JP2011103834A - コラーゲン合成活性の日内変動測定方法 - Google Patents

コラーゲン合成活性の日内変動測定方法 Download PDF

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香津代 泉
Takayoshi Ushiyama
敬義 牛山
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浩一 仲尾次
Kazuhiko Hamada
和彦 濱田
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Abstract

【課題】日内におけるコラーゲン合成活性の変動を測定することができるコラーゲン合成活性の日内変動測定方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明のコラーゲン合成活性の日内変動測定方法は、コラーゲンをコードする遺伝子のプロモーター領域と該プロモーター領域の下流に配され発光酵素をコードする遺伝子とを有する組み換えベクターを作製する組み換えベクター作製工程と、前記ベクターを宿主細胞に導入することにより形質転換細胞を得る形質転換細胞作製工程と、前記形質転換細胞を前記発光酵素の基質の存在下で培養する培養工程と、前記培養工程中に発光強度を測定する発光強度測定工程とを実施することを特徴としている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、コラーゲン合成活性の日内変動測定方法に関する。
コラーゲンは、皮膚の真皮、骨、関節等の組織に含まれているタンパク質の一種であり、組織における細胞と細胞とをつなぎとめる働きを担っている。詳しくは、コラーゲンは、皮膚に存在する線維芽細胞、骨を形成する骨芽細胞、軟骨に存在する軟骨細胞などにおいて合成され細胞外へ分泌されたのち、細胞の間を埋めて細胞間マトリクスを形成し、細胞と細胞とをつなぎとめ、組織の形状を保つ役割を担っている。
従来、斯かるコラーゲンの合成活性を測定する方法としては、培養細胞を用いた方法が知られている。具体的には、例えば、ヒト線維芽細胞を放射性物質の存在下で培養し、ヒト線維芽細胞が産出したコラーゲンに取り込まれた放射性物質の放射活性を調べることにより、産生されたコラーゲン量を検出してコラーゲン合成活性を測定する方法が知られている(特許文献1)。
しかしながら、斯かる測定方法においては、放射性物質の放射活性が検出可能な量にまでコラーゲンが産出されることを要するため、培養開始直後などのコラーゲン量が少ないときにコラーゲン合成活性を測定することが比較的困難である。また、斯かる測定方法においては、培養しながらコラーゲン合成の活性を測定することが困難であることから、活性を経時的に測定することが困難であるという問題がある。
特開平07−194375号公報
従って、斯かる測定方法においては、コラーゲン合成の活性を経時的に測定することが困難であり、例えば、日内におけるコラーゲン合成活性の変動を測定することが困難であるという問題がある。即ち、斯かる測定方法においては、コラーゲン合成活性が日内でどのような発現リズムを有しているかを把握することが困難であるという問題がある。
本発明は、上記問題点等に鑑み、日内におけるコラーゲン合成活性の変動を測定することができるコラーゲン合成活性の日内変動測定方法を提供することを課題とする。
本発明に係るコラーゲン合成活性の日内変動測定方法は、コラーゲンをコードする遺伝子のプロモーター領域と該プロモーター領域の下流に配され発光酵素をコードする遺伝子とを有する組み換えベクターを作製する組み換えベクター作製工程と、前記組み換えベクターを宿主細胞に導入することにより形質転換細胞を得る形質転換細胞作製工程と、前記形質転換細胞を前記発光酵素の基質の存在下で培養する培養工程と、前記培養工程中に発光強度を測定する発光強度測定工程とを実施することを特徴としている。
上記構成からなるコラーゲン合成活性の日内変動測定方法によれば、前記発光強度測定工程における発光強度の測定結果をもとにして、コラーゲンをコードする遺伝子の所定時点における活性を経時的に調べることができる。
本発明に係るコラーゲン合成活性の日内変動測定方法においては、前記組み換えベクター作製工程で、コラーゲンをコードする遺伝子のプロモーター領域としてI型コラーゲンα1鎖をコードする遺伝子のプロモーター領域を用いることが好ましい。
