JP2011097990A - 生体情報取得装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被検体である生体に光束を照射する光源と、該光束の生体への照射に基づいて出力される信号を検出する検出器と、を有する生体情報取得装置であって、
前記光源からの光束の少なくとも一部を透過させ、光束の生体への照射によって該生体から外部に放出される光束を反射することが可能に構成された反射型偏光素子を備え、
前記反射型偏光素子は、前記生体の表面における前記光束の照射領域に対向する位置で、該照射領域を覆うように配置されている。
【選択図】 図2
Description
生体構成要素である、水・脂肪・血管中のヘモグロビンなどは、近赤外の波長帯で特有のスペクトルを有する。
そのため、これらの構成要素に起因する吸収係数の空間分布を可視化し生体内の機能情報を取得する研究が注目を集めている。
PATでは、光源から発生したパルス光を生体に照射し、生体内で伝播・拡散したパルス光のエネルギーを吸収した生体組織から発生した音響波を検出する。すなわち、腫瘍などの被検部位とそれ以外の組織との光エネルギーの吸収率の差を利用し、被検部位が照射された光エネルギーを吸収して瞬間的に膨張する際に発生する弾性波をトランスデューサで受信する。この検出信号を解析処理することにより、生体内の光学特性分布、特に、光エネルギー吸収密度分布を得ることができる。超音波は光と比較すると生体中での直進性が高いため、超音波検出を行う光音響計測装置は高い空間解像度を有する。
この特許文献1の装置では、集光機能を有するレンズを利用して生体中の所望の領域に集光させ、光エネルギーを効率的に利用して光音響信号を検出するように構成されている。
しかしながら、このような光音響効果による場合には、生体深部からの音響波信号は、到達する光束の光エネルギーが減衰するため信号強度が低下するという課題を有している。
そのため、深部観察のためには光源に高出力のパルス光源発生装置を用いる必要が生じるが、この光源出力には限界があり、更に高価格となる。また、高出力になるにつれて出力不安定性等の問題も生じる。
したがって、深部観察能を高めるためには、より効果的に光エネルギーを利用することが望まれる。
すなわち、生体内に照射された光束は生体内の強い拡散作用により直進性を失い、後方散乱により光束の一部は照射領域及びその近傍から生体外へと放射される。この放出される光束を再利用することにより、信号強度の向上が期待できる。一方、特許文献1に記載の手法は、上記したように集光機能を有するレンズにより生体中の所望の領域に集光させるものである。
このような手法によれば、光束を生体に直接照射して光エネルギーの利用効率を向上させることはできるが、上記した後方散乱光の再利用するために有効に機能させることはできない。
本発明の生体情報取得装置は、被検体である生体に光束を照射する光源と、該光束の生体への照射に基づいて出力される信号を検出する検出器と、を有する生体情報取得装置であって、
前記光源からの光束の少なくとも一部を透過させ、光束の生体への照射によって該生体から外部に放出される光束を反射することが可能に構成された反射型偏光素子を備え、
前記反射型偏光素子は、前記生体の表面における前記光束の照射領域に対向する位置で、該照射領域を覆うように配置されていることを特徴とする。
本実施形態の生体情報取得装置は、被検体である生体に光束を照射する光源と、該光源による光束の生体への照射に基づいて出力される信号を検出する検出器と、該生体から外部に放出される光束を反射する反射型偏光素子と、を備える。
そして、上記検出器により得られる信号を処理することによって、様々な生体情報を計測することができる。
その際、上記反射型偏光素子によって、生体に照射光を照射した際に、生体から外部に放出される光束を反射部材により反射させ、再度生体へ射出することによって照射光の利用効率を向上させる。
ここで用いられる検出器としては、超音波検出器を用いて音響波信号を検出する光音響計測や、光検出器を用い、超音波信号を生体に照射することで得られる変調光信号を検出する超音波光変調信号計測などが挙げられる。
「光束の生体への照射に基づいて出力される信号」としての、パルス光を照射することにより被検体内部の局所領域から生じる音響波を検出する音響波検出器を備えれば、PAT計測が可能である。一方、「光束の生体への照射に基づいて出力される信号」として、生体内を伝播・拡散した微弱光あるいは超音波で変調された変調光を検出する光検出器を備えれば、DOT計測やAOT計測などが可能である。
DOTは、光源から生体に光を照射して、生体内を伝播・拡散した微弱光を高感度な光検出器により検知し、その検知信号から生体内の光学特性値分布をイメージングする技術である。
