JP2011109243A - 空中線共用装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンパクトで安価な構成の空中線共用装置を提供する。
【解決手段】2チャンネルの送信波を共通の予備アンテナへ導くための空中線共用装置であって、2チャンネルの送信波がそれぞれ入力される2つの入力端子Ti、及び、2つの出力端子Toを有する第1ハイブリッド回路71と、予備アンテナ15及びダミーロード73にそれぞれ接続される2つの出力端子To、及び、2つの入力端子Tiを有する第2ハイブリッド回路72とを備えたものにおいて、第1ハイブリッド回路71の2つの出力端子Toと第2ハイブリッド回路72の2つの入力端子Tiとをそれぞれ接続する2線路L1,L2間に、電気長としての線路長において、所定の長さ分の相対差L(=L2−L1)をもたせる。この相対差とは、2チャンネルの送信波をそれぞれ予備アンテナ15へ出力させるための線路長条件を満たす長さである。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えばテレビジョン放送における送信用アンテナを複数のチャンネルで共用するための、空中線共用装置に関する。
テレビジョン放送の送信所には一般に、放送局のチャンネルごとに、送信機と、送信用の常用アンテナとが設けられている。例えば、送信機が4台あれば、常用アンテナは4基設けられる。また、常用アンテナの他にも、予備アンテナが1基設けられており、常用アンテナの故障時、設備更新時、点検時等には、予備アンテナに切り替えて、予備アンテナから電波を出すことができるようになっている。
図12は、4台の送信機1〜4から予備アンテナへの接続の概略を示す接続図である。図において、非常用の予備アンテナを使用することができるチャンネルを1つに限定する場合は、このように、切り替え用の同軸管Sをどこへ繋ぐかによって、択一的な選択接続を行うことができる。
一方、偶然に2チャンネルで同時に故障が発生したり、点検等が必要となる場合もまれにあり得るので、放送中断を防止する観点から、同時に任意の2チャンネルの送信波を予備アンテナに導くことができれば、より好ましい。同時に任意の2チャンネルの送信波を予備アンテナに導くためには、図13に示すような複雑な回路構成が必要である(例えば、特許文献1参照。)。図において、CIB(Constant Impedance Band-pass Filter)型共用装置100は、一対のハイブリッド回路101,102と、2つのバンドパスフィルタ103(周波数f2)と、ダミーロード104とを、図示のように接続して構成されている。
同様に、CIB型共用装置200は、一対のハイブリッド回路201,202と、2つのバンドパスフィルタ203(周波数f3)と、ダミーロード204とを、図示のように接続して構成されている。また、CIB型共用装置300は、一対のハイブリッド回路301,302と、2つのバンドパスフィルタ303(周波数f4)と、ダミーロード304とを、図示のように接続して構成されている。
図13において、送信機1の送信波(周波数f1)は、切替スイッチ21が点線側にあれば、ハイブリッド回路102,202,302を経て、予備アンテナへ出力される。
送信機2の送信波(周波数f2)は、切替スイッチ22が点線側にあれば、ハイブリッド回路101からバンドパスフィルタ103を経てハイブリッド回路102を通り、さらに、ハイブリッド回路202,302を介して、予備アンテナへ出力される。
送信機3の送信波(周波数f3)は、切替スイッチ23が点線側にあれば、ハイブリッド回路201からバンドパスフィルタ203を経てハイブリッド回路202を通り、さらに、ハイブリッド回路302を介して、予備アンテナへ出力される。
送信機4の送信波(周波数f4)は、切替スイッチ24が点線側にあれば、ハイブリッド回路301からバンドパスフィルタ303及びハイブリッド回路302を介して、予備アンテナへ出力される。
図13の構成によれば、4つのチャンネル(周波数)の送信波のうち任意の2つの送信波を予備アンテナに供給することができる。なお、理論的には4チャンネルで同時に1つの予備アンテナを使用することが可能であるが、実際には4つのチャンネルで同時に予備アンテナを使用することは、確率的にはないと言ってもよい。また、通電容量的にも、2チャンネルが現実的な限度である。
