JP2011109386A - 固体撮像素子およびその駆動方法、カメラシステム、プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画素駆動部120は、長い第1露光時間の第1蓄積期間中に、中間電圧転送により読み出し走査を実行し、その中間電圧転送により読み出し動作よりも高照度領域の画像取得のための第2露光時間だけ先行して、同じあるいは異なる電圧値の中間電圧による転送のための選択走査を、1回または複数回実行する機能を有し、短い第2露光時間の第2蓄積期間が、第1露光時間の第1蓄積期間中に複数設定され、信号処理系130は複数の短い第2蓄積期間のフレームからの値を用いて、短い第2蓄積期間のフレームからの出力値を推定する処理を行う。
【選択図】図7
Description
これはCMOSイメージセンサが次の課題を克服しているからである。
すなわち、CCD画素の製造には専用プロセスを必要とし、また、その動作には複数の電源電圧が必要であり、さらに複数の周辺ICを組み合わせて動作させる必要がある。
このようなCCDの場合、システムが非常に複雑化するといった処々の問題を、CMOSイメージセンサが克服しているからである。
このため、CMOSイメージセンサは、周辺ICの数を減らすことができるといった、大きなメリットを複数持ち合わせている。
これに対して、CMOSイメージセンサは画素毎にFDアンプを持ち合わせており、その出力は、画素アレイの中のある一行を選択し、それらを同時に列方向へと読み出すような列並列出力型が主流である。
これは、画素内に配置されたFDアンプでは十分な駆動能力を得ることは難しく、したがってデータレートを下げることが必要で、並列処理が有利とされているからである。
画素回路10は、この1個の光電変換素子11に対して、転送トランジスタ12、リセットトランジスタ13、増幅トランジスタ14、および選択トランジスタ15の4つのトランジスタを能動素子として有する。
転送トランジスタ12は、光電変換素子11とフローティングディフュージョンFDとの間に接続され、転送制御線LTRGを通じてそのゲート(転送ゲート)に転送信号(駆動信号)TRGが与えられる。
これにより、光電変換素子11で光電変換された電子をフローティングディフュージョンFDに転送する。
これにより、フローティングディフュージョンFDの電位を電源ラインLVREFの電位にリセットする。
そして、選択制御線LSELを通してアドレス信号(選択信号)SELが選択トランジスタ15のゲートに与えられ、選択トランジスタ15がオンする。
選択トランジスタ15がオンすると、増幅トランジスタ14はフローティングディフュージョンFDの電位を増幅してその電位に応じた電圧を垂直信号線16に出力する。垂直信号線16を通じて、各画素から出力された電圧は、読み出し回路に出力される。
たとえば、明るい被写体に対しては、シャッタ速度を高速に切ることで露光時間を短縮し光電変換素子における電荷蓄積時間を短くして蓄積電荷量が飽和レベルに達する以前に電気信号を出力させる。
このような処理により被写体に応じた階調を正確に再現した画像の出力が可能となる。
このように、明るいところと暗いところが混在する被写体の撮影画像において、明るい部分、暗い部分の輝度レベルを正確に再現するためには、次の処理が必要となる。
すなわち、イメージセンサ上での入射光が少ない画素では長い露光時間として高いS/Nを実現し、入射光が多い画素では飽和を回避する処理が必要となる。
なお、ここで中間電圧(中間電位)とは、転送トランジスタ12が通常のような完全オフになるレベルではなく、あるレベル以上電子が蓄積されていたら余剰分をFD部に溢れさせることが可能なレベルである。
この処理では、広ダイナミックレンジ画像に基づくぼかし画像と広ダイナミックレンジ画像における輝度変化画素の画素位置に対応する画素値を適用して出力画素値を決定する。
この撮像装置によれば、被写体の移動などによって発生する輝度変化画素の階調不良や偽色の発生が防止され、自然な見た目の高品質画像を得ることができる。
なお、以下の説明では簡略化のため、トランジスタでのばらつきを抑えるための中間電位を複数回印加する方法の説明については省略する。実際の動作では中間電位での複数回の印加が行われるが、この場合にも本発明の動作に関しては変更することなく使用することができる。
