JP2011114191A - 容量素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】リーク電流を実用レベルまで低減し且つ半導体集積回路装置の微細化を進めても十分なメモリの保持特性を保証できる電荷量を確保する。
【解決手段】容量素子216は、AがAサイトを占める元素、BがBサイトを占める元素、Oが酸素原子を表すとき、一般式ABO3 により表される単純プロベスカイト型結晶構造の金属酸化物からなる容量絶縁膜214と、これを挟み込む第1の電極及び第2の電極212及び215を備える。Aサイトにはビスマスの陽イオン、Bサイトには遷移元素である第1の元素の陽イオンが配置されている。Aサイト及びBサイトの少なくとも一方は、ビスマス及び第1の元素以外の金属元素より選ばれた第2の元素の陽イオンによって一部置換されている。第2の元素の陽イオンによる置換量は、容量絶縁膜214と、第1の電極212及び第2の電極215との界面のうち少なくとも一方において最大となっている。
【選択図】図3

Description

本発明は、容量素子及びその製造方法に関し、特に、強誘電体を容量絶縁膜に用いた不揮発性メモリ用途の容量素子及びその製造方法に関する。
近年、デジタル技術の進展に伴い、大容量のデータを処理、保存する傾向が推進されている。その中で、電子機器が一段と高度化し、使用される半導体装置に搭載する半導体素子の微細化が急速に進んできている。
特に、DRAM(Dynamic Random Access Memory)において、高集積化を実現するために高誘電率を有する誘電体(以下、高誘電体と呼ぶ)を記憶容量素子の容量絶縁膜として用いる技術が開発されている。具体的に、Ta25、HfO2 といった金属酸化膜は、酸化シリコン膜及び窒化シリコン膜より誘電率が大きいため、容量絶縁膜の面積を小さくするために用いることができる。
この一方、情報セキュリティに対して高度な暗号化技術が必要とされており、低電圧動作かつ高速書き込み読み出し可能な不揮発性メモリが要望されている。その一例として、自発分極特性を有する強誘電体を容量絶縁膜に用いたFeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)が実用化されている。
FeRAMの容量絶縁膜に用いられる強誘電体材料としては、単純ペロブスカイト型結晶構造をもったPb(Zr1-xTix)O3 (0<x<1、通称PZT)がよく知られている。これは、低融点のPbを含むため低温で形成できること、また、自発分極量が大きいこと等を特徴とする。しかしながら、鉛は人体に有害であるため、世界的に使用禁止の動きが広がっている。
鉛を含まない強誘電体材料としては、ビスマス層状ペロブスカイト型結晶構造をもったSrBi2Ta29 (通称SBT)、SrBi2Nb29 (通称SBN)、SrBi2(Ta1-xNbx29(0<x<1、通称SBTN)、Bi4Ti312(通称BIT)等がよく知られており、低融点のBiを含むため低温で形成できるという特徴を持つ。しかしながら、これらの材料はPZTと比較して自発分極量が小さいため、微細化には不利であった。
これに対し、最近になってBiFeO3 (通称BFO)が注目を浴びている。BFOは低融点のBiを含むため低温で形成できるという特徴を持つ。また、BFOは、図1に示すように、一般式ABO3 で表される単純ペロブスカイト型結晶構造をもち、Aサイト101に3価のBi陽イオン、Bサイト102に3価のFe陽イオンが配置される。室温では陽イオンであるBi及びFeと、陰イオンである酸素103とが逆方向にずれて配置されていることから強誘電性が発現し、PZTと比較しても同等以上の自発分極量を有する。
また、Feは3d軌道に5個の不対電子を持つことから、電子スピンの向きが揃うことにより強磁性が発現する。このようにBFOは強誘電性に加えて強磁性を併せ持つマルチフェロイック物質であるため、新しい機能を有する材料としても期待されている。
しかしながら、BFOを材料として容量絶縁膜を形成した場合、従来の材料に比べてリーク電流が大きく、メモリが正常に動作しないという致命的な課題があった。
この原因の1つは、陽イオンの価数変化である。Biは通常3価の陽イオンとして存在するが、5価の陽イオンにもなる。また、Feは通常では3価の陽イオンとして存在するが、2価の陽イオンにもなる。これらのことにより、新たなエネルギー準位が発生する。このようにして発生したエネルギー準位間をキャリアが移動するホッピング伝導が生じて、リーク電流が発生する。これは、Bサイトに遷移金属の陽イオンを用いたマルチフェロイック物質に共通の課題であり、遷移金属が不対電子を多く持つため価数変化が起こりやすいことに起因する。
もう1つの原因は、AサイトのBi抜けによる格子欠陥である。Biは融点が低く不安定であるため、Aサイト位置から抜けて、格子間、粒界等に析出しやすい。これに伴い、Aサイト空孔、酸素空孔、電子、ホールといったキャリアが生じ、リーク電流が発生する。
このようなBFOのリーク電流を抑制する方法として、AサイトのBi陽イオン又はBサイトのFe陽イオンについて、3価以外の価数を取り難い陽イオンによって一部置換する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、3族のSc、13族のAl、Ga、In、ランタノイド(Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb)の陽イオンを用い、AサイトのBi陽イオン又はBサイトのFe陽イオンの一部置換する。このようにすると、これらの陽イオンは3価以外の価数を取り難いので、価数変化によるリーク電流を抑えることができる。特に、fブロック元素であるランタノイドの陽イオンはAサイトを置換するので、Bi抜けによるリーク電流も抑えることができる。
WO2005/122260号公報
しかしながら、背景技術のようにAサイト又はBサイトの陽イオンを置換する方法の場合、リーク電流を実用レベルまで十分に抑制するためには置換量を多くしなければならず、その結果、キュリー温度が低下して自発分極量が減少するという問題がある。そのため、今後半導体集積回路装置の微細化を進めて行くと、容量素子の面積が小さくなるので、メモリの保持特性を保証するのに十分な電荷量が確保できなくなるというという問題が発生する。よって、これらの問題の解決が課題となっている。
前記の課題に鑑み、本発明は、リーク電流を実用レベルまで十分に抑制するとともに、半導体集積回路装置の微細化を進めても十分なメモリの保持特性を保証できる十分な電荷量を確保することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本開示の容量素子は、AがAサイトを占める元素、BがBサイトを占める元素、Oが酸素原子を表すとき、一般式ABO3 により表される単純プロベスカイト型結晶構造を持つ金属酸化物からなる容量絶縁膜と、容量絶縁膜を挟み込む第1の電極及び第2の電極を備え、Aサイトには、ビスマスの陽イオンが配置され、Bサイトには、遷移元素より選ばれた第1の元素の陽イオンが配置され、Aサイト及びBサイトの少なくとも一方は、ビスマス及び第1の元素以外の金属元素より選ばれた第2の元素の陽イオンによって一部置換されており、容量絶縁膜における第2の元素の陽イオンによる置換量は、第1の電極から第2の電極に向かう方向に変化しており、容量絶縁膜と第1の電極との界面、及び、容量絶縁膜と第2の電極との界面のうち少なくとも一方において、第2の元素の陽イオンによる置換量が最大となっている。
