JP2011110792A - 液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Shin Ishimatsu
伸 石松
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Abstract

【課題】製造工程の短時間化および製造コストの低減が図られる液体吐出ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】液体吐出ヘッドの製造方法は、支持部材110の第1の面に記録素子基板100が設けられ、支持部材100の第1の面とは反対側の第2の面に放熱部材120が設けられた液体吐出ヘッドの製造方法である。本製造方法は、支持部材110の第2の面と放熱部材120との間に接着剤140を挟持させる接着剤配置工程と、接着剤140を部分的に加熱する仮硬化工程と、接着剤140の全体を加熱する本硬化工程と、を含む。
【選択図】図7

Description

本発明は、記録媒体に記録を行うための液体吐出ヘッドの製造方法に関する。
図1に一般的な液体吐出ヘッドの一例としてインクジェット記録ヘッド501を示す。図1(a)は記録素子基板600が下向きである状態の斜視図であり、図1(b)は記録素子基板600が上向きである状態の斜視図である。
図1に示したインクジェット記録ヘッド501は、大きく分けると、流路ユニット510および吐出ユニット520の2つのユニットから構成されている。吐出ユニット520の記録素子基板600には、液滴が吐出される複数の吐出口601が配列され、各吐出口601から液滴を吐出させるための吐出エネルギーを発生する吐出エネルギー発生部(不図示)が設けられている。また、記録素子基板600には、この吐出エネルギー発生部と吐出口601とに連通され、各吐出口601に液体を供給する液体を貯蔵する液室(不図示)が設けられている。また、吐出ユニット520には、記録素子基板600の各液室に連通される流路が形成された支持部材610が設けられている。流路ユニット510は、インクを収納するインク容器からインク供給口511に供給されたインクを、記録素子基板600の液室に接続された支持部材610の流路に供給する。
また、記録素子基板600の吐出エネルギー発生部(不図示)としては、ピエゾ素子などの電気機械変換体を用いたものや、レーザーなどの電磁波を照射するもの、あるいは電気熱変換素子を用いるものなどが知られている。
近年、インクジェット記録装置におけるプリント作業の高速化や、記録媒体に形成される液滴の高密度化、つまり吐出口の高集積化が進められている。これに伴い、吐出エネルギー発生部として特に電気熱変換体を用いたインクジェット記録ヘッド501が用いられる場合には、吐出ユニット520、特に記録素子基板600の発熱によって生ずる悪影響が無視できなくなってきている。例えば、ベタプリントなどのように吐出エネルギー発生部に対する駆動デューティの高いプリント作業を行った場合や、高速プリント作業を連続して行った場合には、記録素子基板600の温度上昇が大きくなる。記録素子基板600が温度上昇すると、記録素子基板600の液室中にある液体中の溶存ガスが気泡となって生成し、これが液室内に溜まって成長する。この結果、吐出口601からの液滴の吐出不良や、液室への液体の供給不良が発生し、記録媒体に形成される画像の品質を低下させる原因となる。
このような不具合を防止するための方法の一例として、インクジェット記録ヘッド501の記録素子基板600に温度センサを組み込むことが挙げられる。このようなインクジェット記録ヘッド501では、例えば温度センサによって検出される温度が50℃に達した場合、プリント作業を一時的に停止し、40℃まで低下した時点でプリント作業を再開する。しかし、記録素子基板600の温度が低下するのに長時間かかるため、このような方法ではプリント時間が長くなってしまう弊害を生ずる。
特許文献1に記録素子基板の温度上昇の抑制が図られたインクジェット記録ヘッドが記載されている。このインクジェット記録ヘッドには記録素子基板の温度上昇を抑制するための放熱部材が設けられている。
図2は吐出ユニット520aに放熱部材620aが設けられたインクジェット記録ヘッド501aの分解斜視図である。このインクジェット記録ヘッド501aの吐出ユニット520aでは、支持部材610a上に放熱部材620aが設けられている。すなわち、放熱部材620aは、支持部材610aの、記録素子基板600aの取り付け面とは反対側の面に取り付けられている。放熱部材620aは熱容量の大きい材料によって形成されているため、支持部材610aを介して伝達された記録素子基板600aの熱を拡散する。これにより、記録素子基板600aの昇温が抑制される。