横軸S101は時間軸で、期間S102が長時間蓄積(以下、長蓄)フレームの蓄積時間となる。縦軸S103は、画素に蓄えられた電荷量を示し、S104は画素の電荷蓄積の飽和レベル、S105は読み出しのための中間電位を示す。
短蓄フレームの開始時刻S106から終了時刻S107までの間が短蓄フレームの蓄積時間S108となる。短蓄フレームの読み出しは、長蓄フレームの蓄積時間の中間の時間となる。
図2では、ある隣接する画素での三つの色の成分について、時間とともに増加する電荷の様子を示している。
たとえば、成分S109はグリーン(G)で、成分S110はレッド(R)、成分S111はブルー(B)などとなる。
それぞれの色の成分の電荷の増加の速度は、被写体の色の違いや、イメージセンサの色感度の違いなどにより差異がある。
図2では、被写体が暗く、すべての色での電荷量の増加の速度が遅い場合について示している。
このとき、すべての色成分において、画素で蓄積された最終的な値は、長蓄フレームの値を読み出すことにより行われ、これらの色データから画像が再構成(デモザイク)される。このとき短蓄のフレームからの出力はない。
この場合、各色成分S109、S110、S111の電荷量の増加は図2の場合に比べて早く、短蓄フレームの蓄積の開始時間までに中間電位MVを超えたり、あるいは飽和したりする。
このとき、中間電位S105でのリセットS201後の短蓄フレームの蓄積時間後の読み出しにより、各色成分として値S202、S203、S204が各色の短蓄フレームの値として読み出される。これらの3つの短蓄フレームの色データから画像が再構成(デモザイク)される。
成分S109は短蓄フレームの蓄積開始時刻までに中間電位S105を超え、短蓄フレームでの蓄積が行われる場合を示している。
成分S109は短蓄フレームの開始時刻S301でリセットされ、その後短蓄フレームの蓄積期間で蓄えられた電荷S302が読み出される。
一方、他の色成分S110、S111では短蓄フレームでの蓄積は行われず、長蓄フレームの出力として、電荷S303、S304が読み出される。
隣接画素において、短蓄の値と長蓄の値が混在するが、この場合にも正しい色を復元(デモザイク)することが可能となる。
そのため、短蓄フレームと長蓄フレームの値から、各色それぞれ正しい値を求めることができ、これらの色成分からデモザイクされ、復元された色も正しい色となり、偽色の発生などの現象は起こらない。
このため、この色成分を用いてデモザイクすると偽色の発生などが起こる場合がある。
図5では、短蓄フレームの開始前までは暗く(S401)、その後明るくなる(S402)場合について示している。
この短畜フレームでの値S403を読み出し、短蓄フレームと長蓄フレームの蓄積時間の比のゲインを掛けると、図5の成分値S406、S407、S408から予想値S409が求まる。
しかしながら、実際の値は、図5に示す値S109、S410、S411、S412から、値S413が正しい値となる。
そのため、単純な短蓄フレームからの読み出し値にゲインを掛けて求めたものからの予想値S409は、実際の値S413に比べ、成分値S414分だけ大きな値となってしまう。
この値を用いた場合、長蓄フレームで読みだされる他の色、S404とS405は正しい値であり、これらの値とともにこの部分でデモザイクを行い、色を求めると、実際の色とは異なるものとなってしまい、動被写体部分の画質が低下する場合もある。
図6では、短蓄フレームの開始までは明るく(S501)、その後、暗くなる(S502)場合について示している。
この短蓄フレームでの値S503を読みだし、短蓄フレームと長蓄フレームの蓄積時間の比のゲインを掛けると、図6のS506から予想値S507が求まる。
しかしながら、実際の値は、図6に示す値S109、S508、S509から、S510が正しい値となる。
そのため、単純な短蓄フレームからの読み出された値からの予想値S507は、実際の値S510に比べ、S511分だけ小さな値となってしまう。
この値を用いた場合、長蓄フレームで読みだされる他の色成分S504とS505は正しい値であり、これらの値とともにデモザイクを行い、この部分の色を求めると、実際の色とは異なるものとなってしまい、動被写体部分の画質が低下する場合もある。
