JP2011106895A - Fcc触媒粒子の自動計測装置 - Google Patents
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- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
Abstract
【課題】FCC触媒粒子の濃度だけでなく、その粒度分布まで精度良く求め得るようにしたFCC触媒粒子の自動計測装置を提供する。
【解決手段】燃料油の試料をガラス面に固定保持する試料固定治具1と、近赤外線を上向きに照射して試料を照らす光源2と、試料固定治具1の直上に配置されて試料の一部を拡大して視野に捕える顕微鏡3と、該顕微鏡3により拡大された試料の一部を撮像するモノクロエリアカメラ(撮像装置)4と、顕微鏡3の視野を変更してモノクロエリアカメラ4により試料の所定面積分を撮像し得るよう試料固定治具1を縦横に移動させるX−Yテーブル5と、モノクロエリアカメラ4で撮像された各画像を画像処理することにより該各画像からFCC触媒粒子を判別して粒子数及び粒子径を測定し且つこれに基づきFCC触媒粒子の濃度及び粒径分布を算出する演算装置(コンピュータ)6とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】燃料油の試料をガラス面に固定保持する試料固定治具1と、近赤外線を上向きに照射して試料を照らす光源2と、試料固定治具1の直上に配置されて試料の一部を拡大して視野に捕える顕微鏡3と、該顕微鏡3により拡大された試料の一部を撮像するモノクロエリアカメラ(撮像装置)4と、顕微鏡3の視野を変更してモノクロエリアカメラ4により試料の所定面積分を撮像し得るよう試料固定治具1を縦横に移動させるX−Yテーブル5と、モノクロエリアカメラ4で撮像された各画像を画像処理することにより該各画像からFCC触媒粒子を判別して粒子数及び粒子径を測定し且つこれに基づきFCC触媒粒子の濃度及び粒径分布を算出する演算装置(コンピュータ)6とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、FCC触媒粒子の自動計測装置に関するものである。
一般的に、舶用ディーゼル機関で使用される低質の燃料油(C重油)には、FCC(Fuel cracking catalyst:燃料改質触媒)触媒粒子が残留しているが、このFCC触媒粒子は、シリカやアルミナを含む硬質の微粒子であるため、その大きさや量によっては、燃料噴射ポンプやピストンリング、ピストンシリンダ等に異常摩耗が発生する虞れがある。
即ち、従来より用いられているFCC法(fluid catalytic cracking process:流動接触分解法)では、高沸点留分に微細なFCC触媒粒子を混合し、高温で分解して高いオクタン価のガソリンを製造するようにしており、ここで用いられるFCC触媒粒子は、サイクロンにより分解生成物と分離されるようになっているが、低質の燃料油では、FCC触媒粒子の一部が分解残油に混入したまま残ってしまっているのが実情である。
このため、舶用ディーゼル機関で低質の燃料油を使用するにあたっては、遠心式油清浄機等により前処理を施してから舶用ディーゼル機関への導入を行うようにしており、その機関入口で燃料油を試料として採取し、その燃料油を使用しても航行中にトラブルが発生する虞れがないかどうかを判断する必要があるが、従来においては、図4に示す如き油中懸濁物検知装置を使用し、燃料油中に含まれるFCC触媒粒子を検出することが提案されている(下記の特許文献1を参照)。
図4の油中懸濁物検知装置は、燃料油中から濾過分離された粒子を間隙で保持する炭素電極a,bと、これらの炭素電極a,bを介して間隙にアーク弧cを発生させるアーク原子化装置dと、前記間隙で発光する光を集光する集光レンズeと、該集光レンズeで集光した光を導く光ファイバfと、該光ファイバfで導かれた光を分光する分光器gと、該分光器gで分光した光の強度を検出する検出器hと、該検出器hで検出した光の強度を特定の波長について取り込み表示するデータ処理装置iとを備えた構成となっている。
