JP2011093304A - 液体噴射装置および液体噴射型印刷装置 - Google Patents

液体噴射装置および液体噴射型印刷装置 Download PDF

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Abstract

【課題】デジタル電力増幅器への電源電圧を適正に制御することにより効率を向上することが可能な液体噴射装置を提供する。
【解決手段】駆動波形信号WCOMを変調回路26でパルス変調し、その変調信号PWMをデジタル電力増幅回路28で電力増幅し、その電力増幅変調信号を平滑フィルタ29で平滑化してアクチュエータ22の駆動信号COMとする際に、可変電源回路39によるデジタル電力増幅回路28への電源電圧VDDを駆動パルスPCOM毎に変更制御する。また、電源電圧VDDの変更前にデジタル電力増幅回路28の動作を停止し、且つ当該電源電圧VDDの変更後にデジタル電力増幅回路28の動作を再開することにより、電源電圧VDDの変更中の駆動信号COM(駆動パルスPCOM)の電圧変動を回避する。
【選択図】図10

Description

本発明は、アクチュエータに駆動信号を印加して液体を噴射する液体噴射装置に関し、例えば微小な液体を液体噴射ヘッドのノズルから噴射して、微粒子(ドット)を印刷媒体上に形成することにより、所定の文字や画像等を印刷するようにした液体噴射型印刷装置に好適なものである。
液体噴射型印刷装置では、液体噴射ヘッドのノズルから液体を噴射するために、圧電素子などのアクチュエータが設けられ、このアクチュエータに所定の駆動信号を印加しなければならない。そこで、圧電素子を駆動するために必要な電力を供給するために電力増幅回路で電力増幅を行う。下記特許文献1では、アナログ電力増幅器に比べて、電力損失が極めて小さく、小型化が可能なデジタル電力増幅回路を用い、駆動波形信号を変調回路でパルス変調して変調信号とし、その変調信号をデジタル電力増幅回路で電力増幅して電力増幅変調信号とし、その電力増幅変調信号を平滑フィルタで平滑化して、駆動信号としている。
特開2007−168172号公報
ところで、デジタル電力増幅器への変調信号は、例えばパルス幅変調信号を用いる。このとき、出力電圧は、デジタル電力増幅器の電源電圧にパルス幅変調のデューティ比を乗じた値となる。つまり、電源電圧によってパルス幅変調のデューティ比を制御すれば、任意の出力電圧を得られる。しかし、駆動信号出力回路としての効率を考えた場合、デジタル電力増幅器への電源電圧は、出力電圧を確保できる範囲で低いことが望ましい。前記特許文献1に記載される液体噴射装置では、この電源電圧について改善の余地がある。
本発明は、これらの諸問題に着目して開発されたものであり、デジタル電力増幅器への電源電圧を適正に制御することにより効率を向上することが可能な液体噴射装置および液体噴射装置を用いた液体噴射型印刷装置を提供することを目的とするものである。
上記諸問題を解決するため、本発明の液体噴射装置は、アクチュエータの駆動信号の基準となる駆動波形信号をパルス変調して変調信号とする変調回路と、前記変調信号を電力増幅して電力増幅変調信号とするデジタル電力増幅回路と、前記電力増幅変調信号を平滑化して前記駆動信号とする平滑フィルタと、前記デジタル電力増幅回路の電源電圧を変更可能な可変電源回路と、前記電源電圧を、前記アクチュエータの駆動信号を構成し且つ単独でアクチュエータを駆動することが可能な駆動パルス単位で変更制御する電源電圧制御部と備えたことを特徴とするものである。
この液体噴射装置によれば、デジタル電力増幅回路の電源電圧を駆動パルス単位で変更制御することにより、駆動パルスの電圧振幅に応じた最適な電源電圧でデジタル電力増幅回路を駆動することが可能となり、効率が向上する。
また、前記電源電圧制御部は、前記電源電圧の変更前に前記デジタル電力増幅回路の動作を停止させ、且つ当該電源電圧の変更後に前記デジタル電力増幅回路を動作させることを特徴とするものである。
この液体噴射装置によれば、電源電圧変更中の駆動信号の電圧変動を回避することができる。
また、前記デジタル電力増幅回路はスイッチング素子を備え、前記電源電圧制御部は、前記デジタル電力増幅回路のスイッチング素子をオフとすることによって、前記デジタル電力増幅回路の動作を停止させることを特徴とするものである。
この液体噴射装置によれば、デジタル電力増幅回路のスイッチング素子をハイインピーダンス状態とすることができ、これにより容量性負荷であるアクチュエータの充放電を抑制することができる。
また、前記駆動信号は、前記駆動パルスを時系列に連結して構成され、前記電源電圧制御部は、前記電源電圧を駆動パルスの連結部で変更することを特徴とするものである。
この液体噴射装置によれば、アクチュエータを駆動する駆動パルスの電圧変動を回避することができる。
また、前記電源電圧制御部は、前記電源電圧を、1つの駆動パルスを構成する高電圧部と低電圧部とで変更することを特徴とするものである。
この液体噴射装置によれば、デジタル電力増幅回路の電源電圧をより一層細かく変更制御して効率を向上することができる。
また、前記高電圧部と低電圧部との閾値を、電圧が変化しない中間電圧とすることを特徴とするものである。
この液体噴射装置によれば、アクチュエータを駆動する駆動パルスの電圧変動を抑制防止することができる。
また、前記電源電圧制御部は、前記可変電源回路によるデジタル電力増幅回路の電源電圧を、前記変調信号がローレベルであるときに変更することを特徴とするものである。
この液体噴射装置によれば、変調信号がローレベルであるときにはデジタル電力増幅回路の出力電圧は電源電圧の変化の影響を受けないので、アクチュエータを駆動する駆動パルスの電圧変動を回避することができる。
また、前記電源電圧制御部は、当該液体噴射装置の個体差に応じて前記可変電源回路によるデジタル電力増幅回路の電源電圧を変更することを特徴とするものである。
この液体噴射装置によれば、アクチュエータを駆動する駆動パルスの電圧を高精度に制御することが可能となる。
また、前記電源電圧制御部は、温度に応じて前記可変電源回路によるデジタル電力増幅回路の電源電圧を変更することを特徴とするものである。
