JP2011104519A - 生成量可変殺菌用水生成法及び装置 - Google Patents

生成量可変殺菌用水生成法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
電解によって殺菌用水を生成する技術で、希釈水量の変動に合わせて、生成水の有効塩素の濃度を適切に制御する技術は見られなかった。そこで、本発明者は、生成液の質や濃度の変動を伴わず、稀釈水量の変化に合わせて生成液を調製し、しかも大量生成に対応可能な方法を提供することを本発明が解決しようとする課題とした。
【解決手段】
塩素イオン溶液を、無隔膜電解槽を用いて、一定電圧で電解し、生成した電解液を希釈水で希釈することにより、殺菌用水を生成する方法の中で、電解電流値の制御が、原料を電解槽に供給したり停止することによって行われている方法において、目標電流値が、測定された稀釈水の流量又は殺菌用水の成分濃度に依存するように制御する方法により課題を解決した。
【選択図】 図1

Description

本発明は塩素イオン溶液を電解し、殺菌剤である次亜塩素酸又は次亜塩素酸イオン溶液を生成する技術に関する。より詳細には、塩素イオン溶液を無隔膜電解槽で電解し、電解液を希釈水で希釈し殺菌用水を生成する方法で、希釈水の流量が変動した場合でも設定した一定有効塩素濃度の殺菌用水を生成する方法に関する。
従来、塩素系の殺菌剤は高度晒粉や次亜塩素酸ナトリウムのように、専ら専門の工場で製造されたものを購入して使用する方法が行われていた。しかし、そのような既成の塩素剤の色々な問題点が指摘されるようになると、使用場所で塩素イオン溶液を電解し殺菌剤を生成し用いることが盛んになってきた。そのような生成装置を大別すると、希薄な塩素イオン溶液を電解し、電解液をそのまま殺菌剤として用いるものと、比較的高濃度の塩素イオン溶液を電解した後に、使用濃度まで希釈して生成する方式がある。後者は高濃度のイオン溶液を電解するために、電解時の電圧を低く設定できることから、前者に比べて副生成物の生成を回避しやすいことや、電力効率が良好であること、さらには大きな生成能力が得られること等の利点があることから工業的な利用を中心に普及が始まっている。
原液を電解後希釈し、殺菌剤を生成する方法では、殺菌剤の品質を維持するためには正しい比率で連続的に目的の濃度に希釈することが必須である。そのために希釈方法として一般的に用いられている方法は電解能力を一定に保つことと、希釈水の流量を一定に保つ方法である。
しかし、一方では、目的の生成量に応じて生成量を可変にするという要請もある。そのような技術の1例として特許文献1を示した。この技術は電解液を希釈することなくそのまま殺菌剤と使用するものであるが、原料の食塩溶液を水で希釈しながら電解槽に送液するときに、希釈水量の流量を測定し、それに比例した量の食塩溶液を混合する技術である。
また特許文献2に示した技術も、電解液をそのまま殺菌剤として使用するものであるが、原液の供給量を電流値に比例するように増加するものである。
さらに特許文献3は、電解液を水で希釈して殺菌剤を生成する技術であるが、希釈水の流量に基づいて原液の供給量を制御し、さらに電解槽に供給するパルス電気量を、希釈水流量に比例させる技術である。
特開平9−38651号公報 特開平11−253955号公報 特開2001−62455号公報
ところで、前記特許文献1に記載された方法では、食塩溶液の供給量と稀釈水量を比例させるわけであるので、電解槽に供給される食塩濃度は、電解槽を灌流する液の増減に依らず一定に保たれることになる。もし定電圧電解で有れば、稀釈水量を増加させると、電解槽内のイオン濃度が増加することによって電流値も上昇し、電解生成物の量も電流値に比例して増加する。しかし、電解槽内の液の灌流量と電解生成物の生成量が比例する補償は無いので、結果として電解生成物濃度は変動することになる。さらにこの方法では電解液量が生成水量であるため、電解槽の能力が制限要因となって大量生成には向かない。
又、定電圧電解では電流値は原液の供給量に依存するために、前記特許文献2の方法では、電流値を原液供給量と独立に制御することは不可能である。従って、この方法で電流値を制御するには電圧の変更が必要となるが、電解電圧を変更すると電解生成物の化学種を一定に保つことはできなくなるので、生成液の性質の変動を伴うという問題が生ずるのである。