このような構成とすることにより、以下に説明するように、リーク電流を低減すると共に、分極特性の低下を抑制することができる。
つまり、ショットキー接合を形成する電極界面(各電極と容量絶縁膜との界面)付近において、第2の元素による置換量を多くすることにより禁止帯中のエネルギー準位の発生を抑制できる。このことから、ショットキー接合が有効に作用してキャリア移動を抑え、リーク電流を低減することができる。
この一方、ショットキー接合とは無関係である容量絶縁膜の中央付近については、第2の元素による置換量をできるだけ少なくすることにより、キュリー温度の低下とそれに伴う分極量の低下とを抑えることができる。
尚、容量絶縁膜における第2の元素の陽イオンによる置換量が、第1の電極から第2の電極に向かう方向に階段状に変化しており、容量絶縁膜の第1の電極側の領域及び第2の電極側の領域における置換量は、容量絶縁膜の中央側の領域における置換量よりも多いことが好ましい。
また、容量絶縁膜における第2の元素の陽イオンによる置換量が、第1の電極から第2の電極に向かう方向に連続的に滑らかに変化しており、容量絶縁膜の第1の電極側の領域及び第2の電極側の領域における置換量は、容量絶縁膜の中央側の領域における置換量よりも多いことが好ましい。
このようにすると、第1及び第2のいずれの電極と容量絶縁膜との界面においても、リーク電流を抑制する効果が実現される。特に、置換量が連続的に滑らかに変化している場合、組成の急激な変化による空乏層の発生等を防止することができる。
また、容量絶縁膜の第1の電極側の領域及び第2の電極側の領域における置換量は、33%以上で且つ100%以下であり、容量絶縁膜の中央側の領域における置換量は、0%以上で且つ33%以下であることが好ましい。
第1及び第2の電極側の領域において、置換量が33%以上となると、第2の元素の陽イオンが結晶中にネットワークを形成することからリーク電流抑制の効果が顕著になる。また、中央側の領域において、置換量が33%以下であれば、Aサイトのビスマスの陽イオン又はBサイトの第1の元素の陽イオンによる結晶中のネットワーク形成を妨げないので強誘電性を発現しやすくなる。
また、第1の元素は、鉄、コバルト、ニッケル及びマンガンより選ばれた元素を少なくとも1つ含むことが好ましい。
これらの元素は不対電子を多く持ち、強磁性が発現することから、マルチフェイロックとしての効果が実現できる。
また、第2の元素の陽イオンが、少なくともAサイトを占めるビスマスの一部を置換していることが好ましい。
このようにすると、価数の変化によるエネルギー準位の発生、ビスマス抜けによる格子欠陥の発生等を抑制することができる。
また、第2の元素は、イットリウム、ランタノイド及びアクチノイドより選ばれた元素を少なくとも1つ含むことが好ましい。
これらの元素は安定な3価の陽イオンとしてAサイトを置換するので、価数変化によるエネルギー準位の発生、ビスマス抜けによる格子欠陥の発生等をより確実に抑制することができる。
また、第2の元素の陽イオンが、少なくともBサイトを占める第1の元素の一部を置換していることが好ましい。
このようにすると、価数の変化によるエネルギー準位の発生を抑制することができる。
また、第2の元素は、スカンジウム、アルミニウム、ガリウム及びインジウムより選ばれた元素を少なくとも1つ含むことが好ましい。
これらの元素は安定な3価の陽イオンとしてBサイトを置換するので、価数の変化によるエネルギー準位の発生をより確実に抑制することができる。
また、第2の元素は、リチウム、ベリリウム、マグネシウム、銅、銀及び金より選ばれた元素を少なくとも1つ含み、且つ、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン及びタングステンより選ばれた元素を少なくとも1つ含むことが好ましい。
更に、第2の元素は、平均価数が3となる組み合わせであることが好ましい。
第1族のリチウムは安定な1価の陽イオン、第2族のベリリウム及びマグネシウムと第11族の遷移元素とは安定な2価の陽イオンになる。また、第4族(チタン、ジルコニウム及びハフニウム)、第5族(バナジウム、ニオブ及びタンタル)、第6族(クロム、モリブデン及びタングステン)の遷移元素は、それぞれ安定な4価、5価、6価の陽イオンになる。そこで、これらを適量組み合わせることにより、平均価数を3価にできる。
平均価数が3価とは異なる場合、価数の違いによってAサイト空孔、Bサイト空孔、キャリア(電子・ホール)等が発生してリークの原因となる。これに対し、平均価数が3価であれば、そのような問題が起こらない。更に、多種の組み合わせが可能であるため、元素の選択肢が広がる。
また、第2の元素の陽イオンが、Aサイトを占めるビスマスの一部を置換すると共に、Bサイトを占める第1の元素の一部を置換することが好ましい。
このように、Aサイト及びBサイトの両方が一部置換されると、価数変化によるエネルギー準位の発生と、Aサイトのビスマス抜けによる空孔の発生とを抑制できる。
また、第2の元素は、イットリウム、ランタノイド及びアクチノイドより選ばれた元素を少なくとも1つ含み、且つ、スカンジウム、アルミニウム、ガリウム及びインジウムより選ばれた元素を少なくとも1つ含むことが好ましい。
このようにすると、イットリウム、ランタノイド及びアクチノイドは安定な3価の陽イオンとしてAサイトを置換するので、価数変化によるエネルギー準位の発生、ビスマス抜けによる格子欠陥の発生を抑えることができる。更に、スカンジウム、アルミニウム、ガリウム及びインジウムは安定な3価の陽イオンとしてBサイトを置換するので、価数変化によるエネルギー準位の発生を抑えることができる。
第2の元素は、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム及びラジウムより選ばれた元素を少なくとも1つ含み、且つ、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン及びタングステンより選ばれた元素を少なくとも1つ含むことが好ましい。
更に、第2の元素は、平均価数が3となる組み合わせであることが好ましい。
アルカリ金属(ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム及びフランシウム)、アルカリ土類金属(カルシウム、ストロンチウム、バリウム及びラジウム)はそれぞれ安定な2価、3価の陽イオンになる。また、第4族、第5族、第6族の遷移元素はそれぞれ安定な4価、5価、6価の陽イオンになる。そこで、これらを適量組み合わせることにより、平均価数を3価にできる。
平均価数が3価とは異なる場合、価数の違いによってAサイト空孔、Bサイト空孔、キャリア(電子・ホール)等が発生してリークの原因となる。これに対し、平均価数が3価であれば、そのような問題が起こらない。更に、多種の組み合わせが可能であるため、元素の選択肢が広がる。
次に、本開示の容量素子の製造方法は、基板上に第1の電極を形成する工程(a)と、第1の電極上に、AがAサイトを占める元素、BがBサイトを占める元素、Oが酸素原子を表すとき、一般式ABO3 により表される単純プロベスカイト型結晶構造を持つ金属酸化物からなる容量絶縁膜を形成する工程(b)と、容量絶縁膜上に第2の電極を形成する工程(c)とを備え、工程(b)において、Aサイトには、ビスマスの陽イオンが配置され、Bサイトには、遷移元素より選ばれた第1の元素の陽イオンが配置され、Aサイト及びBサイトの少なくとも一方は、ビスマス及び第1の元素以外の金属元素より選ばれた第2の元素の陽イオンによって一部置換された容量絶縁膜を形成し、工程(b)において、経時的に成膜条件を変化させることにより、容量絶縁膜と第1の電極との界面、及び、容量絶縁膜と第2の電極との界面のうち少なくとも一方において、第2の元素の陽イオンによる置換量を最大とする。