この液体噴射装置によれば、アクチュエータを駆動する駆動パルスの電圧を高精度に制御することが可能となる。
また、本発明の液体噴射型印刷装置は、前記液体噴射装置を備えたことを特徴とするものである。
本発明の液体噴射装置を用いた液体噴射型印刷装置の第1実施形態を示す概略構成正面図である。 図1の液体噴射型印刷装置に用いられる液体噴射ヘッド近傍の平面図である。 図1の液体噴射型印刷装置の制御装置のブロック図である。 各液体噴射ヘッド内のアクチュエータを駆動する駆動信号の説明図である。 スイッチングコントローラのブロック図である。 アクチュエータの駆動回路のブロック図である。 図6の可変電源回路のブロック図である。 図6の電源電圧制御部で行われる演算処理のフローチャートである。 図8の演算処理による駆動信号の波形図である。 本発明の液体噴射装置を用いた液体噴射型印刷装置で行われる電源電圧制御のための演算処理のフローチャートである。 図10の演算処理で行われるサブルーチンのフローチャートである。 図11の演算処理で用いられる補正値のテーブルである。 図10の演算処理による駆動信号の波形図である。 図10の演算処理による作用の説明図である。
次に、本発明の液体噴射装置の第1実施形態として、液体噴射型印刷装置に適用されたものについて説明する。
図1は、第1実施形態の液体噴射型印刷装置の概略構成図であり、図において、印刷媒体1は、図の左から右に向けて矢印方向に搬送され、その搬送途中の印刷領域で印刷される、ラインヘッド型印刷装置(液体噴射型印刷装置に相当)である。
図1中の符号2は、印刷媒体1の搬送ライン上方に設けられた複数の液体噴射ヘッドであり、印刷媒体搬送方向に2列になるように且つ印刷媒体搬送方向と交差する方向に並べて配設されて、夫々、ヘッド固定プレート11に固定されている。各液体噴射ヘッド2(液体噴射装置に相当)の最下面には、多数のノズルが形成されており、この面がノズル面と呼ばれている。ノズルは、図2に示すように、噴射する液体の色毎に、印刷媒体搬送方向と交差する方向に列状に配設されており、その列をノズル列と呼んだり、その列方向をノズル列方向と呼んだりする。そして、印刷媒体搬送方向と交差する方向に配設された全ての液体噴射ヘッド2のノズル列によって、印刷媒体1の搬送方向と交差する方向の幅全長に及ぶラインヘッドが形成されている。印刷媒体1は、これらの液体噴射ヘッド2のノズル面の下方を通過するときに、ノズル面に形成されている多数のノズルから液体が噴射され、印刷が行われる。
液体噴射ヘッド2には、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のインクなどの液体が、図示しない液体タンクから液体供給チューブを介して供給される。そして、液体噴射ヘッド2に形成されているノズルから同時に必要箇所に必要量の液体を噴射することにより、印刷媒体1上に微小なドットを形成する。これを各色毎に行うことにより、搬送部4で搬送される印刷媒体1を一度通過させるだけで、1パスによる印刷を行うことができる。
液体噴射ヘッド2のノズルから液体を噴射する方法としては、静電方式、ピエゾ方式、膜沸騰液体噴射方式などがあり、第1実施形態ではピエゾ方式を用いた。ピエゾ方式は、アクチュエータである圧電素子に駆動信号を与えると、キャビティ内の振動板が変位してキャビティ内に圧力変化を生じ、その圧力変化によって液体がノズルから噴射されるというものである。そして、駆動信号の波高値や電圧増減傾きを調整することで液体の噴射量を調整することが可能となる。なお、本発明は、ピエゾ方式以外の液体噴射方法にも、同様に適用可能である。
液体噴射ヘッド2の下方には、印刷媒体1を搬送方向に搬送するための搬送部4が設けられている。搬送部4は、駆動ローラ8及び従動ローラ9に搬送ベルト6を巻回して構成され、駆動ローラ8には図示しない電動モータが接続されている。また、搬送ベルト6の内側には、当該搬送ベルト6の表面に印刷媒体1を吸着するための図示しない吸着装置が設けられている。この吸着装置には、例えば負圧によって印刷媒体1を搬送ベルト6に吸着する空気吸引装置や、静電気力で印刷媒体1を搬送ベルト6に吸着する静電吸着装置などが用いられる。従って、給紙ローラ5によって給紙部3から印刷媒体1を一枚だけ搬送ベルト6上に送給し、電動モータによって駆動ローラ8を回転駆動すると、搬送ベルト6が印刷媒体搬送方向に回転され、吸着装置によって搬送ベルト6に印刷媒体1が吸着されて搬送される。この印刷媒体1の搬送中に、液体噴射ヘッド2から液体を噴射して印刷を行う。印刷の終了した印刷媒体1は、搬送方向下流側の排紙部10に排紙される。なお、前記搬送ベルト6には、例えばリニアエンコーダなどで構成される印刷基準信号出力装置が取付けられている。この印刷基準信号出力装置は、搬送ベルト6とそれに吸着されて搬送される印刷媒体1とが同期して移動されることに着目し、印刷媒体1が搬送経路中の所定位置を通過した後は、搬送ベルト6の移動に伴って要求される印刷解像度相当のパルス信号を出力し、このパルス信号に応じて、後述する駆動回路から駆動信号をアクチュエータに出力することで印刷媒体1上の所定位置に所定の色の液体を噴射し、そのドットによって印刷媒体1上に所定の画像を描画する。
第1実施形態の液体噴射装置を用いた液体噴射型印刷装置内には、液体噴射型印刷装置を制御するための制御装置が設けられている。この制御装置は、図3に示すように、ホストコンピュータ60から入力された印刷データ読込むための入力インタフェース61と、この入力インタフェース61から入力された印刷データに基づいて印刷処理等の演算処理を実行するマイクロコンピュータで構成される制御部62と、前記給紙ローラ5に接続されている給紙ローラモータ17を駆動制御する給紙ローラモータドライバ63と、液体噴射ヘッド2を駆動制御するヘッドドライバ65と、前記駆動ローラ8に接続されている電動モータ7を駆動制御する電動モータドライバ66と、給紙ローラドライバ63、ヘッドドライバ65、電動モータドライバ66と給紙ローラモータ17、液体噴射ヘッド2、電動モータ7とを接続するインタフェース67とを備えて構成される。
