JP2011094653A - 液封入式防振装置および液封入式防振装置の製造方法 - Google Patents

液封入式防振装置および液封入式防振装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】かしめ固定による、部材の相互連結を強固なものとしてなお、防振装置の製造時に、連結部分に形成される閉空間内に残留する液体を、確実かつ迅速に排出させて、その閉空間からの経時的な液体の漏出を防止することができる液封入式防振装置および、液封入式防振装置の製造方法を提供する。
【解決手段】蓋部材6の、仕切部材に隣接して制限通路を区画する剛性環状部材5に、フランジ状の平板部および、平板部の周縁に位置する筒状部を形成するとともに、筒状部材の、蓋部材への連結部分に設けたフランジ部16を、剛性環状部材5の筒状部を包み込むように折り返して塑性変形させて、蓋部材の平板部および筒状部に固定し、フランジ部16に、該フランジ部16と該筒状部との間に形成される閉空間を外気に連通させる少なくとも一の孔21もしくは切欠きを設けてなる。
【選択図】図5

Description

この発明は、筒状部材の一端側を、コア部材の外周面に液密に連結する弾性部材と、筒状部材の他端側に液密に連結した蓋部材とによって形成される空間内に液体を封入してなる液封入式防振装置に関し、とくには、その防振装置の製造時において、各構成部材を液体中で組み合わせて、弾性部材と蓋部材とにより形成される空間内に液体を充満させた状態で、たとえば、筒状部材を蓋部材にかしめ固定した場合に、それらの部材の連結部分間に意図せず封入される液体の、時間の経過に伴う漏出を防止する技術を提案するものである。
この種の防振装置は、内部の空間内に非圧縮性の液体を封入した流体室を、仕切部材で主液室と副液室とに区画し、それらの両液室の相互を制限通路で連通させることによって、振動発生側と振動伝達側との間に配設したこの防振装置への振動の入力に対し、内部の液体が、制限通路を介して主液室と副液室との間で流動するときの液柱共振、制限通路が液体に及ぼす流動抵抗等によって振動を減衰させ、また、構成各部の変形をもって、振動の伝達を防止するものである。
ところで、このような液封入式防振装置の製造に際しては、所望の振動減衰機能を発揮させるため、内部の液室に液体を封入する際の、空気の混入の防止を目的として、たとえば図10に断面図で示す防振装置では、筒状部材52と、仕切部材53と、剛性環状部材54およびダイヤフラム55からなる蓋部材56とを液体中で順次組み合わせて、内部の液室57を液体で充満させた状態で、筒状部材52および剛性環状部材54のそれぞれに形成したフランジ状の部分58、59の一方、図ではフランジ状部分58を、他方のフランジ状部分59を包み込むように折り返して塑性変形させて、他方のフランジ状部分59上に密着固定すること(以下「かしめ固定」という)により、筒状部材52を蓋部材56に連結させることが一般的に行われている。
そして、筒状部材52の、蓋部材56へのかかる連結によれば、図11にその連結部分を拡大断面図で示すように、フランジ状部分58の折返し変形部58Aと、他方のフランジ状部分59との間の僅かな閉空間60に液体が残留することになるため、防振装置51を製品として使用するうちに、その閉空間60に残留した液体が装置51の外部に漏れ出す場合があり、このことが、シール部材61のシール機能に問題があるとの誤認の要因となることがあった。
この問題を解決するため、特許文献1には、「金具のかしめ重合部間に貯った液体を排出する溝を、かしめ重合部の内外を繋ぐように一対の本体金具の内の被かしめ側本体金具の表面に形成した」防振装置が提案されており、具体的には、図12に示すように、立上部22Aの外周側に、適宜間隔で放射方向に浅溝56が形成された防振装置が開示されている。
特許文献1に記載されたこの防振装置では、「組み付け後に立上部22Aとかしめ部12Cとの間に封入された液体が直ちにこの端部56Aを通じて外部へ排出することになる。このため経時的な液体の滲み出しがない。」としている。