音響光学トモグラフィ(AOT:Acousto−Optical Tomography)では、生体組織内部に光を照射すると共に局所領域に集束した超音波を照射し、超音波によって光が変調される効果(音響光学効果)を利用し、変調光を光検出器で検出する。
また、光エネルギーの吸収に応じた生体組織のX線位相変化を検出することも可能である。
ここでは、主に音響波検出器を用いた光音響計測に関して説明するが、光エネルギーの効率的な利用を要求される各種生体情報取得装置への適用も可能である。
光源にレーザーを用いる場合、生体表面に許容される単位面積当たりの照射エネルギーである最大許容露光量(Maximum permissible exposure;MPE)が、レーザー取扱い上の国際規約として規定されている。
一方、強い光エネルギーを生体に照射するほど強い音響波信号を取得することが可能である。故に、許容される放射露光量を広い範囲に照明し、多くの光エネルギーを照射することが好ましい。
生体同等の光学特性からなる一様な拡散体に光束を照射した場合、生体における拡散作用のため後方散乱した多くの光束が、生体外部に放出される。
これらを、図1に示すようなモデルを用いて、光線追跡手法であるモンテカルロシミュレーションにより放出される拡散光分布を確認した。
φ5mmの光源101から発光される光束102を、生体同等の光学定数を有する一様な拡散体103に斜入射させ、照射領域前面に配置した検出面104にて光拡散分布を観測した。
放出した光束は、入射角度に関わらず照射領域直上に強い光量分布もち、一定の広がり角度を有して検出面を照射する。即ち、一度生体に入射した光束は生体内部で拡散されるため、照射領域以上の範囲から、垂直方向を中心に広がって適当な角度で生体外に放出される。
以降の説明では、このように生体外に放出される拡散光を、放出拡散光と記す。
反射型偏光素子を用いることにより、上記放出拡散光における上記反射型偏光素子と異なる直線偏光成分を選択的に反射させて再照明することが可能となる。
反射型偏光素子がs偏光成分を反射する場合は、放出拡散光のs偏光成分を反射して生体を再照明する。
反射型偏光素子はミラー等の反射部材と異なり、反射機能は放出拡散光の偏光状態に依存する。
また、反射型偏光素子は、ミラーのような一般的な反射部材では不可能な位置に配置することが可能である。
反射型偏光素子は同じ直線偏光成分を有する光束を損失なく透過させるため、生体表面の照射領域に接触した配置を含む光束の伝搬経路上に反射型偏光素子を配置することが可能である。すなわち、光源から照射される光の偏光を、反射型偏光素子が透過する光の偏光と一致させておけば、偏光素子の配置場所の自由度を高くすることができる。
反射型偏光素子の接触配置では、最初に光束が照射された照射領域に放出拡散光を効率的に再照明することを意味する。
上記したように、放出拡散光は広がりを持って生体表面から生体外部へ放出されることから、ミラーを用いる場合は放出拡散光の光束全てを受けるためにはサイズや配置の工夫が必要である。
また、反射型偏光素子を利用する場合は拡散方向に依存せずに所望の領域に必要な光量を効果的に照明することが可能である。
また、生体表面に光束を略垂直(生体表面が完全な平面ではないため、本明細書では垂直と記述せずに略垂直とする)に照明することが容易である点も、ミラーなどの反射部材にはない反射型偏光素子を利用した場合の利点である。
光束を略垂直に照射することにより、斜入射の場合よりも強い光エネルギーを生体深部に与えることが可能であり、略垂直入射は効果的である。
一方、反射型偏光素子の欠点は、同方向の偏光成分は反射せずに素子を透過し再利用できない点である。反射型偏光素子を透過する偏光成分を有する光を生体に照射した場合、生体内で散乱を繰り返した光線は指向性を失うため、後方散乱光の一部は反射型偏光素子を透過しない。しかし、詳細は後述するがそのような光が全てではない。
これらの点で、ミラー等の一般的な反射部材を利用する場合と比較して有効性が低い場合がある。
しかしながら、後述するように反射型偏光素子とミラーは併用することが可能であり、より効果的に放出拡散光を生体へ再照明することができる。
生体に接触配置する場合は、放出拡散光が放出する領域全面を覆うように照射領域同等若しくはそれ以上の大きさであることが好ましい。
また、非接触配置する場合は、照射領域の法線方向上方の生体近傍に配置し接触配置よりも更に大きなサイズであることが好ましい。
しかしながら、光源からの発光する光束の伝搬経路以外の場所には、反射型偏光素子よりもミラーのような反射部材を配置する方がより効果的である。
本発明では光束の偏光特性を利用しているが、偏光状態とは、通過光束の電場ベクトル軌跡の形状により、直線偏光、円偏光及び楕円偏光に分類される。
