JP2011104498A - 排気ガス浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低温活性に優れると共にN2Oの副生成を抑制することのできる排気ガス浄化装置を提供する。
【解決手段】ディーゼルエンジン1は、生成された排気ガスが流通する排気管2を備えている。排気管2には、高温活性触媒3と、これよりも下流側に設けられた低温活性触媒4とが設けられている。高温活性触媒3は、担体Al2O3にAgを担持した触媒であり、低温活性触媒4は、Al2O3にTiO2を混合した担体にPtを担持した触媒である。尚、低温活性触媒4の担体には、Al2O3及びTiO2の他に、不可避的不純物のみが含まれている。
【選択図】図1
【解決手段】ディーゼルエンジン1は、生成された排気ガスが流通する排気管2を備えている。排気管2には、高温活性触媒3と、これよりも下流側に設けられた低温活性触媒4とが設けられている。高温活性触媒3は、担体Al2O3にAgを担持した触媒であり、低温活性触媒4は、Al2O3にTiO2を混合した担体にPtを担持した触媒である。尚、低温活性触媒4の担体には、Al2O3及びTiO2の他に、不可避的不純物のみが含まれている。
【選択図】図1
Description
この発明は、排気ガス浄化装置に関する。
自動車の排気ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)は、水素(H2)を還元剤として用いることで、酸素共存下、低温であっても効率良く還元浄化できる。還元触媒としては白金(Pt) がもっともよく知られており、100℃程度の低温でもNOxを効率よく還元することができるが、活性温度域が極端に狭く、一酸化二窒素(N2O) を副生成するといった問題が指摘されている。特許文献1では、活性温度域の狭さを改善するために、活性温度域の異なる2種の触媒を組み合わせる方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1の技術では、NOx還元温度域の拡張だけに留まり、同時にN2Oの副生成を抑制することはできないといった問題点があった。
この発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、低温活性に優れると共にN2Oの副生成を抑制することのできる排気ガス浄化装置を提供することを目的とする。
この発明に係る排気ガス浄化装置は、排気ガス中に含まれるH2を還元剤としてNOxを還元する排気ガス浄化装置であって、担体と、担体に担持された白金(Pt)とからなる触媒を備え、担体は、アルミナ(Al2O3)と、チタニア(TiO2)及びジルコニア(ZrO2)の少なくとも一方と、不可避的不純物とからなる。
担体は、Al2O3と、TiO2と、不可避的不純物とから構成されてもよい。
担体は、Al2O3を10〜90質量%含んでもよい。
担体は、Al2O3を30〜70質量%含んでもよい。
触媒よりも上流側に、該触媒よりも活性温度の高い高温活性触媒を備えてもよい。
高温活性触媒は銀(Ag)及びAl2O3を含んでもよい。
担体は、Al2O3と、TiO2と、不可避的不純物とから構成されてもよい。
担体は、Al2O3を10〜90質量%含んでもよい。
担体は、Al2O3を30〜70質量%含んでもよい。
触媒よりも上流側に、該触媒よりも活性温度の高い高温活性触媒を備えてもよい。
高温活性触媒は銀(Ag)及びAl2O3を含んでもよい。
この発明によれば、H2を還元剤としてNOxを還元する触媒が、Al2O3と、TiO2及びZrO2の少なくとも一方と、不可避的不純物とからなる担体と、この担体に担持されたPtとを含むことにより、触媒が低温活性に優れると共にN2Oの副生成を抑制することができる。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
この発明の排気ガス浄化装置の構成を図1に示す。内燃機関であるディーゼルエンジン1は、生成された排気ガスが流通する排気管2を備えている。排気管2には、高温活性触媒3と、これよりも下流側に設けられた低温活性触媒4とが設けられている。高温活性触媒3は、担体Al2O3にAgを担持した触媒であり、低温活性触媒4は、Al2O3にTiO2を混合した担体にPtを担持した触媒である。尚、低温活性触媒4の担体には、Al2O3及びTiO2の他に、不可避的不純物のみが含まれている。図2に示されるように、高温活性触媒3は、200℃以上の高温でNOxの還元反応が起こり、低温活性触媒4は、100℃〜200℃の低温の範囲で、NOxの還元反応が起こる。また、ディーゼルエンジン1においては、燃料である軽油を、公知の技術で改質してH2を生成し、このH2を、図1に図示しない水素供給装置により、排気ガス中に還元剤として導入している。
この発明の排気ガス浄化装置の構成を図1に示す。内燃機関であるディーゼルエンジン1は、生成された排気ガスが流通する排気管2を備えている。排気管2には、高温活性触媒3と、これよりも下流側に設けられた低温活性触媒4とが設けられている。高温活性触媒3は、担体Al2O3にAgを担持した触媒であり、低温活性触媒4は、Al2O3にTiO2を混合した担体にPtを担持した触媒である。尚、低温活性触媒4の担体には、Al2O3及びTiO2の他に、不可避的不純物のみが含まれている。図2に示されるように、高温活性触媒3は、200℃以上の高温でNOxの還元反応が起こり、低温活性触媒4は、100℃〜200℃の低温の範囲で、NOxの還元反応が起こる。また、ディーゼルエンジン1においては、燃料である軽油を、公知の技術で改質してH2を生成し、このH2を、図1に図示しない水素供給装置により、排気ガス中に還元剤として導入している。
