JP2011095801A - 火源探査システム - Google Patents

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昌彦 堀
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Abstract

【課題】遠方の広角監視を行う際の火源位置検出の精度劣化を抑制することのできる火源探査システムを得る。
【解決手段】監視領域の温度状態に応じた信号として赤外線カメラ(14)で取得された撮像データに基づいて、撮像データを構成する複数の画素値の中から所定閾値を超える画素値を検出することで火源位置の特定を行う制御部(11、12、13)を備えた火源探査システムであって、制御部は、撮像データを、赤外線カメラから各監視領域までの距離に応じてあらかじめ設定された複数のエリアに分割し、複数のエリアのそれぞれについて、距離に応じてエリアごとに設定された個別の補正係数を用いて、エリアごとに火源位置の特定を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、赤外線カメラにより撮像された画像に基づいて、速やかに火災発生地点である火源を特定する火源探査システムに関し、特に、大空間内の遠方監視への適用を考慮した火源探査システムに関する。
赤外線カメラを用いた火源探査では、火災発生地点を温度に基づいて検出している。具体的には、一定の監視領域を2次元的に走査し、赤外線カメラから得られた温度に応じた検出信号の中で、あらかじめ設定したアラームレベル(閾値)を超えた信号が得られた領域を火源として検出している(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−1949号公報
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
赤外線カメラを用いた火源探査システムを、遠方の広角監視に適用する場合を考える。この場合には、赤外線カメラによって一度に撮像される領域は、赤外線カメラからの距離が必ずしも一定でないことが考えられる。例えば、ドーム球場のフィールド部分や観客席を広角にて遠方監視する際に、フィールド部分と観客席を遠方から一度に撮像する場合には、フィールド部分までの距離と観客席までの距離が異なることとなる。
また、曲率の大きい光学歪みの大きい赤外線レンズを用いることとなるため、このレンズ歪みの影響により、火源探査の精度が劣化することが考えられる。特に、撮像データ内の位置(すなわち、赤外線レンズの位置の影響)によって、同じ火源に対して失報になったり誤報になったりする可能性があった。
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、遠方の広角監視を行う際の火源位置検出の精度劣化を抑制することのできる火源探査システムを得ることを目的とする。
本発明に係る火源探査システムは、監視領域の温度状態に応じた信号として赤外線カメラで取得された撮像データに基づいて、撮像データを構成する複数の画素値の中から所定閾値を超える画素値を検出することで火源位置の特定を行う制御部を備えた火源探査システムであって、制御部は、撮像データを、赤外線カメラから各監視領域までの距離に応じてあらかじめ設定された複数のエリアに分割し、複数のエリアのそれぞれについて、距離に応じてエリアごとに設定された個別の補正係数を用いて、エリアごとに火源位置の特定を行うものである。
本発明に係る火源探査システムによれば、赤外線カメラから各監視対象までの距離に応じて、赤外線カメラで撮像される1枚の撮像領域を複数のエリアに分割し、エリア毎に、距離に応じた適切な温度補正演算を行うことにより、遠方の広角監視を行う際の火源位置検出の精度劣化を抑制することのできる火源探査システムを得ることができる。