又さらに、前記特許文献3では、稀釈水量に比例して電解槽への原液の供給量を増やすと、槽内の電気伝導度の増加によって電流値が増加する。それに加えて、パルス供給電流のオン時間を原液の供給量に比例して増加させると、結局電解生成物は稀釈水量比例分以上に増加するので、生成物の濃度が増加し、この方法では濃度を一定に制御することはできないのである。
前記に示した技術やその他の先行技術を見ても、電解によって殺菌用水を生成する技術で、希釈水量の変動に合わせて、生成水の有効塩素の濃度を適切に制御する技術は見られなかった。そこで、本発明者は、生成液の質や濃度の変動を伴わず、稀釈水量の変化に合わせて生成液を調製し、しかも大量生成に対応可能な方法を提供することを本発明が解決しようとする課題とした。
一般に電解によって物質を生成する場合、物質毎に固有の発生電圧がある。従って、副反応が生起して目的以外の物質が生成されるのを防ぐには特定の発生電圧で電解することが重要である。また生成物の濃度を一定に保つためには、生成する殺菌用水の単位体積当たりの電流値を適切に制御する必要が有る。さらに、目的物質の生成量は原料濃度にも依存するため、電解槽内の原料濃度を可能な限り一定に保つことが必要となる。
そこでまず、塩素イオン溶液を、無隔膜電解槽を用いて、一定電圧で電解し、生成した電解液を希釈水で希釈することにより、殺菌用水を生成する方法であって、電解電流値の制御が、実際の電流値が目標電流値を下回ったときに電解槽に塩素イオン溶液を供給し、電解槽内の電気伝導度を高めることにより電流値を上昇せしめ、さらに、実際の電流値が目標電流値を上回ったときに電解槽への塩素イオン溶液の供給を止め、電解槽内のイオンの消費を待ち電気伝導度を低下せしめることにより電流値を一定範囲に維持することにより行われる方法において、目標電流値が、連続的にもしくは間欠的にもしくは累積的に測定された稀釈水の流量に依存するように制御される方法を、本課題を解決するための手段の第1の態様とした。
又、本課題を解決するための手段の第1の態様において、目標電流値の希釈水流量に依存する制御が、目標電流値が稀釈水流量に比例する関係により行われることを、本課題を解決するための手段の第2の態様とした。
又、稀釈水の流量が変化した場合当然生成される殺菌用水の有効塩素濃度も変化するので
、塩素イオン溶液を、無隔膜電解槽を用いて、一定電圧で電解し、生成した電解液を希釈水で希釈することにより、殺菌用水を生成する方法であって、電解電流値の制御が、実際の電流値が目標電流値を下回ったときに電解槽に塩素イオン溶液を供給し、電解槽内の電気伝導度を高めることにより電流値を上昇せしめ、さらに、実際の電流値が目標電流値を上回ったときに電解槽への塩素イオン溶液の供給を止め、電解槽内のイオンの消費を待ち電気伝導度を低下せしめることにより電流値を一定範囲に維持することにより行われる方法において、目標電流値が、連続的にもしくは間欠的にもしくは累積的に測定された生成殺菌用水の実測有効塩素濃度と、目標有効塩素濃度の差異に依存するように制御される方法を本課題を解決するための手段の第3の態様とした。
又、本課題を解決するための手段の第3の態様において、目標電流値の、実測有効塩素濃度と目標有効塩素濃度の差異へ依存するような制御が、目標電流値を、目標有効塩素濃度を実測有効塩素濃度で除した値に比例させる方式により行われる方法を本課題を解決するための手段の第4の態様とした。
又、本課題を解決するための手段の第1乃至第4の何れかの態様において、生成される殺菌用水の有効塩素濃度を変更するために、目標電流値の設定式の中に、稀釈水流量及び生成殺菌用水の有効塩素濃度と独立した、有効塩素濃度項を設けることを本課題を解決するための手段の第5の態様とした。
又、本課題を解決するための手段の第5の態様において、有効塩素濃度項が、目標電流値を導出する数式の中に設けた比例定数であること本課題を解決するための手段の第6の態様とした。
又、本課題を解決するための手段の第1乃至第6の何れかの態様において、塩素イオン溶液が濃度20%以下の希塩酸であることを本課題を解決するための手段の第7の態様とした。
