JP2011111486A - 酸化澱粉の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、酸化澱粉を製造するに当たってその主となる薬品である次亜塩素酸およびその塩を含む酸化剤の添加量を減らし、製造コストをより安価に抑えながら、低粘度化することを目的とするものである。
【解決手段】澱粉を次亜塩素酸塩等の酸化剤で処理して酸化澱粉を製造するに際し、酸化剤添加前及び/又は酸化剤添加中の澱粉の懸濁液中に空気を送り込むバブリングを行うことで、酸化剤の使用量を減らすことが可能である。
【選択図】なし
【解決手段】澱粉を次亜塩素酸塩等の酸化剤で処理して酸化澱粉を製造するに際し、酸化剤添加前及び/又は酸化剤添加中の澱粉の懸濁液中に空気を送り込むバブリングを行うことで、酸化剤の使用量を減らすことが可能である。
【選択図】なし
Description
本発明は、酸化剤の減添を可能とする酸化澱粉の製造方法に関するものである。
酸化澱粉は、白色の粉末または類粒状で,冷水には溶けないが,その水懸濁液は酸化レベルが非常に低い場合を除いて、酸化レベルが高くなるにつれて糊化開始温度が低くなり、低粘度の透明な糊液となる。従って、少ないエネルギー、かつ高濃度で糊化させることが可能である。得られた糊液は老化しづらいため粘度安定性が高く、ほぼ同じ粘度に調製した未処理の澱粉よりも冷却しても粘度の上昇幅が少なく、固くもならず、経時的に粘度その他の物性が変化しづらい。また、酸化澱粉は固く透明で連続したフイルムを形成する。このフイルムは、未処理の澱粉のものより、収縮及びひび割れする傾向が少なく均一なフイルムとなる等の特性を有しているため、製紙工業、建材工業、食品工業等に幅広く使用されている(非特許文献1参照)。
従来、酸化澱粉は湿式反応または乾式反応で澱粉を次亜塩素酸塩、さらし粉、過酸化水素、過マンガン酸カリウム、オゾンなどの酸化剤を用いて酸化処理することにより製造されているが、酸化剤としては、工業的には、作業性、経済性等の理由から、次亜塩素酸塩(特にナトリウム塩)が専ら使用される(非特許文献1、2参照)。
澱粉の化学的性質は次亜塩素酸塩による酸化で大きく変化する。カルボキシ基とカルボニル基の導入及びグリコシド結合の切断が起こり、処理のレベルにより程度の差を生じる。一般に次亜塩素酸塩処理のレベルが高くなる程、分子量及び固有粘度は減少し、澱粉糊液の粘度安定性に寄与するカルボキシ基、カルボニル基含量は増加する。カルボキシ基とカルボニル基の相対的な量は反応条件により影響される。
酸化処理による物性変化の目標の1つは澱粉のグリコシド結合の切断による低粘度化であり、粘度の低下が進むに従って、高濃度で糊化することが可能である。しかし、酸化処理により低粘度化を進めるには、一般に酸化レベルを高める必要がある。そのために澱粉に対する酸化剤の割合が増加し、生産コストの増加の要因となる。
二国二郎、「澱粉科学ハンドブック」、株式会社朝倉書店、昭和52年7月20日、p.501−502
不破英次、「澱粉科学の辞典」、株式会社朝倉書店、平成15年3月20日、p.408−409
本発明は、酸化剤、特に次亜塩素酸塩の添加量を減らし、製造コストをより安価に抑えながら、低粘度の酸化澱粉を製造することを目的とするものである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、湿式反応において澱粉を次亜塩素酸塩等の酸化剤で処理して酸化澱粉を製造するに際し、澱粉の懸濁液中に空気を送り込むことで、酸化剤の使用量を減らすことが可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)澱粉を酸化剤で処理して酸化澱粉を製造するに際して、酸化剤の使用量を減らし安価な酸化澱粉を提供するために、澱粉の懸濁液中に空気を送り込むバブリングを行うことを特徴とする酸化澱粉の製造方法。
(2)酸化剤で処理前の澱粉懸濁液にバブリングを行うことを特徴とする酸化澱粉の製造方法
(3)酸化剤で処理中の澱粉懸濁液にバブリングを行うことを特徴とする酸化澱粉の製造方法。
(4)酸化剤が次亜塩素酸塩である上記1〜3いずれかに記載の酸化澱粉の製造方法。
(1)澱粉を酸化剤で処理して酸化澱粉を製造するに際して、酸化剤の使用量を減らし安価な酸化澱粉を提供するために、澱粉の懸濁液中に空気を送り込むバブリングを行うことを特徴とする酸化澱粉の製造方法。
