JP2011106934A - 混合物の混合率計測方法 - Google Patents

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佑介 柏原
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義孝 澤
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Abstract

【課題】通常の方法では測定困難な条件下である、炉内に装入された原料の混合率の測定のような場合においても、混合物の混合率を計測可能な、混合物の混合率計測方法を提供すること。
【解決手段】熱拡散率が異なる2種類の物質からなる混合物について、前記混合物を加熱した際の温度変化を計測し、該計測結果の伝熱解析により得られる前記混合物の平均熱拡散率と、前記2種類の物質の各々の熱拡散率とを用いて、前記混合物の質量混合率を算出することを特徴とする混合物の混合率計測方法を用いる。放射温度計を用いて温度変化を計測すること、高炉内に装入された状態での原料の混合率を計測することが好ましい。
【選択図】図3

Description

本発明は、2種類の物質からなる混合物の混合率を計測する方法に関し、特に高炉装入原料に好適に使用できる混合物の混合率計測方法に関する。
混合物の混合率を直接計測することは困難である。混合前に、混合するそれぞれの物質の質量測定を行うことが可能であれば問題ないが、混合後の混合物についての混合率を知りたい場合は、例えば篩い分けにより混合物を分離して、混合物質それぞれの質量測定を行う方法が一般的である。
混合物の混合率を直接計測する方法として、磁気検出用素子で実測した出力電圧値を用いる方法などがあることは知られている。最近では、例えば、特許文献1においては、電磁気的性質の異なる複数種類の物質の混合物を、交流電流を印加した中空のコイルの内側に配置、またはコイルの軸方向に通過させて、コイルに発生する出力電圧を測定し、該出力電圧にもとづいて混合物中の物質の混合率を計測する方法が開示されている。
特開2007−155570号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では、電磁気的性質の異なる複数種類の物質の混合物を、交流電流を印加した中空のコイルの内側に配置、またはコイルの軸方向に通過させることが必要であり、工場内等の製造現場で用いる場合などは、装置の設置場所などが限定される可能性がある。
また、特許文献1に記載の方法を、例えば高炉に装入する原料の混合率の計測に用いる場合、装入される原料中の物質の混合率を装入前に容易に求めることが可能となるが、装入後に炉内に堆積する時に、混合物の一部が粒度差に起因して分離、偏析する現象が発生するため、装入後の炉内に堆積した後の原料の混合率を正確に計測したい場合もある。しかしこのような場合に特許文献1に記載の方法を適用することは困難である。また炉内測定に関しては、原料が装入された表面位置になんらかのセンサーを設置することも考えられるが、炉内に頻繁に原料が落下している状態では、装置の機械的強度が必要であり、さらに炉内は高温、高圧条件であり、装置の熱的強度も必要であることから、装置の耐久性等の観点からも、現実的ではない。
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、通常の方法では測定困難な条件下である、炉内に装入された原料の混合率の計測のような場合においても、混合物の混合率を計測可能な、混合物の混合率計測方法を提供することにある。
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
(a)熱拡散率が異なる2種類の物質からなる混合物について、前記混合物を加熱した際の温度変化を計測し、該計測結果の伝熱解析により得られる前記混合物の平均熱拡散率と、前記2種類の物質の各々の熱拡散率とを用いて、前記混合物の質量混合率を算出することを特徴とする混合物の混合率計測方法。
(b)放射温度計を用いて温度変化を計測することを特徴とする(a)に記載の混合物の混合率計測方法。
(c)高炉内に装入された状態での原料の混合率を計測することを特徴とする(a)または(b)に記載の混合物の混合率計測方法。
本発明によれば、混合物中の各物質の混合率を容易にかつ精度良く求めることができる。また放射温度計を用いる場合は、混合率の計測を離れた位置から非接触で行うことができるので、計測に用いる測定装置のセンサー部分を測定場所に近づける操作をする必要がなく、高温、高圧下であっても混合物の混合率を容易に求めることが可能となる。
本発明の効果を確認するための実験装置の概略図。 混合物の混合率と平均熱拡散率の関係を示すグラフ。 各条件における混合率の比較を示すグラフ。
本発明では物質の伝熱特性の違いとして、特に熱拡散率(α)の違いを用いて混合率を計測する。したがって、互いに熱拡散率の異なる物質の混合物でなければ、各物質の混合率を計測することはできないことになる。本発明では互いに熱拡散率の異なる「2種類」の固体物質からなる混合物における混合率の計測を対象としている。
混合物の混合率は、混合物の熱拡散率を求めることで算出する。熱拡散率は、混合物を加熱した際の、混合物の温度変化を計測することで求めることができる。温度測定には、放射温度計を用いることが好ましい。放射温度計は物体から放射される赤外線や可視光線の強度を測定して、物体の温度を測定する温度計であるので、測定を高速に行うことができ、非接触で測定可能であるため、混合率の計測に用いるのに好適である。
