JP2011096976A - 発光装置、発光モジュール及び照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】赤色発光波長を有して単色性に優れ、植物育成用の照明に好適であり、ガスや水分による劣化が防止できる発光装置、発光モジュール及び照明装置を提供する。
【解決手段】凹部61aを有する樹脂容器61と、樹脂容器61の凹部61aの内側に露出した状態で配置される導体部と、凹部61aの内側に設けられるとともに導体部と電気的に接続され、pn接合型の発光部を含む化合物半導体層を備えており、発光部が、組成式(AlXGa1−X)YIn1−YP(0≦X≦1、0<Y≦1)からなる積層構造を有する発光素子30と、発光素子30から出力される光に対する透光性を有し、凹部61において当該発光素子30を封止する、エピスルフィド化合物とメルカプタン化合物の配合質量比が0.02〜1.5の範囲とされた樹脂組成物からなる封止樹脂65と、が備えられる。
【選択図】図2
【解決手段】凹部61aを有する樹脂容器61と、樹脂容器61の凹部61aの内側に露出した状態で配置される導体部と、凹部61aの内側に設けられるとともに導体部と電気的に接続され、pn接合型の発光部を含む化合物半導体層を備えており、発光部が、組成式(AlXGa1−X)YIn1−YP(0≦X≦1、0<Y≦1)からなる積層構造を有する発光素子30と、発光素子30から出力される光に対する透光性を有し、凹部61において当該発光素子30を封止する、エピスルフィド化合物とメルカプタン化合物の配合質量比が0.02〜1.5の範囲とされた樹脂組成物からなる封止樹脂65と、が備えられる。
【選択図】図2
Description
本発明は、発光装置、発光モジュール及び照明装置に関するものであり、特に、高出力の赤色発光が得られ、液状硬化性の樹脂組成物を用いた発光ダイオードを含む発光装置、発光モジュール及び照明装置に関する。
近年、人工光源による植物育成が研究なされている。特に、単色性に優れており、省エネルギー、長寿命、小型化が可能な発光装置(発光ダイオード:LED)による照明を用いた栽培方法が注目されている。また、これまでの研究結果から、植物育成(光合成)用の光源に適した発光波長の1つとして、波長600〜700nmの領域の、赤色光の効果が確認されている。特に、光合成に対して波長660〜670nm付近の光は、反応効率が高く望ましい光源である。この波長に対して、従来の赤色発光ダイオードにおいては、AlGaAs及びInGaNP等の組成からなる発光層が検討されていたが、未だ高出力化を達成できていなかった(例えば、特許文献1〜3を参照)。
一方、燐化アルミニウム・ガリウム・インジウム(組成式(AlXGa1−X)YIn1−YP;0≦X≦1,0<Y≦1)からなる発光層を備えた化合物半導体LEDが知られている。このようなLEDにおいては、Ga0.5In0.5Pの組成を有する発光層の波長が最も長く、この発光層で得られるピーク波長は650nm付近である。このため、655nmよりも長波長の領域では、実用化、高輝度化が困難であった。
また、(AlXGa1−X)YIn1−YP(0≦X≦1,0<Y≦1)からなる発光層を備えた発光部は、一般に、発光層から出射される発光に対して光学的に不透明であり、機械的にも強度がそれ程ない砒化ガリウム(GaAs)単結晶基板上に形成されている。そこで、より高輝度の可視LEDを得るために、また、さらなる素子の機械的強度の向上を目的とした研究が進められている。即ち、GaAsのような不透明な基板材料を除去した後、発光を透過できるとともに、従来にも増して、より機械強度に優れた透明な材料からなる支持体層を改めて接合させた、所謂接合型LEDを構成する技術が開示されている(例えば、特許文献4を参照)。
一方、発光メカニズムの異なるレーザ素子においては、歪のある発光層について検討されているが、発光ダイオードに於いては、歪のある発光層について実用化されていないのが実状である(例えば、特許文献5参照)。
一方、発光メカニズムの異なるレーザ素子においては、歪のある発光層について検討されているが、発光ダイオードに於いては、歪のある発光層について実用化されていないのが実状である(例えば、特許文献5参照)。
また、発光ダイオードの発光部に量子井戸構造を適用することが検討されている。しかしながら、量子井戸構造の適用によって得られる量子効果は、発光波長を短波長化させるため、長波長化の技術には適用できないという問題があった(例えば、特許文献6を参照)。
上述のような、燐化アルミニウム・ガリウム・インジウム系化合物半導体は、一般に、単結晶基板上に、有機金属気相化学反応法(MOCVD法)や分子線エピタキシー法(MBE法)等の方法を用いて形成される。
また、多くの場合、LEDのパッケージは樹脂によって封止される。例えば、良く知られた砲弾型と呼ばれるランプ形状のパッケージを始め、実装基盤にリフレクタを備えたトップパッケージと呼ばれるパッケージ、サイドビューと呼ばれる横に倒して使用されるパッケージ、あるいは、素子に樹脂を被せて成型して封止するサーフェイスマウントタイプと呼ばれるパッケージ等が挙げられる。
ところで、植物育成用照明の光源を実用化するためには、省エネ、コスト面から、発光効率の高いLEDを用いて、使用電力及びLEDの使用数量を削減する必要がある。特に、植物育成用LED照明の実用化のためには、使用電力の低減、コンパクト化、コストダウンが強く望まれており、従来の660nmの波長帯の発光ダイオードであるAlGaAs系のLEDに対して、高出力化・高効率化、波長のバラツキ低減、高速化等の特性向上が望まれていた。
また、LEDの点灯方法については、高速パルス方式を利用して使用電力を削減することも検討されており、応答速度の速い発光ダイオードが必要である。近年の研究により、植物育成用の照明は、光を照射後、光合成の反応時間中に消灯することによって省エネルギー化が可能であることが確認された。この場合、高速のパルス通電に対応できる応答速度を有する発光ダイオードが必要であり、具体的には、発光ダイオードの応答速度は、1000ns以下、望ましくは、100ns以下が好適である。
また、発光効率の高い(AlXGa1−X)YIn1−YP(0≦X≦1,0<Y≦1)からなる発光層において、エピタキシャル成長に使用するGaAs基板の格子定数に整合する最も長波長(バンドギャップの小さい)の発光層の組成は、Ga0.5In0.5Pである。しかしながら、このような発光層の発光波長は650nmであり、650nm以上の長波長化を達成することができない。このように、発光層の650nm以上の長波長化には技術的課題が存在するため、実用化・高効率化が実現されておらず、特に、655nm以上の長波長を有するLEDでは、高出力化の技術が確立されていないという問題があった。
また、植物育成用の照明においては、発光波長700nm以上の光は植物育成を抑制する作用を発揮する場合があるため、発光波長660nm付近の単色性に優れる赤色光が望まれている。従って、植物育成用の照明としては、700nmにおける発光強度が、ピーク発光波長の強度に対して10%未満の発光スペクトルを有するものであることが望まれる。
また、LEDを封止樹脂によってパッケージして発光装置を構成した場合、この発光装置の使用環境下において存在するガスや水分等が封止樹脂を透過して発光装置内部に浸入し、発光素子(LED)に到達することがある。特に、植物育成用の照明等、雰囲気中に多くのガスや水分が存在する環境下で用いた場合には、浸入したガスや水分等によって発光素子や導体部等が劣化し、発光出力が低下する等の問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、655nm以上の発光波長を有し、単色性に優れるとともに、高出力・高効率であって応答速度が速く、植物育成用の照明に好適であり、さらに、ガスや水分に起因する発光特性の劣化を防ぐことが可能な発光装置、発光モジュール及び照明装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記問題を解決するために鋭意検討を行い、本発明を完成した。
即ち、本発明は以下に関する。
即ち、本発明は以下に関する。
[1] 凹部を有する樹脂容器と、前記樹脂容器の前記凹部の内側に露出した状態で配置される導体部と、前記凹部の内側に設けられるとともに前記導体部と電気的に接続され、pn接合型の発光部を含む化合物半導体層を備えており、前記発光部が、少なくとも、組成式(AlXGa1−X)YIn1−YP(0≦X≦1、0<Y≦1)からなる積層構造を含む発光素子と、前記発光素子から出力される光に対する透光性を有し、前記凹部において当該発光素子を封止する封止樹脂として、下記一般式(1)で表されるエピスルフィド化合物と、SH基を1分子あたり2個以上有するメルカプタン化合物との反応物からなり、前記エピスルフィド化合物とメルカプタン化合物の配合質量比が0.02〜1.5の範囲とされた樹脂組成物と、が備えられることを特徴とする発光装置。
{但し、下記一般式(1)のm、nは、それぞれ、mが0〜4の整数であり、nが0〜1の整数である。}
{但し、下記一般式(1)のm、nは、それぞれ、mが0〜4の整数であり、nが0〜1の整数である。}
[2] 前記発光素子は、発光波長が、590nm〜700nmの赤色領域に主発光ピークを有するものであることを特徴とする上記[1]に記載の発光装置。
[3] 前記発光素子が、前記凹部の内側に設けられるとともに前記導体部と電気的に接続され、pn接合型の発光部と、前記発光部に積層された歪調整層とを少なくとも含む化合物半導体層を備えており、前記発光部が、組成式(AlXGa1−X)YIn1−YP(0≦X≦0.1、0.37≦Y≦0.46)からなる歪発光層とバリア層との積層構造を有し、前記歪調整層が、発光波長に対して透明であるとともに前記歪発光層及び前記バリア層の格子定数よりも小さい格子定数を有してなる発光素子であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の発光装置。
[3] 前記発光素子が、前記凹部の内側に設けられるとともに前記導体部と電気的に接続され、pn接合型の発光部と、前記発光部に積層された歪調整層とを少なくとも含む化合物半導体層を備えており、前記発光部が、組成式(AlXGa1−X)YIn1−YP(0≦X≦0.1、0.37≦Y≦0.46)からなる歪発光層とバリア層との積層構造を有し、前記歪調整層が、発光波長に対して透明であるとともに前記歪発光層及び前記バリア層の格子定数よりも小さい格子定数を有してなる発光素子であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の発光装置。
[4] 前記発光素子は、前記歪発光層の組成式が、GaXIn1−XP(0.37≦X≦0.46)であることを特徴とする上記[3]に記載の発光装置。
[5] 前記発光素子は、前記歪発光層の厚さが、8〜30nmの範囲であることを特徴とする上記[3]又は[4]に記載の発光装置。
[6] 前記発光素子は、前記歪発光層が8〜40層含まれていることを特徴とする上記[3]〜[5]の何れか1項に記載の発光装置。
[7] 前記発光素子は、前記バリア層の組成式が、(AlXGa1-X)YIn1−YP(0.3≦X≦0.7、0.48≦Y≦0.52)であることを特徴とする上記[3]〜[6]の何れか1項に記載の発光装置。
[8] 前記発光素子は、前記発光部が、前記歪発光層の上面及び下面の一方又は両方にクラッド層を有し、前記クラッド層の組成式が(AlXGa1-X)YIn1−YP(0.5≦X≦1、0.48≦Y≦0.52)であることを特徴とする上記[3]〜[7]の何れか1項に記載の発光装置。
[5] 前記発光素子は、前記歪発光層の厚さが、8〜30nmの範囲であることを特徴とする上記[3]又は[4]に記載の発光装置。
[6] 前記発光素子は、前記歪発光層が8〜40層含まれていることを特徴とする上記[3]〜[5]の何れか1項に記載の発光装置。
[7] 前記発光素子は、前記バリア層の組成式が、(AlXGa1-X)YIn1−YP(0.3≦X≦0.7、0.48≦Y≦0.52)であることを特徴とする上記[3]〜[6]の何れか1項に記載の発光装置。
[8] 前記発光素子は、前記発光部が、前記歪発光層の上面及び下面の一方又は両方にクラッド層を有し、前記クラッド層の組成式が(AlXGa1-X)YIn1−YP(0.5≦X≦1、0.48≦Y≦0.52)であることを特徴とする上記[3]〜[7]の何れか1項に記載の発光装置。
[9] 前記発光素子は、前記歪調整層の組成式が、(AlXGa1−X)YIn1−YP(0≦X≦1、0.6≦Y≦1)であることを特徴とする上記[3]〜[8]の何れか1項に記載の発光装置。
[10] 前記発光素子は、前記歪調整層の組成式が、AlXGa1−XAs1−YPY(0≦X≦1、0.6≦Y≦1)であることを特徴とする上記[3]〜[8]の何れか1項に記載の発光装置。
[11] 前記発光素子は、前記歪調整層が、GaPであることを特徴とする上記[3]〜[8]の何れか1項に記載の発光装置。
[12] 前記発光素子は、前記歪調整層の厚さが、0.5〜20μmの範囲であることを特徴とする上記[3]〜[11]の何れか1項に記載の発光装置。
[10] 前記発光素子は、前記歪調整層の組成式が、AlXGa1−XAs1−YPY(0≦X≦1、0.6≦Y≦1)であることを特徴とする上記[3]〜[8]の何れか1項に記載の発光装置。
[11] 前記発光素子は、前記歪調整層が、GaPであることを特徴とする上記[3]〜[8]の何れか1項に記載の発光装置。
[12] 前記発光素子は、前記歪調整層の厚さが、0.5〜20μmの範囲であることを特徴とする上記[3]〜[11]の何れか1項に記載の発光装置。
[13] 前記発光素子は、前記化合物半導体層の光取り出し面と反対側の面に、機能性基板が接合されていることを特徴とする上記[1]〜[12]の何れか1項に記載の発光装置。
[14] 前記発光素子は、前記機能性基板が、透明であることを特徴とする上記[13]に記載の発光装置。
[15] 前記発光素子は、前記機能性基板の材質がGaPであることを特徴とする上記[13]又は[14]に記載の発光装置。
[16] 前記発光素子は、前記機能性基板の側面が、前記化合物半導体層に近い側において前記光取り出し面に対して略垂直である垂直面と、前記化合物半導体層に遠い側において前記光取り出し面に対して内側に傾斜した傾斜面とを有することを特徴とする上記[13]〜[15]の何れか1項に記載の発光装置。
[14] 前記発光素子は、前記機能性基板が、透明であることを特徴とする上記[13]に記載の発光装置。
[15] 前記発光素子は、前記機能性基板の材質がGaPであることを特徴とする上記[13]又は[14]に記載の発光装置。
[16] 前記発光素子は、前記機能性基板の側面が、前記化合物半導体層に近い側において前記光取り出し面に対して略垂直である垂直面と、前記化合物半導体層に遠い側において前記光取り出し面に対して内側に傾斜した傾斜面とを有することを特徴とする上記[13]〜[15]の何れか1項に記載の発光装置。
[17] 前記発光素子は、前記化合物半導体層の前記光取り出し面側に設けられた第1及び第2の電極と、前記機能性基板の裏面に設けられた接続用の第3の電極と、をさらに備えることを特徴とする上記[13]〜[16]の何れか1項に記載の発光装置。
[18] 前記発光素子は、前記第1及び第2の電極がオーミック電極であることを特徴とする上記[17]に記載の発光装置。
[19] 前記発光素子は、前記光取り出し面が粗い面を含むことを特徴とする上記[13]〜[18]の何れか1項に記載の発光装置。
[18] 前記発光素子は、前記第1及び第2の電極がオーミック電極であることを特徴とする上記[17]に記載の発光装置。
[19] 前記発光素子は、前記光取り出し面が粗い面を含むことを特徴とする上記[13]〜[18]の何れか1項に記載の発光装置。
[20] 前記発光素子は、植物育成の光合成の促進に使用するための発光素子であり、前記発光部の発光スペクトルのピーク発光波長が、655〜675nmの範囲であることを特徴とする上記[1]〜[19]の何れか1項に記載の発光装置。
[21] 前記発光素子は、前記発光スペクトルの半値幅が、10〜40nmの範囲であることを特徴とする上記[20]に記載の発光装置。
[22] 前記発光素子は、前記発光スペクトルの発光波長700nmにおける発光強度が、前記ピーク発光波長における発光強度の10%未満であることを特徴とする上記[20]又は[21]に記載の発光装置。
[23] 前記発光素子は、前記発光部の応答速度(Tr)が、100ns以下であることを特徴とする上記[1]〜[22]の何れか1項に記載の発光装置。
[24] 前記発光素子は、前記光取り出し面側に設けられた前記第1又は第2の電極と、前記第3の電極とが、略同電位に接続されていることを特徴とする上記[17]〜[23]の何れか1項に記載の発光装置。
[21] 前記発光素子は、前記発光スペクトルの半値幅が、10〜40nmの範囲であることを特徴とする上記[20]に記載の発光装置。
[22] 前記発光素子は、前記発光スペクトルの発光波長700nmにおける発光強度が、前記ピーク発光波長における発光強度の10%未満であることを特徴とする上記[20]又は[21]に記載の発光装置。
[23] 前記発光素子は、前記発光部の応答速度(Tr)が、100ns以下であることを特徴とする上記[1]〜[22]の何れか1項に記載の発光装置。
[24] 前記発光素子は、前記光取り出し面側に設けられた前記第1又は第2の電極と、前記第3の電極とが、略同電位に接続されていることを特徴とする上記[17]〜[23]の何れか1項に記載の発光装置。
[25] 基板と、前記基板に取り付けられる複数の発光装置とを備え、前記発光装置が上記[1]〜[24]の何れか1項に記載の発光装置であることを特徴とする発光モジュール。
[26] 上記[25]に記載の発光モジュールを搭載した照明装置。
[26] 上記[25]に記載の発光モジュールを搭載した照明装置。
本発明の発光装置によれば、樹脂容器の凹部において上記の発光素子を封止するにあたり、上記一般式(1)で表されるエピスルフィド化合物と、SH基を1分子あたり2個以上有するメルカプタン化合物との反応物からなり、前記エピスルフィド化合物とメルカプタン化合物の配合質量比が0.02〜1.5とされた組成の樹脂組成物からなる封止樹脂を用いることにより、発光装置の内部への水分やガスの侵入を防止できるので、内部に配設される発光素子や導体部の劣化を抑制することが可能となる。本発明の発光装置は、特に、高温多湿用途の植物育成用照明や、きのこ工場用照明及び魚養殖・鑑賞用照明等の用途における発光装置の、水分(水蒸気)等の浸入による劣化防止に有効である。
また、本発明の発光装置によれば、上記一般式(1)で表されるエピスルフィド化合物と、SH基を1分子あたり2個以上有するメルカプタン化合物との反応物からなり、前記エピスルフィド化合物とメルカプタン化合物の配合質量比が0.02〜1.5とされた組成の樹脂組成物からなる封止樹脂に対し、AlGaInP系発光素子、例えば、組成式(AlXGa1−X)YIn1−YP(0≦X<1、0≦Y≦<1)からなる積層構造を有する発光素子から発光される緑色〜赤色の光が透過されても、封止樹脂が劣化を起すことなく、高温多湿用途の環境下で使用した場合であっても、高い信頼性が得られる。
