JP2011100776A - 配線回路基板集合体シートの製造方法 - Google Patents

配線回路基板集合体シートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】露光時において、フォトマスクと感光性ドライレジスト層とを精度よく位置合わせでき、感光性ドライレジスト層を精度のよいパターンに現像して、配線回路基板を精密に形成できる配線回路基板集合体シートの製造方法を提供すること。
【解決手段】
回路付サスペンション基板2を備える金属支持基板20に、第1保護フィルム21が貼着されている感光性ドライレジスト層22を熱圧着により積層し、第1保護フィルム21を剥離し、感光性ドライレジスト層22の表面に加熱することなく第2保護フィルム23を貼着し、フォトマスク24を介して第2保護フィルム23が貼着されている感光性ドライレジスト層22を所定パターンで露光し、第2保護フィルム23を剥離し、感光性ドライレジスト層22を所定パターンで現像し、感光性ドライレジスト層22から露出する金属支持基板20をエッチングして、回路付サスペンション基板集合体シート1を製造する。
【選択図】図4

Description

本発明は、配線回路基板集合体シートの製造方法、詳しくは、回路付サスペンション基板集合体シートなどの配線回路基板集合体シートの製造方法に関する。
回路付サスペンション基板は、通常、1枚の金属支持基板に、複数のベース絶縁層、導体パターンおよびカバー絶縁層を配置することにより、回路付サスペンション基板が複数形成される回路付サスペンション基板集合体シートとして、製造されている。
また、回路付サスペンション基板集合体シートにおいて、各回路付サスペンション基板は、その周囲を部分的に除去することにより、外形加工されている。
このような回路付サスペンション基板の外形加工では、例えば、回路付サスペンション基板集合体シートの表面に、ドライフィルムレジストを積層し、そのドライフィルムレジストを露光および現像によって所定パターンとした後、ドライフィルムレジストから露出するシートを、エッチングなどにより除去している。
このようなドライフィルムレジストの積層方法として、例えば、感光性ドライレジスト組成物の表面および裏面に支持フィルムおよびカバーフィルムが貼着されたフィルムレジストから、カバーフィルムを剥離して、支持フィルムが貼着されているドライフィルムレジストを、導電性金属貼り積層板の表面に熱圧着する方法が、提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
そして、この方法では、通常、フォトマスクを介して、支持フィルムが貼着された感光性ドライレジスト組成物を露光し、次いで、支持フィルムを感光性ドライレジスト組成物から剥離した後、感光性ドライレジスト組成物を現像することにより所定パターンとする。その後、感光性ドライレジスト組成物から露出する導電性金属貼り積層板を除去している。
特開昭62−93994号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、支持フィルムが貼着されている感光性ドライレジスト組成物が熱圧着されるため、熱圧着により支持フィルムが熱収縮し、その結果、ドライフィルムレジストや、ドライフィルムレジストが積層される導電性金属貼り積層板に、歪みが生じる場合がある。
このような歪みが生じると、露光時において、フォトマスクとドライフィルムレジストとの位置合わせにずれを生じるため、精度のよいパターンで現像できないという不具合がある。
本発明は、このような不具合に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、露光時において、フォトマスクと感光性ドライレジスト層とを精度よく位置合わせでき、感光性ドライレジスト層を精度のよいパターンに現像して、配線回路基板を精密に形成できる配線回路基板集合体シートの製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の配線回路基板集合体シートの製造方法は、複数の配線回路基板を備える金属支持基板の表面に、第1保護フィルムが貼着されている感光性ドライレジスト層を、熱圧着により積層する工程、前記第1保護フィルムを前記感光性ドライレジスト層から剥離する工程、前記感光性ドライレジスト層の表面に、加熱することなく第2保護フィルムを貼着する工程、フォトマスクを介して、前記第2保護フィルムが貼着された前記感光性ドライレジスト層を、所定パターンで露光する工程、前記第2保護フィルムを前記感光性ドライレジスト層から剥離する工程、前記感光性ドライレジスト層を、所定パターンで現像する工程、および、前記感光性ドライレジスト層から露出する前記金属支持基板をエッチングする工程を備えることを特徴としている。