本発明の実施の形態1における火源探査システムを含む放水砲システムの全体構成図である。 本発明の実施の形態1における火源探査システムの赤外線カメラ制御部で作成される検出データの一覧表である。 本発明の実施の形態1における火源探査システムの赤外線カメラ制御部で実行されるグループ化処理の例示図である。 本発明の実施の形態1における火源探査システムの一連動作の流れを示す処理フローである。 本発明の実施の形態1における火源探査システムを遠方監視に適用した場合の説明図である。 本発明の実施の形態1における火源探査システムを遠方監視に適用した際のエリア分割の説明図である。 本発明の実施の形態1の火源探査システムにおけるレンズ歪みの影響の抑制策に関する説明図である。
以下、本発明の火源探査システムの好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
まず始めに、遠方監視への適用を説明する前段として、本発明で用いる火源探査システムの機能について説明する。図1は、本発明の実施の形態1における火源探査システムを含む放水砲システムの全体構成図である。図1に示すように、本実施の形態1では、例えば、サブシステムとして、監視領域に対して左右2台の火源探査システム10L、10Rが設けられており、上位の放水砲システム統括処理部20により統括制御されている。
2台の火源探査システム10L、10Rは、同一の機能を備えており、同様の動作を行うが、放水砲システム統括処理部20からの指令により、所定時間毎に左右交互に単独で監視領域の火源探査を行うこととなる。よって、火源探査システム10L、10Rは、長期間にわたり正常運転できる。また、一方が故障した場合には、残る一方を連続運転させることで、システム全体がダウンしてしまうことを防ぐことができる。
火源探査システム10L(10R)は、統括処理部11、赤外線カメラ制御部12、電動旋回台制御部13、赤外線カメラ14、および赤外線カメラ14が搭載されている電動旋回台15を備えている。以下では、左側の火源探査システム10Lを用いて、本実施の形態1の火源探査システムについて説明する。なお、統括処理部11、赤外線カメラ制御部12、電動旋回台制御部13の全ての機能を包含したものが制御部に相当する。
まず始めに、各構成要素の機能について、個別に説明する。
統括処理部11は、以下の機能を有している。
(A1)放水砲システム統括処理部20からの火源検知開始指令を受け取ると、電動旋回台15を所望の監視領域に向けて旋回移動させるために、電動旋回台制御部13に対して移動指令を送信し、その返答として移動完了信号を受信する。
(A2)移動完了信号を受信した後、赤外線カメラ14を起動させるために、赤外線カメラ制御部12に対して探査スタート指令を送信する。
(A3)赤外線カメラ制御部12に対してデータ読取り指令を送信し、その返答として、赤外線カメラ14の撮像結果に基づいて赤外線カメラ制御部12によって生成された検出データを取得する。なお、データ読取り指令を送信する際に、統括処理部11は、赤外線カメラ制御部12による検出データの生成に用いられる閾値(例えば、60℃)も合わせて送信する。
(A4)さらに、取得した検出データを解析し、火源が検知できたか否かを判断する。
また、赤外線カメラ制御部12は、以下の機能を有している。
(B1)統括処理部11からの探査スタート指令に基づいて、赤外線カメラ14を起動させるとともに、赤外線カメラ14から撮像データを取得する。
(B2)赤外線カメラ14から取得した撮像データに対して特定の加工を施して検出データを作成し、統括処理部11に返送する。
また、電動旋回台制御部13は、以下の機能を有している。
(C1)統括処理部11からの移動指令に基づいて、電動旋回台15を所望の監視領域に向けて旋回移動させるとともに、旋回移動が完了した際に移動完了信号を統括処理部11に送信する。
また、赤外線カメラ14は、例えば、数万画素を備え、以下の機能を有している。
(D1)赤外線カメラ制御部12からの探査スタート指令に基づいて、所望の監視領域を撮像し、全画素の撮像データを赤外線カメラ制御部12に返送する。
さらに、電動旋回台15は、以下の機能を有している。
(E1)電動旋回台制御部13からの移動指令に基づいて、設定された位置に旋回移動することで、搭載されている赤外線カメラ14を所望の監視領域に向けて旋回移動させる。