また、本発明の発光装置によれば、樹脂容器の凹部の内側に設けられる発光素子が、組成式(AlXGa1−X)YIn1−YP(0≦X≦0.1、0.37≦Y≦0.46)からなる歪発光層を有する発光部を含む化合物半導体層を備えることにより、発光部からの発光効率及び応答速度を向上させることができるとともに、655nm以上の発光波長が、極めて高い出力で安定して得られので、発光装置としての特性が向上する。
また、本発明の発光装置によれば、発光素子の化合物半導体層に含まれる発光部の上に、発光波長に対して透明である歪調整層が設けられているので、発光部からの発光を吸収することなく高出力・高効率の発光装置とすることができる。さらに、歪調整層は、歪発光層及びバリア層の格子定数よりも小さい格子定数を有しているので、化合物半導体層に反りが発生するのを抑制でき、歪発光層の歪量のばらつきが低減されるため、単色性に優れた発光装置とすることができる。
また、本発明の発光装置によれば、発光素子の化合物半導体層に含まれる発光部の上に、発光波長に対して透明である歪調整層が設けられているので、発光部からの発光を吸収することなく高出力・高効率の発光装置とすることができる。さらに、歪調整層は、歪発光層及びバリア層の格子定数よりも小さい格子定数を有しているので、化合物半導体層に反りが発生するのを抑制でき、歪発光層の歪量のばらつきが低減されるため、単色性に優れた発光装置とすることができる。
従って、本発明の発光装置によれば、655nm以上の発光波長を有して単色性に優れるとともに、高出力・高効率であって応答速度が速く、さらに、発光素子や導体部の劣化を防止することが可能な発光装置を提供することができる。また、本発明の発光装置によれば、従来のAlGaAs系の発光素子を用いた発光装置と比較して、約4倍以上の発光効率を有する高出力の発光装置を提供することができる。
また、本発明の発光モジュールは、上記本発明の発光装置が基板に取り付けられてなるものであり、さらに、本発明の照明装置は、上記本発明の発光モジュールが搭載されたものなので、655nm以上の発光波長を有し、単色性に優れるとともに、高出力・高効率であって応答速度が速く、また、水分やガス等が多い使用環境下においても発光素子等が劣化することが無い、植物育成用やきのこ工場用照明、及び魚養殖・観賞用等の照明に適した発光モジュール並びに照明装置を提供することができる。
以下、本発明の発光装置、発光モジュール及び照明装置の実施の形態について、図面を適宜参照しながら説明する。なお、以下の説明において参照する図面は、発光装置、発光モジュール及び照明装置を説明する図面であって、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の寸法関係とは異なっていることがある。
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態が適用される一例である照明装置の全体構成を示す図である。この照明装置10は、フレーム11と、半導体発光素子がそれぞれに配列され、フレーム11に収容される複数の発光モジュール12とを備えている。ここで、図1(a)は、発光モジュール12が装着されたフレーム11の上面図であり、図1(b)は、図1(a)のIIB−IIB断面図である。
図1は、本実施形態が適用される一例である照明装置の全体構成を示す図である。この照明装置10は、フレーム11と、半導体発光素子がそれぞれに配列され、フレーム11に収容される複数の発光モジュール12とを備えている。ここで、図1(a)は、発光モジュール12が装着されたフレーム11の上面図であり、図1(b)は、図1(a)のIIB−IIB断面図である。
フレーム11は、例えば、アルミニウムやマグネシウム、鉄、又はそれらを含む金属合金などからなる筐体構造を形成している。そして、その筐体構造の内側に、例えば、白色高反射の性能を有するポリエステルフィルム等が貼着され、リフレクタとしても機能するようになっている。この筐体構造としては、照明装置10が取り付けられる場所の大きさに対応して設けられる背面部11aと、この背面部11aの四隅を囲う側面部11bを備えている。そして、この背面部11a上には放熱シート18を設けることができる。
図1に示す例では、発光モジュール12が複数(本例では8枚)設けられている。そして、各々の発光モジュール12は、それぞれ複数(本例では1枚の発光モジュール12に対して2本)のネジ17により、放熱シート18を介してフレーム11に固定されている。
発光モジュール12は、基板の一例としての配線基板20と、この配線基板20に実装される複数(この例では28個)の発光装置60とを備えている。なお、各々の発光装置60は、後述する構成を備えることにより、それぞれが白色光を出力するように構成されている。
図2は、本発明の発光装置の一例であり、本実施形態で用いられる発光装置60の構成を説明するための図である。ここで、図2(a)は発光装置60の平面図を、図2(b)は図2(a)のIIIB−IIIB線に対応する断面図を、それぞれ示している。
この発光装置60は、凹部61aを有する樹脂容器61と、樹脂容器61の凹部61aの内側に露出した状態で配置され、樹脂容器61と一体化したリードフレームからなるアノード用リード部62(導体部)及びカソード用リード部63(導体部)と、凹部61aの内側に設けられるとともに、アノード用リード部62及びカソード用リード部63と電気的に接続される半導体発光素子(発光素子)64と、この半導体発光素子30から出力される光に対する透光性を有する樹脂組成物からなり、凹部61aにおいて当該発光素子30を封止する封止樹脂65と、を備えている。なお、図2(a)においては、封止樹脂65の記載を省略している。
樹脂容器61は、アノード用リード部62及びカソード用リード部63を含む金属リード部に、白色顔料が含有された熱可塑性樹脂(以下の説明においては白色樹脂と呼ぶ)を射出成型することによって形成されている。
この樹脂容器61を構成する白色樹脂は、可視光の光反射率が85%以上であって98%以下となるように白色顔料の含有率、粒径等が調整されている。言い換えると、樹脂容器61の可視光の光吸収率が15%未満とされている。白色顔料としては、亜鉛華、鉛白、リトポン、チタニア(酸化チタン)、酸化アルミニウム、沈降性硫酸バリウム及びバライト粉が挙げられる。特に酸化チタンを用いることが好ましい。チタニアは、他の白色顔料に比べて屈折率が高く、また、光吸収率が低いので、本実施形態の樹脂容器61に好適に用いることができる。
また、製造工程でハンダリフロー等の温度が付与される工程が複数あるので、白色樹脂は、耐熱性も十分に考慮された材質が選定されている。この樹脂容器61の基材となる樹脂としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリウレタン(PU)、ポリスチレン(PS)、ABS樹脂(ABS)、アクリル樹脂(PMMA)、ポリアセタール樹脂(POM)、液晶ポリマー(LCP)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリアミドや液晶ポリマー、エポキシ樹脂、ポリスチレンなどが好適に使用される。ポリアミドには、例えば、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン4T、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロン9T、ナイロンM5T等のPPA(polyphthalamide)類が挙げられる。本実施の形態では、ジアミンとイソフタル酸又はテレフタル酸との共重合体であるナイロン4T、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロン9T、ナイロンM5Tが特に好ましい。
樹脂容器61に設けられる凹部61aは、円形状を有する底面70と、底面70の周縁から樹脂容器61の上部側に向けて拡開するように立ち上がる壁面80とを備えている。ここで、底面70は、凹部61aに露出するアノード用リード部62(導体部)及びカソード用リード部63(導体部)と、アノード用リード部62とカソード用リード部63との間の隙間に露出する樹脂容器61の白色樹脂とによって構成されている。ただし、底面70の半分以上の領域が、アノード用リード部62(導体部)とカソード用リード部63(導体部)とによって占められている。一方、壁面80は、樹脂容器61を構成する白色樹脂によって構成されている。なお、底面70の形状については、円形、矩形、楕円形、多角形の何れでもよい。また、壁面80の形状は、円形、矩形、楕円形、多角形の何れでもよく、また、底面形状と同一でもよく、本実施形態のように異なっていてもよい。
導体部の一例としてのアノード用リード部62及びカソード用リード部63は、それぞれの一部が樹脂容器61内に挟まれて保持されるとともに、他の一部が樹脂容器61の外部に露出されており、半導体発光素子30に電流を印加するための端子とされている。ここで、表面実装を前提とする場合には、図2に示す例のように、アノード用リード部62及びカソード用リード部63を、それぞれ樹脂容器61の裏側に折り曲げて樹脂容器61の底部にその先端を配設することが望ましい。
また、アノード用リード部62及びカソード用リード部63、即ちリードフレーム(金属導体)は、0.1mm〜0.5mm程度の厚みをもつ金属板であり、銅合金等の金属導体をベースとし、その表面には銀メッキが施されることによって銀メッキ層が形成されている。従って、凹部61aの底面70には、金属導体であるアノード用リード部62の一部(導体部)及びカソード用リード部63の一部(導体部)の銀メッキ層が露出していることになる。なお、銀メッキ層は、一般的な銀メッキ条件によって形成されたものである。
半導体発光素子30は、凹部61aの底面70に露出するカソード用リード部63上に、シリコン樹脂又はエポキシ樹脂からなるダイボンド剤等で接着され、固定されている。
この半導体発光素子30は、図2(a)、(b)に示すように、n型オーミック電極(第1の電極)34及びp型オーミック電極(第2の電極)35を有しており、ボンディングワイヤを介して、p型オーミック電極35がアノード用リード部62に、n型オーミック電極34がカソード用リード部63に、それぞれ接続されている。なお、本実施形態で用いた発光装置60では、図2(a)に示すように、半導体発光素子30が、円形状を有する底面70のほぼ中央部に取り付けられている。
この半導体発光素子30は、図2(a)、(b)に示すように、n型オーミック電極(第1の電極)34及びp型オーミック電極(第2の電極)35を有しており、ボンディングワイヤを介して、p型オーミック電極35がアノード用リード部62に、n型オーミック電極34がカソード用リード部63に、それぞれ接続されている。なお、本実施形態で用いた発光装置60では、図2(a)に示すように、半導体発光素子30が、円形状を有する底面70のほぼ中央部に取り付けられている。
以下、本実施形態の発光装置60に用いられる半導体発光素子30について、主に図2〜図8を参照しながら、さらに詳述する。ここで、図3は発光素子30の平面図であり、図4は図3中に示すB−B’線に沿った断面図である。図3及び図4に示すように、本実施形態の発光装置60に用いられる発光素子30は、化合物半導体層32と機能性基板33とが接合された発光素子チップである。そして、発光素子30は、主たる光取り出し面に設けられたn型オーミック電極34及びp型オーミック電極35と、機能性基板33の化合物半導体層32との接合面と反対側に設けられた第3の電極36とを備えて概略構成されている。なお、本実施形態で説明する主たる光取り出し面とは、化合物半導体層32において、機能性基板33を貼り付けた面の反対側の面である。
化合物半導体層(エピタキシャル成長層ともいう)32は、図4に示す例では、pn接合型の発光部37と、歪調整層38とが順次積層された構造を有している。この化合物半導体層32の構造には、公知の機能層を適時加えることができる。例えば、オーミック(Ohmic)電極の接触抵抗を下げるためのコンタクト層、素子駆動電流を発光部の全般に平面的に拡散させるための電流拡散層、逆に素子駆動電流の通流する領域を制限するための電流阻止層や電流狭窄層など公知の層構造を設けることができる。なお、化合物半導体層32は、GaAs基板上にエピタキシャル成長させて形成されたものであることが好ましい。
発光部37は、図4に示す例のように、歪調整層38上に、少なくともp型の下部クラッド層39、発光層40、n型の上部クラッド層41が順次積層されて構成されている。すなわち、発光部37は、放射再結合をもたらすキャリア(担体;carrier)及び発光を発光層40に「閉じ込める」ために、発光層40の下側及び上側に対峙して配置した下部クラッド(clad)層39及び上部クラッド層41を含む、所謂、ダブルヘテロ(英略称:DH)構造とすることが高強度の発光を得る上で好ましい。
発光層40は、図5に示す例のように、発光ダイオード(LED)の発光波長を制御するため、井戸構造を構成することが好ましい。すなわち、発光層60は、歪発光層(井戸層、ウェル(well)層ともいう)42を両端に有する、歪発光層42とバリア層(障壁層ともいう)43との多層構造であることが好ましい。
発光層40の層厚は、0.02〜2μmの範囲であることが好ましい。また、発光層40の伝導型は特に限定されるものではなく、アンドープ、p型及びn型のいずれも選択することができる。発光効率を高めるには、結晶性が良好なアンドープ又は3×1017cm−3未満のキャリア濃度とすることが望ましい。
歪発光層42は、(AlXGa1−X)YIn1−YP(0≦X≦1,0<Y≦1)の組成を有している。上記Xは、0.1以下であることが好ましく、0であることがより好ましい。また、上記Yは、0.37〜0.46の範囲が好ましく、0.39〜0.45の範囲がより好ましい。歪発光層42の材質を上記範囲に規定することにより、発光波長を655〜675nmの範囲とすることできる。しかしながら、この場合、歪発光層42は、それ以外の構造部分と格子定数が異なる構成となり、化合物半導体層32に歪が発生する。このため、結晶欠陥の発生という弊害が生ずるおそれがある。
歪発光層42の層厚は、8〜30nmの範囲が好適である。ここで、歪発光層42の層厚が約6nm未満である場合では、井戸構造の量子効果によって発光波長が短くなり、所望の655nm以上の波長が得られなくなる。従って、歪発光層42の層厚は、層厚の変動を加味して、量子効果の発現しない8nm以上であることが望ましい。また、歪発光層42の層厚は、層厚の制御の容易さを考慮すれば、10nm以上が好適である。一方、歪発光層42の層厚が30nmを超えると、歪量が大きくなり過ぎるため、結晶欠陥や表面の異常が発生しやすくなるので好ましくない。
バリア層43は、(AlXGa1−X)YIn1−YP(0≦X≦1,0<Y≦1)の組成を有している。上記Xは、0.3〜0.7の範囲が好ましく、0.4〜0.6の範囲がより好ましい。また、上記Yは、0.48〜0.52の範囲が好ましく、0.49〜0.51の範囲がより好ましい。また、バリア層43の格子定数は、GaAs基板と同等または、小さくすることができる。
バリア層43の層厚は、歪発光層42の層厚よりも厚いことが好ましい。これにより、歪発光層42の発光効率を高めることができる。また、バリア層43によって発光効率を最適化するとともに、歪発光層42に発生した歪を緩和する必要がある。従って、バリア層43は、少なくとも、15nm以上の層厚とすることが好ましく、20nm以上の層厚がより好ましい。一方、バリア層43の層厚が50nmを超えると、発光波長の波長に近くなり、光の干渉、ブラッグ反射など、光学的な影響が生じる。従って、バリア層43は50nm以下の層厚とすることが好ましく、40nm以下の層厚がより好ましい。上述したように、歪発光層42の層厚が薄く、バリア層43の層厚が厚いほうが、歪発光層42の歪をバリア層43によって吸収する効果が得られるとともに、歪発光層42に結晶欠陥が発生し難いという効果が得られる。
歪発光層42とバリア層43との多層構造において、歪発光層42とバリア層43とを交互に積層する対の数は特に限定されるものではないが、8対以上40対以下であることが好ましい。即ち、発光層40には、歪発光層42が8〜40層の範囲で含まれていることが好ましい。ここで、発光層40の発光効率が好適な範囲としては、歪発光層42が8層以上であることが好ましい。一方、歪発光層42及びバリア層43はキャリア濃度が低いため、この対が多過ぎると順方向電圧(VF)が増大してしまう。このため、歪発光層42及びバリア層43は40対以下で設けられることが好ましく、30対以下であることがより好ましい。また、歪発光層42が有する歪は、エピタキシャル成長基板と発光部32との格子定数が異なるため、発光層40中に発生するストレスである。このため、歪発光層42とバリア層43とを交互に積層する対の数、すなわち、発光層40に含まれる歪発光層42の層の数が上記範囲を超えると、発光層40が歪に耐えきれずに結晶欠陥が発生し、表面状態の悪化や発光効率低下などの問題が発生する。
本発明においては、半導体発光素子30の発光波長が、590nm〜700nmの赤色領域に主発光ピークを有するものであることがより好ましい。
また、半導体発光素子30に備えられる発光層40(発光部32)は、歪発光層42の材質を上記範囲に規定することにより、その発光スペクトルのピーク発光波長が655〜675nmの範囲とすることが好ましく、660〜670nmの範囲とすることがより好ましい。上記範囲の発光波長は、植物育成(光合成)用の光源に適した発光波長の1つであり、光合成に対して反応効率が高い波長であることから好ましい。
また、半導体発光素子30に備えられる発光層40(発光部32)は、歪発光層42の材質を上記範囲に規定することにより、その発光スペクトルのピーク発光波長が655〜675nmの範囲とすることが好ましく、660〜670nmの範囲とすることがより好ましい。上記範囲の発光波長は、植物育成(光合成)用の光源に適した発光波長の1つであり、光合成に対して反応効率が高い波長であることから好ましい。
一方、700nm以上の長波長領域の光を利用すると、植物の育成を抑制する反応が起こるため、長波長域の光量は少ない方が望ましい。従って、効率的に植物育成するためには、光合成反応に対して最適な655〜675nmの波長領域の光が強く、700nm以上の超波長領域の光を含まない赤色光源が最も好ましい。
また、上記の好ましい赤色光源にするためには、半値幅は狭い必要がある。量子化条件に近いと、波長バラツキの大きくなる可能性があるが、半値幅は狭くなる。結果的に、発光スペクトルの半値幅が10〜40nmの範囲であることが好ましい。さらに、上記発光スペクトルの発光波長700nmにおける発光強度が、上記ピーク発光波長における発光強度の10%未満であることが好ましい。更にまた、発光層40の応答速度(立ち上がり時間:Tr)が100ns以下であることが好ましい。
このような特性の発光層40を有する発光素子30は、植物育成の光合成の促進に使用する照明(発光装置、発光モジュール及び照明装置)として好適に用いることができる。また、発光層40の構成は、上記特性を充足するように組成、層厚、層数等を適宜選択することができる。
また、上記の好ましい赤色光源にするためには、半値幅は狭い必要がある。量子化条件に近いと、波長バラツキの大きくなる可能性があるが、半値幅は狭くなる。結果的に、発光スペクトルの半値幅が10〜40nmの範囲であることが好ましい。さらに、上記発光スペクトルの発光波長700nmにおける発光強度が、上記ピーク発光波長における発光強度の10%未満であることが好ましい。更にまた、発光層40の応答速度(立ち上がり時間:Tr)が100ns以下であることが好ましい。