本発明の配線回路基板集合体シートの製造方法では、複数の配線回路基板を備える金属支持基板に、まず、第1保護フィルムが貼着されている感光性ドライレジスト層を熱圧着する。このとき、第1保護フィルムが熱収縮し、第1保護フィルムが貼着されている感光性ドライレジスト層や金属支持基板に歪みを生じる場合がある。
しかしながら、本発明の配線回路基板集合体シートの製造方法では、次いで、熱圧着した第1保護フィルムを、感光性ドライレジスト層から剥離する。すると、感光性ドライレジスト層や金属支持基板は、第1保護フィルムの拘束から解放されるので、再度伸長される。そのため、第1保護フィルムが熱収縮した場合でも、感光性ドライレジスト層や金属支持基板に生じる歪みを解消することができる。
さらに、本発明の配線回路基板集合体シートの製造方法では、次いで、感光性ドライレジスト層に、第2保護フィルムを加熱せずに貼着し、その後、第2保護フィルムが貼着されている感光性ドライレジスト層を露光する。
そのため、露光時において、感光性ドライレジスト層を有効に保護することができる。
その結果、本発明の配線回路基板集合体シートの製造方法によれば、フォトマスクと感光性ドライレジスト層との精度のよい位置合わせを確保して、感光性ドライレジスト層を精度よく露光および現像でき、その結果、精密な配線回路基板を形成できる。
本発明の配線回路基板集合体シートの一実施形態である回路付サスペンション基板集合体シートを示す平面図である。 図1に示す回路付サスペンション基板集合体シートのA−A線の断面図である。 回路付サスペンション基板集合体シートの製造工程を示す工程図であって、(a)は、金属支持基板を用意する工程、(b)は、金属支持基板の上に、複数のベース絶縁層を形成する工程、(c)は、ベース絶縁層の上に、複数の導体パターンを形成する工程、(d)は、導体パターンを被覆するように、ベース絶縁層の上にカバー絶縁層を形成する工程、(e)は、金属支持基板の両面に、第1保護フィルムが貼着されている感光性ドライレジスト層を、熱圧着により積層する工程を示す。 図3に続いて、回路付サスペンション基板集合体シートの製造工程を示す工程図であって、(f)は、第1保護フィルムを感光性ドライレジスト層から剥離する工程、(g)は、感光性ドライレジスト層の表面に、加熱することなく第2保護フィルムを貼着する工程、(h)は、フォトマスクを介して、第2保護フィルムが貼着された感光性ドライレジスト層を、所定パターンで露光する工程を示す。 図4に続いて、回路付サスペンション基板集合体シートの製造工程を示す工程図であって、(i)は、フォトマスクを除去し、第2保護フィルムを感光性ドライレジスト層から剥離する工程、(j)は、感光性ドライレジスト層を、所定パターンで現像する工程、(k)は、感光性ドライレジスト層から露出する金属支持基板をエッチングする工程、(l)は、感光性ドライレジスト層を除去する工程を示す。
図1は、本発明の配線回路基板集合体シートの一実施形態である回路付サスペンション基板集合体シートを示す平面図、図2は、図1に示す回路付サスペンション基板集合体シートのA−A線の断面図である。なお、図1において、後述するベース絶縁層7およびカバー絶縁層9は省略されている。
図1において、この回路付サスペンション基板集合体シート1は、複数の配線回路基板としての回路付サスペンション基板2と、回路付サスペンション基板2を支持する支持シート4とを備えている。
各回路付サスペンション基板2は、支持シート4内において、互いに間隔を隔てて整列配置されており、切断可能な支持部5を介して支持シート4に支持されている。