又、本課題を解決するための手段の第1乃至第7の何れかの態様を実施する装置を本課題を解決するための手段の第8の態様とした。
本発明によりもたらされる効果は次の通りである。まず、本発明において、塩素イオン溶液を、無隔膜電解槽を用いて、一定電圧で電解し、生成した電解液を希釈水で希釈することにより、殺菌用水を生成する方法であって、電解電流値の制御が、実際の電流値が、目標として設定された電流値(以下「目標電流値」という)を下回ったときに電解槽に塩素イオン溶液を供給し、電解槽内の電気伝導度を高めることにより電流値を上昇せしめ、さらに、実際の電流値が目標電流値を上回ったときに電解槽への塩素イオン溶液の供給を止め、電解槽内のイオンの消費を待ち電気伝導度を低下せしめることにより電流値を一定範囲に維持することにより行われる方法において、目標電流値が、連続的にもしくは間欠的にもしくは累積的に測定された稀釈水の流量に依存するように制御されるようにしたことによる効果は、実際の電解電流値が依存する電解槽内のイオン濃度を調節することによって目標電流値に合致するように制御するので、稀釈水量の変化に依存するように目標電流値を調節することで、稀釈水量と有効塩素の生成量が適合し、常に一定有効塩素濃度の殺菌用水が生成されるという効果がもたらされた。さらに定電圧であることにより電解反応の内容が化学的に同一に維持される効果ももたらされた。
又、本発明において、目標電流値の希釈水流量への依存が、目標電流値が稀釈水流量に比例する関係により行われることにより、稀釈水量による目標電流の確定方式が平易な比例式で実現できることになり、制御機構を単純化でき、さらに、実際の、電流値と電解生成物量の関係に良好に適合するため、生成する殺菌用水の有効塩素濃度の安定制御が容易であるという効果ももたらされた。
又、本発明において、塩素イオン溶液を、無隔膜電解槽を用いて、一定電圧で電解し、生成した電解液を希釈水で希釈することにより、殺菌用水を生成する方法であって、電解電流値の制御が、実際の電流値が目標電流値を下回ったときに電解槽に塩素イオン溶液を供給し、電解槽内の電気伝導度を高めることにより電流値を上昇せしめ、さらに、実際の電流値が目標電流値を上回ったときに電解槽への塩素イオン溶液の供給を止め、電解槽内のイオンの消費を待ち電気伝導度を低下せしめることにより電流値を一定範囲に維持することにより行われる方法では稀釈水量が変化すると生成される殺菌用水の有効塩素濃度も変化してしまうが、目標電流値が、連続的にもしくは間欠的にもしくは累積的に測定された生成殺菌用水の実測有効塩素濃度と、目標有効塩素濃度の差異に依存するように制御される方式としたことにより、稀釈水量の変動に影響されず一定有効塩素濃度の殺菌用水が生成されるという効果ももたらされた。
又、本発明において、目標電流値の、実測有効塩素濃度と目標有効塩素濃度の差異へ依存するような制御が、目標電流値を、目標有効塩素濃度を実測有効塩素濃度で除した値に比例させる方式により行われることとしたことにより、稀釈水流量の変動を補償する電流値を的確に目標電流値に設定することが可能になり、平易な制御で目標有効塩素濃度を維持できるという効果ももたらされた。
又、本発明において、生成される殺菌用水の有効塩素濃度を変更するために、目標電流値の設定式の中に、稀釈水流量及び生成殺菌用水の有効塩素濃度と独立した、有効塩素濃度項を設けることとしたことにより、所望の有効塩素濃度の殺菌用水が容易に安定してえられるという効果ももたらされた。
又、本発明において、有効塩素濃度項が、目標電流値を導出する数式の中に設けた比例定数であることとしたことにより、簡潔な制御方式によって殺菌用水の有効塩素濃度の変更が可能であるという効果ももたらされた。
又、本発明において、塩素イオン溶液が濃度20%以下の希塩酸であることとしたことにより、余分な塩分を含まず、高い殺菌効果を持ついわゆる微酸性電解水もしくは食品添加物に指定されている、微酸性次亜塩素酸水を安定にかつ効率よく生成することが可能になるという効果ももたらした。
又、本発明において、前記に説明した各方法を実施する装置を提供したことにより、装置を使用して、有効塩素濃度を任意に変更可能でかつ一定の安定した有効塩素の殺菌用水の生成が容易にできるという効果ももたらした。