特許第3863356号(図1)
上記のような従来の空中線共用装置では、4つのチャンネルであれば、図13の構成が必要であり、CIB型共用装置が3個(総チャンネル数より1を引いた数)必要である。そのため、設備が全体として大型化し、しかも高価であるという問題点がある。特に、バンドパスフィルタの多さ(この場合6個)が、コストを押し上げる要因となっている。バンドパスフィルタは、各チャンネル専用であって汎用性が無く、調整して複数チャンネルで共用することは極めて困難である。また、実用上2チャンネル共用で十分である場合には、構成上4チャンネル共用の装置となっていることは、過剰品質であるおそれがある。
かかる従来の問題点に鑑み、本発明は、コンパクトで安価な構成の空中線共用装置を提供することを目的とする。
(1)本発明は、2チャンネルの送信波を共通の空中線へ導くための空中線共用装置であって、前記2チャンネルの送信波がそれぞれ入力される2つの入力端子、及び、2つの出力端子を有する第1ハイブリッド回路と、前記空中線及びダミーロードにそれぞれ接続される2つの出力端子、及び、2つの入力端子を有する第2ハイブリッド回路と、前記第1ハイブリッド回路の2つの出力端子と前記第2ハイブリッド回路の2つの入力端子とをそれぞれ接続し、電気長としての線路長が互いに異なる2線路と、前記2線路の少なくとも一方の線路に含まれ、前記2チャンネルの送信波をそれぞれ前記空中線へ出力させるための位相条件又は線路長条件を満たす前記線路長の相対差を構成する線路長調整部とを備えたものである。
上記のように構成された空中線共用装置では、上記の相対差を有する2線路とすることにより、2チャンネルの送信波を共に、ダミーロードに出力せず、第2ハイブリッド回路から空中線に出力することができる。従って、バンドパスフィルタを使用せずに2チャンネルの送信波を共通の空中線へ導くことができる。また、相対差の長さ選択により、任意の2チャンネルの送信波を共通の空中線へ導くことができる。
(2)前記空中線共用装置は、前記2チャンネルとして、3以上のチャンネルから任意の2チャンネルの組み合わせを選択するチャンネル選択装置を備え、前記線路長調整部は、当該組み合わせの総数にそれぞれ対応した前記相対差を構成することが可能であるものであってもよい。
この場合、3以上のチャンネルから任意の2チャンネルの組合せを選択して、それに対応した相対差を線路長調整部によって構成し、空中線を共用することができる。
(3)前記(2)の空中線共用装置において、線路長調整部は、予め設置された、互いに線路長の異なる複数の線路パーツのいずれか1つを、切替スイッチで線路として選択するものであってもよい。
この場合、任意の2チャンネルの組合せごとに、対応する線路パーツを切替スイッチで選択することによって、所定の線路長(相対差)を容易に得ることができる。
(4)前記(2)の空中線共用装置において、前記線路長調整部は、前記線路に着脱可能であって着脱部分が共通の形状及び寸法である互いに線路長の異なる複数の線路パーツのいずれか1つを、前記線路に取り付けることにより構成されるものであってもよい。
(5)また、前記(2)の空中線共用装置において、前記線路長調整部は、前記線路に着脱可能であって着脱部分が共通の形状及び寸法である互いに線路長の異なる複数の線路パーツのセットにより構成され、当該セットのうちいずれか1つが、前記線路に取り付けられるものであってもよい。
上記(4)又は(5)の空中線共用装置の場合、任意の2チャンネルの組合せごとに、対応する線路パーツを取り付けることによって所定の線路長を容易に得ることができる。また、実際に使用するのは1つの線路パーツであるので、比較的狭いスペースに適した線路長調整部の構成となる。
(6)前記(2)の空中線共用装置において、前記線路長調整部は、前記2線路の双方に含まれていてもよい。
この場合、線路パーツを2線路に使用することによって組み合わせ数を増やすことができる。例えば、一方の線路に、線路長やその数値間隔が他方の線路とは異なる線路パーツを、セットとして揃えておけば、組み合わせのバリエーションを増やすことができるので、少ない種類でも、その数以上に多くの組み合わせ(すなわち多くの種類の相対差)を実現することができる。
(7)前記(2)〜(6)のいずれかの空中線共用装置において、前記線路長調整部の全線路長は、一定の基礎線路長と、互いに線路長の異なる複数の候補から選択される調整線路長との和であってもよい。