図3(a)は吐出ユニット520aの記録素子基板600a側を示した平面図であり、図3(b)は吐出ユニット520aの放熱部材620a側を示した平面図である。図4は図3(a)のA−A断面を表した模式図である。図4では、簡単のため、記録素子基板600aを1つのみ示し、吐出口601aおよび流路630aを2つのみ示している。
記録素子基板600aの熱は、支持部材610aを介してできるだけ放熱部材620aに伝達されることが望ましい。放熱部材620aは一般的に支持部材610aに接着剤640aを介して接着され、支持部材610aから放熱部材620aへの熱の伝達は接着剤640aを介してなされる。そのため、放熱部材620aは、支持部材610aの取り付け領域全域に、接着剤640aによって、隙間無く接着されることが望ましい。
図5は、支持部材に放熱部材が取り付けられるインクジェット記録ヘッドの製造工程の一例を説明するフローチャートである。図5では、支持部材に記録素子基板を取り付ける工程S101から示している。
S101の次に、支持部材の、記録素子基板の取り付け面と反対側の面の、支持部材の、放熱部材の取り付け領域全域に接着剤を塗布する工程S102を行う。接着剤としては、熱硬化型であって、インクジェット記録ヘッドの物流および使用状態においても、支持部材から放熱部材が外れることがないような性能のものを選択している。
S102の次に、接着剤が塗布された支持部材に放熱部材を配置する工程S103を行う。このとき、接着後の放熱部材が、他の部品に干渉することを避けるため、所定の位置公差で放熱部材の支持部材に対する位置決めを行う。そして、次の接着剤硬化工程S104が完了するまで、放熱部材が支持部材に対して所定の位置公差以上にズレないように維持する必要がある。そのため、放熱部材配置工程S103から接着剤硬化工程S104完了までの間、リードタイムにあわせた必要数量の専用治具を使用して、支持部材に放熱部材を固定する。
接着剤硬化工程104では、前述の接着剤の硬化条件にあわせて、たとえば、120℃、2時間程度の加熱工程として、キュア炉に格納して、接着剤を完全に硬化させる。これにより、吐出ユニットが完成する。
その後、支持部材に放熱部材が取り付けられた吐出ユニットを、図2に示したような流路ユニットに取り付ける。そのため、流路ユニットの所定位置に接着剤を塗布し(S105)、接着剤が塗布された流路ユニットの所定位置に吐出ユニットを配置し(S106)、接着剤硬化のための加熱を行う(S107)。流路ユニットに吐出ユニットを接着する際の接着剤には、前述の放熱部材取り付け用の接着剤と同様のものを使用すると、性能、コスト面で有利である。この場合、接着剤硬化工程S107に必要な加熱も同様に、120℃、2時間程度のキュア炉への投入となる。
図5では、接着剤硬化工程S107以降の工程を省略しているが、一般的には、その後、その他の部品の組み立て、出荷検査等、が行われ、インクジェット記録ヘッド完成S110となる。
特開2003−103784号公報
しかしながら、図5に示した接着剤硬化工程S004,S107には、非常に時間がかかる。このことは、仕掛り品の増加や製造コストアップを招く。また、工程S103,S104では、放熱部材を支持部材に固定するための専用治具を多数用意する必要がある。このことは製造コストアップを招く。
接着剤硬化工程S004の時間を短縮するために、放熱部材から接着剤への熱伝達時間の短縮を考慮して、放熱部材を薄化することが考えられる。しかし、放熱部材を薄化すると放熱部材の熱容量が減少することになり、放熱部材の、熱を効率よく拡散するという本来の効果を損なうことになる。
そこで、本発明の目的は、製造工程の短時間化および製造コストの低減が図られる液体吐出ヘッドの製造方法を提供することにある。
本発明の液体吐出ヘッドの製造方法は、支持部材の第1の面に吐出エネルギー発生部が発するエネルギーによって吐出口から液体を吐出する記録素子基板が設けられ、前記支持部材の前記第1の面とは反対側の第2の面に放熱部材が設けられた液体吐出ヘッドの製造方法であって、前記第1の面に前記記録素子基板が取り付けられた前記支持部材の前記第2の面と前記放熱部材との間に熱硬化型の接着剤を挟持させる接着剤配置工程と、前記接着剤配置工程の後に前記接着剤を部分的に加熱する仮硬化工程と、前記仮硬化工程の後に前記接着剤の全体を加熱する本硬化工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、製造工程の短時間化および製造コストの低減が図られる液体吐出ヘッドの製造方法を提供することができる。