而して、このような油中懸濁物検知装置を使用した場合に、燃料油中より濾過された粒子を一方の炭素電極bの小さな凹部に入れて固定し、アーク弧cを発生させて粒子を溶融させると、溶融した粒子が発光して元素特有の発光スペクトルを放出するので、Al,Siのスペクトルを分光器gにて分光して各スペクトルを検出器hに通すと、任意の波長範囲の発光スペクトルとAl,Siの発光強度が得られ、これらAl,Siの発光強度と発光スペクトルがデータ処理装置iの画面上に表示されてFCC触媒粒子の存在有無が確認でき、Al/Si比やFCC触媒粒子濃度もアウトプットされる。
即ち、Al,Siの発光スペクトルを確認することでFCC触媒粒子の有無を確認すると共に、Al,Siの発光スペクトル強度を測定することで予め作成したAl,Si濃度検量線からAl,Si濃度を定量し且つAl/Si比を求め、このAl/Si比からFCC触媒粒子であるか定性分析(判別)すると共に、Al又はSiの量からFCC触媒粒子の量を定量分析するようにしている。
しかしながら、斯かる従来手段においては、Al,Siの発光スペクトルを利用した間接的な計測となっている上、FCC触媒粒子の粒径分布を全く考慮しない計測となっているため、FCC触媒粒子濃度を精度良く計測することが難しく、その結果から舶用ディーゼル機関に使用した時の危険度を正確に判断することも難しいという問題があった。
例えば、Al,Si濃度検量線を予め作成しておくにあたり、その作成時に用いた試料のFCC触媒粒子の粒径分布は、今回の実計測で用いた試料のFCC触媒粒子の粒径分布と必ずしも一致しないものと考えられるが、粒径分布が発光スペクトル強度に及ぼす影響を全く考慮しないままAl,Si濃度を定量しても、Al,Si濃度を正確に求めることは困難であり、ましてや、このようにして求めたAl,Si濃度に基づきFCC触媒粒子の濃度を求めても、高い精度を期待することは難しいものと考えられる。
また、FCC触媒粒子が同じ濃度として測定されたとしても、その粒径分布が異なれば、舶用ディーゼル機関に使用した時の危険度は自ずから異なるものと考えられるが、前述の従来手段にあっては、FCC触媒粒子の粒径分布を計測するようにはなっておらず、舶用ディーゼル機関に使用した時の危険度を正確に判断することは難しいものと考えられる。
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、FCC触媒粒子の濃度だけでなく、その粒度分布まで精度良く求め得るようにしたFCC触媒粒子の自動計測装置を提供することによって、試料として測定した燃料油を舶用ディーゼル機関に使用した時の危険度を正確に判断し得るようにすることを目的とする。
本発明は、燃料油の試料をガラス面に固定保持する試料固定治具と、該試料固定治具のガラス面直下から近赤外線を上向きに照射して前記試料を照らす光源と、前記試料固定治具の直上に配置されて前記試料の一部を拡大して視野に捕える顕微鏡と、該顕微鏡により拡大された試料の一部を撮像する撮像装置と、前記顕微鏡の視野を変更して前記撮像装置により前記試料の所定面積分を撮像し得るよう試料固定治具を縦横に移動させるX−Yテーブルと、前記撮像装置で撮像された各画像を画像処理することにより該各画像からFCC触媒粒子を判別して粒子数及び粒子径を測定し且つこれら粒子数及び粒子径に基づきFCC触媒粒子の濃度及び粒径分布を算出する演算装置とを備えたことを特徴とするものである。
また、本発明においては、算出されたFCC触媒粒子の粒径分布に基づき該粒径分布と実際の異常摩耗発生との相関関係から使用危険度を算出し得るように演算装置を構成することが好ましい。
上記した本発明のFCC触媒粒子の自動計測装置によれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。
(I)X−Yテーブルにより試料固定治具を縦横に移動させて顕微鏡の視野を変更しながら燃料油の試料の所定面積分を撮像装置により撮像し、各画像を演算装置により画像処理して該各画像からFCC触媒粒子を判別し、その粒子数及び粒子径を測定すると共に、これら粒子数及び粒子径に基づきFCC触媒粒子の濃度及び粒径分布を算出するようにしているので、燃料油の試料に含まれるFCC触媒粒子の粒子数及び粒子径を直接的に画像に捕えて該試料中のFCC触媒粒子の濃度及び粒度分布を精度良く求めることができ、前記燃料油を舶用ディーゼル機関に使用した時の危険度を正確に判断することができる。