制御部62は、印刷処理等の各種処理を実行するCPU(Central Processing Unit)62aと、入力インタフェース61を介して入力された印刷データ或いは当該印刷データ印刷処理等を実行する際の各種データを一時的に格納し、或いは印刷処理等のプログラムを一時的に展開するRAM(Random Access Memory)62cと、CPU62aで実行する制御プログラム等を格納する不揮発性半導体メモリで構成されるROM(Read-Only Memory)62dを備えている。この制御部62は、入力インタフェース61を介してホストコンピュータ60から印刷データ(画像データ)を入手すると、CPU62aが、この印刷データに所定の処理を実行して、何れのノズルから液体を噴射するか或いはどの程度の液体を噴射するかというノズル選択データ(駆動パルス選択データ)を算出し、この印刷データや駆動パルス選択データ及び各種センサからの入力データに基づいて、給紙ローラモータドライバ63、ヘッドドライバ65、電動モータドライバ66に駆動信号及び制御信号を出力する。これらの駆動信号及び制御信号により、給紙ローラモータ17、電動モータ7、液体噴射ヘッド2内のアクチュエータ22などが夫々作動して、印刷媒体1の給紙及び搬送及び排紙、並びに印刷媒体1への印刷処理が実行される。なお、制御部62内の各構成要素は、図示しないバスを介して電気的に接続されている。
図4には、第1実施形態の液体噴射装置を用いた液体噴射型印刷装置の制御装置から液体噴射ヘッド2に供給され、圧電素子からなるアクチュエータ22を駆動するための駆動信号COMの一例を示す。第1実施形態では、中間電圧を中心に電圧が変化する信号とした。この駆動信号COMは、アクチュエータ22を駆動して液体を噴射する単位駆動信号としての駆動パルスPCOMを時系列的に接続したものであり、駆動パルスPCOMの立上がり部分がノズルに連通するキャビティ(圧力室)の容積を拡大して液体を引込む(液体の噴射面を考えればメニスカスを引き込むとも言える)段階であり、駆動パルスPCOMの立下がり部分がキャビティの容積を縮小して液体を押出す(液体の噴射面を考えればメニスカスを押出すとも言える)段階であり、液体を押出した結果、液体がノズルから噴射される。
この電圧台形波からなる駆動パルスPCOMの電圧増減傾きや波高値を種々に変更することにより、液体の引込量や引込速度、液体の押出量や押出速度を変化させることができ、これにより液体の噴射量を変化させて異なる大きさのドットを得ることができる。従って、複数の駆動パルスPCOMを時系列的に連結する場合でも、そのうちから単独の駆動パルスPCOMを選択してアクチュエータ22に供給し、液体を噴射したり、複数の駆動パルスPCOMを選択してアクチュエータ22に供給し、液体を複数回噴射したりすることで種々の大きさのドットを得ることができる。即ち、液体が乾かないうちに複数の液体を同じ位置に着弾すると、実質的に大きな液体を噴射するのと同じことになり、ドットの大きさを大きくすることができるのである。このような技術の組合せによって多階調化を図ることが可能となる。なお、図4の左端の駆動パルスPCOM1は、液体を噴射していない。これは、微振動と呼ばれ、ノズルの増粘を抑制防止するのに用いられる。
液体噴射ヘッド2には、前記駆動信号COMの他、前記図3の制御装置から制御信号として、印刷データに基づいて噴射するノズルを選択すると共に圧電素子などのアクチュエータ22の駆動信号COMへの接続タイミングを決定する駆動パルス選択データSI&SP、全ノズルにノズル選択データが入力された後、駆動パルス選択データSI&SPに基づいて駆動信号COMと液体噴射ヘッド2のアクチュエータ22とを接続させるラッチ信号LAT及びチャンネル信号CH、駆動パルス選択データSI&SPをシリアル信号として液体噴射ヘッド2に送信するためのクロック信号SCKが入力されている。なお、これ以後、アクチュエータ22を駆動する駆動信号の最小単位を駆動パルスPCOMとし、駆動パルスPCOMが時系列的に連結された信号全体を駆動信号COMと記す。即ち、ラッチ信号LATで一連の駆動信号COMが出力され始め、チャンネル信号CH毎に駆動パルスPCOMが出力されることになる。また、駆動パルス選択データSI&SPのうち、SIは、前述した駆動パルスPCOMのうち、どの駆動パルスPCOMを選択するかを示す2bitの駆動パルス選択特定データであり、SPは、選択された駆動パルスPCOMのタイミングに合わせて後述の選択スイッチをオン・オフ制御するための16bitの選択スイッチ制御データである。
図5には、駆動信号COM(駆動パルスPCOM)をアクチュエータ22に供給するために液体噴射ヘッド2内に構築されたスイッチングコントローラの具体的な構成を示す。このスイッチングコントローラは、液体を噴射させるノズルに対応した圧電素子などのアクチュエータ22を指定するための駆動パルス選択データSI&SPを保存するシフトレジスタ211と、シフトレジスタ211のデータを一時的に保存するラッチ回路212と、ラッチ回路212の出力をレベル変換して選択スイッチ201に供給することにより、駆動信号COMをピエゾ素子などのアクチュエータ22に接続するレベルシフタ213を備えて構成されている。
シフトレジスタ211には、駆動パルス選択データSI&SPが順次入力されると共に、クロック信号SCKの入力パルスに応じて記憶領域が初段から順次後段にシフトする。ラッチ回路212は、ノズル数分の駆動パルス選択データSI&SPがシフトレジスタ211に格納された後、入力されるラッチ信号LATによってシフトレジスタ211の各出力信号をラッチする。ラッチ回路212に保存された信号は、レベルシフタ213によって次段の選択スイッチ201をオン・オフできる電圧レベルに変換される。これは、駆動信号COMが、ラッチ回路212の出力電圧に比べて高い電圧であり、これに合わせて選択スイッチ201の動作電圧範囲も高く設定されているためである。従って、レベルシフタ213によって選択スイッチ201が閉じられる圧電素子などのアクチュエータ22は駆動パルス選択データSI&SPの接続タイミングで駆動信号COM(駆動パルスPCOM)に接続される。また、シフトレジスタ211の駆動パルス選択データSI&SPがラッチ回路212に保存された後、次の印刷情報をシフトレジスタ211に入力し、液体の噴射タイミングに合わせてラッチ回路212の保存データを順次更新する。なお、図中の符号HGNDは、圧電素子などのアクチュエータ22のグランド端である。また、この選択スイッチ201により、圧電素子などのアクチュエータ22を駆動信号COM(駆動パルスPCOM)から切り離した後も、当該アクチュエータ22の入力電圧は、切り離す直前の電圧に維持される。
