JP2011113628A - 光ピックアップ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光ピックアップ装置300は、レーザ光Laを出射する光源304と、レーザ光Laを光ディスクDxに向けて反射するミラー部305と、レーザ光Laを透過し光ディスクDxで反射したレーザ光Lbを回折するホログラム部120を有するホログラム素子306と、ホログラム部120を透過したレーザ光Laを平行光にするコリメータレンズ307と、ホログラム部120で回折されたレーザ光Lbを受光する受光部308を有する受光素子309と、を備える。ホログラム素子306は、光源304に対応する領域に光源304からの漏れ光Lcを回折する第1回折部311と、受光部308に対応する領域に外部から入射する外乱光を回折する第2回折部312と、を備える。
【選択図】図1
Description
また、光ピックアップ装置は、標準的なフォーカス誤差検出法である非点収差法と小型化及び高信頼性とを両立するための手段として、ホログラム素子による非点収差法を用いたものが採用されている。
なお、一般的に対物レンズに入射する際に必要な光束の直径は、DVD用の直径 > CD用の直径の関係にある。従って、DVD用のレーザ光の場合は、ダイクロイックフィルタに入射した光束はほぼ全部が透過し、CD用のレーザ光の場合は、光束の外側がほぼ全部反射し、内側がほぼ全部透過するように作用する。
外乱光の受光部への入射はフォーカス調整やトラッキング調整等の精度を悪化させる要因となる。
レーザ光源で発生した漏れ光の一部は、ホログラム素子におけるホログラム部よりも外側の領域、及びコリメータレンズを順次透過してダイクロイックフィルタや光ディスクに照射される。この漏れ光がダイクロイックフィルタや光ディスクで反射して受光部に入射すると、フォーカス調整やトラッキング調整等の精度を悪化させる要因となる。
1)レーザ光(La)を出射する光源(304)と、前記光源から出射されたレーザ光を光ディスク(Dx)に向けて反射するミラー部(305)と、前記ミラー部で反射されたレーザ光を透過し、前記光ディスクで反射したレーザ光(Lb)を回折するホログラム部(120)が第1の領域に形成されたホログラム素子(306)と、前記ホログラム部を透過したレーザ光を平行光にするコリメータレンズ(307)と、前記ホログラム部で回折されたレーザ光(Lb)を受光する受光部(308)を有する受光素子(309)と、を備え、前記ホログラム素子は、前記第1の領域とは異なる領域であり且つ前記光源に対応する第2の領域に、前記光源から出射される前記レーザ光とは異なる漏れ光(Lc)が前記コリメータレンズに入射しないように、前記漏れ光を第1の方向(y1,y2)に回折する第1の回折部(311)と、前記第1の領域及び第2の領域とは異なる領域であり且つ前記受光部に対応する第3の領域に、外部から入射する外乱光が前記受光部に入射しないように、前記外乱光を第2の方向(y3,y4)に回折する第2の回折部(312)と、を備えていることを特徴とする光ピックアップ装置(300)。
2)前記第1の領域における所定の位置(O20)を中心座標点(0,0)とし、前記中心座標点(0,0)を通る第1の線をx軸とし、前記中心座標点(0,0)を通り前記第1の線に直交する第2の線をy軸としたときに、前記ホログラム部は、前記第1の領域が前記第1の線である第1の分割線(A)とxy座標点(−xa,0)とxy座標点(−xb,yb)とを結ぶ第2の分割線(B)とによって分割された第1のホログラム領域(21)と、前記第1の領域が前記第1の分割線と前記第2の分割線とxy座標点(xa,0)とxy座標点(xb,yb)とを結ぶ第3の分割線(C)とによって分割された第2のホログラム領域(22)と、前記第1の領域が前記第1の分割線と前記第3の分割線とによって分割された第3のホログラム領域(23)と、前記第1の領域が前記第1の分割線とxy座標点(xa,0)とxy座標点(xb,−yb)とを結ぶ第4の分割線(D)とによって分割された第4のホログラム領域(24)と、前記第1の領域が前記第1の分割線と前記第4の分割線とxy座標点(−xa,0)とxy座標点(−xb,−yb)とを結ぶ第5の分割線(E)とによって分割された