この場合、調整線路長が比較的短くなるので、線路長調整部としての主要部が、よりコンパクトになる。
本発明の空中線共用装置によれば、バンドパスフィルタを使用せずに2チャンネルの送信波を共通の空中線へ導くことができ、コンパクトで安価な構成の空中線共用装置とすることができる。また、相対差の長さ選択により、任意の2チャンネルの送信波を共通の空中線へ導くことができる。
本発明の一実施形態に係る空中線共用装置を含む、送信機から空中線(アンテナ)までの接続図である。 空中線共用装置の内部回路図である。 位相反転型共用装置の内部接続図である。 第1例としての線路長調整部を備えた位相反転型共用装置の内部接続図である。 一例としてのUリンクの外観及び取付構造を示す斜視図である。 第2例としての線路長調整部を備えた位相反転型共用装置の内部接続図である。 一例としての、位相反転型共用装置の正面図である。 一例としての、位相反転型共用装置の側面図である。 第3例としての線路長調整部を備えた位相反転型共用装置の内部接続図である。 第4例としての線路長調整部を備えた位相反転型共用装置の内部接続図である。 第5例としての線路長調整部を備えた位相反転型共用装置の内部接続図である。 4台の送信機から予備アンテナへの接続の概略を示す接続図である。 従来の空中線共用回路の接続図の一例である。
《全体構成》
図1は、本発明の一実施形態に係る空中線共用装置5を含む、送信機から空中線(アンテナ)までの接続図である。図において、テレビジョン放送の送信所には、放送局のチャンネルごとに、例えば、送信機1〜4と、これらにそれぞれ対応する送信用の常用アンテナ11〜14とが設けられている。また、常用アンテナ11〜14の他にも、予備アンテナ15が1基設けられており、常用アンテナ11〜14の故障時、設備更新時、点検時等には、それぞれに対応して設けられた切替スイッチ21〜24により接続を切り替えて、空中線共用装置5経由で、予備アンテナ15から電波を出すことができるようになっている。なお、ここで想定しているテレビジョン放送は、地上デジタル放送で、周波数470〜770MHz(UHF)、送信機出力は1kW以上である。
《空中線共用装置》
図2は、空中線共用装置5の内部回路図である。図において、空中線共用装置5は、チャンネル選択装置6と、位相反転型共用装置7とを備えている。位相反転型共用装置7からの出力は空中線としての予備アンテナ15に供給される。
チャンネル選択装置6は送信機1〜4から送信波が入力される入力側の4端子と、出力側の2端子との間で、同軸管Sの繋ぎ替えを行うことにより、任意の2チャンネル(2周波数)の組み合わせを選択して位相反転型共用装置7に入力することができる。
図3は、位相反転型共用装置7の内部接続図である。当該装置7は、第1ハイブリッド回路71と、第2ハイブリッド回路72と、ダミーロード73とを備えている。ハイブリッド回路とは一般に、4個の入出力端子を有し、任意の一端子より信号を入れると他の二端子に信号が二分されて異なる位相で出て行き、残りの一端子には出力が現れない回路をいう。
ここで、第1ハイブリッド回路71は、2チャンネルの送信波(例えば、周波数f1(波長λ1)、及び、周波数f2(波長λ2)とする。)が入力される2つの入力端子Tiと、出力端子Toとを備えている。第2ハイブリッド回路72は、予備アンテナ15及びダミーロード73にそれぞれ接続される2つの出力端子Toと、2つの入力端子Tiとを備えている。
そして、第1ハイブリッド回路71の2つの出力端子Toと第2ハイブリッド回路の2つの入力端子Tiとは、それぞれ、線路L1及びL2により接続されている。当該2線路L1,L2は長さが同一ではなく、各符号がそのまま長さを表すものとすると、L2>L1の関係にある。この長さの差は、線路長調整部Aによって構成される。
《位相反転型共用装置の共用理論》
図3において、まず、周波数f1(波長λ1)の送信波に着目すると、第1ハイブリッド回路71を通過した出力は、
線路L2側の出力端子Toでは、2-(1/2)∠0°(振幅:2-(1/2)、位相:0°)
線路L1側の出力端子Toでは、2-(1/2)∠(−90°)
となる。2線路L1,L2の長さが異なることによって、線路L1に対して線路L2側に相対的に存在する位相差を(−φ)とすると、第2ハイブリッド回路72の入力端子Tiにおける入力は、
