JPH09295911A - 殺菌水の製造方法および製造装置 - Google Patents

殺菌水の製造方法および製造装置

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JPH09295911A
JPH09295911A JP11140296A JP11140296A JPH09295911A JP H09295911 A JPH09295911 A JP H09295911A JP 11140296 A JP11140296 A JP 11140296A JP 11140296 A JP11140296 A JP 11140296A JP H09295911 A JPH09295911 A JP H09295911A
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sodium hypochlorite
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Abstract

(57)【要約】 【課題】塩素を有効成分とする殺菌水を、食塩水の電解
によることなく、一般に入手可能な薬品を使用して安全
で安価に製造する。 【解決手段】法規の規制外の塩酸および次亜塩素酸ソー
ダを原料として生成する塩素を有効成分とする殺菌水の
製造方法であり、原料である塩酸を希釈して所定の低濃
度塩酸を調製するとともに、原料である次亜塩素酸ソー
ダを希釈して所定の低濃度次亜塩素酸ソーダ水溶液を調
製し、一定流量の水流に前記低濃度塩酸および低濃度次
亜塩素酸ソーダ水溶液を定量づつ添加してpH、および
有効塩素量を調整することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩素を有効成分と
する殺菌水の製造方法、および製造装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】塩素を有効成分とする殺菌水は、厨房
内、厨房器具等の殺菌処理、野菜、肉等食品類の殺菌処
理、病院内、医療器具等の殺菌処理等、広い分野の殺菌
処理に利用されている。当該殺菌水を製造する方法とし
ては、例えば、特公平7−8768号公報および特開平
4−94793号公報に示されている食塩水の有隔膜電
解法、特開平5−237478号公報に示されている食
塩水の無隔膜電解法等が知られている。
【0003】食塩水の有隔膜電解法では、アノード室内
で生成される酸性水が殺菌力を有するもので、この酸性
水を殺菌水として直接使用し、またはこの酸性水を水で
適宜の濃度に希釈して殺菌水として使用し、またはこの
酸性水をアルカリ性水で適宜のpHに調整して殺菌水と
して使用するものである。なお、当該有隔膜電解法にお
いては、印加電流、食塩濃度、食塩水の流速等によって
もpH、有効塩素量の調整を行うことができる。
【0004】また、食塩水の無隔膜電解法では、被電解
水として食塩水にpH調整剤として塩酸、苛性ソーダ等
を添加したものを採用して無隔膜電解を行い、pHの調
整された電解生成水を殺菌水として使用するものであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、有隔膜電
解、無隔膜電解のいずれの食塩水の電解法においても、
使用する電解装置が複雑で高価であるとともに、電解室
を構成する正負の各電極には寿命があって、電解能力に
不安定な面がある。また、使用する原水の水質によって
は電解室内にスケールが発生し、スケールを除去するた
めには正負の各電極の極性を切替る必要があり、その切
替時における電解能力が不安定になる。特に、スケール
の発生が著しい場合には、原水を軟水化処理するための
軟水器の設置が必要となる。
【0006】一方、有隔膜電解法においては、アノード
室内で強酸性の電解水が生成されるが、この強酸性の電
解水が生成される際に、有毒で腐食性の強い塩素ガスが