特許第2785949号公報
しかしながら、特許文献1に記載された防振装置では、「かしめ部12C」がかしめ付けられる、「支持板22」のフランジ状部分に、複数の「浅溝56」を形成していることから、かしめ具合によっては、「浅溝56」が閉塞されるおそれがあり、この場合には、「立上部22」と「かしめ部12C」との間に封入された液体が、「端部56A」から直ちには排出されないという問題があった他、相互連結される二つの部材の接触部分に「浅溝56」が設けられていることから、かしめ固定による、それらの部材の相互連結が十分強固になされていることの保証がないという問題もあった。
そこで、この発明は、従来技術が抱えるこのような問題を解決することを課題とするものであり、それの目的とするところは、かしめ固定による、部材の相互連結を強固なものとしてなお、防振装置の製造時に、連結部分に形成される閉空間内に残留する液体を、確実かつ迅速に排出させて、その閉空間からの経時的な液体の漏出を防止することができる液封入式防振装置および、液封入式防振装置の製造方法を提供することにある。
この発明の液封入式防振装置は、振動発生側もしくは振動伝達側のいずれか一方側に連結されるコア部材と、他方側に連結される筒状部材と、該筒状部材を、一方の端部側で前記コア部材の外周面に液密に連結する弾性部材と、前記筒状部材の他方の端部側に液密に連結した、剛性環状部材および、剛性環状部材に固着させたダイヤフラムからなる蓋部材と、該ダイヤフラムの内側に区画される空間内に非圧縮性の液体を封入してなる流体室と、該流体室を前記コア部材側の主液室と前記ダイヤフラム側の副液室とに仕切る仕切部材とを具え、前記主液室および副液室の相互を制限通路で連通させてなるものであって、前記蓋部材の、仕切部材に隣接して制限通路を区画する剛性環状部材に、フランジ状の平板部および、平板部の周縁に位置する筒状部を形成するとともに、前記筒状部材の、蓋部材への連結部分に設けたフランジ部を、前記剛性環状部材の筒状部を包み込むように折り返して塑性変形させて、蓋部材の平板部および筒状部に固定し、前記フランジ部に、該フランジ部と該筒状部との間に形成される閉空間を外気に連通させる少なくとも一の孔もしくは切欠きを設けてなるものである。
ここで好ましくは、筒状部材のフランジ部に、周縁立上がり筒部を設け、該周縁立上がり筒部を、蓋部材の平板部および筒状部にかしめ固定する。
なお好ましくは、前記筒状部材のフランジ部に、一対の孔もしくは切欠きを設ける。
また、この発明の、液封入式防振装置の製造方法は、一方の端部内周面に、コア部材の外周面を弾性部材によって液密に連結した、金属材料からなる筒状部材の他方の端部に、仕切部材と、剛性環状部材および、ダイヤフラムからなる蓋部材とのそれぞれを液体中で順次組み合わせて、該ダイヤフラムの内側に区画される空間内に液体を充満させた状態で、前記筒状部材の、蓋部材への連結部分に設けたフランジ部を、蓋部材の剛性環状部材に形成した筒状部を包み込むように折り返して塑性変形させて、前記剛性環状部材の、平板部および筒状部に固定し、しかる後、該筒状部と前記フランジ部との間に形成される空間を、該フランジ部に設けた少なくとも一の孔もしくは切欠きを介して加圧もしくは減圧して、該空間内に封入された液体を排出させるものである。
この発明の液封入式防振装置によれば、筒状部材のフランジ部に、そのフランジ部と、剛性環状部材に形成した筒状部との間に形成される閉空間を外気に連通させる少なくとも一の孔もしくは切欠きを設けたことから、部材の相互を連結させた後に、その孔もしくは切欠きを介して、たとえば加圧空気の導入等で、閉空間内を加圧することによって、閉空間内に残留した液体を効果的に押出し排除することができるので、残留液体の速やかにして確実な排水が実現されることになり、この結果として、製品としての防振装置の使用時の、その閉空間からの液体の漏出を十分に防止することができる。
