JP2011106682A - サドル型継手 - Google Patents
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Abstract
【課題】 既設管の口径に多少の違いがあっても継手部分の外部に流体が漏洩しないサドル型継手を提供する。
【解決手段】 サドル型継手は、サドル形状の上側本体2と、サドル形状の下側本体3とを備えている。上側本体2は、開口11を挟むように既設管10の管軸方向に沿って伸長する一対の第1突出部23を有する。一対の第1突出部23の間に環状パッキンが保持される環状のシール溝231が形成され、シール溝231は第1突出部23の中間部23aにはみ出している。下側本体3は、第1突出部23に対向する一対の第2突出部33を有する。第2突出部33は第1突出部と前記環状パッキンに接触すると共に、下側本体3には既設管10を上側本体に押圧する圧接部材7が設けられている。
【選択図】 図7
【解決手段】 サドル型継手は、サドル形状の上側本体2と、サドル形状の下側本体3とを備えている。上側本体2は、開口11を挟むように既設管10の管軸方向に沿って伸長する一対の第1突出部23を有する。一対の第1突出部23の間に環状パッキンが保持される環状のシール溝231が形成され、シール溝231は第1突出部23の中間部23aにはみ出している。下側本体3は、第1突出部23に対向する一対の第2突出部33を有する。第2突出部33は第1突出部と前記環状パッキンに接触すると共に、下側本体3には既設管10を上側本体に押圧する圧接部材7が設けられている。
【選択図】 図7
Description
本発明は、例えばガスが流動している既設管からそれと同径の分岐管を取り出すために使用される同径活管分岐用継手に関する。
ガス配管においては、燃料ガス(例えば都市ガスあるいは天然ガス)の供給量や供給区域の広さなどに応じて、所定の圧力でガスの供給が行われている。例えば、ガスの供給量が少なく、またガスの供給区域が狭い小規模のガス事業所においては、供給系統が簡単でかつ圧送費用が不要という利点を持つ低圧供給(ガス圧が0.098MPa未満)が採用されている。この低圧供給を含む種々のガス配管においては、地中に埋設され、ガスが流動した状態の本管(例えば樹脂被覆鋼管からなり、元管ともいう)から分岐管を取り出すために、鋳鉄製の継手本体(割継手)を含む一対のサドル型継手を本管に装着し、一方の継手に設けた分岐部に取り付けたカッターにより本管に分岐穴を穿孔した後、分岐部に分岐管を接続することが行われている。
例えば特許文献1には、流体管に全周にわたる外嵌状態で締結連結するための一対の割継手の一方に、分岐管に接続するための筒状壁を設け、その筒状壁内の通路を囲む状態で割継手と流体管に密着させるための第1弾性シール部材を前記割継手に設け、流体管に先端を押付けるためのねじ状部材を割継手の少なくとも一方に貫通状態で螺合させると共に、第1弾性シール部材に対して流体管の軸心方向両側において割継手と流体管の全周にわたって密着させるための一対の第2弾性シール部材を設け、第1弾性シール部材と第2弾性シール部材との間にねじ状部材の先端を配置した分岐取出用継手が記載されている。この分岐取出用継手によれば、ねじ状部材で本管を圧接させるので、本管に対して軸方向及び円周方向に割継手が位置ずれすることが阻止され、しかも割継手と流体管の間を、第1弾性シール部材と一対の第2弾性シール部材とでシールし、そこに空気と水が浸入しない部分を形成するので、ねじ状部材の先端の酸化腐食を抑制できるという利点がある。
近年、ガス需要量の増加に伴い、分岐部に本管と同等の大きさを有する分岐管を接続し、大流量の分岐取り出し(同径活管分岐取り出し)を行うことが要求されている。例えば、特許文献2には、鉄管又は鋳鉄管などの元管の軸方向一部に一対の第1、2分割継手を包合し、第2分割継手の分割接続口に分岐管を接続し、第2分割継手の穿孔操作口にホールソーをセットし、ホールソーを元管の垂直中立面より偏心した位置で回転させながら垂直中立面に平行に下降させることにより、元管の周壁一部に穿孔することが記載されている。