発生する。また、生成される電解水は強酸性であること
から腐食性が高く、pHおよび有効塩素量の制御が面倒
であり、生成された強酸性の電解水を食品の殺菌処理に
直接使用する場合には、食品を変色させるおそれがあ
る。
【0007】また、生成される酸性の電解水における有
効塩素量を高めるためには、被電解水である食塩水の濃
度を高め、印加電流を高め、供給する食塩水の流速を落
し、有効塩素量の生成効率の高い電極を使用する等の手
段を組み合わせて利用することになるが、これらの制御
には複雑な操作が必要になる。
【0008】従って、本発明の目的は、塩素を有効成分
とする殺菌水を、食塩水の電解によることなく、一般に
入手可能な薬品を使用して、安価で安定的に製造するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は殺菌水の製造方
法および製造装置に関するもので、本発明に係る殺菌水
の製造方法は、法規の規制外の塩酸および次亜塩素酸ソ
ーダを原料として生成する塩素を有効成分とする殺菌水
の製造方法であり、原料である塩酸を希釈して所定の低
濃度の塩酸を調製するとともに、原料である次亜塩素酸
ソーダを希釈して所定の低濃度の次亜塩素酸ソーダを調
製し、定流量の水流に前記低濃度の塩酸および低濃度の
次亜塩素酸ソーダを定量づつ添加してpH、および有効
塩素量を調整することを特徴とするものである。
【0010】また、本発明に係る殺菌水の製造装置は、
法規の規制外の塩酸および次亜塩素酸ソーダを原料とし
て生成する塩素を有効成分とする殺菌水の製造装置であ
り、原料である塩酸および次亜塩素酸ソーダをそれぞれ
収容する各原料タンクと、低濃度の塩酸および低濃度の
次亜塩素酸ソーダをそれぞれ調製する各調製タンクと、
前記各原料タンクからの塩酸、次亜塩素酸ソーダ、およ
び水源からの水を前記各調製タンクへそれぞれ一定量供
給する供給手段と、前記各調製タンクから調製された低
濃度の塩酸および低濃度の次亜塩素酸ソーダを定流量の
水流にそれぞれ一定量供給する供給手段を備えているこ
とを特徴とするものである。
【0011】本発明において、法規の規制外の塩酸、次
亜塩素酸ソーダとは、塩酸にあっては、「毒物および劇
物取締り法」で規制される塩酸以外の塩酸で10重量%
以下の低濃度の塩酸を意味し、また次亜塩素酸ソーダに
あっては、「労働安全衛生法」で規制される次亜塩素酸
ソーダ以外の次亜塩素酸ソーダで固体でない次亜塩素酸
ソーダ水溶液を意味する。
【0012】
【発明の作用・効果】本発明に係る殺菌水の製造方法に
よれば、塩素を有効成分とする殺菌水を、一般に入手可
能な薬品を使用して安全で、容易にかつ安価に製造する
ことができる。また、使用する塩酸、次亜塩素酸ソーダ
等の各薬品をカートリッジ式にして、各薬品のカートリ
ッジを使用済み毎に交換するようにすれば、各薬品の取
扱が一層簡便となって、殺菌水の製造が一層容易とな
る。当該殺菌水は、本発明に係る製造装置を使用すれ
ば、効率よく製造することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて説
明するに、図1は本発明に係る殺菌水の製造装置の一例
を示す概略図であり、当該製造装置10は、塩酸の原液
タンクである第1原液タンク11a、次亜塩素酸ソーダ
の原液タンクである第2原液タンク11b、低濃度の塩
酸の調製タンクである第1調製タンク12a、低濃度の
次亜塩素酸ソーダの調製タンクである第2調製タンク1
2b、貯水タンク13、および制御装置14を備えてい
る。
【0014】第1原液タンク11aは塩酸を収容するカ
ートリッジ式のものであり、また第2原液タンク11b
は次亜塩素酸ソーダの水溶液を収容するカートリッジ式
のものであり、各薬液を消費した場合にはこれら各薬品
を収容する他のタンクと交換可能になっている。
【0015】第1原液タンク11aは、接続管路15a
を介して第1調製タンク12aに接続され、第1調製タ
ンク12aは、接続管路15bを介して主管路16aに