(2)酸化剤で処理前の澱粉懸濁液にバブリングを行うことを特徴とする酸化澱粉の製造方法
(3)酸化剤で処理中の澱粉懸濁液にバブリングを行うことを特徴とする酸化澱粉の製造方法。
(4)酸化剤が次亜塩素酸塩である上記1〜3いずれかに記載の酸化澱粉の製造方法。
本発明により、酸化剤の使用量を抑えることができ、経済的効果の向上が期待できる安価な酸化澱粉を得ることが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における酸化澱粉の製造方法は澱粉スラリーに酸化剤を添加して製造する湿式反応時おいて酸化剤添加前、酸化剤添加中、酸化剤添加終了後の反応中(酸化剤が完全に消失するまで)のいずれかの工程中に空気を澱粉スラリーに送り、バブリングすることにより目的が達せられる。
本発明における酸化澱粉の製造方法は澱粉スラリーに酸化剤を添加して製造する湿式反応時おいて酸化剤添加前、酸化剤添加中、酸化剤添加終了後の反応中(酸化剤が完全に消失するまで)のいずれかの工程中に空気を澱粉スラリーに送り、バブリングすることにより目的が達せられる。
本発明における酸化澱粉とは酸化剤として次亜塩素酸塩(主にナトリウム塩)、さらし粉、過酸化水素、過マンガン酸カリウム、オゾンなどを使用し、澱粉分子の解重合、澱粉分子内にカルボキシ基、カルボニル基の生成させた澱粉の総称である。原料となる澱粉としてはコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉などの穀物類の澱粉、馬鈴薯澱粉やタピオカ澱粉などの根系類の澱粉などが広く一般に使用される。またカチオン化、ヒドロキシエチル化、ヒドロキシプロピル化、カルボキシメチル化等のエーテル化、アセチル化、リン酸化、スルホン化、アルケニル琥珀酸化等のエステル化、各種合成ポリマーとのグラフト化及びその他物理化学的な処理を施した澱粉誘導体も使用可能である。
澱粉の酸化方法は、湿式反応であれば公知の方法から任意に選択できるが、次亜塩素酸塩を使用する場合の添加量は澱粉に対して有効塩素として0.5%〜10%、次亜塩素酸塩添加中及び反応中の温度は20〜50℃、pHは7〜11の範囲で反応し、反応終了後は還元剤で残存する次亜塩素酸塩を還元し、過剰なアルカリを酸で中和して脱水、洗浄、乾燥して製品とすることが一般的である。
澱粉に酸化処理を行う目的は前記のように澱粉分子の解重合による澱粉糊液粘度の低下、カルボキシ基、カルボニル基の生成による澱粉糊液の安定化にある。従来の反応方法では酸化剤の添加量を減らしてしまうと当然酸化度が低下して、糊液粘度の上昇、糊液安定性の悪化が起こる。しかしながら本発明のバブリングを行うことにより酸化剤の添加量を15%まで減じて処理しても、減じる前の酸化剤の添加量で処理したものと同じ糊液粘度、安定性の酸化澱粉が得られる。
空気によるバブリング量は澱粉スラリー1m3に対して0.01m3以上あれば効果を発現し、バブリング量が多いほど効果も強くなるが、50m3以上では効果が頭打ちとなる。気泡の大きさに制限はないが、あまり大きな気泡では澱粉スラリーとの接触面積が減少するため、必要量が多くなってしまう。また気泡が澱粉スラリーと接触して初めて効果は発現するため、気泡は澱粉スラリー中に発生させる必要がある。気泡発生方法、気泡発生装置も澱粉スラリーの中に気泡を発生させることが出来るならばどのような方法、装置でもかまわない。
効果的なバブリングを行うには(1)酸化剤を添加する(反応する)前、(2)酸化反応(酸化剤添加中、及び又は酸化剤添加終了後の反応)中の2工程のいずれかの1工程又は2工程で行う必要がある。
(1)酸化剤を添加前におけるバブリング
酸化剤添加前のバブリングは澱粉スラリーのpHを7以上、望ましくは8以上のアルカリ性にしてから行う必要がある。pH7以下ではバブリングの効果がほとんど発揮できない。またアルカリ性でバブリングを行うと澱粉スラリーの液面に消えづらい気泡が発生し、この気泡を系外に排出する必要がある。気泡を系外に排出せずに酸化処理を施しても酸化剤の添加量を減らすこと出来ない。その後、通常の酸化反応を行う。後述の工程におけるバブリングに比較すると酸化剤を添加する前のバブリングは効果が若干落ちるが、十分、酸化剤の量を減らすことが出来る。
