JP2011103449A - 半導体製造工程用テープの基材フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
中層とその両側の外層とからなる三層の積層フィルムを電子線照射により架橋させてなる半導体製造工程用テープの基材フィルムにおいて、前記両外層は、曲げ弾性率が160MPa以下で、ビカット軟化点が70℃以上であり、メタクリル酸(MAA)含有率が12wt%以下であるエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)樹脂からなる層であり、かつ、前記中層が100KGY以上の電子線照射によりゲル分率80%以上となるように加工されたことを特徴とする、半導体製造工程用テープの基材フィルム。
【選択図】なし
Description
1.中層とその両側の外層とからなる三層の積層フィルムを電子線照射により架橋させてなる半導体製造工程用テープの基材フィルムにおいて、前記両外層は、曲げ弾性率が160MPa以下で、ビカット軟化点が70℃以上であり、メタクリル酸(MAA)含有率が12wt%以下であるエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)樹脂からなる層であり、かつ、前記積層フィルムが100KGY以上の電子線照射によりゲル分率80%以上となるように加工されたことを特徴とする、半導体製造工程用テープの基材フィルム、
2.前記両外層は、曲げ弾性率が145乃至160MPaで、ビカット軟化点が75乃至90℃であり、メタクリル酸(MAA)含有率が5乃至12wt%であるエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)樹脂からなる層であることを特徴とする、前記1.に記載の半導体製造工程用テープの基材フィルム、
3.前記外層:前記中層:前記外層の層厚の比率が1:4:1〜1:20:1であることを特徴とする、前記1.又は前記2.記載の半導体製造工程用テープの基材フィルム、
4.前記中層が曲げ弾性率が100MPa以下のエチレン系共重合体を含む樹脂層であることを特徴とする、前記1.乃至前記3.記載の半導体製造工程用テープの基材フィルム、
5.前記エチレン系共重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、及びエチレン−メタクリル酸メチル共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種である、前記4.記載の半導体製造工程用テープの基材フィルム、
6.前記エチレン系共重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体である、前記5.記載の半導体製造工程用テープの基材フィルム、
7.ダイシング用粘着テープの基材フィルムである、前記1.乃至前記6.記載の半導体製造工程用テープの基材フィルム、
に関するものである。
また、本発明の半導体製造工程用テープの基材フィルムは、中層とその両側の外層とからなる三層の積層フィルム構造を採用し、前記両外層が特定の性質及び性能を有するエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)樹脂からなる層で構成されていることから、エキスパンド工程において、フィルムを全方向均一に延伸させることが可能であるため、エキスパンド性に優れ、さらに耐熱性にも優れている。
さらに、本発明の半導体製造工程用テープの基材フィルムは、前記中層としてエチレン
−酢酸ビニル共重合体を含む樹脂層を用いた場合、当該フィルムは引き裂かれにくくさせることが可能であるため、耐引き裂き性に優れる。
すなわち、本発明の半導体製造工程用テープの基材フィルムは、ダイシング特性、エキスパンド性、及び耐熱性の諸特性について全てを満足にする性能を有する。
前記エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)は耐熱性を有し且つ縦と横の伸びが均一なため、本発明では、両外層にエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)樹脂を採用することで、半導体製造工程用テープの基材フィルムとして要求される耐熱性及びエキスパンド性の性能を確保したものである。
三層の積層構造で構成されるが、外層:中層:外層の層厚の比率は1:4:1〜1:20:1であり、好ましくは1:8:1〜1:16:1である。あまりに外層が薄いとエキスパンド性が悪くなる傾向があり、一方、外層が厚いと柔軟性を失う傾向があるからである。