第5のホログラム領域(25)と、前記第1の領域が前記第1の分割線と前記第5の分割線とによって分割された第6のホログラム領域(26)と、を有し、前記xa及び前記xbはxa<xbの関係式を満たし、前記ya及び前記ybはya<ybの関係式を満たし、前記第2のホログラム領域及び前記第5のホログラム領域は、前記第2の線に対して所定の角度をなす非点収差が付与され、前記第1のホログラム領域,前記第3のホログラム領域,前記第4のホログラム領域,及び前記第6のホログラム領域は、前記第2の線に対して前記所定の角度とは異なる角度をなす非点収差が付与されていることを特徴とする1)記載の光ピックアップ装置(90)。
3)前記第1の分割線から前記第5の分割線のうちの少なくともいずれかは、直線,曲線,または折れ線であることを特徴とする2)記載の光ピックアップ装置。
図1に示すように、光ピックアップ装置300は、ベース部302と、ベース部302上に固定されたサブマウント部303と、サブマウント部303上に固定され、所定の発振波長を有するレーザ光の主ビームLaを後述するミラー部305に向けて出射するレーザ光源304と、ベース部302上に固定され、レーザ光源304から出射された主ビームLaを光ディスクDxに向けて反射する反射面305aを有するミラー部305と、ミラー部305で反射された主ビームLaの光軸上に配置され、反射面305aで反射された主ビームLaを透過し、光ディスクDxからの戻り光Lbを後述する受光部308に向けて回折するホログラム部120を有するホログラム素子306と、ホログラム素子306の上方であって主ビームLaの光軸上に配置され、ホログラム部120を透過した主ビームLaを平行光にするためのコリメータレンズ307と、コリメータレンズ307で平行光とされた主ビームLaを集光して光ディスクDxの所定の情報記録面に合焦させるための対物レンズ200と、光ディスクDxからの戻り光Lbを受光する受光部308を有する受光素子309と、を備えている。
ベース部302は例えばリードフレームや回路基板である。
即ち、レーザ光源304の数やレーザ光(主ビーム)Laの発振波長は対象とする光ディスクDxの形態に応じて適宜設定されるものである。
コリメータレンズ307の光軸と対物レンズ200の光軸とは互いに一致しており、図1ではこれら光軸を便宜上、一点鎖線で共通に示している。
ホログラム部120は、ホログラム部120の中心O120が図1(a)及び(b)の一点鎖線で示すコリメータレンズ307及び対物レンズ200の光軸上に位置するように配置されている。
主ビームLaはミラー部305の反射面305aで反射され、ホログラム素子306のホログラム部120の中心O120及びその近傍の領域を通過する。
さらに主ビームLaはコリメータレンズ307で平行光とされて光ピックアップ装置300から光ディスクDxに向けて出射される。
戻り光Lbは、対物レンズ200、ダイクロイックフィルタ400、及びコリメータレンズ307を順次透過してホログラム素子306のホログラム部120の中心O120及びその近傍の領域に照射される。
ホログラム部120に照射された戻り光Lbはホログラム領域121〜126ごとに回折されて受光素子309の受光部308に照射される。
漏れ光Lcの光量は主ビームLaの光量に対して1/1〜1/5程度である。
レーザ光源304の他方の共振器面から出射された漏れ光Lcは、ホログラム素子306におけるホログラム部120よりも外側の領域を透過してダイクロイックフィルタ400に照射される。
ダイクロイックフィルタ400は、ダイクロイックフィルタ400に入射したレーザ光(主ビーム)Laの発振波長に応じて、入射した主ビームLaの光束の一部が反射した場合に、その反射したレーザ光が、コリメータレンズ307を透過してホログラム素子306に入射し、ホログラム素子306を透過、又はホログラム部120により回折されて、受光素子309の受光部308に入射することで、フォーカス誤差検出精度やトラッキング誤差検出精度が悪化する影響を低減するために一点鎖線で示す光軸に対して傾いて配置されている。このため、ダイクロイックフィルタ400で反射した漏れ光Lcは、コリメータレンズ307を透過してホログラム素子306のホログラム部120又はホログラム部120よりも外側の領域に照射される場合がある。ホログラム部120又はホログラム部120よりも外側の領域に照射された漏れ光Lcは、受光素子309の受光部308に照射される。このため、漏れ光Lcの受光部308への照射は受光素子309としてのフォーカス誤差検出精度やトラッキング誤差検出精度を悪化させる要因になる。
