JP2011093814A - 芳香族ニトロ化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ニトロ化剤として酸を用いることなく、芳香族化合物をニトロ化して対応する芳香族ニトロ化合物を製造する手段を提供する。
【解決手段】本発明の芳香族ニトロ化合物の製造方法は、土壌粒子からなる担体に担持されてなる芳香族化合物に、二酸化窒素を接触させて、芳香族ニトロ化合物を得る工程を含むことを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、芳香族ニトロ化合物の製造方法に関する。
芳香族ニトロ化合物は、多様な工業製品を製造する際の出発原料として有用であり、医薬、農薬その他の用途に広く用いられている。
芳香族ニトロ化合物の製造方法としては、硝酸を単独で、または硫酸と併用してニトロ化を行なうという手法(硝酸−硫酸法)が報告されている(非特許文献1を参照)。非特許文献1による報告は1834年のものであるが、現在でも工業的な芳香族ニトロ化合物の製造には、この硝酸−硫酸法が採用されている。
このように、硝酸−硫酸法は工業上、極めて広く採用されている一方で、多くの問題点をも抱えている。例えば、硝酸−硫酸法では強酸を大量に使用する。このため、硝酸−硫酸法を実施するには、耐酸設備が必要とされ、また、発熱反応を制御するための手間やコストがかかるという問題がある。
さらに、硝酸−硫酸法では廃酸や廃水といった廃棄物が大量に発生するが、これを処理するための設備が必要とされ、同様に手間およびコストがかかるという問題もある。
上述したような問題点を解決することを目的として、硝酸を用いない芳香族ニトロ化合物の合成法に関する研究も鋭意行なわれており、多数の報告がなされている。しかしながら、転化率(収率)等の観点からいまだ満足のいく手法が得られているとは言い難いのが現状である。
なお、非特許文献2には、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の金属酸化物にそれぞれ多環式芳香族化合物であるピレンを加え、これに二酸化窒素(NO)ガスを通気しながらキセノンランプを照射すると、1−ニトロピレン(1−NP)のほか、2−NPおよび4−NPが生成することが報告されている。ただし、非特許文献2における報告では、自然環境における有害物質としての芳香族ニトロ化合物の生成機構が検討されているにとどまり、芳香族ニトロ化合物の工業的な生産に向けた積極的な試みとしての報告がなされているわけではない。
Mitscherich,E. Annln.Phys.Chem,1834,31,625 杉山英俊、「土壌構成成分である金属酸化物中におけるピレンの塩素化およびニトロ化に関する研究」、神奈川県環境科学センター研究報告、第29号、p.72〜p.79、平成18年度版(2006)
そこで本発明は、ニトロ化剤として酸を用いることなく、芳香族化合物をニトロ化して対応する芳香族ニトロ化合物を製造する手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した背景技術における問題を解決すべく鋭意研究を行なった。その結果、驚くべきことに、芳香族化合物を土壌粒子に担持させ、これに二酸化窒素を接触させると、当該芳香族化合物のニトロ化が迅速かつ高収率で進行することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の芳香族ニトロ化合物の製造方法は、土壌粒子からなる担体に担持されてなる芳香族化合物に、二酸化窒素を接触させて、芳香族ニトロ化合物を得る工程を含むことを特徴とする。
本発明によれば、ニトロ化剤として酸を用いることなく、芳香族ニトロ化合物を製造することが可能となる。酸を用いる必要がないことから、従来の硝酸−硫酸法における上述したような問題の発生が効果的に防止されうる。
実施例1において担体として用いた土壌粒子の粒度分布(体積分布)を示すグラフである。 本発明における反応工程の実施に用いられる流通式反応装置の全体概略図である。 実施例1において、反応時間の経過に対する反応原料の残存量および生成物(ニトロ化ピレン)の生成量を調べた結果を示すグラフである。 比較例1において、反応時間の経過に対する反応原料の残存量および生成物(ニトロ化ピレン)の生成量を調べた結果を示すグラフである。 比較例2において、反応時間の経過に対する反応原料の残存量および生成物(ニトロ化ピレン)の生成量を調べた結果を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための具体的な形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲が下記の形態のみに限定されるわけではない。