一般的なインクジェット記録ヘッドを示す斜視図である。 一般的なインクジェット記録ヘッドを示す分解斜視図である。 一般的なインクジェット記録ヘッドを構成する吐出ユニットの平面図である。 図3(a)のA−A線に沿った断面図である。 インクジェット記録ヘッドの製造工程を示すフロー図である。 本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの分解斜視図である。 図6に示した吐出ユニットのB−B線に沿った断面図である。 一般的なインクジェット記録ヘッドの一部を破断して示した斜視図である。 本発明のインクジェット記録ヘッドの製造工程を示すフロー図である。 図6に示したインクジェット記録ヘッドを適用可能なインクジェット記録装置を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの吐出ユニットの断面図である。
本実施形態で用いられる液体吐出ヘッドについて、一般的なインクジェット記録ヘッドを例として説明する。
なお、本明細書において「記録」とは、文字や図形など有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わない。さらに、広く記録媒体上に画像、模様、パターンなどを形成する場合、または媒体の加工を行う場合をも包含する。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、布、プラスチックフィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革などのインクを受容可能な物をも含むものである。
さらに、「インク」とは、上記「記録」の定義と同様に広く解釈されるべきであり、記録媒体に付与されることによって、画像、模様、パターンなどの形成または記録媒体の加工あるいはインクの処理に供され得る液体を含む。したがって、記録に関して用いることが可能なあらゆる液体を包含している。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図6は、本実施形態に係るインクジェット記録ヘッド001の分解斜視図である。インクジェット記録ヘッド001は、流路ユニット010および吐出ユニット020によって構成される。
図7はインクジェット記録ヘッド001の吐出ユニット020の図6のB−B断面を表した模式図である。図7では、簡単のため、記録素子基板100を1つのみ示し、吐出口101および流路130を2つのみ示している。
放熱部材120は、支持部材110に取り付け領域全域で接着剤140によって接着固定されている。前述したように、吐出口101からのインクの吐出に際して記録素子基板100で発生する熱を、支持部材110を介して、放熱部材120に効率良く伝達する必要がある。そのために、接着剤140によって支持部材110と放熱部材120との間に隙間を無くしている。
本実施形態の接着剤140に用いるエポキシ系接着剤の硬化のためには、一般的に、キュア炉等を使用し、キュア条件を120℃2時間に設定し、吐出ユニット020を雰囲気中で加熱する。仮に、この加熱温度を、200℃以上の高温に設定することが可能であればエポキシ系接着剤の硬化のための加熱時間を短縮することが可能である。
ここで、本実施形態に係る記録素子基板を含む一般的な記録素子基板が製造過程において200℃以上の高温になった場合に生じる現象について図8を参照して説明する。図8は、一般的なインクジェット記録ヘッドの記録素子基板H1101の一部を破断して示した斜視図である。
記録素子基板H1101は、シリコン基板H1110と、該シリコン基板H1110上に形成された吐出口形成部材H1106と、を有する。また、記録素子基板H1101は、インクを吐出するための吐出口H1107と、吐出口H1107と連通して吐出口H1107にインクを供給するためのインク供給口H1102とを有する。吐出口H1107は吐出口形成部材H1106に形成され、インク供給口H1102はシリコン基板H1110に形成されている。