このため、レーザ光源304の他方の共振器面から出射された漏れ光Lcは、ホログラム素子306の回折部311に照射される。
回折部311は、レーザ光源304から出射された漏れ光Lcがコリメータレンズ307やダイクロイックフィルタ400に照射されないように、漏れ光Lcを例えば矢印y1,y2の方向に±1次以上の回折光として回折し、透過する0次光の光量が極めて小さくなるように設計されている。
回折部311の漏れ光Lcに対する回折方向、回折角度、及び各回折光の光量比率は回折部311に形成する溝のピッチ、幅、深さ、及び曲率等のパラメータを調整することによって決定される。
従って、回折部311により、レーザ光源304から出射された漏れ光Lcが受光部308に照射されることを防止できる。
回折部312は、外部から照射される外乱光Ldが受光素子309、特に受光部308に照射されないように、外乱光Ldを例えば矢印y3,y4の方向に±1次以上の回折光として回折し、透過する0次光の光量が極めて小さくなるように設計されている。
回折部312の外乱光Ldに対する回折方向及び回折角度は回折部312に形成する溝のピッチ、幅、深さ、及び曲率等のパラメータを調整することによって決定される。
このため、外部から受光部308に向かって外乱光Ldが照射された場合においても、外乱光Ldは回折部312によって回折し、透過する0次光の光量は極めて小さいので、外乱光Ldの受光素子309、特に受光部308への照射を防止することができる。
次に、本発明の光ピックアップ装置の実施例2について図2〜図10を用いて説明する。
実施例2は、実施例1に対して特にホログラム素子のホログラム部の構成が異なる点に特徴を有する。また、実施例2の光ピックアップ装置では発振波長が互いに異なる2つのレーザ光源を備えている。なお、実施例1と同じ構成部については説明をわかりやすくするために同じ符号を付して説明する。
ベース部302は例えばリードフレームや回路基板である。
コリメータレンズ307の光軸と対物レンズ200の光軸とは互いに一致しており、図2〜図4ではこれら光軸を便宜上、一点鎖線で共通に示している。
レーザ光源1は所定の発振波長を有するレーザ光源(例えばDVD用のレーザ光源)であり、コリメータレンズ307及び対物レンズ200の光軸上に配置されている。
レーザ光源2はレーザ光源1よりも発振波長が短いレーザ光源(例えばCD用のレーザ光源)であり、レーザ光源1の近傍に配置されており、レーザ光源2の主ビームLa1の光軸とコリメータレンズ307及び対物レンズ200の光軸とは一致していない。
レーザ光源1の発光点とレーザ光源2の発光点との距離は、各レーザ光源1,2の構造上100μm以上になる。
ホログラム部20は、ホログラム部20の中心O20が図2〜図4の(a)及び(b)の一点鎖線で示すコリメータレンズ307及び対物レンズ200の光軸上に位置するように配置されている。
実施例2のホログラム領域21〜26は実施例1のホログラム領域121〜126にそれぞれ対応するものである。
また、実施例2の回折部311及び回折部312は実施例1の回折部311及び回折部312にそれぞれ対応するものである。
ホログラム領域21は、座標点(0,0)を通りy軸に直交する分割線A(x軸に相当する)と、座標点(−xa,ya)を通り座標点(−xa,0)と座標点(−xb,yb)とを結ぶ分割線Bと、によって分割された領域である。
ホログラム領域22は、分割線Aと、分割線Bと、座標点(xa,ya)を通り座標点(xa,0)と座標点(xb,yb)とを結ぶ分割線Cと、によって分割された領域である。
ホログラム領域23は分割線Aと分割線Cとによって分割された領域である。
ホログラム領域24は、分割線Aと、座標点(xa,−ya)を通り座標点(xa,0)と座標点(xb,−yb)とを結ぶ分割線Dと、によって分割された領域である。