しかしながら、この技術によっても偽色の発生を抑えることはできない。また、ぼかした画像を使うことで、ぼけが増えるという問題も残る。
これにより、より自然な画像を得ることができる。
なお、説明は次の順序で行う。
1.固体撮像素子の全体構成例
2.第1の実施形態
3.第2の実施形態
4.第3の実施形態
5.第4の実施形態
6・その他の補足説明
図7は、本発明の実施形態に係るCMOSイメージセンサ(固体撮像素子)の構成例を示す図である。
そして、画素回路110Aは、この1個の光電変換素子111に対して、転送トランジスタ112、リセットトランジスタ113、増幅トランジスタ114、および選択トランジスタ115の4つのトランジスタを能動素子として有する。
転送トランジスタ112は、光電変換素子111と出力ノードとしてのフローティングディフュージョンFDとの間に接続され、転送制御線LTRGを通じてそのゲート(転送ゲート)に制御信号である転送信号TRGが与えられる。
これにより、転送トランジスタ112は、光電変換素子111で光電変換された電子をフローティングディフュージョンFDに転送する。
これにより、リセットトランジスタ113は、フローティングディフュージョンFDの電位を電源ラインLVREFの電位にリセットする。
そして、選択制御線LSELを通してアドレス信号に応じた制御信号である選択信号SELが選択トランジスタ115のゲートに与えられ、選択トランジスタ115がオンする。
選択トランジスタ115がオンすると、増幅トランジスタ114はフローティングディフュージョンFDの電位を増幅してその電位に応じた電圧を垂直信号線LSGNに出力する。
信号線LSGNを通じて、各画素から出力された電圧は、読み出し回路130に出力される。
これらの動作は、たとえば転送トランジスタ112、リセットトランジスタ113、および選択トランジスタ115の各ゲートが行単位で接続されていることから、1行分の各画素について同時に行われる。
そして、たとえば転送トランジスタ112をオン、オフする転送信号TRGは、後述するように、行選択回路120の駆動処理による中間的な電圧(中間電圧または中間電位という)値に設定されて供給される。
これらのリセット制御線LRST、転送制御線LTRG、および選択制御線LSELは、行選択回路120により駆動される。
行選択回路120は、図示しない制御系によるシャッタモード切替信号に応じて露光方式を行毎に露光を行うローリングシャッタ方式または前画素動に露光を行うグローバルシャッタ方式に切り替えて、画像駆動制御を行う。
行選択回路120は、図示しない制御系の制御の下、転送信号TRG、リセット信号RST、および選択信号SEL等の画素駆動信号を適宜発生する。
これにより、行選択回路120は、画素アレイ部110の各画素回路100Aを電子シャッタ行と読み出し行それぞれについて行単位で垂直方向に走査しつつ選択する。
そして、行選択回路120は、電子シャッタ行に対してはその行の画素回路110Aの信号はき捨て(リセット)を行い、読み出しに対してその行の画素回路110Aの信号読み出しを行うための読み出し駆動を行う。
行選択回路120は、図示しないが、読み出し走査系による読み出し走査よりもシャッタ速度に対応した時間分だけ先行して同じ行(電子シャッタ行)に対して電子シャッタ動作を行う電子シャッタ走査系を有する。
この第1露光時間は、画素回路110Aにおける信号電荷の第1蓄積期間に相当する。
すなわち、電子シャッタ動作とは、光電変換素子111に蓄積された信号電荷リセットを行い、そのリセット後から新たな信号電荷の蓄積を開始する動作である。
なお、本実施形態において、第1露光時間の期間中に、第1露光時間に読み出される映像信号を出力する画素回路110Aの転送トランジスタ112を駆動する時間間隔によって決まる第2露光時間の第2蓄積期間が設定される。
この先行選択機能は、たとえばシフトレジスタあるいはアドレスデコーダ等を含んで構成可能である。
先行選択機能は、図示しない制御系の制御の下、選択走査に走査して、転送信号TRGを適宜発生することにより、選択走査される読み出し行に先行して等間隔に2つの行を選択走査する。
この選択走査では、転送信号TRGに基づいて光電変換素子111に蓄積された信号電荷をFDに転送する動作が行われる。