酸化剤添加前のバブリングは澱粉スラリーのpHを7以上、望ましくは8以上のアルカリ性にしてから行う必要がある。pH7以下ではバブリングの効果がほとんど発揮できない。またアルカリ性でバブリングを行うと澱粉スラリーの液面に消えづらい気泡が発生し、この気泡を系外に排出する必要がある。気泡を系外に排出せずに酸化処理を施しても酸化剤の添加量を減らすこと出来ない。その後、通常の酸化反応を行う。後述の工程におけるバブリングに比較すると酸化剤を添加する前のバブリングは効果が若干落ちるが、十分、酸化剤の量を減らすことが出来る。
(2)酸化反応中におけるバブリング
酸化反応中とは酸化剤を添加始めてから反応が終了するまでであり、反応中の澱粉スラリーはpH7以上、望ましくは8以上のアルカリ性に保持する必要がある。pH7以下ではバブリングの効果がほとんど発揮できない。ただし酸化剤添加前におけるバブリングと異なり、酸化反応中にバブリングを行っても液面に気泡が溜まることないので、気泡の除去を行う必要はない。また最低限のバブリング量(澱粉スラリー1m3に対して0.01m3以上)が確保できればバブリング流速、時間は任意であり、連続運転でも間欠運転でも良い。
酸化反応中とは酸化剤を添加始めてから反応が終了するまでであり、反応中の澱粉スラリーはpH7以上、望ましくは8以上のアルカリ性に保持する必要がある。pH7以下ではバブリングの効果がほとんど発揮できない。ただし酸化剤添加前におけるバブリングと異なり、酸化反応中にバブリングを行っても液面に気泡が溜まることないので、気泡の除去を行う必要はない。また最低限のバブリング量(澱粉スラリー1m3に対して0.01m3以上)が確保できればバブリング流速、時間は任意であり、連続運転でも間欠運転でも良い。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また以下の%はすべて重量%である。
以下の実施例及び比較例において得られた製品の粘度測定は次の方法で行った。
澱粉濃度が20%となるように蒸留水に分散させた澱粉懸濁液30gをアルミカップに入れ、ラピッドビスコアナライザー(NEWPORT SCIENTIFIC(株)製)(以後RVAという)にセットし、昇温速度10℃/分で95℃まで昇温後20分間保持、10℃/分で降温し、50℃に冷却後30分間保持するプログラムで経時的な粘度の測定を行い、最終的に到達した粘度を最終粘度とした(単位はRVU:数値が大きいほど粘度が高い)。
<実施例1>
コーンスターチの乾粉455g(水分12%)を蒸留水に分散させて40%の澱粉スラリー1kgとし、35℃に加温後、撹拌しながら3%水酸化ナトリウム溶液でpH9に調整した。その澱粉スラリーにエアーポンプを使用してエアー流速0.3L/min.で10分間バブリングを行いながら液面に発生した気泡を系外に排出した。次にバブリングを続けながら有効塩素12%の次亜塩素酸ナトリウム100gをpH9以上に保持しながら30分で添加した。更にpH9以上を保持しながらバブリングを60分続け、残存した酸化力が消失するまで10%亜硫酸水素ナトリウム溶液を添加した後、5%塩酸でpH5に調整した。反応が終了した澱粉スラリーは脱水した後、80℃で乾燥して製品Aを得た。製品AのRVA粘度を測定したところ30RVUであった。
コーンスターチの乾粉455g(水分12%)を蒸留水に分散させて40%の澱粉スラリー1kgとし、35℃に加温後、撹拌しながら3%水酸化ナトリウム溶液でpH9に調整した。その澱粉スラリーにエアーポンプを使用してエアー流速0.3L/min.で10分間バブリングを行いながら液面に発生した気泡を系外に排出した。次にバブリングを続けながら有効塩素12%の次亜塩素酸ナトリウム100gをpH9以上に保持しながら30分で添加した。更にpH9以上を保持しながらバブリングを60分続け、残存した酸化力が消失するまで10%亜硫酸水素ナトリウム溶液を添加した後、5%塩酸でpH5に調整した。反応が終了した澱粉スラリーは脱水した後、80℃で乾燥して製品Aを得た。製品AのRVA粘度を測定したところ30RVUであった。
<実施例2>
