的を達成するために、請求項1の直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室構造では、ピストン頂面に凹設された燃焼室を有し、前記燃焼室の開口部略中心部に臨んだ燃料噴射ノズルから前記燃焼室の周縁に向けて燃料が噴射される直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室構造であって、前記燃焼室の底部中央において、複数の円錐部または円錐台部の組み合わせにより構成され、隣接する円錐部または円錐台部との間で形成された凹部及び凸部をそれぞれ少なくとも1箇所有した斜面をなす中央突起部を備えることを特徴としている。
請求項2の直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室構造では、請求項1において、前記凹部は、燃料噴霧の燃焼開始領域に対応する位置に形成され、前記凸部は、前記凹部に対し比較的燃焼に寄与しない領域に形成されていることを特徴としている。
請求項3の直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室構造では、請求項1または2において、前記中央突起部の凹部は、隣接する円錐部または円錐台部について、前記中央突起部の先端側の円錐部または円錐台部の底面積に対し、前記中央突起部の底部側の円錐台部の上面積が大きいことで形成されていることを特徴としている。
請求項3の直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室構造では、請求項1または2において、前記中央突起部の凹部は、隣接する円錐部または円錐台部について、前記中央突起部の先端側の円錐部または円錐台部の底面積に対し、前記中央突起部の底部側の円錐台部の上面積が大きいことで形成されていることを特徴としている。
請求項4の直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室構造では、請求項1から3のいずれかにおいて、前記中央突起部の凹部は、隣接する円錐部または円錐台部について、前記中央突起部の先端側の円錐部または円錐台部の斜面角度に対し、前記中央突起部の底部側の円錐台部の斜面角度が小さいことで形成されていることを特徴としている。
上記手段を用いる本発明の請求項1の直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室構造によれば、直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室構造において、燃焼室の底部中央において、複数の円錐部または円錐台部の組み合わせにより構成され、隣接する円錐部または円錐台部との間で形成された凹部及び凸部をそれぞれ少なくとも1箇所有した斜面をなす中央突起部を備えることとする。
このように中央突起部の斜面に少なくとも1箇所凹部が形成されていることで、当該凹部に空気を確保することができる。このように中央突起部の斜面に凹部を形成すればその分燃焼室の容積は増大し、圧縮比が変化してしまうが、少なくとも1箇所凸部を形成することで、燃焼室の容積の増大を防ぐことができる。
また、このような中央突起部を円錐部及び円錐台部の組み合わせにより構成することで、凹部及び凸部を適切な位置に容易に形成することができ、中央突起先端と噴射ノズルとの距離も容易に設定することができる。
また、このような中央突起部を円錐部及び円錐台部の組み合わせにより構成することで、凹部及び凸部を適切な位置に容易に形成することができ、中央突起先端と噴射ノズルとの距離も容易に設定することができる。
以上のことから、燃焼室の容積を変えることなく、中央突起部周辺において燃焼に寄与する空気を確保することができ、良好な燃焼を生起することができる。
請求項2の直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室構造によれば、凹部を燃料噴霧の燃焼開始領域に対応した位置に形成し、凸部を凹部に対し比較的燃焼に寄与しない領域に形成する。
請求項2の直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室構造によれば、凹部を燃料噴霧の燃焼開始領域に対応した位置に形成し、凸部を凹部に対し比較的燃焼に寄与しない領域に形成する。
このように燃焼開始領域に対応した位置に凹部を形成することで、燃焼開始に寄与する空気を十分に確保することができ、安定した燃焼を生起することができる。一方で、凸部は比較的燃焼に寄与しない領域に設けることで、燃焼の安定性を維持しつつ燃焼室の容積の一定に保つことができる。
請求項3の直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室構造によれば、中央突起部の凹部を、隣接する円錐部または円錐台部について、中央突起部の先端側の円錐部または円錐台部の底面積に対し、中央突起部の底部側の円錐台部の上面積を大きくすることで形成する。これにより、円錐部または円錐台部の組み合わせで容易に中央突起部の斜面に凹部を形成することができる。