図6には、アクチュエータ22の駆動回路を示す。このアクチュエータ駆動回路は、前記制御回路内の制御部62及びヘッドドライバ65内に構築されている。第1実施形態の駆動回路は、予め記憶されている駆動波形データDWCOMに基づいて、駆動信号COM(駆動パルスPCOM)の元、つまりアクチュエータ22の駆動を制御する信号の基準となる駆動波形信号WCOMを生成する駆動波形信号発生回路25と、駆動波形信号発生回路25で生成された駆動波形信号WCOMをパルス変調する変調回路26と、変調回路26でパルス変調された変調信号を電力増幅するデジタル電力増幅回路28と、デジタル電力増幅回路28で電力増幅された電力増幅変調信号を平滑化して、駆動信号COM(駆動パルスPCOM)として液体噴射ヘッド2に供給する平滑フィルタ29とを備えて構成され、この駆動信号COM(駆動パルスPCOM)が前記選択スイッチ201からアクチュエータ22に供給される。
このアクチュエータ駆動回路は、駆動回路全体を制御すると共に電源電圧を制御する電源電圧制御部32を備える。この電源電圧制御部32は、後述する波形メモリから読込んだ波形データを電圧信号に変換して所定サンプリング周期分のホールド動作やその波形データの補正、或いは可変電源回路による電源電圧の制御、ゲートドライブ回路への動作停止信号出力などの演算処理を行う。そのため、電源電圧制御部32は、前記制御部62内に構築してもよい。
駆動波形信号発生回路25は、デジタル電圧データなどで構成される駆動波形信号の波形データを記憶する波形メモリ31と、前記電源電圧制御部32から出力された波形データ相当の電圧信号をアナログ変換して駆動波形信号WCOMとして出力するD/Aコンバータ(図ではDAC)33を備えて構成される。なお、前記動作停止信号/Disableがローレベルであるときにデジタル電力増幅回路28の動作を停止するものとする。
変調回路26には、周知のパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)回路を用いた。そのため、この変調回路26は、三角波信号を出力する三角波発生器34と、前記D/Aコンバータ33から出力された駆動波形信号WCOMと三角波発生器34から出力された三角波信号とを比較し、駆動波形信号WCOMが三角波信号より大きいときにオンデューティとなるパルスデューティの変調信号を出力する。なお、変調回路26には、この他にパルス密度変調(PDM)回路などの周知のパルス変調回路を用いることができる。
デジタル電力増幅回路28は、実質的に電力を増幅するためのハイサイド側スイッチング素子Q1及びローサイド側スイッチング素子Q2からなるハーフブリッジ出力段21と、変調回路26からの変調信号に基づいて、ハイサイド側スイッチング素子Q1、ローサイド側スイッチング素子Q2のゲート−ソース間信号GH、GLを調整するためのゲートドライブ回路30とを備えて構成されている。デジタル電力増幅回路28では、変調信号がハイレベルであるとき、ハイサイド側スイッチング素子Q1のゲート−ソース間信号GHはハイレベルとなり、ローサイド側スイッチング素子Q2のゲート−ソース間信号GLはローレベルとなるので、ハイサイド側スイッチング素子Q1はオン状態となり、ローサイド側スイッチング素子Q2はオフ状態となり、その結果、ハーフブリッジ出力段21の出力電圧Vaは、電源電圧VDDとなる。一方、変調信号がローレベルであるとき、ハイサイド側スイッチング素子Q1のゲート−ソース間信号GHはローレベルとなり、ローサイド側スイッチング素子Q2のゲート−ソース間信号GLはハイレベルとなるので、ハイサイド側スイッチング素子Q1はオフ状態となり、ローサイド側スイッチング素子Q2はオン状態となり、その結果、ハーフブリッジ出力段21の出力電圧Vaは0となる。
このようにハイサイド側スイッチング素子Q1及びローサイド側スイッチング素子Q2がデジタル駆動される場合には、オン状態のスイッチング素子に電流が流れるが、ドレイン−ソース間の抵抗値は非常に小さく、損失は殆ど発生しない。また、オフ状態のスイッチング素子には電流が流れないので損失は発生しない。従って、このデジタル電力増幅回路28の損失そのものは極めて小さく、小型のMOSFET等のスイッチング素子を使用することができる。
なお、前記電源電圧制御部32から出力される動作停止信号/Disableがローレベルにあるときには、下記表1の真理値表にも示すように、ゲートドライブ回路30はハイサイド側スイッチング素子Q1、ローサイド側スイッチング素子Q2を共にオフ状態とする。前述のように、デジタル電力増幅回路28の動作時には、ハイサイド側スイッチング素子Q1、ローサイド側スイッチング素子Q2の何れかがオン状態となる。ハイサイド側スイッチング素子Q1、ローサイド側スイッチング素子Q2を共にオフ状態とすることは、デジタル電力増幅回路28の動作を停止することと同義であり、電気的には容量性負荷である圧電素子からなるアクチュエータ22がハイインピーダンス状態に維持されることになる。アクチュエータ22がハイインピーダンス状態に維持されると、容量性負荷であるアクチュエータ22に貯えられた電荷が保持され、充放電状態が維持されるか、僅かな自己放電に抑制される。
Figure 2011093304