あるいは、孔もしくは切欠きを介して、たとえば閉空間内を負圧雰囲気として、閉空間内を減圧することによって、この閉空間に残留した液体を、その孔もしくは切欠きから吸い出すことができるため、これによってもまた、装置の使用時の、閉空間からの液体の漏出を防止できる。
また、筒状部材のフランジ部がかしめ付けられる、剛性環状部材側ではなく、前記フランジ部側に、孔もしくは切欠きを設けたことにより、かしめ固定による、筒状部材と剛性部材、ひいては、蓋部材との相互連結に何の影響も及ぼすことなく、前記閉空間を外気に、確実に連通させることができるため、従来技術のような、両者の連結強度の安定性の問題、排水通路の閉塞の問題等が生じることがない。
ここで、筒状部材のフランジ部に、周縁立上がり筒部を設け、その周縁立上がり筒部を、剛性環状部材の平板部および筒状部にかしめ固定した場合は、筒状部材のフランジ部を単に平板状とした場合に比して、そのフランジ部の、塑性変形量を少なくすることができて、折返し作業が容易になるとともに、フランジ部への、クラック等の損傷の発生おそれを有効に取り除くことができる。
この一方で、フランジ部に設けた周縁立上がり筒部の存在の故に、装置の製造段階においては、各構成部材を液体中で組み合わせる際に、フランジ部と、剛性環状部材の筒状部との間に液体が残留し易くなるが、この残留があってなお、フランジ部に形成した孔もしくは切欠きの作用の下で、液体の十分なる排出を確実かつ迅速に行うことができる。
そしてまた、筒状部材のフランジ部に、二個一対の孔もしくは切欠きを設けたときは、剛性環状部材の筒状部とフランジ部との間に形成される閉空間内に残留した液体の排出に当って、たとえば一方の孔もしくは切欠きから加圧空気を導入して、他方の孔もしくは切欠きから液体を排出させることによって、あるいは、一方の孔もしくは切欠きを介して閉空間内を負圧雰囲気として、その一方の孔もしくは切欠きから液体を吸い出すことによって、閉空間内の液体の排水作業がより一層容易なものとなる。
また、この発明の、液封入式防振装置の製造方法によれば、筒状部材、仕切部材および蓋部材を液体中で組み合わせて、筒状部材を蓋部材にかしめ固定することによって、装置内部の空間内に、空気の混入のおそれなしに、液体を充満させることができる。
そして、このことによって、剛性環状部材の筒状部と、筒状部材のフランジ部との間に形成される空間への残留を余儀なくされる液体は、その筒状部とフランジ部との間の空間を、フランジ部に設けた少なくとも一の孔もしくは切欠きを介して加圧もしくは減圧することで、確実かつ迅速に、しかも十分に排出されるので、連結部分に形成される空間からの経時的な液体の漏出が生じない防振装置を製造することができる。
この発明の液封入式防振装置について示す、中心軸線を含む縦断面図である。 図1の防振装置を、連結前の状態について示す分解斜視図である。 図1の防振装置を、要部について示す部分拡大断面図である。 他の実施形態を、連結前の状態について示す分解斜視図である。 図1の防振装置について示す斜視図である。 図1の防振装置を、要部について示す部分拡大断面図である。 図1の防振装置について示す平面図である。 他の実施形態について示す斜視図である。 他の実施形態について示す斜視図である。 従来の防振装置を示す縦断面図である。 図10の防振装置を、要部について示す部分拡大断面図である。 先行技術の防振装置を、要部について示す部分拡大断面図および部分拡大平面図である。
以下に図面を参照しながら、この発明の液封入式防振装置の実施の形態について説明する。
図1に示す、液封入式防振装置の中心軸線を含む縦断面図において、液封入式防振装置1は、金属材料からなる筒状部材2と、仕切部材3と、ダイヤフラム4および剛性環状部材5により構成される蓋部材6と、内部に充填封入した、非圧縮性の所要の液体とを具えてなる。