このような特性の発光層40を有する発光素子30は、植物育成の光合成の促進に使用する照明(発光装置、発光モジュール及び照明装置)として好適に用いることができる。また、発光層40の構成は、上記特性を充足するように組成、層厚、層数等を適宜選択することができる。
下部クラッド層39及び上部クラッド層41は、図4に示すように、発光層40の下面及び上面にそれぞれ設けられている。具体的には、発光層40の下面に下部クラッド層39が設けられ、発光層40の上面に上部クラッド層41が設けられている。
下部クラッド層39及び上部クラッド層41の材質としては、発光層40(歪発光層42)よりもバンドギャップの大きい材質が好ましく、バリア層43よりもバンドギャップが大きい材質がより好ましい。上記材質としては、例えば、AlXGa1−XAsの組成を有する化合物や、(AlXGa1−X)YIn1−YP(0≦X≦1,0<Y≦1)の組成を有する化合物が挙げられる。また、上記Xの値は、下限値が0.3以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましい。またさらに、上記Yの値は、0.48〜0.52の範囲が好ましく、0.49〜0.51の範囲がより好ましい。
下部クラッド層39と上部クラッド層41とは、極性が異なるように構成されている。また、下部クラッド層39及び上部クラッド層41のキャリア濃度及び厚さは、公知の好適な範囲を用いることができ、発光層40の発光効率が高まるように条件を最適化することが好ましい。また、下部クラッド層39及び上部クラッド層41の組成を制御することによって、化合物半導体層32の反りを低減させることができる。
具体的に、下部クラッド層39としては、例えば、Mgをドープしたp型の(AlXGa1−X)YIn1−YP(0.3≦X≦1,0<Y≦1)からなる半導体材料を用いることが望ましい。また、キャリア濃度は2×1017〜2×1018cm−3の範囲が好ましく、層厚は0.5〜5μmの範囲が好ましい。
一方、上部クラッド層41としては、例えば、Siをドープしたn型の(AlXGa1−X)YIn1−YP(0.3≦X≦1,0<Y≦1)からなる半導体材料を用いることが望ましい。また、キャリア濃度は1×1017〜1×1018cm−3の範囲が好ましく、層厚は0.5〜2μmの範囲が好ましい。なお、下部クラッド層39及び上部クラッド層41の極性は、化合物半導体層32の素子構造を考慮して選択することができる。
また、下部クラッド層39と発光層40との間、発光層40と上部クラッド層41との間及び下部クラッド層39と歪調整層38との間に、両層間におけるバンド(band)不連続性を緩やかに変化させるための中間層を設けても良い。この場合、各中間層は、上記両層の中間の禁止帯幅を有する半導体材料からそれぞれ構成することが好ましい。
また、発光部37の構成層の上方には、オーミック(Ohmic)電極の接触抵抗を下げるためのコンタクト層、素子駆動電流を発光部の全般に平面的に拡散させるための電流拡散層、逆に素子駆動電流の通流する領域を制限するための電流阻止層や電流狭窄層など公知の層構造を設けることができる。
歪調整層38は、図4に示すように、発光部37の下方に設けられている。この歪調整層38は、GaAs基板上に化合物半導体層2をエピタキシャル成長させる際に、歪発光層42によって生じた歪を緩和させるために設けられたものである。
また、歪調整層38は、発光部37(発光層40)からの発光波長に対して透明である。
さらに、歪調整層38は、歪発光層42及びバリア層43の格子定数よりも小さい格子定数を有している。またさらに、歪調整層38は、化合物半導体層32の形成(エピタキシャル成長による形成)に用いたGaAs基板の格子定数よりも小さい格子定数を有している。より具体的には、後述する組成から得られる歪調整層38の格子定数をA、バリア層43の格子定数をB、歪発光層42の格子定数をCとした場合に、A<B<Cとなる関係を有している。
また、歪調整層38は、発光部37(発光層40)からの発光波長に対して透明である。
さらに、歪調整層38は、歪発光層42及びバリア層43の格子定数よりも小さい格子定数を有している。またさらに、歪調整層38は、化合物半導体層32の形成(エピタキシャル成長による形成)に用いたGaAs基板の格子定数よりも小さい格子定数を有している。より具体的には、後述する組成から得られる歪調整層38の格子定数をA、バリア層43の格子定数をB、歪発光層42の格子定数をCとした場合に、A<B<Cとなる関係を有している。
歪調整層38としては、(AlXGa1−X)YIn1−YP(0≦X≦1、0.6≦Y≦1)の組成を有する材料を適用することができる。上記Xは、化合物半導体層32の素子構造にもよるが、Al濃度が低い材料が化学的に安定であることから、0.5以下であることが好ましく、0であることがより好ましい。また、上記Yの下限値は、0.6以上であることが好ましい。ここで、発光層40(歪発光層42)の有する歪量が同じ場合を比較すると、上記Yの値が小さいほうが歪調整層38の歪調整効果が小さくなる。このため、歪調整層38の層厚を厚くする必要が生じ、歪調整層38の成膜時の成長時間とコストが上昇してしまうため、上記Yの値は0.6以上であることが好ましく、0.8以上であることがより好ましい。
また、歪調整層38としては、発光波長に対して透明であり、AlXGa1−XAs1−YPY(0≦X≦1、0.6≦Y≦1)の組成を有するIII−V属半導体材料も好適に用いることができる。上記組成を有する歪調整層38では、Yの値によって格子定数が変化するが、上記Yの値が大きい方が、格子定数が小さくなる。また、発光波長に対する透明度は、上記X及びYの値の双方に関連するため、透明な材料となるようにX及びYの値を選択すれば良い。
さらに、歪調整層38として、GaP、好ましくは、例えばMgドープしたp型のGaPを用いることが好ましい。このGaPは、組成の調整が不要であるとともに、歪調整効果が大きいため、生産性及び安定性の面からも歪調整層38の材料として最も適している。
歪調整層38は、化合物半導体層32をエピタキシャル成長させる際に用いる基板であるGaAs基板の格子定数よりも小さい格子定数を有しているため、歪発光層42が包含する歪量のばらつきを緩和する機能を備えている。このため、歪調整層38を設けることにより、発光波長などの特性の均一化、クラック発生等の結晶欠陥の発生防止の効果がある。ここで、歪調整層38の層厚は、0.5〜20μmの範囲であることが好ましく、3〜15μmの範囲であることがより好ましい。層厚が0.5μm未満であると、歪発光層42の歪量のばらつきを緩和するのに十分ではなく、層厚が20μmを超えると成長時間が長くなり、製造コストが増加するために好ましくない。
このように、歪調整層38の組成を制御することにより、化合物半導体層32の反りを低減することができるため、面内波長分布の小さい半導体発光素子30の作製が可能である。さらに、本実施形態のように、機能性基板33と化合物半導体層32との接合を行なう構造を有する場合にも、化合物半導体層32の反りが大きい場合は割れなどの問題が生じるため、化合物半導体層32の反りを小さくすることが望ましい。
次に、歪調整層38が、化合物半導体層2の歪を緩和するメカニズム(歪調整層38と、化合物半導体層32との格子定数の関係)について、図6を参照しながら説明する。
図6に示すように、歪調整層38の格子定数は、基準となるGaAs基板の格子定数よりも小さい側にある。この状態を−(マイナス)歪とする。これに対して、発光層40における歪発光層32の格子定数は、基準となるGaAs基板の格子定数よりも大きい側にある。これを+(プラス)歪とする。本発明者等は、歪調整層38に起因する−歪の存在が、長波長化するために歪発光層42に導入された+歪のバラツキを小さくする効果があることを見出した。上述したように、歪発光層32の発光波長は、歪発光層42の層厚、組成及び歪量によって決定される。このように、歪発光層42の発光波長に影響を与える要素が多いため、各要素のばらつきの相乗効果によって波長のバラツキが大きくなりやすい傾向がある。
図6に示すように、歪調整層38の格子定数は、基準となるGaAs基板の格子定数よりも小さい側にある。この状態を−(マイナス)歪とする。これに対して、発光層40における歪発光層32の格子定数は、基準となるGaAs基板の格子定数よりも大きい側にある。これを+(プラス)歪とする。本発明者等は、歪調整層38に起因する−歪の存在が、長波長化するために歪発光層42に導入された+歪のバラツキを小さくする効果があることを見出した。上述したように、歪発光層32の発光波長は、歪発光層42の層厚、組成及び歪量によって決定される。このように、歪発光層42の発光波長に影響を与える要素が多いため、各要素のばらつきの相乗効果によって波長のバラツキが大きくなりやすい傾向がある。
例えば、歪発光層42の層厚は30nm以下の薄膜が望ましいが、薄い膜であるために層厚を均一に制御することは困難である。そして、層厚と導入される歪量との間には相関があるため、歪発光層42の層厚がばらつくことによって導入される歪量もばらつき、結果として歪発光層42の発光波長がばらつくこととなる。そこで、化合物半導体層32を形成する際に、+歪を有する歪発光層42を含む発光部37の上方(図4では、発光部37の下方となる)に歪調整層38を設けることにより、この歪調整層38の有する−歪が、歪発光層42の層厚のばらつきによって+側に大きくずれた歪を−側に引き寄せて、歪発光層42の歪量のばらつきを小さくする作用があることを見出した。この歪調整層38の効果は、歪発光層42の歪量のばらつきの原因が歪発光層42の組成のばらつきの場合であっても同様である。
ところで、歪調整層38が備えられていない従来の発光ダイオードでは、発光波長等の特性のばらつきが大きいため、要求された品質を満足することができなかった。これに対し、本実施形態の発光装置60に用いられる発光素子30では、発光部37の下方に歪調整層38を設けた素子構造としている。これにより、長波長化を行うために必要な歪発光層42の歪量が発光層40内において均一化されて、発光波長及び出力の特性のばらつきが小さくなる。また、化合物半導体層32の表面状態も改善される。
機能性基板33は、図4に示すように、化合物半導体層32を構成する歪調整層38側に接合されている。この機能性基板33は、発光部37を機械的に支持するのに充分な強度を有し、且つ、発光部37から出射される発光を透過できる禁止帯幅が広く、発光層40からの発光波長に対して光学的に透明な材料から構成する。例えば、機能性基板33としては、燐化ガリウム(GaP)、砒化アルミニウム・ガリウム(AlGaAs)、窒化ガリウム(GaN)等のIII−V族化合物半導体結晶体、硫化亜鉛(ZnS)やセレン化亜鉛(ZnSe)等のII−VI族化合物半導体結晶体、或いは六方晶或いは立方晶の炭化珪素(SiC)等のIV族半導体結晶体、ガラス、サファイアなど絶縁基板から構成することができる。
一方、接合面に反射率の高い表面を有する機能性基板も選択できる。例えば、表面に銀、金、銅、アルミニウムなどである金属基板または合金基板や、半導体に金属ミラー構造を形成した複合基板なども選択できる。また、機能性基板としては、接合による歪の影響がない歪調整層と同じ材質から選択することが最も望ましい。
一方、接合面に反射率の高い表面を有する機能性基板も選択できる。例えば、表面に銀、金、銅、アルミニウムなどである金属基板または合金基板や、半導体に金属ミラー構造を形成した複合基板なども選択できる。また、機能性基板としては、接合による歪の影響がない歪調整層と同じ材質から選択することが最も望ましい。
機能性基板33は、発光部37を機械的に充分な強度で支持するために、例えば約50μm以上の厚みとすることが好ましい。また、化合物半導体層32に接合した後に、機能性基板33への機械的な加工を施し易くするため、約300μmの厚さを超えないものとすることが好ましい。即ち、機能性基板33は、約50μm以上約300μm以下の厚さを有するn型GaP基板から構成するのが最適である。
また、図4に示すように、機能性基板33の側面は、化合物半導体層32に近い側において主たる光取り出し面に対して略垂直である垂直面33aとされており、化合物半導体層32に遠い側において主たる光取り出し面に対して内側に傾斜した傾斜面33bとされている。これにより、発光層40から機能性基板33側に放出された光を効率よく外部に取り出すことができる。また、発光層40から機能性基板33側に放出された光のうち、一部は垂直面33aで反射され、傾斜面33bで取り出すことができる。一方、傾斜面33bで反射された光は垂直面33aで取り出すことができる。このように、垂直面33aと傾斜面33bとの相乗効果により、光の取り出し効率を高めることができる。
また、本実施形態では、図4に示すように、傾斜面33bと発光面に平行な面とのなす角度αを、55度〜80度の範囲内とすることが好ましい。このような範囲とすることで、機能性基板33の底部で反射された光を効率よく外部に取り出すことができる。
また、垂直面33aの幅(厚さ方向)を、30μm〜100μmの範囲内とすることが好ましい。垂直面33aの幅を上記範囲内にすることで、機能性基板33の底部で反射された光を、垂直面33aにおいて効率よく発光面に戻すことができ、さらには、主たる光取り出し面から放出させることが可能となるので、発光素子30の発光効率を高めることができる。
また、垂直面33aの幅(厚さ方向)を、30μm〜100μmの範囲内とすることが好ましい。垂直面33aの幅を上記範囲内にすることで、機能性基板33の底部で反射された光を、垂直面33aにおいて効率よく発光面に戻すことができ、さらには、主たる光取り出し面から放出させることが可能となるので、発光素子30の発光効率を高めることができる。
また、機能性基板33の傾斜面33bは、粗面化されていることが好ましい。傾斜面33bが粗面化されることにより、この傾斜面33bでの光取り出し効率をさらに向上させる効果が得られる。即ち、傾斜面33bを粗面化することにより、傾斜面33bでの全反射を抑制して、光取り出し効率を上げることができる。
化合物半導体層32と機能性基板33との接合界面は、高抵抗層となる場合がある。即ち、化合物半導体層32と機能性基板33との間には、図示略の高抵抗層が設けられている場合がある。この高抵抗層は、機能性基板33よりも高い抵抗値を示し、高抵抗層が設けられている場合には化合物半導体層32の歪調整層38側から機能性基板33側への逆方向の電流を低減する機能を有している。また、機能性基板33側から歪調整層38側へと不用意に印加される逆方向の電圧に対して耐電圧性を発揮する接合構造を構成しているが、その降伏電圧は、pn接合型の発光部37の逆方向電圧よりも低値となる様に構成することが好ましい。
n型オーミック電極34及びp型オーミック電極35は、発光素子30の主たる光取り出し面に設けられた低抵抗のオーミック接触電極である。ここで、n型オーミック電極34は、上部クラッド層41の上方に設けられており、例えば、AuGe、Ni合金/Auからなる合金を用いることができる。一方、p型オーミック電極35は、図4に示すように、露出させた歪調整層38の表面にAuBe/Auからなる合金を用いて設けることができる。
ここで、本実施形態の発光装置60に用いられる発光素子30では、第2の電極としてp型オーミック電極35を、歪調整層38上に形成することが好ましい。このような構成とすることにより、作動電圧を下げる効果が得られる。また、p型オーミック電極35をp型GaPからなる歪調整層38上に形成することにより、良好なオーミックコンタクトが得られるため、作動電圧を下げることができる。
なお、本実施形態では、第1の電極の極性をn型とし、第2の電極の極性をp型とするのが好ましい。このような構成とすることにより、発光素子30の高輝度化を達成することができる。一方、第1の電極をp型とすると、電流拡散が悪くなり、輝度の低下を招く。これに対して、第1の電極をn型とすることによって電流拡散が良くなり、発光素子30の高輝度化を達成することができる。
本実施形態の発光装置60に用いられる発光素子30では、図3の平面図に示すように、n型オーミック電極34とp型オーミック電極35とが対角の位置となるように配置することが好ましい。また、p型オーミック電極35の周囲を、化合物半導体層32で囲んだ構成とすることが最も好ましい。このような構成とすることにより、作動電圧を下げる効果が得られる。また、p型オーミック電極35の四方をn型オーミック電極34で囲むことにより、電流が四方に流れやすくなり、その結果、作動電圧が低下する。
また、本実施形態の半導体発光素子30では、図3に示すように、n型オーミック電極34を、ハニカム、格子形状など網目とすることが好ましい。このような構成とすることにより、n型オーミック電極34の信頼性を大幅に向上させる効果が得られる。また、格子状とすることにより、発光層40に均一に電流を注入することができ、その結果、信頼性を向上させる効果が得られる。なお、本実施形態の発光装置60に用いられる発光素子30は、n型オーミック電極34を、パッド形状の電極(パッド電極)と幅10μm以下の線状の電極(線状電極)とで構成することが好ましい。このような構成とすることにより、高輝度化をはかることが可能となる。さらに、線状電極の幅を狭くすることにより、光取り出し面の開口面積を上げることができ、高輝度化を達成することが可能となる。
第3の電極36は、図4に示すように、機能性基板33の底面に設けられており、高輝度化、導通性、実装工程の安定化を向上させる機能を有している。第3の電極36の材質は、特に限定されるものではないが、例えば、反射率が高い銀(Ag)ペーストを用いることができる。また、第3の電極36には、例えば反射層、バリア層、接続層からなる積層構造体を用いることができる。上記反射層としては、反射率の高い金属、例えば、銀、金、アルミニウム、白金およびこれらの金属の合金を用いることができる。また、機能性基板33と反射層との間に、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)等の透明導電膜からなる酸化膜を設けることができる。また、バリア層としては、例えば、タングステン、モリブデン、チタン、白金、クロム、タンタル等の高融点金属を用いることができる。また、接続層としては、例えば、AuSn、AuGe,AuSi等の低融点の共晶金属を用いることができる。
また、第3の電極36は、オーミック電極であってもショットキー電極であっても良いが、第3の電極36が機能性基板33の底面にオーミック電極を形成すると、発光層40からの光を吸収してしまうため、ショットキー電極であることが好ましい。第3の電極36の厚さは特に限定されるものではないが、0.2〜5μmの範囲が好ましく、1〜3μmの範囲がより好ましく、1.5〜2.5μmの範囲が特に好ましい。ここで、第3の電極36の厚さが0.2μm未満であると、高度な膜厚制御技術が必要となるために好ましくない。また、第3の電極36の厚さが5μmを超えるとパターン形成しにくく、高コストとなるために好ましくない。一方、第3の電極36の厚さが上記範囲であると、品質の安定性とコストの両立が可能であるため好ましい。
封止樹脂65は、凹部61a内において半導体発光素子30を封止して設けられ、半導体発光素子30から出力される光に対する透光性を有し、詳細を後述するように、エピスルフィド化合物と、SH基を1分子あたり2個以上有するメルカプタン化合物との反応物からなり、エピスルフィド化合物とメルカプタン化合物の配合質量比が0.02〜1.5の範囲とされた樹脂組成物からなる。
