JP2011107564A - 画像形成装置 - Google Patents

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昭浩 村田
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Abstract

【課題】表示する画像が小さくても、人間に対して画像の存在を認識させやすく、そして、画像の表現力を高めることができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】画像形成装置1は、所定の軸線まわりに回動可能に支持され、その回動により、表示面91aに形成される第1の描画領域に光を走査することにより画像を表示する第1の状態と、第1の描画領域とは異なる位置で表示面91aとは異なる表示面91bに形成される第2の描画領域に光を走査することにより画像を表示する第2の状態とを切換可能に構成されたプロジェクター2と、プロジェクター2を回動させる駆動手段6とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
スクリーン等の対象物の表面に光を投影し、スクリーンの投影面に所望の画像を表示する装置としてプロジェクターが知られている。このようなプロジェクターとして、光を1次元または2次元に走査する光スキャナーを用いたものが実用に供されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のプロジェクターは、光反射部を有する可動板がx軸周りに回動する第1の光スキャナーと、光反射部を有する可動板がx軸に直交するy軸まわりに回動する第2の光スキャナーと、レーザーなどの光を出射する光源装置とを有している。このようなプロジェクターにおいては、光源装置から出射された光を第1の光スキャナーによって走査し、その走査した光をさらに第2の光スキャナーにより走査することにより、2次元的に光を走査し、スクリーンに所望の画像を表示する。
ところで、近年、例えば人通りの多い駅の構内やビル、ホテル等のロビー等にスクリーンを設置し、このスクリーンに上述のようなプロジェクターを用いて所望の画像(プロモーション映像、CM等の映像)を表示することにより、スクリーン周囲の人間に宣伝・広告を行うことが提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載のプロジェクターは、画像の表示対象が予め設置された1つのスクリーンだけであるため、画像の存在が人間に認識されにくいと言う問題があった。特に、スクリーンが小さいと、画像の存在が人間に認識されにくい。画像の存在が認識されなければ、画像の内容を認識させることができず、例えば、宣伝・広告の効果(訴求効果)を得ることができない。
また、単にスクリーンを大きくしても、人間に対して画像の存在が認識されやすくなるとは限らないし、また、スクリーンを大きくすることは、スクリーンの設置スペース上の制限等により困難である場合がある。
また、例えば、宣伝・広告の効果を優れたものとするためには、画像による表現力をより高めることが望まれている。
特開2008−116668号公報
本発明の目的は、表示する画像が小さくても、人間に対して画像の存在を認識させやすく、そして、画像の表現力を高めることができる画像形成装置を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の画像形成装置は、所定の軸線まわりに回動可能に支持され、その回動により、第1の表示面に形成される第1の描画領域に光を走査することにより画像を表示する第1の状態と、前記第1の描画領域とは異なる位置で前記第1の表示面または前記第1の表示面とは異なる第2の表示面に形成される第2の描画領域に光を走査することにより画像を表示する第2の状態とを切換可能に構成されたプロジェクターと、
前記プロジェクターを回動させる駆動手段とを有することを特徴とする。
これにより、画像が表示される位置を変更することにより、第1の描画領域および第2の描画領域の面積が比較的小さくても、画像形成装置の周囲に存在する人間に対して画像の存在を認識させやすくすることができる。
また、画像が表示される位置を変更することにより、画像による表現力を高めることができる。
特に、本発明の画像形成装置によれば、プロジェクター自体を回動させることにより画像の位置を変更するので、画像の表示位置の変更可能な範囲(画像を表示可能な範囲)を大きくすることができる。そのため、比較的簡単かつ確実に、人間に対して認識させやすい所望の位置に画像を表示させることができる。
これらのようなことから、本発明にかかる画像形成装置は、表示する画像が小さくても、人間に対して画像の存在を認識させやすく、そして、画像の表現力を高めることができる。
また、本発明にかかる画像形成装置は、プロジェクターを用いて画像を表示するため、LEDパネル、液晶パネル、有機ELパネル等のフラットパネルディスプレイを用いたものに比し、装置が安価であり、また、設置が容易である。
本発明の画像形成装置では、前記プロジェクターは、光を出射する光出射部と、
前記光出射部から出射した光を互いに直交する第1の方向および第2の方向にそれぞれ走査する光走査部とを有することが好ましい。
これにより、比較的簡単に、第1の状態と第2の状態とを切換可能な小型のプロジェクターを実現することができる。
本発明の画像形成装置では、前記光走査部は、前記光出射部から出射した光を反射させる光反射部を備えた可動板が一軸または互いに直交する二軸まわりに回動可能に設けられ、当該回動によって前記光反射部で反射した光を走査する光スキャナーを有することが好ましい。
これにより、比較的簡単かつ安価に、第1の状態と第2の状態とを切換可能な小型のプロジェクターを実現することができる。
本発明の画像形成装置では、前記プロジェクターは、前記光出射部および前記光走査部を支持する支持部を有し、前記光出射部および前記光走査部を前記支持部ごと前記所定の軸線まわりに回動可能に構成されていることが好ましい。
これにより、光出射部および光走査部のアライメントの調整を要することなく、画像の表示位置を変更することができる。
本発明の画像形成装置では、前記所定の軸線は、前記第1の方向または前記第2の方向に直交する方向に沿って設定されていることが好ましい。
これにより、画像の表示位置の相違に起因する歪みを抑えつつ、画像の表示位置を変更することができる。
本発明の画像形成装置では、前記駆動手段は、モータを備えることが好ましい。
これにより、画像形成装置を比較的簡単かつ安価なものとすることができる。
本発明の画像形成装置では、前記第1の描画領域と前記第2の描画領域とが互いに重ならないように設定されていることが好ましい。
これにより、第1の描画領域と第2の描画領域とが個別に領域として認識されるので、画像の存在を認識させやすくすることができる。
本発明の画像形成装置では、前記第1の描画領域および前記第2の描画領域は、同一平面上に形成され、
前記プロジェクターは、当該平面上またはこれに直交する平面上に設置されていることが好ましい。
これにより、プロジェクターから出射される光の光路長を短くすることができる。そのため、プロジェクターから出射された光が、例えば歩行者等に遮られるのを防止または抑制することができる。その結果、周囲の環境(人口密度等)に影響されずに、第1の描画領域および第2の描画領域に所望の画像を表示することができる。
本発明の画像形成装置では、前記第1の描画領域を平面視したときに、前記第2の描画領域は、前記プロジェクターと前記第1の描画領域とを通る線分上に位置していることが好ましい。
これにより、比較的簡単に、第1の描画領域および第2の描画領域の歪みを補正することができる。
本発明の画像形成装置では、前記第1の描画領域と前記プロジェクターとの離間距離と、前記第2の描画領域と前記プロジェクターとの離間距離とが、互いに等しいことが好ましい。
これにより、比較的簡単に、第1の描画領域および第2の描画領域の歪みを補正することができる。
本発明の画像形成装置では、前記第1の表示面および前記第2の表示面は、それぞれ、壁、床、天井またはこれらに設置されたスクリーンの表面であることが好ましい。
これにより、建物の内部または外部において、画像形成装置の周囲に存在する人間に対して画像の存在を認識させやすくすることができる。そのため、例えば、表示画像としてコマーシャル、プロモーションビデオ等の宣伝用の画像を用いた場合、優れた宣伝広告機能を発揮することができる。
本発明の画像形成装置では、前記プロジェクターを収納する筐体を有し、
前記プロジェクターは、前記筐体に対して前記所定の軸線まわりに回動可能に支持されていることが好ましい。
これにより、回動するプロジェクターを容易に固定することができ、また回動部が露出しないため、使用時の安全性が確保される。
本発明の画像形成装置の第1実施形態を示す図である。 図1に示す画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。 図2に示す画像形成装置に備えられたプロジェクターの概略構成を示す図である。 図3に示すプロジェクターに備えられた光スキャナーの部分断面斜視図である。 図4に示す光スキャナーの動作を説明する断面図である。 図3に示すプロジェクターの制御系(作動制御部、光走査部および光源ユニット)を示すブロック図である。 図3に示すプロジェクターの動作を説明するための図(aは、側面図、bは、正面図)である。 図3に示すプロジェクターの作動時における光スキャナー(水平走査用の光スキャナー)の可動板の振れ角の変遷(振れ角の経時的変化)を示すグラフである。 図3に示すプロジェクターの作動時における光スキャナー(垂直走査用の光スキャナー)の可動板の振れ角の変遷(振れ角の経時的変化)を示すグラフである。 図3に示すプロジェクターの動作の変形例を示す図(aは、側面図、bは、正面図)である。 図2に示す画像形成装置に備えられたプロジェクターおよび駆動手段を示す部分断面側面図である。 図11に示す駆動手段の駆動によるプロジェクターの回動を説明するための上視図である。 図1に示す画像形成装置における人感センサの検知領域を示す上視図である。 図1に示す画像形成装置における画像の表示位置の切り換えを説明するための上視図(aは、第1の状態を示す図、bは、第2の状態を示す図)である。 本発明の画像形成装置の第2実施形態を示す図である。 本発明の画像形成装置の第3実施形態を示す図である。 本発明の画像形成装置の第4実施形態を示す図である。 本発明の画像形成装置の第5実施形態を示す図である。 図18に示す画像形成装置における人感センサの検知領域を示す上視図である。 図19に示す画像形成装置における画像の表示位置の切り換えを説明するための上視図(aは、第1の状態を示す図、bは、第2の状態を示す図)である。 本発明の画像形成装置の第6実施形態を示す図である。 本発明の第7実施形態に係る画像形成装置に備えられたプロジェクターの光スキャナーを示す模式的平面である。 図22中のB−B線断面図である。 図22に示す光スキャナーに備えられた駆動手段の電圧印加手段を示すブロック図である。 図24に示す電圧印加手段に備えられた第1の電圧発生部および第2の電圧発生部で発生する電圧の一例を示す図である。 本発明の第7実施形態に係る画像形成装置に備えられたプロジェクターの動作を説明するための図(aは、側面図、bは、正面図)である。
以下、本発明の画像形成装置の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の画像形成装置の第1実施形態を示す図、図2は、図1に示す画像形成装置の概略構成を示すブロック図、図3は、図2に示す画像形成装置に備えられたプロジェクターの概略構成を示す図、図4は、図3に示すプロジェクターに備えられた光スキャナーの部分断面斜視図、図5は、図4に示す光スキャナーの動作を説明する断面図、図6は、図3に示すプロジェクターの制御系(作動制御部、光走査部および光源ユニット)を示すブロック図、図7は、図3に示すプロジェクターの動作を説明するための図(aは、側面図、bは、正面図)、図8は、図3に示すプロジェクターの作動時における光スキャナー(水平走査用の光スキャナー)の可動板の振れ角の変遷(振れ角の経時的変化)を示すグラフ、図9は、図3に示すプロジェクターの作動時における光スキャナー(垂直走査用の光スキャナー)の可動板の振れ角の変遷(角度の経時的変化)を示すグラフ、図10は、図3に示すプロジェクターの動作の変形例を示す図(aは、側面図、bは、正面図)、図11は、図2に示す画像形成装置に備えられたプロジェクターおよび駆動手段を示す部分断面側面図、図12は、図11に示す駆動手段の駆動によるプロジェクターの回動を説明するための上視図、図13は、図1に示す画像形成装置における人感センサの検知領域を示す上視図、図14は、図1に示す画像形成装置における画像の表示位置の切り換えを説明するための上視図(aは、第1の状態を示す図、bは、第2の状態を示す図)である。なお、以下では、説明の便宜上、図4、図5、図7、図10中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
図1に示す画像形成装置1は、例えばビル等の建物内の床Fの床面F1に設置された2つのスクリーン(表示対象物)9a、9b(スクリーン9)のそれぞれの表示面91a、91b(表示面91)に交互に(順次)、静止画や動画(特に、コマーシャル、プロモーションビデオ)等の所定の画像を表示する装置である。