ちなみに、変調信号PWMを出力しない(ローレベルに維持する)だけでは、デジタル電力増幅回路28のハイサイド側スイッチング素子Q1、ローサイド側スイッチング素子Q2を共にオフ状態とすることはできない。なぜならば、変調信号PWMがローレベルであるとき、ハイサイド側スイッチング素子Q1のゲート−ソース間信号GHはローレベルとなるが、ローサイド側スイッチング素子Q2のゲート−ソース間信号GLはハイレベルとなるので、ハイサイド側スイッチング素子Q1はオフ状態となり、ローサイド側スイッチング素子Q2はオン状態となってしまうからである。そのため、ゲートドライブ回路30は動作停止信号/Disableがローレベルであるときに、ハイサイド側スイッチング素子Q1のゲート−ソース間信号GHも、ローサイド側スイッチング素子Q2のゲート−ソース間信号GLも共にローレベルとする。
平滑フィルタ29には、1つのコンデンサCとコイルLからなる2次のフィルタを用いた。この平滑フィルタ29によって、前記変調回路26で生じた変調周波数、即ちパルス変調の周波数成分を減衰して除去し、前述したような波形特性の駆動信号COM(駆動パルスPCOM)を出力する。なお、この他、アクチュエータ駆動回路には、デジタル電力増幅回路28への電源電圧VDDを調整する可変電源回路39、駆動パルスPCOMに応じた電源電圧値VDDを記憶した電源電圧メモリ36、温度を検出する温度センサ37、液体噴射ヘッド固有の補正情報を記憶したヘッド固有情報メモリ38を備える。また、図6は、理解を容易にするために回路化して示してあるが、駆動波形信号発生回路25及び変調回路26は、図3の制御部62内で行われるプログラミングによって構築してもよい。また、平滑フィルタ29は回路配線で発生する浮遊インダクタンスや浮遊容量、もしくはアクチュエータなどを利用して構成可能であり、必ずしも回路化する必要はない。また、波形メモリ31は、前記ROM62d内に形成してもよい。
図7には、可変電源回路39の構成を示す。この可変電源回路39は、周知のDC−DCコンバータであり、トランス40の一次側に配設されたスイッチング回路41内のスイッチング素子を、電源電圧制御部32から指令される電源電圧VDD(Vn)に応じた周期でオン・オフ制御することで、トランス40の二次側電圧を整流・平滑回路42で整流・平滑化して所望するDC出力電圧、この場合はデジタル電力増幅回路28の電源電圧VDD(Vn)を得ることができる。
図8は、電源電圧制御部32内で行われる第1実施形態の電源電圧制御・波形データ補正のための演算処理を示すフローチャートである。この演算処理は波形データ出力指令を制御部62から受信するたびに実行され、まずステップS1で、制御部62からの波形データ出力指令を受信したか否かを判定し、波形データ出力指令を受信した場合にはステップS2に移行し、そうでない場合には待機する。
ステップS2では、駆動パルスカウンタnを1とする。
次にステップS3に移行して、動作停止信号/Disableをローレベルとすることにより、デジタル電力増幅回路28のゲートドライブ回路30を停止する。
次にステップS4に移行して、第n駆動パルスPCOMn(n=1〜4)の電源電圧VDD(Vn)を電源電圧メモリ36から読出し、それを可変電源回路39のスイッチング回路41に出力する。
次にステップS5に移行して、ステップS4で読出した第n駆動パルスPCOMnの電源電圧VDD(Vn)に応じて波形データDWCOMを補正し、それをD/Aコンバータ33に出力する。波形データDWCOMの補正方法については後述する。
次にステップS6に移行して、動作停止信号/Disableをハイレベルとすることにより、デジタル電力増幅回路28のゲートドライブ回路30を作動する。
次にステップS7に移行して、第n駆動パルスPCOMnの出力が終了したか否かを判定し、第n駆動パルスPCOMnの出力が終了した場合にはステップS8に移行し、そうでない場合には待機する。
ステップS8では、全ての駆動パルスPCOMの出力が終了したか否かを判定し、全ての駆動パルスPCOMの出力が終了した場合にはステップS1に移行し、そうでない場合にはステップS9に移行する。
ステップS9では、駆動パルスカウンタnをインクリメントしてからステップS3に移行する。
次に、図8の演算処理のステップS5で行われる波形データDWCOMの補正方法について説明する。波形メモリ31内には、電源電圧VDDが標準電源電圧VDDrefであるときに目標の電圧が平滑フィルタ29から出力されるデータが格納されている。つまり、電源電圧VDDが変化した場合には、データを補正する必要がある。補正を行うには第n駆動パルスPCOMnの第n波形データDWCOMnに標準電源電圧VDDrefを乗じ、それを電源電圧VDD(Vn)で除せばよい。
図8の演算処理によれば、図9に示すように、駆動パルスPCOMn毎に電源電圧VDD(Vn)が変更制御される。駆動パルスPCOMnの波高値は、駆動パルスPCOMn毎に異なるので、電源電圧VDD(Vn)は、該当する第n駆動パルスPCOMnの最大電圧を変調信号PWMの使用可能最大デューティ比で達成できる電圧値でよい。そして、そのような電圧値をデジタル電力増幅回路28の電源電圧VDD(Vn)とすることにより、装置の効率が向上する。
また、前述したように電源電圧VDD(Vn)を変更すると駆動信号COMの電圧値も変化してしまうが、電源電圧VDD(Vn)の変更を駆動パルスPCOMnの連結部で行うこととしてもよい。このような構成にすれば、駆動パルスPCOMn自体の電圧変動を回避することができる。また、電源電圧VDD(Vn)の変更前にデジタル電力増幅回路28の動作を停止し、電源電圧VDD(Vn)の変更後にデジタル電力増幅回路28の動作を再開することとしてもよい。このような構成にすれば、デジタル電力増幅回路28の動作が停止している間は駆動パルスPCOMnの電圧変動を回避することができる。また、デジタル電力増幅回路28のハイサイド側スイッチング素子Q1及びローサイド側スイッチング素子Q2をともにオフとすることによって、デジタル電力増幅回路28の動作を停止してもよい。このような構成にすることにより、デジタル電力増幅回路28をハイインピーダンス状態とすることができ、これにより容量性負荷であるアクチュエータ22の充放電を抑制することができる。なお、全てのアクチュエータ22の選択スイッチ201をオフとしても、容量性負荷であるアクチュエータ22の充放電を抑制することができる。