(II)近赤外線を光源とすることで燃料油の試料に関し希釈や濾過等といった前処理を不要とすることができ、しかも、作業者の熟練度に拘わらず試料中のFCC触媒粒子の濃度及び粒度分布を精度良く短時間のうちに自動計測できるので、作業者の負担を大幅に軽減することができる。
(III)算出されたFCC触媒粒子の粒径分布に基づき該粒径分布と実際の異常摩耗発生との相関関係から使用危険度を算出し得るように演算装置を構成しておけば、該演算装置により燃料油の使用危険度を自動的に判断させることができ、その危険性を表示器等へ表示させて作業者に注意を喚起させることができる。
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1〜図3は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図1中における符号の1は燃料油の試料をガラス面に固定保持する試料固定治具を示し、該試料固定治具1のガラス面直下には、近赤外線を上向きに照射して前記試料を照らす光源2が配置されており、前記試料固定治具1の直上には、前記試料の一部を拡大して視野に捕える顕微鏡3と、該顕微鏡3により拡大された試料の一部を撮像するモノクロエリアカメラ(撮像装置)4とが配置されている。
ここで、前記光源2で近赤外線により試料を上向きに照らすようにしている理由は、舶用ディーゼル機関で使用されるような低質の燃料油(C重油)が黒色で、通常光源ではFCC触媒粒子を顕微鏡3で捕えることができないからである。
また、前記試料固定治具1は、X−Yテーブル5により支持されていて、該X−Yテーブル5のX軸モータ5a及びY軸モータ5bの駆動により縦横に移動できるようになっており、この移動により前記顕微鏡3の視野を変更して前記モノクロエリアカメラ4により前記試料の所定面積分を撮像し得るようにしてある。
更に、前記モノクロエリアカメラ4は、所要場所に設置した演算装置(コンピュータ)6と接続されていて該演算装置6に撮像データを送信できるようになっており、前記モノクロエリアカメラ4で撮像された各画像を画像処理することにより該各画像からFCC触媒粒子を判別して粒子数及び粒子径を測定し且つこれら粒子数及び粒子径に基づきFCC触媒粒子の濃度及び粒径分布を算出し得るようにしてある。
即ち、光源2で近赤外線により照らされた試料は、図2に一例を示すようにモノクロエリアカメラ4により撮像されるので、演算装置6において、例えば背景色との濃淡の差から所定の閾値に基づき画像を2値化する等して画像からのFCC触媒粒子の抽出を行い、その粒子数のカウント及び粒子径を判別して測定し、更なる演算処理によりFCC触媒粒子の濃度及び粒径分布を算出するようになっている。
この際、図3に別の撮像例を示している通り、画像中に写っている気泡は、その中心が白く写るため、画像処理で判別してFCC触媒粒子の粒子数のカウントから除外することができる。
また、特に本形態例においては、算出されたFCC触媒粒子の粒径分布に基づき該粒径分布と実際の異常摩耗発生との相関関係から前記演算装置6で使用危険度を算出し得るようになっており、その結果をFCC触媒粒子の濃度及び粒径分布と共にPCモニタ(表示器)7に表示できるようにしてある。
尚、前記X−Yテーブル5のX軸モータ5a及びY軸モータ5bの駆動を担うモータドライバ8,9は、前記モノクロエリアカメラ4による撮像タイミングと連動して適切な顕微鏡3の視野が選定されるよう前記演算装置6により制御されていることは勿論である。
また、図1中の符号10はX−Yテーブル5のモータドライバ8,9用の電源、11は光源2用の電源、12はモノクロエリアカメラ4用の電源、13は演算装置6への入力用キーボード、14は演算装置6のマウスを夫々示している。
以下、本形態例の作用について説明する。