本実施形態では、表示面91aおよび表示面91bは、同一平面上に形成されるが、互いに異なる位置に形成される。
なお、本実施形態において、表示面91aが第1の表示面であり、表示面91bが第2の表示面である。また、表示面91a全域が第1の描画領域であり、表示面91b全域が表示面91aとは異なる位置に設定された第2の描画領域である。また、床面F1および壁面W1は、それぞれ、平面であるが、湾曲する部分や凹凸を有していてもよい。
このように、表示面91aと表示面91bとに画像を交互表示すること(すなわち、画像が表示される位置を変更すること)により、表示面91aおよび表示面91bの面積がそれぞれ比較的小さくても、画像形成装置1の周囲に存在する人間に対して画像の存在を認識させやすくすることができる。また、画像が表示される位置を変更することにより、画像による表現力を高めることができる。
そのため、画像形成装置1は、例えば、表示画像としてコマーシャル、プロモーションビデオ等の宣伝用の画像を用いた場合、優れた宣伝広告機能を発揮することができる。
本実施形態では、前記画像をスクリーン9a、9bの表面に設定された表示面91a、91bに表示するため、画像を表示させる対象となる表示面を画像の表示に適した光学的特性とすることができる。そのため、画像を表示させた場所(本実施形態では床)の材質等に関係なく、画像の視認性を向上させることができる。スクリーン9a、9bの構成材料としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、アクリル系樹脂、ABS樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
図2に示すように、画像形成装置1は、2つの表示面91a、91bに交互に光を走査させて画像を表示する(描画する)プロジェクター2と、プロジェクター2を回動させる駆動手段6と、スクリーン9a、9bの付近の人間の存在の有無を検知する人感センサ7と、人感センサ7の検知結果に基づいてプロジェクター2および駆動手段6の駆動を制御する制御手段(切換手段)8とで構成されている。また、画像形成装置1は、筐体11を有しており、この筐体11内に、プロジェクター2、駆動手段6、人感センサ7および制御手段8が収納されている。
このような画像形成装置1は、光走査型のプロジェクター2を用いて画像を表示するため、LEDパネル、液晶パネル、有機ELパネル等のフラットパネルディスプレイを用いたものに比し、装置が安価であり、また、小型化が可能であるため、設置場所に対する自由度が高い。
以下、画像形成装置1を構成する各部を順次詳細に説明する。
(プロジェクター)
図3に示すように、プロジェクター2は、光を出射する光源ユニット(光出射部)3と、表示面91a、91bに対して光源ユニット3から出射した光を走査する光走査部4と、表示面91a、91bに表示される画像の歪みを補正する歪み補正手段(作動制御装置)5とを有している。
特に、プロジェクター2は、後に詳述するが、筐体11に対して所定の軸線(軸線X1)まわりに回動可能に支持されており、その回動により、第1の描画領域である表示面91aに光を走査することにより画像を表示する第1の状態(以下、単に「第1の状態」とも言う)と、第2の描画領域である表示面91b第2の描画領域に光を走査することにより画像を表示する第2の状態(以下、単に「第2の状態」とも言う)とを切換可能に構成されている。
これにより、表示面91aと表示面91bとで画像の位置を変更することができる。特に、プロジェクター2自体を回動させることにより画像の位置を変更するので、画像の位置の変更可能な範囲(画像を表示可能な範囲)を大きくすることができる。そのため、人間に対して認識させやすい所望の位置に画像を表示させることができる。
なお、図1において、第1の状態で表示される画像を実線で示し、第2の状態で表示される画像を2点鎖線で示している。
[光源ユニット(光出射部)]
図3に示すように、光源ユニット3は、各色のレーザー光源31r、31g、31bと、各色のレーザー光源31r、31g、31bに対応して設けられたコリメーターレンズ32r、32g、32bおよびダイクロイックミラー33r、33g、33bとを備えている。
また、各色のレーザー光源31r、31g、31bは、それぞれ、駆動回路310r、310g、310bと、赤色の光源320r、緑色の光源320g、青色の光源320bとを有しており(図6参照)、図3に示すように、赤色、緑色および青色のレーザー光RR、GG、BBを出射する。レーザー光RR、GG、BBは、それぞれ、歪み補正手段5の後述する光源変調部54から送信される駆動信号に対応して変調された状態で出射され、コリメート光学素子であるコリメーターレンズ32r、32g、32bによって平行化されて細いビームとされる。
ダイクロイックミラー33r、33g、33bは、それぞれ、赤色レーザー光RR、緑色レーザー光GG、青色レーザー光BBを反射する特性を有し、各色のレーザー光RR、GG、BBを結合して1つのレーザー光(光)LLを出射する。
なお、コリメーターレンズ32r、32g、32bに代えてコリメーターミラーを用いることができ、この場合も、平行光束の細いビームを形成することができる。また、各色のレーザー光源31r、31g、31bから平行光束が出射される場合、コリメーターレンズ32r、32g、32bは、省略することができる。さらに、レーザー光源31r、31g、31bについては、同様の光束を発生する発光ダイオード等の光源に置換することができる。また、図3の各色のレーザー光源31r、31g、31b、コリメーターレンズ32r、32g、32b、およびダイクロイックミラー33r、33g、33bの順番はあくまで1例であり、各色の組み合わせ(赤色はレーザー光源31r、コリメーターレンズ32r、ダイクロイックミラー33r、緑色はレーザー光源31g、コリメーターレンズ32g、ダイクロイックミラー33g、青色はレーザー光源31b、コリメーターレンズ32b、ダイクロイックミラー33b)を保持したままその順序は自由に設定できる。例えば、光走査部4に近い順に、青色、赤色、緑色という組み合わせも可能である。
[光走査部]
次に、光走査部4について説明する。
光走査部4は、光源ユニット3から出射したレーザー光LLを表示面91a、91bに対し、水平方向(第1の方向)に走査(水平走査:主走査)すると共に、水平方向の走査速度よりも遅い走査速度で垂直方向(第1の方向に直交する第2の方向)に走査(垂直走査:副走査)することで2次元的に走査するものである。
この光走査部4は、光源ユニット3から出射したレーザー光LLを表示面91a、91bに対し、水平方向に走査する水平走査用ミラーである光スキャナー(第1の方向走査部)41と、光スキャナー41の後述する可動板411aの角度(挙動)を検出する角度検出手段(挙動検出手段)43と、光源ユニット3から出射したレーザー光LLを表示面91a、91bに対し、垂直方向に走査する垂直走査用ミラーである光スキャナー(第2の方向走査部)42と、光スキャナー42の後述する可動板421aの角度(挙動)を検出する角度検出手段(挙動検出手段)44とを有している。
以下、光スキャナー41、42の構成について説明するが、光スキャナー41、42は、互いに同様の構成であるため、以下では光スキャナー41について代表して説明し、光スキャナー42については、その説明を省略する。
図4に示すように、光スキャナー41は、いわゆる1自由度振動系(1次元走査)のものであり、基体411と、基体411の下面に対向するよう設けられた対向基板413と、基体411と対向基板413との間に設けられたスペーサー部材412とを有している。
基体411は、可動板411aと、可動板411aを回動可能に支持する支持部411bと、可動板411aと支持部411bとを連結する1対の連結部411c、411dとを有している。
可動板411aは、その平面視にて、略長方形状をなしている。このような可動板411aの上面には、光反射性を有する光反射部(ミラー)411eが設けられている。光反射部411eの表面(上面)は、光を反射する反射面を構成している。光反射部411eは、例えば、Al、Ni等の金属膜で構成されている。また、可動板411aの下面には、永久磁石414が設けられている。
支持部411bは、可動板411aの平面視にて、可動板411aの外周を囲むように設けられている。すなわち、支持部411bは、枠状をなしていて、その内側に可動板411aが位置している。
連結部411cは、可動板411aの左側にて、可動板411aと支持部411bとを連結し、連結部411dは、可動板411aの右側にて、可動板411aと支持部411bとを連結している。
連結部411c、411dは、それぞれ、長手形状をなしている。また、連結部411c、411dは、それぞれ、弾性変形可能である。このような1対の連結部411c、411dは、互いに同軸的に設けられており、この軸(以下「回動中心軸J1」と言う)を中心として、可動板411aが支持部411bに対して回動する。
このような基体411は、例えば、シリコンを主材料として構成されていて、可動板411aと支持部411bと連結部411c、411dとが一体的に形成されている。このように、シリコンを主材料とすることにより、優れた回動特性を実現できるとともに、優れた耐久性を発揮することができる。また、シリコンは微細な加工が可能であるため、基体411をシリコンを主材料として構成することにより、基体411の寸法精度を優れたものとし、光スキャナー41の振動特性を優れたものとすることができる。また、光スキャナー41の小型化を図ることができる。
スペーサー部材412は、枠状をなしていて、その上面が基体411の下面と接合している。また、スペーサー部材412は、可動板411aの平面視にて、支持部411bの形状とほぼ等しくなっている。このようなスペーサー部材412は、例えば、各種ガラス、各種セラミックス、シリコン、SiOなどで構成されている。
なお、スペーサー部材412と基体411との接合方法としては、特に限定されず、例えば、接着剤等の別部材を介して接合してもよいし、スペーサー部材412の構成材料などによっては直接接合や陽極接合などを用いてもよい。
対向基板413は、スペーサー部材412と同様に、例えば、各種ガラス、シリコン、SiOなどで構成されている。このような対向基板413の上面であって、可動板411aと対向する部位には、コイル415が設けられている。
永久磁石414は、板棒状をなしていて、可動板411aの下面に沿って設けられている。このような永久磁石414は、可動板411aの平面視にて、回動中心軸J1に対して直交する方向に磁化(着磁)されている。すなわち、永久磁石414は、両極(S極、N極)を結んだ線分が、回動中心軸J1に対して直交するよう設けられている。
このような永久磁石414としては、特に限定されず、例えば、ネオジウム磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石などを用いることができる。
コイル415は、可動板411aの平面視にて、永久磁石414の外周を囲むように設けられている。
また、光スキャナー41は、コイル415に電圧を印加する電圧印加手段416を有している。電圧印加手段416は、印加する電圧の電圧値や周波数等の各条件を調整(変更)し得るように構成されている。電圧印加手段416、コイル415および永久磁石414により、可動板411aを回動させる駆動手段417が構成される。
コイル415には、電圧印加手段416から所定の電圧が印加され、所定の電流が流れる。
例えば、電圧印加手段416からコイル415に交番電圧を印加すると、それに応じて電流が流れ、可動板411aの厚さ方向(図4中上下方向)の磁界が発生し、かつ、その磁界の向きが周期的に切り換わる。すなわち、コイル415の上側付近がS極、下側付近がN極となる状態Aと、コイル415の上側付近がN極、下側付近がS極となる状態Bとが交互に切り換わる。その際、電圧印加手段416は、後述する歪み補正手段5により駆動制御される。
状態Aでは、図5(a)に示すように、永久磁石414の右側の部分が、コイル415への通電により発生する磁界との反発力により上側へ変位するとともに、永久磁石414の左側の部分が、前記磁界との吸引力により下側へ変位する。これにより、可動板411aが反時計回りに回動して傾斜する。
一方、状態Bでは、図5(b)に示すように、永久磁石414の右側の部分が下側へ変位するとともに、永久磁石414の左側の部分が上側へ変位する。これにより、可動板411aが時計回りに回動して傾斜する。
このような状態Aと状態Bとを交互に繰り返すことにより、連結部411c、411dを捩り変形させながら、可動板411aが回動中心軸J1まわりに回動(振動)する。
また、後述する歪み補正手段5の制御により、電圧印加手段416からコイル415に印加する電圧を調整することにより、流れる電流を調整することができ、これにより、可動板411a(光反射部411eの反射面)の回動中心軸J1まわりの回動の振れ角(振幅)を調整することができる。
なお、このような光スキャナー41の構成としては、可動板411aを回動させることができれば、特に限定されず、例えば、2自由度振動系を有するものであってもよく、また、光スキャナー41の駆動方式は、コイル415と永久磁石414とを用いた電磁駆動に代えて、例えば、圧電素子を用いた圧電駆動や、静電引力を用いた静電駆動等であってもよい。
図3に示すように、上述のような構成の光スキャナー41、42は、互いの回動中心軸J1、J2の方向が直交するように設けられている。光スキャナー41、42をこのように設けることにより、表示面91a、91bに対し、光源ユニット3から出射したレーザー光LLを2次元的に(互いに直交する2方向に)走査することができる。これにより、比較的簡単な構成で、表示面91a、91bにそれぞれ2次元画像を描画することができる。
