JP2011108855A - 太陽光発電装置の配置構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽追尾型の複数の太陽光発電装置を配置して地上の面積を有効に利用しつつ発電効率を良好に維持することのできる配置構造を提供すること。
【解決手段】支柱11の上部に太陽電池パネル12を変位可能に設けるとともに、東西、南北の方向にそれぞれ整列配置された複数の太陽光発電装置の配置構造であり、東西の方向に沿って配置された太陽光発電装置10間のピッチは、太陽電池パネル12の受光面Sに対し、直角に入射するときの太陽光と受光面Sとを結ぶ直線と、当該直線と受光面Sとの交点cを通過する水平面に対する垂直線とがなす角度を仰角θとし、太陽電池パネル12の上下方向長さをLとし、各太陽電池パネルの仰角θを変化させる回転支点pの相互間距離をXとしたときに、
X>L/cosθ
を満たすように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽光発電装置の配置構造に係り、更に詳しくは、太陽の位置に対応して方位及び仰角が変位する太陽電池パネルを地上に複数配置する際に、発電効率の良い時間帯において、太陽電池パネルの受光面が太陽側に隣接する太陽電池パネルによって遮られることなく、しかも、土地を有効に利用して多数の太陽光発電装置を配置することのできる構造に関する。
近時、太陽光発電装置が環境破壊のない代替エネルギー源として注目され、例えば、建物の屋根に設置される光景が多く見受けられるようになっている。
この太陽光発電装置を代替エネルギー源として屋外で利用拡大を図る場合、多数設置することが有効となる。
しかしながら、太陽光発電装置を地上に多数設置し、太陽を追尾するように各装置の太陽電池パネルが方位や仰角を変位するように構成すると、複数の太陽電池パネルのうち、太陽に近い太陽電池パネルが、その背面側に隣接する太陽電池パネルの受光面に日陰領域を形成してしまう場合がある。
この場合、太陽光発電装置相互間隔を十分に設定することで受光面に日陰領域を形成することを回避可能となるが、限られた敷地面積を有効利用できないことになり、ひいては、総量としての発電量を低下させてしまう、という不都合を招来する。
ところで、特許文献1には、一定の敷地に複数の太陽光パネルを配置する構造が開示されている。
特開2005−142383号公報
しかしながら、特許文献1に記載された太陽光発電装置は、両面受光型の太陽光パネルを採用したものであり、受光面を片面型とした太陽光発電装置ではなく、しかも、太陽追尾型でない。従って、太陽追尾型の太陽光パネルで受光面が片面となる太陽光発電装置には適用することができない。
[発明の目的]
本発明の目的は、太陽電池パネルを変位可能に設けた複数の太陽光発電装置を対象としたときに、相互に隣接する太陽電池パネル間において、太陽電池パネルの背面側に位置する他の太陽電池パネルの受光面が遮光されることのないピッチで太陽光発電装置を配置し、地上の面積を有効に利用しつつ発電効率を良好に維持することのできる太陽光発電装置の配置構造を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、地上に立設される支柱の上部に太陽電池パネルを変位可能に設けて太陽追尾型とした複数の太陽光発電装置の配置構造であって、
太陽光発電装置の太陽電池パネルの支点間ピッチは、前記太陽電池パネルの受光面に対して太陽光が直角に入射するときの太陽光と前記受光面とを結ぶ直線と、当該直線と前記受光面との交点を通過する水平面に対する垂直線とがなす角度を仰角θとし、前記太陽電池パネルの上下方向長さをLとし、各太陽電池パネルの前記仰角を変化させる回転支点の相互間距離をXとしたときに、
X>L/cosθ
を満たす、という構成を採っている。
また、本発明は、地上に立設される支柱の上部に太陽電池パネルを変位可能に設けて太陽追尾型とするとともに、東西、南北の方向にそれぞれ整列配置された複数の太陽光発電装置の配置構造であって、