ここで、筒状部材2の、一方の端部分の内周面を、図に示すところでは中空棒状のコア部材7の外周面に、弾性部材8で液密に連結するとともに、筒状部材2の、他方の端部を、蓋部材6によって液密に封止することにより、内部に密閉空間を形成し、この密閉空間を、非圧縮性の液体の充填封入によって流体室9とする。
またここでは、筒状部材2と蓋部材6との間に、仕切部材3を介装させて配置し、この仕切部材3で、流体室9を、コア部材7側に位置する主液室10と、ダイヤフラム4側に位置する副液室11とに区画する。ところでこの仕切部材3は、図に示すところでは、円盤状のメンブラン12および、メンブラン12の周縁を固着させた筒部分を内周側周縁に形成してなる環状の通路構成部材13により構成してなる。
ここにおいて、環状の通路構成部材13は、内周側周縁の筒部分を除き、縦断面形状が略倒立「U」字状をなす剛性環状部材5の開口側を塞いで剛性環状部材5と係合して、主液室10と副液室11との連通をもたらす制限通路14を区画する。
この制限通路14には、封入液体の、主液室10と副液室11との間の流動を許容すべく、図では剛性環状部材5の内周側側壁の一部を刳り貫いて、制限通路14と副液室11とを連通させる窓部15を設けるとともに、通路構成部材13側に、制限通路14と主液室10とを連通させる図示しない窓部を設ける。
なおここで、図示のこの防振装置1では、筒状部材2の、剛性環状部材5側の端部分に、それの外周側に広がる環状のフランジ部16を設ける一方で、略倒立「U」字状の縦断面形状を有する剛性環状部材5の外周側側壁の周縁に、環状の平板部17を形成するとともに、その平板部17の周縁に、筒状部材2側に向けて垂れ下がる筒状部18を形成したところにおいて、筒状部材2のフランジ部16を、剛性環状部材5の平板部17および筒状部18を包み込むように折り返して、これらの部材の相互を連結してなるものである。
そしてこのような連結の結果として、筒状部材2が、蓋部材6に強固に連結されることになる。
かかる構成を有する防振装置1は、コア部材7を、図示しない振動発生側もしくは振動伝達側のいずれか一方側、たとえば車体に積載されるエンジン側に、また、筒状部材2を他方側、たとえば車体側に、それぞれ取り付けることで、制限通路14内の液体の液柱共振、液体が制限通路14から受ける流動抵抗等の作用によって、エンジンで発生した振動を有効に減衰し、また、その振動の車体への伝達を効果的に防止することができる。
ここで、エンジンから、所定の周波数を上回る高周波数の振動が、装置1に入力されて、封入液体の粘性等に起因する、制限通路14のいわゆる目詰まり状態が生じた場合には、主液室10と副液室11との間の液体の流動による上記の振動減衰機能が発揮し得なくなるも、主液室10と副液室11との間に位置するメンブラン12が、それらの両液室内圧の増減に応じて振動することによって、装置1の動的ばね定数の増加を抑制することができる。
ところで、このような防振装置1を製造するにあたっては、ダイヤフラム4の内側に区画される空間内に、空気を混入させることなく、液体を完全に充満させるため、図2に、筒状部材2と蓋部材6との連結前の状態を分解斜視図で例示するように、筒状部材2の、蓋部材6側の端部に、仕切部材3および蓋部材6のそれぞれを、液体中で順次組み合わせた後に、それらを液体の外部へ取り出した状態で、図3に、筒状部材2と剛性環状部材5との連結部分を拡大縦断面図で示すように、筒状部材2のフランジ部16を、図の仮想線位置から実線位置へ、矢印で示す如く、剛性環状部材5の筒状部18を包み込むように折り返して、フランジ部16を塑性変形させ、フランジ部16のこの塑性変形をもって、平板部17および筒状部18に、フランジ部16を固定する。
なおここで、図3に示すように、縦断面内で測った、フランジ部16の折返し角度αが鋭角となるように、フランジ部16を、平板部17および筒状部18側に折り返して、これらにかしめ固定することにより、筒状部材2と、蓋部材6の剛性環状部材5とをより一層強固に連結することができる。