稀釈水流路に流量計を設置した、殺菌用水生成装置のフロー図 生成水流路に有効塩素濃度計を設置した、殺菌用水生成装置のフロー図
本発明に用いる塩素イオン溶液としては、水に溶解し塩素イオンを発生するものであれば何れの物質でも使用できる。物質を単体で用いることもできるし、2種以上の混合物でもよい。そのような物質としては、例えば食塩、塩化カリウム、塩化アンモニウムなどの無機塩素化合物や塩酸等が例示されるが、殺菌用水の使用目的に応じて含まれる物質や電解生成物が適切な物質でなければならない。それらの中で塩酸は固形物を含まないこと、殺菌用水の液性を微酸性領域に設定することが容易なために、殺菌用水に含まれる塩素化学種を殺菌力の強い分子状次亜塩素酸として利用できることなど優れた性質を持っている。
本発明において電解は定電圧で行われることが望ましい。一般に、電気分解により物質を生成するとき生成する物質の種類は電解電圧に依存する。従って目的とする物質を純粋に生成するためには、それに適した一定電圧を選ぶことが重要である。塩素イオンの電解においても、電圧によって生成する化学種は異なる。塩素発生の最低電圧である2V前後では次亜塩素酸のみが生成されるが、電圧を上げて行くに従って、亜塩素酸、塩素酸、過塩素酸などが生じる。それら予期しない挟雑物質の生成を抑えるためには適切な定電圧で電解することが必須であり、1.9Vから2.5V程度が推奨される電圧である。
定電圧電解では、生成物の濃度は電解電流値又は電解槽内の原料濃度により制御可能であるが、工業的に利用するには生成液中の目的物質が一定濃度であることが必須であるので、その両方で制御するのが望ましい。電解槽内の電解質の濃度を直接測定することはできないが、電解電流を一定に保つように原料供給量を制御することにより実施できる。つまり、実際の電流値が、目標電流値を下回ったときに電解槽に塩素イオン溶液を供給し、電解槽内の電気伝導度を高めることにより電流値を上昇せしめ、さらに、実際の電流値が目標電流値を上回ったときに電解槽への塩素イオン溶液の供給を止め、電解槽内のイオンの消費を待ち電気伝導度を低下せしめることによって、目的物質の生成速度を一定に保つことができ、一定濃度の殺菌用水を生成できるのである。
そこで、測定された稀釈水流量に適合するように目標電流値を変更することによって、希釈水流量の変動にかかわらず常に一定濃度の有効塩素の殺菌用水が生成されるのである。希釈水の流量の測定はいかなる方式でも構わない。希釈水流量の変動が長い時間間隔で起きる場合は連続的に測定された流量、あるいは間欠的に測定された流量に即時に対応するように目標電流値を変更すれば良く、変動が短い時間に起きている場合は、一定時間の測定値を累積した値や、それを測定時間で割った平均流量値や、移動平均流量値を用いるのが好適である。
希釈水の流量に適合する目標電流値の決定方式は、生成殺菌水の有効塩素濃度を一定に維持できるものであればどのようなものでも良い。そのような方式の1つとして、目標電流値を稀釈水流量に比例するように決定する方法は簡潔で実現が容易である。実際には測定された希釈水流量に定数を乗した値を目標電流として設定し直せばよい。そうすると、新しい目標電流値を維持するように塩素イオン溶液の供給が制御され、結果として有効塩素濃度が一定に維持されるのである。
一方、希釈水流量の変化によって生じる殺菌用水の有効塩素濃度の変化に着目し、目標とする濃度からのずれを無くすようにフィードバック制御することによっても同じ目的が達せられる。この場合は生成水の流路に有効塩素濃度計を設置するが、高精度の測定を行うために設置位置は均質混合器の下流がよい。有効塩素濃度の検出方式はポーラログラフ式、ボルタンメトリ式、自動比色式などいずれの方法でも良い。有効塩素濃度の測定方法も希釈水流量の測定と同じく、希釈水流量の変動が長い時間間隔で起き、有効塩素濃度もそれに応じて緩慢な変化をする場合は連続的に測定された流量、あるいは間欠的に測定された有効塩素濃度に即時に対応するように目標電流値を変更すれば良く、変動が短い時間に起きている場合は、一定時間の測定値を累積した値や、それを測定時間で割った平均流量値や、移動平均流量値を用いるのが好適である。
