JP2011112748A - 複合型レンズ及びそれを有する光学系 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 第1、第2、第3の光学要素を含む3以上の光学要素が接合され一体化された複合型レンズにおいて、第2の光学要素の材料は有機複合物であり、第2の光学要素の1つの面に第1の光学要素が接合されており、第3の光学要素は第1の光学要素から光軸方向に最も離れた位置に配置されており、第1、第2の光学要素の接合面における第1の光学要素の有効面径をφ1ea、第2の光学要素の有効面径をφ2ea、外径をφ2、直径をφとし、直径φにおける第iの光学要素(i=1,2,3)の光学有効面間の光軸方向の距離をti(φ)とするとき、各要素を適切に設定し、かつ第2の光学要素の有効面径部外において、光学有効面間の距離の減少量を小さくする形状とすること。
【選択図】 図2
Description
φ1ea≦φ2ea<φ2
t2(φ1ea)/t2(0)<1.0
t2(φ1ea)/{t1(φ1ea)+t3(φ1ea)}<0.20
なる条件を満足し、かつ前記第2の光学要素は有効面径部外において、光学有効面間の光軸方向の距離の減少量が小さくなる形状であることを特徴としている。
本発明における光学要素とは、ガラス等の無機材料や、プラスチック材料、樹脂などで構成され、実質的な屈折作用を有する光学素子のことを称す。複数の光学要素を接合するための、実質的に屈折力を有さない形状で成形されている接着剤層や、反射防止や接着性向上のための薄膜及び塗布材料は、ここでいう光学要素には含まれない。
φ1ea≦φ2ea<φ2 ‥‥(1)
なる条件を満足している。
なお、添え字jは、以下、複合型レンズが複数個、ある場合の第j番目の複合型レンズにおける光学要素の有効面径、外径、光学有効面間の距離等を表わす。以下、同様である。
t2(φ1ea)/t2(0)<1.0 ‥‥(2)
t2(φ1ea)/{t1(φ1ea)+t3(φ1ea)}<0.20‥‥(3)
なる条件を満足している。(請求項1)
例えば、光学有効面間の距離ti(φ)とは各光学要素の光軸方向の厚みを表しており、以下、単に「厚み(厚さ)」とも称す。尚、ti(0)とは共軸系の複合型(接合)レンズにおいて、第jの光学要素の光軸上の厚みを意味する。なお、複合型レンズが複数、ある場合は、上記条件式(2)、(3)は次のように置き換わる。
t2j(φ1jea)/{t1j(φ1jea)+t3j(φ1jea)}<0.20
‥‥(3´)
但し、j=1,2,3…n
次に上記の条件式(2)、(3)の技術的意味について説明する。条件式(2)は第2の光学要素において、光軸上の厚みに対して有効面径の位置での厚みが薄いことを表していて、例えば光入出射面が共に空気と接する面としたときの屈折力が正となる構成がある。条件式(2)を満足する構成において本発明の複合型レンズを適用することが容易となる。
‥‥(3a)
更に望ましくは、条件式(3a)の数値範囲を以下に示す範囲とするのが良い。
‥‥(3b)
更に望ましくは、条件式(3b)の数値範囲を以下に示す範囲とするのが良い。
‥‥(3c)
更に望ましくは、条件式(3c)の数値範囲を以下に示す範囲とするのが良い。
‥‥(3d)
また、本発明において、第2の光学要素の有効面径部外の径をφ2extとするとき、以下の微分式で表わすことができる。
このとき、径φ2extは以下のように定義する。
条件式(2)を満足するような正の屈折力を有する光学要素の場合、厚みは径方向に対して単調に減少する。本発明においては、条件式(4)を満足することで、第2の光学要素の有効面径部外において、光軸方向の厚みの減少量が小さくなる形状としている。(請求項1)
曲線が不連続に変化する場合には、上記のような微分を定義することは困難である。その場合には、微分ではなく極限を用いて左側微分係数及び右側微分係数を用いればよい。すなわち、以下の条件式(6)を満足することが望ましい。
更に望ましくは、条件式(7)の数値範囲を以下に示す範囲とするのが良い。
更に望ましくは、条件式(7a)の数値範囲を以下に示す範囲とするのが良い。
上記の構成を満足することで、耐環境性の優れた、製造が容易な複合型レンズを構成することが容易となる。また、本発明においては、第1の光学要素と第2の光学要素の接合面は、有効面径以内の領域と有効面径以外の領域において、曲率半径を変化させた形状より成っている。次に各実施例の複合型レンズについて説明する。
[実施例1]
図1は本発明の実施例1の複合型レンズの要部断面図である。同図において、第j番目の複合型レンズをOGj、複合型レンズOGjを構成する第1の光学要素をG1j、第2の光学要素をG2j、第3の光学要素をG3j(j=1,2,3…n)と表す。以下の実施例も同様である。図1は第1番目(j=1)の複合型レンズOG1を示している。