本発明は、土壌粒子からなる担体に担持されてなる芳香族化合物に、二酸化窒素を接触させて、芳香族ニトロ化合物を得る工程(以下、当該工程を「反応工程」とも称する)を含むことを特徴とする、芳香族ニトロ化合物の製造方法である。このように、本発明の製造方法は、芳香族化合物が土壌粒子からなる担体に担持された状態で二酸化窒素によりニトロ化される。また、ニトロ化にはキセノンランプの照射を必須とはしない。これらの点で、本発明は、非特許文献2に記載の技術とは異なる。
本発明によれば、ニトロ化剤として酸を用いることなく、芳香族ニトロ化合物を製造することが可能となる。芳香族化合物の担体として土壌粒子を採用することによって芳香族ニトロ化合物の製造が可能となるメカニズムについては完全には明らかとはなっていないが、その置換基の配向性により、粒子表面で生成するNO イオンによる求電子反応によるものであると推定される。ただし、当該メカニズムはあくまでも推測にすぎず、実際には他のメカニズムによって本発明の効果が得られていたとしても、当該事実によって本発明の技術的範囲が影響を受けることはない。
以下、本発明について、原料、反応の具体的な形態を説明する。
[反応原料]
本発明の反応原料の1つは、芳香族化合物である。反応原料として用いられる芳香族化合物の具体的な形態について特に制限はなく、二酸化窒素(NO)をニトロ化剤として芳香族求電子置換反応によりニトロ化されうる部位を有する(換言すれば、ニトロ基(−NO)により置換可能な環水素原子を少なくとも1つ有する)芳香族化合物であれば、本発明の反応原料として用いられうる。
かような芳香族化合物としては、例えば、ベンゼン、チオフェン、ピロール、フラン、ピリジン等の単環式芳香族化合物;ナフタレン、アントラセン、ナフタセン、ペンタセン、インデン、アズレン、ヘプタレン、インダセン、アセナフチレン、フルオレン、フェナレン、フェナントレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ペリレン等の縮合多環式芳香族化合物;ビフェニル、ターフェニル等の環集合芳香族化合物;インドール、イソインドール、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、プリン、キサンテン、カルバゾール、アクリジン、フェナジン、フェナントロリン、ベンゾフラン、ジベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン等の縮合複素環芳香族化合物などが挙げられる。
反応原料として用いられる芳香族化合物は、芳香環を構成する炭素原子に結合した水素原子が、フッ素原子、ニトロ基、シアノ基、炭化水素基、炭化水素オキシ基、炭化水素二置換アミノ基、炭化水素メルカプト基、炭化水素カルボニル基、炭化水素オキシカルボニル基、炭化水素二置換アミノカルボニル基、炭化水素スルホニル基により置換されてもよい。この際、置換基としては、フッ素原子、ニトロ基、シアノ基、炭化水素基、炭化水素オキシ基、炭化水素二置換アミノ基、炭化水素メルカプト基、炭化水素カルボニル基、炭化水素オキシカルボニル基がより好ましく、フッ素原子、ニトロ基、シアノ基、炭化水素基、炭化水素オキシ基、炭化水素二置換アミノ基がさらに好ましい。また、芳香環を構成する窒素原子に結合した水素原子が、炭化水素基で置換されてもよい。さらに、このような炭素原子上の置換基および/または窒素原子上の置換基が2個以上存在する場合には、それらから選ばれる2個の置換基が結合して環を形成してもよい。
上述した炭化水素基、並びに前記炭化水素オキシ基、炭化水素二置換アミノ基、炭化水素メルカプト基、炭化水素カルボニル基、炭化水素オキシカルボニル基、炭化水素二置換アミノカルボニル基、および炭化水素スルホニル基に含まれる炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ノニル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ドコシル基等の炭素原子数1〜50程度のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロノニル基、シクロドデシル基、ノルボニル基、アダマンチル基等の炭素原子数3〜50程度の環状飽和炭化水素基;エテニル基、プロペニル基、3−ブテニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、2−ノネニル基、2−ドデセニル基等の炭素原子数2〜50程度のアルケニル基