このように第1実施形態の液体噴射装置では、駆動波形信号WCOMを変調回路26でパルス変調し、その変調信号PWMをデジタル電力増幅回路28で電力増幅し、その電力増幅変調信号を平滑フィルタ29で平滑化してアクチュエータ22の駆動信号COM(駆動パルスPCOM)とするにあたり、可変電源回路39によるデジタル電力増幅回路28への電源電圧VDDを電源電圧制御部32で駆動パルスPCOM毎に変更制御するとしてもよい。このような構成にすれば、駆動パルスPCOMの電圧振幅に応じた最適な電源電圧VDDでデジタル電力増幅回路28を駆動することが可能となり、効率が向上する。
また、可変電源回路39によるデジタル電力増幅回路28への電源電圧VDDの変更前にデジタル電力増幅回路28の動作を停止し、且つ当該電源電圧VDDの変更後にデジタル電力増幅回路28の動作を再開することとすれば、電源電圧VDDの変更中の駆動信号COM(駆動パルスPCOM)の電圧変動を回避することができる。
また、デジタル電力増幅回路28の全てのスイッチング素子Q1、Q2をオフとすることによって、デジタル電力増幅回路28の動作を停止することとすれば、デジタル電力増幅回路28の全てのスイッチング素子Q1、Q2をハイインピーダンス状態とすることができ、これにより容量性負荷であるアクチュエータ22の充放電を抑制することができる。
また、駆動パルスPCOMを時系列的に連結して駆動信号COMが構成されている場合、可変電源回路39によるデジタル電力増幅回路28への電源電圧VDDを駆動パルスPCOMの連結部で変更することとすれば、アクチュエータ22を駆動する駆動パルスPCOMの電圧変動を回避することができる。
次に、本発明の液体噴射装置の第2実施形態について説明する。本実施形態の液体噴射装置は、前記第1実施形態と同様に、液体噴射型印刷装置に適用されたものであり、その概略構成、液体噴射ヘッド近傍、制御装置、駆動信号、スイッチングコントローラ、アクチュエータ駆動回路、可変電源回路は、前記第1実施形態と同様である。よって以降の説明では、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。第2実施形態では、電源電圧制御部32で行われる演算処理が異なる。
電源電圧値の設定にはトレードオフが存在する。例えば駆動パルスPCOMの最小電圧が5V、最大電圧が48Vであり、デジタル電力増幅回路28の出力可能な最小デューティ比が10%、最大デューティ比が90%であるとすると、駆動パルスPCOMの最小電圧を出力するためには電源電圧VDDを50V以下に設定する必要がある。一方、駆動パルスPCOMの最大電圧を出力するためには、電源電圧VDDを53.5V以上に設定する必要がある。ここで、デジタル電力増幅回路28が出力可能な最小及び最大デューティ比は、デジタル電力増幅回路28が出力可能な最小及び最大パルス幅によって決定される。従って、パルス変調の変調周波数を低下すれば、出力可能な最小及び最大デューティ比の幅を広げることができる。そのようにすると駆動パルスPCOMの精度が低下し、精密な液体噴射制御ができないが、第2実施形態によれば精密な液体噴射制御が可能となる。
図10は、電源電圧制御部32内で行われる第2実施形態の電源電圧制御・波形データ補正のための演算処理を示すフローチャートである。この演算処理は波形データ出力指令を制御部62から受信するたびに実行され、まずステップS11で、制御部62からの波形データ出力指令を受信したか否かを判定し、波形データ出力指令を受信した場合にはステップS12に移行し、そうでない場合には待機する。
ステップS12では、駆動パルスカウンタnを1とする。
次にステップS13に移行して、動作停止信号/Disableをローレベルとすることにより、デジタル電力増幅回路28のゲートドライブ回路30を停止する。
次にステップS14に移行して、後述する図12の演算処理に従って、第n駆動パルスPCOMn(n=1〜4)の高電圧部対応電源電圧VDD(Vnhigh)を設定し、それを可変電源回路39のスイッチング回路41に出力する。
次にステップS15に移行して、ステップS14で設定した第n駆動パルスPCOMnの高電圧部対応電源電圧VDD(Vnhigh)に応じて波形データDWCOMを補正し、それをD/Aコンバータ33に出力する。波形データDWCOMの補正方法については前述の通りである。
次にステップS16に移行して、動作停止信号/Disableをハイレベルとすることにより、デジタル電力増幅回路28のゲートドライブ回路30を作動する。
次にステップS17に移行して、読込まれた波形データDWCOMが閾値以下、この場合は中間電圧以下であるか否かを判定し、読込まれた波形データDWCOMが中間電圧以下である場合にはステップS18に移行し、そうでない場合には待機する。
ステップS18では、変調信号PWMがローレベルであるか否かを判定し、変調信号PWMがローレベルである場合にはステップS19に移行し、そうでない場合には待機する。
ステップS19では、後述する図11の演算処理に従って、第n駆動パルスPCOMn(n=1〜4)の低電圧部対応電源電圧VDD(Vnlow)を設定し、それを可変電源回路39のスイッチング回路41に出力する。
次にステップS20に移行して、ステップS19で設定した第n駆動パルスPCOMnの低電圧部対応電源電圧VDD(Vnlow)に応じて波形データDWCOMを補正し、それをD/Aコンバータ33に出力する。波形データDWCOMの補正方法については前述の通りである。
次にステップS21に移行して、第n駆動パルスPCOMnの出力が終了したか否かを判定し、第n駆動パルスPCOMnの出力が終了した場合にはステップS22に移行し、そうでない場合には待機する。
ステップS22では、全ての駆動パルスPCOMの出力が終了したか否かを判定し、全ての駆動パルスPCOMの出力が終了した場合にはステップS11に移行し、そうでない場合にはステップS23に移行する。
ステップS23では、駆動パルスカウンタnをインクリメントしてからステップS13に移行する。