この回路付サスペンション基板2は、ハードディスクドライブの磁気ヘッド(図示せず)を実装して、その磁気ヘッドを、磁気ヘッドと磁気ディスク(図示せず)とが相対的に走行するときの空気流に抗して、磁気ディスクとの間に微小な間隔を保持しながら支持するものであり、磁気ヘッドと、リード・ライト基板(図示せず)とを接続するための導体パターン8が一体的に形成されている。
なお、導体パターン8は、後述するが、磁気ヘッドの接続端子に接続するための磁気ヘッド側接続端子12と、リード・ライト基板の接続端子に接続するための外部側接続端子13と、磁気ヘッド側接続端子12と外部側接続端子13とを接続するための配線11とを一体的に備えている。
各回路付サスペンション基板2は、図2に示すように、金属支持層6と、金属支持層6の上に形成されるベース絶縁層7と、ベース絶縁層7の上に形成される導体パターン8と、導体パターン8を被覆するように、ベース絶縁層7の上に形成されるカバー絶縁層9とを備えている。
金属支持層6は、図1および図2に示すように、後述する支持シート4とともに金属支持基板20(図3(a)参照。)から形成され、回路付サスペンション基板2に対応する形状で、長手方向に延びる平帯状の薄板から形成されている。
また、金属支持層6の先端部には、図1に示すように、回路付サスペンション基板2において、磁気ヘッドを実装するためのジンバル10が、磁気ヘッド側接続端子12を挟むように形成される。ジンバル10は、金属支持層6の厚みを貫通するように、磁気ヘッド側接続端子12を挟むU字形状に形成されている。
また、金属支持層6を含む金属支持基板20を形成する金属としては、例えば、ステンレス、42アロイなどが挙げられ、好ましくは、ステンレスが挙げられる。
また、金属支持層6の厚みは、例えば、10〜100μm、好ましくは、18〜50μmである。
ベース絶縁層7は、図2に示すように、金属支持層6の上に、導体パターン8が形成される部分に対応するパターンとして形成されている。
また、ベース絶縁層7を形成する絶縁体としては、例えば、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの合成樹脂が挙げられる。
これらのうち、パターンでベース絶縁層7を形成するためには、好ましくは、感光性の合成樹脂が挙げられ、さらに好ましくは、感光性ポリイミド樹脂が挙げられる。
また、ベース絶縁層7の厚みは、例えば、3〜30μm、好ましくは、5〜15μmである。
導体パターン8は、図1に示すように、互いに間隔を隔てて並列配置される複数(例えば、4つ)の配線11と、各配線11の先端部からそれぞれ連続する各磁気ヘッド側接続端子12および各配線11の後端部からそれぞれ連続する各外部側接続端子13とを一体的に備えている。
導体パターン8を形成する導体としては、例えば、銅、ニッケル、金、はんだまたはこれらの合金などの金属箔が挙げられ、導電性、廉価性および加工性の観点から、好ましくは、銅箔が挙げられる。
また、導体パターン8の厚みは、例えば、3〜20μm、好ましくは、7〜15μmである。また、各配線11の幅は、例えば、5〜500μm、好ましくは、10〜200μmであり、各配線11間の間隔は、例えば、5〜500μm、好ましくは、10〜200μmである。
カバー絶縁層9は、図2に示すように、ベース絶縁層7の上において、配線11を被覆し、かつ、磁気ヘッド側接続端子12および外部側接続端子13が露出するように、パターンとして形成されている。
カバー絶縁層9を形成する絶縁体としては、上記したベース絶縁層7と同様の絶縁体が挙げられ、好ましくは、感光性ポリイミド樹脂が挙げられる。
また、カバー絶縁層9の厚みは、例えば、2〜20μm、好ましくは、4〜15μmである。
支持シート4は、図1および図2に示すように、後述する回路付サスペンション基板集合体シート1の製造方法において、金属支持基板20を、各回路付サスペンション基板2の外形形状に対応するように、部分的に切り抜くことにより、各支持部5および各金属支持層6とともに形成される。
また、支持シート4には、各回路付サスペンション基板2を囲む支持シート4の内周縁部と、各回路付サスペンション基板2の外周縁部との間に、各回路付サスペンション基板2を囲むようにして平面視略枠状の隙間溝14が形成されている。なお、この隙間溝14の幅は、通常、0.1〜10mmに設定されている。
