JP2011096724A - 反射型光結合装置および電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】対象物以外の窓部などからの反射光による雑音を効果的に除去でき、高い検出精度が得られる反射型光結合装置を提供する。
【解決手段】半導体レーザ1と受光素子2とIC3を覆うように形成された透光性樹脂部4を備える。透光性樹脂部4は、半導体レーザ1から出射されたレーザ光のうちの一部を、外部の対象物30に出射する発光部41と、対象物30からの反射光を受光素子の受光面に導く受光部42と、半導体レーザ1から出射されたレーザ光のうちの他の一部を、透光性樹脂部4の内部において受光素子の受光面に導く導光経路とを有する。受光素子2は、導光経路により透光性樹脂部4の内部を導かれた半導体レーザ1から出射されたレーザ光のうちの他の一部と、受光部42により導かれた対象物30からの反射光を受光面で受けて合成した受光信号を出力し、IC3の周波数フィルタは、受光素子2からの受光信号を周波数弁別する。
【選択図】図1

Description

この発明は、反射型光結合装置および電子機器に関し、詳しくは、被検出物を光により無接点で検出する表面実装タイプの反射型光結合装置および電子機器に関する。
従来、反射型光結合装置を組み込んだ電子機器として携帯電話が提案されている。図14はタッチパネル式の携帯電話の斜視図を示しており、通話中に人の肌がパネルに接触することで携帯電話が意図せず動作することを防止する目的で、被検出物を光により検知する反射型光結合装置が用いられている(例えば、特開2006−65583号公報(特許文献1)参照)。
この反射型光結合装置は、タッチパネル100近傍に、専用の窓部21を通じて配置してある。図15に窓部21の内部の拡大図を示す。
図15に示す反射型光結合装置210は、発光部205より赤外光を発して、対象物230が接近すると、その反射光231が受光部206に到達し、対象物230を検出する。一方で、窓部221からの反射光232を受光しないように、発光部205と受光部206はある程度の距離を持って配置されている。対象物230の検出に当たっては、発光部205よりパルス状の赤外線を発光し、そのパルスの強度を受光部206で受光したときに検出と判定する。
このような反射型光結合装置210では、窓部21は平坦な面になっており、かなりの光が反射する。一方、対象物230は人の肌であることが多く、反射率が低い上に反射面も粗く、そのため受光部206に到達する信号光は極めて小さくなる。
上記反射型光結合装置210では、窓部21からの反射光を極力減らし、対象物230からの反射光を効果的に受光するために、発光部205と受光部206の距離を離している。
しかしながら、上記反射型光結合装置210と窓部21との距離が変わると、発光部205と受光部206の最適な距離が変化し、信号光である反射光231と雑音光である反射光232のバランスが変化し、常時検出(常に赤外光が受光部に入射し常時対象物があると誤検知する状態)または、常時非検出(窓部からの反射が大きすぎて対象物からの反射を検知できない)に陥ってしまう。つまり、近距離からの強度の大きな反射光が有る場合に、対象物からの小さな強度の反射光を切り分ける方法が一切無い。
窓部21からの受光部206への回り込みを防止する手段としては、発光部205と受光部206の距離遠ざける他に、発光部205からの放射赤外線の指向角度を小さくする方法が可能であるが、この場合には、対象物の検知可能距離が長くなり、本来のパネル近傍の人の肌を検知する用途に向かないことがある。
あるいは、発光部と受光部の間に光が回りこむことを防止するために構造的な障壁を設けることも可能であるが、いずれも使用者側の機構設計を制限し、逆に機構設計に合わせたデバイス設計を必要とし、反射型光結合装置の汎用性を著しく制限してしまう。
特開2006−65583号公報
そこで、この発明の課題は、対象物以外の窓部などからの反射光による雑音を効果的に除去でき、高い検出精度が得られる反射型光結合装置およびそれを備えた電子機器を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の反射型光結合装置は、
基板上に実装され、周波数が周期的に変調されたレーザ光を出射する半導体レーザと、
上記基板上に実装された受光素子と、
上記基板上に実装され、上記受光素子からの受光信号を処理する受光回路と、