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−アダマンチルフェニル基、4−フェニルフェニル基等の炭素原子数6〜50程度のアリール基;フェニルメチル基、1−フェニレンエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニル−1−プロピル基、1−フェニル−2−プロピル基、2−フェニル−2−プロピル基、3−フェニル−1−プロピル基、4−フェニル−1−ブチル基、5−フェニル−1−ペンチル基、6−フェニル−1−ヘキシル基等の炭素原子数7〜50程度のアラルキル基等が挙げられ、好ましくは炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、より好ましくは炭素原子数1〜12の炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素原子数1〜8の炭化水素基である。
上述した炭化水素基、並びに上記炭化水素オキシ基等に含まれる炭化水素基は、ヒドロキシル基、フッ素基、ニトロ基、シアノ基等により置換されていてもよい。
なかでも、反応原料として好ましくは、縮合多環式芳香族化合物や環集合芳香族化合物といった多環式芳香族化合物であり、より好ましくは縮合多環式芳香族化合物であり、特に好ましくはピレンである。これらの芳香族化合物を原料として用いることで、その低い蒸気圧から土壌粒子に担持されやすいという利点がある。
[担体]
本発明では、上述した反応原料である芳香族化合物を、土壌粒子からなる担体に担持させる点に1つの特徴を有する。本明細書では、土壌粒子からなる担体に芳香族化合物が担持された「もの」を「芳香族化合物担持土壌粒子」とも称する。
芳香族化合物担持土壌粒子の入手経路について、特に制限はない。自ら調製したものを用いて後述する反応に用いてもよいし、仮に市販品が存在する場合には、当該市販品を購入したものを用いて後述する反応を行なってもよい。
まず、担体として、土壌粒子を準備する。ここで、「土壌粒子」とは、複数の金属酸化物を主成分とする粒子を意味する。したがって、本発明は、芳香族化合物を担持するための担体として、複数の金属酸化物を含む粒子を用いる点に特徴を有するともいえる。ここで、土壌粒子が「複数の金属酸化物を主成分とする」とは、土壌粒子の全量100質量%を基準として、当該土壌粒子に含まれる複数の金属酸化物の合計質量が、50%以上であることを意味する。当該合計質量は、好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは80質量%以上であり、特に好ましくは90質量%以上であり、最も好ましくは95質量%以上である。なお、本発明において用いられる土壌粒子は、天然由来の土壌粒子をそのまま、または適宜改変して用いたものであってもよいし、あるいは、市販品であってもよい。
土壌粒子を構成する金属酸化物の具体的な種類について特に制限はなく、いわゆる天然に存在する「土」を構成する金属酸化物のほか、従来公知の金属酸化物が同様に用いられうる。かような金属酸化物としては、例えば、二酸化ケイ素(SiO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化第二鉄(Fe)、酸化第一鉄(FeO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カリウム(KO)、酸化ナトリウム(NaO)、酸化チタン(TiO)、酸化マンガン(MnO)、二酸化マンガン(MnO)、酸化銅(II)(CuO)、酸化銅(I)(CuO)、酸化亜鉛(ZnO)などが挙げられる。ただし、これら以外の金属酸化物が含まれていても、もちろんよい。
土壌粒子の組成の好ましい形態としては、以下のような形態が挙げられる。
(1)SiOを必須に含む(好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、特に好ましくは50質量%以上、最も好ましくは55質量%以上含む)。
(2)SiOおよびCaOを必須に含む(これら2成分の合計量として、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上、最も好ましくは65質量%以上含む)。
(3)SiO、CaO、およびAlを必須に含む(これら3成分の合計量として、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、最も好ましくは75質量%以上含む)。
(4)SiO、CaO、Al、およびFeを必須に含む(これら4成分の合計量として、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは75質量%以上、最も好ましくは80質量%以上含む)。