本発明に係るコラーゲン合成活性の日内変動測定方法においては、前記組み換えベクター作製工程で、I型コラーゲンα1鎖をコードする遺伝子のプロモーター領域として配列番号:1に記載の塩基配列を有する遺伝子を用いることが好ましい。
本発明のコラーゲン合成活性の日内変動測定方法では、コラーゲンをコードする遺伝子の所定時点における活性を経時的に調べることができる。従って、本発明のコラーゲン合成活性の日内変動測定方法は、日内におけるコラーゲン合成活性の変動を測定することができるという効果を奏する。
組み換えベクターを導入した線維芽細胞を培養中の発光強度を示すグラフ。 組み換えベクターを導入した線維芽細胞を培養中の発光強度を示すグラフ。 組み換えベクターを導入した線維芽細胞を培養中の発光強度を示すグラフ。 組み換えベクターを導入した線維芽細胞を培養中の発光強度を示すグラフ。 組み換えベクターを導入した線維芽細胞を培養中の発光強度を示すグラフ。
本発明の実施形態について以下に説明する。
本実施形態のコラーゲン合成活性の日内変動測定方法は、コラーゲンをコードする遺伝子のプロモーター領域と該プロモーター領域の下流に配され発光酵素をコードする遺伝子とを有する組み換えベクターを作製する組み換えベクター作製工程と、前記組み換えベクターを宿主細胞に導入することにより形質転換細胞を得る形質転換細胞作製工程と、前記形質転換細胞を前記発光酵素の基質の存在下で培養する培養工程と、前記培養工程中に発光強度を測定する発光強度測定工程とを実施するものである。
前記組み換えベクター作製工程では、コラーゲンをコードする遺伝子のプロモーター領域と、該プロモーター領域の下流に配され発光酵素をコードする遺伝子とをベクターに挿入し、従来公知の一般的な方法によって組み換えベクターを作製する。
また、前記組み換えベクター作製工程では、発光酵素の細胞内半減期を短くする目的で、発光酵素のC末端に分解促進シグナルであるPEST配列(プロリン、グルタミン酸、セリン、スレオニンに富む配列)が融合するように遺伝子を挿入し、組み換えベクターを作製することができる。
前記コラーゲンをコードする遺伝子としては、I型コラーゲンをコードする遺伝子、II型コラーゲンをコードする遺伝子、III型コラーゲンをコードする遺伝子などが挙げられる。ヒト真皮コラーゲンのうち最も量が多く測定の汎用性があるという点で、前記組み換えベクター作製工程では、I型コラーゲンをコードする遺伝子のプロモーター領域を有するベクターを作製することが好ましい。
また、I型コラーゲン線維を構成する3本鎖のうちの2本鎖を構成するα1鎖をコードする遺伝子であるという点で、前記組み換えベクター作製工程では、I型コラーゲンα1鎖をコードする遺伝子のプロモーター領域を有するベクターを作製することが好ましい。
前記組み換えベクター作製工程では、I型コラーゲンα1鎖をコードする遺伝子のプロモーター領域として、配列番号1に記載の塩基配列(参考文献 Human Collagen Krox Up-regulates Type I Collagen Expression in Normal and Scleroderma Fibroblasts through Interaction with Sp1 and Sp3 Transcription Factors,Magdalini Kypriotouら,THE JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY VOL. 282, NO. 44, pp. 32000-32014, November 2, 2007)を有している遺伝子を採用することが好ましく、配列番号1に記載の塩基配列からなる遺伝子を採用することがより好ましい。斯かる配列を用いることにより、より確実にコラーゲン合成活性の日内変動を測定できるという利点がある。
前記コラーゲンをコードする遺伝子のプロモーター領域は、例えば、該遺伝子を有するヒトのゲノムDNA等を鋳型として、該領域の両端の塩基配列に相補的なプライマーを用いたPCRによるクローニングによって作製することができる。
また、前記コラーゲンをコードする遺伝子のプロモーター領域は、例えば、PCRを用いた長鎖DNA合成法により人工的に作製することができる。