[実施例2]
図3は本発明の実施例2の複合型レンズOG1の要部断面図である。本実施例において、第1の光学要素G11及び第3の光学要素G31は無機ガラスで構成されている。
[実施例3]
図5は本発明の実施例3の複合型レンズOG1の要部断面図である。本実施例において、第1の光学要素G11及び第3の光学要素G31は無機ガラスで構成されている。第2の光学要素G21はベース合成樹脂にTiO2微粒子を体積比20%で分散させた混合体で構成されており、両凸形状である。
[実施例4]
図7は本発明の実施例4の複合型レンズOG1の要部断面図である。本実施例において、第1の光学要素G11及び第3の光学要素G31は無機ガラスで構成されている。第2の光学要素G21はUV硬化樹脂1で構成されており、両凸形状である。
[実施例5]
図9は本発明の実施例5の複合型レンズを用いた光学系の要部断面図である。本実施例の光学系OLは、物体側から像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群L1、負の屈折力の第2レンズ群L2、正の屈折力の第3レンズ群L3、正の屈折力の第4レンズ群L4から構成される、ズーム比約12倍の4群構成のズームレンズである。図9中の矢印は、広角端から望遠端へのズーミングに際して、各レンズ群及び絞りSP、フレアカッターFCの移動軌跡を示している。物体距離の変化に際してフォーカスする場合には、第4レンズ群L4を光軸方向に移動させる。
また、FnoはFナンバー、ωは半画角である。非球面形状は、Xを光軸方向の面頂点からの変位量、hを光軸と垂直な方向の光軸からの高さ、rを近軸曲率半径、kを円錐定数、B,C,D,E…を各次数の非球面係数とする。そのとき、
面番号 r d nd vd 有効径
1 ∞ 1.50 1.84666 23.8 32.20
2 28.533 0.00 29.00
3* 28.533 1.35 1.63429 23.3 29.30
4 40.000 0.00 29.30
5 40.000 4.60 1.48749 70.2 31.60
6 ∞ 31.60
面番号 r d nd vd 有効径
1 80.000 1.50 1.84666 23.8 32.10
2 28.533 0.00 29.00
3* 28.533 1.45 1.63429 23.3 29.30
4 40.000 0.00 29.30
5 40.000 6.50 1.48749 70.2 29.30
6 34.500 30.30
7 -90.000 30.30
面番号 r d nd vd 有効径
1 200.000 1.40 1.8052 25.4 31.60
2 63.051 0.00 29.00
3* 63.051 2.50 1.7088 23.3 29.30
4 -200.000 0.00 29.30
5 -200.000 2.20 1.6204 60.3 31.60
6 -70.000 31.60
面番号 r d nd vd 有効径
1 -80.000 1.00 1.8340 37.2 12.80
2 19.848 0.00 11.02
3 19.848 0.50 1.6343 23.3 11.23
4* 42.000 0.00 11.23
5* 42.000 2.00 1.5174 52.4 12.80
6 -40.000 12.80
面番号 r d nd vd 有効径
1 58.801 1.80 1.8467 23.8 29.80
2 27.400 0.00 26.30
3* 27.400 0.78 1.6356 22.7 26.60
4 33.928 0.00 26.60
5 33.928 4.50 1.6031 60.6 27.80
6 902.237 27.80
面番号 r d nd vd 有効径
1 13.046 1.80 1.7130 53.9 10.80
2 -24.861 0.00 8.90
3 -24.861 0.78 1.6356 22.7 9.00
4* -9.512 0.00 9.00
5 -9.512 0.80 1.6727 32.1 10.80
6 20.974 10.80
面番号 r d nd vd 有効径
1 58.801 1.80 1.8467 23.8 28.60
2 27.400 0.78 1.6356 22.7 25.85
3 33.928 4.50 1.6031 60.6 25.79
4 902.237 0.15 24.97
5 30.468 2.60 1.6204 60.3 24.38
6 163.714 (可変) 24.15