(5)SiO、CaO、Al、Fe、およびMgOを必須に含む(これら5成分の合計量として、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、最も好ましくは85質量%以上含む)。
なお、土壌粒子は、金属酸化物粒子以外の成分を含んでいてもよい。かような金属酸化物粒子以外の成分としては、例えば、ドロマイト(MgCa(CO)や炭酸カルシウム(CaCO)等の炭酸塩のほか、Au等の貴金属の単体や、フミン酸等の有機物などが挙げられる。ただし、本発明における後述するニトロ化反応を十分に進行させるという観点からは、土壌粒子における金属酸化物粒子以外の成分の含有量は、土壌粒子の全量100質量%を基準として、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、さらに好ましくは3質量%以下であり、特に好ましくは1質量%以下であり、最も好ましくは0.5質量以下である。
土壌粒子の粒径について特に制限はない。土壌粒子の粒径の好ましい形態としては、体積平均径が、好ましくは2〜40μmであり、より好ましくは10〜30μmであり、さらに好ましくは15〜25μmである。なお、体積平均径は、メジアン径(累積中位径)とも称され、図1に示すような粒度分布(体積分布)から算出される値であり、体積基準で小粒径側から50%の粒子が累積した時点の粒子の有する粒径に相当する。
また、土壌粒子の比表面積についても特に制限はない。ただし、比表面積が小さすぎると芳香族化合物の分散担持が困難となる虞がある。したがって、かような観点から、土壌粒子の比表面積(BET比表面積)は、好ましくは1〜40m/gであり、より好ましくは10〜30m/gであり、さらに好ましくは15〜25m/gである。
なお、本願における土壌粒子の粒径やBET比表面積の値としては、後述する実施例の欄に記載の手法によって算出される値を採用するものとする。
上述したような所望の粒径を有する土壌粒子を選別することを目的として、一旦準備された担体としての土壌粒子に対して、粉砕・分級といった処理を施してもよい。かような粉砕・分級の具体的な手法について特に制限はなく、従来公知の知見が適宜参照されうる。例えば、未分級の土壌粒子から比較的粒径の大きい粒子(粗大粒子)を除去することを目的として、所定の粒径に対応する目開きを有する篩を用いて、土壌粒子を分級することができる(後述する実施例を参照)。
[芳香族化合物担持土壌粒子]
上述したように、芳香族化合物担持土壌粒子は、土壌粒子に芳香族化合物が「担持」されてなる構成を有する。ここで、本願において「担持」とは、土壌粒子の表面に芳香族化合物が物理化学的結合を介して結合している状態を意味する。
芳香族化合物担持土壌粒子における芳香族化合物の担持量について特に制限はなく、後述する反応工程において効果的に反応が進行しうるように、適宜調節されうる。一例を挙げると、芳香族化合物の担持量は、担体としての土壌粒子(未担持)1mgを基準として、好ましくは0.05〜10nmolであり、より好ましくは0.1〜5nmolであり、さらに好ましくは0.5〜3nmolであり、特に好ましくは0.8〜2nmolである。
参考までに、自ら土壌粒子に芳香族化合物を担持させる手法について、簡単に説明する。例えば、適当な溶媒に反応原料としての芳香族化合物を溶解させた溶液を調製し、これに担体としての土壌粒子を浸漬させる。そしてその後、浸漬に用いた溶媒を除去する。これにより、芳香族化合物担持土壌粒子を得ることができる。
この際に用いられる溶媒について特に制限はなく、用いられる芳香族化合物を溶解可能であって、最終的に除去することが容易であるものであればよい。かような溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、アセトン、ヘキサン、アセトニトリル、エタノールなどが挙げられる。これらの溶媒は1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。なお、これら以外の溶媒が用いられてもよいことはもちろんである。
調製される溶液における芳香族化合物の濃度や、当該溶液に浸漬される土壌粒子の使用量などの具体的な形態についても特に制限はなく、上述した好適な担持量が達成されうるように、従来公知の知見を適宜参照しつつ、調節されうる。
[反応工程]
反応工程では、上述した芳香族化合物担持土壌粒子に、他方の反応原料としての二酸化窒素(NO)を接触させる。これにより、本願発明における生成物(つまり、芳香族ニトロ化合物)が得られる。以下、反応工程の好ましい実施形態について、例示のための図面を参照しつつ、説明する。