白熱光のような無偏光の光は、直線偏光、円偏光及び楕円偏光の全偏光状態の光が重なったものである。
一方、レーザー光のランダム偏光とは、偏光面が互いに直交し、各々の偏光成分出力は時間的にランダムに変わる2つの直線偏光の平行ビームが重なりあったビームである。
生体情報を取得する光音響計測装置には強い光エネルギーが必要であり、光源として主にフラッシュランプ励起パルスレーザーが用いられる。
このようなパルスレーザーでは射出するレーザー光の偏光状態は偏光面が一定の直線偏光である。
故に、本発明は光源の偏光成分と同方向の偏光成分を透過させるように反射型偏光素子を配置し、光束の光エネルギーを損失無く生体へ照明できる点が特徴である。
光源と偏光素子の偏光成分が同方向の場合は反射損失なく透過するが、他方の偏光成分は反射する。
偏光特性を利用した偏光ビームスプリッターはこのような原理を用いており、一方のプリズムの斜辺面に半波長分の厚みの誘電体薄膜を多層積層コーティングしている。
また、ガラス等の基板上に細い金属線を規則正しく平行に並べたワイヤーグリッド偏光素子を用いることもできる。
p偏光成分とs偏光成分を含む入射光は、アルミ線網からなるワイヤーグリッド面での複屈折作用によりp偏光とs偏光に分割される。
入射光がワイヤーグリッド面にあたりp偏光成分は誘電体部分に入り透過するがs偏光成分は反射される。
ここでは、放出拡散光を再照明する概念はなく、擬似生体内部に配置した偏光部材から発生する光音響信号強度を、生体へ照射する光束の偏光状態に応じて定量的に評価することを目的としている。
この研究では光束の偏光状態を制御するために偏光素子を利用しているが、偏光素子の特長に関する記述はない。
仮に、反射型偏光素子を偏光制御部材に利用した場合は、放出散乱光の反射により実験の定量性が損なわれるが、実験結果には放出散乱光の影響が現われていない。故に、本発明との関連性はないと言える。
しかしながら、この研究では擬似生体である拡散媒体に照射した光束の偏光状態は、ある程度生体内部でも維持されることを示している。
入射方向に対して逆方向に進行する放出拡散光の偏光状態は正確には分らないが、放出拡散光に入射光の偏光状態の一部が維持されることが推定される。
例えば、p偏光の光束が反射型偏光素子を透過して生体表面に照射した場合、p偏光状態が維持された放出拡散光は偏光素子で反射されずに透過するため非効率である。
このような場合、生体と反射型偏光素子間にλ/4波長板を挿入することにより効率の向上を図ることができる。
一般的に、偏光素子を通過した光束のp偏光状態はλ/4波長板により円偏光となり、この光束が正反射した場合、再びλ/4波長板を通過する事により偏光状態は円偏光からs偏光の直線偏光に変換される。
ここで、正反射した光束ではなくp偏光成分の影響が残った擬似円偏光を有する放出拡散光がλ/4波長板を再通過する場合は、光束の偏光状態はs偏光成分の影響が残った擬似直線偏光となる。故に、放出拡散光が反射型偏光素子で効率的に反射されることになる。
放出拡散光の偏光状態に応じてλ/4波長板を利用することにより、反射型偏光素子で反射する光量を増加させることができる。
すなわち、生体に対して超音波検出器と照明位置を対向させる場合や、超音波検出器と照明領域を同側に置く場合等がある。
特に後者の同側配置の場合、生体近傍に配置する超音波検出器前面の生体表面に、光束を照射することが好ましい。
このような配置とする場合、放出拡散光は超音波検出器前面に向かって進行するため、反射型偏光素子を超音波検出器と照射面の間に配置することが好ましい。ここで、反射型偏光素子に要求される新たな必要条件として、音響波信号に対する透過性が挙げられる。
これらは、音響波減衰率の少ない材料、若しくは音響波減衰しやすい材料でも音響波の波長に対して十分薄い部材で構成することにより、音響波に対する透過性を確保することができる。
反射型偏光素子は、基板材料に波長の1/2程度の誘電体膜を数um多層コーティングした薄膜を利用しているため、音響波透過性を維持する事ができる。
また、基板材料をポリメチルペンテン等の音響波透過性が比較的良好な部材を用いることにより音響波の減衰を最小限とすることができる。
超音波検出を行う際は、生体組織と超音波検出器の間の音響整合材料を備えおり、反射型偏光素子は音響波整合材と接して配置している。
ここで、生体組織の音響インピーダンスは水の音響インピーダンスに近い値であり、1.5x106 kg・m-2・sであり、音速ではおよそ1500m・s-1 となる。
反射型偏光素子の膜圧を十分薄くすることで素子材料に依存せずに音響波の透過性を高めることが可能である。仮に周波数5MHzの音響波信号を考慮すると、1波長はおよそ300umである。10um程度の膜圧の反射型偏光素子は、波長に対して1/30となり十分な透過性を有する。検出信号として十分な強度が得られる膜圧の反射型偏光素子を用いることが可能である。