次に、この実施の形態に係る排気ガス浄化装置の動作について説明する。
ディーゼルエンジン1が起動した直後は、一般的に、排気管2を流通する排気ガスの温度が低い。排気ガスの温度が上昇して100℃〜200℃の範囲に達すると、高温活性触媒3ではほとんど何の反応も起こらないが、低温活性触媒4において、H2の存在下、排気ガス中のNOxの還元反応が起こる。後述するように、この低温活性触媒4は、N2Oの副生成が抑制されているので、この排気ガス浄化装置によって浄化された排気ガス中のN2Oの濃度を低く抑えることができる。
ディーゼルエンジン1が起動した直後は、一般的に、排気管2を流通する排気ガスの温度が低い。排気ガスの温度が上昇して100℃〜200℃の範囲に達すると、高温活性触媒3ではほとんど何の反応も起こらないが、低温活性触媒4において、H2の存在下、排気ガス中のNOxの還元反応が起こる。後述するように、この低温活性触媒4は、N2Oの副生成が抑制されているので、この排気ガス浄化装置によって浄化された排気ガス中のN2Oの濃度を低く抑えることができる。
ディーゼルエンジン1の稼働が継続し、ディーゼルエンジン1が暖機されて、排気ガス温度が200℃以上に上昇すると、高温活性触媒3においてNOxの還元反応が起こるようになり、低温活性触媒4ではほとんどNOxの還元反応が起こらなくなる。この高温活性触媒3は、N2Oの副生成がないことが知られているので、この排気ガス浄化装置によって浄化された排気ガス中のN2Oの濃度を低く抑えることができる。
次に、この実施の形態に係る排気ガス浄化装置がN2Oの副生成を抑制することについて説明する。
図3に、Ptを担持する担体の成分を変更した触媒について、温度とN2生成率との関係を示す。この実施の形態の低温活性触媒4として使用した、Al2O3にTiO2を混合した担体にPtを担持した触媒(以下、「触媒I」と称する)は、100℃〜200℃の範囲において、Al2O3からなる担体にPtを担持した触媒(以下、「触媒III」と称する)に比べて、N2生成率が大きくなった。NOxの還元反応において、生成される物質は主に、N2及びN2Oであることから、N2生成率が大きいということは、すなわちN2Oの生成が抑制されていることを意味している。従って、触媒Iを使用することにより、低温活性に優れると共にN2Oの副生成を抑制することのできる排気ガス浄化装置が実現される。
図3に、Ptを担持する担体の成分を変更した触媒について、温度とN2生成率との関係を示す。この実施の形態の低温活性触媒4として使用した、Al2O3にTiO2を混合した担体にPtを担持した触媒(以下、「触媒I」と称する)は、100℃〜200℃の範囲において、Al2O3からなる担体にPtを担持した触媒(以下、「触媒III」と称する)に比べて、N2生成率が大きくなった。NOxの還元反応において、生成される物質は主に、N2及びN2Oであることから、N2生成率が大きいということは、すなわちN2Oの生成が抑制されていることを意味している。従って、触媒Iを使用することにより、低温活性に優れると共にN2Oの副生成を抑制することのできる排気ガス浄化装置が実現される。
図3には、触媒I及び触媒IIIに加え、Al2O3にZrO2を混合した担体にPtを担持した触媒(以下、「触媒II」と称する)についても、温度とN2生成率との関係を示している。尚、触媒I及びIIにおいて、担体中のAl2O3含有量は同じ条件にしている。触媒IIは、触媒Iに比べればN2生成率が劣るものの、触媒IIIに比べればN2生成率が大きい。このことから、触媒IIを使用しても、低温活性に優れると共にN2Oの副生成を抑制することのできる排気ガス浄化装置が実現されると言える。図3には示されていないが、Al2O3にTiO2及びZrO2の両方を混合した担体にPtを担持した触媒は、温度とN2生成率との関係が触媒Iと触媒IIとの間になる。ZrO2よりもTiO2の割合が大きくなれば触媒Iに近づき、TiO2よりもZrO2の割合が大きくなれば触媒IIに近づく。従って、Al2O3にTiO2及びZrO2の少なくとも一方を混合した担体にPtを担持した触媒を使用することにより、低温活性に優れると共にN2Oの副生成を抑制することのできる排気ガス浄化装置が実現される。また、触媒Iは触媒IIに比べ特に100℃前後におけるN2生成率が大きく、触媒Iが最適な触媒であることが分かる。
Al2O3にTiO2またはZrO2を混合することにより、N2Oの副生成を抑制できる理由としては、TiO2及びZrO2の比表面積及び酸性度(等電点)が起因しているものと考えられる。Al2O3と、TiO2及びZrO2と、その他の化合物、酸化マグネシウム(MgO)、二酸化錫(SnO2)、酸化イットリウム(Y2O3)、三酸化二鉄(Fe2O3)とについて、化学便覧等から得られる比表面積及び等電点を、表1に示す。
表1によると、TiO2及びZrO2は、その他の4つの化合物に比して、比表面積が大きいと共に酸性が強い(等電点が低い)。図3には図示していないが、これら4つの化合物については、N2生成率が触媒IIIと同等もしくは低くなっている。従って、TiO2及びZrO2は比表面積が大きいと共に酸性が強い(等電点が低い)ことからN2Oの副生成を抑制できるのだと推測される。