このようにすると、本開示の容量素子、つまり、電極界面付近では第2の元素による置換量が多いことからエネルギー準位の発生が抑制されてリーク電流が低減しており、中央付近では第2の元素による置換量が少なくなっていることから分極率の低下が抑えられた容量素子を製造することができる。
尚、工程(b)において、成膜条件の異なる少なくとも2つのステップにより容量絶縁膜を形成することが好ましい。
また、工程(b)において、成膜条件の異なる少なくとも3つのステップにより容量絶縁膜を形成することによって、容量絶縁膜における第2の元素の陽イオンによる置換量を、第1の電極から第2の電極に向かう方向に階段状に変化させると共に、容量絶縁膜の第1の電極側の領域及び第2の電極側の領域における置換量を、容量絶縁膜の中央側の領域における置換量よりも多くすることが好ましい。
このようにすると、階段状の組成分布により、容量絶縁膜の電極に近い側における第2の元素による置換量が中央側における置換量よりも大きい組成分を実現できる。
また、工程(b)において、成膜条件を連続的に変化させながら容量絶縁膜を形成することが好ましい。
また、工程(b)において、成膜条件を連続的に変化させながら容量絶縁膜を形成することにより、容量絶縁膜における第2の元素の陽イオンによる置換量が、第1の電極から第2の電極に向かう方向に連続的に滑らかに変化させると共に、容量絶縁膜の第1の電極側の領域及び第2の電極側の領域における置換量を、容量絶縁膜の中央側の領域における置換量よりも多くすることが好ましい。
このようにすると、組成が徐々に変化していることから、組成の急激な変化による空乏層の発生等を防止することができる。
本開示の容量素子及びその製造方法によると、リーク電流を実用レベルにまで十分に低減すると共に、半導体集積回路装置の微細化を進めても、メモリの保持特性を保証するのに十分な電荷量を確保することができる。
図1は、単純プロベスカイト型結晶構造を示す図である。 図2は、第1の実施形態に係る例示的容量素子の模式的断面構造を示す図である。 図3は、第1の実施形態の容量絶縁膜における膜厚方向の組成分布を例示する図である。 図4は、比較例におけるエネルギー帯の模式図である。 図5は、第1の実施形態におけるエネルギー帯の模式図である。 図6は、第1の実施形態の容量絶縁膜における膜厚方向の組成分布の他の例を示す図である。 図7は、第2の実施形態の容量絶縁膜における膜厚方向の組成分布の一例を示す図である。 図8は、第3の実施形態の容量絶縁膜における膜厚方向の組成分布を例示する図である。 図9(a)及び(b)は、第4の実施形態における容量素子の製造方法を説明する図である。 図10(a)及び(b)は、図9(a)に続いて、第4の実施形態における容量素子の製造方法を説明する図である。 図11は、容量絶縁膜を形成するMOCVD成膜装置を模式的に示す図である。 図12は、第4の実施形態における原料溶液流量のタイミングチャートを例示する図である。 図13は、第4の実施形態における原料溶液流量のタイミングチャートの他の例を示す図である。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態の容量素子について、図面を参照しながら説明する。図2は、例示的容量素子200の構造を模式的に示す断面図である。
図2に示す通り、容量素子200は、シリコンからなる半導体基板201を用いて形成されている。半導体基板201上には、シリコン酸化膜からなる素子分離領域202が形成されている。該素子分離領域202により区画された領域には、酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜203を介してポリシリコンからなるゲート電極204が形成されると共に、その両側に、B、As等の不純物が注入・拡散された不純物拡散層205が形成され、トランジスタ206が構成されている。
トランジスタ206を含む半導体基板201上の全体には、不純物としてB、P等が含まれる酸化シリコン膜からなる第1の層間絶縁膜207が形成されている。第1の層間絶縁膜207上には、第1の絶縁性水素バリア膜208が形成されている。第1の層間絶縁膜207と第1の絶縁性水素バリア膜208とからなる積層膜には、不純物拡散層205にまで達するように、タングステンからなるコンタクトプラグ209が形成されている。
第1の絶縁性水素バリア膜208上には、コンタクトプラグ209と電気的に接続するように、下層から順に、膜厚100nmのTiAlNからなる導電性水素バリア膜210、膜厚50nmのIrと膜厚50nmのIrO2 との積層膜からなる導電性酸素バリア膜211及び膜厚50nmPtからなる第1の電極212が積層して形成されている。これら3層の膜は、平面視では同一形状にパターニングされている。
第1の絶縁性水素バリア膜208上には、第1の電極212の上面を露出させるように、酸化シリコン膜からなる第2の層間絶縁膜213が形成されている。第2の層間絶縁膜213上に、第1の電極212を覆うように、膜厚50nmのBFOを主成分とする金属酸化物からなる容量絶縁膜214が形成されている(これについては、後に更に説明する)。容量絶縁膜214上には、膜厚50nmのPtからなる第2の電極215が形成されている。
第1の電極212、容量絶縁膜214及び第2の電極215により、容量素子216が構成されている。
第2の層間絶縁膜213上には、容量素子216上も覆うように、第3の層間絶縁膜217が形成されている。第2の層間絶縁膜213、第3の層間絶縁膜217及び第1の絶縁性水素バリア膜208に対し、第1の層間絶縁膜207にまで達し且つ平面視では容量素子216の周囲を完全に囲むように、溝型開口部218が形成されている。
第3の層間絶縁膜217上には、溝型開口部218によって囲まれた領域を完全に覆うように、膜厚20nmの窒化シリコン膜からなる第2の絶縁性水素バリア膜219が形成されている。ここで、第2の絶縁性水素バリア膜219は、溝型開口部218内において、第1の絶縁性水素バリア膜208の端面と接続している。これによって、容量絶縁膜214は全体(上下及び平面視での周囲全体)が水素バリア膜(第1の絶縁性水素バリア膜208及び第2の絶縁性水素バリア膜219)によって覆われた構造となっている。
次に、容量絶縁膜214のBFOを主成分とする金属酸化物について説明する。該金属酸化物は、図1に説明するように、一般式ABO3 により表される単純プロベスカイト型結晶構造を有する。ここで、AはAサイト101を占める元素、BはBサイト102を占める元素、Oは酸素元素103を表す。
更に、本実施形態の場合、Aサイトには3価のBi陽イオン、Bサイトには3価のFe陽イオンが配置されている。但し、Aサイトの一部は3価のLa陽イオンによって置換されている。La陽イオンは3価以外の価数を取りにくいので、このような置換により、価数変化に起因する新たなエネルギー準位の発生を抑制できる。また、LaはBiに比べて融点が高く安定であるから、BiをLaによって置換することにより、Aサイトにおける空孔の発生を抑制することができる。
