JP2011115583A - 骨ねじおよびツール - Google Patents

Abstract

【課題】用意された芯穴を用いることなく、骨に迅速に捩じ込むことができる骨ねじを提供する。
【解決手段】骨ねじは、外側壁の少なくとも一部に骨ねじ山（５）を有する管状本体（１）を含む。管状本体は開口している第１の端部（２）および開口している第２の端部（３）を有する。開口している第１の端部（２）において複数の切削歯（４）が設けられる。第２の端部（３）において、捩じ込むためのツール（１００）と係合する構造（３１，３１０）が設けられる。
【選択図】図１

Description

本発明は骨ねじに関する。特に、本発明は融合ねじとして用いることができる骨ねじに関する。このねじは周りの骨との融合を促進する。

この種の骨ねじはＵＳ ２００４／００１５１７２ Ａ１から既知である。この骨ねじは骨ねじ山がある管状ねじ部を有し、その壁に複数の凹所を有する。頭部および先端部を管状ねじ部に接続することができる。使用の際、管状部には骨材または他の増殖促進材を充填し、つぎに先端部および／または頭部が管状部分に接続される。まず、芯穴が用意され、ねじが芯穴に挿入されて骨に捩じ込まれる。一定期間の後、ねじと骨との間が融合される。このねじはけん引要素として働き、砕けたまたは離れた骨部分をねじによって接続する。芯穴を用意する代わりに、先端を自己切削構造にしてもよい。

ＵＳ ２００４／０１２２４３１は上記の種類の骨ねじであって、頭部がないものを記載している。このような骨ねじは、たとえば脊髄釘とともに使用できる。ＵＳ ２００５／００５５０２６ Ａ１は上記の種類の骨ねじであって、別部分である頭部が管状のねじ山が付けられたシャンクに接続可能なものを記載している。頭部は固定ロッドに接続できるよう構成されている。一実施例において、ねじの管状のねじ山が付けられたシャンクの端部はねじ回しと係合するための頭部スリットに接続される。

さらに、たとえばＷＯ ０１／２６５６８ Ａ１に記載されているいわゆる注入ねじがあり、骨セメントや他の液体またはペースト状の材料を骨の中に注入するために用いられる。この種のねじは、骨ねじ内に延在する相対的に細いカニューレを有する。このカニューレは中に骨チップや骨移植片を充填するには適さない。

ＵＳ ２００４／００１５１７２ Ａ１ ＵＳ ２００４／０１２２４３１ ＵＳ ２００５／００５５０２６ Ａ１ ＷＯ ０１／２６５６８ Ａ１

本発明の目的は、用意された芯穴を用いることなく、骨に迅速に捩じ込むことができる骨ねじを提供することである。

本目的は請求項１に記載の骨ねじによって達成される。さらなる特徴は従属項で示される。

本発明の骨ねじは、自己充填型である。骨に捩じ込まれると、切削歯は骨と係合し、穴を作る。ねじが挿入された場所からの骨材は、管状本体の空洞を満たす。したがって、芯穴を用意する必要はない。管状本体を予め骨材で満たす必要はない。したがって、骨ねじを埋込む手順は、骨ねじを予め満たして、予め用意された芯穴に挿入する場合と比べて時間がかからない。さらに、骨材は予め充填された骨材と比べてより欠損のない構造を有するので、治癒過程を促進する。

本骨ねじは強い健康な骨および弱い骨粗鬆症の骨に特に適する。なぜなら、骨ねじを捩じ込む際に起こる構造的損傷は最小限に抑えられるからである。

挿入する手順においてガイドワイヤを使用することにより、骨ねじは最小侵襲手術に用いることができる。

本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面とともに、本発明のさまざまな実施例の記載により明らかとなる。

第１の実施例による骨ねじの斜視図である。 図１の骨ねじの上面図である。 図１の骨ねじであって、骨ねじの長手軸Ｌを含む面の断面図である。 図１の骨ねじの側面図である。 第２の実施例の骨ねじの斜視図である。 図５の骨ねじの上面図である。 図５の骨ねじであって、骨ねじの長手軸Ｌを含む面の断面図である。 図５の骨ねじの側面図である。 ガイドワイヤおよび挿入するためのツールとともに示される、図５から図８の骨ねじの斜視図である。 係合構造を含む、ツールの断面図である。