このような火源探査システムでは、上述した各種機能のうち、特に、赤外線カメラ制御部12の(B2)の機能により、検出データを作成する点(第1の特徴)、および統括処理部11の(A4)の機能により、検出データの解析処理を行う点(第2の特徴)の2点を特徴としている。すなわち、赤外線カメラ14による撮像データのすべてを統括処理部11に返送する代わりに、赤外線カメラ制御部12が撮像データに基づいて特定の加工を施して撮像データのうち火源である可能性が高いデータの絞り込みを行うことで作成した検出データを返送し、その検出データに基づいて統括処理部11が火源検出処理を行うことで、データ通信時間、演算時間の削減を図っている。
そこで、まず始めに、第1の特徴である赤外線カメラ制御部12による検出データの作成について説明する。図2は、本発明の実施の形態1における火源探査システムの赤外線カメラ制御部12で作成される検出データの一覧表である。赤外線カメラ14は、監視領域の画素ごとに、検出温度に相当する各測定値を撮像データとして出力する。
このようにして得られた撮像データに対して、赤外線カメラ制御部12は、例えば、以下のような処理を施すこととなる。
[処理1−1]撮像データの全画素の各測定値から、最大値(検出温度の最高値に相当)を抽出する。この値が、図2のNO1の値に相当する。
[処理1−2]処理1−1で抽出した最大値の画素のX、Y座標として、最大値のX方向とY方向の画素値を抽出する。これらの値が、図2のNO2、3の値に相当する。
[処理1−3]監視領域の画素のデータから、温度平均値を算出する。この値が、図2のNO4の値に相当する。
[処理1−4]火源を検出するために、あらかじめ設定された閾値を超える温度を示す画素を抽出し、さらに、抽出した画素の中で互いに隣接している画素の集合に対して同一のラベルを付すことで、複数の画素をグループとして抽出するとともに、1つだけ独立した画素を抽出して同様にラベルを付す。なお、この閾値は、統括処理部11からのデータ読取り指令と同時に、統括処理部11により設定できるものとする。また、初期の閾値は、あらかじめ赤外線カメラ制御部12に持たせておくことも可能である。
この処理は、2値画像に対するラベリング処理と等価であり、抽出によりグループ化されたそれぞれの領域は、例えば、左上→右上→左下→右下の順で番号が自動的に割付けされる。図3は、本発明の実施の形態1における火源探査システムの赤外線カメラ制御部12で実行されるグループ化処理の例示図である。図3に示すように、あらかじめ設定された閾値を超える画素の領域として抽出されたそれぞれのグループは、左上→右上→左下→右下の順で1から順にラベル付けされることとなる。以下の説明では、ラベル付けされた各グループを「熱かたまり」と呼ぶこととする。
[処理1−5]次に、1番目にラベル付けされた熱かたまり(熱かたまり#1)について、その熱かたまり内で温度の最大値(最高温度)を示す画素値、熱かたまりの重心のX、Y座標、および熱かたまりに含まれる画素数を求める。これらの値が、図2のNO5〜8の値に相当する。ここで求める重心は、熱かたまりの重心自体を求めてもよいし、熱かたまりの外接長方形の重心を簡易的に求めてもよい。これにより、放水砲システムの放水時は、図示しない放水砲が重心の位置またはその近傍に指向されて放水するので、確実に初期消火できる。
[処理1−6]処理1−5と同様の処理を、熱かたまり#2〜#5についても行う。これらの値が、図2のNO9〜24の値に相当する。
赤外線カメラ制御部12は、統括処理部11からのデータ読取り指令に基づいて、このような一連処理を行うことで、赤外線カメラ14から送信された撮像データに特定の加工を施して、図2に示すような検出データを作成し、作成した検出データを統括処理部11に返送する。このように、赤外線カメラ制御部12から統括処理部11に送信するデータ量を、全画素のデータの代わりに、例えば、図2に示したような24データに限定することで、通信時間の短縮を図ることができる。
なお、図2においては、例えば、検出データに含める熱かたまりの数を5個としているが、5個に限定されるものではない。火源探査システムが適用される現場環境、あるいは監視領域の大きさ、許容される演算時間等に応じて、熱かたまりの数を適切な個数に変更することができる。