請求項3の直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室構造によれば、中央突起部の凹部を、隣接する円錐部または円錐台部について、中央突起部の先端側の円錐部または円錐台部の底面積に対し、中央突起部の底部側の円錐台部の上面積を大きくすることで形成する。これにより、円錐部または円錐台部の組み合わせで容易に中央突起部の斜面に凹部を形成することができる。
請求項4の直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室構造によれば、中央突起部の凹部を、隣接する円錐部または円錐台部について、中央突起部の先端側の円錐部または円錐台部の斜面角度に対し、中央突起部の底部側の円錐台部の斜面角度を小さくすることで形成する。これにより、円錐部または円錐台部の組み合わせで容易に中央突起部の斜面に凹部を形成することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1には本発明に係る直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室構造の実施形態における燃焼室の断面図、図2には中央突起の構成図がそれぞれ示されている。
図1に示す燃焼室1は、直接燃料が噴射されるいわゆる直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室である。
図1には本発明に係る直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室構造の実施形態における燃焼室の断面図、図2には中央突起の構成図がそれぞれ示されている。
図1に示す燃焼室1は、直接燃料が噴射されるいわゆる直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室である。
当該ディーゼルエンジンは、シリンダブロック2にシリンダヘッド4が載置されており、シリンダブロック2内に形成された円筒状のシリンダ6にピストン8が上下摺動自在に嵌挿されている。
燃焼室1はピストン8の頂面に凹設されており、ピストン頂面の開口部10の径よりも燃焼室内部の径の方が大きく形成された、いわゆるリエントラント形状をなしている。そして、燃焼室1は、周縁部12が円環状(トロイダル状)をなし、底部中央にはピストン頂面側に隆起した中央突起部14が形成されている。
燃焼室1はピストン8の頂面に凹設されており、ピストン頂面の開口部10の径よりも燃焼室内部の径の方が大きく形成された、いわゆるリエントラント形状をなしている。そして、燃焼室1は、周縁部12が円環状(トロイダル状)をなし、底部中央にはピストン頂面側に隆起した中央突起部14が形成されている。
また、中央突起部14は、複数の円錐部及び円錐台部を組み合わせて積層した形状をなしている。
詳しくは図2(a)、(b)に示すように、当該中央突起14は、先端から底部に向けて順に、円錐部14a、第1円錐台部14b、第2円錐台部14c、第3円錐台部14dからなり、これら円錐部14a及び円錐台部14b、14c、14dはそれぞれ燃焼室1の中心線Oを軸とした回転体形状をなしている。
詳しくは図2(a)、(b)に示すように、当該中央突起14は、先端から底部に向けて順に、円錐部14a、第1円錐台部14b、第2円錐台部14c、第3円錐台部14dからなり、これら円錐部14a及び円錐台部14b、14c、14dはそれぞれ燃焼室1の中心線Oを軸とした回転体形状をなしている。
そして、当該中央突起部14は、これら円錐部14a及び円錐台部14b、14c、14dの組み合わせに応じて、斜面に凹部及び凸部が形成されている。
例えば、図2(b)に分解図として示すように、円錐部14a及び第1円錐台部14bは、円錐部14aの底面積SBaより円錐台部14bの上面積STbの方が大きいため、当該円錐部14aの斜面及び第1円錐台部14bの上面との間で第1凹部16aを形成している。一方で、第1円錐台部14bの上面と当該第1円錐台部14bの斜面とでは第1凸部18aを形成している。
例えば、図2(b)に分解図として示すように、円錐部14a及び第1円錐台部14bは、円錐部14aの底面積SBaより円錐台部14bの上面積STbの方が大きいため、当該円錐部14aの斜面及び第1円錐台部14bの上面との間で第1凹部16aを形成している。一方で、第1円錐台部14bの上面と当該第1円錐台部14bの斜面とでは第1凸部18aを形成している。