図１から図４に示される第１の実施例の骨ねじは、管状本体１、開口している第１の端部２、開口している第２の端部３、および中央長手軸Ｌを有する。第１の端部２において、管状本体の自由端縁は複数の切削歯４を有し、骨に穴を切開くよう構成されている。外側壁の一部であって、本実施例では第１の端部２寄りに、管状本体はいわゆる骨ねじ山５を含む。骨ねじ山５は、骨ねじが骨に捩じ込まれたときに、骨に切り込むよう構成されている。図面では実質的に鋸歯の形状の骨ねじ山を示すが、既知であるあらゆる種類の骨ねじ山を用いることができる。切削歯４は長手軸Ｌと同軸に、第１の端部２の端縁から延在する。示される実施例では、実質的に鋸歯状である。この形状は、自由端に沿った外周線に対して４５°より大きい角度で延在する急峻なフランク4aと、自由端に対して０°より大きくかつ４５°までの角度で延在する、より浅いフランク4bとを含む。ねじの挿入を容易にするために、急峻なフランクはすべて同じ円周上の方向に配向される。切削歯は骨の中に環状の穴を切開くよう構成されている。穴の中に、骨材は残る。切削歯の間に残る骨材は管状本体に収容される。これはチップもしくはプラグ状粘性塊またはその双方からなり得る。

切削歯の半径方向の厚さは、管状本体の壁の厚さよりも大きくてもよい（図示されない）。これにより、骨材を収容するために、管状本体内の空間が大きくなる。

切削歯の高さ、形状、および数はさまざまである。骨材が管状本体内に残るよう、骨を切るよう構成されているさまざまな種類の切削歯が適する。

管状本体の壁には、複数の開口６が設けられ、骨ねじの周りの骨材および血管の内殖を可能にする。菱形形状の開口が示され、管状本体１の壁を完全に抜ける。開口は骨ねじ山５のそれぞれの頂5aの間に位置する。開口６について、他のさまざまな形状および位置が考えられる。

第２の開口端部３に隣接して、管状本体１の一部分３０が設けられ、この部分は捩じ切りされていない。部分３０の内側壁には複数の凹所３１が円周方向において等間隔で設けられており、ねじ回しまたは他のツールとの係合する構造をなす。凹所３１は開口端部３の端縁からある距離延在する。係合構造を有する部分３０の管状本体１の壁の厚さは、管状本体１の残りの部分の壁の厚さと比べて大きくてもよい。図面に示される凹所は、星形ねじ回しのための星形係合構造を形成する。しかし、たとえば六角穴、正方形穴、または他の多角形の穴のように、他の形状の係合構造も考えられる。

管状本体は円筒状であると示されているが、他の形状も考えられる。たとえば、管状本体１は第１の端部２近くに、第１の端部２からテーパ状になる逆テーパ部を有することができる。管状本体によって設けられる空洞の容積は、骨材を収容するのに適する量である。管状本体の壁の厚さは、好ましくはねじ芯直径の約１５％よりも小さい。

骨ねじのすべての部分は人体に適合する材料からなる。たとえば、ステンレススチールやチタンのような人体適合金属、ニチノールのような人体適合金属合金、またはたとえばＰＥＥＫのような人体適合プラスチック材を挙げることができる。

さらに、骨ねじの管状本体や他の部分は、内殖促進材で被覆されても、または骨や血管の内殖を高めるために粗面化されてもよい。

使用の際、第１の実施例の骨ねじは、係合構造３１をねじ回しと係合させることにより、骨の中に挿入される。切削歯４はねじのための穴を作り、骨ねじ山５は骨ねじを穴の中にさらに進入させることを促進する。切削歯４で削られた骨材は管状本体１の内部を満たす。ある期間の後、管状本体の骨材は骨ねじの周りの骨材と融合するので、骨ねじは骨にしっかりと接続される。

本骨ねじは頭部を有さないので、骨ねじは骨の切片を再配置するために融合される締めねじとして用いられない。本実施例の骨ねじは、関節の固定のため、たとえば面関節の固定のために用いられる。

図５から図８において、骨ねじの第２の実施例が示される。第２の実施例が第１の実施例と異なるのは、ツールとの係合構造の設計にある。他のすべての部分は第１の実施例のものと同様であり、同じ参照符号が付けられている。したがって、その説明は繰返されない。

第２の実施例の骨ねじでは、開口している第２の端部３に隣接して、ねじ山が付けられていない部分３００があり、開口端部の端縁から管状本体１の長手方向においてある距離延在する複数のスリット３１０を含む。スリット３１０は穴を完全に抜けるので、係合構造をなし、ツールの対応する係合構造、たとえばツールのピンと係合することができる。

スリット３１０は矩形形状で示される。しかし、ツールの係合構造がスリットと係合した場合にトルクを伝達することができる他の形状も考えられる。スリットの数および寸法も変わり得る。