線路L2側の入力端子Tiでは、2-(1/2)∠(−φ) ...(1)
線路L1側の入力端子Tiでは、2-(1/2)∠(−90°) ...(2)
となる。
さらに、第2ハイブリッド回路72を通過した出力は、上記(1)、(2)の2入力がそれぞれ分かれて出力されることになり、
予備アンテナ15側の出力端子Toでは、
(1/2)∠−(φ+90°)+(1/2)∠(−90°) ...(3)
ダミーロード73側の出力端子Toでは、
(1/2)∠(−φ)+(1/2)∠(−180°) ...(4)
となる。
ここで、位相差φを、
φ=360°×n (nは1以上の整数) ...(5)
とすると、上記式(4)は第1項と第2項とが互いに打ち消し合って、ダミーロード73への出力は0となる。また、上記式(3)は、第1項と第2項とが互いに同じとなって出力は1となる。すなわち、φ=360°×nとすることにより、周波数f1の送信波は全て予備アンテナ15に出力され、ダミーロード73には出力されない。
次に、周波数f2(波長λ2)の送信波に着目すると、第1ハイブリッド回路71を通過した出力は、
線路L1側の出力端子Toでは、2-(1/2)∠0°
線路L2側の出力端子Toでは、2-(1/2)∠(−90°)
となる。また、第2ハイブリッド回路72の入力端子Tiにおける入力は、
線路L1側の入力端子Tiでは、2-(1/2)∠0° ...(6)
線路L2側の入力端子Tiでは、2-(1/2)∠−(90°+φ) ...(7)
となる。
さらに、第2ハイブリッド回路72を通過した出力は、上記(6)、(7)の2入力がそれぞれ分かれて出力されることになり、
予備アンテナ15側の出力端子Toでは、
(1/2)∠0°+(1/2)∠−(180°+φ) ...(8)
ダミーロード73側の出力端子Toでは、
(1/2)∠(−90°)+(1/2)∠−(90°+φ) ...(9)
となる。
ここで、位相差φを、
φ=360°×(m+(1/2)) (mは0以上の整数) ...(10)
とすると、上記式(9)は第1項と第2項とが互いに打ち消し合って、ダミーロード73への出力は0となる。また、上記式(8)は、第1項と第2項とが互いに同じとなって出力は1となる。すなわち、φ=360°×(m+(1/2))とすることにより、周波数f2の送信波は全て予備アンテナ15に出力され、ダミーロード73には出力されない。
上記式(5)及び(10)を、それぞれ、波長λと、位相差に相当する線路の長さL(相対差)との関係に置き換えると、以下の式(11)及び(12)によって表される線路長条件が得られる。
L=n・λ1 (nは1以上の整数) ...(11)
L=(m+(1/2))・λ2 (mは0以上の整数) ...(12)
ここで、m、nの値の組み合わせは無数にあるので、両式を満たす共通のLを得ることは可能である。すなわち、所定のLの値を定め、線路長調整部Aによって、L=L2−L1となるように2線路の長さに相対差をつければ、バンドパスフィルタ等を使用せずとも、2チャンネル(2周波数・2波長)の送信波を共に通過させるに適した線路を構成することができる。
なお、L2の方を長くするのは一例であり、逆に、L1の方を長くすることも可能である(すなわち、L=L1−L2とすることも可能。)。
なお、図2における4チャンネル(f1,f2,f3,f4)から2チャンネルを選択する組み合わせは、(f1,f2)、(f1,f3)、(f1,f4)、(f2,f3)、(f2,f4)、(f3,f4)の6種類がある。従って、線路長の相対差Lの値も、6種類必要となる。
また、一般的に、チャンネル総数をXとすれば、Xから2チャンネルを選択する組み合わせ数Yは、Y=X2であり、相対差Lの値もY個必要となる。
以上のように、上記の空中線共用装置5内の位相反転型教養装置7では、線路長調整部Aによって所定の長さ分の相対差Lを有する2線路とすることにより、2チャンネルの送信波を共に、ダミーロード73に出力せず、第2ハイブリッド回路72から予備アンテナ15に出力することができる。従って、バンドパスフィルタを使用せずに2チャンネルの送信波を共通の予備アンテナ15へ導くことができ、コンパクトで安価な構成の空中線共用装置5とすることができる。また、相対差の長さ選択により、任意の2チャンネルの送信波を共通の予備アンテナ15へ導くことができる。
《数値の具体例》