ホログラム領域25は、分割線Aと、分割線Dと、座標点(−xa,−ya)を通り座標点(−xa,0)と座標点(−xb,−yb)とを結ぶ分割線Eと、によって分割された領域である。
ホログラム領域26は分割線Aと分割線Eとによって分割された領域である。
ここで、xa及びxbは、xa<xbの関係式を満たし、ya及びybは、ya<ybの関係式を満たす。実施例では、xa=0.15mm、xb=0.5mm、ya=0.15mm、yb=0.5mmとした。
図6(a)〜(c)は実施例1のホログラム部を示すものである。図6(d)〜(f)は実施例2のホログラム部を示すものである。
また、図6(a),(d)は例えばDVD再生においてDVDからの戻り光がホログラム部に照射された状態を示し、図6(b),(e)は例えばCD再生においてCDからの戻り光がホログラム部に照射された状態を示し、図6(c),(f)は例えば2層DVD再生において2層DVDからの戻り光がホログラム部に照射された状態を示すものであり、図6(a)〜(c)と図6(d)〜(f)とはそれぞれ対応するものである。
なお、図6(a)〜(f)では説明をわかりやすくするために回折部311及び回折部312をそれぞれ省略して示している。
受光部308は、ホログラム領域122及び125によって非点収差を付与された戻り光Lbに対応するそれぞれ2つの焦線の間で戻り光Lbをそれぞれ受光するように配置されており、ホログラム領域121〜126でそれぞれ回折された回折光(戻り光Lb)を回折する方向と略同じ方向の分割線により、少なくとも2つの領域に分割された受光領域で受光するように構成されている。
また、受光部308は、ホログラム領域22及び25によって非点収差を付与された戻り光Lb1〜Lb3に対応するそれぞれ2つの焦線の間で戻り光Lb1〜Lb3をそれぞれ受光するように配置されており、ホログラム領域21〜26でそれぞれ回折された回折光(戻り光Lb1〜Lb3)を回折する方向と略同じ方向の分割線により、少なくとも2つの領域に分割された受光領域で受光するように構成されている。
戻り光Lb1(光束Lb111)は、さらにホログラム部120の6つのホログラム領域121〜126毎に回折されて受光部308に到達する。図7(a)に示すスポット141〜146は、各ホログラム領域121〜126で回折された戻り光Lb1が受光部308に照射される領域であり、スポット141〜146とホログラム領域121〜126とはそれぞれ対応するものである。
戻り光Lb2(光束Lb112)は、さらにホログラム部120の6つのホログラム領域121〜126毎に回折されて受光部308に到達する。図7(b)に示すスポット151〜156は、各ホログラム領域121〜126で回折された戻り光Lb2が受光部308に照射される領域であり、スポット151〜156とホログラム領域121〜126とはそれぞれ対応するものである。
図7(a)の破線部は、光ディスクD1再生の場合に各光学部品の実装位置のばらつきによってスポット145及び142がずれた状態を模式的に示すものである。また、図7(b)の破線部は、光ディスクD2再生の場合に各光学部品の実装位置のばらつきによってスポット155及び152がずれた状態を模式的に示すものである。
フォーカス誤差検出感度が悪化すると、記録再生時における光ディスクの面ぶれに対する対物レンズの追従に遅れが生じ、記録再生信号のジッター劣化が発生する場合がある。
光ピックアップ装置に近い側の情報記録層D3aの再生を行う場合、図6(c)に示すように、光ディスクD3における情報記録層D3aからの戻り光Lb3のホログラム部120上における光束Lb113は、ホログラム部120の中心部である、フォーカス誤差検出用に非点収差を付与した領域に位置する。
このとき、再生しない側の情報記録層D3bからの反射光Lb4もホログラム部120に照射される。この再生しない側の情報記録層D3bからの反射光Lb4は不要光である。図6(c)では、反射光Lb4のホログラム部120上における光束をLb114として示している。
例えば、戻り光Lb3のホログラム部20上における光束Lb13の直径は約0.5mmであり、反射光Lb4のホログラム部20上における光束Lb14の直径は0.1mm以下である。