上記半導体レーザと上記受光素子と上記受光回路を覆うように形成された透光性樹脂部と
を備え、
上記透光性樹脂部は、
上記半導体レーザから出射されたレーザ光のうちの一部を、外部の対象物に出射する発光部と、
上記対象物からの反射光を上記受光素子の受光面に導く受光部と、
上記半導体レーザから出射されたレーザ光のうちの他の一部を、上記透光性樹脂部の内部において上記受光素子の受光面に導く導光経路と
を有すると共に、
上記受光素子は、上記導光経路により上記透光性樹脂部の内部を導かれた上記半導体レーザから出射されたレーザ光のうちの他の一部と、上記受光部により導かれた上記対象物からの反射光を上記受光面で受けて合成した上記受光信号を出力し、
上記受光回路は、上記受光素子からの上記受光信号を周波数弁別する周波数フィルタを有することを特徴とする。
上記構成によれば、半導体レーザから出射されたレーザ光のうちの一部を、発光部により外部の対象物に出射する。上記対象物からの反射光を受光部により受光素子の受光面に導く一方、半導体レーザから出射されたレーザ光のうちの他の一部を、透光性樹脂部の内部において導光経路により受光素子の受光面に導く。そして、上記対象物からの反射光と導光経路により導かれた光とを受光素子の受光面で合波することで光信号の合成を行う。このとき、半導体レーザを電流変調することで、レーザ光の周波数が周期的に変調しているので、受光素子の受光面で合波された光信号にビート信号が生じる。このビート信号は、受光回路の周波数フィルタにより周波数弁別され、窓部からの反射光による雑音が効果的に取り除かれる。これにより、高い検出精度が得られる。
また、一実施形態の反射型光結合装置では、
上記半導体レーザは、面発光レーザである。
上記実施形態によれば、半導体レーザに面発光レーザを用いることによって、周波数ジャンプを回避でき、かつ簡易な光学系で光を基板上方に取り出すことが可能となる。
また、一実施形態の反射型光結合装置では、
上記半導体レーザは、分布帰還型レーザである。
上記実施形態によれば、半導体レーザに分布帰還型レーザを用いることによって、周波数ジャンプを回避でき、駆動電流に対する制限から開放される。
また、一実施形態の反射型光結合装置では、
上記透光性樹脂部の上記導光経路は、上記透光性樹脂部の上記半導体レーザの上側または上記受光素子の上側に設けられた反射平面である上記透光性樹脂部の透光性樹脂と空気との界面を含む。
上記実施形態によれば、透光性樹脂部の導光経路が、透光性樹脂部の半導体レーザの上側または受光素子の上側に設けられた反射平面である透光性樹脂部の透光性樹脂と空気との界面を含むことによって、簡単な構成で光合波を実現できる。
また、一実施形態の反射型光結合装置では、
上記透光性樹脂部の上記導光経路は、上記透光性樹脂部の上記半導体レーザの上側または上記受光素子の上側に設けられた反射曲面である上記透光性樹脂部の透光性樹脂と空気との界面を含む。
上記実施形態によれば、透光性樹脂部の導光経路が、透光性樹脂部の上記半導体レーザの上側または受光素子の上側に設けられた反射曲面である透光性樹脂部の透光性樹脂と空気との界面を含むことによって、簡単な構成で光合波を実現できる。
また、一実施形態の反射型光結合装置では、
上記周波数フィルタは、2次以上のハイパスフィルタを含む。
上記実施形態によれば、周波数フィルタが2次以上のハイパスフィルタを含むことによって、信号と雑音を容易に区別することができる。
また、一実施形態の反射型光結合装置では、
上記周波数フィルタは、さらにローパスフィルタを含む。
上記実施形態によれば、周波数フィルタがローパスフィルタを含むことによって、遠方の検知を除去できると共に、ホワイトノイズの除去やショットノイズの低減も可能である。
また、一実施形態の反射型光結合装置では、
上記半導体レーザは、のこぎり波状に振幅変調された電流により駆動される。
上記実施形態によれば、半導体レーザの発振周波数−注入電流の線形性を利用してのこぎり波状に駆動することで、簡単な方法でビート信号を得ることが可能となる。
また、一実施形態の反射型光結合装置では、
上記半導体レーザは、間欠的に電流駆動され、駆動時の電流波形がのこぎり波状に変化する。
上記実施形態によれば、半導体レーザは、間欠的に電流駆動され、駆動時の電流波形がのこぎり波状に変化することによって、低消費電力化を図りつつ、周波数が周期的に変調されたレーザ光を半導体レーザから容易に出射することができる。
また、一実施形態の反射型光結合装置では、
上記半導体レーザは、間欠的に電流駆動され、駆動時の電流波形が線形状に変化し、