次に、図10の演算処理のステップS14及びステップS19で行われるサブルーチンの演算処理について図11のフローチャートを用いて説明する。この演算処理では、まずステップS31で、第n駆動パルスPCOMn(n=1〜4)の高電圧部対応電源電圧VDD(Vnhigh)又は低電圧部対応電源電圧VDD(Vnlow)(図では電源電圧VDD)を電源電圧メモリ36から読出す。
次にステップS32に移行して、前記ヘッド固有情報メモリ38に記憶されている例えば図12aに示すようなテーブルを参照し、液体噴射ヘッド2の個体差(図ではバラツキ)に応じた補正値αを読出し、それを前記ステップS31で読込んだ第n駆動パルスPCOMn(n=1〜4)の高電圧部対応電源電圧VDD(Vnhigh)又は低電圧部対応電源電圧VDD(Vnlow)(図では電源電圧VDD)に乗じ、それを新たな第n駆動パルスPCOMn(n=1〜4)の高電圧部対応電源電圧VDD(Vnhigh)又は低電圧部対応電源電圧VDD(Vnlow)(図では電源電圧VDD)に設定する。
次にステップS33に移行して、温度センサ37で検出された温度情報に基づいて例えば図12bに示すようなテーブルを参照し、温度に応じた補正値βを読出し、それをステップS32で算出された第n駆動パルスPCOMn(n=1〜4)の高電圧部対応電源電圧VDD(Vnhigh)又は低電圧部対応電源電圧VDD(Vnlow)(図では電源電圧VDD)に乗じ、それを新たな第n駆動パルスPCOMn(n=1〜4)の高電圧部対応電源電圧VDD(Vnhigh)又は低電圧部対応電源電圧VDD(Vnlow)(図では電源電圧VDD)に設定してから図10の演算処理に復帰する。
これらの演算処理によれば、PWM周波数を低下させることなく、駆動パルスPCOMの最大値、最小値を出力することができ、精密な液体噴射制御が可能となる。
また、前記第1実施形態と同様、図13に示すように、駆動パルスPCOMn毎に高電圧部対応電源電圧VDD(Vnhigh)が変更制御され、高電圧部対応電源電圧VDD(Vnhigh)は、該当する第n駆動パルスPCOMnの最大電圧を変調信号PWMの使用可能最大デューティ比で達成できる電圧値でよいので、そのような電圧値をデジタル電力増幅回路28の高電圧部対応電源電圧VDD(Vnhigh)とすることにより、装置の効率が向上する。
また、第1実施形態と同様、高電圧部対応電源電圧VDD(Vnhigh)への変更を駆動パルスPCOMnの連結部で行うこととすれば、駆動パルスPCOMn自体の電圧変動を回避することができる。また、高電圧部対応電源電圧VDD(Vnhigh)への変更前にデジタル電力増幅回路28の動作を停止し、高電圧部対応電源電圧VDD(Vnhigh)への変更後にデジタル電力増幅回路28の動作を再開することとすれば、デジタル電力増幅回路28の動作が停止している間は駆動パルスPCOMnの電圧変動を回避することができる。また、デジタル電力増幅回路28のハイサイド側スイッチング素子Q1及びローサイド側スイッチング素子Q2をともにオフとすることによって、デジタル電力増幅回路28の動作を停止することとすれば、デジタル電力増幅回路28をハイインピーダンス状態とすることができ、これにより容量性負荷であるアクチュエータ22の充放電を抑制することができる。なお、前述のように、全てのアクチュエータ22の選択スイッチ201をオフとしても、容量性負荷であるアクチュエータ22の充放電を抑制することもできる。
また、第2実施形態では、1つの駆動パルスPCOMn内でも、高電圧部と低電圧部とで夫々高電圧部対応電源電圧VDD(Vnhigh)と低電圧部対応電源電圧VDD(Vnlow)に変更してもよい。このような構成にすることで、デジタル電力増幅回路28への電源電圧をより一層細かく変更制御して効率を向上することができる。また、第2実施形態では、1つの駆動パルスPCOMn内の高電圧部と低電圧部との閾値を、電圧が変化しない中間電圧とすることで、駆動パルス駆動パルスPCOMnの電圧変動を抑制防止することができる。
また、第2実施形態では、高電圧部対応電源電圧VDD(Vnhigh)から低電圧部対応電源電圧VDD(Vnlow)への変更を変調信号PWMがローレベルであるときに行うようにしてもよい。このような構成にすることで、駆動パルスPCOMnの電圧変動を回避することができる。即ち、図14aに示すように、ハイサイド側スイッチング素子Q1がオンしている期間(変調信号PWMがハイレベル)は電源電圧VDD(Vn)から電流が流れ込むか、又はハイサイド側スイッチング素子Q1のボディダイオードを通して電源電圧VDD(Vn)に電流が還流しており、この状態で電源電圧VDD(Vn)を変化させると出力電圧、即ち駆動パルスPCOMnに電圧変動が生じる。一方、図14bに示すように、ローサイド側スイッチング素子Q2がオンしている期間(変調信号PWMがローレベル)はグラウンドGNDに電流が流れ込むか、又はローサイド側スイッチング素子Q2のボディダイオードを通してグラウンドGNDから電流が還流しており、この状態で電源電圧VDD(Vn)を変化させても出力電圧、即ち駆動パルスPCOMnに電圧変動は生じない。
また、液体噴射ヘッド2の個体差に応じてデジタル電力増幅回路28への電源電圧VDD(Vn)を変更してもよい。このような構成にすることで、駆動パルスPCOMnの電圧を高精度に制御することが可能となる。
また、温度に応じてデジタル電力増幅回路28への電源電圧VDD(Vn)を変更してもよい。このような構成にすることで、駆動パルスPCOMnの電圧を高精度に制御することが可能となる。
このように第2実施形態の液体噴射装置では、前記第1実施形態の効果に加えて、可変電源回路39によるデジタル電力増幅回路28への電源電圧VDD(Vn)を、1つの駆動パルスPCOMn内の高電圧部と低電圧部とで変更することにより、デジタル電力増幅回路28への電源電圧VDD(Vn)をより一層細かく変更制御して効率を向上することができる。
また、1つの駆動パルスPCOMn内の高電圧部と低電圧部との閾値を、電圧が変化しない中間電圧とすることにより、駆動パルスPCOMnの電圧変動を抑制防止することができる。
