JP2011115675A - 泡沫処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発電設備で用いられ排出された使用済海水が流れる放水路10に設置される泡沫処理装置1であって、放水路10を流れる使用済海水の水面WLに浮遊する泡沫Bを回収する泡沫回収部2と、泡沫回収部2により回収された泡沫Bが流入する泡沫回収槽3と、泡沫回収槽3に流入した泡沫Bを消泡する消泡部4と、泡沫回収槽3から消泡された泡沫Bに含まれる泡沫成分、および、泡沫とともに泡沫回収槽3に流入した使用済海水を放水路10の底面近傍に戻す放出部6と、が設けられていることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
このように、放水路における微細なエアレーション気泡を流出させるエアレーションを実施し、使用済海水の脱炭酸を行う領域は、エアレーションエリアと呼ばれている。
例えば、泡沫成分を泡沫から分離してパウダー状またはスラリー状とし、発電プラントの灰捨て場に捨てる処分方法も考えられる。ところが、ボイラで燃焼させる燃料によっても泡沫成分が異なる為、泡沫成分も不明であり、且つ泡沫から泡沫成分を分離する方法、つまりフィルタによる分離方法や、遠心力による分離方法が確立されておらず、泡沫から泡沫成分を容易に分離できないという問題があった。
本発明の泡沫処理装置は、発電設備で用いられ排出された使用済海水が流れる放水路に設置される泡沫処理装置であって、前記水路を流れる前記使用済海水の水面に浮遊する泡沫を回収する泡沫回収部と、該泡沫回収部により回収された泡沫が流入する泡沫回収槽と、該泡沫回収槽に流入した泡沫を消泡する消泡部と、前記泡沫回収槽から消泡された泡沫に含まれる泡沫成分、および、前記泡沫とともに前記泡沫回収槽に流入した前記使用済海水を前記放水路の底面近傍に戻す放出部と、が設けられていることを特徴とする。
なお泡沫成分は、もともと海水中に含まれる有機物等を主成分とするため、泡沫成分を放水路に戻しても放水路を流れる使用済海水は環境基準に抵触することがない。
一般に、泡沫回収槽の使用済海水を攪拌しない場合には、沈殿した泡沫成分により泡沫回収槽の利用可能な容積が減少するため、沈殿した泡沫成分を除去する作業が必要になる。それに対して、本発明の泡沫処理装置では、泡沫成分が泡沫回収槽の底面に沈殿しないため、沈殿した泡沫成分を除去する作業が不要、または、作業を行う頻度を低減することができる。
図1は、本実施形態に係る泡沫処理装置の構成を説明する上面視図である。図2は、図1の泡沫処理装置の構成の概略を説明する模式図である。
本実施形態の泡沫処理装置1は、たとえば海水を吸収剤として使用する排煙脱硫装置から排出された脱硫後の海水である使用済海水の水面WLに浮遊する泡沫Bを分離除去して処理するものであって、放水路10を流れる使用済海水の水面WLに浮遊する泡沫Bを処理するものである。
泡沫処理装置1には、図1および図2に示すように、泡沫回収部2と、泡沫回収槽3と、消泡部4と、攪拌部5と、放出部6と、が主に設けられている。
なお、エアレーションエリア12A,12B,12Cの構成としては、公知な構成を用いることができ、特に限定するものではない。
泡沫回収部2は、図1から図3に示すように、使用済海水の水面WLを浮遊する泡沫Bを放水路10から回収するものである。
泡沫回収部2には、ガイド部21と、泡沫保持部22と、トロリ23と、ガイドプレート14とが主に設けられている。
ガイド部21は、トロリ23が往復動する軌道であるとともに、泡沫保持部22を支持するものでもある。
ガイド部21には、図3および図4に示すように、一対の梁状部材21Aと、トロリレール21Bと、が設けられている。
トロリレール21Bは、梁状部材21Aの上面に配置されたステンレス鋼(SUS)などの金属から形成された板状の部材である。トロリレール21Bの上にはトロリ23が配置され、トロリ下部に設置されたレーキ23Bが泡沫を掻きあげてガイドプレート14上を滑り上る構造とされている。
ガイド部21における泡沫回収槽3側(図2の右側)の端部は、放水路10から泡沫回収槽3に向かって突出されている。
なおガイドプレート14は、その上端が放水路10を流れる使用済海水の最大水位(たとえば満潮時の水位)よりも高くなるように配置されている。
なお、泡沫保持部22としては、カーテンウォールや、泡寄せ浮体や、オイルフェンスなどの公知のものを用いることができる。
トロリ23には、トロリ本体23Aと、レーキ23Bと、が主に設けられている。
具体的には、レーキ23Bは上下方向の中央近傍で、開口部13側に向かって2つに折れ曲がるように構成されている。開口部13に近づく方向に移動する際には、レーキ23Bはまっすぐに延び、レーキ23Bの下端によって泡沫Bが掻き集められる。その一方で、開口部13から離れる方向に移動する際には、レーキ23Bは中央付近で開口部13方向に折れ曲がるため、レーキ23Bの下端によって泡沫Bが掻き集められない。
泡沫回収槽3は回収された泡沫Bが流入するものであり、この内部で回収された泡沫Bが消泡されるものである。
泡沫回収槽3には、図2および図5に示すように、消泡を行う第1領域31と、消泡および攪拌を行う第2領域32と、が主に設けられている。
第1領域31は、放水路10に隣接する位置であって、かつ、開口部13とも隣接する位置に配置されている。さらに第1領域31は第2領域32と比較して面積が小さく、かつ、深さが浅く構成されている。第1領域31には、消泡部4の消泡スプレー41が配置されている。