一方、反射型偏光素子とミラーのような一般的な反射部材を併用することにより一層効果的に放出拡散光を利用することができる。
光束伝搬経路に配置することができる反射型偏光子の特徴と、偏光状態に依存せずに全ての光束を反射できる反射部材の特徴は両立することが可能である。
例えば、生体表面の光束伝搬経路(照射領域)に反射型偏光素子を配置し、それを取り囲むように反射部材を配置することは好ましい形態である。
[実施例1]
図2を用いて、本発明の実施例1における反射型偏光素子を備えた生体情報取得装置の構成例について説明する。
光源201から放射される光束202が生体を模倣したファントム205を照射する。
ここで、光束202はファントム表面に対して略垂直に照射される。光束202の伝搬経路に反射型偏光素子203を配置し、反射型偏光素子203を介してファントム表面を照射する。
ここでは、反射型偏光素子203にワイヤーグリッド偏光素子を用いた。光束の偏光状態はp偏光成分の直線偏光であり、光束202は光エネルギー損失することなく反射型偏光素子203を通過する。
すなわち、反射型偏光素子を通過する光束のp偏光成分が透過し、s偏光成分は反射する。
光束202がファントム表面を照射する照射領域204に対して反射型偏光素子203の方が大きい。
光源201には波長532nmのNd:YAGレーザーの第二高調波を用いた。ファントム205は均一な拡散係数となるように水で薄めた10%イントラリピッド溶液を用いた。
イントラリピッド溶液内部に照射面から2cmの位置に球状吸収体206を配置し、対向側に配置した超音波検出器207により光音響波信号を測定した。
反射型偏光素子がない場合と比較して、上記反射型偏光素子203を配置した場合は、光照射量が増加し光音響信号が増大した。
図3を用いて、本発明の実施例2における反射型偏光素子を備えた生体情報取得装置の構成例について説明する。
図3において、301は光源、302は光束、303は反射型偏光素子、304は照明領域、305は被検体(ファントム)、306は吸収体、307は超音波検出器、308はλ/4波長板である。
本実施例において、ファントム305と反射型偏光素子303の間にλ/4波長板308を挿入するようにした以外の構成は、基本的に実施例1の構成と同様である。
反射型偏光素子303及びλ/4波長板308を用いない場合と比較して、実施例2の上記構成の場合は光音響信号強度が大きくなり、光照射量が増加し光音響信号が増大した。
図4を用いて、本発明の実施例3における反射型偏光素子を備えた生体情報取得装置の構成例について説明する。
図4において、401は光源、402は光束、403は反射型偏光素子、404は照明領域、405は被検体(ファントム)、406は吸収体、407は超音波検出器である。
本実施例において、反射型偏光素子403がファントム405に接触して配置するようにした以外の構成は、基本的に実施例1の構成と同様である。
実施例1と同様にして光音響信号検出を行なうと、反射型偏光素子がない場合と比較して光照射量が増加し光音響信号が増大した。
また、反射型偏光素子403の大きさを変えて測定を行なった所、照射領域404の大きさと同等若しくは若干大きなサイズにて信号強度向上が顕著となる。
特に、実施例1のように反射型偏光素子をファントム表面に接触させない配置と比較して、照射領域への光量を効果的に増加させることができる。
図5を用いて、本発明の実施例4における反射型偏光素子を備えた生体情報取得装置の構成例について説明する。
図5において、501は光源、502は光束、503は反射型偏光素子、504は照明領域、505は被検体(生体)、506はスタンドオフ(音響整合部材)、507は超音波検出器、508は吸収体である。
本実施例では、ファントム505に対して超音波検出器507と光源501を同側に配置した。
また、反射型偏光素子503を超音波検出器507の前面に配置した。
このような配置の場合、反射型偏光素子には、光束は反射し音響波は透過する性質が必要である。
ここでは、反射型偏光素子は超音波減衰が比較的小さなポリメチルペンテン樹脂フィルム上に誘電体積層膜をコーティングしたものを用いた。
コーティングの積層数を20層とし、層厚は〜5umである。
また、光束502を超音波検出器507の背後にある被検体505に照射するため、音響整合材料506からなるスタンドオフを設けた。
光源501には波長532nmのNd:YAGレーザーの第二高調波を用いた。ファントム505は均一な拡散係数となるように水で薄めた10%イントラリピッド溶液を用いた。