互いに熱拡散率が異なる2種類の物質からなる混合物の温度変化を、加熱しながら連続的に測定し、伝熱解析(伝熱シミュレーション)を行うことで混合物の平均熱拡散率を算出する。そして、それぞれ単独の物質での熱拡散率を使用して混合率を検出することができる。単独の物質での、各々の熱拡散率は、測定して求めても良いし、文献値を用いても良い。なお、熱拡散率(α)は熱伝導度/(密度・比熱)である(α=λ/(ρ・CP))。
連続的に測定された混合物の温度について、下記(1)式の1次元の熱伝導方程式を用いて伝熱解析を行う。
Figure 2011106934
但し、T:温度(K)
t:時間(s)
x:厚さ(m)
λ:混合物熱伝導度(W/m/K)
ρ:混合物密度(kg/m3
P:混合物比熱(J/kg/K)
である。混合物が形成する混合層の厚さ方向について、一端(境界条件:一定温度)から加熱し、他端は大気に接している(境界条件:熱伝達を考慮した大気温度)ものとして、数値計算によって混合物の表面温度(他端の温度)を計算する。この時、混合物の熱拡散率(α=λ/(ρ・CP))は、計算結果が測定された温度変化に一致する値に決定して、その値を基に混合率を算出する。例えば熱拡散率が大きい物質は温度変化が早く、熱拡散率が小さい物質は温度変化が遅いことから、混合率によって温度変化の速度が変わることになる。
上記の原理を応用することで、混合物質の混合率を計測することができる。互いに伝熱特性の異なる2種類の物質は、混合率に応じて混合物の平均熱拡散率が変わるため、測定された温度の経時変化を再現する伝熱解析によって混合物の混合率が算出可能となる。このとき、あらかじめ混合物を構成する各物質の混合率と平均熱拡散率に関する検量線を作成しておくことで、算出された平均熱拡散率から容易に各物質の混合率を計測することができる。検量線は、混合率が既知の混合物について、混合率を変化させて熱拡散率を測定した実験から作成することや、単独の物質での、各々の熱拡散率の値(文献値)から混合率に応じた値として作成することができる。なお、求められる混合率は、質量割合での混合率となる。
2種類の物質の熱拡散率の差は、大きいほど混合率の計測精度が向上する。熱拡散率の差が小さい場合には、平均熱拡散率を、より高温で測定する、または測定の際の混合物の層の厚さを増すなどの対策が考えられる。
本発明は物質の伝熱特性を利用するものであるので、2種類の物質の粒径の差が小さい場合も、大きい場合も、あまり影響を受けずに混合率を求めることが可能である。したがって、篩い分け等を用いて2種類の物質を分離して混合率を求めることが困難である粒径の差が小さい場合であっても、精度よく混合率を計測できる。
本発明は、高炉内に装入された原料の混合率の計測に用いることが好ましい。高炉内に装入された状態の原料の混合率は、従来技術では計測困難であるが、高炉装入原料においては、例えば、熱拡散率が高い物質であるコークスと熱拡散率が低い物質である焼結鉱を混合して使用するため、本発明が適用可能となる。焼結鉱とコークスとを混合した物質が炉内に装入され、加熱される際の温度を連続的に測定すると、混合率に応じて測定温度の経時変化に差が生じることから、上記(1)式による伝熱解析を用いて平均熱拡散率を算出することで混合物の混合率を算出することができる。高炉炉頂では暗視カメラで炉内状況を観察していることから、その近辺に放射温度計を設置し、炉内堆積面における温度測定をおこない、これにより混合率の計測を行うことが好ましい。
本発明方法を用いて混合物の混合率の計測を行った。伝熱特性の異なる2種類の物質として、本実施例においては高炉装入原料として使用されている焼結鉱(α=2.8×10-7)と、コークス(α=6.6×10-7)とを使用した。図1に計測に用いた実験装置を示す。加熱器1上に設置された耐熱性の容器2中に焼結鉱とコークスとの混合物3を装入し、加熱器1により混合物を一定温度(約70℃)になるまで放射温度計を使用して約1秒間隔で連続的に温度測定を行い、伝熱解析によって温度測定結果に一致する熱拡散率を算出した。図1中の矢印は放射温度計4の測定方向を示す。放射温度計の放射率の設定は0.95とし、測定距離は100mmとした。焼結鉱とコークスとの混合物3の粒子径は2.0〜2.8mmであった。焼結鉱とコークスとの混合率を変更して同様に温度測定を行い、各混合率における平均熱拡散率を求めた。結果を図2に示す。なお、図2の横軸は各水準で設定したコークス混合率(質量%)を表わしている。
この温度測定を基に伝熱解析を行って、あらかじめ作成された検量線から算出した混合率(推定混合率)と、各水準で設定した混合率(設定混合率)との比較を行った。検量線は焼結鉱とコークスとの熱拡散率(文献値)から作成した。結果を図3に示す。設定値であるコークス設定混合率と、計測値であるコークス推定混合率はほぼ一致しており、本発明方法が混合物の混合率計測方法として有効であることが確認された。
1 加熱器
2 容器
3 混合物
4 放射温度計

Claims (3)

  1. 熱拡散率が異なる2種類の物質からなる混合物について、前記混合物を加熱した際の温度変化を計測し、該計測結果の伝熱解析により得られる前記混合物の平均熱拡散率と、前記2種類の物質の各々の熱拡散率とを用いて、前記混合物の質量混合率を算出することを特徴とする混合物の混合率計測方法。
  2. 放射温度計を用いて温度変化を計測することを特徴とする請求項1に記載の混合物の混合率計測方法。
  3. 高炉内に装入された状態での原料の混合率を計測することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の混合物の混合率計測方法。
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