シリコン基板H1110は、厚さ0.5mm〜1.0mmであり、厚さ方向の異方性エッチングによりインク供給口H1102が形成されている。また、シリコン基板H1110上には、吐出エネルギー発生部である発熱抵抗素子H1103が形成されている。吐出口形成部材H1106は、その各発熱抵抗素子H1103に対して各吐出口H1107が対を成すように、シリコン基板H1110上にフォトリソグラフィー技術を用いて形成されている。
吐出口形成部材H1106とシリコン基板H1110とには線膨張率に差があるため、記録素子基板H1101がたとえば200℃以上の高温状態にさらされると、吐出口形成部材H1106とシリコン基板H1110との間に内部応力差が発生する。これにより、シリコン基板H1110から吐出口形成部材H1106が剥がれる不具合が引き起こされることがある。
したがって、前述したように、支持部材110と放熱部材120との間の接着剤140の硬化のための加熱時間を短縮するために、加熱温度を200℃以上の高温に設定することは困難である。
そこで、本実施の形態では、記録素子基板100を高温にさらすことなく、放熱部材120を支持部材110に固定すべく、図7(a)に示すように、放熱部材120に凹形状部141を設けている。放熱部材120の凹形状部141は、放熱部材120の、支持部材110側の接着剤140との接触面とは反対側の面から接着剤140との接触面側に凹んでいる。すなわち、放熱部材120の厚さは凹形状部141で薄くなっている。凹形状部141は、図6に示すように複数設けられていることが望ましい。
放熱部材120を支持部材110に接着する際には、図7(b)に示すように、凹形状部141に、200℃以上に加熱可能な棒状の先端部を備えた発熱体である加熱ユニット200を挿入し、加熱ユニット200の先端を凹形状部141の底面に接触させる。これにより、図7(b)の点線で囲んだ加熱影響領域300の範囲だけを接着剤140が硬化する温度、またはそれ以上の温度、たとえば200℃以上にすることが可能である。これにより、短時間で、接着剤140の加熱影響領域300内にある部分のみの硬化(仮硬化)が行われる。この接着剤140の仮硬化により、放熱部材120が支持部材110に固定される。その際、高温となるのは加熱影響領域300のみであるため記録素子基板100は高温となりにくい。したがって、記録素子基板100の各構成部材の線膨張率の差の影響は生じにくい。
加熱ユニット200による加熱時間が長いと、加熱影響領域300に加わる熱が徐々に支持部材110を介して記録素子基板100に伝達してしまう。したがって、加熱ユニット200は、出来るだけ短時間で加熱影響領域300に高温を付与することが重要である。そのため、加熱ユニット200として、たとえばインパルスウェルダ−等の瞬間加熱・冷却装置を使用することが効果的である。
また、凹形状部141は、できるだけ深いことが望ましい。すなわち、凹形状部141の底面と接着剤140との距離ができるだけ小さい方が、加熱ユニット200からの熱が接着剤140に伝わりやすいため、接着剤140の短時間での硬化が可能である。しかしながら、放熱部材120は、コストの観点からプレス成形されることが望ましい。この場合、プレス加工上の制約から、放熱部材120には一定の深さ以上の凹形状部141を加工することは困難である。また、放熱部材120をプレス加工ではなく切削加工によって形成すれば、より深い凹形状部141を形成することが可能であるが、加工コストは増加してしまう。従って、凹形状部141は、加熱時間と加工方法、加工コストとの兼ね合いで最適な深さに形成することが望ましい。
図9は、本実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの製造工程の一例を説明するフローチャートである。図9では、支持部材110に記録素子基板100が取り付けられる工程S001から示している。
S001の次に、支持部材110の記録素子基板100が取り付けられた面(第1の面)とは反対側の面(第2の面)の、放熱部材120の取り付け領域全域に、接着剤140を塗布する工程S002を行う。接着剤140としては、熱硬化型であって、インクジェット記録ヘッドの物流および使用状態においても、支持部材から外れることがないような性能のものを選択している。S002の次に、接着剤140を塗布した支持部材110に、放熱部材120を配置する工程S003を行う。S002およびS003は支持部材110と放熱部材120との間に未硬化の接着剤140を挟持させる接着剤配置工程を構成している。本実施形態のS002では支持部材110に接着剤140を塗布しているが、放熱部材120に接着剤140を塗布してもよい。