そのため、受光部308の各受光領域31〜34におけるスポット161〜166の面積の和、即ち各受光領域31〜34におけるスポット161〜166の受光量の和が受光領域31〜34ごとに異なる。不要光である反射光Lb4の受光量が受光領域31〜34ごとに異なるため、受光領域31〜34の受光感度に与える反射光(不要光)Lb4の影響が受光領域31〜34ごとに異なる。その結果、受光素子309としてのフォーカス誤差検出信号にノイズが加わり、合焦ずれの状態で記録再生することになる。この結果、記録再生信号のジッター劣化が発生する場合がある。
戻り光Lb1(光束Lb11)は、さらにホログラム部20の6つのホログラム領域21〜26毎に回折されて受光部308に到達する。図8(a)に示すスポット41〜46は、各ホログラム領域21〜26で回折された戻り光Lb1が受光部308に照射される領域であり、スポット41〜46とホログラム領域21〜26とはそれぞれ対応するものである。
図8(a)の破線部は、光ディスクD1を再生する場合に各光学部品の実装位置のばらつきによってスポット45及び42がずれた状態を模式的に示すものである。
図8(a)に示すように、光ディスクD1の再生において、スポット45,42が破線で示す位置にずれた場合でも、スポット45,42と分割線x30と重なる長さはほとんど変化しないため、実施例1{図7(a)の破線部参照}よりも受光素子309としての光ディスクD1に対するフォーカス誤差検出感度が、上述した光学部品の実装位置のばらつき(搭載ずれ)の影響を受けにくくなる。
戻り光Lb2(光束Lb12)は、さらにホログラム部20の6つのホログラム領域21〜26毎に回折されて受光部308に到達する。図8(b)に示すスポット51〜56は、各ホログラム領域21〜26で回折された戻り光Lb2が受光部308に照射される領域であり、スポット51〜56とホログラム領域21〜26とはそれぞれ対応するものである。
図8(b)の破線部は、光ディスクD2を再生する場合に各光学部品の実装位置のばらつきによってスポット55及び52がずれた状態を模式的に示すものである。
図8(b)に示すように、光ディスクD2の再生において、スポット55,52が破線で示す位置にずれた場合、受光領域31,32におけるスポット55,52の面積がさらに小さくなるものの、スポット55,52と分割線x30との重なり長さの変化量は実施例1の変形例(第1変形例)よりも小さいので、上述した理由と同様の理由により、実施例1よりも受光素子309としての光ディスクD2に対するフォーカス誤差検出感度が上述した光学部品の実装位置のばらつき(搭載ずれ)の影響を受けにくくなる。
光ピックアップ装置90に近い側の情報記録層D3aの再生を行う場合、図6(f)に示すように、光ディスクD3からの戻り光Lb3のホログラム部20上における光束Lb13は、ホログラム部20の中心部に位置する。
このとき、再生しない側の情報記録層D3bからの反射光Lb4もホログラム部20に照射される。この再生しない側の情報記録層D3bからの反射光Lb4は不要光である。図6(f)では、反射光Lb4のホログラム部20上における光束をLb14として示している。
例えば、戻り光Lb3のホログラム部20上における光束Lb13の直径は約0.5mmであり、反射光Lb4のホログラム部20上における光束Lb14の直径は0.1mm以下である。
図8(c)に示すスポット62及び65は、2つのホログラム領域22及び25で回折された反射光Lb4が受光部308及びその近傍に照射される領域であり、スポット62及び65とホログラム領域22及び25とはそれぞれ対応するものである。
実施例1では、図7(c)に示すように、各受光領域31〜34におけるスポット161〜166の受光量の和が受光領域31〜34ごとに異なっている。
それに対して、実施例2では、図8(c)に示すように、例えば、スポット62は受光領域33及び34に照射され、スポット65は受光領域31及び32に照射されるため、互いに対角の位置関係にある、受光領域31及び33の受光量の和と受光領域32及び34の受光量の和とが同じになるので、反射光(不要光)Lb4の影響が相殺されて正しいフォーカスのずれ量を導き出すことができる。
従って、実施例1よりもフォーカスのずれ量を低減することができる。