図2は、本発明における反応工程の実施に用いられる流通式反応装置の全体概略図である。図2を参照すると、反応装置10は、反応チャンバ(流通式反応器)100を備える。この反応チャンバ100は、反応試料を載置するための試料台110を有している。また、反応装置10は、他方の反応原料である二酸化窒素(NO)を発生させるための標準ガス発生装置200を備える。この標準ガス発生装置200は、NOの発生源としてのパーミエーションチューブ210を有している。そして、パーミエーションチューブ210と反応チャンバ100とは連結されている。さらに、標準ガス発生装置200の上流には、当該標準ガス発生装置200へ空気を圧送するための純空気ボンベ300が接続されている。なお、純空気ボンベ300には、空気を圧送するためのポンプが付属している(図示せず)。一方、反応チャンバ100の下流には、反応チャンバ100から排出されるNO含有ガスを浄化する(すなわち、当該ガスからNOを除去する)ための浄化装置400が設置されている。図2に示す形態において、浄化装置400には活性炭が充填されている(図示せず)。
反応装置10を用いて反応工程を実施する際には、まず、反応チャンバ100の試料台110に、上記で準備した芳香族化合物担持土壌粒子を載置する。次いで、標準ガス発生装置200を起動し、パーミエーションチューブ210においてNOを発生させる。この際、NOを発生させる手法について特に制限はなく、例えば、一酸化窒素(NO)に分子状酸素(O)やオゾン(O)を反応させるという手法が用いられうる。一方、純空気ボンベ300から標準ガス発生装置200へと空気を圧送し、発生したNOを希釈する。かような希釈によって生成するNO含有空気を反応チャンバ100へと供給し、試料台110に保持されている芳香族化合物担持土壌粒子とNOとを接触させる。これにより、土壌粒子に担持された芳香族化合物のニトロ化が進行し、反応生成物である芳香族ニトロ化合物が生成する。なお、本実施形態においては、生成した反応生成物(芳香族ニトロ化合物)は土壌粒子に担持されたままとなる。
なお、参考までに、NOを発生させるためのパーミエーションチューブ法について簡単に説明する。「パーミエーションチューブ法」とは、液体状試料から揮発性ガスを発生させて標準ガスを得る方法として用いられている手法の1つである。具体的には、多孔性管壁を有する管(パーミエーションチューブ)の内部に液状試料を封入して一定温度の恒温槽内に配置し、その周囲に希釈用ガスを流通させる。これにより、チューブ内の気化ガスの浸透速度が一定となるため、一定流量の希釈ガスを通気することで目的とする濃度の標準ガスを得ることができる。かようなパーミエーションチューブ法によれば、恒温槽の温度を一定温度に維持するとともに希釈ガスの流量を制御すれば、液体試料の浸透速度を一定とすることができるため、容易に一定濃度の標準ガスを発生させることができるのである。ただし、本願発明において用いられる反応原料としての二酸化窒素(NO)の形態が、このパーミエーションチューブ法によって得られたもののみに限定されるわけではなく、従来公知の他の手法由来のものであっても、本願発明の範囲に包含されうる。
図2に示す反応装置10のような流通式反応装置を用いて反応を行なう場合、反応チャンバ100に供給されるNOの濃度や流量について、特に制限はない。一例を挙げると、反応チャンバ100に供給されるNOの濃度は、0.1〜10ppmv程度であり、好ましくは0.5〜5ppmvであり、より好ましくは1〜4ppmvである。
反応原料として用いられる芳香族化合物において、ニトロ化によりニトロ基が導入されうる部位が2つ以上存在する場合には、反応時間の経過に伴い、反応工程においてニトロ基が導入された芳香族化合物(「モノニトロ化物」と称する)にさらに1つのニトロ基が導入された化合物(「ジニトロ化物」と称する)や、場合によってはさらに2つのニトロ基が導入された化合物(「トリニトロ化物」と称する)もまた、生成しうる。これらのジ−、トリ−ニトロ化物もまた、本願発明の反応生成物である芳香族ニトロ化合物でありうる。このように反応工程において複数のニトロ基が導入された芳香族化合物を製造させたい場合には、通常、反応工程における反応時間を長めに設定すればよい(後述する実施例を参照)。