具体的に説明すれば、光源ユニット3から出射した光は、光スキャナー41の光反射部411eの反射面で反射し、次いで、光スキャナー42の光反射部421eの反射面で反射し、スクリーン9a、9bの表示面91a、91bに投射(照射)される。このとき、光スキャナー41の光反射部411eを回動させるとともに、その角速度(速度)よりも遅い角速度で光スキャナー42の光反射部421eを回動させる。これにより、光源ユニット3から出射したレーザー光LLは、表示面91aまたは91bに対し、水平方向に走査されるとともに、その水平方向の走査速度よりも遅い走査速度で垂直方向に走査される。このようにして、光源ユニット3から出射したレーザー光LLは、表示面91aまたは91bに対し、2次元的に走査され、表示面91aまたは91bに画像が描画される。
ここで、光スキャナー41の光反射部411eの角速度よりも遅い角速度で光スキャナー42の光反射部421eを回動させるために、例えば、光スキャナー41を共振を利用した共振駆動とし、光スキャナー42を共振を利用しない非共振駆動としてもよい。また、光スキャナー41、42をともに共振駆動とする場合には、光スキャナー41の共振周波数(可動板411aおよび連結部411c、411dからなる振動系の共振周波数)が、光スキャナー42の共振周波数よりも高くなるように光スキャナー41、42を設計すればよい。
なお、光源ユニット3から出射した光が、先に、光スキャナー42の光反射部421eで反射し、次に、光スキャナー41の光反射部411eで反射するようになっていてもよい。すなわち、先に、垂直走査がなされ、次に、水平走査がなされるように構成されていてもよい。
次に、光スキャナー41の可動板411aの角度を検出する角度検出手段43について説明する。なお、光スキャナー42の可動板421aの角度を検出する角度検出手段44は、角度検出手段43と同様の構成であるため、その説明を省略する。
図4に示すように、角度検出手段43は、光スキャナー41の連結部411c上に設けられた圧電素子431と、圧電素子431から発生する起電力を検出する起電力検出部432と、起電力検出部432の検出結果に基づいて可動板411aの角度を求める(挙動を検知する)角度検知部433とを有している。
圧電素子431は、可動板411aの回動に伴って連結部411cが捩り変形すると、それに伴って変形する。圧電素子431は、外力が付与されていない自然状態から変形すると、その変形量に応じた大きさの起電力を発生する性質を有しているため、角度検知部433は、起電力検出部432で検出された起電力の大きさに基づいて、連結部411cの捩れの程度を求め、さらに、その捩れの程度から可動板411a(光反射部411eの反射面)の角度を求める。また、角度検知部433は、可動板411aの回動中心軸J1を中心とする振れ角を求める。この可動板411aの角度および振れ角の情報を含む信号は、角度検知部433から歪み補正手段5に送信される。
なお、前記検出する可動板411aの角度の基準(0°)は、光スキャナー41の状態がいかなるものであってもよいが、例えば、光スキャナー41が初期状態(コイル415に電圧が印加されていない状態)であるときに設定することができる。
また、前記可動板411aの角度の検出は、リアルタイムで(連続的に)行ってもよく、また、間欠的に行ってもよい。また、角度検出手段43としては、可動板411aの角度を検出することができれば、本実施形態のような圧電素子を用いたものに限定されず、例えば、光学センサを用いてもよい。
[歪み補正手段]
次に、歪み補正手段5について説明する。
プロジェクター2では、前述のような1対の光スキャナー41、42を用いて表示面91a、91bに画像を表示(描画)する際、表示面91a、91bまでの光路差に起因する歪み、例えば、表示面91a、91bに表示された画像の上側と下側とで、横方向(水平方向)の長さが異なる「台形歪み」と呼ばれる歪みが発生する。
特に、前述したプロジェクター2を後述するように所定の軸線(軸線X1)まわりに回動させることにより第1の状態と第2の状態とを切り換えると、表示面91aに表示される画像と、表示面91bに表示される画像とで、互いの姿勢(向き)、形状および面積のうちの少なくとも1つが異なってしまう歪みも発生する。
歪み補正手段5は、これらのような画像の歪みを補正する機能を有している。
これにより、表示面91aおよび表示面91bにそれぞれ歪みが補正された画像を表示することができる。そのため、人間に対して認識させやすい所望の内容の画像を表示させることができる。例えば、表示面91aと表示面91bとで、表示される画像の姿勢(向き)、面積および形状を等しくすることができる。
以下、歪み補正手段5について詳述する。なお、以下では、表示面91aでの歪み補正を説明するが、表示面91bでの歪み補正も同様である。
図6に示すように、歪み補正手段5は、画像を描画する際に用いられる映像データ(画像データ)を記憶する映像データ記憶部(映像データ記憶手段)51と、映像データ演算部52と、描画タイミング生成部53と、光源変調部(光変調部)54と、振れ角演算部(振幅演算部)55と、角度指示部56と、検量線を記憶する検量線記憶部(検量線記憶手段)57とを有している。
プロジェクター2は、垂直方向の走査(以下、単に「垂直走査」とも言う)を往路および復路のそれぞれで行い、その垂直走査の往路および復路のそれぞれにおいて、水平方向の走査(以下、単に「水平走査」とも言う)を往路および復路のそれぞれで行うことにより表示面91aに画像を表示(描画)する。
また、プロジェクター2は、水平走査を行うに際し、光源ユニット3からレーザー光LLを出射した光出射状態(以下、単に「光出射状態」とも言う)で表示面91a上でのレーザー光LLの水平方向の振れ幅(以下、単に「レーザー光(光)LLの振れ幅」とも言う)が、可動板411aの回動中心軸J1を中心とする振れ角(以下、単に「可動板411aの振れ角」とも言う)の調整(調整手段による調整)を行わない場合に比べて、垂直方向に沿って揃うように、可動板411aの振れ角を調整するよう構成されている。特に、光出射状態でレーザー光LLの振れ幅が垂直方向に沿って一定になるように、可動板411aの振れ角を調整するよう構成されているのが好ましい。これにより、時間開口率を高くしつつ、画像の台形歪みを防止することができる。本実施形態では、代表的に、前記振れ幅が垂直方向に沿って一定になるように調整する場合について説明する。
なお、前記振れ幅(走査範囲)とは、光出射状態で、可動板411aが時計回り(所定方向)に最大角度まで回動したときの表示面91と同一平面上でのレーザー光LLの位置と、それに続いて可動板411aが反時計回り(前記と逆方向)に最大角度まで回動したときの表示面91aと同一平面上でのレーザー光LLの位置との水平方向の距離(間隔)、すなわち、図7に示すように、光出射状態でそのレーザー光LLを表示面91a上に2次元的に走査したときの、表示面91a上でのレーザー光LLの軌跡である複数の描画ライン(走査ライン)Lのそれぞれの水平方向の長さである。
図7に示すように、前記複数の描画ラインLは、ジグザグに配置される。各描画ラインLのうち、左側の端部および右側端部は、それぞれ、光スキャナー41の光反射部411eの角速度(速度)が小さく、描画に適さない。このため、その左側端部および右側端部を除いて、画像を描画(表示)する領域である描画領域(表示領域)911aを設定する。なお、描画領域911aは、例えば、長方形(正方形を含む)をなすように設定される。また、図7は、説明の便宜上、簡略的に図示している。
光スキャナー41の可動板411aの振れ角が一定の場合は、光出射状態でのレーザー光LLの振れ幅は、光スキャナー42の可動板421aの角度に応じて変化し、レーザー光LLが走査される表示面91a上の垂直方向の位置(描画ラインLの垂直方向の位置)がプロジェクター2から遠いほど長くなる。そこで、プロジェクター2では、可動板421aの角度に応じて可動板411aの振れ角を調整する。すなわち、レーザー光LLが走査される表示面91a上の垂直方向の位置(描画ラインLの垂直方向の位置)がプロジェクター2から遠いほど、可動板411aの振れ角を小さくすることにより、光出射状態でのレーザー光LLの振れ幅を垂直方向に沿って一定にする。
検量線記憶部57には、光出射状態でレーザー光LLの振れ幅が垂直方向に沿って一定になる、表示面91aに走査するレーザー光LLの表示面91a上の垂直方向の位置(描画ラインLの垂直方向の位置)と、可動板411aの振れ角との関係を示すテーブルや演算式(関数)等の検量線が記憶(格納)される。画像を描画する際は、その検量線を用い、表示面91aに走査するレーザー光LLの表示面91a上の垂直方向の位置に基づいて、前記振れ角の目標値(目標振れ角)を求める。なお、検量線は、計算で求めることができ、予め、検量線記憶部57に記憶される。
また、このプロジェクター2では、描画領域911aにおいて、上側から奇数番目の各描画ラインLについて、隣り合う描画ラインL同士の垂直方向の間隔が一定になり、同様に、上側から偶数番目の各描画ラインLについて、隣り合う描画ラインL同士の垂直方向の間隔が一定になるように、可動板421aの角度や角速度を調整するのが好ましい。これにより、画像の垂直方向の歪みを防止することができる。
本実施形態では、例えば、各描画ラインLの描画開始の際における描画領域911aの左側の端部および右側の端部において、それぞれ、隣り合う描画ラインLの垂直方向の間隔が一定になるように可動板421aの角度を調整し、可動板421aの角速度を所定の値に設定する。すなわち、各描画ラインLについて、隣り合う描画開始点の垂直方向の間隔が一定になるように可動板421aの角度を調整し、可動板421aの角速度は、描画ラインL毎に一定の値に設定する。なお、描画ラインLの垂直方向の位置がプロジェクター2から遠いほど、可動板421aの角速度は、小さく設定される。これにより、比較的簡単な制御で、画像の垂直方向の歪みを防止することができる。
次に、スクリーン9a、9bの表示面91a、91b上に画像を描画する際のプロジェクター2の動作(作用)について説明する。
まず、プロジェクター2に映像データが入力される。入力された映像データは映像データ記憶部51に一時的に記憶され、その映像データ記憶部51から読み出された映像データを用いて画像の描画が行われる。この場合、映像データのすべてが映像データ記憶部51に記憶された後に、画像の描画を開始してもよく、また、映像データの一部が映像データ記憶部51に記憶された後に、画像の描画を開始し、その画像の描画と並行して続きの映像データを映像データ記憶部51に記憶するようにしてもよい。
映像データの一部が映像データ記憶部51に記憶された後に画像の描画を開始する場合は、初めに、少なくとも1フレーム分、好ましくは、2フレーム分以上(例えば、2フレーム分)の映像データを映像データ記憶部51に記憶し、その後に画像の描画を開始する。その理由は、このプロジェクター2では、垂直走査の往路および復路のそれぞれにおいて水平走査を行って画像を描画(以下、単に「垂直方向で往復描画」とも言う)し、後述するように、垂直走査の往路において画像を描画する際と、垂直走査の復路において画像を描画する際とで、映像データ記憶部51からの映像データの読み出し順序を逆にするので、垂直走査の復路において画像の描画を開始する際、映像データを反対側から読み出すためには、少なくともその復路における画像の描画に用いる1フレーム分の映像データが映像データ記憶部51に記憶されている必要があるためである。
描画タイミング生成部53では、描画タイミング情報および描画ライン情報がそれぞれ生成される。描画タイミング情報は、映像データ演算部52に送出され、描画ライン情報は、振れ角演算部55に送出される。
描画タイミング情報には、描画を行うタイミングの情報等が含まれる。また、描画ライン情報には、描画を行う描画ラインLの垂直方向の位置(可動板421aの角度)の情報等が含まれる。なお、描画ラインLのいずれの部位の位置を前記描画ラインLの垂直方向の位置として設定してもよいが、例えば、左側の先端、右側の先端、中央等が挙げられる。
特に、描画タイミング生成部53は、プロジェクター2の回動角に応じた描画タイミング情報を生成するようになっている。すなわち、描画タイミング生成部53は、第1の状態に対応した第1の描画タイミング情報と、第2の状態に対応した第2の描画タイミング情報とを生成し得るようになっている。例えば、描画タイミング生成部53には、第1の描画タイミング情報および第2の描画タイミング情報が予め設定(記憶)されており、プロジェクター2の回動角(駆動手段6の駆動状態)に基づいて、第1の描画タイミング情報または第2の描画タイミング情報を選択し送出する。なお、描画タイミング生成部53は、描画タイミング情報を演算するための演算部を有し、その演算部がプロジェクター2の回動角に関する情報に基づいて描画タイミング情報を演算して生成してもよい。
また、描画タイミング情報は、表示面91aおよび表示面91bのうちの少なくとも一方の描画領域の姿勢、形状および面積のうちの少なくとも1つを調整するように設定されている。これにより、描画する画素毎に映像データの描画タイミングを所望のタイミングに設定し、表示面91aおよび表示面91bのうちの少なくとも一方の描画領域の姿勢、形状および面積のうちの少なくとも1つを調整することができる。そのため、表示面91aおよび表示面91bのうちの少なくとも一方の描画領域に表示される画像の歪みを補正することができる。