その一方で、レーザ光源1及び2からは、主ビームLa1及びLa2が出射される一方の共振器面に対向する他方の共振器面からのレーザ光の漏れ光Lc1及びLc2が出射される。漏れ光Lc1及びLc2の光量は主ビームLa1及びLa2の光量に対してそれぞれ1/10〜1/5程度である。
レーザ光源1及び2の他方の共振器面から出射された漏れ光Lc1及びLc2は、ホログラム素子306の回折部311に照射される。
回折部311の漏れ光Lc1及びLc2に対する回折方向及び回折角度は回折部311に形成する溝のピッチ、幅、深さ、及び曲率等のパラメータを調整することによって決定される。
回折部311により、レーザ光源1及び2から出射された漏れ光Lc1及びLc2が受光部308に照射されることを防止できる。
ダイクロイックフィルタ400は、ダイクロイックフィルタ400に入射したレーザ光(主ビーム)の発振波長に応じて、入射した主ビームLa1,La2の光束の一部が反射した場合に、その反射したレーザ光がコリメータレンズ307を透過してホログラム素子306に入射し、ホログラム素子306を透過、又はホログラム部120により回折されて、受光素子309の受光部308に入射することで、フォーカス誤差検出精度やトラッキング誤差検出精度が悪化する影響を低減するために図2〜図4の(a)及び(b)の一点鎖線で示すコリメータレンズ307及び対物レンズ200の光軸に対して傾いて配置されているので、ダイクロイックフィルタ400で反射した漏れ光Lc1及びLc2は、コリメータレンズ307を透過してホログラム素子3のホログラム部20に照射される場合がある。ホログラム部120に照射された漏れ光Lc1及びLc2は、受光素子309の受光部308に照射される。受光部308への漏れ光Lc1及びLc2の照射は受光素子309としてのフォーカス誤差検出精度やトラッキング誤差検出精度を悪化させる要因になる。
回折部312の外乱光Ldに対する回折方向及び回折角度は回折部312に形成する溝のピッチ、幅、深さ、及び曲率等のパラメータを調整することによって決定される。
このため、外部から受光部308に向かって外乱光Ldが照射された場合においても、外乱光Ldは回折部312によって回折されるので、外乱光Ldの受光素子309、特に受光部308への照射を防止することができる。
第2変形例は、実施例2の光ピックアップ装置90に対してホログラム部における6つのホログラム領域の形状が異なり、他の構成部については実施例2と同じなのでその説明を省略する。なお、説明をわかりやすくするために実施例2と同じ構成部には同じ符号を付して説明する。
ホログラム領域71は、座標点(0,0)を通りy軸に直交する分割線A(x軸に相当する)と、座標点(−xa,0)と座標点(−xc,yb)とを結ぶ分割線Fと、によって分割された領域である。
ホログラム領域72は、分割線Aと、分割線Fと、座標点(xa,0)と座標点(xc,yb)とを結ぶ分割線Gと、によって分割された領域である。
ホログラム領域73は分割線Aと分割線Gとによって分割された領域である。
ホログラム領域74は、分割線Aと、座標点(xa,0)と座標点(xc,−yb)とを結ぶ分割線Hと、によって分割された領域である。
ホログラム領域75は、分割線Aと、分割線Hと、座標点(−xa,0)と座標点(−xc,−yb)とを結ぶ分割線Jと、によって分割された領域である。
ホログラム領域76は分割線Aと分割線Jとによって分割された領域である。
第2変形例のホログラム領域71〜76は実施例2のホログラム領域21〜26にそれぞれ対応するものである。
ここで、xa,xb,及びxcは、xa<xc<xbの関係式を満たす。第1変形例では、xa=0.15mm、xb=0.3mm、xc=0.5mm、yb=0.5mmとした。
図10は、本発明に係る光ピックアップ装置の実施例2の変形例(第3変形例)を説明するための平面図であり、前述した図2に対応するものである。
第3変形例は、実施例2の光ピックアップ装置90に対してホログラム部の6つのホログラム領域の形状が異なり、他の構成部については実施例2と同じなのでその説明を省略する。なお、説明をわかりやすくするために実施例2と同じ構成部には同じ符号を付して説明する。
ホログラム領域81は、座標点(0,0)を通りy軸に直交する分割線A(x軸に相当する)と、座標点(−xa,0)と座標点(−xd,yb)とを結ぶ分割曲線Kと、によって分割された領域である。