下記の表1に示した配合からなる、外層としてエチレン−メタクリル酸共重合体樹脂、中層としてエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体樹脂、及びポリエチレン樹脂を用い、三層Tダイ押出機で共押出して、半導体製造工程用テープの基材フィルムを得た。なお、比較例
6及び7以外の半導体製造工程用テープの基材フィルムには、200KGYの電子線を照射した。
各半導体製造工程用テープの基材フィルムについて、柔軟性、耐熱性、ダイシング特性、エキスパンド性及び耐引き裂き性を評価した。その結果を表1に示す。なお、表2〜5は用いた樹脂の特性値を示す。
なお、各特性は次のように試験し、評価した。
JIS K 6732に準じて試験を行い(CHS 200mm/分、1号ダンベルでの引張試験)、以下の基準で評価した。
○:25%延伸時の応力が7MPa以下。
△:25%延伸時の応力が7MPaより大きく、20MPa以下。
×:25%延伸時の応力が20MPaより大きい。
幅15mm×標線10mm×5g荷重で、120℃のオーブンに15分間吊るして、サンプルの変形量を確認し、以下の基準で評価した。
○:120℃で10分間オーブン内に吊るしても溶けて伸びきらない。
×:120℃で10分間オーブン内に吊るすと溶けて伸びきる。
ダイシングブレードを使用し、回転数45000rpm、カットスピード100m/秒でフィルムに切り込みを入れて、以下の基準で評価した。
○:切削屑が発生しない。
×:切削屑が発生する。
同時二軸延伸装置にて、延伸速度4m/分でタテ×ヨコ=2×2倍に延伸した時のタテヨコのバランスを、以下の基準で評価した。
○:25℃において同時二軸延伸をした時にタテヨコ共に十分均等に伸びる。
△:25℃において同時二軸延伸をした時にタテヨコ共にほぼ均等に伸びるが、その伸
びは十分に均等なものとはいえない。
×:25℃において同時二軸延伸をした時にタテヨコ共に伸びるが、その伸びは均等な
ものでない。
6インチの塩化ビニル樹脂管に半導体製造工程用テープの基材フィルムを固定し、上から直径5mmのニードルで1500gfの荷重で突き刺した際の、半導体製造工程用テープの基材フィルムの引き裂きを、以下の基準で評価した。
○:引き裂かれない。
△:一部に破れが生じる。
×:引き裂かれる。
120℃の熱キシレン中でフィルムを溶解させたときの不溶分量をゲル分率とした。
○:ゲル分率80%以上。
×:ゲル分率80%未満。
Claims (7)
- 中層とその両側の外層とからなる三層の積層フィルムを電子線照射により架橋させてなる半導体製造工程用テープの基材フィルムにおいて、前記両外層は、曲げ弾性率が160MPa以下で、ビカット軟化点が70℃以上であり、メタクリル酸(MAA)含有率が12wt%以下であるエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)樹脂からなる層であり、かつ、前記積層フィルムが100KGY以上の電子線照射によりゲル分率80%以上となるように加工されたことを特徴とする、半導体製造工程用テープの基材フィルム。
- 前記両外層は、曲げ弾性率が145〜160MPaで、ビカット軟化点が75〜90℃であり、メタクリル酸(MAA)含有率が5〜12wt%であるエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)樹脂からなる層であることを特徴とする、請求項1に記載の半導体製造工程用テープの基材フィルム。
- 前記外層:前記中層:前記外層の層厚の比率が1:4:1〜1:20:1であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の半導体製造工程用テープの基材フィルム。
- 前記中層が曲げ弾性率が100MPa以下のエチレン系共重合体を含む樹脂層であることを特徴とする、請求項1乃至請求項3に記載の半導体製造工程用テープの基材フィルム。
- 前記エチレン系共重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、及びエチレン−メタクリル酸メチル共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項4に記載の半導体製造工程用テープの基材フィルム。
- 前記エチレン系共重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体である、請求項5に記載の半導体製造工程用テープの基材フィルム。
- ダイシング用粘着テープの基材フィルムである、請求項1乃至請求項6に記載の半導体製造工程用テープの基材フィルム。
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