本実施形態では、描画タイミング情報は、表示面91aと表示面91bとで互いの描画領域の姿勢、形状および面積が等しくなるように設定されている。これにより、表示面91aおよび表示面91bにそれぞれ表示される画像の内容を人間に対して認識させやすくすることができる。
また、本実施形態では、描画タイミング情報は、表示面91aに表示される画像の向きと、表示面91bに表示される画像の向きとが同じになるように設定されている。これにより、表示面91aおよび表示面91bにそれぞれ表示される画像の内容を人間に対して認識させやすくすることができる。
映像データ演算部52は、描画タイミング生成部53から入力された描画タイミング情報に基づいて、映像データ記憶部51から描画する画素に対応する映像データを読み出し、各種の補正演算等を行った後、各色の輝度データを光源変調部54に送出する。
光源変調部54は、映像データ演算部52から入力された各色の輝度データに基づいて、各駆動回路310r、310g、310bを介して各光源320r、320g、320bの変調を行う。すなわち、各光源320r、320g、320bのオン/オフや、出力の調整(増減)等を行う。
光スキャナー41側の角度検出手段43は、その可動板411aの角度および振れ角を検出し、その角度および振れ角の情報(可動板411aの角度情報)を歪み補正手段5の描画タイミング生成部53および振れ角演算部55に送出する。また、光スキャナー42側の角度検出手段44は、その可動板421aの角度を検出し、その角度の情報(可動板421aの角度情報)を歪み補正手段5の角度指示部56に送出する。
描画タイミング生成部53は、現在の描画ラインLの描画が終了し、角度検出手段43から可動板411aの振れ角の情報が入力されると、それに同期して、角度指示部56に、次に描画を行う描画ラインLの描画開始点にレーザー光LLが照射されるときの可動板421aの目標角度を示す目標角度情報(角度指示)を送出する。その可動板421aの目標角度は、隣り合う描画開始点の垂直方向の間隔が一定になるように設定される。角度指示部56は、角度検出手段44で検出された可動板421aの角度と、前記可動板421aの目標角度とを比較して、その差が0になるような補正を行い、光スキャナー42の駆動手段427に駆動データを送出する。
駆動手段427は、前記駆動データに基づいて、光スキャナー42を駆動する(コイルに電圧を印加する)。これにより、描画開始点にレーザー光LLが照射されたとき、可動板421aの角度は、前記目標角度になる。
なお、本実施形態では、各描画ラインLにおいて、描画開始点から描画終了点まで、可動板421aの角速度を一定とし、レーザー光LLの垂直方向の走査速度を一定としてもよく、また、可動板421aの角速度を徐々に変化させ、レーザー光LLの垂直方向の走査速度を徐々に変化さてもよい。
また、描画タイミング生成部53は、振れ角演算部55に、描画ライン情報、すなわち、次に描画を行う描画ラインLの垂直方向の位置の情報を送出する。
振れ角演算部55では、検量線記憶部57から読み出された検量線を用い、描画タイミング生成部53から入力された次に描画を行う描画ラインLの垂直方向の位置の情報に基づいて、次に描画を行う描画ラインLにおける可動板411aの目標振れ角を求める。そして、角度検出手段43から入力された可動板411aの振れ角の情報と、前記可動板411aの目標振れ角とに基づいて、可動板411aの振れ角が目標振れ角となるように、光スキャナー41の駆動手段417に駆動データを送出する。
駆動手段417は、前記駆動データに基づいて、コイル415に、光スキャナー41の共振周波数と同じ周波数の実効電圧を印加して電流を流し、所定の磁界を発生させ、実効電流の大きさや光スキャナー41と駆動波形との位相差を変化させる事で、光スキャナー41にエネルギーを供給したり、逆に、光スキャナー41からエネルギーを奪ったりする。これにより、共振運動している可動板411aの振れ角は、前記目標振れ角になる。このようにして、角度検出手段43により検出された可動板411aの振れ角の情報(検出結果)と、前記目標振れ角(目標値)とに基づいて、可動板411aの振れ角が目標振れ角になるようにその可動板411aの振れ角を調整しつつ、描画領域911aの各描画ラインL上に、順次、レーザー光LLを走査し、画像を描画してゆく。
また、描画タイミング生成部53では、描画を行うフレームが、奇数フレーム(奇数番目のフレーム)と偶数フレーム(偶数番目のフレーム)とのいずれであるかの管理を行い、それにより、可動板421aの回動方向(移動方向)と、映像データ記憶部51からの映像データの読み出し順序を決定している。すなわち、奇数フレーム(垂直方向の走査の往路)において画像を描画する際と、偶数フレーム(垂直方向の走査の復路)において画像を描画する際とで、映像データの読み出し順序を逆にする。
また、奇数フレームと偶数フレームとで、表示面91a、91bの同じライン上にレーザー光LLを走査する。すなわち、奇数フレームの各描画ラインLと偶数フレームの各描画ラインLとが一致するように、レーザー光LLを走査する。
具体的には、例えば、図7に示すように、1番目のフレーム(奇数番目のフレーム)については、左上から描画を開始し、ジグザグに右下まで描画し、2番目のフレーム(偶数番目のフレーム)については、可動板421aの回動方向を前記と逆にし、前記と逆に右下から左上まで描画を行う。以降、同様にして、奇数番目のフレームについては、左上から右下まで描画し、偶数番目のフレームについては、右下から左上まで描画を行う。
なお、本実施形態では、垂直方向の走査の往路を奇数フレームとし、垂直方向の走査の復路を偶数フレームとしているが、これに限らず、垂直方向の走査の復路を奇数フレームとし、垂直方向の走査の往路を偶数フレームとしてもよい。
また、本実施形態では、1番目のフレームについて描画を開始する位置は、左上であるが、これに限らず、例えば、右上、左下、右下等であってもよい。
また、奇数フレームと偶数フレームとで、表示面91a、91bの異なるライン上にレーザー光LLを走査してもよい。
ここで、前記画像の描画の際の可動板411aの振れ角の経時的変化および可動板421aの振れ角の経時的変化は、下記の通りである。
水平走査では、図8に示すように、可動板411aの振れ角は、最小振れ角から徐々に増大し、最大振れ角に到達した後、徐々に減少し、最小振れ角に到達した後、再び、徐々に増大し、以降、同様に、前記動作を繰り返す。このように、プロジェクター2では、可動板411aの振れ角が急激に変化しないので、容易かつ確実に、共振を利用して動作させる形態の光スキャナー41の可動板411aの振れ角を調整することができる。
また、垂直走査では、図9に示すように、可動板421aの振れ角は、最小振れ角から徐々に増大し、最大振れ角に到達した後、徐々に減少し、最小振れ角に到達した後、再び、徐々に増大し、以降、同様に、前記動作を繰り返す。このように、プロジェクター2では、可動板421aの振れ角が急激に変化しないので、容易かつ確実に、光スキャナー42の可動板421aの振れ角を調整することができる。また、奇数フレーム(垂直方向の走査の往路)において画像の描画を行う表示期間(描画期間)と、偶数フレーム(垂直方向の走査の復路)において画像の描画を行う表示期間との間に、画像の描画を行わない非表示期間(非描画期間)が設けられている。この表示期間において、次のフレームの描画を開始するタイミング等の各タイミングを調整することができる。
そして、垂直方向の走査の往路および復路、すなわち、可動板421aを所定方向に回動させる際と、前記と逆方向に回動させる際との両方で、画像の描画を行うので、従来のような垂直帰線期間が不要になり、前記非表示期間を短くすることができる。これにより、時間開口率(画像の描画を行う期間の割合)を高くすることができる。
すなわち、1フレーム中の垂直方向の非表示期間を往復描画することで短くすることができ、これにより、垂直時間開口率が高くなり、垂直走査の往路のみで水平走査を行って画像を描画する場合と可動板411aの角速度(速度)が同じときは、その往路のみで画像を描画する場合に比べ、単位時間当たりのフレーム数(コマ数)を多くすることができる。これによって、動画における早い動きにも容易に対応することができる。逆に言えば、垂直走査の往路のみで水平走査を行って画像を描画する場合と単位時間当たりのフレーム数が同じときは、その往路のみで画像を描画する場合に比べ、可動板411aの角速度を小さくすることができ、これによって、安定的に画像を描画することができる。また、上記の場合で、可動板411aの角速度を変化させない時には、より垂直解像度の高い描画が可能となる。
ここで、実際には、例えば、光スキャナー41、42の可動板411a、421aの慣性(慣性モーメントが)が大きく、可動板411a、421aが瞬時には追従しない場合がある。このような場合は、例えば、光スキャナー41、42の駆動電流をゼロにするか、または光スキャナー41、42を逆相(制動)で駆動する場合もある。
以上説明したように、このプロジェクター2によれば、時間開口率を高くしつつ、可動板411a、421aの振れ角を急激に変化させることなく、歪み補正手段5によって、画像の台形歪みを防止することができる。
また、垂直走査の往路および復路のそれぞれにおいて、水平走査を行って画像を描画するので、垂直走査において往路から復路に切り替わる際や、復路から往路に切り替わる際に、可動板421aの振れ角を急激に変化させる必要がなくなり、これにより、容易かつ確実に、可動板421aの振れ角を調整することができる。
(プロジェクターの動作の変形例)
次に、図10に基づいて、プロジェクター2の変形例を説明する。
図10に示すプロジェクター2では、光出射状態でレーザー光LLの振れ幅は、垂直方向に沿って一定になっていないが、光出射状態でレーザー光LLの振れ幅が、可動板411aの振れ角の調整を行わない場合に比べて、垂直方向に沿って揃うように、可動板411aの振れ角を調整するよう構成されている。これにより、画像を描画することが可能な描画可能領域912aの上側の幅が減少し、描画可能領域912aの形状は、長方形(正方形を含む)に近づき、非描画領域を小さくすることができる。
このプロジェクター2では、表示面91a上、すなわち、描画可能領域912a内に長方形の描画領域911aを設定し、光源ユニット3から出射したレーザー光LLがその描画領域911a内に投射(照射)されるように光源ユニット3の駆動を制御する。これにより、画像の台形歪みを防止することができる。
以上説明したようなプロジェクター2は、光スキャナー41、42を用いているので、構成が比較的簡単かつ小型となる。
また、このようなプロジェクター2は、スクリーン9a、9bの近傍に設けられており、近接投射により、表示面91a、91bに画像を表示(描画)する。これにより、プロジェクター2から出射されるレーザー光LLの光路長を短くすることができるため、より密な画像(高画素な画像)を表示することができる。また、より確実に表示面91a、91bの所望の位置にレーザー光LLを走査することができるとともに、プロジェクター2から出射されたレーザー光LLが、例えば歩行者等に遮られるのを防止することができる。そのため、周囲の環境(人口密度等)に影響されずに、表示面91a、91bに所望の画像を表示することができる。なお、プロジェクター2の配置は、特に限定されず、例えば、スクリーン9a、9bから遠位な位置に配置されていてもよい(すなわち、近接投射でなくてもよい)。
また、第1の描画領域である表示面91aと第2の描画領域である表示面91bとが互いに重ならないように設定されている。これにより、表示面91aと表示面91bとが個別に領域として認識されるので、画像の存在を認識させやすくすることができる。
なお、実施形態では、表示面91aと表示面91bとが互いに離間しているが、表示面91aと表示面91bとは接していてもよく、また、表示面91aの一部と表示面91bの一部とが互いに重なっていてもよい。
また、本実施形態では、前述したようにスクリーン9a、9bが床Fの床面F1に設置されているが、プロジェクター2は、床Fに直交する壁Wの壁面W1に設置されている。
言い換えると、表示面91a(第1の描画領域)および表示面91b(第2の描画領域)は、床面F1(同一平面)上に設定され、プロジェクター2は、当該平面に直交する平面上に設置されている。
これにより、互いに平行な2つの面の一方にプロジェクター2、他方に表示面91a、91bを設置する場合に比し、プロジェクター2から出射される光の光路長を短くすることができる。そのため、プロジェクター2から出射された光が、例えば歩行者等に遮られるのを防止または抑制することができる。その結果、周囲の環境(人口密度等)に影響されずに、表示面91aおよび表示面91bにそれぞれ所望の画像を表示することができる。また、プロジェクター2の設置面が壁面W1であるので、プロジェクター2が歩行者の歩行等の邪魔になるのを防止または抑制することもできる。
また、プロジェクター2を壁面W1に設置し、表示面91a、91bを床面F1に設置することにより、建物の内部または外部において、画像形成装置1の周囲に存在する人間に対して画像の存在を認識させやすくすることができる。そのため、例えば、表示画像としてコマーシャル、プロモーションビデオ等の宣伝用の画像を用いた場合、優れた宣伝広告機能を発揮することができる。
また、表示面91aとプロジェクター2との離間距離と、表示面91bとプロジェクター2との離間距離とが、互いに等しい。これにより、表示面91a、91bの位置が異なることによる画像の歪みを少なくすることができる。その結果、比較的簡単に、表示面91aおよび表示面91bの歪みを補正することができる。