行選択回路120は、その中間電圧転送により読み出し動作よりも高照度領域の画像取得のための第2露光時間だけ先行して、同じあるいは異なる電圧値の中間電圧によるダミー転送のための行選択走査を1回または複数回実行する。
本実施形態においては、第1露光時間より短い第2露光時間の期間が、第1露光時間の期間中に複数設定される。
本実施形態においては、短い第2露光時間の第2蓄積期間が、第1露光時間の期間中に複数設定されるが、たとえば同一の蓄積時間Tsに設定された短い第2蓄積期間のフレームを複数持つ。
または、本実施形態においては蓄積時間の異なる短い第2蓄積期間を持つフレームを複数組有し、ひとつの組のフレームにおいては同一の蓄積時間に設定された短い第2蓄積期間のフレームを複数持つ。
読み出し回路130は、垂直信号線LSGNを通して出力される信号をサンプルホールドするサンプルホールド回路を含む回路構成を適用可能である。
あるいは読み出し回路130は、サンプルホールド回路を含み、CDS(相関二重サンプリング)処理により、リセットノイズや増幅トランジスタ114の閾値ばらつき等、画素固有の固定パターンノイズを除去する機能を含む回路構成が適用可能である。
また、読み出し回路130は、アナログデジタル(AD)変換機能を持たせ、信号レベルをデジタル信号とする構成を適用可能である。
これにより、信号処理系は正しい色を再現することができる。
2つの異なる蓄積期間のフレームを用いてダイナミックレンジの拡大を行う場合には、通常最終映像のフレームレイトの2倍のフレームレイトが必要となる。
本実施形態では、さらに2つの短蓄のフレームを追加した場合について説明を行うが、この場合には最終映像の4倍のフレームレイトでの動作が必要となる。
そして、信号処理系は、これら複数の短い第2蓄積期間のフレームからの値(第2蓄積期間で読み出された値)を用いて、短い第2蓄積期間のフレームからの出力値を推定する機能を有する。
そして、信号処理系は、これら複数の短い蓄積時間Tsのフレームからの値を用いて、各組の短い蓄積期間のフレームの出力値を推定する機能を有する。すなわち、信号処理系は、同一の蓄積期間を持つフレームの出力値からの推定する機能を有する。
すなわち、信号処理系は、異なる蓄積時間を持つ他のフレームの出力値と併せて、出力値を推定するように構成することも可能である。
すなわち、信号処理系は、合計値として推定する機能を有するように構成することが可能である。
そして、信号処理系は、第1の組の短い蓄積時間の出力の予想値として、これN個の短畜フレームからの出力の合計とし、第2の組の短い蓄積期間の出力の予想値として、これM個の短畜フレームからの出力の合計とするように構成することも可能である。
図9は、図5と同様に被写体が暗から明へ変化した場合での本第1の実施形態に係る駆動方法について説明するための図である。
図2は、中間電位読み出しを行う固体撮像素子での画素での電荷の時間的な変化を示す図である。
横軸S101は時間軸で、期間S102が長時間蓄積(以下、長蓄)フレームの蓄積時間となる。縦軸S103は、画素に蓄えられた電荷量を示し、S104は画素の電荷蓄積の飽和レベル、S105は読み出しのための中間電位を示す。
図9においても、ある隣接する画素での三つの色の成分について、時間とともに増加する電荷の様子を示している。
たとえば、成分S109はグリーン(G)で、成分S110はレッド(R)、成分S111はブルー(B)などとなる。
それぞれの色の成分の電荷の増加の速度は、被写体の色の違いや、イメージセンサの色感度の違いなどにより差異がある。
これら3つの短畜の値が読み出され、正しい値の推定に用いられる。真中の短蓄Ts2の開始時刻までは暗く(S601)、その後明るく(S602)なる場合について示す。
一方、成分S109は、初めの短蓄Ts1までには蓄積電荷量が中間電位に達せず、短蓄Ts1の出力はゼロとなるが2番目の短蓄Ts2の始まりでは中間電位を超えており、明るい被写体での電荷の蓄積が行われ短蓄Ts2の読み出しで値606が読み出される。
第3の短蓄Ts3でも同様にS607が読み出される。
以下の説明の便宜上、明るい被写体の輝度に変化はなく、S606とS607は同じ値になるものとする。
これら3つの短蓄からの出力値から、実際の蓄積電荷量をより正確に推定することが可能となる。