次に、図3は、容量絶縁膜214の膜厚方向について、各サイトを占める元素の組成分布を示す。横軸は第1の電極212からの距離Lを示し、L=0(nm)が第1の電極212と容量絶縁膜214との界面、L=50(nm)が同じく第2の電極215と容量絶縁膜214との界面に相当する。また、縦軸は各サイトを占める元素の割合(%)を示す。
図3に示されているように、組成は3段の階段状分布となっており、1段目は第1の電極212と接する膜厚10nmの領域、2段目は容量絶縁膜214の厚さ方向の中央部を含む膜厚30nmの領域、3段目は第2の電極215と接する膜厚10nmの領域である。また、Laは、1段目及び3段目において最大の75%であり、2段目においては最小の0%である。逆に、Biは、1段目及び3段目において最小の25%であり、2段目において最大の100%である。尚、Feについては、いずれにおいても100%である。
以上のような組成分布を有する容量絶縁膜214を用いる効果について、図4及び図5を用いて説明する。
図4は、金属酸化物を容量絶縁膜として用い、Ptを第1の電極及び第2の電極として用いた比較例の容量素子におけるエネルギー帯の模式図である。この場合、Ptの仕事関数が大きいため、電極−容量絶縁膜の界面においてショットキー接合を形成し、キャリアの移動を抑えることができる。しかしながら、界面付近の禁止帯中にエネルギー準位があると、そこを経由してショットキー障壁を迂回するキャリアの移動が起るため、リーク電流が発生する。
特許文献1の技術の場合、Aサイト及びBサイトについての置換が行なわれているためにエネルギー準位の発生は抑制されている。しかし、置換量を多くするとキュリー温度の低下に伴う分極量の低下が発生するため、置換量を無制限に多くすることはできない。その結果、リーク電流の抑制には限度があり、完全に無くすことはできない。
これに対し、図5は、本実施形態におけるエネルギー帯の模式図である。本実施形態の場合、リーク電流を低減しながら分極量の低下を抑制することができる。まず、ショットキー接合を形成する電極−容量絶縁膜の界面付近(1段目及び3段目)において、Laによる置換量を多くして禁止帯中のエネルギー準位の発生を抑えている。これにより、ショットキー接合が有効に作用し、キャリアの移動を抑えてリーク電流を低減することができる。この一方、ショットキー接合とは関係しない容量絶縁膜の(厚さ方向に関する)中央付近(2段目)については、Laによる置換量をできるだけ少なくすることによってキュリー温度の低下に伴う分極量の低下を抑えている。
ここで、本実施形態では、容量絶縁膜214のうち、第1の電極212と接する1段目及び第2の電極215と接する2段目の両方において、Laの組成を最大としている。しかしながら、1段目及び3段目の少なくとも一方においてLaの組成を最大とすることにより、本実施形態の効果を発揮することは可能である。
また、本実施形態では、容量絶縁膜214として、AサイトにBi陽イオン、BサイトにFe陽イオンが配置されたABO3 と表される単純プロベスカイト型結晶構造を有する金属酸化物を用いたが、これには限らない。BサイトのFeの代わりに、他の遷移元素を用いても良いし、複数の遷移元素を組み合わせて用いても良い。とりわけ、Fe、Co、Ni、Mn及びこれらの組み合わせを用いると、強磁性が発生するため、マルチフェイロックとしての効果が期待できる。
また、本実施形態では、容量絶縁膜214の材料としてABO3 と表される単純プロベスカイト型結晶構造を有する金属酸化物を用い、そのAサイトを置換する元素として、ランタノイドのLaを用いたが、これには限らない。例えば、他のランタノイド(Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)、アクチノイド(Ac、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Es、Fm、Md、No、Lr)、3族のY及びこれらの組み合わせを用いてもよい。これらの元素はいずれも安定な3価の陽イオンとしてAサイトを置換するので、価数変化による新たなエネルギー準位の発生、Bi抜けによる格子欠陥の発生等を抑制することができる。
また、本実施形態では、第1の電極212及び第2の電極215として、白金族金属のうちPtを用いたが、これには限らない。Ru、Rh、Pd、Os、Ir等の他の白金族金属でも良いし、これらの導電性酸化物でもよい。白金族金属は仕事関数が大きいので、ショットキー接合を容易に形成することができる。
また、本実施形態では、容量絶縁膜214における1段目及び3段目の膜厚をいずれも10nmとしたが、これには限らず、5nm以上で且つ20nm以下の範囲であればよい。5nmよりも薄くなるとトンネル効果によるリークが発生する可能性があり、また、20nmよりも厚いと容量絶縁膜に占める割合が大きくなって分極率を低下させる。よって前記の範囲の膜厚とするのが良い。
また、本実施形態では、容量絶縁膜214における1段目及び3段目のLa置換量をいずれも75%としたが、これには限らない。33%以上で且つ100%以下であれば良く、好ましくは67%が良い。
D.スタウファー(D. Stauffer )の浸透理論(percolation theory)によると、2元系の物質が3次元にランダムに配置された場合、一方の物質が2次元方向に経路を作るための浸透閾値は33%である。従って、La置換量が33%以上であればLaが3次元の浸透閾値以上になるので、結晶中においてネットワークを形成し、リーク電流の低減効果が増幅される。特に、La置換量が67%を超えると、Biが3次元の浸透閾値以下になるので結晶中においてBiのネットワークが形成されなくなる。つまり、リーク電流の経路がなくなり、リーク電流がほぼ完全に抑制される。上限としては100%でも構わない。但し、La置換量が増大することによって生じる分極量の低下を少なくする方が良い。よって、La置換量は、製造バラツキを含めて67%を下回らない範囲内において低くした方が好ましい。例えば、67%以上で80%以下とする。
また、本実施形態では、容量絶縁膜214の中部分を含む2段目のLa置換量を0%としているが、これには限らない。上限を33%として、これより少ない置換量であればよい。La置換量が33%以下であれば、Biが3次元の浸透閾値以上となり、結晶中においてネットワークを形成するので強誘電性を発現しやすい。2段目においては、このことが望ましい。
また、本実施形態では、容量絶縁膜214の膜厚方向の組成分布が3段の階段状分布を持つ場合を説明した。しかし、これには限らず、4段以上に分かれていても良い。段数を増やして組成の変化をより段階的にすると、各段階での組成の急激な変化に起因する空乏層の発生等を抑制することができる。
更には、図6に示す他の例のように、各元素の組成分布が階段状の分布を持たず、組成分布が滑らかに変化するようにしてもよい。これは、段数を無限に増加した場合と考えることもできる。縦軸、横軸等については、図3と同様に表されている。
図6の例では、第1の電極212と容量絶縁膜214との界面及び第2の電極215と容量絶縁膜214との界面の両方において、La置換量が最大の75%となっている。また、容量絶縁膜214の中央部分において、La置換量は最小の0%となっている。
逆に、Biについては、第1の電極212と容量絶縁膜214との界面及び第2の電極215と容量絶縁膜214との界面の両方において最小の25%であり、容量絶縁膜214の中央部分において最大の75%である。