以上のように、反応工程における反応時間については、製造を希望する生成物の形態に応じて変動しうるため、一義的に決定することは困難である。ただし、一般的には、上述したモノニトロ化物(反応原料としての芳香族化合物がニトロ基を有している場合には、当該「モノニトロ化物」の有するニトロ基の数は2以上となる)を高収率で製造するための反応時間は、好ましくは0.5〜8時間程度であり、より好ましくは1〜6時間であり、さらに好ましくは1〜4時間であり、特に好ましくは1〜2時間である。また、上述したジニトロ化物(反応原料としての芳香族化合物がニトロ基を有している場合には、当該「ジニトロ化物」の有するニトロ基の数は3以上となる)を高収率で製造するための反応時間は、好ましくは4〜20時間程度であり、より好ましくは6〜15時間であり、さらに好ましくは8〜12時間であり、特に好ましくは10〜12時間である。
なお、本願発明によれば、反応工程は常温(25℃)でも進行しうる。よって、反応系を加熱したり冷却したりする必要がないという点でも利点がある。ただし、反応系の加熱や冷却を排除する趣旨ではなく、必要に応じて、反応系を加熱または冷却して、反応工程を実施してもよい。反応温度の一例としては、好ましくは0〜40℃であり、より好ましくは10〜35℃であり、さらに好ましくは20〜30℃である。ただし、これらの範囲を外れた温度条件下において反応工程が行われても、もちろんよい。
反応工程において生成した生成物(つまり、芳香族ニトロ化合物)は、従来公知の分離・精製手段によって、担体としての土壌粒子から分離・精製されうる。かような分離・精製の具体的な形態としては、例えば、超音波抽出法またはソックスレー抽出法によって生成物を土壌粒子から分離した後、カラムクロマトグラフィーにより精製を行なうという手法が例示されうる。
以上、図2に示す形態の反応装置を用いて本発明を実施する際の具体的な形態について詳細に説明したが、これ以外の形態の従来公知の流通式反応装置が用いられてももちろんよい。また、可能であれば、流通式反応装置以外の装置(例えば、バッチ式反応装置)を用いて本発明が実施されてもよい。
本発明の製造方法により製造される芳香族ニトロ化合物は、医薬、農薬、染料、繊維、プラスチック類など広範な有機工業製品の製造における出発原料として有用である。
以下、実施例および比較例により本発明の効果をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は下記の実施例のみには限定されない。なお、以下の実施例および比較例はすべて、常温(25℃)において行なった。
<実施例1>
まず、担体として、土壌粒子を準備した。この土壌粒子は中国・敦煌市の砂漠地帯から採取することによって入手したものであり、下記の表1に示す組成を有する。なお、この組成分析は、蛍光X線分析装置(サイマルティックス12、理学電機工業株式会社製)を用い、JIS R2216(ガラスビード法による蛍光X線分析法)に準拠して行なった。
また、この土壌粒子の粒度分布(体積分布)を図1に示す。この土壌粒子の体積平均径(累積中位径(メジアン径))は20.90μmであった。また、この土壌粒子のBET比表面積は、18.159m/gであった。ここで、上述した粒径分布の取得やこれに基づく体積平均径の測定は、精密粒度分布測定装置(Multisizer 4、ベックマン・コールター株式会社製)を用いたコールター法(電気的検知帯法)により行なった。また、BET比表面積の測定は、比表面積細孔分布測定装置(SA3100、ベックマン・コールター株式会社製)を用いた定容量式ガス吸着法により行なった。
上記で準備した土壌粒子について、篩別によって38μmを超える粒径の粒子を除去した。
一方、ジクロロメタン10mLに、反応原料としての芳香族化合物であるピレン(Py)を20μMの濃度で溶解させて、Py−ジクロロメタン溶液を調製した。
粗大粒子除去後の土壌粒子200mgを、上記で調製した20μM Py−ジクロロメタン溶液10mLに浸漬させ、窒素気流下でジクロロメタンを留去した。これにより、土壌粒子にピレンを担持させて、ピレン担持土壌粒子を得た。
上記で得たピレン担持土壌粒子10mg(ピレン10nmol相当)を、図2に示す反応装置の反応チャンバ中に配置し、標準ガス発生装置(パーミエーター PD−1B−2、株式会社ガステック製)内に設置されたパーミエーションチューブで発生した二酸化窒素(NO)を、一定流量(3ppmv、Airバランス)で反応チャンバに流通させた。なお、NOの流通は、25℃にて12時間行なった。また、反応チャンバから排出された排気については、活性炭により浄化し、大気中へ排出した。
NOの流通開始から1、2、4、6、8、10、および12時間後の反応サンプルについて、GC/MS法により、反応原料の残存量および生成物(ニトロ化ピレン)の生成量を調べた。その結果を図3に示す。