前記東西の方向に沿って配置された太陽光発電装置の太陽電池パネルの支点間ピッチは、前記太陽電池パネルの受光面に対して太陽光が直角に入射するときの太陽光と前記受光面とを結ぶ直線と、当該直線と前記受光面との交点を通過する水平面に対する垂直線とがなす角度を仰角θとし、前記太陽電池パネルの上下方向長さをLとし、各太陽電池パネルの前記仰角を変化させる回転支点の相互間距離をXとしたときに、
X>L/cosθ
を満たす、という構成を採ることが好ましい。
本発明によれば、太陽電池パネルが太陽の位置に対応して追尾する太陽光発電装置を複数並べて地上に配置したときに、太陽電池パネルによって生ずる日陰領域内に、隣接する太陽電池パネルが位置しないように、最小限のピッチ間隔で配置できるので、所定の敷地面積となる地上に太陽光発電装置を配置する際の面積を有効利用でき、しかも、発電効率を良好に確保することができる。
本発明に係る太陽光発電装置の配置説明図。 実施形態に係る太陽光発電装置の配置例を示す概略平面図。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1において、太陽光発電装置10は、所定間隔を隔てて複数配置されている。この太陽光発電装置は、地上に立設された所定高さの支柱11と、当該支柱11の上部に変位可能に設けられるとともに片面に図示しない太陽電池モジュールが配置されて受光面Sとされた太陽電池パネル12と、太陽電池パネル12の出力、出力積算値を検出するインバータ表示器からなる図示しない積算電力計、風速センサ、感雨センサ、太陽電池パネル12の方位、仰角を変位させる駆動装置、太陽電池パネル12の方位、仰角を変位させるとともに、積算電力計、風速センサ、感雨センサの検出データを入力として所定の制御を行うコントローラ、当該コントローラに所定の入力を行うとともに、コントローラからの出力に基づいて、出力積算値等を含む各種表示や、外部機器への送受信機能等を備えた入出力装置、蓄電池等を備えて構成されている。
前記太陽電池パネル12は、日没後、日の出前の間は、受光面Sを上向きとして略水平姿勢(原点位置)をとり、前記コントローラを介して、太陽の位置データに基づいて、日の出に合わせて前記太陽が出現する方位に向きを変え、日の出後、日没迄の間は、方位及び仰角を変位しつつ前記受光面Sに太陽光が直角に入射するように設けられている。
これを更に詳述すると、本実施形態における太陽光発電装置10は、日の出に合わせて前記太陽が出現する方位に向きを変え、日の出後、受光面Sが東向きで原点位置から次第に傾斜し、南中時に向かって次第に南に向きを変えつつ迎角θを小さくし、南中時を経過した後は、西に方位を変位しつつ迎角θを大きくし、日没以後に原点位置に復帰する太陽追尾型すなわちトラッキング型として構成されている。
このように太陽を追尾する太陽光発電装置10の場合、太陽の高度が低い朝夕では発電量が低くなるため、受光面Sに陰がかかっても全体の発電量に大きく影響しない。
すなわち、各月のデータから太陽高度が低い(θ’が小さい)範囲における年間積算発電量をまとめ、その積算発電量が全体の年間発電量の何%を示すかを試算したときに、太陽高度すなわち図1中θ’が0°〜5°までは年間発電量に占める割合が0.7%、0〜20°でも、11.2%となることが確認されている。なお、このデータは兵庫県姫路市でのものであり、実施地域により多少の相違を生ずることが推定される。
また、太陽高度が低くなるほど、太陽電池パネル12は迎角θが大きくなり、日陰領域の長さが長くなる。従って、複数の太陽光発電装置10を配置する場合には、その日陰内に、隣接する太陽光発電装置10が位置しないように設定することが必要となる。
ただ、太陽高度が20°までの年間発電量に占める割合は前記したように11.2%に過ぎないので、高度20°までの間に生ずる日陰領域は考慮しなくても全体としての発電量に影響を及ぼさない。
本実施形態では、以下の式に基づいて太陽光発電装置10の相互間隔を調整して配置するようになっている。
すなわち、
:支点pからパネル上端部a(若しくはb)までの水平方向長さ