演算装置6によりX−Yテーブル5とモノクロエリアカメラ4とを連動させて制御し、X−Yテーブル5により試料固定治具1を縦横に移動させて顕微鏡3の視野を変更しながら燃料油の試料の所定面積分をモノクロエリアカメラ4により撮像すると、各画像が演算装置6により画像処理されて該各画像からFCC触媒粒子が判別され、その粒子数及び粒子径が測定されると共に、これら粒子数及び粒子径に基づきFCC触媒粒子の濃度及び粒径分布が算出され、その結果がPCモニタ7に表示される。
この際、前記演算装置6においては、算出されたFCC触媒粒子の粒径分布に基づき該粒径分布と実際の異常摩耗発生との相関関係から使用危険度が自動的に判断され、その危険性についても前記FCC触媒粒子の濃度及び粒径分布と併せてPCモニタ7に表示される。
従って、上記形態例によれば、X−Yテーブル5により試料固定治具1を縦横に移動させて顕微鏡3の視野を変更しながら燃料油の試料の所定面積分をモノクロエリアカメラ4により撮像し、各画像を演算装置6により画像処理して該各画像からFCC触媒粒子を判別し、その粒子数及び粒子径を測定すると共に、これら粒子数及び粒子径に基づきFCC触媒粒子の濃度及び粒径分布を算出するようにしているので、燃料油の試料に含まれるFCC触媒粒子の粒子数及び粒子径を直接的に画像に捕えて該試料中のFCC触媒粒子の濃度及び粒度分布を精度良く求めることができ、前記燃料油を舶用ディーゼル機関に使用した時の危険度を正確に判断することができる。
更に、近赤外線の光源2とすることで燃料油の試料に関し希釈や濾過等といった前処理を不要とすることができ、しかも、作業者の熟練度に拘わらず試料中のFCC触媒粒子の濃度及び粒度分布を精度良く短時間のうちに自動計測できるので、作業者の負担を大幅に軽減することができる。
また、特に本形態例においては、算出されたFCC触媒粒子の粒径分布に基づき該粒径分布と実際の異常摩耗発生との相関関係から使用危険度を算出し得るように演算装置6を構成しているので、該演算装置6により燃料油の使用危険度を自動的に判断させることができ、その危険性をPCモニタ7へ表示させて作業者に注意を喚起させることができる。
尚、本発明のFCC触媒粒子の自動計測装置は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 試料固定治具
2 光源
3 顕微鏡
4 モノクロエリアカメラ(撮像装置)
5 X−Yテーブル
6 演算装置(コンピュータ)
7 PCモニタ(表示器)
2 光源
3 顕微鏡
4 モノクロエリアカメラ(撮像装置)
5 X−Yテーブル
6 演算装置(コンピュータ)
7 PCモニタ(表示器)
Claims (2)
- 燃料油の試料をガラス面に固定保持する試料固定治具と、該試料固定治具のガラス面直下から近赤外線を上向きに照射して前記試料を照らす光源と、前記試料固定治具の直上に配置されて前記試料の一部を拡大して視野に捕える顕微鏡と、該顕微鏡により拡大された試料の一部を撮像する撮像装置と、前記顕微鏡の視野を変更して前記撮像装置により前記試料の所定面積分を撮像し得るよう試料固定治具を縦横に移動させるX−Yテーブルと、前記撮像装置で撮像された各画像を画像処理することにより該各画像からFCC触媒粒子を判別して粒子数及び粒子径を測定し且つこれら粒子数及び粒子径に基づきFCC触媒粒子の濃度及び粒径分布を算出する演算装置とを備えたことを特徴とするFCC触媒粒子の自動計測装置。
- 算出されたFCC触媒粒子の粒径分布に基づき該粒径分布と実際の異常摩耗発生との相関関係から使用危険度を算出し得るように演算装置を構成したことを特徴とする請求項1に記載のFCC触媒粒子の自動計測装置。
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CN109506884A (zh) * | 2018-11-29 | 2019-03-22 | 东北大学 | 一种透明裂隙气液两相流实验装置 |
CN111579440A (zh) * | 2020-05-22 | 2020-08-25 | 陕西延长中煤榆林能源化工有限公司 | 油液激光散射法测定催化裂解油浆中催化剂粒径分布的方法 |
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