図3に示すように、本実施例においては、NOの流通開始後わずか1時間で90%以上のPyが反応し、Pyの減少に対応する量の1−ニトロピレン(1−NP)が生成した。また、反応初期に生成した1−NPも新たな反応原料として機能し、反応時間の経過に伴ってさらにニトロ化され、例えば、反応時間6時間以降には、Pyのジニトロ体の1つである1,6−DNPの生成が確認された。なお、図3において、左側の縦軸は残存Pyの相対濃度および生成1−NPの相対濃度を表し、右側の縦軸は生成1,6−DNPの相対濃度を表す。よって、図3のグラフでは見かけ上、1,6−DNPの相対濃度を示す曲線が、1−NPの相対濃度を示す曲線の上側に位置する箇所も存在するが、双方の縦軸のスケールからもわかるように、反応開始後少なくとも12時間までの時点では、常に1−NPの濃度が1,6−DNPの濃度を上回っている。
<比較例1>
担体として、土壌粒子に代えてシリカ粒子(体積平均径(累積中位径(メジアン径))10.1μm、BET比表面積0.695m/g、関東化学株式会社製)を用いたこと以外は、上述した実施例1と同様の手法により、Pyのニトロ化を行ない、上記と同様に反応原料の残存量および生成物(ニトロ化ピレン)の生成量を調べた。その結果を図4に示す。
図4に示すように、本比較例においては、ニトロ化反応がほとんど進行せず、NOの流通開始後12時間後であっても、Pyの転化率は30%程度であった。
<比較例2>
担体として、土壌粒子に代えてグラファイト粒子(体積平均径(累積中位径(メジアン径))11.2μm、BET比表面積19.569m/g、関東化学株式会社製)を用いたこと以外は、上述した実施例1と同様の手法により、Pyのニトロ化を行ない、上記と同様に反応原料の残存量および生成物(ニトロ化ピレン)の生成量を調べた。その結果を図5に示す。
図5に示すように、本比較例においても、ニトロ化反応がほとんど進行せず、NOの流通開始後12時間後であっても、Pyの転化率は50%程度であった。
上述した実施例1および比較例1〜2に示す結果から、本願発明によれば、芳香族化合物をニトロ化する際の担体として土壌粒子を採用することで、迅速かつ高収率での反応の進行が達成されうることがわかる。
なお、実施例1においては、反応原料である芳香族化合物としてピレンを用い、土壌粒子として特定組成のものを用いた。ただし、本発明の技術的思想および本発明において反応が進行するメカニズムに鑑みれば、他の芳香族化合物を反応原料として用いた場合であっても、あるいは、実施例1において用いた土壌粒子以外の土壌粒子を用いた場合であっても、同様にニトロ化反応が進行しうることは明らかである。
10 反応装置、
100 反応チャンバ、
110 試料台、
200 標準ガス発生装置、
210 パーミエーションチューブ、
300 純空気ボンベ、
400 浄化装置。

Claims (9)

  1. 土壌粒子からなる担体に担持されてなる芳香族化合物に、二酸化窒素を接触させて、芳香族ニトロ化合物を得る工程を含むことを特徴とする、芳香族ニトロ化合物の製造方法。
  2. 前記芳香族化合物の担持量が、前記土壌粒子(未担持)1mgを基準として、0.05〜10nmolである、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記芳香族化合物が多環式芳香族化合物である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記芳香族化合物がピレンである、請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記土壌粒子が、SiO、CaO、Al、Fe、およびMgOを必須に含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記土壌粒子が、中国・敦煌市の砂漠地帯産の土壌由来のものである、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記土壌粒子の体積平均径が2〜40μmである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 芳香族化合物と二酸化窒素との接触は、前記芳香族化合物が担持された前記担体を収容する流通式反応器に二酸化窒素を流通させることにより行なわれる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 流通させる前記二酸化窒素の濃度が0.1〜10ppmvである、請求項8に記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002503716A (ja) * 1998-02-18 2002-02-05 ビードテック インコーポレイテッド 非酸系ニトロ化工程による芳香族化合物のニトロ化方法

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