ここで、具体的な数値を例示して説明する。例えば、UHF帯のチャンネルとして、チャンネル21(521MHz)及びチャンネル28(563MHz)が、それぞれ、図3のf1及びf2であるとする。上記式(11)、(12)を共に満たすLは、当然に、
n・λ1=(m+(1/2))・λ2 ...(13)
を満たすものである。ここで簡易な一例として、m=nと置き、式(13)をnについて解くと、
n=λ2/(2(λ1−λ2)) ...(14)
となる。
521MHzから換算した波長λ1=575.4[mm]、563MHzから換算した波長λ2=532.5[mm]を、式(14)に代入すると、
n=6.21
となる(小数点第3位以下四捨五入)。
6.21に最も近い整数としてn=6とすると、上記式(11)より、
L=6×575.4≒3450[mm]
となる。これが、線路長条件((11)、(12))を満たす線路長の相対差となる。
なお、「線路長条件を満たす」とは、上記数値例の程度に、ほぼ満たすことも含む。また、6.21を整数化することにより結果的に、ダミーロード73で若干の出力が消費されるが、予備アンテナ15への出力に大きな影響はない。
同様にして、例えば3つのチャンネルから任意の2チャンネルの組み合わせを選んで、Lについて求めた結果(上記の結果も含む。)を、以下の表1に示す。
Figure 2011109243
次に、図3における線路長調整部Aを、具体的な形態の例示により説明する。
《線路長調整部の構造:第1例》
上記のような相対差Lは、複数種類必要であることから、線路L2の途中(原理的には端でもよい。)に含まれるように設けて、複数種類の相対差を構成することが可能なものとすることができる。
図4は、第1例としての線路長調整部を備えた位相反転型共用装置7の内部接続図である。図4の(a)、(b)、(c)において、図3と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
基本原理図である図3との具体的な違いは、図3における線路L2に相当する部分が、固定された線路L21,L22、及び、着脱可能な線路パーツとしてのUリンクLu(Lu1,Lu2,Lu3の総称)によって構成される点である。線路・リンクの符号がそのまま長さ(線路長)を表すものであるとすると、L1=L21+L22であり、式(11)におけるLが、UリンクLuによって提供される。なお、L21,L22の長さは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記UリンクLuは、U字状の形状を成す同軸管であり、U字状の形状全体でその長さ(線路長)を成している。また、UリンクLuは、線路L21,L22の各端部に対して着脱可能である。そこで、図4の(a)、(b)、(c)に示すように、複数種類のUリンク(Lu1,Lu2,Lu3)を予め用意しておき、入力される2つの送信波の組み合わせに対応して、必要な長さのUリンクLu1/Lu2/Lu3を取り付けることにより、任意の2チャンネルの送信波を予備アンテナ15に導くことができる。
このようにしてUリンクLuは、長さの異なる線路パーツのセットから選んで取り付けられるもの、という態様で、複数種類の相対差Lを構成し得る線路長調整部となっている。従って、任意の2チャンネルの組合せごとに、対応するUリンクを取り付けることによって適切な線路長(相対差)を容易に得ることができる。また、実際に使用するのは1つのUリンクであるので、比較的狭いスペースに適した線路長調整部の構成とすることができる。
図5は、一例としてのUリンクLuの外観及び取付構造を示す斜視図である。(a)は、UリンクLuを取り付ける相手方の、すなわち図4で言えば線路L21,L22の端部に属する雌側の端末部Tfが、取付基板Bに取り付けられている状態を示す斜視図である。(b)は、UリンクLuの斜視図であり、雄側の端末部Tmを手前側に向けた状態を示している。UリンクLuは、U字状の同軸管であり、内導体Laと、外導体Lbとを有している。(c)は、(a)に示す雌側の端末部Tfに、UリンクLuの雄側の端末部Tmを差し込んで、電気的接続を成した状態を示す斜視図である。UリンクLuは、着脱部分(端末部Tm)の形状や寸法(端末部間のピッチPも含む。)を共通として、腕の長さQを種々変更することにより、所望の線路長(概ねP+2Q)を得ることができる。
《線路長調整部の構造:第2例》