次に、第2の特徴である統括処理部11による検出データの解析処理について説明する。統括処理部11は、赤外線カメラ制御部12から受信した検出データに基づいて、以下のような処理を施すこととなる。
[処理2−1]検出データで得られた全画素での温度の最大値(NO1のデータに相当)を、各熱かたまりの温度の最大値(NO5、9、13、17、21の各データに相当)と比較する。
[処理2−2]いずれかの熱かたまりの温度の最大値が、全画素での温度の最大値と一致した場合には、該当する熱かたまりで火源位置と特定する。
[処理2−3]処理2−1において、すべての熱かたまりの温度の最大値が、全画素での温度の最大値と不一致であった場合(すなわち、すべての熱かたまりの温度の最大値が、全画素での温度の最大値未満であった場合)には、熱かたまり#6以降の中に、全画素での温度の最大値と一致するものがあると考えられる。
そこで、処理2−1での比較結果が不一致であると判断した場合には、統括処理部11は、火源を検出するための閾値を、前回のデータ読取り指令送信時に設定した閾値よりも高く、かつ全画素での温度の最大値よりも低い値(例えば、200℃)を設定し直し、再度、赤外線カメラ制御部12に対してデータ読取り指令を送信する。データ読取り指令の返信として、再度、赤外線カメラ制御部12から取得した新たな検出データに対して、統括処理部11は、処理2−1〜処理2−3を繰り返すこととなる。
なお、処理2−3において再設定される閾値は、熱かたまり#1〜#5の温度の最大値よりも大きくすることで、今回の検出データに含まれていた熱かたまり#1〜#5を、次回の新たな検出データから除外することができる。また、データ読取り指令を送信する前に、電動旋回台15を動かすことなしに、赤外線カメラ14を同じ位置としたままで、再度、探査スタート指令を送信し、所望の監視領域を撮像した後に、閾値を再設定したデータ読取り指令を送信することも可能である。
統括処理部11は、赤外線カメラ制御部12から取得した検出データに基づいて、このような一連の解析処理を行うことで、絞り込まれた検出データの中から確実にかつ迅速に火源位置を特定することができ、演算時間の短縮を図ることができる。
次に、上述した火源探査システムの一連動作について、処理フローを用いて説明する。図4は、本発明の実施の形態1における火源探査システムの一連動作の流れを示す処理フローである。まず始めに、ステップS01において、統括処理部11は、放水砲システム統括処理部20から火源検知開始指令を受け取った後に、電動旋回台15を所望の監視領域に向けて旋回移動させるために、電動旋回台制御部13に対して移動指令を送信する。
次に、ステップS02において、電動旋回台制御部13は、統括処理部11からの移動指令に基づいて、電動旋回台15の移動制御を行う。この結果、ステップS03において、電動旋回台15は、所望の監視領域に向けて旋回移動することとなる。次に、ステップS04において、電動旋回台制御部13は、電動旋回台15から移動完了信号を受け取る。なお、電動旋回台15の位置制御がパルスモータ等を使用したオープンループで行われる場合には、電動旋回台制御部13自身が移動完了信号を生成することとなる。
次に、ステップS05において、電動旋回台制御部13は、先のステップS01の移動指令の返答として、統括処理部11に対して移動完了信号を送信する。このようにして、ステップS01〜S05までの一連動作により、電動旋回台15の位置合わせを行うことで、赤外線カメラ14を所望の監視領域にセットすることができる。
次に、ステップS06において、統括処理部11は、赤外線カメラ14を起動させるために、赤外線カメラ制御部12に対して探査スタート指令を送信する。次に、ステップS07において、赤外線カメラ制御部12は、統括処理部11からの探査スタート指令に基づいて、赤外線カメラ14を起動させる。
次に、ステップS08において、すでに所望の監視領域に位置合せされている赤外線カメラ14は、赤外線カメラ制御部12からの指令に基づいて、所望の監視領域を撮像する。そして、ステップS09において、赤外線カメラ制御部12は、赤外線カメラ14による撮像データを取得する。