上記周波数フィルタは、周波数カウンタを有する。
上記実施形態によれば、半導体レーザは、間欠的に電流駆動され、駆動時の電流波形が線形状に変化することによって、半導体レーザの発振周波数−注入電流の線形性を利用して一次線形状に電流変調することで、位相の安定した一定周波数のビート信号を得ることができる。これにより、周波数フィルタの周波数カウンタにより、ビート信号の周波数(対象物との距離に相当)を正確に得ることが可能となる。
また、この発明の電子機器では、
上記のいずれか1つの反射型光結合装置を搭載したことを特徴とする。
上記構成によれば、対象物以外からの反射光による雑音を効果的に除去でき、高い精度で距離を測定できる反射型光結合装置を搭載することにより、対象物検知機能を備えた小型の電子機器を実現できる。
以上より明らかなように、この発明の反射型光結合装置によれば、対象物以外の窓部などからの反射光による雑音を効果的に除去でき、高い検出精度が得られる反射型光結合装置およびそれを備えた電子機器を実現することができる。
図1はこの発明の第1実施形態の反射型光結合装置の断面模式図である。 図2は上記反射型光結合装置の周波数弁別回路の要部の構成図である。 図3は一般的な半導体レーザの印加電流による発振波長の変化を示す図である。 図4は半導体レーザの変調電流パターンを示す図である。 図5は上記反射型光結合装置の検出距離と受信信号周波数の関係を示す図である。 図6は上記反射型光結合装置の2次のハイパスフィルタの回路図である。 図7は上記反射型光結合装置のハイパスフィルタの利得とローパスフィルタの利得を示す図である。 図8は上記反射型光結合装置の受光素子の出力信号の波形を示す図である。 図9はこの発明の第3実施形態の反射型光結合装置の断面模式図である。 図10は上記反射型光結合装置の半導体レーザの変調電流パターンを示す図である。 図11はこの発明の第4実施形態の反射型光結合装置の受光素子の出力信号の波形を示す図である。 図12は上記反射型光結合装置の周波数弁別回路の要部の構成図である。 図13は半導体レーザの他の変調電流パターンを示す図である。 図14はタッチパネル式携帯電話の斜視図である。 図15は従来の反射型光結合装置の断面模式図である。
以下、この発明の反射型光結合装置およびそれを備えた電子機器を図示の実施の形態により詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1はこの発明の第1実施形態の反射型光結合装置の断面模式図を示している。この反射型光結合装置は、図1に示すように、基板10上に、半導体レーザ1と、受光素子2と、半導体レーザ光反射用の反射体11,12と、受光回路の一例としての受信信号検出用のIC(Integrated Circuit:集積回路)3を夫々実装し、半導体レーザ1と受光素子2とIC3をワイヤボンディングにより基板10の電極(図示せず)に接続している(ワイヤー部は図示せず)。その後、半導体レーザ1と受光素子2と反射体12とIC3が実装された基板10上に、赤外線透過樹脂を用いてモールドすることにより、発光部41と受光部42を有する透光性樹脂部4を形成している。
上記構成の反射型光結合装置の機能についてその使用例と共に説明する。この反射型光結合装置は、表面実装タイプであり、図14に示すようなタッチパネル式携帯電話に取り付けられることが好適である。この携帯電話のパネル面の窓部21内部に図1に示す反射型光結合装置が取り付けられている。窓部21内部には、反射型光結合装置が、発光部41と受光部42が窓部21の外側を向くようにして実装される。
半導体レーザ1は、ファブリペロー両端面発光型半導体レーザであり、端面反射率を調整することで、図1の左方向に90%、図1の右方向に10%の割合でレーザ光を放射する。図1において右方向に出射したレーザ光は、基板10上に設置された反射体12により上面側に反射した後、空気との界面を利用して作成されたハーフミラー42aで内側に反射した光33は、更にハーフミラー42bで反射して受光素子2に入射する。上記反射体12とハーフミラー42aとハーフミラー42bで透光性樹脂部4に導光経路を形成している。
一方、図1において左方向に出射したレーザ光は、基板10上に設置された反射体11により上面側に反射した後、発光部41に形成された凸状のレンズ部41aで集光されてから窓部21を通じて外部へ放射され、そのレーザ光が照射された対象物30からの反射光31が受光部42を経て受光素子2へと戻る。同様に、発光部41からのレーザ光が窓部21で反射した反射光32も、受光部42を経て受光素子2に戻る。