(駆動手段)
次に、駆動手段6について説明する。
プロジェクター2は、筐体11に対して所定の軸線Xまわりに回動可能に支持されている。これにより、回動するプロジェクター2を容易に固定することができ、また回動部が露出しないため、使用時の安全性が確保される。
より具体的には、前述したプロジェクター2では、図11に示すように、光源ユニット(光出射部)3および光走査部4が支持部21に支持されている。
この支持部21は、軸部22を有し、この軸部22が軸受23を介して、筐体11の取付部111に取り付けられている。
これにより、光源ユニット3および光走査部4を支持部21ごと所定の軸線X1まわりに回動することができる。このように光源ユニット3および光走査部4を一体的に回動させることにより、光源ユニット3および光走査部4のアライメントの調整を要することなく、画像の表示位置を変更することができる。
前記所定の軸線X1は、本実施形態では、第1の方向(水平方向)に直交する方向(鉛直方向)に沿って設定されている。これにより、画像の表示位置の相違に起因する歪みを抑えつつ、画像の表示位置を変更することができる。
このような支持部21は、駆動手段6により回動される。
駆動手段6は、前述した支持部21に設けられた第1ギア61と、この第1ギア61に噛合する第2ギア62と、第2ギア62を回転させるモータ63とで構成されている。
第1ギア61は、軸部22(軸線X1)の周方向に沿って形成された複数の歯が設けられている。
一方、第2ギア62は、モータ63の軸部631に取り付けられ、軸部631の周方向に沿って複数の歯が設けられ、第1ギア61に噛合している。
モータ63は、取付部111に取り付けられ、第2ギア62を回転させる。
より具体的に説明すると、図12(a)に示すように、モータ63が第2ギア62を反時計回りに所定角度回転させることにより、支持部21を軸部22まわりに時計回りに回転させ、第1の状態とする。一方、図12(b)に示すように、モータ63が第2ギア62を時計回りに所定角度回転させることにより、支持部21を軸部22まわりに反時計回りに回転させ、第2の状態とする。
このようなモータ63を備える駆動手段6は、画像形成装置1を比較的簡単かつ安価なものとすることができる。
(人感センサ)
図2に示すように、人感センサ7は、センサ部71と、記憶部72と、判断部73とで構成されている。このような人感センサ7は、後述する第1の検知領域S1および第2の検知領域S2の両領域について、それぞれその領域内に人間が存在するか否かを検知する機能を有している。このような人感センサ7は、筐体11内に収容されており(ただし、センサ部71は、その機能を発揮できるように、例えばその一部が筐体11から露出していてもよい)、スクリーン9a、9bの近傍に設けられている。なお、本実施形態では、人感センサ7は、筐体11に収容されているが、これに限定されず、人感センサ7を筐体11と別体として設けてもよい。
センサ部71は、センサ部71付近の人間の存在の有無を検知することができ、さらに、センサ部71と検知した人間との離間距離および方向を計測できるようになっている。このセンサ部71としては、上述した機能を発揮することができれば特に限定されず、例えば赤外線を利用した赤外線型センサや、超音波を利用した超音波型センサを用いることができる。さらには、赤外線型センサと超音波型センサとを組み合わせたセンサを用いることもできる。
赤外線センサは、雰囲気温度と温度差のある物体(人間)が感知エリア内で移動したときに、その温度変化を赤外線を利用して検知することにより、センサ部71付近の人間の存在の有無や、人間までの距離を検知するセンサである。一方、超音波センサは、送波器により超音波を発信し、反射波を受波器で受信し、発信から受信までに要した時間と音速との関係を演算することにより、センサ部71付近の人間の有無や、人間までの距離を検出するセンサである。
また、これらのセンサのうち、指向性を有するものを単独または複数組み合わせて用いることにより、センサ部71から特定の方向の領域に存在する人間のみを検知することができる。
記憶部72には、人間の存在の有無を判断する領域である第1の検知領域S1および第2の検知領域S2が設定されている。
図13に示すように、第1の検知領域S1は、鉛直線方向(上方)から見たときに、スクリーン9a(91a)を含むように設定されている。このように、第1の検知領域S1をスクリーン9aを含むように設定することにより、スクリーン9a付近の人間の存在を見逃すことなく確実に検知することができる。
また、第1の検知領域S1は、鉛直方向から見たときに、センサ部71を中心とし、所定の拡がり角度をもって拡がりながら、センサ部71から所定の距離まで延びる扇形をなしている。これにより、表示面91a付近に存在する人間のみを検知することができる。
なお、第1の検知領域S1の形状および大きさは、プロジェクター2やスクリーン9a、9bの設置位置や、表示される画像の内容や大きさ等の条件に応じて決められるものであり、特に限定されない。例えば、第1の検知領域S1の形状は、センサ部71を中心とする半円形であってもよいし、長方形、正方向等の多角形であってもよく、また、スクリーン9aの表示面91aの中央部を中心とするものであってもよい。
このような第1の検知領域S1の大きさ(半径SR1)は、第1の検知領域S1のスクリーン9aから最も遠位な位置にいる人間からでも、表示面91aに表示された画像内容を認識(識別)できる程度の大きさであることが好ましい。これにより、第1の検知領域S1内に位置する全ての人間が、表示面91aに表示された画像の内容を認識することができることとなる。ここで、「画像の内容を識別できる程度」とは、例えば、表示面91aに表示された画像が人間の顔であった場合には、性別、おおよその年齢等を判別できたり、表示面91aに表示された画像が文字であった場合には、その文字が認識できたりすればよいことを意味している。
第2の検知領域S2は、鉛直線方向(上方)から見たときに、スクリーン9b(表示面91b)を含むように設定されている。このように、第2の検知領域S2をスクリーン9bを含むように設定することにより、スクリーン9b付近の人間の存在を見逃すことなく確実に検知することができる。
また、第2の検知領域S2は、前述した第1の検知領域S1と重複しないように設定されている。これにより、表示面91a付近に存在する人間と、表示面91b付近に存在する人間とを独立して簡単かつ確実に検知することができる。
また、本実施形態では、第2の検知領域S2は、前述した第1の検知領域S1と形状および大きさが等しくなっている。これにより、表示面91a付近に人間Hが存在する場合と、表示面91b付近に人間Hが存在する場合とで、同様の処理により人間Hの検知を行うことができる。そのため、人感センサ7の構成の簡単化を図るとともに、簡単かつ確実に、第1の状態と第2の状態とを適切に切り換えることができる。
なお、第2の検知領域S2の形状および大きさも、プロジェクター2やスクリーン9a、9bの設置位置や、表示される画像の内容や大きさ等の条件に応じて決められるものであり、特に限定されない。例えば、第2の検知領域S2の形状は、センサ部71を中心とする半円形であってもよいし、長方形、正方向等の多角形であってもよく、また、スクリーン9bの表示面91bの中央部を中心とするものであってもよい。また、第2の検知領域S2の形状および大きさは、それぞれ、前述した第1の検知領域S1と異なっていてもよい。
このような第2の検知領域S2の大きさ(半径SR2)は、第2の検知領域S2のスクリーン9bから最も遠位な位置にいる人間からでも、表示面91bに表示された画像内容を認識(識別)できる程度の大きさであることが好ましい。これにより、第2の検知領域S2内に位置する全ての人間が、表示面91bに表示された画像の内容を認識することができることとなる。
判断部73は、センサ部71が人間の存在を検知した場合に、前記人間とセンサ部71の離間距離(以下、単に「離間距離D」とも言う)、および、センサ部71と人間とを結ぶ線分の方向(以下、単に「方向」とも言う)に基づいて、前記人間が記憶部72に記憶された第1の検知領域S1および第2の検知領域S2のどちらの領域内に位置しているのかを判断する。そして、判断部73は、この判断結果を制御手段8に送信する。このような判断部73による判断は、リアルタイムで(連続的に)行ってもよく、また、間欠的に行ってもよい。
具体的には、記憶部72には、第1の検知領域S1の半径RS1および方向と第2の検知領域S2の外周の半径RS2および方向とがそれぞれ記憶されており、判断部73は、離間距離Dが半径RS1よりも小さく、かつ、方向が所定の第1の範囲内であれば、前記人間が第1の検知領域S1に位置していると判断し、離間距離Dが半径RS2よりも小さく、かつ、方向が前記第1の範囲とは異なる所定の第2の範囲内であれば、前記人間が第2の検知領域S2に位置していると判断する。なお、本実施形態では、センサ部71は、スクリーン9a、9bの近傍に設けられているため、離間距離Dをスクリーン9a、9b(表示面91a、91bの中心)と前記人間との離間距離とみなすことができる。そのため、上記のような判断方法によれば、より正確に、前記人間が第1の検知領域S1および第2の検知領域S2のいずれの領域に位置しているのかを正確に判断することができる。
以上、人感センサ7について説明したが、人感センサ7の構成としては、上記の構成に限定されない。例えば、センサ部71として、検知した人間との離間距離を測定することができないセンサを用いてもよい。この場合には、例えば、指向性を有する第1のセンサおよび第2のセンサを用意する。そして、第1のセンサの検知領域を表示面91aを含むように設置して第1の検知領域S1とし、第2のセンサの検知領域を表示面91bを含むように設置して第2の検知領域S2とする。これにより、第1のセンサが人間の存在を検知した場合には、第1の検知領域S1に人間が存在していると判断し、第2のセンサが人間の存在を検知した場合には、第2の検知領域S2に人間が存在していると判断することができる。この場合には、記憶部72を省略することができる。
また、例えば、センサ部71として、第1の検知領域S1の床下に設置された1つまたは複数の第1の圧力センサと、第2の検知領域S2の床下に設置された1つまたは複数の第2の圧力センサとを用いてもよい。この場合には、第1の圧力センサが反応すれば、第1の検知領域S1に人間が位置していると判断し、第2の圧力センサが反応すれば第2の検知領域S2に人間が位置していると判断すればよい。この場合にも、記憶部72を省略することができる。
また、センサ部71の数としては、本実施形態のような1つに限定されず、2以上のセンサ部71を配置してもよい。1つのセンサ部71では、第1の検知領域S1および第2の検知領域S2の全域をカバーできない場合などに有利である。
(制御手段)
制御手段8は、前述した人感センサ7の検知結果に基づいて、プロジェクター2および駆動手段6の駆動を制御するものである。
特に、この制御手段(切換手段)8は、人感センサ7の検知結果に基づいて、前述したプロジェクター2の第1の状態と第2の状態とを切り換える機能を有する。
すなわち、制御手段8は、第1の検知領域S1内と第2の検知領域S2内とのそれぞれの領域についてその領域内に人間が存在するか否かに基づいて、図14(a)に示すように表示面91aに画像を表示する第1の状態と、図14(b)に示すように表示面91bに画像を表示する第2の状態とを切り換える。
これにより、人間の動作に応じて画像の表示位置を切り換えることができる。その結果、人間に対して画像の存在をより認識させやすくすることができる。
このとき、前述したように、歪み補正手段5が第1の状態および第2の状態での画像の歪みを補正する。なお、図14では、歪み補正済みの画像および描画領域を実線で示し、歪み補正前の画像および描画領域を2点鎖線で示している。
より具体的に説明すると、制御手段8は、人感センサ7が第1の検知領域S1内に人間の存在を検知した場合には、第1の状態とし、人感センサ7が第1の検知領域S1内に人間の存在を検知しない場合には、第2の状態とする。これにより、第1の検知領域S1内に存在する人間に対して表示面91aの画像の存在を認識させやすくすることができる。特に、前述したように、表示面91aが第1の検知領域S1内に設定されているので、第1の検知領域S1に存在する人間に対して表示面91aの画像の存在をより認識させやすくすることができる。
また、制御手段8は、人感センサ7が第2の検知領域S2内に人間の存在を検知した場合には、第2の状態とし、人感センサ7が第2の検知領域S2内に人間の存在を検知しない場合には、第1の状態とする。これにより、第2の検知領域S2内に存在する人間に対して表示面91bの画像の存在を認識させやすくすることができる。特に、前述したように、表示面91bが第2の検知領域S2内に設定されているので、第2の検知領域S2に存在する人間に対して表示面91bの画像の存在をより認識させやすくすることができる。
また、制御手段8は、人感センサ7が第1の検知領域S1および第2の検知領域S2の双方の検知領域に人間の存在を検知した場合には、その検知のタイミングに応じていずれ一方の検知を優先すればよい。例えば、人感センサ7が第1の検知領域S1内に人間の存在を検知した後に、人感センサ7が第2の検知領域S2内に人間の存在を検知した場合、これらの検知状態が継続していて人感センサ7が第1の検知領域S1および第2の検知領域S2の双方の検知領域に人間の存在を検知していても、第2の状態とする。逆に、人感センサ7が第2の検知領域S2内に人間の存在を検知した後に、人感センサ7が第1の検知領域S1内に人間の存在を検知した場合、これらの検知状態が継続していて人感センサ7が第1の検知領域S1および第2の検知領域S2の双方の検知領域に人間の存在を検知していても、第1の状態とする。