コーンスターチの乾粉455g(水分12%)を蒸留水に分散させて40%の澱粉スラリー1kgとし、35℃に加温後、撹拌しながら3%水酸化ナトリウム溶液でpH9に調整した。その澱粉スラリーにエアーポンプを使用してエアー流速0.3L/min.で10分間バブリングを行いながら液面に発生した気泡を系外に排出した。次にバブリングを停止して有効塩素12%の次亜塩素酸ナトリウム110gをpH9以上に保持しながら30分で添加した。更にpH9以上を保持しながら反応を60分続け、残存した酸化力が消失するまで10%亜硫酸水素ナトリウム溶液を添加した後、5%塩酸でpH5に調整した。反応が終了した澱粉スラリーは脱水した後、80℃で乾燥して製品Bを得た。製品BのRVA粘度を測定したところ30RVUであった。
コーンスターチの乾粉455g(水分12%)を蒸留水に分散させて40%の澱粉スラリー1kgとし、35℃に加温後、撹拌しながら3%水酸化ナトリウム溶液でpH9に調整した。その澱粉スラリーにエアーポンプを使用してエアー流速0.3L/min.で10分間バブリングを行いながら液面に発生した気泡を系外に排出した。次にバブリングを停止して有効塩素12%の次亜塩素酸ナトリウム110gをpH9以上に保持しながら30分で添加した。更にpH9以上を保持しながら反応を60分続け、残存した酸化力が消失するまで10%亜硫酸水素ナトリウム溶液を添加した後、5%塩酸でpH5に調整した。反応が終了した澱粉スラリーは脱水した後、80℃で乾燥して製品Bを得た。製品BのRVA粘度を測定したところ30RVUであった。
<実施例3>
コーンスターチの乾粉455g(水分12%)を蒸留水に分散させて40%の澱粉スラリー1kgとし、35℃に加温後、撹拌しながら3%水酸化ナトリウム溶液でpH9に調整した。その澱粉スラリーに有効塩素12%の次亜塩素酸ナトリウム103gを添加と同時にエアーポンプを使用してエアー流速0.3L/min.でバブリングを開始し、pH9以上に保持しながら30分で添加した。更にpH9以上を保持しながらバブリングを60分続け、残存した酸化力が消失するまで10%亜硫酸水素ナトリウム溶液を添加した後、5%塩酸でpH5に調整した。反応が終了した澱粉スラリーは脱水した後、80℃で乾燥して製品Cを得た。製品CのRVA粘度を測定したところ30RVUであった。
コーンスターチの乾粉455g(水分12%)を蒸留水に分散させて40%の澱粉スラリー1kgとし、35℃に加温後、撹拌しながら3%水酸化ナトリウム溶液でpH9に調整した。その澱粉スラリーに有効塩素12%の次亜塩素酸ナトリウム103gを添加と同時にエアーポンプを使用してエアー流速0.3L/min.でバブリングを開始し、pH9以上に保持しながら30分で添加した。更にpH9以上を保持しながらバブリングを60分続け、残存した酸化力が消失するまで10%亜硫酸水素ナトリウム溶液を添加した後、5%塩酸でpH5に調整した。反応が終了した澱粉スラリーは脱水した後、80℃で乾燥して製品Cを得た。製品CのRVA粘度を測定したところ30RVUであった。
<実施例4>
コーンスターチの乾粉455g(水分12%)を蒸留水に分散させて40%の澱粉スラリー1kgとし、35℃に加温後、撹拌しながら3%水酸化ナトリウム溶液でpH9に調整した。その澱粉スラリーに有効塩素12%の次亜塩素酸ナトリウム105gを添加と同時にエアーポンプを使用してエアー流速0.3L/min.でバブリングを開始し、pH9以上に保持しながら30分で添加した。添加終了と同時にバブリングを停止し、pH9以上を保持しながら反応を60分続け、残存した酸化力が消失するまで10%亜硫酸水素ナトリウム溶液を添加した後、5%塩酸でpH5に調整した。反応が終了した澱粉スラリーは脱水した後、80℃で乾燥して製品Dを得た。製品DのRVA粘度を測定したところ30RVUであった。
コーンスターチの乾粉455g(水分12%)を蒸留水に分散させて40%の澱粉スラリー1kgとし、35℃に加温後、撹拌しながら3%水酸化ナトリウム溶液でpH9に調整した。その澱粉スラリーに有効塩素12%の次亜塩素酸ナトリウム105gを添加と同時にエアーポンプを使用してエアー流速0.3L/min.でバブリングを開始し、pH9以上に保持しながら30分で添加した。添加終了と同時にバブリングを停止し、pH9以上を保持しながら反応を60分続け、残存した酸化力が消失するまで10%亜硫酸水素ナトリウム溶液を添加した後、5%塩酸でpH5に調整した。反応が終了した澱粉スラリーは脱水した後、80℃で乾燥して製品Dを得た。製品DのRVA粘度を測定したところ30RVUであった。
<実施例5>