また、図2は上記反射型光結合装置のIC3の周波数弁別回路の要部の構成を示しており、この周波数弁別回路は、受光素子2からの受信信号が入力されたハイパスフィルタ3aと、上記ハイパスフィルタ3aの出力信号が入力され、ビート信号が出力されるローパスフィルタ3bとを有する。
次に、半導体レーザ1の駆動方法および受信信号の検出方法について説明する。
一般的な半導体レーザは、図3に示すように、印加電流によりその発振波長が変化する。この半導体レーザは、一般的なファブリペローレーザであって、この変化量はG=450MHz/mAに成る。ただし、ファブリペローレーザの場合、注入電流により波長ジャンプするので、波長がジャンプしない領域で電流変調することが重要である。
図4に実際の変調電流パターンの例を示す。低消費電力化を図るため、半導体レーザ1はある時間帯のみ駆動することとし、駆動時間帯では、図4に示すように、のこぎり波状に電流値を変化させる。このときの電流値の変化の幅は、図3に示す発振波長特性において波長ジャンプの無い領域に設定する。
この反射型光結合装置は、半導体レーザ1を駆動する回路が外部に設けられているが、基板10上に駆動用のICを実装してもよいし、受信信号検出用のIC3内に駆動回路を設けてもよい。
さて、半導体レーザ1から放射したレーザ光のうちの図1の左方向に放射した光と、図1の右方向に放射した光とは、所定の行路を経て受光素子2に入射するときに、夫々の行路差(つまり時間差)から周波数が異なっている。
図1の左方向に放射された光の電界をE1とし、図1の右方向へ放射された光の電界をE2とすると、受光素子2で合波したときには、全電界は一般に、次の(式1)で表せる。
Figure 2011096724
上記(式1)の電界強度が受光電流となるので、受光電流は、次の(式2)で表すことができる。
Figure 2011096724
半導体レーザ1を、周波数F=10MHz、電流振幅I=5mAで変調すると、行路差ΔL[m]の時の周波数差Δfは、
Δf = G・I・F・ΔL/c
で表される。ここで、cは光の速度で3×10m/sである。
この特性を利用すると、対象物30からの反射光は、行路差ΔLが大きくなって受光電流の高周波成分となり、窓部21からの反射光は、行路差ΔLが小さくなって受光電流の低周波成分となる。
図5は上記反射型光結合装置の検出距離と受信信号周波数の関係を示している。図5において、横軸は検出距離[mm]を表し、縦軸は受信信号周波数[MHz]を表している。
窓部21からの反射光32と、透光性樹脂部4内部を伝達する光33とは、行路差が1mm以下であり、受信信号の周波数は75KHz程度の低周波となる。一方、距離5mmからの反射光は、往復行路差10mmに相当し、受信信号の周波数は750KHzとなり、窓部21からの反射光32とは、周波数で10倍の差が生じる。
受信信号検出用のIC3は、アクティブな2次のハイパスフィルタ3a(図1に示す)を備えており、カットオフ周波数1MHzで構成されている。このハイパスフィルタは、図6に示すように、入力端子inに一端が接続されたコンデンサC1と、そのコンデンサC1の他端に一端が接続されたコンデンサC2と、上記コンデンサC2の他端に非反転入力端子が接続され、出力端子outが反転入力端子に接続された差動増幅器Aと、上記差動増幅器Aの出力端子に一端が接続され、他端がコンデンサC1,C2間の接続点に接続された抵抗R1と、上記差動増幅器Aの非反転入力端子と接地との間に接続された抵抗R2とを有する。
さらに、受信信号検出用のIC3は、カットオフ周波数5MHzのCRローパスフィルタ3b(図1に示す)を備えている。結果的にIC3の周波数に対する電圧利得は図7のようになる。図7において、横軸は信号周波数[MHz]を表し、縦軸は電圧利得を表している。また、図7の実線はハイパスフィルタの利得を示し、破線はローパスフィルタの利得を示している。
上記ハイパスフィルタのカットオフ周波数1MHzよりも下側の周波数帯域(40dB/decade)では、受信信号の周波数が10倍異なると、電圧利得が100倍、電力利得が10000倍異なり、窓部21からの反射光32により生じる雑音信号を効果的に低減できる。