第2領域32は、第1領域31に隣接する位置であって、開口部13、第1領域31、第2領域32の順に並ぶように配置されている。第2領域には、消泡部4の消泡スプレー41、および、攪拌部5が配置されている。
消泡部4には、図2および図5に示すように、消泡スプレー41と、消泡ポンプ42と、が主に設けられている。
なお、消泡スプレー41の構成としては公知の構成を用いることができ、特に限定するものではない。
なお、消泡すべき泡沫Bの量が変化した場合に、稼働させる消泡ポンプ42の台数を変えることにより対応してもよく、特に限定するものではない。
消泡ポンプ42の入口側(上流側)には、基本的に全開か全閉とされる消泡用流量弁43が設けられ、出口側(下流側)には、ポンプに流入または流出する使用済海水の流量を調節する消泡用流量弁43が設けられている。
攪拌部5には、図2に示すように、回転部51と、攪拌モータ52と、が主に設けられている。
回転部51には棒状の軸部と、軸部に対して直交して延びる攪拌子と、が設けられている。回転部51の軸部は攪拌モータ52と回転駆動力が伝達可能に接続され、回転部51の軸部および攪拌子は攪拌モータ52により回転駆動されるものである。
なお、回転部51と攪拌モータ52との数の割合は、1対1であってもよいし、それ以上でも以下であってもよく、特に限定するものではない。
なお、放水路10に戻す使用済海水および泡沫成分の量が変化した場合に、稼働させる放出ポンプ62の台数を変えることにより対応してもよく、特に限定するものではない。
放出ポンプ62の入口側(上流側)には、基本的に全開か全閉とされる放出用流量弁63が設けられ、出口側(下流側)には、ポンプに流入または流出する使用済海水の流量を調節する放出用流量弁63が設けられている。
たとえば排煙脱硫装置から排出された使用済海水は放水路10に流入し、図1に示すように、エアレーションエリア12A,12B,12Cにおいて脱炭酸が行われる。脱炭酸が行われた使用済海水の水面WLには泡沫Bが形成され、泡沫Bは使用済海水とともに下流(図1の下側)に向かって流れる。
せき止められた泡沫Bは、ガイド部21に沿って放水路10を横断する方向に往復動するトロリ23によって泡沫回収槽3に回収される。
レーキ23Bが開口部13に設けられた傾斜壁面14に到達すると、トロリ本体23Aの移動に伴いレーキ23Bの下端は傾斜壁面14の壁面に沿って上方に持ち上げられる。このとき、泡沫Bはレーキ23Bにより保持される一方、使用済海水はレーキ23Bと傾斜壁面14との隙間を下方に向かって流れ落ちる。つまり、泡沫Bと使用済海水とが分離される。
レーキ23Bが傾斜壁面14の泡沫回収槽3側の端部を通過すると、レーキ23Bにより保持されていた泡沫Bは泡沫回収槽3に落下する。
第1領域31および第2領域32では消泡スプレー41から泡沫Bに使用済海水が散布され、泡沫Bが消泡される。
なお、図2では、開かれている消泡用流量弁43を白抜きで表し、閉じられている消泡用流量弁43を黒塗りで表している。
第2領域32では、使用済海水が攪拌部5により攪拌されているため、泡沫成分も使用済海水とともに攪拌される。
本実施形態では、2台の放出ポンプ62のうち1台が運転されている例に適用して説明する。この場合、運転される放出ポンプ62の上流側および下流側に配置された放出用流量弁63が開かれ、停止される放出ポンプ62の上流側および下流側に配置された放出用流量弁63は閉じられている。
なお、図2では、開かれている放出用流量弁63を白抜きで表し、閉じられている放出用流量弁63を黒塗りで表している。
また、消泡ポンプ42、放出ポンプ62、消泡用流量弁43および放出用流量弁63が、泡沫回収槽3に配置された使用済海水の水位を測定するレベルセンサ64の測定値に基づいて制御されていてもよく、特に限定するものではない。
なお泡沫成分は、もともと海水中に含まれる有機物等を主成分とするため、泡沫成分を放水路10に戻しても放水路10を流れる使用済海水は環境基準に抵触することがない。
一般に、泡沫回収槽3の使用済海水を攪拌しない場合には、沈殿した泡沫成分により泡沫回収槽3の利用可能な容積が減少するため、沈殿した泡沫成分を除去する作業が必要になる。それに対して、本実施形態の泡沫処理装置1では、泡沫成分が泡沫回収槽3の底面に沈殿しないため、沈殿した泡沫成分を除去する作業が不要、または、作業を行う頻度を低減することができる。
2 泡沫回収部
3 泡沫回収槽
4 消泡部
5 攪拌部
6 放出部
Claims (2)
- 発電設備で用いられ排出された使用済海水が流れる放水路に設置される泡沫処理装置であって、
前記水路を流れる前記使用済海水の水面に浮遊する泡沫を回収する泡沫回収部と、
該泡沫回収部により回収された泡沫が流入する泡沫回収槽と、
該泡沫回収槽に流入した泡沫を消泡する消泡部と、
前記泡沫回収槽から消泡された泡沫に含まれる泡沫成分、および、前記泡沫とともに前記泡沫回収槽に流入した前記使用済海水を前記放水路の底面近傍に戻す放出部と、
が設けられていることを特徴とする泡沫処理装置。 - 前記泡沫回収槽には、前記泡沫とともに流入した前記使用済海水を攪拌する攪拌部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の泡沫処理装置。
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