上述した同径活管分岐用継手によれば、大流量を確保するために既設管の側面に穿孔するので、特殊な専用工具(ホールソー)が必要となり、しかもその工具を内蔵できるようにするために継手構造が複雑化するという問題がある。また、第2分割継手の元管接続口の内面と元管の円周一部との当接面間にシール材を介在させているが、このシール材を元管の外周面に密着させる機構をもたないので、十分なシール性を得ることは困難である。さらに、この種継手は例えば鋳鉄で形成され、耐食性を高めるために、その表面には防食処理(例えば溶融亜鉛メッキ)が施され、さらに配管施工後に継手全体を防食テープで被覆することが行われるが、継手は分岐口を有する複雑な形状であるため、全ての表面を被覆できるわけではなく、耐食性が十分とはいえない。
本発明の目的は上記の問題点を解消して、簡単な形状でかつシール性に優れた同径活管分岐用継手を提供することである。
本発明の他の目的は上記の問題点を解消して、簡単な形状でかつシール性と耐食性に優れた同径活管分岐用継手を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の関連技術の同径活管分岐用継手は、分岐管が接続される分岐口を有する上側本体と、前記上側本体とともに前記分岐口に連通する開口を有する既設管の外周面に締結される下側本体とを備え、前記上側本体は、前記分岐口を挟むように前記既設管の管軸方向に沿って伸長する一対の第1突出部を有し、その第1突出部と前記既設管との間に環状パッキンが保持される環状のシール溝が形成され、前記環状のシール溝は前記第1突出部の中間部にはみ出していると共に、前記下側本体は、前記第1突出部に対向する一対の第2突出部を有することを特徴とするものである。
本発明の関連技術の同径活管分岐用継手において、前記第1突出部と前記第2突出部との間に弾性体が挟着されている構造とすることができる。
本発明のサドル型継手は、サドル形状の上側本体と、前記上側本体とともに開口を有する既設管の外周面に締結されるサドル形状の下側本体とを備え、 前記上側本体は、前記開口を挟むように前記既設管の管軸方向に沿って伸長する一対の第1突出部を有し、その一対の第1突出部の間には前記開口の近傍に環状パッキンが保持される環状のシール溝が形成され、前記環状のシール溝は前記第1突出部の中間部にはみ出していると共に、 前記下側本体は、前記第1突出部に対向する一対の第2突出部を有するサドル型継手において、 前記第2突出部は前記第1突出部と前記環状パッキンに接触すると共に、前記下側本体には前記既設管を前記上側本体に押圧する圧接部材が設けられていることを特徴とするサドル型継手である。
本発明において、前記上側本体及び前記下側本体は、黒心可鍛鋳鉄で形成され、溶融亜鉛メッキからなる皮膜とその上に形成されたカチオン電着塗装からなる皮膜を有することができる。
本発明の関連技術によれば、環状のシール溝は第1突出部の中間部にはみ出しているので、環状パッキンはその全周に亘って既設管と下側本体に密着することになり、優れたシール性を得ることができる。特に上側本体に装着された環状パッキンと上側本体の第1突出部を、弾性体を介して下側本体の第2突出部に圧接させることにより、シール性がさらに向上する。したがって道路上の荷重や衝撃、地盤沈下、地震等の地盤変化により、継手を含むガス配管に大きな外力が印加された場合でも、継手本体がずれて、ガスが漏洩するのを有効に防止することができる。
本発明の関連技術によれば、上側本体の第1突出部と下側本体の第2突出部との間に弾性体を挟み込んで締付ける構造であるので、外径寸法に多少の大小があったとしても優れたシール性を得ることができる。すなわち既設管の外径寸法を弾性体の変形代分だけ許容することができる。
本発明によれば、前記第2突出部が前記第1突出部と前記環状パッキンに接触する構造であっても、上側本体に装着された環状パッキンを、下側本体に設けられた圧接部材で押圧して既設管の表面に押し付ける構造とすることにより、上記と同様に優れたシール性を得ることができる。
本発明の関連技術によれば、上側本体及び下側継手本体は、溶融亜鉛メッキからなる皮膜とその上に形成されたカチオン電着塗装からなる皮膜を有することにより、優れた耐食性を得ることができる。