接続されているとともに、水道水の供給管路16bに接
続されている。第2原液タンク11bは、接続管路15
cを介して第2調製タンク12bに接続され、第2調製
タンク12bは、接続管路15dを介して主管路16a
に接続されているとともに、水道水の供給管路16cに
接続されている。貯水タンク13は、水道水の供給管路
16dに接続されているとともに、主管路16aに接続
されている。
【0016】各接続管路15a,15c、および各水供
給管路16b,16c,16dには開閉バルブ17a,
17b,17c,17d,17eが介装されているとと
もに、各接続管路15b,15dには定量バルブ17
f,17gが介装され、かつ主管路16aには流量調節
バルブ17hと、送水ポンプ18aが介装されている。
【0017】なお、図中の符号12c,18bは第1調
製タンク12aのフロートスイッチ、および撹拌ポンプ
を示し、同様に、符号12d,18cは第2調製タンク
12bのフロートスイッチ、および撹拌ポンプを示して
いる。
【0018】当該製造装置10においては、各フロート
スイッチ12c,12d、各開閉バルブ17a〜17
e、各定量バルブ17f,17g、流量調節バルブ17
fの作動、各ポンプ18a〜18cの駆動は、全て制御
装置14にて制御される。
【0019】当該製造装置10を使用して殺菌水を製造
するには、各フロートスイッチ12c,12dを作動し
て各開閉バルブ17c,17dを開放して、第1,第2
調製タンク12a,12bに一定量の水を供給するとと
もに、各開閉バルブ17a,17bを開放して各調製タ
ンク12a,12bに一定量の塩酸、次亜塩素酸ソーダ
を供給し、撹拌ポンプ18b,18cを駆動させて均一
に撹拌して、第1調製タンク12a内では一定の低濃度
の塩酸を調製し、第2調製タンク12bでは一定の低濃
度の次亜塩素酸ソーダ水溶液を調製する。
【0020】これらの調製時には、各開閉バルブ17a
〜17dは制御装置14により開閉制御され、第1調製
タンク12aには一定の低濃度の塩酸の一定量を常に貯
留させ、また第2調製タンク12bには一定の低濃度の
次亜塩素酸ソーダ水溶液の一定量を常に貯留させてお
く。
【0021】一方、貯水タンク13には、常時水が一定
量貯留させておき、送水ポンプ18aの駆動により流量
調節バルブ17hを通して主管路16aに一定流量の水
を流動させ、この一定流量の水流中に、第1調製タンク
12aからは一定の低濃度塩酸を定量バルブ17fを通
して供給し、かつ第2調製タンク12bからは一定の低
濃度次亜塩素酸ソーダ水溶液を定量バルブ17gを通し
て供給する。これにより、主管路16a内では水と、低
濃度塩酸と、低濃度次亜塩素酸ソーダ水溶液とが混合さ
れ、次亜塩素酸を主成分とする殺菌水が生成される。
【0022】なお、生成される殺菌水のpH、および有
効塩素量は各調製タンク12a,12bで調製される低
濃度塩酸、低濃度次亜塩素酸ソーダ水溶液の濃度、これ
らの低濃度の塩酸、低濃度次亜塩素酸ソーダ水溶液の主
管路16aへの供給量、および主管路16aの水の流量
にて決定され、予めこれらの値を設定して制御装置14
にて制御する。
【0023】当該製造装置10を使用して殺菌水を製造
する実験では、塩酸の原料として一般に入手可能な10
重量%の濃度の塩酸を収容したカートリッジを採用する
とともに、次亜塩素酸ソーダの原料として一般に入手可
能な12重量%の濃度の次亜塩素酸ソーダ水溶液を収容
したカートリッジを採用して行い、各カートリッジの薬
液が消費された場合には、各カートリッジをその都度交
換して実験を続行した。
【0024】また、本実験では、調製された低濃度塩酸
および低濃度次亜塩素酸ソーダ水溶液の濃度、主管路へ
の供給量、主管路での水の流量と、殺菌水のpH、有効
塩素量の関係を予め測定しておく。これらの関係の一例
を表1に示す。但し、同表に示す値は、主管路での水の
流量を5000cc/min、低濃度塩酸の濃度を0.
1重量%、低濃度次亜塩素酸ソーダ水溶液の濃度を0.