また、可変電源回路39によるデジタル電力増幅回路28への電源電圧VDD(Vn)を、変調信号PWMがローレベルであるときに変更することにより、デジタル電力増幅回路28の出力電圧は電源電圧VDD(Vn)の変化の影響を受けないので、駆動パルスPCOMnの電圧変動を回避することができる。
また、液体噴射ヘッド(装置)2の個体差に応じて可変電源回路39によるデジタル電力増幅回路28への電源電圧VDD(Vn)を変更することにより、駆動パルスPCOMnの電圧を高精度に制御することが可能となる。
また、温度に応じて可変電源回路39によるデジタル電力増幅回路28への電源電圧VDD(Vn)を変更することにより、駆動パルスPCOMnの電圧を高精度に制御することが可能となる。
なお、前記第1〜第2実施形態では、本発明の液体噴射装置をラインヘッド型の液体噴射型印刷装置に用いた場合についてのみ詳述したが、本発明の液体噴射装置は、マルチパス型の液体噴射型印刷装置にも同様に適用可能である。
また、本発明の液体噴射装置は、インク以外の他の液体(液体以外にも、機能材料の粒子が分散されている液状体、ジェルなどの流状体を含む)や液体以外の流体(流体として流して噴射できる固体など)を噴射する液体噴射装置に具体化することもできる。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッサンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解の形態で含む液状体を噴射する液状体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられて試料となる液体を噴射する液体噴射装置であってもよい。更に、時計やカメラなどの精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子などに用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するための紫外線硬化樹脂などの透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリなどのエッチング液を噴射する液体噴射装置、ジェルを噴射する流状体噴射装置、トナーなどの粉体を例とする固体を噴射する流体噴射式記録装置であってもよい。そして、これらのうち何れか一種の噴射装置に本発明を適用することができる。
1は印刷媒体、2は液体噴射ヘッド、3は給紙部、4は搬送部、5は給紙ローラ、6は搬送ベルト、7は電動モータ、8は駆動ローラ、9は従動ローラ、10は排紙部、11はヘッド固定プレート、21はハーフブリッジ出力段、22はアクチュエータ、25は駆動波形信号発生回路、26は変調回路、28はデジタル電力増幅回路、29は平滑フィルタ、30はゲートドライブ回路、31は波形メモリ、32は電源電圧制御部、33はD/Aコンバータ、34は三角波発生器、35は比較器、36は電源電圧メモリ、37は温度センサ、38はヘッド固有情報メモリ、39は可変電源回路、62は制御部、65はヘッドドライバ

Claims (10)

  1. アクチュエータの駆動信号の基準となる駆動波形信号をパルス変調して変調信号とする変調回路と、
    前記変調信号を電力増幅して電力増幅変調信号とするデジタル電力増幅回路と、
    前記電力増幅変調信号を平滑化して前記駆動信号とする平滑フィルタと、
    前記デジタル電力増幅回路の電源電圧を変更可能な可変電源回路と、
    前記電源電圧を、前記アクチュエータの駆動信号を構成し且つ単独でアクチュエータを駆動することが可能な駆動パルス単位で変更制御する電源電圧制御部と
    を備えたことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記電源電圧制御部は、前記電源電圧の変更前に前記デジタル電力増幅回路の動作を停止させ、且つ当該電源電圧の変更後に前記デジタル電力増幅回路を動作させることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記デジタル電力増幅回路はスイッチング素子を備え、前記電源電圧制御部は、前記デジタル電力増幅回路のスイッチング素子をオフとすることによって、前記デジタル電力増幅回路の動作を停止させることを特徴とする請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記駆動信号は、前記駆動パルスを時系列に連結して構成され、前記電源電圧制御部は、前記電源電圧を駆動パルスの連結部で変更することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の液体噴射装置。
  5. 前記電源電圧制御部は、前記電源電圧を、1つの駆動パルスを構成する高電圧部と低電圧部とで変更することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の液体噴射装置。
  6. 前記高電圧部と低電圧部との閾値を、電圧が変化しない中間電圧とすることを特徴とする請求項5に記載の液体噴射装置。
  7. 前記電源電圧制御部は、前記可変電源回路によるデジタル電力増幅回路の電源電圧を、前記変調信号がローレベルであるときに変更することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の液体噴射装置。
  8. 前記電源電圧制御部は、当該液体噴射装置の個体差に応じて前記電源電圧を変更することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の液体噴射装置。
  9. 前記電源電圧制御部は、温度に応じて前記可変電源回路によるデジタル電力増幅回路の電源電圧を変更することを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の液体噴射装置。
  10. 請求項1乃至9の何れか一項に記載の液体噴射装置を備えた液体噴射型印刷装置。
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