殺菌用水の有効塩素濃度に適合する目標電流値の決定方式は、生成殺菌水の有効塩素濃度を一定に維持できるものであればどのようなものでも良いが、そのような方式の1つとして、目標有効塩素濃度(あるいはその指標値)を実測有効塩素濃度(あるいはその指標値)で除した値に目標電流値を比例させる方式がある。この方法は簡便で実現が容易であり、除した値に定数を乗した値を目標電流値として設定し直せばよい。そうすると、結果として有効塩素濃度が一定に維持されるのである。
殺菌用水はその使用目的に応じて必要濃度を設定する必要があるが、前述のように有効塩素濃度が電流値により制御されているシステムにおいては、目標電流値の設定式の中に、目標有効塩素濃度に対応する独立した係数を設け、その係数を変化させることにより有効塩素濃度を設定するのが便利である。又、その独立した係数を、有効塩素濃度に比例した、電流値を導出する式中の比例定数とすることで簡便に目標有効塩素濃度を設定することが可能である。
塩素イオン溶液として希塩酸を用いる場合は、取り扱いの安全性や簡便性から濃度は20%以下が望ましいが、電解効率や原料体積の削減の点からは3%以上が望ましい。
図1に示したフロー図は、希塩酸を電解し、水で希釈して、次亜塩素酸水を生成する装置で、希釈水の流量変化を反映するために流量計を用いた実施例の概念図である。希釈水入口1から入った希釈水は、開閉弁2を通り、流量計3(山本電機工業社製ビジョン2000)で瞬時流量が測定される。原料の希塩酸(6重量%)はタンク7から原料供給配管8を経て原料ポンプ9(ウエルコ社製WPX1)によって電解槽10(微酸性電解水研究所社製HOCL0.3t)に供給される。電解槽には直流電源12(コーセル社製PBA75F)から一定電圧で電流が供給され電解が行われる。電解物は原料ポンプからの原料供給のタイミングで、電解槽から押し出され電解液配管11を通り、希釈水配管4を流下する稀釈水に混合され、混合器5で均一に混合されて殺菌用水である微酸性次亜塩素酸水となり排出口6から排出される。
この装置において、次亜塩素酸水の有効塩素濃度を一定に制御する仕組みは次の通りである。電解槽への電解電力の供給配線13上に配設された電流センサー19(シーマ電子社製)で検出した電流値と目標電流値を比較し、検出電流値が低かった場合は原料ポンプを稼働させて原料を供給し、もって電解槽内のイオン濃度を高めることによって電流値を上昇させ、逆に検出電流値が高かった場合は原料の供給を止め電解槽内のイオンの消費を待ち、電流値を下げるのである。この方法によって排出される次亜塩素酸水の有効塩素濃度は常に一定に保たれる。
この状態でもし希釈水の流量が変化すると、排出される次亜塩素酸水の有効塩素濃度も変化してしまう。そこで、流量計で検出される流量に比例する信号により、目標電流値を変更するようにした。具体的には、目標電流値の算出式の比例項の中の定数項として流量比例信号を利用した。又、短い時間での流動変動を消去するために、流量比例信号には10秒間の移動平均を用い、5秒毎に目標電流値を更新した。
さらに、目標電流値を変更するために、目標電流値の算出式の比例項の中に、流量信号の定数項とは別の定数項を設けた。この定数項を変化させて目標有効塩素濃度の変更を行った。実際の目標塩素濃度設定は定数項としてディップスイッチにより段階的に入力できるようにした。
この方法で目標有効塩素濃度を20ppmに設定し、希釈水流量を300±150L/hの変動幅で運転したところ、得られた微酸性次亜塩素酸水の有効塩素濃度の変動幅は±10%以内であった。この方法により、定流量弁や定量ポンプ等の特殊な部品を必要とせず安定した有効塩素濃度の微酸性次亜塩素酸水が得られること及び、有効塩素濃度の変動を伴わず、生成量を自由に変更可能であることも実証された。
図2に示したのは、又別の実施例で、実施例1と異なる構成は、希釈水の流量計を用いない代わりに、混合器の下流に有効塩素濃度計18(微酸性電解水研究所社製比色式測定機)を配設した点である。その他の構成及び生成の動作は実施例1と同一である。希釈水の流量の変化は生成した微酸性次亜塩素酸水の有効塩素濃度の変化に対応する。そこで、この方法は有効塩素濃度を監視しその変化分を解消するように目標電流値を補正する方法である。