本実施形態の発光装置60においては、発光素子30から上記波長の赤色光が出射され、封止樹脂65を透過した赤色光が出射面65aから出射されるようになっている。
(樹脂組成物)
本実施形態の発光装置60において、封止樹脂65をなす樹脂組成物は、液状硬化性の樹脂組成物であり、特定の化学構造を有する液状硬化性樹脂を含むものである。
本実施形態の発光装置60において、封止樹脂65をなす樹脂組成物は、液状硬化性の樹脂組成物であり、特定の化学構造を有する液状硬化性樹脂を含むものである。
封止樹脂65を構成する透明樹脂としては、ガスや水分によるLEDチップやリードの劣化を防ぐことが可能な下記の樹脂組成物からなる樹脂が使用される。
即ち、下記一般式(1)で表されるエピスルフィド化合物と、SH基を1分子あたり2個以上有するメルカプタン化合物とからなり、前記エピスルフィド化合物中のエピスルフィド基の総計のモル数に対する前記メルカプタン化合物中のSH基の総計のモル数が0.02〜1.5とされた樹脂組成物が使用される(なお、本明細書においては、この樹脂組成物を、チオエポキシ基を有する樹脂組成物と記載することがある)。
即ち、下記一般式(1)で表されるエピスルフィド化合物と、SH基を1分子あたり2個以上有するメルカプタン化合物とからなり、前記エピスルフィド化合物中のエピスルフィド基の総計のモル数に対する前記メルカプタン化合物中のSH基の総計のモル数が0.02〜1.5とされた樹脂組成物が使用される(なお、本明細書においては、この樹脂組成物を、チオエポキシ基を有する樹脂組成物と記載することがある)。
なお、上記一般式(1)のm、nはそれぞれ、mが0〜4の整数であり、nが0〜1の整数であることが好ましい。上述の樹脂は、可視領域において透明な樹脂として有益である。
上記一般式(1)で表されるエピスルフィド化合物は、例えばビス(β−エピチオプロピル)スルフィド(n=0)またはビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド(n=1、m=0)等である。
また、チオエポキシを一部補完する目的でエポキシ化合物を用いることも出来る。このような化合物としては、例えば、ジャパンエポキシレジン(株)製の商品名エピコート806、828、834、1002、1004等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製の商品名エピコート806、807、4005P、東都化成(株)製の商品名YDF−170等のビスフェノールF型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製の商品名エピコートYX−8000、YX−8034等の水添エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製の商品名エピコート152、154、日本化薬(株)製の商品名EPPN−201、ダウケミカル社製の商品名DEN−438等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、日本化薬(株)製の商品名EOCN−125S、103S、104S等のo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製の商品名エピコートYX−4000,YL−6640等のビフェニル型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製の商品名エピコート1031S、ナガセ化成(株)製の商品名デナコールEX−611、EX−614、EX−614B、EX−622、EX−512、EX−521、EX−421、E−411、EX−321等の多官能エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製の商品名エピコート604、東都化成(株)製の商品名YH−434、三菱ガス化学(株)製の商品名TETRAD−X、TETRAD−C、日本化薬(株)製の商品名GAN、住友化学(株)製の商品名ELM−120等のアミン型エポキシ樹脂、ダイセル化学工業(株)製のセロキサイド2021P等の脂環式エポキシ樹脂等が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上組み合わせて使用することができる。
エポキシ樹脂は、一般に、チオエポキシよりは相当に安価であり、また、ガラス転移温度を上げる効果もあるが、使用量が多くなると肝心の酸素や硫化水素ガスのガスバリア性が低下してしまうため、チオエポキシ樹脂とエポキシ樹脂を配合後の割合で、等質量以下、好ましくは50質量%以下、更に好ましくは20質量%以下に留めるべきである。
また、SH基を1分子あたりで2個以上有するメルカプタン化合物の例としては、メタンジチオール、メタントリチオール、1,2−ジメルカプトエタン、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、ビス(2−メルカプトエチルエーテル)、ビス(2,3−ジメルカプトプロピル)スルフィド、1,2,3−トリメルカプトプロパン、2−メルカプトメチル−1,3−ジメルカプトプロパン、2−メルカプトメチル−1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、2,4−ビス(メルカプトメチル)−1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン、4,8−ビス(メルカプトメチル)−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ビス(メルカプトメチル)−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ビス(メルカプトメチル)−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、3,5−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,7−ジメルカプト−2,6−ジチアヘプタン、1,2,7−トリメルカプト−4,6−ジチアヘプタン、1,2,9−トリメルカプト−4,6,8−トリチアノナン、1,2,6,7−テトラメルカプト−4−チアヘプタン、1,2,8,9−テトラメルカプト−4,6−ジチアノナン、1,2,10,11−テトラメルカプト−4,6,8−トリチアウンデカン、1,2,12,13−テトラメルカプト−4,6,8,10−テトラチアトリデカン、エチレングリコールビス(チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリ(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトブタノエート)、トリメチロールプロパントリ(3−メルカプトブタノエート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブタノエート)、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、テトラキス(4−メルカプト−2−チアブチル)メタン、テトラキス(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタン、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、ビス(4−メルカプトフェニル)スルフィド、ビス(4−メルカプトメチルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−メルカプトメチルフェニル)プロパン、ビス(4−メルカプトメチルフェニル)エーテル、ビス(4−メルカプトメチルフェニル)スルフィド等が挙げられるが、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリ(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリ(3−メルカプトブタノエート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブタノエート)が特に好ましい。
エピスルフィド基とエポキシ基を持つ化合物を合せた総量に対してのSH基を持つ化合物の総量の質量比の下限としては、0.02以上、好ましくは0.1以上、さらには0.2以上が特に好ましい。質量比が下限値を大幅に下回ると、硬化速度が遅くなり、好ましくない。また、上限値については、1.5以下、好ましくは1以下、さらには0.8以下が特に好ましい。また、配合質量比としては、0.02〜1.5の範囲が好ましい。この質量比が上限値を超えると、硬化樹脂が柔らなくなるので好ましくない。
また、上記一般式(2)のmが4を超えると可撓性が低下するので好ましくなく、nが1を超えるとガラス転移温度があまりに低下するので好ましくない。
また、上記一般式(2)のmが4を超えると可撓性が低下するので好ましくなく、nが1を超えるとガラス転移温度があまりに低下するので好ましくない。
本発明においては、さらに凹部61a内面の一部にアノード用リード部62及びカソード用リード部63等が露出している当該部分や、発光素子30のp型オーミック電極35及びn型オーミック電極34の部分が、少なくとも公知な樹脂による樹脂薄膜コート材90で被覆されていてもよい。これは、アノード用リード部62及びカソード用リード部63等のリードフレームや、p型オーミック電極35及びn型オーミック電極34のボンディングワイヤとの接合部分等に銀メッキが施されている場合があり、この場合には硫化防止用の樹脂薄膜コート材90が形成されているのが好ましい。
本発明においては、前述のようなチオエポキシ基を有する樹脂組成物を封止樹脂65として使用する場合には、前述のチオエポキシの影響により銀メッキが黒くなることが心配されるので、前述の硫化防止用の樹脂薄膜コート材90が形成されているのが特に好ましい。樹脂薄膜コート材90の膜厚は、少なくとも1μm以下として形成されるのがよい。
樹脂薄膜コート材90を構成する樹脂材料として、可視領域において透明な各種樹脂を適用することができる。このような樹脂材料としては、公知の硬化性樹脂と、これを硬化させる硬化剤と、さらに必要により配合される、例えば酸化防止剤、変色防止剤、光劣化防止剤、反応性希釈剤、無機充填剤、難燃剤、有機溶剤等を含むものがよい。
硬化性樹脂としては、主剤及び硬化剤と、主剤と硬化剤との硬化反応を促進する硬化反応促進剤を含む2液型硬化性樹脂が挙げられる。具体的には、例えば、硬化性シリコン樹脂、硬化性エポキシ樹脂、硬化性エポキシシリコン混成樹脂、硬化性アクリル樹脂、硬化性ポリイミド樹脂等が挙げられる。これらの中でも、硬化性シリコン樹脂、硬化性エポキシ樹脂が好ましい。
(硬化性シリコン樹脂)
硬化性シリコン樹脂としては、一般に、分子中にケイ素原子結合アルケニル基を有する化合物(主剤)と、分子中にケイ素原子結合水素原子を有する化合物(硬化剤)と、ヒドロシリル化反応触媒(硬化反応促進剤)とを含有してなる液状硬化性シリコン樹脂が好ましい。主剤としては、1分子中に、好ましくは2個〜6個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンが挙げられる。ケイ素原子の結合したアルケニル基は、オルガノポリシロキサン分子中、分子鎖末端にあっても、分子鎖非末端にあっても、あるいはその両方にあってもよい。また、オルガノポリシロキサンの構造は、特に限定されるものではなく、例えば、直鎖状、分岐鎖状、三次元網状、環状等のいずれであってもよいが、好ましくは三次元網状である。
硬化性シリコン樹脂としては、一般に、分子中にケイ素原子結合アルケニル基を有する化合物(主剤)と、分子中にケイ素原子結合水素原子を有する化合物(硬化剤)と、ヒドロシリル化反応触媒(硬化反応促進剤)とを含有してなる液状硬化性シリコン樹脂が好ましい。主剤としては、1分子中に、好ましくは2個〜6個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンが挙げられる。ケイ素原子の結合したアルケニル基は、オルガノポリシロキサン分子中、分子鎖末端にあっても、分子鎖非末端にあっても、あるいはその両方にあってもよい。また、オルガノポリシロキサンの構造は、特に限定されるものではなく、例えば、直鎖状、分岐鎖状、三次元網状、環状等のいずれであってもよいが、好ましくは三次元網状である。
硬化剤としては、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。ケイ素原子に結合した水素原子は、オルガノハイドロジェンポリシロキサン分子中、分子鎖末端にあっても、分子鎖非末端にあっても、あるいはその両方にあってもよい。また、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの構造は、特に限定されるものではなく、例えば、直鎖状、分岐鎖状、三次元網状、環状等のいずれであってもよいが、好ましくは直鎖状または環状である。
硬化反応促進剤としては、主剤であるオルガノポリシロキサン中のケイ素原子に結合したアルケニル基と、硬化剤であるオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子結合水素原子とのヒドロシリル化反応を促進するヒドロシリル化反応触媒が挙げられる。ヒドロシリル化反応触媒としては、特に限定されず、従来公知のものが全て使用できる。例えば、白金黒、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応生成物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒;パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等の白金族金属系触媒等が挙げられる。
(硬化性エポキシ樹脂)
硬化性エポキシ樹脂の主剤としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、室温(例えば、25℃)で液状のものであれば使用可能である。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリフェノールプロパン型エポキシ樹脂等のトリフェノールアルカン型エポキシ樹脂;フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの硬化性エポキシ樹脂は1種単独で又は2種以上混合して用いることができる。
硬化性エポキシ樹脂の主剤としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、室温(例えば、25℃)で液状のものであれば使用可能である。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリフェノールプロパン型エポキシ樹脂等のトリフェノールアルカン型エポキシ樹脂;フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの硬化性エポキシ樹脂は1種単独で又は2種以上混合して用いることができる。
硬化性エポキシ樹脂の硬化剤としては、例えば、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシレリレンジアミン(MXDA)等の脂肪族ポリアミン;ジアミノジフェニルメタン(DDM)、m−フェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)等の芳香族ポリアミン;ジシアンジアミド(DICY)、有機酸ジヒドララジド等を含むポリアミン化合物;ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)等の脂環族酸無水物;無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)等の芳香族酸無水物等を含む酸無水物;ノボラック型フェノール樹脂、フェノールポリマー等のポリフェノール化合物;ポリサルファイド、チオエステル、チオエーテル等のポリメルカプタン化合物;イソシアネートプレポリマー、ブロック化イソシアネート等のイソシアネート化合物;カルボン酸含有ポリエステル樹脂等の有機酸類等の重付加型の硬化剤;ベンジルジメチルアミン(BDMA)、2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフェノール(DMP−30)等の3級アミン化合物;2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール(EMI24)等のイミダゾール化合物;BF3錯体等のルイス酸等の触媒型の硬化剤;レゾール型フェノール樹脂等のフェノール樹脂;メチロール基含有尿素樹脂のような尿素樹脂;メチロール基含有メラミン樹脂のようなメラミン樹脂等の縮合型の硬化剤が挙げられる。これらの硬化剤は単独あるいは2種類以上組み合わせて使用することができる。
硬化剤の含有量は、特に限定されないが、通常、液状硬化性樹脂組成物全体の0.1質量%〜30質量%、好ましくは、5質量%〜15質量%の範囲で適宜選択される。
硬化剤の含有量は、特に限定されないが、通常、液状硬化性樹脂組成物全体の0.1質量%〜30質量%、好ましくは、5質量%〜15質量%の範囲で適宜選択される。
硬化性エポキシ樹脂の硬化反応促進剤としては、例えば、イミダゾール化合物、アミン化合物、トリフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラ安息香酸ボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラナフトイックアシッドボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラナフトイルオキシボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラナフチルオキシボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート;ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物等が挙げられる。これらの中でも、イミダゾール化合物と、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物とが好ましい。
また、封止樹脂65には、透過した赤色光を出射させる出射面65aが設けられている。この例では、図2(b)に示すように、樹脂容器61の上部側、即ち凹部61aの開口部側に出射面65aが形成されている。
本発明において封止樹脂65に使用される、上記一般式(1)で表される、エピスルフィド化合物とSH基を1分子あたり2個以上有するメルカプタン化合物とからなる樹脂組成物は、少なくとも水蒸気透過率は、透湿度で5(g/m2・24時間)以下、好ましくは1(g/m2・24時間)以下、さらに望ましくは0.5(g/m2・24時間)以下のバリア性能を有する。