また、人感センサ7が第1の検知領域S1および第2の検知領域S2の双方の検知領域に人間の存在を検知した場合、いずれか一方の検知を優先せずに、第1の状態と第2の状態とを所定時間間隔で切り換えてもよい。このような所定時間間隔での切り換えは、人感センサ7が第1の検知領域S1および第2の検知領域S2の双方の検知領域に人間の存在を検知した状態が所定時間長さ以上維持されたときのみ行ってもよい。
また、人感センサ7が第1の検知領域S1および第2の検知領域S2の双方の検知領域に人間の存在を検知していない場合、第1の状態または第2の状態のいずれかとしてもよいし、第1の状態と第2の状態とを所定時間間隔で切り換えてもよい。所定時間間隔で切り換える場合、その切り換えは、人感センサ7が第1の検知領域S1および第2の検知領域S2の双方の検知領域に人間の存在を検知していない状態が所定時間長さ以上維持されたときのみ行ってもよい。
また、人感センサ7が第1の検知領域S1および第2の検知領域S2の双方の検知領域に人間の存在を検知していない状態が所定時間長さ以上維持された場合、表示面91a、91bの双方に画像を表示させないように、プロジェクター2の駆動を制御することができる。換言すれば、人感センサ7が第1の検知領域S1または第2の検知領域S2内の人間の存在を検知した場合にのみ、表示面91a、91bに画像が表示されるように、プロジェクター2の作動を制御する。
このような制御により、表示面91a、91bに表示される画像を認識する可能性がある人間が存在しないにも関わらず、表示面91a、91bに画像を表示するといったプロジェクター2の無駄な駆動を防止することができる。すなわち、画像形成装置1の省電力駆動を図ることができるとともに、プロジェクター2の無駄な駆動をなくすことにより、プロジェクター2の長寿命化を図ることができる。
また、例えば、第1の検知領域S1または第2の検知領域S2内に進入した人間の存在を検知して、表示面91a、91bに画像が表示されると、前記人間は、表示面91a、91bに急に表示された画像に関心(興味)を持ち、表示面91a、91bに表示された画像を凝視する可能性もある。このようなことから、上述のような制御を行うことにより、スクリーン9a、9b付近を通過する人間に、表示面91a、91bに表示された画像に対して関心(興味)を持たせることができ、例えば、画像がコマーシャル、プロモーションビデオ等の宣伝であった場合には、すぐれた広告宣伝効果を発揮することができる。
また、制御手段8によるプロジェクター2の第1の状態と第2の状態との切り換えは、第1の検知領域S1内に人間が存在するか否かのみに基づいて行ってもよい。この場合、例えば、第1の検知領域S1に人間が存在する場合には、第1の状態とし、第1の検知領域S1に人間が存在しない場合には、第2の状態とすればよい。
同様に、制御手段8によるプロジェクター2の第1の状態と第2の状態との切り換えは、第2の検知領域S2内に人間が存在するか否かのみに基づいて行ってもよい。この場合、例えば、第2の検知領域S2に人間が存在する場合には、第2の状態とし、第2の検知領域S2に人間が存在しない場合には、第1の状態とすればよい。
このように第1の検知領域S1および第2の検知領域S2のうちの一方の検知領域内に人間が存在するか否かのみに基づいて、第1の状態と第2の状態とに切り換えても、人間の動作に応じて画像の表示位置を切り換えることができる。その結果、人間に対して画像の存在をより認識させやすくすることができる。また、必要時のみ画像を表示することができ、その結果、省電力化を図ることもできる。
以上説明したような本実施形態の画像形成装置1によれば、画像が表示される位置を変更することにより、表示面91a、91bの面積が比較的小さくても、画像形成装置1の周囲に存在する人間に対して画像の存在を認識させやすくすることができる。
また、画像が表示される位置を変更することにより、画像による表現力を高めることができる。
特に、画像形成装置1によれば、プロジェクター2自体を回動させることにより画像の位置を変更するので、画像の表示位置の変更可能な範囲(画像を表示可能な範囲)を大きくすることができる。そのため、比較的簡単かつ確実に、人間に対して認識させやすい所望の位置に画像を表示させることができる。
これらのようなことから、画像形成装置1は、表示する画像が小さくても、人間に対して画像の存在を認識させやすく、そして、画像の表現力を高めることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の画像形成装置の第2実施形態について説明する。
図15は、本発明の画像形成装置の第2実施形態を示す図である。
以下、第2実施形態の画像形成装置について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態の画像形成装置は、スクリーンを省略したこと以外は、第1実施形態とほぼ同様である。なお、図15にて、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
図15に示すように、画像形成装置1は、床Fの床面F1に設定された表示エリア(第1の描画領域)F11と、床面F1の表示エリアF11と異なる位置に設定された表示エリア(第2の描画領域)F12とに選択的に画像を表示するように構成されている。
このように、床面F1に直接、画像を表示することにより、前述した第1実施形態のようなスクリーンを配置する必要がなくなる。そのため、低コスト化を図ることができるとともに、床面F1であれば、どこにでも画像を表示することができるため、画像形成装置1の利便性が向上する。
このような第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の画像形成装置の第3実施形態について説明する。
図16は、本発明の画像形成装置の第3実施形態を示す図である。
以下、第3実施形態の画像形成装置について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第3実施形態の画像形成装置は、第1の描画領域、第2の描画領域および画像形成装置の配置が異なる以外は、第2実施形態とほぼ同様である。なお、図16にて、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
図16に示すように、画像形成装置1は、天井面C1に設定された表示エリア(第1の描画領域)C11と、天井面C1の表示エリアC11と異なる位置に設定された表示エリア(第2の描画領域)C12とに選択的に画像を表示するように構成されている。なお、図16では、表示エリアC11、C12には画像形成装置1側を下とするように画像が表示される例を図示している。
また、画像形成装置1は、壁Wに設けられている。より具体的には、画像形成装置1は、壁Wの天井Cとの境界部付近に設けられている。
すなわち、本実施形態では、前述した第2実施形態において、上下を逆にしたように、第1、2の描画領域および画像形成装置1が設置されている。
このような本実施形態にあっては、プロジェクター2から出射されるレーザー光LLの光路を、人間が通過する領域を避けるように設定することができるので、プロジェクター2から出射されたレーザー光LLが、例えば歩行者等に遮られるのをより確実に防止することができる。
このような第3実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の画像形成装置の第4実施形態について説明する。
図17は、本発明の画像形成装置の第4実施形態を示す図である。
以下、第4実施形態の画像形成装置について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第4実施形態の画像形成装置は、第1の描画領域、第2の描画領域および画像形成装置の配置が異なる以外は、第1実施形態とほぼ同様である。なお、図17にて、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
図17に示すように、画像形成装置1Aは、壁Wの壁面W1に設定された表示エリア(第1の描画領域)W11と、壁面W1の表示エリアW11と異なる位置に設定された表示エリア(第2の描画領域)W12とに選択的に画像を表示するように構成されている。
また、画像形成装置1Aは、壁面W1上に設置されている。すなわち、画像形成装置1Aは、表示エリアW11、W12と同一面上に設置されている。
このような配置によっても、互いに平行な2つの面の一方にプロジェクター2、他方に表示面91a、91bを設置する場合に比し、プロジェクター2から出射される光の光路長を短くすることができる。そのため、プロジェクター2から出射された光が、例えば歩行者等に遮られるのを防止または抑制することができる。
また、画像形成装置1Aは、表示エリアW11、W12の鉛直方向下側に設けられており、上方に向けてレーザー光LLを走査することで、表示エリアW11、W12に画像を表示(描画)するように構成されている。このように、プロジェクター2を表示エリアW11、W12の下側に配置することにより、表示エリアW11、W12に照射される外光の量を調節し易くなる。
このような第4実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第5実施形態>
次に、本発明の画像形成装置の第5実施形態について説明する。
図18は、本発明の画像形成装置の第5実施形態を示す図である。
以下、第5実施形態の画像形成装置について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第5実施形態の画像形成装置は、画像形成装置およびスクリーンの配置が異なる以外は、第1実施形態とほぼ同様である。なお、図18にて、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
本実施形態では、壁面W1上に画像形成装置1Bが設置され、床面F1にスクリーン9a、9bが設置されているが、スクリーン9aとスクリーン9bは、垂直走査方向(第2の方向)に並設されている。
特に、スクリーン9aの表示面91aを平面視したときに、スクリーン9bの表示面91bは、画像形成装置1B(プロジェクター)と表示面91aとを通る線分(プロジェクター2の光LLが出射する部分と表示面91aの中心とを通る直線)上に位置している。これにより、比較的簡単に、表示面91a、91bの歪みを補正することができる。
このような場合、第1の実施形態において、プロジェクター2(より具体的には支持部21)を垂直走査方向(第2の方向)に直交する方向に沿って設定された軸線まわりに回動させることにより、画像の表示位置の相違に起因する歪みを抑えつつ、表示面91a、91bに画像を選択的に表示することができる。
より具体的に説明すると、本実施形態では、図20(a)に示すように表示面91aに画像を表示する第1の状態と、図20(b)に示すように表示面91bに画像を表示する第2の状態とを切り換えるが、画像の補正を行わなくても、第1の状態と第2の状態とでは画像および表示領域の姿勢(向き)が同じになる。
したがって、本実施形態では、画像および描画領域の姿勢(向き)についての補正が不要となる。なお、図20(b)では、補正済みの画像を実線で示し、補正なしの画像を2点鎖線で示している。
また、本実施形態では、前述した第1実施形態で述べたように、第1の状態および第2の状態でそれぞれ台形補正を行うが、その補正の程度を第1の状態と第2の状態とで切り換える。すなわち、プロジェクター2の回動角度に応じて、台形補正の程度を調整する。これにより、表示面91aに表示される画像と、表示面91bに表示される画像とで、姿勢、形状および面積を等しくすることができる。
また、本実施形態では、図19に示すように、鉛直方向から見たときに、第1の検知領域S1は表示面91aを含むように設定され、第2の検知領域S2は表示面91bを含むように設定されている。
また、第1の検知領域S1および第2の検知領域S2は、それぞれ、鉛直方向から見たときに、センサ部71を中心とする半円形状をなしている。
また、このような第2の検知領域S2の大きさ(半径)は、第1の検知領域S1の大きさよりも大きくなっている。
また、本実施形態においては、判断部73は、センサ部71が人間の存在を検知した場合に、前記人間とセンサ部71の離間距離(以下、単に「離間距離D」とも言う)に基づいて、前記人間が記憶部72に記憶された第1の検知領域S1および第2の検知領域S2のどちらの領域内に位置しているのかを判断する。
このような第5実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第6実施形態>
次に、本発明の画像形成装置の第6実施形態について説明する。
図21は、本発明の画像形成装置の第6実施形態を示す図である。
以下、第6実施形態の画像形成装置について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第6実施形態の画像形成装置は、スクリーンの数および配置が異なる以外は、第1実施形態とほぼ同様である。なお、図21にて、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