:パネル上端部aから隣接するパネル下端部b’までの水平方向長さ
:パネル上端部aから延びた陰が隣接するパネルにかかる点cまでの水平方向長さ
X:各太陽電池パネルの仰角を変化させる回転支点pの相互間距離
L:パネル縦方向長さ
:パネル上端部aから下端bまでの垂直方向長さ
:パネル上端部aから陰が隣接するパネルにかかる点cまでの垂直方向長さ
θ’:太陽高度
θ:パネル仰角(θ=90°−θ’)
とすると、
<yの場合、隣接するパネルに陰がかからず、
>yの場合、隣接するパネルに陰がかかることになる。
任意の仰角θにおいて、隣接するパネルに陰がかからないように設置するためには、y<yであればよいが、この条件を求めるために、日陰ができるかどうかの境界となるy=yを考える。図1より、
=Lsinθ・・・(1)
である。また、
=x/tanθ、x=X−2x、およびx=(Lcosθ)/2
であり、したがって、
=(X−Lcosθ)/tanθ・・・(2)
である。
式(1)および(2)より、y=yは、
Lsinθ=(X−Lcosθ)/tanθ
である。
よって、隣接するパネルに陰がかからないように設置できる条件のy<yは、
Lsinθ<(X−Lcosθ)/tanθ
と表すことができ、
Lsinθ×tanθ<X−Lcosθ
となり、
X>L/cosθ
である。
上記式より、パネルの縦方向長さを4900mmとしたときに、太陽高度θ’が5°、10°、15°、20°である場合の陰がかからない配置間隔は、それぞれ約56m、28m、18m、14mとなる。
図2は、太陽高度θ’を20°、仰角θを70°とし、敷地面積1ha(100m×100m=10000m)、パネルサイズ(縦4900mm、横5800mm)、南北ピッチ(支点p相互間隔)10m、東西ピッチ(支点p相互間隔)16mとしたときに、敷地内に設置可能な太陽光発電装置10の台数が60台となることを示している。因みに、太陽高度θ’が5°、10°、15°である場合は、それぞれ10台、30台、45台となる。
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施の形態に関して特に図示し、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上に述べた実施の形態に対し、形状、材料、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
10 太陽光発電装置
11 支柱
12 太陽電池パネル
S 受光面

Claims (2)

  1. 地上に立設される支柱の上部に太陽電池パネルを変位可能に設けて太陽追尾型とした複数の太陽光発電装置の配置構造であって、
    太陽光発電装置の太陽電池パネルの支点間ピッチは、前記太陽電池パネルの受光面に対して太陽光が直角に入射するときの太陽光と前記受光面とを結ぶ直線と、当該直線と前記受光面との交点を通過する水平面に対する垂直線とがなす角度を仰角θとし、前記太陽電池パネルの上下方向長さをLとし、各太陽電池パネルの前記仰角を変化させる回転支点の相互間距離をXとしたときに、
    X>L/cosθ
    を満たす
    ことを特徴とする太陽光発電装置の配置構造。
  2. 地上に立設される支柱の上部に太陽電池パネルを変位可能に設けて太陽追尾型とするとともに、東西、南北の方向にそれぞれ整列配置された複数の太陽光発電装置の配置構造であって、
    前記東西の方向に沿って配置された太陽光発電装置の太陽電池パネルの支点間ピッチは、前記太陽電池パネルの受光面に対して太陽光が直角に入射するときの太陽光と前記受光面とを結ぶ直線と、当該直線と前記受光面との交点を通過する水平面に対する垂直線とがなす角度を仰角θとし、前記太陽電池パネルの上下方向長さをLとし、各太陽電池パネルの前記仰角を変化させる回転支点の相互間距離をXとしたときに、
    X>L/cosθ
    を満たすことを特徴とする太陽光発電装置の配置構造。
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