次に、ステップS10において、統括処理部11は、赤外線カメラ制御部12に対して、火源検出に用いられる閾値の設定とともに、データ読取り指令を送信する。次に、ステップS11において、赤外線カメラ制御部12は、統括処理部11から受け取った閾値およびデータ読取り指令に基づいて、赤外線カメラ14から取得した撮像データに対して、上述したような特定の加工を施して、先の図2に示したような検出データを作成する。なお、検出データを作成するための初期の閾値は、あらかじめ赤外線カメラ制御部12に持たせておくことも可能である。
さらに、ステップS12において、赤外線カメラ制御部12は、先のステップS11におけるデータ読取り指令の返答として、統括処理部11に対して、作成した検出データを返送する。
そして、ステップS13において、統括処理部11は、赤外線カメラ制御部12から取得した検出データに対して、上述したような判断処理を施し、火源検知を行う。なお、この判断処理において、処理2−3で述べたように、すべての熱かたまりの温度の最大値が、全画素での温度の最大値と不一致であったと判断された場合には、統括処理部11は、閾値を再設定した後、ステップS06による探査スタート指令、またはステップS10によるデータ読取り指令を送信し、それ以降の処理を繰り返すことで、火源検知を行うこととなる。
上述した火源探査システムでは、赤外線カメラで取得した撮像データに特定の加工を施して、データ量を圧縮した検出データを作成し、この検出データに基づいて火源検知処理を行っている。この結果、データの通信処理や演算処理に要する時間を短縮した上で、赤外線カメラを用いて確実にかつ迅速に火源を特定することのできる火源探査システムを得ることができる。
次に、上述のような特徴を備える火源探査システムを、大空間における遠方監視に適用する場合について、詳細に説明する。遠方を広角に監視する一例として、ドーム球場におけるフィールド部分と観客席の監視を行う場合について、具体的に説明する。
図5は、本発明の実施の形態1において、火源探査システムを遠方監視に適用した場合の説明図である。図5に示すように、ドーム球場の上部に斜め下方に傾けて設置された赤外線カメラ14によりフィールド分や観客席を捕らえることで、火源検知を行う場合を考える。この場合には、撮像領域の上側ほど火源までの距離が遠く、下側ほど火源までの距離が近いこととなる。従って、このような場合には、上下方向で監視対象領域を複数に分割し、各監視対象領域で適切な検出データの温度補正演算を行って火源検知を行うことが考えられる。
図5では、例えば、観客席を遠方からエリア1、2に分割し、フィールド部分を遠方からエリア3、4に分割することで、監視対象領域として撮像された1枚の画像を、上下方向で4分割している場合を例示している。図6は、本発明の実施の形態1における火源探査システムを遠方監視に適用した際のエリア分割の説明図である。図6に示すように、赤外線カメラ14から監視対象領域までの距離に応じて上下方向で複数のエリアに分割し、エリアごとに異なる検出データの温度補正演算を行って火源探査を行うことで、距離に応じた赤外光を区別して検出することが可能となる。
具体的には、赤外線カメラ14の特徴として、同じ火源に対して、距離が遠いほど赤外線の検出温度値が小さくなる。そこで、図5、図6の例では、火源を検出するとき、エリア1の検出温度値に補正係数TH1を乗算した補正値1が、設定された共通の閾値を超えるか否かを判断する。同様に、エリア2〜4において、各エリアの検出データ(温度値)に各補正係数TH2〜TH4を乗算した各補正値2〜4が、設定された共通の閾値(例えば、60℃)を超えるか否かを判断する。
このとき、各エリアの補正係数は、
TH1≧TH2≧TH3≧TH4
(例えば、TH1=2.4、TH2=1.6、TH3=1.2、TH4=1.0)
の関係となる。従って、閾値としては、各エリアに共通の1つだけを設定すればよく、統括処理部11の演算処理が軽くなる。