図6は、第2例としての線路長調整部を備えた位相反転型共用装置7の内部接続図である。図6の(a)、(b)、(c)において、図4と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
第1例(図4)の構成との違いは、線路L21,L22の各端部に直接、UリンクLu(Lu1,Lu2,Lu3)が接続されるのではなく、UリンクLuを取り付ける根元の部分に、相対差Lの一部を成す基部L0が設けられている点である。この基部L0は、線路L21,L22からそれぞれ延長(又は接続)して形成された同軸管である。従って、線路・リンクの符号がそのまま長さ(線路長)を表すものであるとすると、相対差Lは、2箇所の基部L0の合計の長さにUリンクLuの長さを加えたもの(L=L0+Lu+L0)となる。なお、基部L0は2箇所に均等に設けなくてもよいし、片側のみに設けることも可能である。
すなわち、このような構成では、長さの異なる線路パーツのセットから選んで取り付けられるものとしてのUリンクLuの意義は変わらないが、一定の基礎線路長を基部L0によって与えることで、UリンクLuに求められる調整線路長が比較的短くなる。これにより、線路長調整部としての主要部を成すUリンクLuが、よりコンパクトになる。例えば、前掲の表1の組み合わせに対して上記第2例の構造を適用すれば、下記の表2のようになり、Lの値との比較において、UリンクLuのコンパクトさが明白である。
Figure 2011109243
図7及び図8はそれぞれ、一例としての、位相反転型共用装置7の正面図及び側面図である。第1ハイブリッド回路71、第2ハイブリッド回路72、ダミーロード73、線路L1、線路L21,L22、基部L0、及び、UリンクLuは、図示のような位置関係で存在している。このうち、UリンクLuは着脱可能である。
《線路長調整部の構造:第3例》
図9は、第3例としての線路長調整部を備えた位相反転型共用装置7の内部接続図である。図において、図4と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図4(第1例)との違いは、複数のUリンクのうちのどれか1つを選んで取り付けるという構造ではなく、複数のUリンクは全て線路L21,L22の近傍に固定的に設けられていて、線路L21,L22の各端部をどのUリンクに繋ぐかを、切替スイッチLsで選ぶようになっている点である。
例えば図2に示した4つのチャンネルから任意の2チャンネルを選ぶ場合には前述のように6種類の組み合わせがあるので、互いに長さの異なる6種類のUリンク(Lu1〜Lu6)が設けられることになる。切替スイッチLsも、Uリンクと同様の構造の同軸管を使用することができる。このような構成では、線路・リンクの符号がそのまま長さ(線路長)を表すものであるとすると、相対差Lは、線路として往復2本の切替スイッチLsの合計の長さにUリンクLuの長さを加えたもの(L=Ls+Lu+Ls)となる。
なお、切替スイッチLsは、どのUリンクLuに繋ぐ場合でも共通のものを使用する構造としてもよいし、逆に、相手のUリンクLuの配置されている場所によって長さの異なるものを使用する構造としてもよい。但し、切替スイッチLsの品種を最小限にするためには、共通のものを使用する構造が好ましい。
上記のような切替スイッチLsを含む構造では、任意の2チャンネルの組合せごとに、対応するUリンクを選択することによって適切な線路長を容易に得ることができる。特に、人の手動操作によらず、遠隔操作等によって自動的に切替を行うには、このような構成が適する。
《線路長調整部の構造:第4例》
図10は、第4例としての線路長調整部を備えた位相反転型共用装置7の内部接続図である。図において、図4と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図4(第1例)との違いは、図10において、下側の線路がL21とL22とに分かれていて、それらを繋ぐUリンクLu−2が設けられているだけでなく、さらに、上側の線路もL11とL12とに分かれていて、それらを繋ぐUリンクLu−1が設けられている点である。
ここで、符号がそのまま長さを表すとして、通常、(L11+L12)=(L21+L22)であるが、Lu−1とLu−2とは互いに異なる長さである。例えば、一方の線路に、線路長やその数値間隔が他方の線路とは異なる線路パーツを、セットとして揃えておけば、組み合わせのバリエーションを増やすことができるので、少ない種類でも、その数以上に多くの組み合わせ(すなわち多くの種類の相対差L)を実現することができる。