また、上記一般式(1)で表される、エピスルフィド化合物とSH基を1分子あたり2個以上有するメルカプタン化合物とからなる樹脂組成物は、少なくとも酸素透過率が、5000(cm3)/m2/24h/atm)以下、好ましくは2000(cm3)/m2/24h/atm)以下、さらに望ましくは500(cm3)/m2/24h/atm)以下のバリア性能を有する。
また、本発明において、上記樹脂組成物は、硫化水素に対しても高いバリア性能を有する。
また、上記一般式(1)で表される、エピスルフィド化合物とSH基を1分子あたり2個以上有するメルカプタン化合物とからなる樹脂組成物は、少なくとも酸素透過率が、5000(cm3)/m2/24h/atm)以下、好ましくは2000(cm3)/m2/24h/atm)以下、さらに望ましくは500(cm3)/m2/24h/atm)以下のバリア性能を有する。
また、本発明において、上記樹脂組成物は、硫化水素に対しても高いバリア性能を有する。
このように、本発明において形成され、上記樹脂組成物からなる封止樹脂65は、水、酸素または硫化水素に対し高いガスバリア性を有し、パッケージ内部への侵入を防止することができる。これにより、水、酸素、硫化水素等が、凹部61aの底面70に露出するアノード用リード部62(導体部)、カソード用リード部63(導体部)及び半導体発光素子30まで達するおそれがない。なお、水蒸気、酸素及び硫化水素等のガス透過率測定は、例えば、JIS K7126のガスクロ法に準じて容易に測定することができる。
<発光装置の製造方法>
次に、図7〜図9を参照しながら、図2に例示するような発光装置60の製造方法について説明する。図7は、本実施形態の発光装置60に備えられる発光素子30に用いるエピウェーハの断面図であり、図8は、発光素子30に用いる接合ウェーハの断面図である。
次に、図7〜図9を参照しながら、図2に例示するような発光装置60の製造方法について説明する。図7は、本実施形態の発光装置60に備えられる発光素子30に用いるエピウェーハの断面図であり、図8は、発光素子30に用いる接合ウェーハの断面図である。
「樹脂容器の作製」
まず、アノード用リード部62及びカソード用リード部63を一体化したリードフレームに、白色樹脂を射出成形して、凹部61aを有する樹脂容器61を形成する。
まず、アノード用リード部62及びカソード用リード部63を一体化したリードフレームに、白色樹脂を射出成形して、凹部61aを有する樹脂容器61を形成する。
「発光素子の作製」
次に、半導体発光素子30は、以下に示す手順で作製することができる。
次に、半導体発光素子30は、以下に示す手順で作製することができる。
(化合物半導体層の形成工程)
まず、図7に示すように、化合物半導体層32を作製する。化合物半導体層32は、GaAs基板44上に、GaAsからなる緩衝層45、選択エッチングに利用するために設けられた図示略のエッチングストップ層、Siをドープしたn型のAlGaInPからなるコンタクト層46、n型の上部クラッド層41、発光層40、p型の下部クラッド層39、Mgドープしたp型GaPからなる歪調整層38を順次積層して作製する。
まず、図7に示すように、化合物半導体層32を作製する。化合物半導体層32は、GaAs基板44上に、GaAsからなる緩衝層45、選択エッチングに利用するために設けられた図示略のエッチングストップ層、Siをドープしたn型のAlGaInPからなるコンタクト層46、n型の上部クラッド層41、発光層40、p型の下部クラッド層39、Mgドープしたp型GaPからなる歪調整層38を順次積層して作製する。
GaAs基板44は、公知の製法で作製された市販品の単結晶基板を使用できる。GaAs基板44のエピタキシャル成長させる表面は、平滑であることが望ましい。GaAs基板44の表面の面方位は、エピ成長しやすく、量産されている(100)面および(100)から、±20°以内にオフした基板が、品質の安定性の面からのぞましい。さらに、GaAs基板44の面方位の範囲が、(100)方向から(0−1−1)方向に15°オフ±5°であることがより好ましい。
GaAs基板44の転位密度は、化合物半導体層2の結晶性を良くするために低い方が望ましい。具体的には、例えば、10000個cm−2以下、望ましくは、1000個cm−2以下であることが好適である。
GaAs基板44は、n型であってもp型であっても良い。GaAs基板44のキャリア濃度は、所望の電気伝導度と素子構造から、適宜選択することができる。例えば、GaAs基板44がシリコンドープのn型である場合には、キャリア濃度が1×1017〜5×1018cm−3の範囲であることが好ましい。これに対して、GaAs基板44が亜鉛をドープしたp型の場合には、キャリア濃度2×1018〜5×1019cm−3の範囲であることが好ましい。
GaAs基板44の厚さは、基板のサイズに応じて適切な範囲がある。GaAs基板44の厚さが適切な範囲よりも薄いと、化合物半導体層32の製造プロセス中に割れてしまうおそれがある。一方、GaAs基板44の厚さが適切な範囲よりも厚いと、材料コストが増加することになる。このため、GaAs基板44の基板サイズが大きい場合、例えば、直径75mmの場合には、ハンドリング時の割れを防止するために250〜500μmの厚さが望ましい。同様に、直径50mmの場合は、200〜400μmの厚さが望ましく、直径100mmの場合は、350〜600μmの厚さが望ましい。
このように、GaAs基板44の基板サイズに応じて基板の厚さを厚くすることにより、歪発光層37に起因する化合物半導体層32の反りを低減することができる。これにより、エピタキシャル成長中の温度分布が均一となることため、発光層40の面内の波長分布のバラツキを小さくすることができる。なお、GaAs基板44の形状は、特に円形に限定されず、矩形等であっても問題ない。
緩衝層(buffer)45は、半導体基板47と発光部37の構成層との格子ミスマッチの緩和するために設けられている。このため、基板の品質やエピタキシャル成長条件を選択すれば、緩衝層45は、必ずしも必要ではない。また、緩衝層45の材質は、エピタキシャル成長させる基板と同じ材質とすることが好ましい。従って、本実施形態では、緩衝層45には、GaAs基板44と同じくGaAsを用いることが好ましい。また、緩衝層45には、欠陥の伝搬を低減するためにGaAs基板44と異なる材質からなる多層膜を用いることもできる。緩衝層45の厚さは、0.1μm以上とすることが好ましく、0.2μm以上とすることがより好ましい。
コンタクト層46は、電極との接触抵抗を低下させるために設けられている。コンタクト層46の材質は、歪発光層42よりバンドギャップの大きい材質であることが好ましく、AlXGa1−XAs、(AlXGa1−X)YIn1−YP(0≦X≦1,0<Y≦1)が好適である。また、コンタクト層46のキャリア濃度の下限値は、電極との接触抵抗を低下させるために5×1017cm−3以上であることが好ましく、1×1018cm−3以上がより好ましい。キャリア濃度の上限値は、結晶性の低下が起こりやすくなる2×1019cm−3以下が望ましい。コンタクト層46の厚さは、0.5μm以上が好ましく、1μm以上が最適である。コンタクト層46の厚さの上限値は、特に限定されないが、エピタキシャル成長に係るコストを適正にするため、5μm以下とすることが望ましい。
本実施形態では、分子線エピタキシャル法(MBE)や減圧有機金属化学気相堆積法(MOCVD法)等の公知の成長方法を適用することができる。なかでも、量産性に優れるMOCVD法を適用することが望ましい。具体的には、化合物半導体層32のエピタキシャル成長に使用するGaAs基板44は、成長前に洗浄工程や熱処理等の前処理を実施して、表面の汚染や自然酸化膜を除去することが望ましい。化合物半導体層32を構成する各層は、直径50〜150mmのGaAs基板44をMOCVD装置内に8枚以上セットし、同時にエピタキシャル成長させて積層することができる。また、MOCVD装置としては、自公転型、高速回転型等の市販の大型装置を適用することができる。
上述のような化合物半導体層32の各層をエピタキシャル成長する際、III族構成元素の原料としては、例えば、トリメチルアルミニウム((CH3)3Al)、トリメチルガリウム((CH3)3Ga)及びトリメチルインジウム((CH3)3In)を用いることができる。また、Mgのドーピング原料としては、例えば、ビスシクロペンタジエチルマグネシウム(bis−(C5H5)2Mg)等を用いることができる。また、Siのドーピング原料としては、例えば、ジシラン(Si2H6)等を用いることができる。また、V族構成元素の原料としては、ホスフィン(PH3)、アルシン(AsH3)等を用いることができる。また、各層の成長温度としては、歪調整層38としてp型GaPを用いる場合は、720〜770℃を適用することができ、その他の各層では600〜700℃を適用することができる。さらに、各層のキャリア濃度及び層厚、温度条件は、適宜選択することができる。
このようにして製造した化合物半導体層32は、歪発光層37を有するにもかかわらず結晶欠陥が少ない良好な表面状態が得られる。また、化合物半導体層32は、素子構造に対応して研磨などの表面加工を施しても良い。
(透明基板の接合工程)
次に、化合物半導体層32と機能性基板33とを接合する。化合物半導体層32と機能性基板33との接合は、先ず、化合物半導体層32を構成する歪調整層38の表面を研磨して、鏡面加工する。次に、この歪調整層38の鏡面研磨した表面に貼付する機能性基板33を用意する。なお、この機能性基板33の表面は、歪調整層38に接合させる以前に鏡面に研磨する。次に、一般の半導体材料貼付装置に、化合物半導体層32と機能性基板33とを搬入し、真空中で鏡面研磨した双方の表面に電子を衝突させて中性(ニュートラル)化したArビームを照射する。その後、真空を維持した貼付装置内で双方の表面を重ね合わせて荷重をかけることで、室温で接合することができる(図8参照)。
次に、化合物半導体層32と機能性基板33とを接合する。化合物半導体層32と機能性基板33との接合は、先ず、化合物半導体層32を構成する歪調整層38の表面を研磨して、鏡面加工する。次に、この歪調整層38の鏡面研磨した表面に貼付する機能性基板33を用意する。なお、この機能性基板33の表面は、歪調整層38に接合させる以前に鏡面に研磨する。次に、一般の半導体材料貼付装置に、化合物半導体層32と機能性基板33とを搬入し、真空中で鏡面研磨した双方の表面に電子を衝突させて中性(ニュートラル)化したArビームを照射する。その後、真空を維持した貼付装置内で双方の表面を重ね合わせて荷重をかけることで、室温で接合することができる(図8参照)。
(n型オーミック電極及びp型オーミック電極の形成工程)
次に、第1の電極であるn型オーミック電極34及び第2の電極であるp型オーミック電極35を形成する。n型オーミック電極34及びp型オーミック電極35の形成においては、先ず、機能性基板33と接合した化合物半導体層32から、GaAs基板44及び緩衝層45をアンモニア系エッチャントによって選択的に除去する。次に、露出したコンタクト層46の表面にn型オーミック電極34を形成する。具体的には、例えば、AuGe、Ni合金/Pt/Auを、任意の厚さとなるように真空蒸着法によって積層した後、一般的なフォトリソグラフィー手段を利用してパターニングを行い、n型オーミック電極34の形状を形成する。
次に、第1の電極であるn型オーミック電極34及び第2の電極であるp型オーミック電極35を形成する。n型オーミック電極34及びp型オーミック電極35の形成においては、先ず、機能性基板33と接合した化合物半導体層32から、GaAs基板44及び緩衝層45をアンモニア系エッチャントによって選択的に除去する。次に、露出したコンタクト層46の表面にn型オーミック電極34を形成する。具体的には、例えば、AuGe、Ni合金/Pt/Auを、任意の厚さとなるように真空蒸着法によって積層した後、一般的なフォトリソグラフィー手段を利用してパターニングを行い、n型オーミック電極34の形状を形成する。
次に、コンタクト層46、上部クラッド層41、発光層40、下部クラッド層39を選択的に除去して歪調整層38を露出させ、この露出した歪調整層38の表面にp型オーミック電極35を形成する。具体的には、例えば、AuBe/Auを任意の厚さとなるように真空蒸着法によって積層した後、一般的なフォトリソグラフィー手段を利用してパターニングを行い、p型オーミック電極35の形状を形成する。
そして、その後、例えば、400〜500℃、5〜20分間の条件で熱処理を行って各々合金化することにより、低抵抗のn型オーミック電極34及びp型オーミック電極35を形成することができる。
そして、その後、例えば、400〜500℃、5〜20分間の条件で熱処理を行って各々合金化することにより、低抵抗のn型オーミック電極34及びp型オーミック電極35を形成することができる。
(第3の電極の形成工程)
次に、機能性基板33の化合物半導体層32との接合面とは反対側に、第3の電極36を形成する。第3の電極36として銀ペーストを用いる場合は、機能性基板の表面に銀ペーストを塗布する。また、第3の電極として積層構造体を用いる場合は、具体的には、例えば、機能性基板33の表面に、スパッタ法によって酸化膜として透明導電膜であるITO膜を0.1μm成膜した後に、銀合金膜を0.1μm成膜して反射層を形成する。次に、この反射層の上に、バリア層として、例えばタングステンを0.1μm成膜する。次に、このバリア層の上に、Auを0.5μm、AuSn(共晶:融点283℃)を1μm、Auを0.1μm順次成膜して接続層を形成する。そして、通常のフォトリソグラフィー法により、任意の形状にパターニングして第3の電極36を形成する。なお、機能性基板33と第3の電極36とは、光吸収の少ないショットキー接触となる。
次に、機能性基板33の化合物半導体層32との接合面とは反対側に、第3の電極36を形成する。第3の電極36として銀ペーストを用いる場合は、機能性基板の表面に銀ペーストを塗布する。また、第3の電極として積層構造体を用いる場合は、具体的には、例えば、機能性基板33の表面に、スパッタ法によって酸化膜として透明導電膜であるITO膜を0.1μm成膜した後に、銀合金膜を0.1μm成膜して反射層を形成する。次に、この反射層の上に、バリア層として、例えばタングステンを0.1μm成膜する。次に、このバリア層の上に、Auを0.5μm、AuSn(共晶:融点283℃)を1μm、Auを0.1μm順次成膜して接続層を形成する。そして、通常のフォトリソグラフィー法により、任意の形状にパターニングして第3の電極36を形成する。なお、機能性基板33と第3の電極36とは、光吸収の少ないショットキー接触となる。
(透明基板の加工工程)
次に、機能性基板33の形状を加工する。機能性基板33の加工は、先ず、第3の電極36を形成していない表面にV字状の溝入れを行う。この際、V字状の溝の第3の電極36側の内側面が、発光面に平行な面とのなす角度αを有する傾斜面33bとなる。次に、化合物半導体層32側から所定の間隔でダイシングを行ってチップ化する。なお、チップ化の際のダイシングによって機能性基板33の垂直面33aが形成される。
次に、機能性基板33の形状を加工する。機能性基板33の加工は、先ず、第3の電極36を形成していない表面にV字状の溝入れを行う。この際、V字状の溝の第3の電極36側の内側面が、発光面に平行な面とのなす角度αを有する傾斜面33bとなる。次に、化合物半導体層32側から所定の間隔でダイシングを行ってチップ化する。なお、チップ化の際のダイシングによって機能性基板33の垂直面33aが形成される。
傾斜面33bの形成方法は、特に限定されるものではなく、ウェットエッチング、ドライエッチング、スクライブ法、レーザ加工等、従来からの方法を組み合わせて用いることができるが、形状の制御性及び生産性の高いダイシング法を適用することが最も好ましい。ダイシング法を適用することにより、製造歩留まりを向上することができる。
また、垂直面33aの形成方法は、特に限定されるものではないが、スクライブ・ブレーク法又はダイシング法で形成するのが好ましい。スクライブ・ブレーク法を採用することにより、製造コストを低下させることができる。すなわち、チップ分離の際に切り代を設ける必要なく、数多くの発光ダイオードが製造できるため、製造コストを下げることができる。一方、ダイシング法では、垂直面33aからの光取り出し効率が上がり、高輝度化を達成することができる。
最後に、ダイシングによる破砕層及び汚れを必要に応じて硫酸・過酸化水素混合液等でエッチング除去する。このようにして発光素子30を製造する。
「樹脂容器の凹部への発光素子の取付」
次に、上記工程で作製した半導体発光素子30を、樹脂容器61の凹部61aの底面70に露出するカソード用リード部63上に接着固定し、ボンディングワイヤにより、半導体発光素子30のp型オーミック電極35及びn型オーミック電極34と、対応するアノード用リード部62及びカソード用リード部63とを、それぞれ接続する。
次に、上記工程で作製した半導体発光素子30を、樹脂容器61の凹部61aの底面70に露出するカソード用リード部63上に接着固定し、ボンディングワイヤにより、半導体発光素子30のp型オーミック電極35及びn型オーミック電極34と、対応するアノード用リード部62及びカソード用リード部63とを、それぞれ接続する。
「樹脂薄膜コート材の形成」
次に、必要に応じて、凹部61a内面の一部に露出しているリード62、63等の表面や半導体発光素子30のp型オーミック電極35及びn型オーミック電極34の、ボンディングワイヤとの接合部分の銀メッキ表面を被覆するために硫化防止用の樹脂薄膜コート材90を、所定の厚さで、例えば少なくとも1μm以下の厚さで被覆する。
次に、必要に応じて、凹部61a内面の一部に露出しているリード62、63等の表面や半導体発光素子30のp型オーミック電極35及びn型オーミック電極34の、ボンディングワイヤとの接合部分の銀メッキ表面を被覆するために硫化防止用の樹脂薄膜コート材90を、所定の厚さで、例えば少なくとも1μm以下の厚さで被覆する。
「封止樹脂の形成」
次に、凹部61aに、未硬化状態の樹脂組成物からなる混合樹脂ペーストRを充填する。この際、硫化防止用の樹脂薄膜コート材90を事前に使用しない場合には、半導体発光素子30及びボンディングワイヤを混合樹脂ペーストRによって覆う。
次に、凹部61aに、未硬化状態の樹脂組成物からなる混合樹脂ペーストRを充填する。この際、硫化防止用の樹脂薄膜コート材90を事前に使用しない場合には、半導体発光素子30及びボンディングワイヤを混合樹脂ペーストRによって覆う。
樹脂容器61の凹部61aに対する混合樹脂ペーストRの充填は、ペーストの吐出装置を用いたポッディング法で行えば良い。この吐出装置は、混合樹脂ペーストRを吐出する吐出ノズルNと、図示しない制御部とを具備して構成されている。
混合樹脂ペーストRは、真密度が3g/cm3以上4.7g/cm3以下の範囲が好ましい。さらに、混合樹脂ペーストRは、粘度が4000cP〜15000cPの範囲に調整されてなるものがさらに望ましい。
次に、混合樹脂ペーストRを硬化させて封止樹脂65を形成する。硬化処理は、例えば、加熱等の方法で行えばよい。その後、リードフレームをアノード用リード部62及びカソード用リード部63に分離する切断、及び、リードフレームの折り曲げを行うことにより、発光装置60が得られる。
次に、図2(a)、(b)に示す発光装置60の発光動作について説明する。