尚、Feについては、どの部分についても100%である。
以上のような構成とすると、組成を徐々に変化させることによって、組成の急激な変化に起因する空乏層の発生等を更に効果的に防止することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る容量素子について、図面を参照しながら説明する。ここで、本実施形態の容量素子と、第1の実施形態の容量素子との相違点は、容量絶縁膜214を構成する材料である。容量素子の断面構造等については、第1の実施形態の図2により説明したものと同じであるため、繰り返しの説明は省略する。
容量絶縁膜214を構成する材料は、BFOを主成分とする金属酸化物であって、図2に示すような一般式ABO3 にて表される単純プロベスカイト型結晶構造を有する。また、Aサイトには3価のBi陽イオン、Bサイトには3価のFe陽イオンが配置されている。これらの点については、第1の実施形態と同様である。
第1の実施形態との相違点として、本実施形態の場合、Bサイトの一部が3価のSc陽イオンによって置換されている。Aサイトについての置換は行なわれていない。
第3族の遷移元素であるSc陽イオンは3価以外の価数を取りにくいので、このような置換により、価数変化に起因する新たなエネルギー準位の発生を抑制できる。特に、Feは価数が容易に変化するので、BサイトのFeイオンを置換することはより効果的である。
図7は、本実施形態における容量絶縁膜214の膜厚方向について、各サイトを占める元素の組成分布を示す。縦軸、横軸等については、図3と同様に表されている。
図3に示されているように、組成は3段の階段状分布となっており、1段目は第1の電極212と接する膜厚10nmの領域、2段目は容量絶縁膜214の厚さ方向の中央部を含む膜厚30nmの領域、3段目は第2の電極215と接する膜厚10nmの領域である。また、Scは、1段目及び3段目において最大の75%であり、2段目においては最小の0%である。逆に、Feは、1段目及び3段目において最小の25%であり、2段目において最大の100%である。尚、Biについては、いずれにおいても100%である。
以上のような組成分布を有する容量絶縁膜214を用いる効果は、第1の実施形態の図5及びそれに伴う説明において、LaをScに置き換えた場合と考えることができる。
つまり、ショットキー接合を形成する電極−容量絶縁膜の界面付近において、Sc置換量を多くして禁止帯中のエネルギー準位の発生を抑制する。これによりショットキー接合が有効に作用し、キャリアの移動を抑えてリーク電流を低減することができる。
この一方、ショットキー接合とは関係しない容量絶縁膜の中央付近については、Sc置換量をできるだけ少なくすることによって、キュリー温度の低下に伴う分極量の低下を抑えている。
ここで、本実施形態では、容量絶縁膜214のうち、第1の電極212と接する1段目及び第2の電極215と接する2段目の両方において、Scの組成を最大としている。しかしながら、1段目及び3段目の少なくとも一方においてScの組成を最大とすることにより、本実施形態の効果を発揮することは可能である。
また、本実施形態では、容量絶縁膜214としてABO3 と表される単純プロベスカイト型結晶構造を有する金属酸化物を用い、そのBサイトを置換する元素としてScを用いたが、これには限らない。例えば、第13族の典型金属元素であるAl、Ga、In及びこれらの組み合わせを用いても良い。これらの元素はいずれも安定な3価の陽イオンとしてBサイトを置換するので、価数変化による新たなエネルギー準位の発生を抑制することができる。
更に、本実施形態において、金属酸化物のBサイトを置換する元素として、第1族のLi、第2族のBe、Mg、第11族の遷移元素(Cu、Ag、Au)より選択した少なくとも1種類以上の元素と、第4族の遷移元素(Ti、Zr、Hf)、第5族の遷移元素(V、Nb、Ta)、第6族の遷移元素(Cr、Mo、W)より選択した少なくとも1種類以上の元素とを用いてもよい。
第1族のLiは安定な1価の陽イオン、第2族のBe、Mg、第11族の遷移元素はそれぞれ安定な2価の陽イオンになり、第4族、第5族、第6族の遷移元素はそれぞれ安定な4価、5価、6価の陽イオンになる。このため、これらを適量組み合わせることにより、平均価数を3価に制御できる。例えば、それぞれ2価及び4価の安定な陽イオンになるCu及びHfの1:1の組み合わせ、それぞれ2価及び6価の安定な陽イオンになるAg及びCrの3:1の組み合わせ等である。
平均価数が3価とは異なる場合、価数の違いによってAサイト空孔、Bサイト空孔、キャリア(電子・ホール)等が発生してリークの原因となる。これに対し、平均価数が3価であれば、そのような問題が起こらない。更に、多種の組み合わせが可能であるため、元素の選択肢が広がる。
また、置換量に関しては、第1の実施形態にて説明した浸透理論に基づく値を本実施形態においても適用できる。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係る容量素子について、図面を参照しながら説明する。ここで、本実施形態の容量素子と、第1の実施形態の容量素子との相違点は、容量絶縁膜214を構成する材料である。容量素子の断面構造等については、第1の実施形態の図2により説明したものと同じであるため、繰り返しの説明は省略する。
容量絶縁膜214を構成する材料は、BFOを主成分とする金属酸化物であって、図2に示すような一般式ABO3 にて表される単純プロベスカイト型結晶構造を有する。また、Aサイトには3価のBi陽イオン、Bサイトには3価のFe陽イオンが配置されている。これらの点については、第1の実施形態と同様である。
第1の実施形態との相違点として、本実施形態の場合、第1の実施形態と同様にAサイトの一部が3価のLa陽イオンによって置換されており、且つ、第2の実施形態と同様にBサイトの一部が3価のSc陽イオンによって置換されている。
La陽イオンは3価以外の価数を取りにくいので、このような置換により、価数変化に起因する新たなエネルギー準位の発生を抑制できる。また、LaはBiに比べて融点が高く安定であるから、BiをLaによって置換することにより、Aサイトにおける空孔の発生を抑制することができる。
更に、第3族の遷移元素であるSc陽イオンは3価以外の価数を取りにくいので、このような置換により、価数変化に起因する新たなエネルギー準位の発生を抑制できる。特に、Feは価数が容易に変化するので、BサイトのFeイオンを置換することはより効果的である。
図8は、本実施形態における容量絶縁膜214の膜厚方向について、各サイトを占める元素の組成分布を示す。縦軸、横軸等については、図3と同様に表されている。
図8に示すように、組成は3段の階段状分布となっており、1段目は第1の電極212と接する膜厚10nmの領域、2段目は容量絶縁膜214の厚さ方向の中央部を含む膜厚30nmの領域、3段目は第2の電極215と接する膜厚10nmの領域である。
また、La及びScは、1段目及び3段目において最大の75%であり、2段目においては最小の0%である。逆に、Bi及びFeは、1段目及び3段目において最小の25%であり、2段目において最大の100%である。
以上のような組成分布を有する容量絶縁膜214を用いる効果は、第1の実施形態の図5及びそれに伴う説明において、LaにScを加えた場合と考えることができる。