また、実際の値としての可能な最小値は、短蓄Ts2の開始時点で中間電位S703であり、その後短蓄Ts2の増加速度で増加していった場合の出力値S704となる。
したがって、正しい値として推定される範囲は、図10のS705の区間となる。最も確からしい推定値として、S702とS704の中間値を採用するなどの方法がとられる。
これら3つの短畜の値が読み出され、正しい値の推定に用いられる。
真中の短蓄Ts2の開始時刻までは明るく(S801)、その後、暗く(S802)なる場合について示す。
一方、成分S109は、初めの短蓄Ts1までに蓄積電荷量が中間電位に達し、短蓄Ts1の出力はS806として読み出される。
2番目の短蓄Ts2の始まりでは中間電位を超えており、暗い被写体での電荷の蓄積が行われ、短蓄Ts2の読み出しで値S807が読み出される。
第3の短蓄Ts3でも同様に値S808が読み出される。
以下の説明の便宜上暗い被写体の輝度の変化はなく、S807とS808は同じ値になるものとする。これら3つの短蓄Ts1,Ts2,Ts3からの出力値から、実際の蓄積電荷量を推定することが可能となる。
また、実際の値としての可能な最小値は、短蓄Ts1の終了時点まで成分S109の速度で増加し、その後短蓄Ts2の増加速度で増加していった場合の出力値S904となる。
したがって、正しい値の推定範囲は、図12のS905となる。
最も確からしい推定値としてS902とS904の中間値を採用するなどの方法がとられる。
本例の推定方法を用いれば、ひとつの短蓄の出力値からでは検知することのできなかった被写体の明暗の変化や色の変化を検知することができ、短蓄の推定値としても、より正しい値を求めることが可能となる。
その他の明暗の変化の場合にも同様に正しい値の範囲を推定することができる。
図14は、図13での駆動方法での推定の方法を示す図である。
これら3つの短蓄フレームからの出力により、図14に示すように図11と同様な推定方法を用い、推定の最大値S1202と最小値S1204の中間値が最も確からしい値として妥当である。
図14に示す明暗の変化の再には、実際の値は、S1204となる。
このように明暗の変化のさまざまな場合について同様な方法で正しい値を推定することが可能となる。
図15は、本第2の実施形態に係る駆動方法について説明するための図である。
そして、本例では、短蓄Tss1〜Tss4より長い蓄積時間に設定された3つの短蓄S1005(Ts1)、S1006(Ts2)、S1007(Ts3)を使用し、図に示すように交互に読み出しを行う。
4つの短い短蓄を使用して明暗の変化を捉え、蓄積時間Tssでの正しい値を推定する。
また同様に、3つの長い蓄積時間を持つ短蓄を使用して明暗の変化を捉え、蓄積時間Tsでの正しい値を推定する。それぞれのフレームでの正しい値の推定方法は、第1の実施形態と同様に行うことが可能となる。
第3の実施形態は、4つのフレームの合成を行って広ダイナミックレンジを実現する従来の場合において、異なる蓄積時間を持つ他の短蓄のフレームの出力データを併用して、各短蓄の正しい値を推定する方法を提供する。
また、本手法は、偽色の発生を検出したり、その検出を用いて偽色を補正したりする場合にも有効に使用できる。
このように短蓄フレームの蓄積時間を変えることで、4フレームでの合成により、広ダイナミックレンジを実現することが可能となり、この場合でも正しい値の推定が同様に可能となる。
本例では、図9において、所望の短畜の蓄積時間Tsの3分の一の同一の蓄積時間に設定された3つの短蓄Ts1(S603)、Ts2(S604)、Ts3(S605)の場合において短蓄の正しい値の推定として、3つの短蓄からの出力値の合計として求める。
3つに短蓄の合計に限ることなく、Ts/Nの蓄積時間を持つN個の短畜の場合も同様に実現することが可能である。
また、異なる短蓄の蓄積時間を持つ、複数のフレームの組から構成される場合にも同様に、それぞれの組の中で、短蓄フレームからの値を合計して正しい値を推定する場合にも同様に適用できる。
本発明の実施形態の説明においては、主に、2つの異なる蓄積時間の2種類のフレームを用いてダイナミックレンジの拡大を図る場合について説明し、この中で3つの同一の蓄積時間を持つ短蓄のフレームを用いた場合についての説明を中心に行う。
しかし、本発明の適用はこのような場合に限るものではない。