該長鎖DNA合成法では、合成オリゴヌクレオチド(DNAオリゴマー)プライマーを使用してDNAを合成する。プライマーの対は、プライマーの各々の3’末端に約10〜12bpの相補鎖またはオーバーラップをもつように合成され、お互いのプライマーを鋳型としてDNA合成を行う。プライマーの全長は、通常40〜100mer程度である。
該長鎖DNA合成法では、設計された塩基配列をもとにして、例えば約90塩基ごとにプライマーとしてのDNAオリゴマーを設計し、合成する。DNAオリゴマーの合成は、例えば、β-シアノエチルホスホアミダイド法によりDNA合成機を用いて行うことができる。
該長鎖DNA合成法では、まず、設計した塩基配列の中央部付近から5’側約40残基上流までの配列を用いて第1のDNAオリゴマー設計し、合成する。次に、この第1のDNAオリゴマーの3’側約10残基の配列を含み、この部分より遺伝子の3’下流側に40残基程度の長さの相補鎖オリゴマーを合成し、これを第2のDNAオリゴマーとする。また、第1のDNAオリゴマーの5’側約10残基を含み、この部分より遺伝子の5’上流側に40残基程度の長さの相補鎖オリゴマーを合成し、これを第3のDNAオリゴマーとする。さらに、第2のDNAオリゴマーの5’側(遺伝子側からみると3’側)の約10残基の配列を含み、この部分より遺伝子の3’下流側に第2のDNAオリゴマーの相補鎖を合成し、これを第4のDNAオリゴマーとする。以下同様に第5、第6のDNAオリゴマーを合成する。プロモーター領域の全部の領域をカバーできない場合は、カバーできるまでさらにDNAオリゴマーを合成する。
続いて、これらDNAオリゴマーを順番にPCR反応により結合する。詳しくは、まず、第1及び第2のDNAオリゴマーをプライマーとして用いてPCR反応を行う。次に、このPCR産物を鋳型として、第3、第4のDNAオリゴマーをプライマーとして用いてPCR反応を行う。PCR反応は、具体的には例えば、変性温度90℃程度で1分、アニール温度50℃程度で1分、伸長温度70℃程度で2分を1セットとして5サイクル反応させた後、変性温度90℃程度で1分、アニール温度60℃程度で1分、伸長温度70℃程度で2分を1セットして20サイクル反応を行うことができる。反応に使用するDNAポリメラーゼは塩基の取り込みエラー率の低い酵素を使用することが好ましい。以下、この操作を繰り返し、塩基配列を伸長し、目的の塩基配列(プロモーター領域)を得る。
また、前記コラーゲンをコードする遺伝子のプロモーター領域は、例えば、合成する遺伝子配列を40bp程度ずつ区切ったDNAオリゴマーを、相補鎖(逆鎖)が正鎖のDNAオリゴマーを橋渡しするようにDNA合成機などによって合成し、各DNAオリゴマーを混合してアニーリングすることによっても作製され得る。
得られたプロモーター領域は、適宜設計したプライマーを用いてPCRにより増幅するこができる。また、増幅したPCR産物を、常法に従い、例えば市販の精製キットの使用又は酢酸ナトリウムとエタノールとを用いた精製法などにより精製することができる。また、得られたプロモーター領域を常法に従いクローニングベクターに導入し、サブクローニングすることもできる。なお、得られたクローンの塩基配列をDNAシークエンサーで確認し、目的の塩基配列が得られたことを確認することができる。
前記組み換えベクター作製工程では、前記発光酵素をコードする遺伝子として、ルシフェラーゼをコードする遺伝子を採用することが好ましい。斯かる遺伝子のなかでも、非分泌型ルシフェラーゼをコードする遺伝子を採用することがより好ましい。なお、発光酵素は、該発光酵素の基質に作用して発光物質を生み出すものである。
前記組み換えベクター作製工程では、ルシフェラーゼをコードする遺伝子として、ホタル由来ルシフェラーゼをコードする遺伝子、ヒカリコメツキムシ由来ルシフェラーゼをコードする遺伝子、鉄道虫由来ルシフェラーゼをコードする遺伝子などを採用することができる。なかでも、ヒカリコメツキムシ由来ルシフェラーゼをコードする遺伝子を採用することが好ましい。
前記組み換えベクター作製工程で用いる組み換え前のベクターとしては、プラスミドベクター、コスミドベクター、ウイルスベクターなどを採用することができる。なかでも、取り扱いやすいという点で、プラスミドベクターを採用することが好ましい。
前記プラスミドベクターとしては、大腸菌由来のプラスミドベクター、枯草菌由来のプラスミドベクター、酵母由来のプラスミドベクターなどを採用することができる。大腸菌由来のプラスミドベクターとしては、作業が簡便になるという点で、発光酵素をコードする遺伝子があらかじめ導入されているもの(市販品)を採用することが好ましい。