また、この支持シート4には、隙間溝14を横切るようにして、複数の支持部5が形成されている。各支持部5は平面視略矩形状をなし、支持シート4の内周縁部から隙間溝14に対して直交方向に通過して回路付サスペンション基板2の外周縁部に至るように形成されている。
なお、支持部5の幅は、通常、80〜300μm、好ましくは、200〜300μmに設定されている。なお、支持部5の形成位置および数は、回路付サスペンション基板2の大きさおよび形状などによって適宜決定することができる。
図3、図4および図5は、回路付サスペンション基板集合体シート1の製造工程を示す工程図である。
次に、この回路付サスペンション基板集合体シート1の製造方法について、図3、図4および図5を参照して、説明する。
なお、回路付サスペンション基板集合体シート1の製造方法には、公知のロール・トゥ・ロール法が採用される。
この方法では、まず、図3(a)〜(d)に示すように、複数の回路付サスペンション基板2を備える金属支持基板20を、形成する。
すなわち、まず、図3(a)に示すように、金属支持基板20を用意する。金属支持基板20は、図1が参照されるように、平面視略矩形平板形状に形成されている。
次いで、この方法では、図3(b)に示すように、金属支持基板20の上に、各回路付サスペンション基板2に対応するパターンで、複数のベース絶縁層7を同時に形成する。
各ベース絶縁層7の形成は、例えば、金属支持基板20の表面に、合成樹脂の溶液(ワニス)を上記したパターンで塗布した後、乾燥し、次いで、必要に応じて、加熱硬化させる。また、感光性の合成樹脂を用いる場合には、各ベース絶縁層7は、感光性の合成樹脂の溶液(ワニス)を、金属支持基板20の表面に塗布し、乾燥し、その後、感光性の合成樹脂を露光および現像して、上記したパターンとし、次いで、必要に応じて、加熱硬化させる。さらに、各ベース絶縁層7の形成は、上記の方法に制限されず、例えば、予め合成樹脂を上記したパターンのフィルムに形成して、そのフィルムを、金属支持基板20の表面に、公知の接着剤層を介して貼着することもできる。
次に、この方法では、図3(c)に示すように、各回路付サスペンション基板2のベース絶縁層7の上に、複数の導体パターン8を、それらに対応するパターンで同時に形成する。各導体パターン8を形成するには、アディティブ法やサブトラクティブ法などの公知のパターンニング法が用いられる。好ましくは、アディティブ法が用いられる。
次いで、この方法では、図3(d)に示すように、各回路付サスペンション基板2の導体パターン8を被覆して、磁気ヘッド側接続端子12および外部側接続端子13を露出するように、ベース絶縁層7の上にカバー絶縁層9を形成する。
各カバー絶縁層9の形成は、例えば、上記した合成樹脂の溶液を上記したパターンで塗布した後、乾燥し、次いで、必要に応じて、加熱硬化させる。また、各カバー絶縁層9は、感光性の合成樹脂の溶液(ワニス)を、金属支持基板20およびベース絶縁層7の全面に塗布し、乾燥し、その後、その感光性の合成樹脂を露光および現像して、上記したパターンとし、次いで、必要に応じて、加熱硬化させる。さらに、各カバー絶縁層9の形成は、上記の方法に制限されず、例えば、予め合成樹脂を上記したパターンのフィルムに形成して、そのフィルムを、各回路付サスペンション基板2のベース絶縁層7の上に、公知の接着剤層を介して貼着することもできる。
このようにして、複数の回路付サスペンション基板2を備える金属支持基板20を、形成する。
なお、図示しないが、カバー絶縁層9から露出する磁気ヘッド側接続端子12および外部側接続端子13には、金属めっき層を、例えば、電解金めっきや電解ニッケルめっきなどの電解めっきにより、適宜形成することができる。また、金属めっき層の厚みは、例えば、0.2〜5μm、好ましくは、0.5〜3μmである。
また、このようにして得られる金属支持基板20には、隙間溝14および支持部5(図1参照)が形成されておらず、そのため、金属支持基板20に備えられる回路付サスペンション基板2の金属支持層6は、支持シート4および支持部5とともに、金属支持基板20に含まれている。