受信信号検出用のIC3のローパスフィルタ3bは、全体の受信帯域を制限する。この反射型光結合装置では、内部伝達光である光33のために、少なからず直流成分が存在する。この直流成分は、受光素子2にてショット雑音を発生させる。ショット雑音電力は、直流電力と周波数帯域幅に比例するため、ローパスフィルタはノイズ低減に効果的である。また、実際の携帯電話においては、その表示部を人間が凝視するが、人間が凝視した際にこれを検知することは望ましくない。つまり凝視する際の最小の焦点距離(約10cm)より遠方の対象物は検知すべきでない。図7より、所望の周波数領域で信号受信できる回路構成となる。
実際の受光素子2の出力信号の例を図8に示す。図8において、横軸は時間[任意目盛]を表し、縦軸は出力電圧[任意目盛]を表している。実際の半導体レーザ1の駆動時間は、消費電力削減のため、一部であり、この時間に出力信号が得られる。また、半導体レーザ1の駆動時間内は、図4に示すように、のこぎり波状に電流変調されているので、のこぎり波の周期に応じた位相のジャンプが生じている。上記受光素子2の出力電圧を包絡線検波し、その出力を閾値弁別することで対象物30を検知することが可能となる。
最後に、受光素子2に入射する各光線の角度について説明する。内部伝達光である光33と、対象物30からの反射光31とは、受光部42によりほぼ同一の角度で入射するよう構成されている。一方で、窓部21からの反射光32は、別の角度で受光素子2面上に入射する。光線角度がずれている窓部21からの反射光は、受光素子2面上に光の干渉縞が生じる。この干渉縞に存在する明部と暗部はそれぞれΔfで振動し結果、窓部21からの反射光に起因する電気信号の振幅はほとんど時間変化せず、有効な電気信号となり得ない。これより、内部を伝達する光33が受光素子2に入射する角度は、所望の距離に配置した対象物30からの反射光31が受光素子2に入射する角度とほぼ合致するように構成することで、窓部21からの影響を光学的にも排除可能となり、極めて検出精度の高い反射型光結合装置を構成できる。
上記第1実施形態の反射型光結合装置によれば、発光素子として半導体レーザ1を用いて、反射光と内部伝達光とのビート信号を検出することで、電気的に周波数弁別し、窓部21からの近接反射と、対象物30からの反射を切り分けることが可能である。
また、光学系を最適に構成することで、窓部21からの反射光を光学的に除去することが可能となる。これより所望の距離にある対象物30からの反射光を効率的に検出可能となる。
また、周波数を弁別し、ノイズ成分を低減する上で、受信信号検出用のIC3は、2次以上のハイパスフィルタとローパスフィルタとを有していることが望ましく、またローパスフィルタも高次とすることで近距離での反射光と遠距離での反射光を区別することが可能となる。
上記半導体レーザ1の駆動方法は、低消費電力化を行うため間欠的に動作させることが必要である。また、駆動中の電流変調としては、半導体レーザ1の発振周波数−注入電流の線形性を利用してのこぎり波状に駆動することで、簡単な方法によりビート信号を得ることができる。
あるいは、半導体レーザ1の発振周波数−注入電流の線形性を利用して図13の模式図に示すように一次線形状に電流変調することで、位相の安定した一定周波数のビート信号を得ることが可能である。
このような反射型光結合装置は、この第1実施形態の如く携帯電話などの電子機器への搭載が最適である。従来型の反射型光結合装置では、窓部からの反射の影響を強く受けるため、窓部の無い構造に適している。しかしながら、携帯機器においては、防水,防塵等の理由から窓部は必須となる。加えて、小型化の要求が高く、いたずらに半導体レーザと受光素子の距離を長くすることもできない。この第1実施形態によれば、半導体レーザと受光素子の距離長くする必要なしに、電気的に周波数差に基づく弁別を行えるため、小型化が可能である。
また、上記反射型光結合装置では、半導体レーザ1からのレーザ光を、樹脂と空気の界面を反射平面(ハーフミラー42a,42b)とすることで、構成な構成で光合波を実現できる。
なお、上記第1実施形態では、反射体12とハーフミラー42aとハーフミラー42bで透光性樹脂部4に導光経路を形成したが、導光経路はこれに限らず、半導体レーザから出射されたレーザ光のうちの他の一部を、透光性樹脂部の内部において受光素子の受光面に導く反射体や反射面からなる導光経路であればよい。
〔第2実施形態〕
この発明の第2実施形態の反射型光結合装置を説明する。この第2実施形態の反射型光結合装置は、半導体レーザを除いて第1実施形態の反射型光結合装置と同様の構成をしており、図1を援用する。