ここにおいて、筒状部材2、仕切部材3および蓋部材6を液体中で組み合わせるに先立って、図4に示すように、筒状部材2のフランジ部16に、それの周縁からほぼ直角に立ち上げてなる周縁立ち上がり筒部16Aを予め設けた場合には、それらの部材を液体中で組み合わせる際の、仕切部材3および蓋部材6の、筒状部材2に対する位置決め配置が容易となるとともに、事後的なかしめ固定による、筒状部材2のフランジ部16への損傷の発生のおそれを有利に取り除くことができる。
以上の工程を経て製造された防振装置1では、図3に示すように、筒状部18の内周側で、いずれも剛性材料からなる平板部17とフランジ部16との間に、図ではダイヤフラム4と一体に成形した、弾性材料からなるシール部19が、上述のかしめ固定によってそれらの剛性部材間で押し潰されて配設されており、これにより、そのシール部19のシール機能の下で、流体室9内に充満させた液体の、筒状部18の周縁とフランジ部16との接触部分からの外部への漏れ出しを十分に防止している。
なおここでは、シール部19を、蓋部材6のダイヤフラム4と一体に形成しているが、シール部19は、筒状部材2側のフランジ部16に固着させて設けることができる他、筒状部材2や蓋部材6とは別個のものとして、筒状部18の内周側であって、平板部17とフランジ部16との間に介装させることもできる。
ところで、上述したように、筒状部材2のフランジ部16を、剛性環状部材5の平板部17および筒状部18にかしめ固定すると、フランジ部16の折返し具合等が原因となって、図3に示すように、フランジ部16と筒状部18との間に閉空間20が形成されることになるが、これらの構成部材を、液体中で組み合わせた後にかしめ固定することから、フランジ部16の折返し部分に液体が残留した状態で、フランジ部16が、筒状部18を包み込むように折り返されることがあり、なかでもフランジ部16に図4に示すような周縁立ち上がり部16Aを予め形成した場合は、フランジ部16と筒状部18との間に隙間に液体がとくに残留し易くなって、閉空間20内に封入されることがある。
そして閉空間20内に封じ込められた残留液体は、防振装置1が製品として使用されるうちに、いずれも剛性材料からなるフランジ部16と平板部17との接触部分から、装置1の外部へ徐々に漏れ出すことがあり、このことが、流体室9内に封入した液体の漏出であるとの誤認を生じさせ、シール部材19によるシール機能に問題があるという誤解を招く要因となる場合があった。
そこで、閉空間20からの経時的な液体の漏出を防止すべく、この発明の液封入式防振装置1では、図5に斜視図で示すように、筒状部材2のフランジ部16に、閉空間20に残留した液体を外気に連通させる少なくとも一の、図では二個一対の孔21(他方の孔は図示しない)を形成する。この孔21は、図6に連結部分を拡大断面図で示すように、フランジ部16の、筒状部18との上方接触部から、それの下方接触部までの範囲内に、フランジ部16を貫通させて設ける。
フランジ部16を貫通する孔21を形成することによって、部材の相互連結の後に、この孔21を介して閉空間20内を加圧もしくは減圧することができ、それによって、閉空間20内に残留した液体を確実かつ迅速に排出できるので、上述したような、装置使用時の、閉空間20からの液体の、意図しない経時的な漏出を防止することができる。
つまり、図7に示すように、フランジ部16に二個一対の孔21を設けた場合には、一方の孔21aから、たとえば加圧空気を吹き込むことで、他方の孔21bから、閉空間20内に残留した液体を押し出して排出させることができ、あるいは、一方の孔21aを介して閉空間20内を負圧雰囲気にして、その孔21aから液体を吸い出して排出させることができるので、液体の排出作業を容易なものとしてなお、液体の、閉空間20からの排出が十分になされ、その結果として、閉空間20からの経時的な液体の漏出が防止されることになる。
ここにおいて、図7に平面図で示すように、一対の孔21a、bは、筒状部材2のフランジ部16で、直径方向に互いに対抗する向きに形成することが好ましい。このように一対の孔21a、bを形成することで、環状の閉空間20内の、孔21aから孔21bまでの範囲にわたって残留した液体を、効率良く、かつ十分に排出させることができる。