《線路長調整部の構造:第5例》
図11は、第5例としての線路長調整部を備えた位相反転型共用装置7の内部接続図である。図において、図4と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図11において、基本的に、L1=L21+L22である。線路L21とL22との間には、可変位相器74が接続されている。可変位相器74は、位相を可変設定できる既知の装置であり、これにより、前述の式(5)及び(10)によって表される位相条件を満たす位相φを設定すればよい。この場合、見かけ上は、一方の線路L1と、他方の線路(L21+L22)との間に物理長での相対差はないが、可変位相器74によって電気長の相対差が生じることになり、本質的には第1〜4例と同様である。
《その他》
なお、線路長調整部の構造の第2例(図6)として示したような、相対差Lを構成するための基礎線路長を持つ構造は、切替スイッチ型の第3例(図9)や、可変位相器を用いる第5例(図11)にも適用可能である。
また、上記実施形態では予備アンテナ15を2チャンネルで共用する構成を示したが、共用対象の空中線は予備アンテナに限らず、例えば常用アンテナを2チャンネルで共用することも可能である。
また、上記実施形態の空中線共用装置は、地上デジタルのテレビジョン放送用アンテナに限らず、UHF・VHFのアナログテレビジョン放送用アンテナや、その他の無線通信のアンテナにも適用可能である。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
5 空中線共用装置
6 チャンネル選択装置
7 位相反転型共用装置
15 予備アンテナ(空中線)
71 第1ハイブリッド回路
72 第2ハイブリッド回路
73 ダミーロード
74 可変位相器
A 線路長調整部
L0 基部(線路長調整部の一部)
L1,L11,L12,L21,L22 線路
Ls 切替スイッチ
Lu Uリンク(線路長調整部・線路パーツ)

Claims (7)

  1. 2チャンネルの送信波を共通の空中線へ導くための空中線共用装置であって、
    前記2チャンネルの送信波がそれぞれ入力される2つの入力端子、及び、2つの出力端子を有する第1ハイブリッド回路と、
    前記空中線及びダミーロードにそれぞれ接続される2つの出力端子、及び、2つの入力端子を有する第2ハイブリッド回路と、
    前記第1ハイブリッド回路の2つの出力端子と前記第2ハイブリッド回路の2つの入力端子とをそれぞれ接続し、電気長としての線路長が互いに異なる2線路と、
    前記2線路の少なくとも一方の線路に含まれ、前記2チャンネルの送信波をそれぞれ前記空中線へ出力させるための位相条件又は線路長条件を満たす前記線路長の相対差を構成する線路長調整部と
    を備えたことを特徴とする空中線共用装置。
  2. 前記2チャンネルとして、3以上のチャンネルから任意の2チャンネルの組み合わせを選択するチャンネル選択装置を備え、前記線路長調整部は、当該組み合わせの総数にそれぞれ対応した前記相対差を構成することが可能である請求項1記載の空中線共用装置。
  3. 前記線路長調整部は、予め設置された、互いに線路長の異なる複数の線路パーツのいずれか1つを、切替スイッチで線路として選択するものである請求項2記載の空中線共用装置。
  4. 前記線路長調整部は、前記線路に着脱可能であって着脱部分が共通の形状及び寸法である互いに線路長の異なる複数の線路パーツのいずれか1つを、前記線路に取り付けることにより構成される請求項2記載の空中線共用装置。
  5. 前記線路長調整部は、前記線路に着脱可能であって着脱部分が共通の形状及び寸法である互いに線路長の異なる複数の線路パーツのセットにより構成され、当該セットのうちいずれか1つが、前記線路に取り付けられる請求項2記載の空中線共用装置。
  6. 前記線路長調整部は、前記2線路の双方に含まれている請求項2記載の空中線共用装置。
  7. 前記線路長調整部の全線路長は、一定の基礎線路長と、互いに線路長の異なる複数の候補から選択される調整線路長との和である請求項2〜6のいずれか1項に記載の空中線共用装置。
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