前記発光酵素をコードする遺伝子は、上述したPCRを用いる方法と同様の方法によって作製することができる。また、目的配列付近のゲノムの断片を直接制限酵素等によって得て、ベクターにクローニングしてから、目的配列のみをさらにサブクローニングする方法によって作製することができる。また、発光酵素をコードする遺伝子を作製しなくとも、あらかじめ発光酵素をコードする遺伝子が導入されているプラスミドベクターを好適に採用できる。
前記組み換えベクター作製工程では、組み換え前のベクターに対して従来公知の一般的な方法によって遺伝子を組み換えることができる。
遺伝子を組み換える方法としては、具体的には例えば、次のような方法が採用され得る。即ち、ベクターにはマルチクローニングサイト(MCS)と呼ばれる、制限酵素認識部位が集中して配置されている部分があり、その部分に、組み込む(挿入する)遺伝子の末端配列に相補的な末端配列ができるような制限酵素を作用させ、ベクターを切断する。適当な末端配列がなければ、平滑末端になるように切断する。切断した後の断片に対しては、必要に応じて、断片の長さを基にして電気泳動により必要な断片のみを精製する。そして、切断されたベクターと挿入する遺伝子とを混合し、リガーゼによりライゲーションする。
前記形質転換細胞作製工程では、前記組み換えベクターを宿主細胞に導入することにより形質転換細胞を得る。
前記宿主細胞としては、培養によって増殖し得るものであれば特に限定されるものではなく、大腸菌や枯草菌などの細菌細胞、酵母細胞、動物細胞などを採用することができる。
該動物細胞としては、ヒト細胞を採用することができ、ヒト細胞としては、線維芽細胞、骨芽細胞、軟骨細胞などを採用することができる。なかでも、ヒト細胞としては、線維芽細胞を採用することが好ましい。また、生体内で起こっているコラーゲン産生現象に近い条件でコラーゲン合成活性を測定するという点で、株化細胞ではなく、上記細胞のような正常細胞を採用することが好ましい。
前記形質転換細胞は、従来公知の一般的な方法によって得ることができ、例えば、エレクトロポレーション法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法等によって前記ベクターを宿主細胞に導入することにより得ることができる。なかでも、操作が比較的簡便になるという点で、リポフェクション法を採用することが好ましい。
前記培養工程では、前記形質転換細胞を前記発光酵素の基質の存在下、適当な培養条件下で培養する。
具体的には、前記培養工程では、例えば、前記形質転換細胞を前記発光酵素としてのルシフェラーゼの基質であるルシフェリンの存在下で培養する。
前記発光酵素の基質は、培養中に形質転換細胞へ容易に浸透するものであり、発光酵素により発光物質になり得るものである。
前記形質転換細胞内の組み換えベクターにおいては、コラーゲンをコードする遺伝子のプロモーター領域に、RNAポリメラーゼ等の転写に必要な様々な因子が結合している。該プロモーター領域は、活性化することにより、この下流に配された発光酵素をコードする遺伝子を転写する。そして、該遺伝子によって産生された発光酵素によって発光酵素の基質が発光物質に変換される。即ち、コラーゲン合成活性が高まると、発光酵素の合成が盛んになり、発光酵素の基質が該発光酵素の作用を受けて発光物質の生成が高まる。このように、前記培養工程においては、コラーゲンをコードする遺伝子の活性が、発光強度に反映される。
前記培養工程における培養条件としては、前記形質転換細胞が生育できる条件を採用することができる。即ち、前記培養工程においては、例えば、温度を20〜40℃、好ましくは35〜40℃に設定し、培地のpHを6.0〜8.0、好ましくは7.0〜8.0に設定し、培養時間を好ましくは24〜120時間に設定する。また、培養時の環境は、二酸化炭素濃度が5%程度であることが好ましい。
前記培養工程で用いる培地は、特に限定されるものではなく、例えば、ヒト線維芽細胞を培養するために牛胎仔血清を含有した培地などを採用することができる。該培地には、微生物汚染を防ぐ目的で、抗生物質等が配合され得る。
前記培養工程は、培養細胞のコラーゲン合成活性に影響を与える被験物質の存在下でおこなうことが好ましい。該被験物質の存在下で培養工程をおこなうことにより、該被験物質がコラーゲン合成活性の発現リズムに与える影響(合成活性の日内変動に与える影響)を認識できるという利点がある。