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係わる同径活管分岐用継手の一部を切り欠いた斜視図、図2は同半断面図、図3は上側部材を下側部材との合わせ面から見た場合の平面図、図4は図3のA−A線断面図、図5は図3のB−B線断面図、図6は下側部材を上側部材との合わせ面から見た場合の平面図である。
図1及び図2に示すように、同径活管分岐用継手1は、地中に埋設されたガス導管(以下既設管という)10の上部に装着される上側本体2と、既設管10の下部に装着される下側本体3とを有し、これらの本体は、複数(図では4個)の締付けボルト(例えば六角穴付ボルト)4を締結することにより一体的に結合されている。既設管10としては、例えば炭素鋼からなる鋼管の外面を単層のポリエチレンで被覆した被覆鋼管(単層被覆鋼管)、あるいは鋼管の外面に接着層(変性ポリエチレン)を介してポリエチレンを被覆した被覆鋼管(2層被覆鋼管)が使用することができる(JIS G3452参照)。六角穴付ボルト4は、腐食されにくくするために、オーステナイト系ステンレス鋼(例えばSUS304)などの耐食性に優れた金属材料で形成することが好ましい。
図3も参照すると、上側本体2はサドル形状を有し、各コーナー部にボルト挿入孔211を有する矩形状のベース部21と、既設管10に穿孔された開口11に連通する分岐口22と、下側本体3に対向する側の面に上記開口11を挟むように既設管10(図1参照)の管軸方向に伸長する楔状の断面を有する一対の第1突出部23とを有する。また第1突出部23の間には、開口11の近傍に環状(例えば楕円形状)のシール溝231が設けられ、そこに環状パッキン5が装着される。このパッキンとしては、例えば耐油性に優れたニトリルゴム(NBR)からなるOリングを使用することができる。また、環状のシール溝231は、真円形状でもよいが、図3に示すように楕円形状とすることができる。シール溝231が楕円形状の場合、その長径方向に沿った円弧の一部は、第1突出部23の中間部23a(図3にLで示す領域)にはみ出すように形成されている。すなわち第1突出部23は、図4に示すようにその両端部側の部分が既設管を受取る半円弧部まで伸びる山形状となるのに対して、第1突出部23の中間部23aは、図5に示すように両側部分よりも低い高さを有する山形状となる。
図6も参照すると、下側本体3はサドル形状を有し、各コーナー部に締付けボルト4がねじ込まれるタップ孔311を有する矩形状のベース部31と、既設管10の下側の略半円周面を受取る円弧部32と、上側本体2に対向する側の面に既設管10の管軸方向に沿って伸長する楔状の断面を有する一対の第2突出部33とを有する。
上記の上側本体2及び下側本体3は、所定の締付トルク(例えば40〜50N・m)で締付けボルト4を締付けた際、破断しないようにするために、例えば黒心可鍛鋳鉄(JIS G 5702:FCMB材)で形成され、さらに防食性を付与するために、その表面が防食処理されている。防食処理は、例えば溶融メッキを施した後に、電着塗装を行うことにより、実施することができる。溶融メッキは、溶融金属中に継手本体2、3を所定時間浸せきすることにより、表面に金属皮膜を形成するもので、金属皮膜の腐蝕速度は鉄鋼のそれよりも大きいが、金属表面に生成される比較的緻密な酸化皮膜や腐蝕生成物により腐蝕速度が小さくなることにより、耐食性を向上することができる。例えば、本発明においては、溶融亜鉛メッキが好ましいが、この溶融亜鉛メッキにおいては、亜鉛表面に形成される緻密な腐食生成物{ZnO、Zn(OH)2、ZnCO3、Zn(OH)3など}による耐候性、耐食性、局部的に鉄素地が露出した場合の亜鉛の鉄に対する保護作用により、耐食性が向上する。
電着塗装は水性塗料あるいはエマルジョン樹脂塗料槽の中で直流電流により、被塗物表面に塗料を電着させるもので、電気的に水分の少ない一定の膜厚が得られる、凹凸や鋭角部にも均一に付き、付着性がよいなどの利点を有するとともに、本体とボルトとを電気的に絶縁するので、異種金属同士の接触による電気的腐蝕を防止することができる。電着塗装のうちでは、被塗物を陰極にするカチオン電着が好適で、特に防錆力の点で、アクリル樹脂系塗料を使用することが好ましい。