このようなエリア分割による火源の検出を行う際には、統括処理部11は、赤外線カメラ制御部12に対して、エリア分割の情報と各エリアにかける補正係数を送信しておくこととなる。例えば、1画面分の撮像データについて、何ライン目から何ライン目までのデータが何番目のエリアに該当するかを設定した情報をエリア分割情報として、また、エリア毎の補正係数(例えば、エリア1は2.4、エリア2は1.6など)を補正係数情報として、赤外線カメラ制御部12に対して送信しておくことが考えられる。さらに、統括処理部11は、各エリアに共通の閾値を共通閾値情報として、赤外線カメラ制御部12に対して通知する。
このようなエリア分割情報、補正係数情報、および共通閾値情報は、先の図4におけるステップS10において、統括処理部11から赤外線カメラ制御部12に対してデータ読取り指令を送信するタイミングで、送信することが考えられる。
一方、赤外線カメラ制御部12は、先の図4におけるステップS11において、検出データを作成する際に、エリア毎の補正値を用いて、エリア毎の検出データを生成することとなる。具体的には、赤外線カメラ制御部12は、エリア毎に個別に設定された補正係数TH1〜TH4を用いて、先の図2に示すような検出データを、エリア1〜エリア4の4エリア分作成することとなる。この結果、エリア別に設定された補正値を用いることで異なるエリアの比較ができ、距離に応じた適切な火源検知を行うことが可能となる。
なお、隣接するエリアを部分的にオーバーラップさせてもよく、その際の補正係数は、それぞれの平均値、あるいは大きい方の値を採用することが考えられる。また、図6においては、上下方向にエリア分割する場合について説明した。しかしながら、本発明は、このような分割に限定されるものではない。分割方向は上下方向に限定されるものではなく、また、分割エリアも均等である必要はなく、距離に応じて任意のエリアに分割することによっても、同様の効果を得ることができる。
赤外線カメラ14を用いて、遠方を広角で監視する場合には、上述のように、エリア分割を行ってエリア毎の温度補正演算により火源探査を行うことにより、赤外線カメラ14から監視対象までの距離に応じて、適切な検出を行うことができる。しかしながら、遠方を広角で監視する場合には、曲率の大きい光学歪みの大きい赤外線レンズを用いることとなる。このため、火源位置を精度よく特定するためには、さらに、このレンズ歪みの影響を抑制することが重要となる。そこで、次に、このレンズ歪みの影響の抑制策について説明する。
図7は、本発明の実施の形態1の火源探査システムにおけるレンズ歪みの影響の抑制策に関する説明図である。図7(a)は、エリア1において、熱かたまり#n(ここで、nは、図2の検出データである場合には、1から5の整数値に相当する)が、統括処理部11による検出データの解析によって、火源位置と特定されたと仮定した場合を例示している。この場合、統括処理部11は、先の図2に示したような検出データを取得しているため、火源位置として特定された熱かたまり#nの重心のX座標、Y座標も知ることができる。
従って、統括処理部11は、検出データの解析によって火源位置と特定された熱かたまり#nが検出された場合には、その位置を1回目の火源探知処理による火源推定位置とする。そして、その重心位置が監視領域のセンターと一致するように電動旋回台15を旋回移動、赤外線カメラ14を上下左右に旋回させた後に、2回目の火源検知処理を行うことができる。なお、このような2回目の火源検知処理を行う一連の処理は、先の図4におけるステップS01〜ステップS13の処理を繰り返すことで実行可能となる。
図7(b)は、火源位置と特定された熱かたまり#nの重心を、赤外線カメラ14の撮像領域の中心と一致させた場合を示している。先の図4におけるステップS01〜ステップS05を再実行することで、1回目の探査で特定された火源位置をセンタリングする。その後、先の図4におけるステップS06〜ステップS13を再実行することで、最終的な火源の位置の判断を、赤外線カメラの中央部分の画素値に基づいて、常に一定の条件で行うことができる。この結果、レンズ歪みの影響を抑制でき、検出精度のさらなる向上を図ることができる。
なお、センタリング後に、ステップS10〜ステップS13を再実行する際には、ステップS10におけるデータ読取り指令の送信時に、センター部分のどのエリア(例えば、熱かたまり#nが含まれるエリア1)を検出対象とするかを設定する検出エリア設定情報と、1回目の火災検出時の温度データから設定した閾値情報とを再設定することとなる。このようにして、センタリング処理を行うことで、光学条件に起因する検出誤差を抑えることができる。