つまり、つまり、ショットキー接合を形成する電極−容量絶縁膜の界面付近において、La置換量及びSc置換量を多くして禁止帯中のエネルギー準位の発生を抑制する。これによりショットキー接合が有効に作用し、キャリアの移動を抑えてリーク電流を低減することができる。
この一方、ショットキー接合とは関係しない容量絶縁膜の中央付近については、La置換量及びSc置換量をできるだけ少なくすることによって、キュリー温度の低下に伴う分極量の低下を抑えている。
ここで、本実施形態では、容量絶縁膜214のうち、第1の電極212と接する1段目及び第2の電極215と接する2段目の両方において、La及びScの組成を最大としている。しかしながら、1段目及び3段目の少なくとも一方においてLa及びScの組成を最大とすることにより、本実施形態の効果を発揮することは可能である。
また、本実施形態では、容量絶縁膜214としてABO3 と表される単純プロベスカイト型結晶構造を有する金属酸化物を用い、そのAサイトを置換する元素としてランタノイドのLaを用いたが、これには限らない。第1の実施形態にて説明したのと同様であるから詳しい説明は省略するが、Laに代えて、他のランタノイド、アクチノイド、第3族のY及びこれらの組み合わせを用いても良い。
また、Bサイトを置換する元素として、第3族の遷移元素であるScを用いたが、これには限らない。第2の実施形態にて説明したのと同様であるから詳しい説明は省略するが、第13族の典型金属元素であるAl、Ga、In及びこれらの組み合わせを用いても良い。
更に、Aサイトを置換する元素として、アルカリ金属(Na、K、Rb、Cs、Fr)、アルカリ土類金属(Ca、Sr、Ba、Ra)又はこれらの組み合わせを用いると共に、Bサイトを置換する元素として、第4族の遷移元素(Ti、Zr、Hf)、第5族の遷移元素(V、Nb、Ta)、第6族の遷移元素(Cr、Mo、W)又はこれらの組み合わせを用いても良い。
アルカリ金属、アルカリ土類金属はそれぞれ安定な2価、3価の陽イオンになり、第4族、第5族、第6族の遷移元素はそれぞれ安定な4価、5価、6価の陽イオンになる。そこで、これらの元素を適量組み合わせることにより、平均価数を3価に制御することができる。
平均価数が3価とは異なる場合、価数の違いによってAサイト空孔、Bサイト空孔、キャリア(電子・ホール)等が発生してリークの原因となる。これに対し、平均価数が3価であれば、そのような問題が起こらない。更に、多種の組み合わせが可能であるため、元素の選択肢が広がる。
尚、置換に用いる元素がAサイト及びBサイトのどちらに入り易いかについては、例えば、次式(1)により表される許容係数tが0.75<t<1の範囲内になるかどうかによって判定できる。
t=(Ra+Ro)/(√2*(Rb+Ro)) …… (1)
(Ra:Aサイトのイオン半径、Rb:Bサイトのイオン半径、Ro:酸素のイオン半径)
通常、イオン半径として用いられるShannon のイオン半径を式(1)に適用すると、BFOの元素を置換する場合、イオン半径が0.09nm以下であればBサイトに入り易く、イオン半径が0.09nmを越えるとAサイトに入り易いと考えられる。
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態にて説明した図2の容量素子200を例として、容量素子の製造方法を説明する。
図9(a)及び(b)、図10(a)及び(b)は、容量素子200の製造方法を説明する工程断面図である。
まず、図9(a)に示すように、シリコンからなる半導体基板201上に、酸化シリコン膜からなる素子分離領域202を形成する。次に、素子分離領域202により区画された領域に、酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜203を介してポリシリコンからなるゲート電極204を形成する。その後、ゲート電極204の両側に、B、As等の不純物を注入・拡散して不純物拡散層205を形成する。これにより、ゲート絶縁膜203、ゲート電極204、不純物拡散層205を含むトランジスタ206が構成される。
次に、トランジスタ206上を含む半導体基板201上の全体に、B、P等が不純物として含まれる酸化シリコン膜からなる第1の層間絶縁膜207を形成する。更に、第1の層間絶縁膜207上の全面に、第1の絶縁性水素バリア膜208を形成する。
次に、図9(b)の工程を行なう。まず、第1の層間絶縁膜207及び第1の絶縁性水素バリア膜208からなる積層膜を貫通して不純物拡散層205にまで到達するように、タングステンからなるコンタクトプラグ209を形成する。更に、第1の絶縁性水素バリア膜208上の全面に、スパッタ法により、下層から順に、導電性水素バリア膜210となる膜厚100nmのTiAlN膜と、導電性酸素バリア膜211となる膜厚50nmのIr膜及びIrO2 膜の積層膜と、第1の電極212となる膜厚50nmのPt膜とを形成する。
次に、Pt膜上方に、下方のコンタクトプラグ209上を覆うパターンのマスクを形成する。これには、フォトレジスト法を用いることができる。次に、前記のTiAlN膜、積層膜及びPt膜におけるマスクから露出した部分をエッチング除去し、その後、アッシングによりマスクを除去する。これにより、図9(b)に示すように、導電性水素バリア膜210、導電性酸素バリア膜211及び第1の電極212の3層が、平面視において同一形状にパターニングされる。
次に、図10(a)の工程を行なう。まず、第1の電極212上を含む第1の絶縁性水素バリア膜208上の全体に、CVD法を用いて酸化シリコン膜からなる第2の層間絶縁膜213を形成する。次に、化学機械研磨法(CMP:Chemical Mechanical Polishing )により第2の層間絶縁膜213を研磨し、第1の電極212の上面を露出させる。
次に、第1の電極212上を含む第2の層間絶縁膜213上の全面に、有機金属化学気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition )を用いて、BFOを主成分とする金属酸化物を膜厚50nmに形成する。尚、この工程については、後に更に説明する。
この後、酸素雰囲気中にて800℃、1分の急速熱処理(RTP:Rapid Thermal Processing)を行なうことにより、ビスマス層状ペロブスカイト構造に結晶化させて、容量絶縁膜214となる金属酸化物膜とする。
続いて、該金属酸化物膜上の全体に、Ptを膜厚50nmに形成してPt膜とする。次に、金属酸化物膜及びPt膜をドライエッチング法により選択的にエッチングし、少なくとも第1の電極212上に、容量絶縁膜214及び第2の電極215を下からこの順に積層して形成する。これにより、第1の電極212、容量絶縁膜214及び第2の電極215を含む容量素子216が形成される。
この後、容量素子216上を含む第2の層間絶縁膜213上の全体に、容量素子216を覆うように、第3の層間絶縁膜217を形成する。
次に、図10(b)の工程を行なう。まず、第1の絶縁性水素バリア膜208、第2の層間絶縁膜213及び第3の層間絶縁膜217からなる積層膜に対し、第1の層間絶縁膜207にまで到達する溝型開口部218を形成する。このとき、開口部218が平面視において容量素子216の周囲を完全に囲むように形成する。