工程S003の次に、図7(b)に示すように加熱ユニット200によって加熱影響領域300を加熱して接着剤140を部分的に加熱して、接着材140を部分的に硬化する仮硬化工程S004を行う。この仮硬化工程S004により、放熱部材120は支持部材110に位置決めされた状態で固定される。この状態では、放熱部材120はと支持部材110との間の接着剤140は硬化していない部分があるため、放熱部材120はと支持部材110との間の熱伝達は良好になされない。しかし、従来の接着剤硬化工程は2時間程度かかるものの、本実施形態に係る接着剤仮硬化工程S004はごく短時間で完了する。
その後、支持部材110に放熱部材120が固定された吐出ユニット020は、流路ユニット010に取り付けられる。そのため、流路ユニット010の、吐出ユニット020の取り付け領域全域に接着剤を塗布する工程S005を行う。そして、流路ユニット010の取り付け面に吐出ユニット020を接着剤を介して配置する(S006)。
その後、流路ユニット010と吐出ユニット020との間の接着剤の硬化する硬化工程S007を行う。これにより流路ユニット010と吐出ユニット020とが一体化する。流路ユニット010に吐出ユニット020を接着する際の接着剤には、放熱部材110取り付け用の接着剤104と同様のエポキシ系接着剤を使用している。そのため、流路ユニット010と吐出ユニット020との間の接着剤の硬化に必要な加熱も同様は、120℃、2時間程度のキュア炉への投入となる。
接着剤硬化工程S007では、吐出ユニット020と流路ユニット010との間の接着剤が硬化するとともに、吐出ユニット020の支持部材110と放熱部材120との間の部分的にしか硬化していなかった接着剤140の全体が硬化する。したがって、このとき放熱部材120は、支持部材110の取り付け領域全域に、接着剤140によって、隙間無く接着されている。そのため、記録素子基板100の熱は、支持部材110を介して効率よく放熱部材120に伝達されるようになっている。
このように本実施形態に係る接着剤硬化工程S007は、支持部材110と放熱部材120との間の接着剤140の全体を硬化する本硬化工程を兼ねている。放熱部材120は、あらかじめ接着剤仮硬化工程S004にて支持部材110に固定されているので、接着剤硬化工程S007で放熱部材120を支持部材110に位置決めするための専用治具等を用いる必要がない。これにより、インクジェット記録ヘッドの製造コストを低減することができる。
図8では、接着剤硬化工程S007以降の工程を省略しているが、一般的には、その後、その他の部品の組み立て、出荷検査等、が行われ、インクジェット記録ヘッド製造完了S010となる。
このように、本実施形態では、支持部材と放熱部材との間の接着剤を仮硬化することによって、インクジェット記録ヘッドの製造にかかる時間を短縮することができる。すなわち、支持部材と放熱部材との間の接着剤を本硬化する工程と、流路ユニットと吐出ユニットとの間の接着剤を硬化する工程と、が同時に行われることが可能であるため、これらの工程に係る時間が実質半分となる。また、これに伴い、インクジェット記録ヘッドの仕掛品が低減がする。
なお、本実施形態では、支持部材と放熱部材との間の接着剤の本硬化工程を、吐出ユニットと流路ユニットとの間の接着剤の硬化工程と兼ねているが、他の工程と兼ねていてもよい。このような他の工程は、支持部材と放熱部材との間の接着剤の仮硬化工程以降に行われる加熱を伴ういかなる工程であってもよい。このような工程としては、たとえば、吐出ユニットと、本実施形態に係る流路ユニット以外の液体供給ユニットとの間の接着剤の硬化工程が考えられる。
さらに、本実施形態に変形実施形態として、支持部材と放熱部材との間の接着剤の本硬化工程が単独で行われる場合にもインクジェット記録ヘッドの製造コストが低減される。これは、本硬化工程より前の仮硬化工程において支持部材と放熱部材とが固定されているため、本硬化工程にて支持部材と放熱部材とを固定する専用治具が不要であるからである。
図10に図6に示した本実施形態に係るインクジェット記録ヘッド001を搭載可能なインクジェット記録装置M001を示す。図6に示すインクジェット記録ヘッド001は、図10に示すインクジェット記録装置M001のキャリッジM002に搭載される。キャリッジM002に搭載されたインクジェット記録ヘッド001の記録素子基板100は、矢印A001の方向に往復動作を行ないつつ吐出口601からインク液滴を吐出する。シートフィーダーM003に積載された紙等の記録媒体(不図示)は、キャリッジM002の下側を通って、矢印A002の方向に送られる。インクジェット記録装置M001は、PC(Personal Computer)などの印刷指示機器からの記録信号に従って、これら動作を組み合わせることで、記録媒体上に、所望の画像を形成する。