また、第1円錐台部14bから第3円錐台部14dは、隣接する各部の底面積と上面積が一致している。つまり、第1円錐台部14bの底面積SBb及び第2円錐台部14cの上面積STc、第2円錐台部14cの底面積SBc及び第3円錐台部14dの上面積STdがそれぞれ一致している(SBb=STc、SBc=STd)。このような関係にあっって、円錐部14aの斜面角度θa、第1円錐台部14bの斜面角度θb、第2円錐台部14cの斜面角度θc、第3円錐台部14dの斜面角度θdとすると、第1円錐台部14bから第3円錐台部14dにおいて、隣接する各部の斜面角度がθb>θc、θc<θdとなり、大小関係が交互入れ替わる関係にある。これにより、第1円錐台部14bの斜面と第2円錐台部14cの斜面との間では第2凹部16bを、第2円錐台部14cの斜面と第3円錐台部14dの斜面との間では第2凸部18bを形成している。
このように、隣接する円錐部または円錐台部において、中央突起部14の先端側の底面積より底部側の上面積を大きくするか、先端側及び底部側の斜面の角度を異ならせることで、中央突起部14に凹部16a、16b及び凸部18a、18bを形成している。
この中央突起部14の凹部16a、16bの位置は、燃焼室1内に噴射された燃焼噴霧において燃焼が生じ始める燃焼開始領域に対応した位置に形成されている。一方、凸部18a、18cは凹部16a、16bに比べて、燃焼に寄与しにくい領域に形成されており、上記凹部16a、16bにより増加する燃焼室1の容積分突出している。
この中央突起部14の凹部16a、16bの位置は、燃焼室1内に噴射された燃焼噴霧において燃焼が生じ始める燃焼開始領域に対応した位置に形成されている。一方、凸部18a、18cは凹部16a、16bに比べて、燃焼に寄与しにくい領域に形成されており、上記凹部16a、16bにより増加する燃焼室1の容積分突出している。
このように構成された燃焼室1に対し、シリンダヘッド4にインジェクタ20が設けられており、インジェクタ20の燃料噴射ノズル20aは燃焼室1の開口部10の中心に臨んで設けられている。当該燃料噴射ノズル20aからは、燃焼室1の周縁部12に向けて放射状に燃料が噴射される。なお、上記中央突起部14の先端は、ピストン8が上死点(TDC)まで上昇したときに、当該燃料噴射ノズル20aと接近する高さに構成されている。
以下このように構成された本発明に係る直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室構造の作用について説明する。
図3には、本実施形態における燃料噴霧状態を時系列で示した断面図が示されている。
図3(a)に示すように、ピストン8が上昇する圧縮行程において、燃料噴射の開始初期では、燃料噴射ノズル20aから噴射された燃料噴霧Fは、中央突起14先端から離れた距離にある。この時はまだ燃焼室内の温度が燃料の着火温度に達しておらず、燃料噴霧Fに燃焼は生じない。
図3には、本実施形態における燃料噴霧状態を時系列で示した断面図が示されている。
図3(a)に示すように、ピストン8が上昇する圧縮行程において、燃料噴射の開始初期では、燃料噴射ノズル20aから噴射された燃料噴霧Fは、中央突起14先端から離れた距離にある。この時はまだ燃焼室内の温度が燃料の着火温度に達しておらず、燃料噴霧Fに燃焼は生じない。
次に図3(b)に示すように、燃料噴射中期では、ピストン8上昇により燃焼室1が燃焼ノズル20a側に近づくとともに、燃料噴霧Fも燃焼室1の周縁部12側へと進行する。また、圧縮に伴い燃焼室1内の温度が燃料の着火点に達することで、十分霧化され空気と混合が進んだ燃料噴霧Fの先端部分で燃焼が始める。このとき中央突起部14において、この燃焼開始領域に最も近い位置にあるのは第2凹部16bであり、当該第2凹部16bにある空気が有効に使用され、燃焼は良好に生起される。
続いて図3(c)に示すように、ピストン8がTDCまで上昇する燃料噴射後期においても、第2凹部16b近傍の空気を使用して燃焼が継続される。そして、燃焼火炎は矢印で示すように燃焼室周縁部12にてスワール流に沿って渦状に拡がる。当該周縁部には空気が十分にあり、当該空気が使用されることで燃焼が促進されていく。これに対し、燃焼開始位置と周縁部12との間の領域の空気は比較的燃焼に寄与しにくく、ここには第2凸部18bが位置している。また、TDC時には中央突起14先端は燃料噴射ノズル20aに接近するが当該噴射ノズル20a近傍も比較的燃焼に寄与しにくい領域であり、ここには第1凸部16aが位置している。
このように、本実施形態では、中央突起部14の斜面に2箇所の凹部16a、16bが形成されており、当該凹部16a、16bにて空気を確保することができる。一方で、中央突起部14の斜面に凹部16a、16bを形成すればその分燃焼室1の容積は増大し、圧縮比が変化してしまうが、2箇所の凸部18a、18bを形成することで、燃焼室1の容積の増大を防ぐことができる。
さらに第2凹部16bは、燃料噴霧の燃焼開始領域に対応した位置に形成されており、これにより燃焼開始に寄与する空気を十分に確保することができ、安定した燃焼を生起することができる。一方で、第1凸部18a及び第2凸部18bは比較的燃焼に寄与しない領域に設けられており、これにより燃焼の安定性を維持しつつ燃焼室1の容積の一定に保つことができる。