またここで、孔21の個数は二個に限定されるものではなく、一または三以上の孔21をフランジ部16に設けることもできる。
なお、一の孔21をフランジ部16に形成したときは、閉空間20内の残留液体を排出させる気体の流入出口の双方を確保するために、図8に示すように、幾分大きな孔21とすることが好ましい。すなわち、一の大きめの孔21を設けることで、その孔21内の、フランジ部16と筒状部18とで囲まれる隙間22aもしくは22bのいずれか一方から、たとえば、加圧空気を導入して、他方から残留液体を排出させることができる。
そしてまた、閉空間20に残留した液体を排出させるためには、フランジ部16に形成する孔21に替えて、図9に示すような切欠き23とすることもできるが、かしめ固定による、部材の相互連結に何の影響も及ぼさない点で、孔21のほうが好ましい。
以上の防振装置1において、孔21もしくは切欠き23は、筒状部材2と蓋部材6との連結前に、筒状部材2のフランジ部16に予め形成しておくことが好ましい。
1 液封入式防振装置
2 筒状部材
3 仕切部材
4 ダイヤフラム
5 剛性環状部材
6 蓋部材
7 コア部材
8 弾性部材
9 流体室
10 主液室
11 副液室
12 メンブラン
13 通路構成部材
14 制限通路
15 窓部
16 フランジ部
17 平板部
18 筒状部
19 シール部材
20 閉空間
21 孔
22a、22b 隙間
23 切欠き
α フランジ部の折返し角度

Claims (4)

  1. 振動発生側もしくは振動伝達側のいずれか一方側に連結されるコア部材と、他方側に連結した、金属材料からなる筒状部材と、該筒状部材を、一方の端部側で前記コア部材の外周面に液密に連結する弾性部材と、前記筒状部材の他方の端部側に液密に連結した、剛性環状部材および、剛性環状部材に固着させたダイヤフラムからなる蓋部材と、該ダイヤフラムの内側に区画される空間内に非圧縮性の液体を封入してなる流体室と、該流体室を前記コア部材側の主液室と前記ダイヤフラム側の副液室とに仕切る仕切部材とを具え、前記主液室および副液室の相互を制限通路で連通させてなる液封入式防振装置において、
    前記蓋部材の、仕切部材に隣接して制限通路を区画する剛性環状部材に、フランジ状の平板部および、平板部の周縁に位置する筒状部を形成するとともに、
    前記筒状部材の、蓋部材への連結部分に設けたフランジ部を、前記剛性環状部材の筒状部を包み込むように折り返して塑性変形させて、蓋部材の平板部および筒状部に固定し、前記フランジ部に、該フランジ部と該筒状部との間に形成される閉空間を外気に連通させる少なくとも一の孔もしくは切欠きを設けてなる液封入式防振装置。
  2. 筒状部材のフランジ部に、周縁立上がり筒部を設け、該周縁立上がり筒部を、蓋部材の平板部および筒状部に固定してなる請求項1に記載の液封入式防振装置。
  3. 前記筒状部材のフランジ部に、一対の孔もしくは切欠きを設けてなる請求項1に記載の液封入式防振装置。
  4. 一方の端部内周面に、コア部材の外周面を弾性部材によって液密に連結した、金属材料からなる筒状部材の他方の端部に、仕切部材と、剛性環状部材および、ダイヤフラムからなる蓋部材とのそれぞれを液体中で順次組み合わせて、該ダイヤフラムの内側に区画される空間内に液体を充満させた状態で、前記筒状部材の、蓋部材への連結部分に設けたフランジ部を、蓋部材の剛性環状部材に形成した筒状部を包み込むように折り返して塑性変形させて、前記剛性環状部材の、平板部および筒状部に固定し、しかる後、該筒状部と前記フランジ部との間に形成される空間を、該フランジ部に設けた少なくとも一の孔もしくは切欠きを介して加圧もしくは減圧して、該空間内に封入された液体を排出させる液封入式防振装置の製造方法。
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