以上のように、実施の形態1によれば、赤外線カメラから監視対象までの距離に応じて、赤外線カメラで撮像される1枚の撮像領域を複数のエリアに分割し、エリア毎に、距離に応じた適切な補正演算を行うことで、遠方監視における火源検出精度の安定化を図ることができる。
さらに、1回目の処理で検出された火源位置が、撮像領域の中央になるように赤外線カメラを移動させた後に、2回目の処理を再実行することで、レンズ歪みの影響による火源検出精度の劣化を抑制することができる。さらに、この2回目の処理において、1回目の処理で検出された火源温度に応じた共通の閾値を再設定することで、同一エリア内での距離のバラツキも補正することができ、火源検出精度の向上を図ることができる。
また、上述した実施の形態1においては、電動旋回台15および電動旋回台制御部13を備えた火源探査システムについて説明した。しかしながら、エリア分割を行うとともに、エリア毎に、距離に応じた適切な補正演算を行って1回の火源探査を行うだけであれば、これらの構成要素を不要とすることもできる。
また、広角に遠方監視を行う際には、必ずしも1回の撮像で全体像を捕らえる必要はなく、赤外線カメラを旋回させることで、複数ショットにて全体像を捕らえることも可能である。この場合の旋回方向は、監視対象に応じて任意の方向(例えば、横方向の旋回、あるいは縦方向の旋回)に定めることができる。
10L、10R 火源探査システム、11 統括処理部、12 赤外線カメラ制御部、13 電動旋回台制御部、14 赤外線カメラ、15 電動旋回台。

Claims (3)

  1. 監視領域の温度状態に応じた信号として赤外線カメラで取得された撮像データに基づいて、前記撮像データを構成する複数の画素値の中から所定閾値を超える画素値を検出することで火源位置の特定を行う制御部を備えた火源探査システムであって、
    前記制御部は、前記撮像データを、前記赤外線カメラから各監視領域までの距離に応じてあらかじめ設定された複数のエリアに分割し、前記複数のエリアのそれぞれについて、前記距離に応じてエリアごとに設定された個別の補正係数を用いて、エリアごとに火源位置の特定を行う
    ことを特徴とする火源探査システム。
  2. 請求項1に記載の火源探査システムにおいて、
    前記赤外線カメラが搭載され、旋回可能な電動旋回台をさらに備え、
    前記制御部は、前記撮像データ内で前記火源位置が特定された場合には、特定された前記火源位置が前記赤外線カメラの撮像領域のセンターと一致するように、前記電動旋回台を旋回させるセンタリング処理を実行後、火源位置を特定するための再処理を実行する
    ことを特徴とする火源探査システム。
  3. 請求項2に記載の火源探査システムにおいて、
    前記制御部は、前記再処理を実行する際に、センタリング処理直前の撮像データに応じて所定閾値を再設定して火源位置の特定を行う
    ことを特徴とする火源探査システム。
JP2009246126A 2009-10-27 2009-10-27 火源探査システム Pending JP2011095801A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101743670B1 (ko) 2015-10-15 2017-06-08 한국생산기술연구원 광학필터와 촬상장치를 이용한 화염 감시 및 구조계측 시스템 및 이에 의한 화염 감시 및 구조계측 방법

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KR101743670B1 (ko) 2015-10-15 2017-06-08 한국생산기술연구원 광학필터와 촬상장치를 이용한 화염 감시 및 구조계측 시스템 및 이에 의한 화염 감시 및 구조계측 방법

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