先ず、発光装置60に順方向の電圧が印加された場合について説明する。発光装置60に順方向の電圧が印加された場合、順方向電流は、まず、陽極に接続されたアノード用リード部62からボンディングワイヤを経てp型オーミック電極35へと流通する。次に、p型オーミック電極35から歪調整層38、下部クラッド層39、発光層40、上部クラッド層41、n型オーミック電極34へと順次流通する。次に、n型オーミック電極34からボンディングワイヤを経て、陰極に接続されたカソード用リード部63に流通する。
先ず、発光装置60に順方向の電圧が印加された場合について説明する。発光装置60に順方向の電圧が印加された場合、順方向電流は、まず、陽極に接続されたアノード用リード部62からボンディングワイヤを経てp型オーミック電極35へと流通する。次に、p型オーミック電極35から歪調整層38、下部クラッド層39、発光層40、上部クラッド層41、n型オーミック電極34へと順次流通する。次に、n型オーミック電極34からボンディングワイヤを経て、陰極に接続されたカソード用リード部63に流通する。
なお、半導体発光素子30には高抵抗層が設けられているため、順方向電流は、歪調整層38からn型GaP基板からなる機能性基板33へとは流通しない。このように、順方向電流が流れる際に、発光層40から赤色光が発光する。また、発光層40から発光した赤色光は、主たる光取り出し面から放出される。一方、発光層40から機能性基板33側へと放出された赤色光は、機能性基板33の形状及び第3の電極36によって反射されるため、主たる光取り出し面から放出される。従って、半導体発光素子30の高輝度化を達成することができる。
そして、半導体発光素子30から出力された赤色光は、封止樹脂65内を進行し、直接、あるいは底面70や壁面80で反射した後に、出射面65aから外部に出射される。但し、出射面65aに向かう光の一部は、出射面65aで反射し、再び封止樹脂65内を進行する。この間、出射面65aで反射した赤色光は、直接あるいは底面70や壁面80で反射した後、半導体発光素子30から出射された赤色光とともに、出射面65aから外部に出射される。
なお、半導体発光素子30の発光スペクトルは、発光層40の組成が調整されているため、ピーク発光波長が655〜675nmの範囲となる。また、歪調整層38によって歪発光層42の発光層40内のばらつきが抑制されているため、発光スペクトルの半値幅が、10〜40nmの範囲となる。また、発光波長700nmにおける発光強度が、ピーク発光波長における発光強度の10%未満となる。従って、半導体発光素子30を用いて作製した発光装置60は、植物育成の光合成の促進に使用する照明として好適に用いることができる。
以上説明したような本実施形態の発光装置60によれば、樹脂容器61の凹部61aにおいて上記の発光素子30を封止するにあたり、上記一般式(1)で表されるエピスルフィド化合物と、SH基を1分子あたり2個以上有するメルカプタン化合物との反応物からなり、前記エピスルフィド化合物とメルカプタン化合物の配合質量比が0.02〜1.5とされた組成の樹脂組成物からなる封止樹脂65を用いることにより、発光装置60の内部への水分やガスの侵入を防止できるので、内部に配設される発光素子30や導体部であるアノード用リード部62及びカソード用リード部63等の劣化を抑制することが可能となる。本実施形態の発光装置60は、特に、高温多湿用途の植物育成用照明や、きのこ工場用照明及び魚養殖・鑑賞用照明等の用途における発光装置の、水分(水蒸気)等の浸入による劣化防止に有効である。
また、本実施形態の発光装置60によれば、上記一般式(1)で表されるエピスルフィド化合物と、SH基を1分子あたり2個以上有するメルカプタン化合物との反応物からなり、前記エピスルフィド化合物とメルカプタン化合物の配合質量比が0.02〜1.5とされた組成の樹脂組成物からなる封止樹脂65に対し、AlGaInP系発光素子、例えば、組成式(AlXGa1−X)YIn1−YP(0≦X<1、0≦Y≦<1)からなる積層構造を有する発光素子30から発光される緑色〜赤色の光が透過されても、封止樹脂65が劣化を起すことなく、高温多湿用途の環境下で使用した場合であっても、高い信頼性が得られる。
また、本実施形態の発光装置60によれば、樹脂容器61の凹部61aの内側に設けられる発光素子30が、組成式(AlXGa1−X)YIn1−YP(0≦X≦0.1、0.37≦Y≦0.46)からなる歪発光層42を有する発光部37を含む化合物半導体層32を備えることにより、発光部37からの発光効率及び応答速度を向上させることができるとともに、655nm以上の発光波長が、極めて高い出力で安定して得られので、発光装置としての特性が向上する。
また、本実施形態の発光装置60によれば、発光素子の化合物半導体層32に含まれる発光部37の上に、発光波長に対して透明である歪調整層38が設けられているので、発光部37からの発光を吸収することなく高出力・高効率の発光装置60とすることができる。さらに、歪調整層38は、歪発光層42及びバリア層43の格子定数よりも小さい格子定数を有しているので、化合物半導体層32に反りが発生するのを抑制でき、歪発光層42の歪量のばらつきが低減されるため、単色性に優れた発光装置60とすることができる。
また、本実施形態の発光装置60によれば、発光素子の化合物半導体層32に含まれる発光部37の上に、発光波長に対して透明である歪調整層38が設けられているので、発光部37からの発光を吸収することなく高出力・高効率の発光装置60とすることができる。さらに、歪調整層38は、歪発光層42及びバリア層43の格子定数よりも小さい格子定数を有しているので、化合物半導体層32に反りが発生するのを抑制でき、歪発光層42の歪量のばらつきが低減されるため、単色性に優れた発光装置60とすることができる。
従って、本実施形態の発光装置60によれば、655nm以上の発光波長を有して単色性に優れるとともに、高出力・高効率であって応答速度が速く、さらに、発光素子30やアノード用リード部62及びカソード用リード部63等の劣化を防止することが可能な発光装置60を提供することができる。また、発光装置60によれば、従来のAlGaAs系の発光素子を用いた発光装置と比較して、約4倍以上の発光効率を有する高出力の発光装置60を提供することができる。
また、本実施形態の発光モジュール12は、上述した本実施形態の発光装置60が基板に取り付けられてなるものであり、さらに、本実施形態の照明装置10は、上述の発光モジュール12が搭載されたものなので、655nm以上の発光波長を有し、単色性に優れるとともに、高出力・高効率であって応答速度が速く、また、水分やガス等が多い使用環境下においても発光素子30等が劣化することが無い、植物育成用やきのこ工場用照明、及び魚養殖・観賞用等の照明に適した発光モジュール12並びに照明装置10を提供することができる。
[第2の実施形態]
図10は、本実施形態が適用される一例である発光装置60Aの構成を説明するための図である。ここで、図10(a)は発光装置60の上面図を、図10(b)は、図10(a)のVB−VB断面図を、それぞれ示している。
図10は、本実施形態が適用される一例である発光装置60Aの構成を説明するための図である。ここで、図10(a)は発光装置60の上面図を、図10(b)は、図10(a)のVB−VB断面図を、それぞれ示している。
この発光装置60Aの基本構成は、上記第1の実施形態で用いた発光装置60とほぼ同様である。但し、リードフレームが4個の金属リード部、具体的には、第1アノード用リード部62a、第2アノード用リード部62b、第3アノード用リード部62c、及びカソード用リード部63によって構成されている点が、上記第1の実施形態の発光装置60とは異なる。また、これに伴って、樹脂容器61の凹部61aの底面70に、第1アノード用リード部62a(導体部)、第2アノード用リード部62b(導体部)、第3アノード用リード部62c(導体部)、及びカソード用リード部63(導体部)が露出している点が、上述の発光装置60とは異なる。なお、これら第1アノード用リード部62a、第2アノード用リード部62b、第3アノード用リード部62c及びカソード用リード部63の各表面には、上記第1の実施形態と同様に、光沢度が0.3〜1.0、より好ましくは0.5〜0.7の範囲に収まる銀メッキが施されている。
さらに、この発光装置60Aは、3個の半導体発光素子、即ち、第1半導体発光素子30a、第2半導体発光素子30b、および第3半導体発光素子30cを備えている点が、上述の発光装置60とは異なる。なお、第1半導体発光素子30aは凹部61aの底面70に露出する第1アノード用リード部62aに、第2半導体発光素子30bは凹部61aの底面70に露出する第2アノード用リード部62bに、第3半導体発光素子30cは凹部61aの底面70に露出する第3アノード用リード部62cに、それぞれ取り付けられる。そして、第1半導体発光素子30a、第2半導体発光素子30b、及び第3半導体発光素子30cは、上記第1の実施形態で用いた半導体発光素子30と同様の構成を有しており、それぞれが、上記同様の発光特性とされた赤色光を出射するようになっている。
また、この発光装置60Aでは、第1半導体発光素子30aのp型オーミック電極が第1アノード用リード部62aに、第2半導体発光素子30bのp型オーミック電極が第2アノード用リード部62bに、第3半導体発光素子30cのp型オーミック電極が第3アノード用リード部62cに、それぞれボンディングワイヤを介して接続されている。一方、これら第1半導体発光素子30a、第2半導体発光素子30b、及び第3半導体発光素子30cの各々に設けられたn型オーミック電極は、共通のカソード用リード部63に接続されている。従って、この発光装置60Aにおいて、第1半導体発光素子30a、第2半導体発光素子30b、及び第3半導体発光素子30cは、並列に接続されていることになる。
さらに、この発光装置60Aでは、第1半導体発光素子30a、第2半導体発光素子30b、及び第3半導体発光素子30cが、円形状を有する底面70の中央部からずれた位置にそれぞれ配置されている。
上述した本発明の実施の形態においては、発光装置60(60A)を用いて構成した発光モジュール12を、植物育成用の照明に適した照明装置10に適用する例について説明を行ったが、これに限られるものではない。例えば、発光モジュール12をシェード等と組み合わせることにより、その他の赤色光を必要とする空間や物体などを照明する照明装置として利用することもできる。
また、上記第1〜第2の実施形態においては、赤色光を出力する半導体発光素子30(第1半導体発光素子30a、第2半導体発光素子30b、第3半導体発光素子30c)を用いた、赤色光を出力する発光装置60を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、発光装置の発光色(発光波長)については、封止樹脂に蛍光体を含有させる等の手段により、適宜選定しても差し支えない。
次に、本発明の発光装置、発光モジュール及び照明装置を、実施例及び比較例を示してより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。また、本実施例においては、図1〜図12を適宜参照しながら説明する。
[実施例1](液状硬化性の樹脂組成物からなる封止樹脂を備える発光装置)
本実施例では、まず、GaAs基板上に成長させた化合物半導体層とGaPからなる機能性基板とを接合させることにより、図3及び図4に示すような、AlGaInP発光部を有し、赤色発光を呈する半導体発光素子を作製した。そして、この半導体発光素子を樹脂容器の凹部内にマウントし、封止樹脂を用いて封止することにより、図2に示すような発光装置を作製した。
本実施例では、まず、GaAs基板上に成長させた化合物半導体層とGaPからなる機能性基板とを接合させることにより、図3及び図4に示すような、AlGaInP発光部を有し、赤色発光を呈する半導体発光素子を作製した。そして、この半導体発光素子を樹脂容器の凹部内にマウントし、封止樹脂を用いて封止することにより、図2に示すような発光装置を作製した。
本実施例では、以下の手順により、半導体発光素子を作製した(図3、図4及び下記表2を参照)。
先ず、Siをドープしたn型のGaAs単結晶からなるGaAs基板上に、化合物半導体層を順次積層してエピタキシャルウェーハを作製した。GaAs基板は、(100)面から(0−1−1)方向に15°傾けた面を成長面とし、キャリア濃度を2×1018cm−3とした。また、GaAs基板の層厚は、約0.5μmとした。化合物半導体層とは、SiをドープしたGaAsからなるn型の緩衝層、Siをドープした(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pからなるn型のコンタクト層、Siをドープした(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pからなるn型の上部クラッド層、アンドープのGa0.44In0.56P/(Al0.53Ga0.47)0.5In0.5Pの対からなる歪発光層/バリア層、Mgをドープした(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pからなるp型の下部クラッド層、(Al0.5Ga0.5)0.5In0.5Pからなる薄膜の中間層、Mgドープしたp型GaPからなる歪調整層である。
先ず、Siをドープしたn型のGaAs単結晶からなるGaAs基板上に、化合物半導体層を順次積層してエピタキシャルウェーハを作製した。GaAs基板は、(100)面から(0−1−1)方向に15°傾けた面を成長面とし、キャリア濃度を2×1018cm−3とした。また、GaAs基板の層厚は、約0.5μmとした。化合物半導体層とは、SiをドープしたGaAsからなるn型の緩衝層、Siをドープした(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pからなるn型のコンタクト層、Siをドープした(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pからなるn型の上部クラッド層、アンドープのGa0.44In0.56P/(Al0.53Ga0.47)0.5In0.5Pの対からなる歪発光層/バリア層、Mgをドープした(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pからなるp型の下部クラッド層、(Al0.5Ga0.5)0.5In0.5Pからなる薄膜の中間層、Mgドープしたp型GaPからなる歪調整層である。
本実施例では、減圧有機金属化学気相堆積装置法(MOCVD装置)を用い、直径76mm、厚さ350μmのGaAs基板に化合物半導体層をエピタキシャル成長させて、エピタキシャルウェーハを形成した。エピタキシャル成長層を成長させる際、III族構成元素の原料としては、トリメチルアルミニウム((CH3)3Al)、トリメチルガリウム((CH3)3Ga)及びトリメチルインジウム((CH3)3In)を使用した。また、Mgのドーピング原料としては、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(bis−(C5H5)2Mg)を使用した。また、Siのドーピング原料としては、ジシラン(Si2H6)を使用した。また、V族構成元素の原料としては、ホスフィン(PH3)、アルシン(AsH3)を使用した。また、各層の成長温度としては、p型GaPからなる歪調整層は、750℃で成長させた。その他の各層では700℃で成長させた。
GaAsからなる緩衝層は、キャリア濃度を約2×1018cm−3、層厚を約0.5μmとした。コンタクト層は、キャリア濃度を約2×1018cm−3、層厚を約3.5μmとした。上部クラッド層は、キャリア濃度を約1×1018cm−3、層厚を約0.5μmとした。歪発光層は、アンドープで層厚が約17nmのGa0.44In0.56Pとし、バリア層はアンドープで層厚が約19nmの(Al0.53Ga0.47)0.5In0.5Pとした。また、歪発光層とバリア層とを交互に22対積層した。下部クラッド層は、キャリア濃度を約8×1017cm−3、層厚を約0.5μmとした。中間層は、キャリア濃度を約8×1017cm−3、層厚を約0.05μmとした。GaPからなる歪調整層は、キャリア濃度を約3×1018cm−3、層厚を約9μmとした。
次に、歪調整層を表面から約1μmの深さに至る領域まで研磨して、鏡面加工した。この鏡面加工によって、歪調整層の表面の粗さを0.18nmとした。一方、上記の歪調整層の鏡面研磨した表面に貼付するn型GaPからなる機能性基板を用意した。この貼付用の機能性基板には、キャリア濃度が約2×1017cm−3となる様にSiを添加し、面方位を(111)とした単結晶を用いた。また、機能性基板の直径は76mmで、厚さは250μmであった。この機能性基板の表面は、歪調整層に接合させる以前に鏡面に研磨し、平方平均平方根値(rms)にして0.12nmに仕上げておいた。
次に、一般の半導体材料貼付装置に、上記の機能性基板及びエピタキシャルウェーハを搬入し、3×10−5Paとなるまで装置内を真空に排気した。
次に、機能性基板、及び歪調整層の双方の表面に、電子を衝突させて中性(ニュートラル)化したArビームを3分間に亘り照射した。その後、真空に維持した貼付装置内で、機能性基板及び歪調整層の表面を重ね合わせ、各々の表面での圧力が50g/cm2となる様に荷重を掛け、双方を室温で接合した。このようにして接合ウェーハを形成した。
次に、上記接合ウェーハから、GaAs基板およびGaAs緩衝層をアンモニア系エッチャントにより選択的に除去した。次に、コンタクト層の表面に第1の電極として、AuGe、Ni合金を厚さが0.5μm、Ptを0.2μm、Auを1μmとなるように真空蒸着法によって成膜した。その後、一般的なフォトリソグラフィー手段を利用してパターニングを施し、第1の電極としてn型オーミック電極を形成した。次に、GaAs基板を除去した面である光取り出し面の表面に粗面化処理を施した。
次に、第2の電極としてp型オーミック電極を形成する領域のエピ層を選択的に除去し、歪調整層を露出させた。この露出した歪調整層の表面に、AuBeを0.2μm、Auを1μmとなるように真空蒸着法でp形オーミック電極を形成した。その後、450℃で10分間熱処理を行って合金化し、低抵抗のp型およびn型オーミック電極を形成した。
次に、機能性基板の裏面に厚さ0.2μmのAu、厚さ0.2μmのPt、厚さ1.2μmのAuSnの接続用の第3の電極を形成した。
次に、ダイシングソーを用いて、機能性基板の裏面から、第3の電極を形成していない領域を傾斜面の角度αが70°となると共に垂直面の厚さが80μmとなるようにV字状の溝入れを行った。次に、化合物半導体層側からダイシングソーを用い350μm間隔で切断し、チップ化した。ダイシングによる破砕層および汚れを硫酸・過酸化水素混合液でエッチング除去して、実施例1の発光ダイオードを作製した。
続いて、以下の手順により、封止樹脂をなす樹脂組成物を調整し、樹脂容器の凹部に上記手順で得られた発光素子をマウントした後、封止樹脂で封止することにより、実施例1の発光装置を作製した。
まず、チオエポキシ基を有する樹脂組成物として、下記表1に記載の組成比を有する樹脂組成物を準備し、脱気後、均一になるよう混合した。
次いで、再びシーラムキャップで栓をした後、減圧装置を用いて溶媒であるトルエンを室温下で除去した。以上の操作により、液状硬化性樹脂組成物を調製した。
次いで、再びシーラムキャップで栓をした後、減圧装置を用いて溶媒であるトルエンを室温下で除去した。以上の操作により、液状硬化性樹脂組成物を調製した。