環状パッキン5を保持した上側本体2と下側本体3は、図1及び図2に示すように第1突出部23のテーパ面232及び下側本体3の第2突出部33のテーパ面331との間に、シート状の弾性体6が挟着された状態で既設管10に装着される。シート状の弾性体6は、例えば、耐熱性に優れたエチレン−プロピレンゴム(EPDM)等のオレフィン系ゴムで形成することができる。
上記の継手構造によれば、上側本体2はその第1突出部23の一部が切り欠かれた形状を有するので、環状パッキン5及び第1突出部23aは第2突出部の33のテーパ面331に正対するので、両者の密着性が向上する。特に環状パッキン5及び上側本体2の第1突出部23と下側本体3の第2突出部33とは、弾性体6を介してテーパ面どうしで接触するので、締付けボルト4を締結して上側本体2と下側本体3とを結合した時に、密着性が更に向上して、優れたシール性を得ることができる。
本発明は、上記の構造に限定されず、例えば次のような変更が可能である。 図7は本発明の第2の実施の形態に係わる同径活管分岐継手の一部を切り欠いた斜視図、図8は同半断面図、図9は下側本体の平面図であり、図1乃至4と同一機能部分は同一の参照符号で示し、その詳細な説明は省略する。
図7及び図8に示すように、同径活管分岐用継手1は、一対の第1突出部23を有しかつ環状パッキン5を保持し、既設管10の半円周面に装着される上側本体2と、一対の第2突出部33を有し既設管10の残りの円周面に装着される下側本体3を有する。また、上側本体2と下側本体3は、ベース部21を通過し、ベース部31に螺合される複数(図では4個)の締付けボルト4により、既設管10に固着されている点も第1の実施の形態のものと共通している。上側本体2は、図3に示すものと同様であるが、下側本体3は、図9に示すようにその円弧部32に圧接部材(押しボルト)7がねじ込まれる、2つのタップ穴34が形成されている点で図4に示すものと相違する。
本実施の形態では、上側本体2の第1突出部23のテーパ面232と下側本体3の第2突出部33のテーパ面331とが直接接触しているので、十分なシール性を確保するために、下側本体3に押しボルト7をねじ込むことにより、上側本体3を既設管10に強固に密着させるようにしている。圧接部材は、下側本体に螺合された押しボルト7に限定されるものではなく、下側本体3に設けられ、既設管10を上側本体2に押圧する構造であればよい。
1:同径活管分岐継手、
2:上側本体、21:ベース部、22:分岐口、23:第1突出部、23a:中間部、231:シール溝、232:テーパ面
3:下側本体、31:ベース部、311:タップ穴、32:円弧部、33:第2突出部、331:テーパ面、34:タップ穴
4:締付けボルト、5:環状パッキン、6:弾性体、7:圧接部材(押しボルト)
10:既設管、11:開口
2:上側本体、21:ベース部、22:分岐口、23:第1突出部、23a:中間部、231:シール溝、232:テーパ面
3:下側本体、31:ベース部、311:タップ穴、32:円弧部、33:第2突出部、331:テーパ面、34:タップ穴
4:締付けボルト、5:環状パッキン、6:弾性体、7:圧接部材(押しボルト)
10:既設管、11:開口
Claims (2)
- サドル形状の上側本体と、前記上側本体とともに開口を有する既設管の外周面に締結されるサドル形状の下側本体とを備え、
前記上側本体は、前記開口を挟むように前記既設管の管軸方向に沿って伸長する一対の第1突出部を有し、その一対の第1突出部の間には前記開口の近傍に環状パッキンが保持される環状のシール溝が形成され、前記環状のシール溝は前記第1突出部の中間部にはみ出していると共に、
前記下側本体は、前記第1突出部に対向する一対の第2突出部を有するサドル型継手において、
前記第2突出部は前記第1突出部と前記環状パッキンに接触すると共に、前記下側本体には前記既設管を前記上側本体に押圧する圧接部材が設けられていることを特徴とするサドル型継手。 - 前記圧接部材は、前記下側本体にねじ込まれて、前記既設管を前記上側本体に押圧する押しボルトであることを特徴とする請求項1に記載のサドル型継手。
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