前記被験物質としては、特に限定されないが、例えば、培養細胞の概日リズムの発現を同調させるものとして知られている概日リズム発現誘導剤を採用することができる。概日リズム発現誘導剤としては、例えば、デキサメタゾン、フォルスコリンなどを用いることができる。
前記発光強度測定工程では、前記培養工程がおこなわれている培地又は形質転換細胞から発せられる発光強度を測定する。該発光強度を測定することにより、発光強度の大きさを指標にしてコラーゲン合成活性の大きさを測定する。
なお、産生されるルシフェラーゼが非分泌型ルシフェラーゼであれば、培養された形質転換細胞内で酵素反応が起きていると考えられ、主に形質転換細胞から発光が生じる。
前記発光強度測定工程では、適宜適当な発光強度の測定方法を採用することができる。
具体的には、前記発光強度測定工程では、例えば、恒温に保てる培養設備及び光検出器を装備したリアルタイムレポーターアッセイ用発光測定装置(実施例に記載)を用いて、発光強度を測定することができる。この場合、培養に用いるディッシュ自体の発光強度を測定し、各測定値からこの測定値を差し引くことにより、測定結果を補正することができる。
また、前記発光強度測定工程では、分泌型の発光酵素をコードする遺伝子を用いた場合、形質転換細胞の培養物又は培養上清と基質との混合物を、ルミノメーターを用いた発光測定に供し、相対発光強度(RLU)によりコラーゲン合成活性を測定することができる。
また、前記発光強度測定工程では、分泌型の発光酵素をコードする遺伝子を用いた場合、コラーゲン合成活性の測定値を補正して標準化すべく、培養液又は培養上清の濁度(例えば600nmにおける吸光度)を測定し、相対発光強度を濁度で除することによって補正した値(RLU/OD)を、コラーゲン合成活性値にすることができる。
また、前記発光強度測定工程では、相対発光強度を標準化すべく、形質転換細胞に含まれるATP量を測定し、この測定値で相対発光強度を除する方法を採用することができる。
また、前記発光強度測定工程では、形質転換細胞にコラーゲン以外のタンパク質を発現させて、そのタンパク質量を測定し、その値で相対発光強度を除して発光強度を補正することができる。
また、前記発光強度測定工程では、基質や発光スペクトルが異なるなど、発光を区別できる複数の発光酵素を発現させて、一方の発光酵素由来の発光強度で他方の発光強度を除することにより、発光強度を補正することができる。
前記培養工程及び前記発光強度測定工程は、市販のリアルタイムレポーターアッセイ用発光測定装置を用いておこなうことができる。該発光測定装置を用いることにより、コラーゲン合成活性をリアルタイムで測定することができる。
前記コラーゲン合成活性の日内変動測定方法においては、好ましくは、前記培養工程で、前記被験物質としての概日リズム発現誘導剤の存在下での実施と、前記被験物質として概日リズム発現を誘導するか否か不明な試供被験物質の存在下での実施とをそれぞれおこない、前記発光強度測定工程で、発光強度をそれぞれ測定し、各発光強度の経時的な変化を比較する。そして、概日リズム発現誘導剤を用いた場合と試供被験物質を用いた場合との比較により、試供被験物質が培養細胞のコラーゲン合成活性における概日リズムに対してどのような影響を与えるかについての評価をおこなうことができる。
なお、時計遺伝子として知られているPeriod遺伝子やBmal遺伝子を、前記組み換えベクター作製工程における操作と同様にしてベクターに挿入し、同様に測定した結果を参考として得ることができる。該結果と、本実施形態の測定方法による結果とを比較することにより、コラーゲン合成遺伝子がどのような概日リズムを発現するものかを調べることができる。
また、本発明のコラーゲン合成活性の日内変動測定方法は、上記例示の実施形態に限定されるものではなく、一般のコラーゲン合成活性の測定方法において採用される種々の形態を、本発明の効果を損ねない範囲で採用することができる。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
ヒカリコメツキムシ由来ルシフェラーゼ(非分泌型ルシフェラーゼ)をコードする遺伝子をあらかじめ含むルシフェラーゼ発光ベクター[商品名「pEluc(PEST)-test」(東洋紡社製 #ELV-201)PEST配列付加済]にヒトI型コラーゲンα1鎖遺伝子プロモーター領域(hCOL1a1 配列番号1)を挿入した組み換えベクターを作製し、組み換えベクター作製工程を実施した。