コーンスターチの乾粉455g(水分12%)を蒸留水に分散させて40%の澱粉スラリー1kgとし、35℃に加温後、撹拌しながら3%水酸化ナトリウム溶液でpH9に調整した。その澱粉スラリーに有効塩素12%の次亜塩素酸ナトリウム107gを添加しpH9以上に保持しながら30分で添加した。添加終了と同時にエアーポンプを使用してエアー流速0.3L/min.でバブリングを開始しpH9以上を保持しながらバブリングを60分続け、バブリングも停止した。残存した酸化力が消失するまで10%亜硫酸水素ナトリウム溶液を添加した後、5%塩酸でpH5に調整した。反応が終了した澱粉スラリーは脱水した後、80℃で乾燥して製品Eを得た。製品EのRVA粘度を測定したところ30RVUであった。
コーンスターチの乾粉455g(水分12%)を蒸留水に分散させて40%の澱粉スラリー1kgとし、35℃に加温後、撹拌しながら3%水酸化ナトリウム溶液でpH9に調整した。その澱粉スラリーに有効塩素12%の次亜塩素酸ナトリウム107gを添加しpH9以上に保持しながら30分で添加した。添加終了と同時にエアーポンプを使用してエアー流速0.3L/min.でバブリングを開始しpH9以上を保持しながらバブリングを60分続け、バブリングも停止した。残存した酸化力が消失するまで10%亜硫酸水素ナトリウム溶液を添加した後、5%塩酸でpH5に調整した。反応が終了した澱粉スラリーは脱水した後、80℃で乾燥して製品Eを得た。製品EのRVA粘度を測定したところ30RVUであった。
<実施例6>
次亜塩素酸ナトリウム添加から10分間隔でバブリングと停止を繰り返して間欠バブリングを行った以外は実施例1と同様に操作して、製品Fを得た。製品FのRVA粘度を測定したところ33RVUであった。
次亜塩素酸ナトリウム添加から10分間隔でバブリングと停止を繰り返して間欠バブリングを行った以外は実施例1と同様に操作して、製品Fを得た。製品FのRVA粘度を測定したところ33RVUであった。
<実施例7>
バブリングのエアー流速を0.05L/min.に変更した以外は実施例1と同様に操作して、製品Gを得た。製品GのRVA粘度を測定したところ35RVUであった。
バブリングのエアー流速を0.05L/min.に変更した以外は実施例1と同様に操作して、製品Gを得た。製品GのRVA粘度を測定したところ35RVUであった。
<比較例1>
バブリングを全く行わない以外は実施例1と同様に操作して、製品Hを得た。製品HのRVA粘度を測定したところ55RVUであった。
バブリングを全く行わない以外は実施例1と同様に操作して、製品Hを得た。製品HのRVA粘度を測定したところ55RVUであった。
<比較例2>
バブリングを全く行わず、次亜塩素酸ナトリウム添加量を117gに変更した以外は実施例1と同様に操作して、製品Iを得た。製品IのRVA粘度を測定したところ30RVUであった。
バブリングを全く行わず、次亜塩素酸ナトリウム添加量を117gに変更した以外は実施例1と同様に操作して、製品Iを得た。製品IのRVA粘度を測定したところ30RVUであった。
全くバブリングを行わなかった比較例1の製品粘度が55RVUなのに対して酸化剤(次亜塩素酸ナトリウム)添加量が同一で酸化反応前及び酸化反応中にバブリングを行った実施例1の製品では30RVUとなり、明らかに粘度が低くなっている。また比較例2と実施例1は製品の粘度を同一にするための酸化剤の添加量を比較したものだが、実施例1は比較例2に対して15%添加量が減じていることが確認出来る。また実施例2のように酸化剤添加前にのみバブリングしても、実施例3のように酸化反応中にのみバブリングを行っても添加量を減じることが確認出来る。以上のように酸化澱粉の製造に際し、澱粉の懸濁液中に空気を送り込むバブリングを行うことによって酸化剤の添加量を減じることが可能となる。
Claims (4)
- 澱粉を酸化剤で処理して酸化澱粉を製造するに際して、澱粉懸濁液に空気を送り込むバブリングを行うことを特徴とする酸化澱粉の製造方法。
- バブリングを酸化剤で処理前の澱粉懸濁液に行うことを特徴とする酸化澱粉の製造方法。
- バブリングを酸化剤で処理中の澱粉懸濁液に行うことを特徴とする酸化澱粉の製造方法。
- 酸化剤が次亜塩素酸塩である請求項1〜3いずれかに記載の酸化澱粉の製造方法。
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