次いで、上記手順で作製した半導体発光素子を、図2に示すような樹脂容器(下記表1を参照)の凹部内に、共晶ダイボンダーを用いて、加熱接続することで支持(マウント)た。そして、発光素子のn型オーミック電極とカソード用リード部とをワイヤボンディングするとともに、p型オーミック電極とアノード用リード部とをワイヤボンディングして接続した。
次いで、上記方法で調製した液状硬化性樹脂組成物を、半導体発光素子を装着した凹部内に注入後、オーブン中において30℃で7時間、100℃で1時間かけて硬化させた。
次いで、上記方法で調製した液状硬化性樹脂組成物を、半導体発光素子を装着した凹部内に注入後、オーブン中において30℃で7時間、100℃で1時間かけて硬化させた。
上記手順で得られた発光装置の特性評価結果を下記表3に示す。
下記表3に示すように、n型及びp型オーミック電極間に電流を流したところ、ピーク波長660nmとする赤色光が出射された。また、順方向に20mAの電流を通流した際の順方向電圧(Vf)は、化合物半導体層を構成する歪調整層と機能性基板との接合界面での抵抗の低さ及び各オーミック電極の良好なオーミック特性を反映し、約2.0Vとなった。また、順方向電流を20mAとした際の発光出力は、20mWであった。実施例1の条件で作製した全ての発光装置(n=10)のピーク波長のバラツキ(最大−最小)は、2.1nmとなった。また、発光の立ち上がりの応答速度(Tr)は、70nsであった。
下記表3に示すように、n型及びp型オーミック電極間に電流を流したところ、ピーク波長660nmとする赤色光が出射された。また、順方向に20mAの電流を通流した際の順方向電圧(Vf)は、化合物半導体層を構成する歪調整層と機能性基板との接合界面での抵抗の低さ及び各オーミック電極の良好なオーミック特性を反映し、約2.0Vとなった。また、順方向電流を20mAとした際の発光出力は、20mWであった。実施例1の条件で作製した全ての発光装置(n=10)のピーク波長のバラツキ(最大−最小)は、2.1nmとなった。また、発光の立ち上がりの応答速度(Tr)は、70nsであった。
また、実施例1で作製した発光装置の発光スペクトルは、図11に示すように、半値幅が18nmであり、波長700nmにおける発光強度がほぼ0であった。
また、実施例1で得られた発光装置を、空気中、室温下の発光試験条件で発光させながら照度の変化を調べる寿命試験を実施したところ、図12のグラフ及び下記表3に示すように、1000時間経過後であっても、初期照度1600Luxから照度が殆ど低下しなかった(1000時間後の維持率91%)。
[実施例2](液状硬化性の樹脂組成物からなる封止樹脂を備える発光装置)
実施例2においては、実施例1で作製した発光装置の半導体発光素子における歪発光層及びバリア層の構成を変更した点を除き、実施例1と同様の手順並びに条件で発光素子を作製し、この発光素子を用いて発光装置を作製した。
ここで、実施例2においては、上記実施例1で説明した発光素子の歪発光層を、アンドープで層厚が約10nmのGa0.42In0.58Pに変更し、また、バリア層をアンドープで層厚が約30nmの(Al0.53Ga0.47)0.5In0.5Pに変更し、歪発光層とバリア層とを交互に22対積層した。
実施例2においては、実施例1で作製した発光装置の半導体発光素子における歪発光層及びバリア層の構成を変更した点を除き、実施例1と同様の手順並びに条件で発光素子を作製し、この発光素子を用いて発光装置を作製した。
ここで、実施例2においては、上記実施例1で説明した発光素子の歪発光層を、アンドープで層厚が約10nmのGa0.42In0.58Pに変更し、また、バリア層をアンドープで層厚が約30nmの(Al0.53Ga0.47)0.5In0.5Pに変更し、歪発光層とバリア層とを交互に22対積層した。
実施例2で作製した発光素子が用いられてなる発光装置の特性評価結果を上記表3に示した。
表3に示すように、n型及びp型オーミック電極間に電流を流したところ、ピーク波長を660.5nmとする赤色光が出射された。また、順方向に20mAの電流を通流した際の順方向電圧(Vf)は、約2.0ボルトVとなった。また、順方向電流を20mAとした際の発光出力は18mWであった。また、実施例2の条件で作製した全ての発光装置(n=10)のピーク波長のバラツキは、2.3nmとなった。また、発光の立ち上がりの応答速度(Tr)は、68nsであった。
表3に示すように、n型及びp型オーミック電極間に電流を流したところ、ピーク波長を660.5nmとする赤色光が出射された。また、順方向に20mAの電流を通流した際の順方向電圧(Vf)は、約2.0ボルトVとなった。また、順方向電流を20mAとした際の発光出力は18mWであった。また、実施例2の条件で作製した全ての発光装置(n=10)のピーク波長のバラツキは、2.3nmとなった。また、発光の立ち上がりの応答速度(Tr)は、68nsであった。
[実施例3](液状硬化性の樹脂組成物からなる封止樹脂を備える発光装置)
実施例3においては、実施例2で作製した発光装置の半導体発光素子における歪発光層の構成を変更した点を除き、実施例2と同様の手順並びに条件で発光素子を作製し、この発光素子を用いて発光装置を作製した。
ここで、実施例3においては、上記実施例2で説明した発光素子の歪発光層を、アンドープで層厚が約15nmのGa0.41In0.59Pに変更した。
実施例3においては、実施例2で作製した発光装置の半導体発光素子における歪発光層の構成を変更した点を除き、実施例2と同様の手順並びに条件で発光素子を作製し、この発光素子を用いて発光装置を作製した。
ここで、実施例3においては、上記実施例2で説明した発光素子の歪発光層を、アンドープで層厚が約15nmのGa0.41In0.59Pに変更した。
実施例3で作製した発光素子が用いられてなる発光装置の特性評価結果を上記表3に示した。
上記表3に示すように、n型及びp型オーミック電極間に電流を流したところ、ピーク波長を668.0nmとする赤色光が出射された。また、順方向に20mAの電流を通流した際の順方向電圧(Vf)は、約2.0Vとなった。また、順方向電流を20mAとした際の発光出力は19mWであった。また、実施例3の条件で作製した全ての発光装置(n=10)のピーク波長のバラツキは、2.5nmとなった。また、発光の立ち上がりの応答速度(Tr)は、71nsであった。
上記表3に示すように、n型及びp型オーミック電極間に電流を流したところ、ピーク波長を668.0nmとする赤色光が出射された。また、順方向に20mAの電流を通流した際の順方向電圧(Vf)は、約2.0Vとなった。また、順方向電流を20mAとした際の発光出力は19mWであった。また、実施例3の条件で作製した全ての発光装置(n=10)のピーク波長のバラツキは、2.5nmとなった。また、発光の立ち上がりの応答速度(Tr)は、71nsであった。
[実施例4](液状硬化性の樹脂組成物からなる封止樹脂を備える発光装置)
実施例4においては、実施例2で作製した発光装置の半導体発光素子における歪発光層の構成を変更した点を除き、実施例2と同様の手順並びに条件で発光素子を作製し、この発光素子を用いて発光装置を作製した。
ここで、実施例4においては、上記実施例2で説明した発光素子の歪発光層を、アンドープで層厚が約25nmのGa0.45In0.55Pに変更した。
実施例4においては、実施例2で作製した発光装置の半導体発光素子における歪発光層の構成を変更した点を除き、実施例2と同様の手順並びに条件で発光素子を作製し、この発光素子を用いて発光装置を作製した。
ここで、実施例4においては、上記実施例2で説明した発光素子の歪発光層を、アンドープで層厚が約25nmのGa0.45In0.55Pに変更した。
実施例4で作製した発光素子が用いられてなる発光装置の特性評価結果を上記表3に示した。
上記表3に示すように、n型及びp型オーミック電極間に電流を流したところ、ピーク波長を656.0nmとする赤色光が出射された。また、順方向に20mAの電流を通流した際の順方向電圧(Vf)は、約2.0Vとなった。また、順方向電流を20mAとした際の発光出力は、20mWであった。また、実施例4の条件で作製した全ての発光装置(n=10)のピーク波長のバラツキは、2.1nmとなった。また、発光の立ち上がりの応答速度(Tr)は、66nsであった。
上記表3に示すように、n型及びp型オーミック電極間に電流を流したところ、ピーク波長を656.0nmとする赤色光が出射された。また、順方向に20mAの電流を通流した際の順方向電圧(Vf)は、約2.0Vとなった。また、順方向電流を20mAとした際の発光出力は、20mWであった。また、実施例4の条件で作製した全ての発光装置(n=10)のピーク波長のバラツキは、2.1nmとなった。また、発光の立ち上がりの応答速度(Tr)は、66nsであった。
[実施例5](液状硬化性の樹脂組成物からなる封止樹脂を備える発光装置)
実施例5においては、実施例2で作製した発光装置の半導体発光素子における歪発光層の構成を変更した点を除き、実施例2と同様の手順並びに条件で発光素子を作製し、この発光素子を用いて発光装置を作製した。
ここで、実施例5においては、上記実施例2で説明した発光素子の歪発光層を、アンドープで層厚が約10nmのGa0.39In0.61Pに変更した。
実施例5においては、実施例2で作製した発光装置の半導体発光素子における歪発光層の構成を変更した点を除き、実施例2と同様の手順並びに条件で発光素子を作製し、この発光素子を用いて発光装置を作製した。
ここで、実施例5においては、上記実施例2で説明した発光素子の歪発光層を、アンドープで層厚が約10nmのGa0.39In0.61Pに変更した。
実施例5で作製した発光素子が用いられてなる発光装置の特性評価結果を上記表3に示した。
上記表3に示すように、n型及びp型オーミック電極間に電流を流したところ、ピーク波長を670.0nmとする赤色光が出射された。また、順方向に20mAの電流を通流した際の順方向電圧(Vf)は、約2.0Vとなった。また、順方向電流を20mAとした際の発光出力は、18mWであった。また、実施例5の条件で作製した全ての発光装置(n=10)のピーク波長のバラツキは、2.9nmとなった。また、発光の立ち上がりの応答速度(Tr)は、65nsであった。
上記表3に示すように、n型及びp型オーミック電極間に電流を流したところ、ピーク波長を670.0nmとする赤色光が出射された。また、順方向に20mAの電流を通流した際の順方向電圧(Vf)は、約2.0Vとなった。また、順方向電流を20mAとした際の発光出力は、18mWであった。また、実施例5の条件で作製した全ての発光装置(n=10)のピーク波長のバラツキは、2.9nmとなった。また、発光の立ち上がりの応答速度(Tr)は、65nsであった。
[比較例1](公知な封止樹脂のみで半導体発光素子が封止された発光装置)
実施例1に記載のチオエポキシ基を有する樹脂組成物の代わりに、信越化学工業株式会社製シリコン樹脂LPS−3412を用い、硬化条件を70℃で7時間、150℃で4時間に変更した点を除き、実施例1と同様に発光装置を製造した。そして、比較例1で得られた発光装置を、所定の発光条件で発光させながら寿命試験を実施したところ、図12のグラフ及び表3に示すように、時間の経過とともに急激な速度で発光出力(mW)が著しく低下し、非常に好ましくない結果となった。
実施例1に記載のチオエポキシ基を有する樹脂組成物の代わりに、信越化学工業株式会社製シリコン樹脂LPS−3412を用い、硬化条件を70℃で7時間、150℃で4時間に変更した点を除き、実施例1と同様に発光装置を製造した。そして、比較例1で得られた発光装置を、所定の発光条件で発光させながら寿命試験を実施したところ、図12のグラフ及び表3に示すように、時間の経過とともに急激な速度で発光出力(mW)が著しく低下し、非常に好ましくない結果となった。
[実施例6〜14](液状硬化性の樹脂組成物からなる封止樹脂を備える発光装置)
上記表1に、実施例及び比較例に用いた各試料とその構成との関係を示した。この実験では、上面視における縦横の長さが3.5mm×2.8mmの寸法の樹脂容器61(Type 1と呼ぶ)と、上面視における縦横の長さが5.0mm×5.5mmの寸法の樹脂容器61(Type 3)を用意した。また、Type 1及びType 3の樹脂容器61を構成する白色樹脂の可視領域における光吸収率は、7%である。なお、Type 1の樹脂容器61を有する発光装置60は、図2に示すような構造を有しており、それぞれに1個の半導体発光素子30が搭載されているものを用いた。一方、Type 3の樹脂容器61を有する発光装置60は、図10に示すような構造を有しており、3個の半導体発光素子30(第1半導体発光素子30a、第2半導体発光素子30b、第3半導体発光素子30c)が搭載されているものを用いた。
上記表1に、実施例及び比較例に用いた各試料とその構成との関係を示した。この実験では、上面視における縦横の長さが3.5mm×2.8mmの寸法の樹脂容器61(Type 1と呼ぶ)と、上面視における縦横の長さが5.0mm×5.5mmの寸法の樹脂容器61(Type 3)を用意した。また、Type 1及びType 3の樹脂容器61を構成する白色樹脂の可視領域における光吸収率は、7%である。なお、Type 1の樹脂容器61を有する発光装置60は、図2に示すような構造を有しており、それぞれに1個の半導体発光素子30が搭載されているものを用いた。一方、Type 3の樹脂容器61を有する発光装置60は、図10に示すような構造を有しており、3個の半導体発光素子30(第1半導体発光素子30a、第2半導体発光素子30b、第3半導体発光素子30c)が搭載されているものを用いた。
なお、本実施例において発光装置60を製造する際の方法としては、前述の実施形態の説明に準じて行った。
まず、アノード用リード部62及びカソード用リード部63を一体化したリードフレームに、白色樹脂を射出成形して、凹部61aを有する樹脂容器61を形成した。ここで、樹脂容器61の基体樹脂には、ガラス繊維と酸化チタンフィラー入りのナイロン9T(クラレ製ジェネスタ(商品名))を用いた。
次いで、樹脂容器61における凹部61aの底面70に露出するカソード用リード部63上に、半導体発光素子30を、ダイアタッチペーストを用いてダイボンディングし、150℃で2時間加熱して硬化させたのち、金線を用いてワイヤボンディングを行い、半導体発光素子30のp型電極及びn型電極と、対応するアノード用リード部62及びカソード用リード部63とをそれぞれ接続した。
このようにして、1つの樹脂容器61に1つの半導体発光素子30を搭載したものを作製した。
まず、アノード用リード部62及びカソード用リード部63を一体化したリードフレームに、白色樹脂を射出成形して、凹部61aを有する樹脂容器61を形成した。ここで、樹脂容器61の基体樹脂には、ガラス繊維と酸化チタンフィラー入りのナイロン9T(クラレ製ジェネスタ(商品名))を用いた。
次いで、樹脂容器61における凹部61aの底面70に露出するカソード用リード部63上に、半導体発光素子30を、ダイアタッチペーストを用いてダイボンディングし、150℃で2時間加熱して硬化させたのち、金線を用いてワイヤボンディングを行い、半導体発光素子30のp型電極及びn型電極と、対応するアノード用リード部62及びカソード用リード部63とをそれぞれ接続した。
このようにして、1つの樹脂容器61に1つの半導体発光素子30を搭載したものを作製した。
次に、凹部61aに、未硬化状態の透明樹脂を含む混合樹脂ペーストRを充填し、その後、混合樹脂ペーストRに加熱処理を施すことによって硬化させ、封止樹脂65とした。
また、下記表4に記載のように、各実施例において使用した封止樹脂に対する水蒸気及び酸素のガス透過率測定を、JIS K7126のガスクロ法に準じて、ガス透過率測定装置(GTRテック株式会社製GTR−30XASD型)を用いて測定し、結果を表2に示した。この結果、実施例1、6〜11で用いられた封止樹脂の水蒸気透過率[g/m2・24時間]は、0.3(g/m2・24時間)以下であり、酸素透過率[cm3/m2/24h/atm]は500(cm3/m2/24h/atm)以下であった。
[比較例2](公知な発光素子を用いた発光装置)
比較例2においては、実施例2で作製した発光装置の半導体発光素子における表面層を歪みのない層に変更した点を除き、実施例2と同様の手順並びに条件で発光素子を作製し、この発光素子を用いて発光装置を作製した。
ここで、比較例2においては、上記実施例2で説明した発光素子の歪発光層を、(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5P層に変更した。
比較例2においては、実施例2で作製した発光装置の半導体発光素子における表面層を歪みのない層に変更した点を除き、実施例2と同様の手順並びに条件で発光素子を作製し、この発光素子を用いて発光装置を作製した。
ここで、比較例2においては、上記実施例2で説明した発光素子の歪発光層を、(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5P層に変更した。
比較例2で作製した発光素子が用いられてなる発光装置の特性評価結果を上記表3に示した。
上記表3に示すように、n型及びp型オーミック電極間に電流を流したところ、ピーク波長を660nmとする赤色光が出射された。また、順方向に20mAの電流を通流した際の順方向電圧(Vf)は、約2.1Vとなった。また、順方向電流を20mAとした際の発光出力は13mWであった。また、比較例2の条件で作製した全ての発光装置(n=10)のピーク波長のバラツキは、71nmとなった。また、発光の立ち上がりの応答速度(Tr)は、65nsであったが、発光波長の分布が大きく、特性を満足することができなかった。
上記表3に示すように、n型及びp型オーミック電極間に電流を流したところ、ピーク波長を660nmとする赤色光が出射された。また、順方向に20mAの電流を通流した際の順方向電圧(Vf)は、約2.1Vとなった。また、順方向電流を20mAとした際の発光出力は13mWであった。また、比較例2の条件で作製した全ての発光装置(n=10)のピーク波長のバラツキは、71nmとなった。また、発光の立ち上がりの応答速度(Tr)は、65nsであったが、発光波長の分布が大きく、特性を満足することができなかった。
[比較例3](公知な発光素子を用いた発光装置)
比較例3においては、実施例2で作製した発光装置の半導体発光素子における表面層を歪みのない層に変更した点を除き、実施例2と同様の手順並びに条件で発光素子を作製し、この発光素子を用いて発光装置を作製した。
ここで、比較例3においては、上記実施例2で説明した発光素子の歪発光層を、アンドープで層厚が約5nmのGa0.38In0.62Pに変更した。
比較例3においては、実施例2で作製した発光装置の半導体発光素子における表面層を歪みのない層に変更した点を除き、実施例2と同様の手順並びに条件で発光素子を作製し、この発光素子を用いて発光装置を作製した。
ここで、比較例3においては、上記実施例2で説明した発光素子の歪発光層を、アンドープで層厚が約5nmのGa0.38In0.62Pに変更した。
比較例3で作製した発光素子が用いられてなる発光装置の特性評価結果を上記表3に示した。