詳しくは、組み換えベクター作製工程では、一般的に行われているPCRを用いた長鎖DNA合成法(上述)によって2本鎖DNA(hCOL1a1)を人工的に合成した。より詳しくは、合成する遺伝子配列を40bpずつ区切ったDNAオリゴマーを、相補鎖(逆鎖)が正鎖のDNAオリゴマーを橋渡しするように合成した。PCR反応を用いて各DNAオリゴマーから2本鎖DNAを合成した。
また、下記のプライマー:
5'- ctcgagttggggaaatttggagaaggag -3' (primer1)
3'- gtctagaccctagacatgtagatcgaattc -5' (primer2)
及び下記の試薬等を用いて下記のPCR条件により該2本鎖DNAを増幅しPCR産物を得た。試薬濃度、操作の詳細は次の通りである。
5×PrimeSTAR Buffer(Mg2+ plus)(タカラバイオ社製)を終濃度1×、
dNTP Mixture(2.5 mM each)を終濃度200μM、
各プライマーを終濃度0.25μM、
鋳型遺伝子を200ng程度、
「PrimeSTAR HS DNA Polymerase」(タカラバイオ社製)1.25U、
これらを滅菌蒸留水で50μlになるように反応液を調製、
このようにして調製した反応液を用いて、98°C10秒、55°C15秒、72°C3分の条件でPCRを行った。また、この3段階の各工程を30サイクルおこなった。
斯かる反応後のPCR反応液を「Mighty TA-cloning Kit for PrimeSTAR」(タカラバイオ社製 6029)を用いて、プロトコールどおりに精製し、PCR産物にdA付加反応を行い、これを「T-Vector pMD19simple」(タカラバイオ社製 #3271)にTAクローニングを行った。
具体的には、PCR反応液を Micropure-EZのフィルターカップに移し、12,000〜15,000rpmで30秒〜1分間遠心した。その後、濾液9μl、dATP 0.5μl、A-overhang enzyme0.5μをマイクロチューブ内で混和して調製し、65℃で10分間反応した。
斯かる反応後の産物1μlと、「T-Vector pMD19simple」(タカラバイオ社製 #3271)1μlと、滅菌蒸留水3μlとを混合した。これに、Ligation Mighty Mixを5μl加え、穏やかに混合した後、16℃で30分間インキュベートして、TAクローニングを行い、常法に従い、シークエンス解析をおこなった。その結果、配列が正しいことを確認した。そして、人工的に合成した2本鎖DNAを上記「pEluc(PEST)-test」のマルチクローニングサイトに対して、制限酵素5’Xhol、制限酵素3’EcoRI、及びリガーゼ(T4 DNA Ligase)を用いて挿入した。
次に、Minimum Esssential Medium-alpha(GIBCO社製 12571)に牛胎仔血清を加え10%の牛胎仔血清を含有するように調製した培地(以下、「10%牛胎仔血清含有MEM-alpha培地」という)でヒト正常線維芽細胞NHDF(理化学研究所 バイオリソースセンター製 RCB0222)を前培養し、このヒト正常線維芽細胞に、組み換えベクター作製工程で作製したベクターをトランスフェクションし、形質転換細胞作製工程を実施した。なお、トランスフェクションは、リポフェクション法により行った。具体的には、トランスフェクション試薬「FuGENE6」(Roche社製 #11 815 091 001)を用いて、Minimum Esssential Medium-alpha 97μlに「FuGENE6」を3μl添加し、5分間静置後、プラスミド1μgを添加し、さらに20分静置した。この全量を35mmディッシュに添加し、16時間以上培養した。
続いて、0.1μM濃度となるようにデキサメタゾンを10%牛胎仔血清含有MEM-alpha培地に加えて2時間反応した後、0.1mM濃度となるようにD-ルシフェリン(東洋紡社製 #MRL-101)をさらに培地に添加して、リアルタイムレポーターアッセイ用発光測定装置「Kronos Dio」(アトー社製 #AB-2550)中で培養をおこない、培養工程を実施した。培養条件は、5%の二酸化炭素を含む環境下で37℃に設定した。