ホログラム領域82は、分割線Aと、分割線Kと、座標点(xa,0)と座標点(xd,yb)とを結ぶ分割曲線Mと、によって分割された領域である。
ホログラム領域83は分割線Aと分割線Mとによって分割された領域である。
ホログラム領域84は、分割線Aと、座標点(xa,0)と座標点(xd,−yb)とを結ぶ分割曲線Nと、によって分割された領域である。
ホログラム領域85は、分割線Aと、分割線Nと、座標点(−xa,0)と座標点(−xd,−yb)とを結ぶ分割線Pと、によって分割された領域である。
ホログラム領域86は分割線Aと分割線Pとによって分割された領域である。
第3変形例のホログラム領域81〜86は実施例2のホログラム領域21〜26にそれぞれ対応するものである。
ここで、xa,xb,及びxdは、xa<xd<xbの関係式を満たす。第2変形例では、xa=0.15mm、xb=0.3mm、xd=0.5mm、yb=0.5mmとした。
Claims (3)
- レーザ光を出射する光源と、
前記光源から出射されたレーザ光を光ディスクに向けて反射するミラー部と、
前記ミラー部で反射されたレーザ光を透過し、前記光ディスクで反射したレーザ光を回折するホログラム部が第1の領域に形成されたホログラム素子と、
前記ホログラム部を透過したレーザ光を平行光にするコリメータレンズと、
前記ホログラム部で回折されたレーザ光を受光する受光部を有する受光素子と、
を備え、
前記ホログラム素子は、
前記第1の領域とは異なる領域であり且つ前記光源に対応する第2の領域に、前記光源から出射される前記レーザ光とは異なる漏れ光が前記コリメータレンズに入射しないように、前記漏れ光を第1の方向に回折する第1の回折部と、
前記第1の領域及び第2の領域とは異なる領域であり且つ前記受光部に対応する第3の領域に、外部から入射する外乱光が前記受光部に入射しないように、前記外乱光を第2の方向に回折する第2の回折部と、
を備えていることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 前記第1の領域における所定の位置を中心座標点(0,0)とし、前記中心座標点(0,0)を通る第1の線をx軸とし、前記中心座標点(0,0)を通り前記第1の線に直交する第2の線をy軸としたときに、
前記ホログラム部は、
前記第1の領域が前記第1の線である第1の分割線とxy座標点(−xa,0)とxy座標点(−xb,yb)とを結ぶ第2の分割線とによって分割された第1のホログラム領域と、
前記第1の領域が前記第1の分割線と前記第2の分割線とxy座標点(xa,0)とxy座標点(xb,yb)とを結ぶ第3の分割線とによって分割された第2のホログラム領域と、
前記第1の領域が前記第1の分割線と前記第3の分割線とによって分割された第3のホログラム領域と、
前記第1の領域が前記第1の分割線とxy座標点(xa,0)とxy座標点(xb,−yb)とを結ぶ第4の分割線とによって分割された第4のホログラム領域と、
前記第1の領域が前記第1の分割線と前記第4の分割線とxy座標点(−xa,0)とxy座標点(−xb,−yb)とを結ぶ第5の分割線とによって分割された第5のホログラム領域と、
前記第1の領域が前記第1の分割線と前記第5の分割線とによって分割された第6のホログラム領域と、
を有し、
前記xa及び前記xbはxa<xbの関係式を満たし、前記ya及び前記ybはya<ybの関係式を満たし、
前記第2のホログラム領域及び前記第5のホログラム領域は、前記第2の線に対して所定の角度をなす非点収差が付与され、前記第1のホログラム領域,前記第3のホログラム領域,前記第4のホログラム領域,及び前記第6のホログラム領域は、前記第2の線に対して前記所定の角度とは異なる角度をなす非点収差が付与されていることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。 - 前記第1の分割線から前記第5の分割線のうちの少なくともいずれかは、直線,曲線,または折れ線であることを特徴とする請求項2記載の光ピックアップ装置。
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