この第2実施形態の反射型光結合装置は、半導体レーザ1に、端面発光ファブリペローレーザの代わりにDFBレーザ(分布帰還形レーザ)を用いたものである。このDFBレーザは、その内部に回折格子構造を持ち、強制的に波長を制御しているため、図3に示すような波長のジャンプが見られない。一方で、注入電流−波長の関係はファブリペローレーザと同じくG=450MHz/mA程度の変調効率を有しているから、波長ジャンプを避けるように駆動電流を調整する必要がない。他の機能は、第1実施形態と同様であり、説明を省略する。
この第2実施形態の反射型光結合装置は、第1実施形態の反射型光結合装置と同様の効果を有する。
また、上記反射型光結合装置では、半導体レーザ1に分布帰還形レーザを用いることによって、発振光の周波数ジャンプを抑えることができ、駆動電流に対する制限から開放される。
〔第3実施形態〕
図9はこの発明の第3実施形態の反射型光結合装置の断面模式図を示している。この第3実施形態では半導体レーザ101は、面発光型レーザを用いている。面発光型レーザは、光を上面から基板上方に放射するため、この発明の反射型光結合装置に適している。また、半導体レーザ101内部に多層膜構造を有し(図示しない)、これが分布帰還器となって第2実施形態と同じく波長ジャンプが生じない。また、発振閾値電流が低く、低消費電力化が図れるメリットがある。
この反射型光結合装置は、図9に示すように、基板110上に、半導体レーザ101と、受光素子102と、受信信号検出用のIC103を夫々実装し、半導体レーザ101と受光素子102とIC103をワイヤボンディングにより基板110の電極(図示せず)に接続している(ワイヤー部は図示せず)。その後、半導体レーザ101と受光素子102とIC103が実装された基板110上に、赤外線透過樹脂を用いてモールドすることにより、発光部141と受光部142を有する透光性樹脂部104を形成している。
上記半導体レーザ101から出射されたレーザ光のうち一部の光は、内部行路により受光素子102上に導かれる必要がある。このため、半導体レーザ101の上面に部分反射ミラー141aが設けられている。これらは、その位置により曲面を制御し、レーザ光をハーフミラー142aへと導く。第1実施形態では、レーザ光の10%を内部伝達光として利用したが、この第3実施形態では、部分反射ミラー141aの反射部の面積を変えることで割合を配分している。上記部分反射ミラー141aとハーフミラー142aで透光性樹脂部104に導光経路を形成している。
この第3実施形態では、反射体を不要とでき、簡単な光学系に構成できる上、部品点数を削減することが可能である。他の機能は、第1実施形態と同様であり、説明を省略する。
また、半導体レーザ101に面発光レーザを用いることによって、分布帰還形レーザを用いた場合と同様に、周波数ジャンプを回避でき、かつ簡易な光学系で光を上面に取り出すことが可能となる。
また、上記反射型光結合装置では、半導体レーザ1からのレーザ光を、樹脂と空気の界面を反射曲面(部分反射ミラー141a)とすることで、構成な構成で光合波を実現できる。
なお、上記第3実施形態では、部分反射ミラー141aとハーフミラー142aで透光性樹脂部104に導光経路を形成したが、導光経路はこれに限らず、半導体レーザから出射されたレーザ光のうちの他の一部を、透光性樹脂部の内部において受光素子の受光面に導く反射体や反射面からなる導光経路であればよい。
〔第4実施形態〕
次に、この発明の第4実施形態の反射型光結合装置は、他の周波数弁別回路を用いた例である。
この第4実施形態の反射型光結合装置では、半導体レーザは、第2,第3実施形態で用いた分布帰還形または面発光型レーザを用いて、その印加電流を図10のように変調する。このように印加電流を変調することで、受信信号における位相ジャンプが生じることなく、受光素子の出力電圧は図11のようになる。
図12は上記反射型光結合装置の周波数弁別回路の要部の構成を示しており、この周波数弁別回路は、受光素子からの受信信号が入力されたハイパスフィルタ3aと、上記ハイパスフィルタ3aの出力が入力されたローパスフィルタ3bと、上記ローパスフィルタ3bからのビート信号が入力された閾値弁別部3cと、上記閾値弁別部3cからのクロック信号が入力された周波数カウンタの一例としてのクロックカウンタ3dとを有する。
このハイパスフィルタ3aとローパスフィルタ3bを介して入力された受信信号を閾値弁別部3cにより閾値弁別することで、周波数に応じたクロック信号が得られ、クロックカウンタ3dを用いてクロック信号をカウントすることにより、その周波数(つまり対象物との距離)を正確に得ることが可能となる。