図4には、触媒Iにおいて、担体中のAl2O3とTiO2との比率(担体中のAl2O3含有量をデータとして使用)と、触媒IのNOx転化率、N2生成率、N2選択性との関係を示す。尚、図4は、温度125℃の条件下で測定した結果である。担体中のAl2O3またはTiO2のいずれかの含有量が多い場合、すなわち、図4において、Al2O3含有量が90〜100質量%の場合または0〜10質量%の場合は、Al2O3含有量が10〜90質量%の場合に比べて、N2選択性が低下している。これは、N2Oの副生成が上昇していることを意味しており、担体中のAl2O3及びTiO2の比率がどちらか一方に偏りすぎると、N2Oの副生成が上昇することになる。従って、担体中のAl2O3含有量は、10〜90質量%が好ましく、30〜70質量%がさらに好ましい。尚、図4には示されていないが、ZrO2についてもほぼ同様の結果が得られる。
このように、低温活性触媒4を用いることにより、100℃〜200℃の範囲でNOxの還元反応が生じるようになるので、この実施の形態に係る排気ガス浄化装置は、低温活性に優れ、また、低温活性触媒4は、N2Oの副生成を抑制するので、この実施の形態に係る排気ガス浄化装置は、N2Oの副生成を抑制することができる。
また、低温活性触媒4よりも上流側に、低温活性触媒4よりも高温で触媒活性を示すと共にN2Oを副生成しない高温活性触媒3(担体Al2O3にAgを担持したもの)を設けることにより、排気ガス温度が200℃以上の高温になったとしても、NOxを還元浄化することができる。
また、低温活性触媒4よりも上流側に、低温活性触媒4よりも高温で触媒活性を示すと共にN2Oを副生成しない高温活性触媒3(担体Al2O3にAgを担持したもの)を設けることにより、排気ガス温度が200℃以上の高温になったとしても、NOxを還元浄化することができる。
この実施の形態に係る排気ガス浄化装置は、高温活性触媒3及び低温活性触媒4を備えていたが、この形態に限定するものではない。低温活性触媒4のみを備えた形態であってもよい。また、高温活性触媒3と低温活性触媒4との間、または、高温活性触媒3よりも上流側に、活性温度の異なる触媒をさらに設けてもよい。
3 高温活性触媒、4 低温活性触媒(触媒)。
Claims (6)
- 排気ガス中に含まれるH2を還元剤としてNOxを還元する排気ガス浄化装置であって、
担体と、
該担体に担持されたPtと
からなる触媒を備え、
前記担体は、
Al2O3と、
TiO2及びZrO2の少なくとも一方と、
不可避的不純物と
からなる排気ガス浄化装置。 - 前記担体は、Al2O3と、TiO2と、不可避的不純物とからなる、請求項1に記載の排気ガス浄化装置。
- 前記担体は、Al2O3を10〜90質量%含む、請求項1または2に記載の排気ガス浄化装置。
- 前記担体は、Al2O3を30〜70質量%含む、請求項3に記載の排気ガス浄化装置。
- 前記触媒よりも上流側に、該触媒よりも活性温度の高い高温活性触媒を備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の排気ガス浄化装置。
- 前記高温活性触媒はAg及びAl2O3を含む、請求項5に記載の排気ガス浄化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009261057A JP2011104498A (ja) | 2009-11-16 | 2009-11-16 | 排気ガス浄化装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011104498A true JP2011104498A (ja) | 2011-06-02 |
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JP2009261057A Pending JP2011104498A (ja) | 2009-11-16 | 2009-11-16 | 排気ガス浄化装置 |
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JP (1) | JP2011104498A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102155628B1 (ko) * | 2019-05-14 | 2020-09-14 | 이덕기 | 반도체 제조공정의 질소산화물 및 입자성 물질 제거장치 |
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2009
- 2009-11-16 JP JP2009261057A patent/JP2011104498A/ja active Pending
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KR102155628B1 (ko) * | 2019-05-14 | 2020-09-14 | 이덕기 | 반도체 제조공정의 질소산화물 및 입자성 물질 제거장치 |
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