次いで、この方法では、図3(e)〜図5に示すように、各回路付サスペンション基板2のジンバル10、および、支持シート4の各隙間溝14に対応する部分(図1参照。)を、金属支持基板20を除去することにより、同時に形成する。
すなわち、この方法では、まず、図3(e)に示すように、上記により得られた複数の回路付サスペンション基板2を備える金属支持基板20の、表面および裏面(両面)に、第1保護フィルム21が貼着されている感光性ドライレジスト層22を、熱圧着により積層する。
第1保護フィルム21としては、感光性ドライレジスト層22に貼着される公知の保護フィルム、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルムなどが挙げられ、好ましくは、ポリエチレンテレフタレートフィルムが挙げられる。
なお、第1保護フィルム21の厚みは、例えば、5〜50μm、好ましくは、10〜30μmである。
感光性ドライレジスト層22としては、特に制限されず、例えば、公知のドライフィルムレジストに用いられる感光性樹脂などが挙げられる。
なお、感光性ドライレジスト層22の厚みは、例えば、10〜50μm、好ましくは、10〜40μmである。
第1保護フィルム21および感光性ドライレジスト層22の熱圧着において、ラミネートロール温度が、例えば、80〜120℃、好ましくは、90〜110℃であり、ラミネートロール圧力が、例えば、0.1〜0.5MPa、好ましくは、0.2〜0.3MPaである。
次いで、この方法では、図4(f)に示すように、第1保護フィルム21を感光性ドライレジスト層22から剥離する。
すなわち、上記したように、第1保護フィルム21および感光性ドライレジスト層22を熱圧着すると、第1保護フィルム21が熱収縮する場合があり、このような場合には、第1保護フィルム21が貼着されている感光性ドライレジスト層22や、金属支持基板20に歪みを生じる場合がある(図3(e)参照。)。
このような場合に、歪みを生じた感光性ドライレジスト層22を、後述するようにフォトマスク24を介して露光および現像すると、露光時において、フォトマスク24(後述)と感光性ドライレジスト層22との位置合わせに、ずれを生じるため、感光性ドライレジスト層22を精度のよいパターンで現像できない場合がある。
一方、図4(f)に示すように、第1保護フィルム21を剥離すれば、第1保護フィルム21が熱収縮により歪みを生じる場合にも、その第1保護フィルム21が感光性ドライレジスト層22の表面から除去されるため、感光性ドライレジスト層22や金属支持基板20に生じる歪みを、解消することができる。
第1保護フィルム21の剥離は、公知の方法でよく、例えば、ロール・トゥ・ロール法において、第1保護フィルム21を、その搬送方向下流側から、巻取ロールに巻き取る。
次いで、この方法では、図4(g)に示すように、感光性ドライレジスト層22の表面に、加熱することなく第2保護フィルム23を貼着する。
第2保護フィルム23は、光透過性を備えるフィルムであって、感光性ドライレジスト層22を露光するための光を透過するフィルムであれば、特に制限されないが、例えば、波長100〜800nm、好ましくは、350〜450nmの光を80%以上透過するものが挙げられる。特に好ましくは、i線(365nm)、h線(405nm)およびg線(436nm)に対する透過性が高いものが挙げられる。
このような第2保護フィルム23としては、例えば、上記した第1保護フィルム21と同様のフィルムが挙げられ、好ましくは、ポリエチレンテレフタレートフィルムが挙げられる。
第2保護フィルム23の厚みは、例えば、10〜50μm、好ましくは、10〜30μmである。
第2保護フィルム23の貼着は公知の方法でよく、例えば、ロール・トゥ・ロール法において、ラミネートロール温度が、例えば、10〜30℃であり、ラミネートロール圧力が、例えば、0.1〜0.4MPaである。
ラミネートロール温度が上記範囲を超過すると、第2保護フィルム23に熱膨張・収縮が発生し、感光性ドライレジスト層22や、金属支持基板20に歪み異常が発生する場合がある。
一方、ラミネートロール温度が上記範囲未満であると、第2保護フィルム23の定着不足により、気泡が発生する場合がある。
また、ラミネートロール圧力が上記範囲を超過すると、ラミネートロールの撓みが発生し、第2保護フィルム23の搬送方向と直交する方向(TD方向)の圧力がばらつき、気泡が発生する場合がある。