図９および図１０は、ツール１００およびガイドワイヤ８とともに、第２の実施例の骨ねじを示す。ツール１００は、骨ねじの係合構造と協働するよう適合されているシリンダである。前面１０１において、複数のピン１０２があり、これらは骨ねじの係合構造の凹所３１０と係合するよう構成されている。さらに、溝１０３が設けられており、その中に骨ねじの管状本体の開口端部３の自由端縁を挿入して、ツール１００の取付けを容易にする。ピン１０２は溝において等間隔で設けられており、前面１０１から突出しない、またはほとんど突出しない。ツール１００はガイドワイヤ８をその中に案内するための同軸案内穴１０４を含む。ツール１００の長さは、ガイドワイヤ８が安定した態様でツール１００によって案内できるものである。

示されるツールは円筒状であるが、骨ねじの係合構造と協働する他の形および他の係合構造を有することができる。たとえば、係合構造は第１の実施例の骨ねじの係合構造と係合するよう設計されてもよい。

図９および図１０に示される骨ねじはツールおよびガイドワイヤとともに、最小侵襲手術（MIS)に用いることができる。まず、ツール１００によって案内されるガイドワイヤは、図９に示されるように管状本体１に挿入される。次に、ガイドワイヤ８は患者の皮膚を通って組織内に進入し、骨ねじを設置するべき場所に到達する。次に、ガイドワイヤは適切な方向および深さで骨に挿入される。次に、骨ねじは中に延在するガイドワイヤ８によって案内されて骨の表面に達する。次に、骨ねじはツール１００を回転させることにより、ガイドワイヤによって案内されて骨に捩じ込まれる。切削歯４はねじのための穴を形成し、骨のねじ山５は骨ねじを穴の中にさらに進入させることを容易にする。

切削歯４によって削られた骨材は管状本体１の内部を満たす。骨ねじが最終的に移植されると、ガイドワイヤを引戻す。一定の期間後、管状本体内の骨材は、骨ねじの周りの骨材と融合するので、骨ねじは骨にしっかりと接続される。骨ねじは、特に関節を固定化させるために、第１の実施例に従う骨ねじとして使用することができる。

１ 管状本体
５ 骨ねじ山
２ 開口している第１の端部
３ 開口している第２の端部
４ 切削歯
４ａ 急峻なフランク
４ｂ 浅いフランク
３０ 捩じ切りされていない部分
３１ 凹所

Claims (15)

1. 骨ねじであって、
   外側壁の少なくとも一部に骨ねじ山（５）を有する管状本体（１）を備え、管状本体は開口している第１の端部（２）および開口している第２の端部（３）を有し、
   開口している第１の端部（２）において複数の切削歯（４）が設けられ、
   第２の端部（３）において、捩じ込むためのツール（１００）と係合する構造（３１，３１０）が設けられる、骨ねじ。
2. 切削歯（４）は、管状本体の中央軸（Ｌ）と同軸的に延在する、請求項１に記載の骨ねじ。
3. 切削歯（４）は、管状本体（１）が骨に捩じ込まれた場合に、穴を切開くよう構成されている、請求項１または２に記載の骨ねじ。
4. 切削歯（４）は実質的に鋸歯の形状を有する、請求項１から３のいずれか１項に記載の骨ねじ。
5. 切削歯（４）は半径方向において、管状本体の壁と比べてより厚い、請求項１から４のいずれか１項に記載の骨ねじ。
6. 切削歯（４）は開口している第１の端部（２）の端縁をなす、請求項１から５のいずれか１項に記載の骨ねじ。
7. 管状本体の壁の厚さは、管状本体の外径の約１５％よりも小さい、請求項１から６のいずれか１項に記載の骨ねじ。
8. 係合構造は複数の凹所（３１０）を含み、凹所は開口している第２の端部（３）から管状本体の中央長手軸（Ｌ）と実質的に同軸的に、管状本体の壁を通って延在する、請求項１から７のいずれか１項に記載の骨ねじ。
9. 係合構造は、開口している第２の端部（３）から管状本体の内側壁に延在する、多角形の凹所または星形の凹所（３１０）を含む、請求項１から８のいずれか１項に記載の骨ねじ。
10. 管状本体の壁は複数の開口（６）を含む、請求項１から９のいずれか１項に記載の骨ねじ。
11. 管状本体はねじ山が付けられていない部分を含む、請求項１から１０のいずれか１項に記載の骨ねじ。
12. ガイドワイヤ（８）が設けられ、骨ねじの挿入を案内するために、管状本体内に挿入可能である、請求項１から１１のいずれか１項に記載の骨ねじ。
13. 管状本体（１）は円筒形である、請求項１から１２のいずれか１項に記載の骨ねじ。
14. 請求項１から１３のいずれか１項に記載の骨ねじを挿入するためのツールであって、ツールは係合構造（１０２，１０３）を備え、係合構造は骨ねじの係合構造（３１，３１０）と係合し、かつガイドワイヤを案内するよう構成されている、ツール。
15. ツールは中にガイドワイヤを案内するための案内穴（１０４）を備える、請求項１４に記載のツール。

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