1分間隔で測定し、5分間の移動平均を算出し、得られた結果を、目標有効塩素濃度で除した値を、目標電流値算出式の比例定数として使用した。それにより、有効塩素濃度の目標値からのずれに相当する電流値が容易に補正でき、希釈水流量による有効塩素濃度の変動を補正できた。
目標有効塩素濃度を変更する場合は実施例1と同じく、目標電流値算出式の中に設けた、有効塩素濃度の変動補正とは独立の比例定数を加減することにより行った。この装置において目標有効塩素濃度を20ppmとして生成した微酸性次亜塩素酸水の有効塩素の変動は、稀釈水量の300±150L/hの変動幅に対して±15%以内であった。
本発明は、塩素イオン溶液を、無隔膜電解槽を用いて、一定電圧で電解し、生成した電解液を希釈水で希釈することにより、殺菌用水を生成する方法において、生成水量が変動する場合に、希釈水量の変動にかかわらず、設定された一定有効塩素濃度の殺菌用水を生成する方法であり、安定した効力の殺菌用水を自由な生成量で生成するのに適している。
1 希釈水入口
2 開閉弁
3 流量計
4 希釈水配管
5 混合器
6 排出口
7 原料タンク
8 原料配管
9 原料ポンプ
10 電解槽
11 電解液配管
12 直流電源
13 電解電力供給配線
14 制御装置
15 流量信号配線
16 電源制御配線
17 ポンプ制御配線
18 有効塩素濃度計
19 電流センサー

Claims (8)

  1. 塩素イオン溶液を、無隔膜電解槽を用いて、一定電圧で電解し、生成した電解液を希釈水で希釈することにより、殺菌用水を生成する方法であって、電解電流値の制御が、実際の電流値が、目標として設定された電流値(以下「目標電流値」という)を下回ったときに電解槽に塩素イオン溶液を供給し、電解槽内の電気伝導度を高めることにより電流値を上昇せしめ、さらに、実際の電流値が目標電流値を上回ったときに電解槽への塩素イオン溶液の供給を止め、電解槽内のイオンの消費を待ち電気伝導度を低下せしめることにより電流値を一定範囲に維持することにより行われる方法において、目標電流値が、連続的にもしくは間欠的にもしくは累積的に測定された稀釈水の流量に依存するように制御されることを特徴とする殺菌用水生成法
  2. 目標電流値の希釈水流量に依存する制御が、目標電流値が稀釈水流量に比例する関係により行われることを特徴とする請求項1に記載の殺菌用水生成法
  3. 塩素イオン溶液を、無隔膜電解槽を用いて、一定電圧で電解し、生成した電解液を希釈水で希釈することにより、殺菌用水を生成する方法であって、電解電流値の制御が、実際の電流値が目標電流値を下回ったときに電解槽に塩素イオン溶液を供給し、電解槽内の電気伝導度を高めることにより電流値を上昇せしめ、さらに、実際の電流値が目標電流値を上回ったときに電解槽への塩素イオン溶液の供給を止め、電解槽内のイオンの消費を待ち電気伝導度を低下せしめることにより電流値を一定範囲に維持することにより行われる方法において、目標電流値が、連続的にもしくは間欠的にもしくは累積的に測定された生成殺菌用水の実測有効塩素濃度と、目標とする有効塩素濃度(以下「目標有効塩素濃度」という)の差異に依存するように制御されることを特徴とする殺菌用水生成法
  4. 目標電流値の、実測有効塩素濃度と目標有効塩素濃度の差異へ依存するような制御が、目標電流値を、目標有効塩素濃度を実測有効塩素濃度で除した値に比例させる方式により行われることを特徴とする請求項3に記載の殺菌用水生成法
  5. 生成される殺菌用水の有効塩素濃度を変更するために、目標電流値の設定式の中に、稀釈水流量及び生成殺菌用水の有効塩素濃度と独立した、有効塩素濃度項を設けることを特徴とする、請求項1乃至4の何れかに記載の殺菌用水生成法
  6. 有効塩素濃度項が、目標電流値を導出する数式の中に設けた比例定数であること特徴とする請求項5に記載の殺菌用水生成法
  7. 塩素イオン溶液が濃度20%以下の希塩酸であることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の殺菌用水生成法
  8. 請求項1乃至7に記載の方法を実施する装置
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