このように、上記第1〜第4実施形態の反射型光結合装置を用いて対象物との距離を測定できることで、小型の測距センサとして、携帯情報機器のみならず、カメラ等の電子機器への搭載も可能となる。
この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記第1〜第4実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。
1…半導体レーザ
2…受光素子
3…IC
4…透光性樹脂部
10…基板
11,12…反射体
21…窓部
41…発光部
42…受光部
42a…ハーフミラー
42b…ハーフミラー
101…半導体レーザ
102…受光素子
103…IC
104…透光性樹脂部
110…基板
141…発光部
141a…部分反射ミラー
142…受光部
142a…ハーフミラー

Claims (11)

  1. 基板上に実装され、周波数が周期的に変調されたレーザ光を出射する半導体レーザと、
    上記基板上に実装された受光素子と、
    上記基板上に実装され、上記受光素子からの受光信号を処理する受光回路と、
    上記半導体レーザと上記受光素子と上記受光回路を覆うように形成された透光性樹脂部と
    を備え、
    上記透光性樹脂部は、
    上記半導体レーザから出射されたレーザ光のうちの一部を、外部の対象物に出射する発光部と、
    上記対象物からの反射光を上記受光素子の受光面に導く受光部と、
    上記半導体レーザから出射されたレーザ光のうちの他の一部を、上記透光性樹脂部の内部において上記受光素子の受光面に導く導光経路と
    を有すると共に、
    上記受光素子は、上記導光経路により上記透光性樹脂部の内部を導かれた上記半導体レーザから出射されたレーザ光のうちの他の一部と、上記受光部により導かれた上記対象物からの反射光を上記受光面で受けて合成した上記受光信号を出力し、
    上記受光回路は、上記受光素子からの上記受光信号を周波数弁別する周波数フィルタを有することを特徴とする反射型光結合装置。
  2. 請求項1に記載の反射型光結合装置において、
    上記半導体レーザは、面発光レーザであることを特徴とする反射型光結合装置。
  3. 請求項1に記載の反射型光結合装置において、
    上記半導体レーザは、分布帰還型レーザであることを特徴とする反射型光結合装置。
  4. 請求項1から3までのいずれか1つに記載の反射型光結合装置において、
    上記透光性樹脂部の上記導光経路は、上記透光性樹脂部の上記半導体レーザの上側または上記受光素子の上側に設けられた反射平面である上記透光性樹脂部の透光性樹脂と空気との界面を含むことを特徴とする反射型光結合装置。
  5. 請求項1から3までのいずれか1つに記載の反射型光結合装置において、
    上記透光性樹脂部の上記導光経路は、上記透光性樹脂部の上記半導体レーザの上側または上記受光素子の上側に設けられた反射曲面である上記透光性樹脂部の透光性樹脂と空気との界面を含むことを特徴とする反射型光結合装置。
  6. 請求項1から5までのいずれか1つに記載の反射型光結合装置において、
    上記周波数フィルタは、2次以上のハイパスフィルタを含むことを特徴とする反射型光結合装置。
  7. 請求項6に記載の反射型光結合装置において、
    上記周波数フィルタは、さらにローパスフィルタを含むことを特徴とする反射型光結合装置。
  8. 請求項1から7までのいずれか1つに記載の反射型光結合装置において、
    上記半導体レーザは、のこぎり波状に振幅変調された電流により駆動されることを特徴とする反射型光結合装置。
  9. 請求項1から7までのいずれか1つに記載の反射型光結合装置において、
    上記半導体レーザは、間欠的に電流駆動され、駆動時の電流波形がのこぎり波状に変化することを特徴とする反射型光結合装置。
  10. 請求項1から7までのいずれか1つに記載の反射型光結合装置において、
    上記半導体レーザは、間欠的に電流駆動され、駆動時の電流波形が線形状に変化し、
    上記周波数フィルタは、周波数カウンタを有することを特徴とする反射型光結合装置。
  11. 請求項1から10までのいずれか1つに記載の反射型光結合装置を搭載したことを特徴とする電子機器。
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