一方、ラミネートロール圧力が上記範囲未満であると、気泡が発生する場合がある。
また、第2保護フィルム23の繰り出しテンションは、例えば、1〜3kg、好ましくは、1〜2kgである。
繰り出しテンションが上記範囲を超過すると、第2保護フィルム23が伸びてしまう場合がある。
一方、繰り出しテンションが上記範囲未満であると、第2保護フィルム23がたるみ、ラミネート時に気泡が発生する場合がある。
次いで、この方法では、図4(h)に示すように、フォトマスク24を介して、第2保護フィルム23が貼着された感光性ドライレジスト層22を、所定パターンで露光する。
フォトマスク24には、光透過部分と遮光部分とが、感光性ドライレジスト層22を形成するための所定のパターンに対応して設けられている。
露光する光の波長は、例えば、100〜800nm、好ましくは、350〜450nmであり、その露光量は、例えば、例えば、100〜800mJ/cmである。
このようにして、感光性ドライレジスト層22は、フォトマスク24を選択的に透過した後、続いて、第2保護フィルム23を透過した光によって、露光される。
より具体的には、感光性ドライレジスト層22がネガ型現像される場合には、各回路付サスペンション基板2のジンバル10、および、支持シート4の各隙間溝14に対応する部分(図1参照。)が、未露光部分25とされ、それ以外の部分が、露光部分26とされる。
次いで、この方法では、図5(i)に示すように、フォトマスク24を除去し、感光性ドライレジスト層22から第2保護フィルム23を剥離する。
第2保護フィルム23の剥離は公知の方法でよく、例えば、上記の第1保護フィルム21の剥離と同様の方法が採用される。
次いで、この方法では、図5(j)に示すように、感光性ドライレジスト層22を、所定パターンで現像する。
現像は、公知の方法でよく、例えば、アルカリ水溶液などを現像液とする、浸漬法やスプレー法などの公知の現像方法が挙げられる。なお、現像液のアルカリ濃度は、例えば、0.3〜5%程度で、現像温度は、例えば、20〜60℃である。
この現像によって、例えば、感光性ドライレジスト層22がネガ型現像される場合には、感光性ドライレジスト層22の未露光部分25を除去する。
これにより、感光性ドライレジスト層22が、その露光部分26に対応するパターン、すなわち、各回路付サスペンション基板2のジンバル10、および、支持シート4の各隙間溝14に対応する部分(図1参照。)が溶解する所定のパターン(すなわち、各回路付サスペンション基板2のジンバル10、および、支持シート4の各隙間溝14が形成されるパターンと逆のパターン)に、現像される。
なお、上記のパターンに現像された感光性ドライレジスト層22は、必要により、加熱により硬化させる。
次いで、この方法では、図5(k)に示すように、感光性ドライレジスト層22から露出する金属支持基板20をエッチングし、これにより、支持シート4、支持部5および金属支持層6を、同時に成形して、回路付サスペンション基板2を外形加工する。
エッチングは、エッチング液を用いる浸漬法やスプレー法などの公知の方法(ウエットエッチング法)が採用される。なお、エッチング液としては、例えば、塩化第二鉄、過酸化水素/硫酸混合液、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムなどの酸性薬液などが挙げられる。
その後、この方法では、図5(l)に示すように、感光性ドライレジスト層22を、剥離などの公知の方法により除去する。
このようにして、回路付サスペンション基板2が支持シート4に支持された回路付サスペンション基板集合体シート1(図1参照。)を、製造することができる。
そして、この回路付サスペンション基板集合体シート1の製造方法では、複数の回路付サスペンション基板2を備える金属支持基板20に、まず、第1保護フィルム21が貼着されている感光性ドライレジスト層22を熱圧着する。このとき、第1保護フィルム21が熱収縮し、第1保護フィルム21が積層されている感光性ドライレジスト層22や金属支持基板20に歪みを生じる場合がある。