続いて、第3の層間絶縁膜217上に、開口部218によって囲まれた領域を完全に覆うように、膜厚20nmの窒化シリコン膜からなる第2の絶縁性水素バリア膜219を形成する。この際、第2の絶縁性水素バリア膜219は、溝型開口部218内にも形成し、第1の絶縁性水素バリア膜208の端面と接続させる。これにより、容量素子216は、その周囲全体(上下及び平面視における周囲の全体)が水素バリア膜によって覆われた構造となる。
ここで、容量絶縁膜214となる金属酸化物の結晶構造及び膜厚方向の組成分布は、第1の実施形態において説明した通りである。以下、容量絶縁膜214の製造方法について更に説明する。
本実施形態において、容量絶縁膜214は、MOCVDにより成膜する。図11は、MOCVD成膜装置の模式図であり、該図を参照して説明する。
MOCVD成膜装置に複数備えられた原料槽301に、Bi、La及びFe有機金属錯体をそれぞれ有機溶媒に溶かした3種類の原料溶液が個別に入れられている。これらの原料溶液は、成膜室304の近傍に設けられた気化器303にまで輸送され、気化器303中にて混合・加熱により気体化されて原料ガスとなる。該原料ガスは、成膜室304中において高温に加熱されたサセプタ305にまで輸送され、サセプタ305上に保持された基板306の表面にて熱分解されて金属酸化物膜として堆積される。ここで、膜厚方向の組成分布(この例では3段の階段状分布)を実現するために、気化器303に輸送する原料溶液の量を、それぞれ液体流量コントローラー302により制御する。
図12は、気化器303に輸送する原料溶液流量についてのタイミングチャート(流量の経時的な変化)の一例を示す。図12の例では、成膜は3つのステップに分けて行なう。1ステップ目の成膜及び3ステップ目の成膜においてはLaを所定の流量だけ供給すると共に、BiについてはLa流量に対応する分だけ2ステップ目の成膜よりも少なく供給する。2ステップ目の成膜においては、La流量を0として、1ステップ目及び3ステップ目の成膜におけるLa流量分に対応するだけBi流量を多くする。つまり、LaとBiとを合わせた流量を3ステップの成膜において等しくすると共に、1ステップ目及び3ステップ目の成膜においてのみLaを供給する。Fe流量については、1ステップ目〜3ステップ目において等しく一定量とする。
以上のように、原料の流量を経時的に制御することにより、階段状の組成分布を容易に実現することができる。
図13は、気化器303に輸送する原料溶液流量についてのタイミングチャートの他の例である。図13の例では、成膜を多数のステップに分けて、Bi及びLaの原料溶液の流量を細かく変化させる。各ステップの時間は、容量絶縁膜214の組成分布が滑らかに変化するように、短い時間とする。例えば、30秒毎に1回流量を変える、つまり、1ステップを30秒とするのが望ましい。Fe流量については、常に一定量とする。
以上のような方法を用いると、置換量が容量絶縁膜214の膜厚方向について滑らかに変化し、階段状の組成分布をもたず、滑らかに変化する組成分布となるようにすることができる。更には、滑らかな組成変化を実現するためには、流量自体を滑らかに変化させても良い。
尚、本実施形態において、容量絶縁膜214における第1の電極212と接する部分を形成する1ステップ目の成膜及び第2の電極215と接する部分を形成する3ステップ目の成膜について、Laの流量を最大としている。しかしながら、1ステップ目及び3ステップ目の少なくとも一方においてLa流量を最大とすれば、本実施形態の効果を実現することができる。
また、本実施形態において、容量絶縁膜214を構成する金属酸化物のAサイトを置換し、置換する元素としてLaを用いた。しかし、Laに代えて、第1の実施形態にて説明した他の元素を用いても良い。また、Aサイトを置換することに代えて、第2の実施形態にて説明したようにBサイトの置換を行なっても良いし、第3の実施形態にて説明したようにAサイト及びBサイトの両方を置換しても良い。置換に用いる元素についても、各実施形態にて説明したものを用いることができる。それぞれの組成分布を実現するためには、本実施形態にて説明したのと同様に原料溶液の流量を設定すればよい。
また、容量絶縁膜214の成膜方法としてはMOCVD法を用いたが、これには限らない。例えば、有機金属塗布法、スパッタ法等の他の方法を用いても良い。
以上のような図9(a)及び(b)、図10(a)及び(b)の工程を経て形成された容量絶縁膜214を搭載する半導体装置は、その後、配線工程、保護膜形成工程等を経てウェハとして完成される。更に、ウェハは裏面研磨、ダイシング、リードフレームへの装着、ワイヤリング及び樹脂封止からなる組立工程を経て、チップとして完成する。完成したチップは、更に、半田付け工程を経て電子機器に装着される。
ここで、通常、組立工程における樹脂封止、電子機器への装着時の半田付けにおいて、200℃〜300℃の高温により処理する工程がある。容量絶縁膜のキュリー温度が低い場合、このような高温処理時に強誘電性が一旦消滅し、降温時に強誘電性が再度発現する。しかし、降温の仕方によっては分極域が乱れてしまい、十分な分極量が得られなくなる場合がある。
これに対し、本実施形態において得られる容量絶縁膜については、キュリー温度の低下が防止されている。よって、組立工程及びそれ以降に例えば200℃〜300℃の高温処理が存在したとしても、十分な分極量を維持することができる。更に、組立工程以前に予め記憶させておいた情報(例えばロット番号、ユーザ情報等)を、200℃〜300℃の高温処理を経た後にも消失することなく保持することができる。
本開示の技術によると、リーク電流を実用レベルに低減すると共に、微細化を進めても十分にメモリの保持特性を保証できるだけの電荷量を確保することができ、特に、不揮発性メモリ用途において強誘電体を容量絶縁膜に用いた容量素子及びその製造方法としても有用である。
101 Aサイト
102 Bサイト
103 酸素原子
200 容量素子
201 半導体基板
202 素子分離領域
203 ゲート絶縁膜
204 ゲート電極
205 不純物拡散層
206 トランジスタ
207 第1の層間絶縁膜
208 第1の絶縁性水素バリア膜
209 コンタクトプラグ
210 導電性水素バリア膜
211 導電性酸素バリア膜
212 第1の電極
213 第2の層間絶縁膜
214 容量絶縁膜
215 第2の電極
216 容量素子
217 第3の層間絶縁膜
218 開口部
218 溝型開口部
219 第2の絶縁性水素バリア膜
301 原料槽
302 液体流量コントローラー
303 気化器
304 成膜室
305 サセプタ
306 基板

Claims (20)

  1. AがAサイトを占める元素、BがBサイトを占める元素、Oが酸素原子を表すとき、一般式ABO3 により表される単純プロベスカイト型結晶構造を持つ金属酸化物からなる容量絶縁膜と、
    前記容量絶縁膜を挟み込む第1の電極及び第2の電極を備え、
    前記Aサイトには、ビスマスの陽イオンが配置され、
    前記Bサイトには、遷移元素より選ばれた第1の元素の陽イオンが配置され、
    前記Aサイト及び前記Bサイトの少なくとも一方は、ビスマス及び前記第1の元素以外の金属元素より選ばれた第2の元素の陽イオンによって一部置換されており、
    前記容量絶縁膜における前記第2の元素の陽イオンによる置換量は、前記第1の電極から前記第2の電極に向かう方向に変化しており、
    前記容量絶縁膜と前記第1の電極との界面、及び、前記容量絶縁膜と前記第2の電極との界面のうち少なくとも一方において、前記第2の元素の陽イオンによる置換量が最大となっていることを特徴とする容量素子。
  2. 請求項1の容量素子において、