培養工程を実施している間、リアルタイムレポーターアッセイ用発光測定装置「Kronos Dio」(アトー社製 #AB-2550)を用いて培養中の発光強度を測定し、発光強度測定工程を実施した。発光強度の測定は、経時的に(測定間隔10分間、測定時間1分間)おこなった。また、培養に用いるディッシュ自体の発光強度を測定し、各測定値からこの測定値を差し引くことにより、測定結果を補正した。
結果を図1に示す。なお、図1における縦軸は、発光量の前後12時間の移動平均を各発光量から引いたDetrend bioluminescenceを示し、横軸は、デキサメタゾン添加からの経過時間を示す。
〔参考例〕
概日リズム(体内時計)をつかさどるヒト時計遺伝子の1つであるhBMAL1のプロモーター領域を、ルシフェラーゼ発光ベクター[商品名「pEluc(PEST)-test」(東洋紡社製 #ELV-201)]に挿入した組み換えベクターを作製した点以外は、実施例1と同様にして測定した。その結果を図2に示す。
実施例1の測定方法によって、培養細胞のコラーゲン合成活性における日内変動をリアルタイムで測定できる。
また、図1から、培養細胞のコラーゲン合成活性には、図2におけるhBMAL1遺伝子の発現と同様に、約24時間周期の発現リズム(概日リズム)があることが認識できる。
また、図1を図2と比較することによって、コラーゲンを合成する遺伝子にも、時計遺伝子と同様な約24時間周期の発現リズム(概日リズム)があることが確認できる。詳しくは、コラーゲンを合成する遺伝子は、夜に活性化するとされているhBMAL1遺伝子とは反対の活性化リズムを有していることが、図1及び図2から認識できる。
以下、実施例2〜4は、実施例1の方法に準じ、同時に測定をおこなった。
〔実施例2〕
実施例1と同様にして測定をおこなった。
〔実施例3〕
培地にデキサメタゾンを添加しなかった点以外は、実施例1と同様にして測定をおこなった。
〔実施例4〕
培地にデキサメタゾンを添加しなかった点、0.25重量%となるように下記の加水分解酵母エキスを培地に添加した点以外は、実施例1と同様にして測定をおこなった。
「加水分解酵母抽出エキス」
サッカロミセス(Saccharomyces)属酵母100gを3重量%塩酸1Lに懸濁させ、温度50℃にて5時間、撹拌しながら加水分解処理を行った。加水分解処理終了後、アルカリを用いて中和し、遠心分離してろ過することにより、加水分解酵母抽出エキスを得た。このエキスの固形分は7.5重量%であった。
実施例2〜4の結果を図3〜5に示す。図3〜5から、加水分解酵母エキスを添加した場合(実施例4)にも、コラーゲンをコードする遺伝子の発現において、概日リズム発現誘導剤としてのデキサメタゾンを添加した場合(実施例2)と同様な日内変動(約24時間周期の発現リズム、即ち概日リズム)があることが認識できる。従って、上記加水分解酵母エキスは、デキサメタゾンと同様に、コラーゲン合成活性の発現に概日リズムを与え得るものであると考えられる。
一方、被験物質を添加しなかった場合(実施例3)には、デキサメタゾンを添加した場合(実施例2)のような約24時間周期の発現リズム(概日リズム)が認識できなかった。
本発明のコラーゲン合成活性の日内変動測定方法は、コラーゲン合成活性における日内変動を測定することができ、例えば、コラーゲン合成において概日リズムを誘導させる物質のスクリーニングのために好適に使用できる。

Claims (3)

  1. コラーゲンをコードする遺伝子のプロモーター領域と該プロモーター領域の下流に配され発光酵素をコードする遺伝子とを有する組み換えベクターを作製する組み換えベクター作製工程と、前記組み換えベクターを宿主細胞に導入することにより形質転換細胞を得る形質転換細胞作製工程と、前記形質転換細胞を前記発光酵素の基質の存在下で培養する培養工程と、前記培養工程中に発光強度を測定する発光強度測定工程とを実施することを特徴とするコラーゲン合成活性の日内変動測定方法。
  2. 前記組み換えベクター作製工程では、コラーゲンをコードする遺伝子のプロモーター領域としてI型コラーゲンα1鎖をコードする遺伝子のプロモーター領域を用いる請求項1記載のコラーゲン合成活性の日内変動測定方法。
  3. 前記組み換えベクター作製工程では、I型コラーゲンα1鎖をコードする遺伝子のプロモーター領域として配列番号:1に記載の塩基配列を有する遺伝子を用いる請求項2記載のコラーゲン合成活性の日内変動測定方法。
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