しかしながら、この回路付サスペンション基板集合体シート1の製造方法では、次いで、熱圧着した第1保護フィルム21を、感光性ドライレジスト層22から剥離する。すると、感光性ドライレジスト層22や金属支持基板20は、第1保護フィルム21の拘束から解放されるので、再度伸長される。そのため、第1保護フィルム21が熱収縮した場合でも、感光性ドライレジスト層22や金属支持基板20に生じる歪みを解消することができる。
さらに、この回路付サスペンション基板集合体シート1の製造方法では、次いで、感光性ドライレジスト層22に、第2保護フィルム23を加熱せずに積層し、その後、第2保護フィルム23が貼着されている感光性ドライレジスト層22を露光する。
そのため、露光時において、感光性ドライレジスト層22を有効に保護することができる。
その結果、この回路付サスペンション基板集合体シート1の製造方法によれば、フォトマスク24と感光性ドライレジスト層22との精度のよい位置合わせを確保して、感光性ドライレジスト層22を精度よく露光および現像でき、その結果、精密な回路付サスペンション基板2を形成できる。
なお、図示しないが、回路付サスペンション基板2には、例えば、回路付サスペンション基板2をロードビーム(図示せず)に設置するための位置決め基準となる位置決め孔が、回路付サスペンション基板2を厚み方向に貫通する貫通孔として設けられている場合がある。
このような場合において、位置決め孔は、例えば、外形加工工程(図3(e)〜図5(l))の前に、金属支持基板20をエッチングすることにより形成することができる。この場合にも、上記した外形加工工程(図3(e)〜図5(l))と同様の方法を採用することができる。
また、例えば、上記の感光性ドライレジスト層22を、各回路付サスペンション基板2の位置決め孔、ジンバル10、および、支持シート4の各隙間溝14が形成されるパターンと逆のパターンで露光および現像し、金属支持基板20をエッチングすることにより、位置決め孔を、ジンバル10および隙間溝14と同時に形成することもできる。
さらに、上記の方法では、ジンバル10と隙間溝14とを同時に形成しているが、ジンバル10と隙間溝14とをそれぞれ別の工程で形成することができる。その場合にも、上記した外形加工工程(図3(e)〜図5(l))と同様の方法を採用することができる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されることはない。
実施例1
まず、厚み20μm、幅300mm、長さ100mのステンレス箔からなる金属支持基板を用意した(図3(a)参照。)。
次いで、その金属支持基板の表面に、感光性ポリアミック酸樹脂溶液(ワニス)を塗布し、乾燥した。これを、フォトマスクを介して露光し、露光後加熱、アルカリ現像液によって現像した後、加熱硬化させて、厚み10μmのベース絶縁層を複数形成した(図3(b)参照。)。
次いで、ベース絶縁層の全面に、クロム薄膜および銅薄膜からなる金属薄膜を、スパッタリング法によって順次形成した。その後、金属薄膜の上に、導体パターンの反転パターンで、ドライフィルムレジストを用いてめっきレジストを形成した後、めっきレジストから露出する金属薄膜の上に、電解銅めっきにより厚み12μmの導体パターン(配線、磁気ヘッド側接続端子および外部側接続端子を含む)を、複数形成した(図3(c)参照。)。
なお、導体パターンの形成では、めっきレジストをウェットエッチングにより除去した後、そのめっきレジストが形成されていた部分の金属薄膜を剥離により除去した。
その後、ベース絶縁層の上に、導体パターンを被覆するように、感光性ポリアミック酸樹脂溶液(ワニス)を塗布し、乾燥した。これを、フォトマスクを介して露光し、露光後加熱、アルカリ現像液によって現像した後、加熱硬化させて、磁気ヘッド側接続端子および外部側接続端子の上面を露出するための開口部を備えた厚み5μmのカバー絶縁層を、複数形成した(図3(d)参照。)。
次いで、金属支持基板の両面に感光性ドライフィルムレジストを積層し、感光性ドライレジスト層を露光および現像することにより、レジストパターンを形成した後、金属支持基板をエッチングして、位置決め孔を形成した。
その後、ドライフィルムレジストを除去し、次いで、磁気ヘッド側接続端子および外部側接続端子に、無電解ニッケルめっきおよび無電解金めっきにより、厚み0.5μmの金属めっき層を形成した。