3つ以上の異なる蓄積時間を持つフレームの合成によりダイナミックレンジを拡大する場合や、4つ以上の同一の蓄積時間を持つ短蓄からの値を用いて正しい値を推定する場合へも容易に拡張することができる。
推定の精度の問題などで偽色が残存する場合には、彩度の圧縮を併用するなどして目立たなくするなどの手法が用いられる。
信号処理系210は、メモリコントローラ211、推定回路212、合成回路213、およびカメラ信号処理回路214を有する。
ここでは、図9に示した動作に沿って説明する。
3つの短蓄期間と長蓄の読み出しタイミングは図9に示すとおりである。
メモリ220から信号S220を経てメモリコントローラ211によって読み出された短蓄の信号は、信号S2112として推定回路212に入力される。
推定回路212においては、図9等に関連付けて説明した推定方法により推定値V212が算出され、合成回路213に出力される。
長蓄からの信号も同様にメモリ220から読み出され、メモリコントローラ211を経て、信号S2113として合成回路213に入力される。
合成回路213では、通常の合成方法により短蓄、長蓄の蓄積時間を勘案して、その値にゲインをかけるなどの方法によってつなぎ部分の不具合が生じないように合成され、一枚の合成フレームとして後段のカメラ信号処理回路214に供給される。
カメラ信号処理回路214でそのほかのカメラ信号処理が行われて、最終的な信号S214が出力される。
これにより、より自然な画像を得ることが可能となる。
本実施形態では、動きそのものの検出を行っているわけではないので、被写体の動きの誤検出による新たな偽色などの問題は発生しない。
また、動き以外の理由で被写体の明るさそのものが変化した場合にも、正しい値がより適切に推定ができるため、動き検出を基に正しい値を推定する方法に比べて優れていると言える。
さらに、カメラシステム300は、この撮像デバイス310の画素領域に入射光を導く(被写体像を結像する)光学系、たとえば入射光(像光)を撮像面上に結像させるレンズ320を有する。
カメラシステム300は、撮像デバイス310を駆動する駆動回路(DRV)330と、撮像デバイス310の出力信号を処理する信号処理回路(PRC)340と、を有する。
信号処理回路340で処理された画像信号は、たとえばメモリなどの記録媒体に記録される。記録媒体に記録された画像情報は、プリンタなどによってハードコピーされる。また、信号処理回路340で処理された画像信号を液晶ディスプレイ等からなるモニターに動画として映し出される。
すなわち、被写体が動いて明暗の変化や色の変化がある場合でも、複数の短蓄の値から推定値の精度の向上が期待でき、偽色の発生などを抑えることが可能で、より自然な画像を得ることが低消費電力で、高精度なカメラが実現できる。
また、このようなプログラムは、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク等の記録媒体、この記録媒体をセットしたコンピュータによりアクセスし上記プログラムを実行するように構成可能である。
Claims (9)
- 光信号を信号電荷に変換する光電変換素子と、当該光電変換素子で光電変換された信号電荷を出力ノードに転送する転送ゲートとを含む画素が行列状に配列された画素アレイ部と、
上記画素アレイ部のシャッタ動作、および上記画素アレイ部の画素から読み出しを行うように上記画素の動作を制御する画素駆動部と、
上記画素駆動部により読み出された信号を処理する信号処理系と、を有し、
上記画素駆動部は、
電子シャッタ動作から通常の読み出し動作間での画像を取得する第1露光時間の第1蓄積期間中に、中間電圧転送により読み出し走査を実行し、その中間電圧転送による読み出し動作に応じた画像取得のための第2露光時間を含み、同じあるいは異なる電圧値の中間電圧による転送のための選択走査を、1回または複数回実行する機能を有し、
上記第1露光時間より短い第2露光時間の第2蓄積期間が、第1露光時間の第1蓄積期間中に複数設定され、
上記信号処理系は、
複数の第2蓄積期間で読み出された値を用いて、当該第2蓄積期間の出力値を推定する処理を行う
固体撮像素子。 - 上記第2露光時間の第2蓄積期間が、第1露光時間の第1蓄積期間中に複数設定され、かつ同一の蓄積期間に設定された第2蓄積期間を複数有する