001重量%に設定した場合の値である。
【0025】
【表1】
【0026】なお、当該製造装置10は、pHセンサ
ー、有効塩素センサーを使用してフィードバック制御す
るものではない低コスト型のものであるため、pHの設
定値に対して殺菌水のpH値には所定の幅がある。
【0027】図2には、本発明に係る殺菌水の製造装置
の他の一例が示されている。当該製造装置20は、pH
センサーおよび有効塩素センサーを使用してフィードバ
ック制御する高精度型のものであり、基本構成は製造装
置10と同一であるが、低濃度塩酸を調製する第1調製
タンク22a、および主管路26aにはpHセンサー2
9a,29bが配設され、また低濃度次亜塩素酸ソーダ
水溶液を調製する第2調製タンク22b、および主管路
26aには有効塩素センサー29c,29dが配設さ
れ、さらには主管路26aにはミキサー29eが配設さ
れている。
【0028】なお、その他の構成については製造装置1
0と同一であるため、同一の構成部材、および同一の構
成部位については、20番台の類似の符号を付してその
詳細な説明を省略する。
【0029】当該製造装置20においては、第1調製タ
ンク22a内の低濃度塩酸のpH値をpHセンサー29
aにて検出して、同低濃度塩酸のpHを設定された一定
値となるように開閉バルブ27aを制御し、また第2調
製タンク22b内の低濃度次亜塩素酸水溶液の有効塩素
値を有効塩素センサー29cにて検出して、同低濃度水
溶液の有効塩素量を設定された一定値となるように開閉
バルブ27bを制御する。
【0030】一方、主管路26aにおいては、主管路2
6a内を流れる水、供給された低濃度塩酸、および低濃
度次亜塩素酸ソーダ水溶液をミキサー29eにて均一に
混合し、pHセンサー29bおよび有効塩素センサー2
9dにて混合された水溶液のpH値、有効塩素量を検出
し、水溶液中のpH値、有効塩素量が設定された一定値
となるように各定量バルブ27f,27gを制御する。
【0031】これにより、当該製造装置20において
は、製造装置10を使用した場合に比較して、製造され
る殺菌水のpH値、および有効塩素量を設定値に精度よ
く一致させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る製造装置の一例を示す概略構成図
である。
【図2】本発明に係る製造装置の他の一例を示す概略構
成図である。
【符号の説明】
10,20…製造装置、11a,21a…第1原液タン
ク、11b,21b…第2原液タンク、12a,22a
…第1調製タンク、12b,22b…第2調製タンク、
13,23…貯水タンク、14,24…制御装置、16
a,26a…主管路、17a〜17e,27a〜27e
…開閉バルブ、17f,17g,27f,27g…定量
バルブ、17h,27h…流量調節バルブ、18a,2
8a…送水ポンプ、29a,29b…pHセンサー、2
9c,29d…有効塩素センサー、29e…ミキサー。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】法規の規制外の塩酸および次亜塩素酸ソー
    ダを原料として生成する塩素を有効成分とする殺菌水の
    製造方法であり、原料である塩酸を希釈して所定の低濃
    度の塩酸を調製するとともに、原料である次亜塩素酸ソ
    ーダを希釈して所定の低濃度の次亜塩素酸ソーダを調製
    し、定流量の水流に前記低濃度の塩酸および低濃度の次
    亜塩素酸ソーダを定量づつ添加してpH、および有効塩
    素量を調整することを特徴とする殺菌水の製造方法。
  2. 【請求項2】法規の規制外の塩酸および次亜塩素酸ソー
    ダを原料として生成する塩素を有効成分とする殺菌水の
    製造装置であり、原料である塩酸および次亜塩素酸ソー
    ダをそれぞれ収容する各原料タンクと、低濃度の塩酸お
    よび低濃度の次亜塩素酸ソーダをそれぞれ調製する各調
    製タンクと、前記各原料タンクからの塩酸、次亜塩素酸
    ソーダ、および水源からの水を前記各調製タンクへそれ
    ぞれ一定量供給する供給手段と、前記各調製タンクから
    調製された低濃度の塩酸および低濃度の次亜塩素酸ソー
    ダを定流量の水流にそれぞれ一定量供給する供給手段を
    備えていることを特徴とする殺菌水の製造装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001321778A (ja) * 2000-05-12 2001-11-20 Dkk Toa Corp 殺菌水生成方法及び装置
JP2002267300A (ja) * 2001-03-12 2002-09-18 Shiro Ando 殺菌氷及びその製造方法
WO2005054138A1 (ja) * 2003-12-01 2005-06-16 Hsp Co., Ltd. 殺菌水の連続生成装置
US7767157B2 (en) * 2001-01-16 2010-08-03 Tomco2 Equipment Company Pressurized solution feed system for introducing hypochlorous acid to a fluid stream

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