7 62.482 0.90 1.7725 49.6 17.42
8 8.767 3.65 13.43
9 -56.585 0.75 1.7725 49.6 13.37
10 19.670 2.40 13.02
11 18.101 3.00 1.9229 18.9 13.76
12 42.728 (可変) 13.22
13(絞り) ∞ (可変) 7.30
14* 8.433 2.70 1.5891 61.1 9.00
15 413.602 3.32 8.60
16 126.728 0.70 1.9037 31.3 8.10
17 8.905 0.60 7.90
18 18.544 1.70 1.4875 70.2 8.10
19 -16.066 (可変) 8.40
20 ∞ (可変) 8.30
21 13.046 2.30 1.7130 53.9 9.01
22 -24.861 0.73 1.6356 22.7 8.79
23 -9.512 0.80 1.6727 32.1 8.78
24 20.974 (可変) 8.33
像面 ∞
非球面データ
第14面
K =-6.56135e-001 A 4= 7.61281e-006 A 6= 2.28418e-007
A 8=-1.80542e-009 A10= 2.02947e-010
面番号 r d nd vd 有効面径
1 ∞ 1.50 1.8467 23.8 32.20
2 28.533 0.00 29.00
3 28.533 1.50 1.6343 23.3 30.40
4 40.000 0.00 30.40
5 40.000 4.60 1.6031 70.2 31.60
6 ∞ 31.60
次に本発明の光学系を撮影光学系として用い、それを有する本発明の光学機器であるデジタルスチルカメラ(撮像装置)の実施例を図13を用いて説明する。
Claims (8)
- 第1、第2、第3の光学要素を含む3以上の光学要素が接合され一体化された複合型レンズにおいて、
前記第2の光学要素の材料は有機複合物であり、前記第2の光学要素の1つの面に前記第1の光学要素が接合されており、前記第3の光学要素は、前記第1の光学要素から光軸方向に最も離れた位置に配置されており、前記第1の光学要素と前記第2の光学要素の接合面における前記第1の光学要素の有効面径をφ1ea、前記第2の光学要素の有効面径をφ2ea、外径をφ2、直径をφとし、該直径φにおける第iの光学要素(i=1,2,3)の光学有効面間の光軸方向の距離をti(φ)とするとき、
φ1ea≦φ2ea<φ2
t2(φ1ea)/t2(0)<1.0
t2(φ1ea)/{t1(φ1ea)+t3(φ1ea)}<0.20
なる条件を満足し、かつ前記第2の光学要素は有効面径部外において、光学有効面間の光軸方向の距離の減少量が小さくなる形状であることを特徴とする複合型レンズ。 - 前記第2の光学要素の有効面径部外の径をφ2extとするとき、
dt2(φ2ea)/dφ<dt2(φ2ext)/dφ
但し、
φ2ea<φ2ext≦φ2
なる微分式を満足することを特徴とする請求項1に記載の複合型レンズ。 - 前記第1の光学要素と前記第2の光学要素の接合面は、有効面径以内の領域と有効面径以外の領域において、曲率半径が変化した形状であることを特徴とする請求項1又は2の複合型レンズ。
- 前記複合型レンズは、
φ1ea/φ2≧0.80
なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の複合型レンズ。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の複合型レンズを少なくとも1つ有することを特徴とする光学系。
- 前記第1、第3の光学要素のうち、いずれか一方はレンズ保持手段によって固定されていることを特徴とする請求項5に記載の光学系。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の複合型レンズは、
前記第1の光学要素以外の光学要素の有効面上に、前記第2の光学要素を形成する工程と、前記第1の光学要素以外の光学要素と接合していない、前記第2の光学要素の有効面に、前記第1の光学要素を接合する工程と、を用いて製造されることを特徴とする複合型レンズの製造方法。 - 請求項5又は6に記載の光学系と、該光学系によって形成される像を受光する光電変換素子とを有することを特徴とする光学機器。
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JP7086579B2 (ja) | ズームレンズ及び撮像装置 |
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