    前記容量絶縁膜における前記第2の元素の陽イオンによる置換量が、前記第1の電極から前記第2の電極に向かう方向に階段状に変化しており、
    前記容量絶縁膜の前記第1の電極側の領域及び前記第2の電極側の領域における前記置換量は、前記容量絶縁膜の中央側の領域における前記置換量よりも多いことを特徴とする容量素子。
  3. 請求項1の容量素子において、
    前記容量絶縁膜における前記第2の元素の陽イオンによる置換量が、前記第1の電極から前記第2の電極に向かう方向に連続的に滑らかに変化しており、
    前記容量絶縁膜の前記第1の電極側の領域及び前記第2の電極側の領域における前記置換量は、前記容量絶縁膜の中央側の領域における前記置換量よりも多いことを特徴とする容量素子。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つの容量素子において、
    前記容量絶縁膜の前記第1の電極側の領域及び前記第2の電極側の領域における前記置換量は、33%以上で且つ100%以下であり、
    前記容量絶縁膜の中央側の領域における前記置換量は、0%以上で且つ33%以下であることを特徴とする容量素子。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つの容量素子において、
    前記第1の元素は、鉄、コバルト、ニッケル及びマンガンより選ばれた元素を少なくとも1つ含むことを特徴とする容量素子。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つの容量素子において、
    前記第2の元素の陽イオンが、少なくとも前記Aサイトを占める前記ビスマスの一部を置換していることを特徴とする容量素子。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つの容量素子において、
    前記第2の元素は、イットリウム、ランタノイド及びアクチノイドより選ばれた元素を少なくとも1つ含むことを特徴とする容量素子。
  8. 請求項1〜5のいずれか1つの容量素子において、
    前記第2の元素の陽イオンが、少なくとも前記Bサイトを占める前記第1の元素の一部を置換していることを特徴とする容量素子。
  9. 請求項1〜5及び8のいずれか1つの容量素子において、
    前記第2の元素は、スカンジウム、アルミニウム、ガリウム及びインジウムより選ばれた元素を少なくとも1つ含むことを特徴とする容量素子。
  10. 請求項1〜5及び8のいずれか1つの容量素子において、
    前記第2の元素は、リチウム、ベリリウム、マグネシウム、銅、銀及び金より選ばれた元素を少なくとも1つ含み、且つ、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン及びタングステンより選ばれた元素を少なくとも1つ含むことを特徴とする容量素子。
  11. 請求項10の容量素子において、
    前記第2の元素は、平均価数が3となる組み合わせであることを特徴とする容量素子。
  12. 請求項1〜5のいずれか1つの容量素子において、
    前記第2の元素の陽イオンが、前記Aサイトを占める前記ビスマスの一部を置換すると共に、前記Bサイトを占める前記第1の元素の一部を置換することを特徴とする容量素子。
  13. 請求項1〜5及び12のいずれか1つの容量素子において、
    前記第2の元素は、イットリウム、ランタノイド及びアクチノイドより選ばれた元素を少なくとも1つ含み、且つ、スカンジウム、アルミニウム、ガリウム及びインジウムより選ばれた元素を少なくとも1つ含むことを特徴とする容量素子。
  14. 請求項1〜5及び12のいずれか1つの容量素子において、
    前記第2の元素は、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム及びラジウムより選ばれた元素を少なくとも1つ含み、且つ、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン及びタングステンより選ばれた元素を少なくとも1つ含むことを特徴とする容量素子。
  15. 請求項14の容量素子において、
    前記第2の元素は、平均価数が3となる組み合わせであることを特徴とする容量素子。
  16. 基板上に第1の電極を形成する工程(a)と、
    前記第1の電極上に、AがAサイトを占める元素、BがBサイトを占める元素、Oが酸素原子を表すとき、一般式ABO3 により表される単純プロベスカイト型結晶構造を持つ金属酸化物からなる容量絶縁膜を形成する工程(b)と、
    前記容量絶縁膜上に第2の電極を形成する工程(c)とを備え、
    前記工程(b)において、
    前記Aサイトには、ビスマスの陽イオンが配置され、
    前記Bサイトには、遷移元素より選ばれた第1の元素の陽イオンが配置され、
    前記Aサイト及び前記Bサイトの少なくとも一方は、ビスマス及び前記第1の元素以外の金属元素より選ばれた第2の元素の陽イオンによって一部置換された前記容量絶縁膜を形成し、
    前記工程(b)において、
    成膜条件を経時的に変化させることにより、前記容量絶縁膜と前記第1の電極との界面、及び、前記容量絶縁膜と前記第2の電極との界面のうち少なくとも一方において、前記第2の元素の陽イオンによる置換量を最大とすることを特徴とする容量素子の製造方法。
  17. 請求項16の容量素子の製造方法において、
    前記工程(b)において、成膜条件の異なる少なくとも2つのステップにより前記容量絶縁膜を形成することを特徴とする容量素子の製造方法。
  18. 請求項16の容量素子の製造方法において、
    前記工程(b)において、
    成膜条件の異なる少なくとも3つのステップにより前記容量絶縁膜を形成することによって、前記容量絶縁膜における前記第2の元素の陽イオンによる置換量を、前記第1の電極から前記第2の電極に向かう方向に階段状に変化させると共に、
    前記容量絶縁膜の前記第1の電極側の領域及び前記第2の電極側の領域における前記置換量を、前記容量絶縁膜の中央側の領域における前記置換量よりも多くすることを特徴とする容量素子の製造方法。
  19. 請求項16の容量素子の製造方法において、
    前記工程(b)において、成膜条件を連続的に変化させながら前記容量絶縁膜を形成することを特徴とする容量素子の製造方法。
  20. 請求項16の容量素子の製造方法において、
    前記工程(b)において、
    成膜条件を連続的に変化させながら前記容量絶縁膜を形成することにより、前記容量絶縁膜における前記第2の元素の陽イオンによる置換量が、前記第1の電極から前記第2の電極に向かう方向に連続的に滑らかに変化させると共に、
    前記容量絶縁膜の前記第1の電極側の領域及び前記第2の電極側の領域における前記置換量を、前記容量絶縁膜の中央側の領域における前記置換量よりも多くすることを特徴とする容量素子の製造方法。
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JP2015220445A (ja) * 2014-05-21 2015-12-07 国立大学法人金沢大学 抵抗変化型メモリ及び抵抗変化型メモリの製造方法

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