(第2の実施形態)
次に本発明の第2の実施形態について図11を参照して説明する。
図11は、本実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの吐出ユニット020aの断面を表す模式図である。
本実施形態に係る吐出ユニット020aの放熱部材120aには、第1の実施形態と同様の目的で、放熱部材120aの接着剤140aとの接着面とは反対側の面に、凹形状部142を設けている。
凹形状部142は、放熱部材120aの端部に設けてある。すなわち、凹形状部142内の空間は、放熱部材120aの厚さ方向に直交する方向の外向きに開放されている。こうすることで、加熱ユニットの先端形状の自由度が増す。たとえば、図11(b)に示すように、凹形状部142の底面より先端部が大きい加熱ユニット210を用いて加熱影響領域310aを加熱することも可能である。さらに、加熱ユニットの先端形状の自由度が増すと、より出力の大きい加熱ユニットを選択することも可能となりうるため、これにより、図10に示した接着剤仮硬化工程S004をより短時間で行うことも可能となる。
また、凹形状部142を放熱部材120aの端部に設けることにより、加熱影響領域310aが記録素子基板100aから遠くなる。したがって、接着剤140aの仮硬化工程にて、記録素子基板100aが温度上昇しにくくなる。
001 インクジェット記録ヘッド
010 流路ユニット
020 吐出ユニット
100 記録素子基板
101 吐出口
110 支持部材
120 放熱部材
130 流路
140 接着剤
141 凹形状部
200 加熱ユニット
300 加熱影響領域

Claims (7)

  1. 支持部材の第1の面に吐出エネルギー発生部が発するエネルギーによって吐出口から液体を吐出する記録素子基板が設けられ、前記支持部材の前記第1の面とは反対側の第2の面に放熱部材が設けられた液体吐出ヘッドの製造方法であって、
    前記第1の面に前記記録素子基板が取り付けられた前記支持部材の前記第2の面と前記放熱部材との間に熱硬化型の接着剤を挟持させる接着剤配置工程と、
    前記接着剤配置工程の後に前記接着剤を部分的に加熱する仮硬化工程と、
    前記仮硬化工程の後に前記接着剤の全体を加熱する本硬化工程と、を含むことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記仮硬化工程では、前記接着剤の複数の部分を加熱する、請求項2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記仮硬化工程では、前記放熱部材を介して前記接着剤を加熱する、請求項1または2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記放熱部材の前記接着剤との接触面とは反対側の面に、前記接触面側に凹んでいる凹形状部が形成されており、
    前記仮硬化工程では、前記凹形状部を介して前記接着剤を加熱する、請求項3に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記凹形状部は、前記放熱部材の端部に形成されている、請求項4に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  6. 前記仮硬化工程では、発熱体を前記放熱部材に接触させる、請求項3から5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  7. 前記仮硬化工程の後に、前記支持部材、前記記録素子基板および前記放熱部材を含む吐出ユニットと、該吐出ユニットに液体を供給する液体供給ユニットと、の間に熱硬化型の接着剤を挟持させる工程を有し、
    前記本硬化工程で前記吐出ユニットと前記液体供給ユニットとの間の前記接着剤の全体を加熱する、請求項1から6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
JP2009268813A 2009-11-26 2009-11-26 液体吐出ヘッドの製造方法 Pending JP2011110792A (ja)

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