請求項1記載の固体撮像素子。 - 上記第1露光時間の第1の蓄積期間のなかで、蓄積時間の異なる第2蓄積期間を複数組有し、ひとつの組のおいては同一の蓄積期間に設定された第2蓄積期間を複数有し、
上記信号処理系は、
複数の第2蓄積期間で読み出された値を用いて、各組の第2蓄積期間の出力値を推定する処理を行う
請求項1記載の固体撮像素子。 - 上記信号処理系は、
複数の異なる蓄積時間を持つ複数の第2蓄積期間を使用する場合、蓄積時間の異なる他の第2蓄積期間の出力値からと併せて、当該第2蓄積期間の正しい出力値を推定する
請求項3記載の固体撮像素子。 - 上記信号処理系は、
所望の第2蓄積期間のフレームの蓄積時間をTsとした場合、N個の各第2蓄積期間の蓄積時間をTs/Nとして、第2蓄積期間の出力の予想値として、当該N個の第2蓄積期間の出力の合計値とする
請求項1から4のいずれか一に記載の固体撮像素子。 - N個の蓄積時間をTs1/Nとする第2蓄積期間に設定された蓄積期間のフレームの第1の組と、M個の蓄積時間をTs2/Mとする蓄積期間に設定された蓄積期間の第2の組を有し
上記信号処理系は、
第1の組の蓄積期間の出力の予想値として、これらN個の畜積期間の出力の合計とし、第2の組の蓄積期間の出力の予想値として、M個の蓄積期間の出力の合計とする
請求項1から4のいずれか一に記載の固体撮像素子。 - 固体撮像素子と、
上記固体撮像素子に被写体像を結像する光学系と、を有し、
上記固体撮像素子は、
光信号を信号電荷に変換する光電変換素子と、当該光電変換素子で光電変換された信号電荷を出力ノードに転送する転送ゲートとを含む画素が行列状に配列された画素アレイ部と、
上記画素アレイ部のシャッタ動作、および上記画素アレイ部の画素から読み出しを行うように上記画素の動作を制御する画素駆動部と、
上記画素駆動部により読み出された信号を処理する信号処理系と、を有し、
上記画素駆動部は、
電子シャッタ動作から通常の読み出し動作間での画像を取得する第1露光時間の第1蓄積期間中に、中間電圧転送により読み出し走査を実行し、その中間電圧転送による読み出し動作に応じた画像取得のための第2露光時間を含み、同じあるいは異なる電圧値の中間電圧による転送のための選択走査を、1回または複数回実行する機能を有し、
上記第1露光時間より短い第2露光時間の第2蓄積期間が、第1露光時間の第1蓄積期間中に複数設定され、
上記信号処理系は、
複数の第2蓄積期間で読み出された値を用いて、当該第2蓄積期間の出力値を推定する処理を行う
カメラシステム。 - 光信号を信号電荷に変換する光電変換素子と、当該光電変換素子で光電変換された信号電荷を出力ノードに転送する転送ゲートとを含む画素が行列状に配列された画素アレイ部を駆動するに際し、
第1露光時間と、当該第1露光時間より短い第2露光時間の第2蓄積期間を、第1露光時間の第1蓄積期間中に複数設定し、
電子シャッタ動作から通常の読み出し動作間での画像を取得する第1露光時間の第1蓄積期間中に、中間電圧転送により読み出し走査を実行し、その中間電圧転送による読み出し動作に応じた画像取得のための第2露光時間を含み、同じあるいは異なる電圧値の中間電圧による転送のための選択走査を、1回または複数回実行し、
複数の第2蓄積期間で読み出された値を用いて、当該第2蓄積期間の出力値を推定する処理を行う
固体撮像素子の駆動方法。 - 光信号を信号電荷に変換する光電変換素子と、当該光電変換素子で光電変換された信号電荷を出力ノードに転送する転送ゲートとを含む画素が行列状に配列された画素アレイ部を駆動するに際し、
第1露光時間と、当該第1露光時間より短い第2露光時間の第2蓄積期間を、第1露光時間の第1蓄積期間中に複数設定する処理と、
電子シャッタ動作から通常の読み出し動作間での画像を取得する第1露光時間の第1蓄積期間中に、中間電圧転送により読み出し走査を実行し、その中間電圧転送による読み出し動作に応じた画像取得のための第2露光時間を含み、同じあるいは異なる電圧値の中間電圧による転送のための選択走査を、1回または複数回実行する処理と、
複数の第2蓄積期間で読み出された値を用いて、当該第2蓄積期間の出力値を推定する処理を行う処理と、を含む
固体撮像素子の駆動処理をコンピュータに実行させるプログラム。
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