図21に示すように、壁Wの壁面W1上に画像形成装置1Cが設定され、床Fの床面F1に3つのスクリーン9c、9d、9eが設置されている。
3つのスクリーン9c、9d、9eは、壁面W1に沿って、互いに間隔を隔てつつ、並設されている。図21では、図中の左側から右側へ、スクリーン9c、スクリーン9d、スクリーン9eがこの順で並設されている。
そして、画像形成装置1は、スクリーン9cに画像を表示する第1の状態と、スクリーン9dに画像を表示する第2の状態と、スクリーン9eに画像を表示する第3の状態とを選択的に切換可能となっている。
また、本実施形態では、人感センサ7が3つの検知領域S1、S2、S3のそれぞれにおける人間の存在の有無を検知可能となっている。
検知領域S1、S2、S3は、それぞれ、センサ部71を中心とした扇形をなしている。また、検知領域S1、S2、S3は、図21中の左側から右側へ、検知領域S3、検知領域S1、検知領域S2の順で並設されている。また、検知領域S1、S2、S3は、互いに隣接する検知領域に接するように設けられている。
検知領域(第1の検知領域)S1は、鉛直方向上方から見たときに、センサ部71からスクリーン9c上を通るように設定されている。
検知領域(第2の検知領域)S2は、鉛直方向上方から見たときに、検知領域S1の図18中右側に隣接し、センサ部71からスクリーン9d上を通るように設定されている。
検知領域(第3の検知領域)S3は、鉛直方向上方から見たときに、検知領域S1の検知領域S2とは反対側に隣接して設けられている。
このような各検知領域S1、S2、S3における人間の有無を人感センサ7が検知し、その検知結果に基づいて、スクリーン9cに画像を表示する第1の状態と、スクリーン9dに画像を表示する第2の状態と、スクリーン9eに画像を表示する第3の状態とが選択的に切り換えられる。
本実施形態では、図21に示すように、人間Hが図中右側から左側へ移動する場合、人感センサ7の検知結果に基づいて、人Hの移動に追従するように、第1の状態、第2の状態、第3の状態を切り換える。
具体的に説明すると、例えば、人感センサ7が検知領域S3内のみに人間の存在を検知した場合には、第1の状態とする。これにより、スクリーン9cの表示面91cに画像を表示し、画像形成装置1に近づいてきた人間に対して画像の存在を認識させやすくすることができる。例えば、図21に示す例のようにスクリーン9cの表示面91cに表示される画像が非常口のピクトグラムである場合、画像形成装置1に近付いてきた人間を非常口に導くためのきっかけを作ることができる。
また、人感センサ7が検知領域S1内のみに人間の存在を検知した場合には、第2の状態とする。これにより、スクリーン9dの表示面91dに画像を表示し、その画像を、前述した表示面91cへの画像表示によりスクリーン9cに近付いてきた人間に認識させやすくすることができる。例えば、図21に示す例のようにスクリーン9dの表示面91dに表示される画像が非常口の方向を示す矢印である場合、スクリーン9cに近付いてきた人間を非常口に導くことができる。
また、人感センサ7が検知領域S2内のみに人間の存在を検知した場合には、第3の状態とする。これにより、スクリーン9eの表示面91eに画像を表示し、その画像を、前述した表示面91dへの画像表示によりスクリーン9dに近付いてきた人間に認識させやすくすることができる。例えば、図21に示す例のようにスクリーン9eの表示面91eに表示される画像が非常口の方向を示す矢印である場合、スクリーン9dに近付いてきた人間を非常口により確実に導くことができる。
また、人感センサ7が検知領域S1、S2、S3のうちの少なくとも2つの検知領域内に同時に人間の存在を検知した場合、第1の状態、第2の状態、第3の状態を所定時間間隔で順次切り換えてもよいし、検知したタイミングが最先または最後の検知を優先して、上記と同様に切り換えてもよい。
また、人感センサ7が検知領域S1、S2、S3のいずれの検知領域内にも人間の存在を検知しない場合、第1の状態、第2の状態、第3の状態を所定時間間隔で順次切り換えてもよいし、第1の状態、第2の状態、第3の状態のいずれかの状態(例えば第1の状態)としてもよい。
なお、第1の状態、第2の状態、第3の状態の切り換えは、前述したものに限定されない。例えば、人感センサ7が検知領域S3内のみに人間の存在を検知したタイミングと、人感センサ7が検知領域S1内のみに人間の存在を検知したタイミングとに基づいて、人間Hの移動速度を算出し、その移動速度に応じて、第1の状態、第2の状態、第3の状態を順次切り換えてもよい。
このような第6実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第7実施形態>
次に、本発明の画像形成装置の第7実施形態について説明する。
図22は、本発明の第7実施形態に係る画像形成装置に備えられたプロジェクターの光スキャナーを示す模式的平面、図23は、図22中のB−B線断面図、図24は、図22に示す光スキャナーに備えられた駆動手段の電圧印加手段を示すブロック図、図25は、図24に示す電圧印加手段に備えられた第1の電圧発生部および第2の電圧発生部で発生する電圧の一例を示す図、図26は、本発明の第7実施形態に係る画像形成装置に備えられたプロジェクターの動作を説明するための図(aは、側面図、bは、正面図)である。なお、以下では、説明の便宜上、図22中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言い、図23中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第7実施形態の画像形成装置について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第7実施形態の画像形成装置は、プロジェクターが備える光スキャナーの構成が異なる点、および表示面91上の第1の方向の走査(水平走査)の軌跡が直線でない事以外は、第1実施形態とほぼ同様である。なお、図24および図26にて、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
光走査部4は、いわゆる2自由度振動系(2次元走査)の1つの光スキャナー45を有している。
光スキャナー45は、図22に示すような第1の振動系46aと第2の振動系46bと支持部46cとを備える基体46と、基体46と対向配置された対向基板47と、基体46と対向基板47との間に設けられたスペーサー部材48と、永久磁石491と、コイル492とを備えている。
第1の振動系46aは、枠状の支持部46cの内側に設けられた枠状の駆動部461aと、駆動部461aを支持部46cに両持ち支持する1対の第1の連結部462a、463aとで構成されている。
第2の振動系46bは、駆動部461aの内側に設けられた可動板461bと、可動板461bを駆動部461aに両持ち支持する1対の第2の連結部462b、463bとで構成されている。
駆動部461aは、図22の平面視にて、円環状をなしている。なお、駆動部461aの形状は、枠状をなしていれば特に限定されず、例えば、図22の平面視にて、四角環状をなしていてもよい。このような駆動部461aの下面には、永久磁石491が接合されている。
第1の連結部462a、463aは、それぞれ、長手形状をなしており、弾性変形可能である。第1の連結部462a、463aは、それぞれ、駆動部461aを支持部46cに対して回動可能とするように、駆動部461aと支持部46cとを連結している。このような、第1の連結部462a、463aは、互いに同軸的に設けられており、この軸(以下、「回動中心軸J3」という)を中心として、駆動部461aが支持部46cに対して回動するように構成されている。
第1の連結部462aには、駆動部461aの角度(回動中心軸J3まわりの回動角)(挙動)を検出するための圧電素子465aが設けられている。
可動板461bは、図22の平面視にて、円形状をなしている。なお、可動板461bの形状は、駆動部461aの内側に形成することができれば特に限定されず、例えば、図22の平面視にて、楕円形状をなしていてもよいし、四角形状をなしていてもよい。このような可動板461bの上面には、光反射性を有する光反射部464bが形成されている。
第2の連結部462b、463bは、それぞれ、長手形状をなしており、弾性変形可能である。第2の連結部462b、463bは、それぞれ、可動板461bを駆動部461aに対して回動可能とするように、可動板461bと駆動部461aとを連結している。このような第2の連結部462b、463bは、互いに同軸的に設けられており、この軸(以下、「回動中心軸J4」という)を中心として、可動板461bが駆動部461aに対して回動するように構成されている。
第2の連結部462bには、可動板461bの角度(回動中心軸J4まわりの回動角)(挙動)を検出するための圧電素子465bが設けられている。
図22に示すように、回動中心軸J3と回動中心軸J4とは、互いに直交している。また、駆動部461aおよび可動板461bの中心は、それぞれ、図22の平面視にて、回動中心軸J3と回動中心軸J4との交点上に位置している。なお、以下、説明の便宜上、回動中心軸J3と回動中心軸J4との交点を「交点G」ともいう。
図23に示すように、以上のような基体46は、スペーサー部材48を介して対向基板47と接合している。対向基板47の上面には、永久磁石491に作用する磁界を発生させるコイル492が設けられている。
永久磁石491は、図22の平面視にて、交点Gを通り、回動中心軸J3および回動中心軸J4のそれぞれの軸に対して傾斜した線分(この線分を「線分M」とも言う)に沿って設けられている。このような永久磁石491は、交点Gに対して長手方向の一方側がS極、他方側がN極となっている。図23では、永久磁石491の長手方向の左側がS極、右側がN極となっている。
図22の平面視にて、線分Mの回動中心軸J3に対する傾斜角θは、30〜60度であるのが好ましく、40〜50度であるのがより好ましく、ほぼ45度であるのがさらに好ましい。このように永久磁石491を設けることで、円滑に、可動板461bを回動中心軸J3および回動中心軸J4のそれぞれの軸まわりに回動させることができる。本実施形態では、線分Mは、回動中心軸J3および回動中心軸J4のそれぞれの軸に対して約45度傾斜している。
また、図23に示すように、永久磁石491の上面には、凹部491aが形成されている。この凹部491aは、永久磁石491と可動板461bとの接触を防止するための逃げ部である。このような凹部491aを形成することにより、可動板461bが回動中心軸J3まわりに回動する際、永久磁石491と接触してしまうことを防止することができる。
コイル492は、図22の平面視にて、駆動部461aの外周を囲むように形成されている。これにより、光スキャナー45の駆動の際、駆動部461aとコイル492との接触を確実に防止することができる。その結果、コイル492と永久磁石491との離間距離を比較的短くすることができ、コイル492から発生する磁界を効率的に永久磁石491に作用させることができる。
コイル492は、電圧印加手段493と電気的に接続されていて、電圧印加手段493によりコイル492に電圧が印加されると、コイル492から回動中心軸J3および回動中心軸J4のそれぞれの軸に直交する軸方向の磁界が発生する。
図24に示すように、電圧印加手段493は、可動板461bを回動中心軸J3まわりに回動させるための第1の電圧V1を発生させる第1の電圧発生部493aと、可動板461bを回動中心軸J4まわりに回動させるための第2の電圧V2を発生させる第2の電圧発生部493bと、第1の電圧V1と第2の電圧V2とを重畳し、その電圧をコイル492に印加する電圧重畳部493cとを備えている。
第1の電圧発生部493aは、第1実施形態の図9と同様、図25(a)に示すように、フレーム周波数の倍の周期T1で周期的に変化する第1の電圧V1(垂直走査用電圧)を発生させるものである。
第1の電圧V1は、三角波のような波形をなしている。そのため、光スキャナー45は、効果的に光を垂直往復走査(副走査)することができる。なお、第1の電圧V1の波形は、これに限定されない。ここで、第1の電圧V1の周波数(1/T1)は、垂直走査に適した周波数であれば、特に限定されないが、15〜40Hz(30Hz程度)であるのが好ましい。
本実施形態では、第1の電圧V1の周波数は、駆動部461aと1対の第1の連結部462a、463aとで構成された第1の振動系46aのねじり共振周波数と異なる周波数となるように調整されている。
一方、第2の電圧発生部493bは、図25(b)に示すように、周期T1と異なる周期T2で周期的に変化する第2の電圧V2(水平走査用電圧)を発生させるものである。
第2の電圧V2は、正弦波のような波形をなしている。そのため、光スキャナー45は、効果的に光を主走査することができる。なお、第2の電圧V2の波形は、これに限定されない。
また、第2の電圧V2の周波数は、第1の電圧V1の周波数より高く、かつ、水平走査に適した周波数であれば、特に限定されないが、10〜40kHzであるのが好ましい。このように、第2の電圧V2の周波数を10〜40kHzとし、前述したように第1の電圧V1の周波数を30Hz程度とすることで、スクリーンでの描画に適した周波数で、可動板461bを回動中心軸J3および回動中心軸J4のそれぞれの軸まわりに回動させることができる。ただし、可動板461bを回動中心軸J3および回動中心軸J4のそれぞれの軸まわりに回動させることができれば、第1の電圧V1の周波数と第2の電圧V2の周波数との組み合わせなどは、特に限定されない。