上記表3に示すように、n型及びp型オーミック電極間に電流を流したところ、ピーク波長を651.5nmとする赤色光が出射された。また、順方向に20mAの電流を通流した際の順方向電圧(Vf)は、約2.0Vとなった。また、順方向電流を20mAとした際の発光出力は、16mWであった。また、比較例3の条件で作製した全ての発光装置(n=10)のピーク波長のバラツキは、5.1nmとなった。また、発光の立ち上がりの応答速度(Tr)は、42nsであったが、量子効果によって発光波長が655nm未満となり、特性を満足することができなかった。
上記表3に示すように、n型及びp型オーミック電極間に電流を流したところ、ピーク波長を651.5nmとする赤色光が出射された。また、順方向に20mAの電流を通流した際の順方向電圧(Vf)は、約2.0Vとなった。また、順方向電流を20mAとした際の発光出力は、16mWであった。また、比較例3の条件で作製した全ての発光装置(n=10)のピーク波長のバラツキは、5.1nmとなった。また、発光の立ち上がりの応答速度(Tr)は、42nsであったが、量子効果によって発光波長が655nm未満となり、特性を満足することができなかった。
[比較例4](公知な発光素子を用いた発光装置)
比較例4においては、実施例2で作製した発光装置の半導体発光素子における表面層を歪みのない層に変更した点を除き、実施例2と同様の手順並びに条件で発光素子を作製し、この発光素子を用いて発光装置を作製した。
ここで、比較例4においては、上記実施例2で説明した発光素子の歪発光層の組成をGa0.37In0.63Pに変更した。
比較例4においては、実施例2で作製した発光装置の半導体発光素子における表面層を歪みのない層に変更した点を除き、実施例2と同様の手順並びに条件で発光素子を作製し、この発光素子を用いて発光装置を作製した。
ここで、比較例4においては、上記実施例2で説明した発光素子の歪発光層の組成をGa0.37In0.63Pに変更した。
なお、比較例4で作製したエピタキシャルウェーハにおいて、p型GaPからなる歪調整層の表面に、歪発光層の組成に起因する結晶欠陥(ハッチング)が発生していることが確認された。
比較例4で作製した発光素子が用いられてなる発光装置の特性評価結果を上記表3に示した。
上記表3に示すように、n型及びp型オーミック電極間に電流を流したところ、ピーク波長を677.7nmとする赤色光が出射された。また、順方向に20mAの電流を通流した際の順方向電圧(Vf)は、約2.2Vとなった。また、順方向電流を20mAとした際の発光出力は、5mWであった。また、比較例4の条件で作製した全ての発光装置(n=10)のピーク波長のバラツキは3.8nmとなった。また、発光の立ち上がりの応答速度(Tr)は、45nsであったが、上述したような歪調整層の欠陥の発生により、発光出力が低く特性を満足することができなかった。
上記表3に示すように、n型及びp型オーミック電極間に電流を流したところ、ピーク波長を677.7nmとする赤色光が出射された。また、順方向に20mAの電流を通流した際の順方向電圧(Vf)は、約2.2Vとなった。また、順方向電流を20mAとした際の発光出力は、5mWであった。また、比較例4の条件で作製した全ての発光装置(n=10)のピーク波長のバラツキは3.8nmとなった。また、発光の立ち上がりの応答速度(Tr)は、45nsであったが、上述したような歪調整層の欠陥の発生により、発光出力が低く特性を満足することができなかった。
[比較例5](公知な発光素子を用いた発光装置)
比較例5においては、実施例2で作製した発光装置の半導体発光素子における歪発光層の構成を変更した点を除き、実施例2と同様の手順並びに条件で発光素子を作製し、この発光素子を用いて発光装置を作製した。
ここで、比較例5においては、上記実施例2で説明した発光素子の歪発光層の組成をGa0.48In0.52Pに変更した。
比較例5においては、実施例2で作製した発光装置の半導体発光素子における歪発光層の構成を変更した点を除き、実施例2と同様の手順並びに条件で発光素子を作製し、この発光素子を用いて発光装置を作製した。
ここで、比較例5においては、上記実施例2で説明した発光素子の歪発光層の組成をGa0.48In0.52Pに変更した。
比較例5で作製した発光素子が用いられてなる発光装置の特性評価結果を上記表3に示した。
上記表3に示すように、n型及びp型オーミック電極間に電流を流したところ、ピーク波長を647.7nmとする赤色光が出射された。また、順方向に20mAの電流を通流した際の順方向電圧(Vf)は、約2.0Vとなった。また、順方向電流を20mAとした際の発光出力は16mWであった。また、比較例5の条件で作製した全ての発光装置(n=10)のピーク波長のバラツキは2.7nmとなった。また、発光の立ち上がりの応答速度(Tr)は、62nsであったが、発光波長が655nm未満となり、特性を満足することができなかった。
上記表3に示すように、n型及びp型オーミック電極間に電流を流したところ、ピーク波長を647.7nmとする赤色光が出射された。また、順方向に20mAの電流を通流した際の順方向電圧(Vf)は、約2.0Vとなった。また、順方向電流を20mAとした際の発光出力は16mWであった。また、比較例5の条件で作製した全ての発光装置(n=10)のピーク波長のバラツキは2.7nmとなった。また、発光の立ち上がりの応答速度(Tr)は、62nsであったが、発光波長が655nm未満となり、特性を満足することができなかった。
[比較例6](公知な発光素子を用いた発光装置)
比較例6においては、実施例2で作製した発光装置の半導体発光素子における歪発光層及びバリア層の構成を変更した点を除き、実施例2と同様の手順並びに条件で発光素子を作製し、この発光素子を用いて発光装置を作製した。
ここで、比較例6においては、上記実施例2で説明した発光素子の歪発光層の組成をアンドープで層厚が約30nmのGa0.44In0.56Pに変更するとともに、バリア層をアンドープで層厚が約30nmの(Al0.53Ga0.47)0.5In0.5Pに変更し、歪発光層とバリア層とを交互に12対積層した。
比較例6においては、実施例2で作製した発光装置の半導体発光素子における歪発光層及びバリア層の構成を変更した点を除き、実施例2と同様の手順並びに条件で発光素子を作製し、この発光素子を用いて発光装置を作製した。
ここで、比較例6においては、上記実施例2で説明した発光素子の歪発光層の組成をアンドープで層厚が約30nmのGa0.44In0.56Pに変更するとともに、バリア層をアンドープで層厚が約30nmの(Al0.53Ga0.47)0.5In0.5Pに変更し、歪発光層とバリア層とを交互に12対積層した。
なお、比較例6で作製したエピタキシャルウェーハにおいては、p型GaPからなる歪調整層の表面に、歪発光層の組成に起因する結晶欠陥(ハッチング)が発生していることが確認された。
比較例6で作製した発光素子が用いられてなる発光装置の特性評価結果を上記表3に示した。
上記表3に示すように、n型及びp型オーミック電極間に電流を流したところ、ピーク波長を668.9nmとする赤色光が出射された。また、順方向に20mAの電流を通流した際の順方向電圧(Vf)は、約2.3Vとなった。また、順方向電流を20mAとした際の発光出力は3mWであった。また、比較例6の条件で作製した全ての発光装置(n=10)のピーク波長のバラツキは4.1nmとなった。また、発光の立ち上がりの応答速度(Tr)は、43nsであったが、欠陥の発生により発光出力が低く、特性を満足することができなかった。
上記表3に示すように、n型及びp型オーミック電極間に電流を流したところ、ピーク波長を668.9nmとする赤色光が出射された。また、順方向に20mAの電流を通流した際の順方向電圧(Vf)は、約2.3Vとなった。また、順方向電流を20mAとした際の発光出力は3mWであった。また、比較例6の条件で作製した全ての発光装置(n=10)のピーク波長のバラツキは4.1nmとなった。また、発光の立ち上がりの応答速度(Tr)は、43nsであったが、欠陥の発生により発光出力が低く、特性を満足することができなかった。
[比較例7](公知な発光素子を用いた発光装置)
比較例7においては、実施例2で作製した発光装置の半導体発光素子を、従来技術である液相エピタキシャル法で形成した点を除き、実施例2と同様の手順で発光装置を作製した。
ここで、比較例7においては、半導体発光素子を、GaAs基板にAl0.35Ga0.65As発光層とするダブルヘテロ構造の発光部を有する構成のものに変更した。
比較例7においては、実施例2で作製した発光装置の半導体発光素子を、従来技術である液相エピタキシャル法で形成した点を除き、実施例2と同様の手順で発光装置を作製した。
ここで、比較例7においては、半導体発光素子を、GaAs基板にAl0.35Ga0.65As発光層とするダブルヘテロ構造の発光部を有する構成のものに変更した。
比較例7の発光装置の作製においては、具体的には、n型の(100)面のGaAs単結晶基板に、Al0.7Ga0.3Asからなるn型の上部クラッド層を20μm、Al0.35Ga0.65Asからなるアンドープの発光層を2μm、Al0.7Ga0.3Asからなるp型の下部クラッド層を20μm、発光波長に対して透明なAl0.6Ga0.4Asからなるp型の厚膜層を120μmとし、液相エピタキシャル方法によって順次成長させた。そして、このエピタキシャル成長後にGaAs基板を除去した。
次に、n型AlGaAsの表面に、直径100μmのn型オーミック電極を形成した。次いで、p型AlGaAsの裏面に、直径20μmのp型オーミック電極を80μm間隔で形成した。次いで、ダイシングソーにより、ウェーハを350μm間隔で切断した後、破砕層をエッチング除去して半導体発光素子チップとした。
そして、このような手順で作製した半導体発光素子を用いて、図2に示したような構造を有する発光装置を作製した。
次に、n型AlGaAsの表面に、直径100μmのn型オーミック電極を形成した。次いで、p型AlGaAsの裏面に、直径20μmのp型オーミック電極を80μm間隔で形成した。次いで、ダイシングソーにより、ウェーハを350μm間隔で切断した後、破砕層をエッチング除去して半導体発光素子チップとした。
そして、このような手順で作製した半導体発光素子を用いて、図2に示したような構造を有する発光装置を作製した。
比較例7で作製した発光素子が用いられてなる発光装置の特性評価結果を上記表3に示した。
上記表3に示すように、n型及びp型オーミック電極間に電流を流したところ、ピーク波長を661.1nmとする赤色光が出射された。また、順方向に20mAの電流を通流した際の順方向電圧(Vf)は、約1.9Vとなった。また、順方向電流を20mAとした際の発光出力は、4mWであった。また、比較例7の条件で作製した全ての発光装置(n=10)のピーク波長のバラツキは6.7nmとなった。また、比較例7で作製した発光装置は、応答速度(Tr)は、150nsであり、また、発光出力が低く、特性を満足することができなかった。
上記表3に示すように、n型及びp型オーミック電極間に電流を流したところ、ピーク波長を661.1nmとする赤色光が出射された。また、順方向に20mAの電流を通流した際の順方向電圧(Vf)は、約1.9Vとなった。また、順方向電流を20mAとした際の発光出力は、4mWであった。また、比較例7の条件で作製した全ての発光装置(n=10)のピーク波長のバラツキは6.7nmとなった。また、比較例7で作製した発光装置は、応答速度(Tr)は、150nsであり、また、発光出力が低く、特性を満足することができなかった。
上記実施例の結果により、本発明の発光装置が、655nm以上の赤色発光波長を有して単色性に優れるとともに、高出力・高効率であって応答速度が速く、さらに、発光素子やアノード用リード部及びカソード用リード部等の劣化を防止することが可能であることが確認できた。また、このような本発明の発光装置を用いて発光モジュールを構成し、さらに、この発光モジュールを用いた照明装置を構成した場合には、水分やガス等が多い使用環境下においても発光装置が劣化することなく、植物育成用の照明に適した発光モジュール並びに照明装置が得られることが明らかである。
本発明の発光装置は、655nm以上の赤色発光、高効率発光を達成し、植物育成用途の光源など、従来の、AlGaAsが用いられた半導体発光素子を備える発光装置では得られなかった、高出力発光ダイオード製品として利用できる。また、従来のAlGaAs発光層が用いられた半導体発光素子を備える発光装置の高出力品として、代替できる可能性がある。
10…照明装置、12…発光モジュール、30…半導体発光素子(発光素子)、30a…第1半導体発光素子(半導体発光素子、発光素子)、30b…第2半導体発光素子(半導体発光素子、発光素子)、30c…第3半導体発光素子(半導体発光素子、発光素子)、32…化合物半導体層、33…機能性基板、33a…垂直面、33b…傾斜面、34…n型オーミック電極(第1の電極)、35…p型オーミック電極(第2の電極)、36…第3の電極、37…発光部、38…歪調整層、39…下部クラッド層、40…発光層、41…上部クラッド層、42…歪発光層、43…バリア層、60、60A…発光装置、61…樹脂容器、61a…凹部、61b…上面、62…アノード用リード部(導体部)、62a…第1アノード用リード部(導体部)、62b…第2アノード用リード部(導体部)、62c…第3アノード用リード部(導体部)、63…カソード用リード部、65…封止樹脂、65c…出射面、70…底面、80…壁面
Claims (26)
- 凹部を有する樹脂容器と、
前記樹脂容器の前記凹部の内側に露出した状態で配置される導体部と、
前記凹部の内側に設けられるとともに前記導体部と電気的に接続され、pn接合型の発光部を含む化合物半導体層を備えており、前記発光部が、少なくとも、組成式(AlXGa1−X)YIn1−YP(0≦X≦1、0<Y≦1)からなる積層構造を含む発光素子と、
前記発光素子から出力される光に対する透光性を有し、前記凹部において当該発光素子を封止する封止樹脂として、下記一般式(1)で表されるエピスルフィド化合物と、SH基を1分子あたり2個以上有するメルカプタン化合物との反応物からなり、前記エピスルフィド化合物とメルカプタン化合物の配合質量比が0.02〜1.5の範囲とされた樹脂組成物と、が備えられることを特徴とする発光装置。
{但し、下記一般式(1)のm、nは、それぞれ、mが0〜4の整数であり、nが0〜1の整数である。}
- 前記発光素子は、発光波長が、590nm〜700nmの赤色領域に主発光ピークを有するものであることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
- 前記発光素子が、前記凹部の内側に設けられるとともに前記導体部と電気的に接続され、pn接合型の発光部と、前記発光部に積層された歪調整層とを少なくとも含む化合物半導体層を備えており、前記発光部が、組成式(AlXGa1−X)YIn1−YP(0≦X≦0.1、0.37≦Y≦0.46)からなる歪発光層とバリア層との積層構造を有し、前記歪調整層が、発光波長に対して透明であるとともに前記歪発光層及び前記バリア層の格子定数よりも小さい格子定数を有してなる発光素子であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光装置。
- 前記発光素子は、前記歪発光層の組成式が、GaXIn1−XP(0.37≦X≦0.46)であることを特徴とする請求項3に記載の発光装置。
- 前記発光素子は、前記歪発光層の厚さが、8〜30nmの範囲であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の発光装置。
- 前記発光素子は、前記歪発光層が8〜40層含まれていることを特徴とする請求項3〜請求項5の何れか1項に記載の発光装置。
- 前記発光素子は、前記バリア層の組成式が、(AlXGa1-X)YIn1−YP(0.3≦X≦0.7、0.48≦Y≦0.52)であることを特徴とする請求項3〜請求項6の何れか1項に記載の発光装置。
- 前記発光素子は、前記発光部が、前記歪発光層の上面及び下面の一方又は両方にクラッド層を有し、前記クラッド層の組成式が(AlXGa1-X)YIn1−YP(0.5≦X≦1、0.48≦Y≦0.52)であることを特徴とする請求項3〜請求項7の何れか1項に記載の発光装置。
- 前記発光素子は、前記歪調整層の組成式が、(AlXGa1−X)YIn1−YP(0≦X≦1、0.6≦Y≦1)であることを特徴とする請求項3〜請求項8の何れか1項に記載の発光装置。
- 前記発光素子は、前記歪調整層の組成式が、AlXGa1−XAs1−YPY(0≦X≦1、0.6≦Y≦1)であることを特徴とする請求項3〜請求項8の何れか1項に記載の発光装置。
- 前記発光素子は、前記歪調整層が、GaPであることを特徴とする請求項3〜請求項8の何れか1項に記載の発光装置。
- 前記発光素子は、前記歪調整層の厚さが、0.5〜20μmの範囲であることを特徴とする請求項3〜請求項11の何れか1項に記載の発光装置。
- 前記発光素子は、前記化合物半導体層の光取り出し面と反対側の面に、機能性基板が接合されていることを特徴とする請求項1〜請求項12の何れか1項に記載の発光装置。
- 前記発光素子は、前記機能性基板が、透明であることを特徴とする請求項13に記載の発光装置。
- 前記発光素子は、前記機能性基板の材質がGaPであることを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の発光装置。
- 前記発光素子は、前記機能性基板の側面が、前記化合物半導体層に近い側において前記光取り出し面に対して略垂直である垂直面と、前記化合物半導体層に遠い側において前記光取り出し面に対して内側に傾斜した傾斜面とを有することを特徴とする請求項13〜請求項15の何れか1項に記載の発光装置。
- 前記発光素子は、前記化合物半導体層の前記光取り出し面側に設けられた第1及び第2の電極と、前記機能性基板の裏面に設けられた接続用の第3の電極と、をさらに備えることを特徴とする請求項13〜請求項16の何れか1項に記載の発光装置。
- 前記発光素子は、前記第1及び第2の電極がオーミック電極であることを特徴とする請求項17に記載の発光装置。
- 前記発光素子は、前記光取り出し面が粗い面を含むことを特徴とする請求項13〜請求項18の何れか1項に記載の発光装置。
- 前記発光素子は、植物育成の光合成の促進に使用するための発光素子であり、前記発光部の発光スペクトルのピーク発光波長が、655〜675nmの範囲であることを特徴とする請求項1〜請求項19の何れか1項に記載の発光装置。
- 前記発光素子は、前記発光スペクトルの半値幅が、10〜40nmの範囲であることを特徴とする請求項20に記載の発光装置。
- 前記発光素子は、前記発光スペクトルの発光波長700nmにおける発光強度が、前記ピーク発光波長における発光強度の10%未満であることを特徴とする請求項20又は請求項21に記載の発光装置。
- 前記発光素子は、前記発光部の応答速度(Tr)が、100ns以下であることを特徴とする請求項1〜請求項22の何れか1項に記載の発光装置。
- 前記発光素子は、前記光取り出し面側に設けられた前記第1又は第2の電極と、前記第3の電極とが、略同電位に接続されていることを特徴とする請求項17〜請求項23の何れか1項に記載の発光装置。
- 基板と、前記基板に取り付けられる複数の発光装置とを備え、
前記発光装置が請求項1〜請求項24の何れか1項に記載の発光装置であることを特徴とする発光モジュール。 - 請求項25に記載の発光モジュールを搭載した照明装置。
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