これにより、複数の回路付サスペンション基板を備える金属支持基板を得た。
次いで、その金属支持基板の両面に、厚み16μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる第1保護フィルムが貼着されている厚み40μmの感光性ドライレジスト層を、95℃において、0.3MPaで、熱圧着により積層した。
また、このとき、第1保護フィルムは熱収縮し、感光性ドライレジスト層および金属支持基板に歪みを生じた(図3(e)参照。)。
次いで、その熱収縮した第1保護フィルムを剥離し、これにより、感光性ドライレジスト層および金属支持基板の歪みを解消した(図4(f)参照。)。
その後、露出された感光性ドライレジスト層の表面に、厚み16μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる第2保護フィルムを、23℃において(すなわち、加熱することなく)、0.1MPaの圧力で貼着した(図4(g)参照。)。なお、このとき、第2保護フィルムは、ロール・トゥ・ロール法により貼着し、その繰り出しテンションは、1kgとした。
次いで、フォトマスクを介して、第2保護フィルムが貼着されている感光性ドライレジスト層を、各回路付サスペンション基板のジンバル、および、支持シートの各隙間溝が形成されるパターンと逆のパターンで露光した(図4(h)参照。)。
その後、フォトマスクを除去した後、第2保護フィルムを剥離し(図5(i)参照。)、感光性ドライレジスト層を上記パターンで現像した(図5(j)参照。)。
次いで、感光性ドライレジスト層から露出する金属支持基板を、塩化第二鉄水溶液によりエッチングして除去し、ジンバルおよび隙間溝を形成した(図1および図5(k)参照。)。その後、感光性ドライレジスト層を剥離により除去した(図5(l)参照。)。
これにより、回路付サスペンション基板集合体シートを得た(図1参照。)。
比較例1
感光性ドライレジスト層から第1保護フィルムを剥離することなく、フォトマスクを介して、感光性ドライレジスト層および第1保護フィルムを露光し、感光性ドライレジスト層を現像した以外は、実施例1と同様の方法により、回路付サスペンション基板集合体シートを得た。
評価
隙間溝およびジンバルの形成位置について、目的とする位置からのずれ量を、三次元測長機(CNC画像測定機、QVシリーズ、ミツトヨ社製)により測定した。
その結果、実施例1では、位置ずれ量が最大で5μmであり、回路付サスペンション基板が精密に外形加工されていたのに対し、比較例1では、位置ずれ量が最大で25μmであり、外形加工の精度が不良であった。
1 回路付サスペンション基板集合体シート
2 回路付サスペンション基板
4 支持シート
5 支持部
14 隙間溝
20 金属支持基板
21 第1保護フィルム
22 感光性ドライレジスト層
23 第2保護フィルム
24 フォトマスク

Claims (1)

  1. 複数の配線回路基板を備える金属支持基板の表面に、第1保護フィルムが貼着されている感光性ドライレジスト層を、熱圧着により積層する工程、
    前記第1保護フィルムを前記感光性ドライレジスト層から剥離する工程、
    前記感光性ドライレジスト層の表面に、加熱することなく第2保護フィルムを貼着する工程、
    フォトマスクを介して、前記第2保護フィルムが貼着された前記感光性ドライレジスト層を、所定パターンで露光する工程、
    前記第2保護フィルムを前記感光性ドライレジスト層から剥離する工程、
    前記感光性ドライレジスト層を、所定パターンで現像する工程、および、
    前記感光性ドライレジスト層から露出する前記金属支持基板をエッチングする工程
    を備えることを特徴とする、配線回路基板集合体シートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022230260A1 (ja) * 2021-04-26 2022-11-03 日東電工株式会社 集合体シート、および、集合体シートの製造方法

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