また、凹部16a、16b及び凸部18a、18bは、隣接する円錐部及び円錐台部の底面積及び上面積の関係、または斜面角度の関係に基づき形成しており、このように円錐部14a及び円錐台部14b、14c、14dの組み合わせから、凹部16a、16b及び凸部18a、18bを適切な位置に容易に形成することができ、且つ中央突起部14先端と噴射ノズル20aとの距離も容易に設定することができる。
これらのことから、本実施形態の直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室構造では、燃焼室1の容積を変えることなく、中央突起部14周辺において燃焼に寄与する空気を確保することができ、良好な燃焼を生起することができる。
以上で本発明に係る直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室構造の実施形態についての説明を終えるが、実施形態は上記実施形態に限られるものではない。
以上で本発明に係る直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室構造の実施形態についての説明を終えるが、実施形態は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、上記実施形態では、燃焼室1の中央突起部14は、先端から底部に向けて順に円錐部14a、第1円錐台部14b、第2円錐台部14c、第3円錐台部14dから構成されているが、当該中央突起部14の構成はこれに限られるものではなく、燃料噴射の方向や燃料噴霧の形状に応じて円錐部または円錐台部の組み合わせを変えてもよい。例えば、円錐部を有さず中央突起先端部に円錐台部を形成した構成や、より多くの円錐台部から構成した中央突起部であっても構わない。
1 燃焼室
8 ピストン
10 開口部
12 周縁部
14a 円錐部
14b 第1円錐台部
14c 第2円錐台部
14d 第3円錐台部
16a 第1凹部
16b 第2凹部
18a 第1凸部
18b 第2凸部
20a 燃料噴射ノズル
8 ピストン
10 開口部
12 周縁部
14a 円錐部
14b 第1円錐台部
14c 第2円錐台部
14d 第3円錐台部
16a 第1凹部
16b 第2凹部
18a 第1凸部
18b 第2凸部
20a 燃料噴射ノズル
Claims (4)
- ピストン頂面に凹設された燃焼室を有し、前記燃焼室の開口部略中心部に臨んだ燃料噴射ノズルから前記燃焼室の周縁に向けて燃料が噴射される直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室構造であって、
前記燃焼室の底部中央において、複数の円錐部または円錐台部の組み合わせにより構成され、隣接する円錐部または円錐台部との間で形成された凹部及び凸部をそれぞれ少なくとも1箇所有した斜面をなす中央突起部を備えることを特徴とする直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室構造。 - 前記凹部は、燃料噴霧の燃焼開始領域に対応する位置に形成され、
前記凸部は、前記凹部に対し比較的燃焼に寄与しない領域に形成されていることを特徴とする請求項1記載の直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室構造。 - 前記中央突起部の凹部は、隣接する円錐部または円錐台部について、前記中央突起部の先端側の円錐部または円錐台部の底面積に対し、前記中央突起部の底部側の円錐台部の上面積が大きいことで形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室構造。
- 前記中央突起部の凹部は、隣接する円錐部または円錐台部について、前記中央突起部の先端側の円錐部または円錐台部の斜面角度に対し、前記中央突起部の底部側の円錐台部の斜面角度が小さいことで形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室構造。
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Cited By (2)
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CN109404156A (zh) * | 2018-12-10 | 2019-03-01 | 广西玉柴机器股份有限公司 | 直喷式柴油机的燃烧室 |
CN111720235A (zh) * | 2020-06-29 | 2020-09-29 | 潍柴动力股份有限公司 | 一种活塞、发动机及车辆 |
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CN109404156A (zh) * | 2018-12-10 | 2019-03-01 | 广西玉柴机器股份有限公司 | 直喷式柴油机的燃烧室 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20130205 |