本実施形態では、第2の電圧V2の周波数は、可動板461bと1対の第2の連結部462b、463bとで構成された第2の振動系46bのねじり共振周波数と等しくなるように調整されている。これにより、可動板461bの回動中心軸J3まわりの回動角を大きくすることができる。
また、第1の振動系46aの共振周波数をf[Hz]とし、第2の振動系46bの共振周波数をf[Hz]としたとき、fとfとが、f>fの関係を満たすことが好ましく、f≧10fの関係を満たすことがより好ましい。これにより、より円滑に、可動板461bを回動中心軸J3まわりに第1の電圧V1の周波数で回動させつつ、回動中心軸J4まわりに第2の電圧V2の周波数で回動させることができる。
第1の電圧発生部493aおよび第2の電圧発生部493bは、それぞれ、歪み補正手段5に接続され、この歪み補正手段5からの信号に基づき駆動する。このような第1の電圧発生部493aおよび第2の電圧発生部493bには、電圧重畳部493cが接続されている。
電圧重畳部493cは、コイル492に電圧を印加するための加算器493dを備えている。加算器493dは、第1の電圧発生部493aから第1の電圧V1を受けるとともに、第2の電圧発生部493bから第2の電圧V2を受け、これらの電圧を重畳しコイル492に印加するようになっている。
以上のような構成の光スキャナー45は、次のようにして駆動する。
例えば、図25(a)に示すような第1の電圧V1と、図25(b)に示すような第2の電圧V2とを電圧重畳部493cにて重畳し、重畳した電圧をコイル492に印加する(この重畳された電圧を「電圧V3」ともいう)。
すると、電圧V3中の第1の電圧V1に対応する電圧によって、永久磁石491のS極側をコイル492に引き付けようとするとともに、N極側をコイル492から離間させようとする磁界と、永久磁石491のS極側をコイル492から離間させようとするとともに、N極側をコイル492に引き付けようとする磁界とが交互に切り換わる。これにより、第1の連結部462a、463aを捩れ変形させつつ、駆動部461aが可動板461bとともに、第1の電圧V1の周波数で回動中心軸J3まわりに回動する。
なお、第1の電圧V1の周波数は、第2の電圧V2の周波数に比べて極めて低く設定されており、また、第1の振動系46aの共振周波数は、第2の振動系46bの共振周波数よりも低く設計されている。そのため、第1の振動系46aは、第2の振動系46bよりも振動しやすくなっており、第1の電圧V1によって、可動板461bが回動中心軸J4まわりに回動してしまうことを防止することができる。
一方、電圧V3中の第2の電圧V2に対応する電圧によって、永久磁石491のS極側をコイル492に引き付けようとするとともに、N極側をコイル492から離間させようとする磁界と、永久磁石491のS極側をコイル492から離間させようとするとともに、N極側をコイル492に引き付けようとする磁界とが交互に切り換わる。これにより、第2の連結部462b、463bを捩れ変形させつつ、可動板461bが第2の電圧V2の周波数で回動中心軸J4まわりに回動する。
なお、第2の電圧V2の周波数が第2の振動系46bのねじり共振周波数と等しいため、第2の電圧V2によって、支配的に、可動板461bを回動中心軸J4まわりに回動させることができる。そのため、第2の電圧V2によって、可動板461bが駆動部461aとともに回動中心軸J3まわりに回動してしまうことを防止することができる。
以上のような光スキャナー45によれば、1つのアクチュエーターで2次元的にレーザー光(光)を走査でき、光走査部4の省スペース化を図ることができる。また、例えば、第1実施形態のように1対の光スキャナーを用いる場合には、これら光スキャナーの相対的位置関係を高精度に設定しなければならないが、本実施形態ではその必要がないため、製造の容易化を図ることができる。
また、本実施形態では、第1実施形態の図7とは異なり、図26に示すように光源ユニット3からレーザー光(光)LLを出射した光出射状態でそのレーザー光LLを表示面91上に2次元的に走査したときの、表示面91上でのレーザー光LLの軌跡である複数の描画ライン(走査ライン)Lは、ジグザグにかつ歪曲して配置される。
また、走査ラインが歪曲しているため、映像データ演算部52は、これから走査するライン上に描画すべき画素データに相当するデータ算出しながら、映像データ記憶部51から読み出し、描画タイミング生成部53から入力された描画タイミング情報に基づいて、各種の補正演算等を行った後、各色の輝度データを光源変調部54に送出する。
上記以外の処理に関しては、第1実施形態と同様の処理を行う。
このような第7実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
以上、本発明の画像形成装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、前記実施形態では、画像形成装置として、スクリーン上に画像を描画するや、壁、床、天井などに画像を描画するものについて説明したが、これに限定されず、例えば、光拡散板等を用いて、透過・拡散光を反対側から見てもよい。
なお、プロジェクターおよび第1、2の描画領域の配置は、前述した実施形態に限定されない。例えば、プロジェクターが第1の壁面に設置され、第1の描画領域および第2の描画領域が第1の壁面に直交する第2の壁面に設定されていてもよい。また、プロジェクターが天井面に設置され、第1の描画領域および第2の描画領域が壁面に設定されていてもよい。また、互いに平行な面(例えば、壁面同士、床面と天井面)の一方にプロジェクターを設置し、他方に第1の描画領域および第2の描画領域を設定してもよい。
また、前述した実施形態では、駆動手段の駆動源としてモータを用いた例を説明したが、これに限定されず、例えば、ソレノイド等であってもよい。
また、前述した実施形態では、モータの駆動力を1対のギアを用いて支持部に伝達する例を説明したが、これに限定されず、例えば、ベルトドライブのような方式であってもよく、また、モータの軸が直接支持部に取り付けられた構成であってもよい。
また、前記第1実施形態では、光走査部として、1対の光スキャナーを用いたが、これに限定されず、例えば光スキャナーと、ガルバノミラーとを用いてもよい。この場合には、ガルバノミラーを垂直走査用とするのが好ましい。
また、本実施形態では、第1の方向を「水平方向」、第2の方向を「垂直方向」としたが、本発明では、これに限らず、例えば、第1の方向を「垂直方向」、第2の方向を「水平方向」としてもよい。
また、前記実施形態では、3つのダイクロイックミラーを用いて、赤色レーザー光、緑色レーザー光、青色レーザー光を結合して1つのレーザー光(光)を出射しているが、ダイクロイックプリズム等を用いて結合しても良い。
また、前述した実施形態では、光源ユニット3が、赤色のレーザーを出射するレーザー光源と、青色のレーザーを出射するレーザー光源と、緑色のレーザーを出射するレーザー光源とを有する構成について説明したが、これに限定されず、例えば、赤色のレーザーを出射するレーザー光源と、青色のレーザーを出射するレーザー光源と、紫外のレーザーを出射するレーザー光源とを備えていてもよい。この場合、スクリーンに、紫外レーザーが照射されることにより緑色の蛍光を発生する蛍光体を含んでおく。これにより、表示面にフルカラーの画像を表示することができる。
1、1A、1B、1C……画像形成装置 11……筐体 111……取付部 2……プロジェクター 21……支持部 22……軸部 23……軸受 3……光源ユニット 31r、31g、31b……レーザー光源 310r、310g、310b……駆動回路 320r、320g、320b……光源 32r、32g、32b……コリメーターレンズ 33r、33g、33b……ダイクロイックミラー 4……光走査部 41……光スキャナー 411……基体 411a……可動板 411b……支持部 411c、411d……連結部 411e……光反射部 412……スペーサー部材 413……対向基板 414……永久磁石 415……コイル 416……電圧印加手段 417……駆動手段 42……光スキャナー 421a……可動板 421e……光反射部 427……駆動手段 43……角度検出手段 431……圧電素子 432……起電力検出部 433……角度検知部 44……角度検出手段 45……光スキャナー 46……基体 46a……第1の振動系 46b……第2の振動系 46c……支持部 461a……駆動部 461b……可動板 462a、463a……第1の連結部 462b、463b……第2の連結部 464b……光反射部 465a、465b……圧電素子 47……対向基板 48……スペーサー部材 491……永久磁石 491a……凹部 492……コイル 493……電圧印加手段 493a……第1の電圧発生部 493b……第2の電圧発生部 493c……電圧重畳部 493d……加算器 5……歪み補正手段 51……映像データ記憶部 52……映像データ演算部 53……描画タイミング生成部 54……光源変調部 55……振れ角演算部 56……角度指示部 57……検量線記憶部 6……駆動手段 61……第1ギア 62……第2ギア 63……モータ 631……軸部 7……人感センサ 71……センサ部 72……記憶部 73……判断部 8……制御手段 9a、9b、9c、9d、9e……スクリーン 91a、91b、91c、91d、91e……表示面 911a……描画領域 912a……描画可能領域 J1、J2、J3、J4……回動中心軸 L……描画ライン LL……レーザー光 S1……第1の検知領域 S2……第2の検知領域 S3……第3の検知領域 W……壁 W1……壁面 W11、W12、F11、F12、C11、C12……表示エリア F……床 F1……床面 C……天井 C1……天井面 G……交点 H……人間 M……線分 X1……軸線

Claims (12)

  1. 所定の軸線まわりに回動可能に支持され、その回動により、第1の表示面に形成される第1の描画領域に光を走査することにより画像を表示する第1の状態と、前記第1の描画領域とは異なる位置で前記第1の表示面または前記第1の表示面とは異なる第2の表示面に形成される第2の描画領域に光を走査することにより画像を表示する第2の状態とを切換可能に構成されたプロジェクターと、
    前記プロジェクターを回動させる駆動手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記プロジェクターは、光を出射する光出射部と、
    前記光出射部から出射した光を互いに直交する第1の方向および第2の方向にそれぞれ走査する光走査部とを有する請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記光走査部は、前記光出射部から出射した光を反射させる光反射部を備えた可動板が一軸または互いに直交する二軸まわりに回動可能に設けられ、当該回動によって前記光反射部で反射した光を走査する光スキャナーを有する請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記プロジェクターは、前記光出射部および前記光走査部を支持する支持部を有し、前記光出射部および前記光走査部を前記支持部ごと前記所定の軸線まわりに回動可能に構成されている請求項2または3に記載の画像形成装置。
  5. 前記所定の軸線は、前記第1の方向または前記第2の方向に直交する方向に沿って設定されている請求項2ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記駆動手段は、モータを備える請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記第1の描画領域と前記第2の描画領域とが互いに重ならないように設定されている請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記第1の描画領域および前記第2の描画領域は、同一平面上に形成され、
    前記プロジェクターは、当該平面上またはこれに直交する平面上に設置されている請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 前記第1の描画領域を平面視したときに、前記第2の描画領域は、前記プロジェクターと前記第1の描画領域とを通る線分上に位置している請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記第1の描画領域と前記プロジェクターとの離間距離と、前記第2の描画領域と前記プロジェクターとの離間距離とが、互いに等しい請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置。
  11. 前記第1の表示面および前記第2の表示面は、それぞれ、壁、床、天井またはこれらに設置されたスクリーンの表面である請求項1ないし10のいずれかに記載の画像形成装置。
  12. 前記プロジェクターを収納する筐体を有し、
    前記プロジェクターは、前記筐体に対して前記所定の軸線まわりに回動可能に支持されている請求項1ないし11のいずれかに記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018060019A (ja) * 2016-10-04 2018-04-12 矢崎総業株式会社 車両用表示装置

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