イントラリピッド溶液内部に照射面から2cmの位置に球状吸収体508を配置した。
反射型偏光素子がない場合と比較して音響波信号が増大し、反射部材を配置することによる光照射量増大効果が見られた。
図6を用いて、本発明の実施例5における反射型偏光素子を備えた生体情報取得装置の構成例について説明する。
図6において、601は光源、602は光束、603は反射型偏光素子、604は照明領域、605は被検体(生体)、606はスタンドオフ(音響整合部材)、607は超音波検出器、608は吸収体、609は反射部材、610は反射膜である。
本実施例において、光束602の伝搬経路以外の場所に、反射型偏光素子603の周囲を取り囲んだAlからなる反射部材609を配置した以外の構成は、基本的に実施例4の構成と同様である。
ここで、反射型偏光素子603は光束伝搬経路にのみ配置するように可能限り小さくしている。
また、超音波検出器607の前面に薄い樹脂フィルム上に5um厚のAlを蒸着した反射膜910を用意した。
実施例4と比較すると、音響波信号強度は更に増大し、反射型偏光素子と反射部材を併用することによる顕著な効果がみられた。
図7を用いて、本発明の実施例6における反射型偏光素子を備えた生体情報取得装置の構成例について説明する。
図7において、701は光源、702は光束、703は反射型偏光素子、704は照明領域、705は被検体(ファントム)、706は吸収体、707は超音波検出器、708は反射部材、709は球面凸レンズである。
本実施例において、光束702の伝搬経路を遮蔽しないように中央部に穴のあいた反射部材708を用意した以外の構成は、基本的に実施例1の構成と同様である。
また、光束702は球面凸レンズ709を用いて反射部材708の穴の部分で一度集光し、反射型偏光素子703を通過してファントム705を照射する。
ここでは、反射型偏光素子703は、光束伝搬経路と同サイズにするように可能な限り小さくしている。
実施例1と比較して本実施例6では、音響波信号強度は更に増大する。
反射型偏光素子は設置位置の制約無く放出散乱光のs偏光成分を反射させ、透過したp偏光成分を反射部材708で反射させることで、光エネルギーの利用効率を高めている。
202:光束
203:反射型偏光素子
204:照明領域
205:被検体(ファントム)
206:吸収体
207:音響波検出器
Claims (8)
- 被検体である生体に光束を照射する光源と、該光束の生体への照射に基づいて出力される信号を検出する検出器と、を有する生体情報取得装置であって、
前記光源からの光束の少なくとも一部を透過させ、光束の生体への照射によって該生体から外部に放出される光束を反射することが可能に構成された反射型偏光素子を備え、
前記反射型偏光素子は、前記生体の表面における前記光束の照射領域に対向する位置で、該照射領域を覆うように配置されていることを特徴とする生体情報取得装置。 - 前記反射型偏光素子は、前記光源の光束と同じ直線偏光成分を透過させ、前記生体から外部に放出される光束における該反射型偏光素子と異なる直線偏光成分を選択的に反射させることを特徴とする請求項1に記載の生体情報取得装置。
- 前記反射型偏光素子は、前記照射領域と同等若しくはそれ以上の大きさとされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の生体情報取得装置。
- 前記光源による光束が、前記生体の表面に対して略垂直に照射されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の生体情報取得装置。
- 前記反射型偏光素子と生体との間にλ/4波長板が配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の生体情報取得装置。
- 前記反射型偏光素子は、前記生体の表面に接触して配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の生体情報取得装置。
- 前記検出器が前記信号としての音響波を検出する音響波検出器で構成されると共に、
前記反射型偏光素子が音響波を透過する部材で構成されており、該反射型偏光素子が前記音響波検出器と前記照射領域の間に配置されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の生体情報取得装置。 - 前記光源からの光束が、前記生体の表面に照射される光束の経路を遮ることがない前記反射型偏光素子の近傍に、反射部材が配置されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の生体情報取得装置。
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