JP2011092410A - 遊技機用基板ケースのかしめ構造及び遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 所定のプリント基板が収容された基板ケース1にかしめピン6を係合させて当該基板ケース1を開封不能又は遊技機100から取り外し不能に封止する基板ケース1のかしめ構造において、電力を受けて発光する第一の発光部721と、基板ケース1内に設けられ、第一の発光部721に電力を送る送電部71と、を備え、第一の発光部721と送電部71は、かしめピン6を介して電力を送受可能に構成され、封止解除に伴う、かしめピン6の切断又は基板ケース1からの脱抜によって第一の発光部721が消灯する
【選択図】 図6
Description
これらの基板には、遊技の結果を左右するとともに、遊技機全体を制御する主要な基板である主基板が含まれている。
主基板は、プリント基板上にCPU,ROM,RAM等の種々の電子部品が配置されたコンピュータとして構成されている。
このような不正行為を防止するため、通常、主基板を透明な二つのケースの間に挟んで収容するとともに、さらに、このケースを開封不能に封止している。
基板ケースを封止する構造は、かしめ構造と称され、一般的には、ケース同士を専用のかしめピン等で係止することで、開封不能としてある(例えば、特許文献1参照。)。
開封された基板ケースは、そのままにしておくと、不正が発覚しやすい状態になることから、中には、かしめピンなどを再生可能に破断し、不正部品の取り付けなどを行った後、破断したかしめピンをきれいに接着して、痕跡が残らないようにする者もいた。
このような行為が行われると、店側としては、不正行為の発見が遅れてしまい、損失が膨大となることから、経営上問題となっていた。
遊技機には、パチンコ機、スロットマシン、アレンジボール、雀球など様々な機類があるが、本実施形態では、メダルを遊技媒体とするスロットマシンに本発明の遊技機用基板ケースを適用した場合について説明する。
図1に示すように、スロットマシン100は、複数のリール110a,110b,110cを回転させることによって遊技媒体であるメダルを獲得することができる回胴式遊技機を構成している。
スロットマシン100は、必要な機械、装置等を収納する正面側が開口した筐体100bと、筐体100bの正面側を開閉可能に覆う前扉100aとで構成されている。
前扉100aは、筐体100bにヒンジ等を介して開閉可能に取り付けられる扉体で、この前扉100aに各リール110の回転を始動させるスタートレバーや、回転している各リール110を停止させる3つの停止ボタンなどの複数の操作手段が設けられて、スロットマシン100の正面部を構成している。
また、筐体100bの下部には、メダルの貯留・払出しを行うメダル払出装置120が設けられる。
筐体100bの上部には、所定のプリント基板が収容された基板ケース1が設けられている。
まず、遊技者によりメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、主基板2は、各リール110を回転させる制御を行うとともに、ボーナスや小役等を抽せんする内部抽せんを行い、各停止ボタンが押下操作されたタイミングに基づき、抽せん結果に応じた図柄の組合せで停止するよう、回転している各リール110の停止制御を行う。
このようなスロットマシン遊技の進行を制御する主基板2は、CPU(中央演算処理装置)、ROM及びRAMなどの記憶手段、I/OインターフェイスなどのIC部品、抵抗、コンデンサ、トランジスタなどの様々な電子部品が実装された部品実装面2aと、これらの部品のリード部を半田接合する半田面2bとからなるプリント基板で構成されている。
そして、かしめピン6により基板ケース1が封止しているときはかしめピン6の発光部721(後述)が発光し、かしめピン6が切断又は破壊されると、その発光部721が消灯して、不正に開封されたことを容易に視認できるようにしてある。
以下、本実施形態の基板ケース1の構成について、図2〜図8を参照しつつ説明する。
基板ケース1は、図2に示すように、矩形状のケース構造を有し、主基板2の部品実装面側を覆う蓋ケース3と、半田面側を覆う本体ケース4を備えている。
主基板2は、蓋ケース3又は本体ケース4のいずれかに、所定のネジにより螺着されて収容されるようになっている。
蓋ケース3と本体ケース4は、部品実装面と半田面を外部から視認可能、かつ、容易に破壊できないように、無色透明な工業用樹脂(例えば、ポリカーボネート)で形成されている。
また、基板ケース1が取り付けられる筐体100b奥には、基板ケースホルダ5が設置されており、この基板ケースホルダ5に基板ケース1が嵌め込まれ、さらにかしめピン6で取り外し不能にかしめられている。
具体的には、かしめ構造(第一のかしめ構造)は、図2〜図5に示すように、蓋ケース3の外縁の一部に形成された蓋かしめ部30と、基板ケースホルダ5に形成されたホルダかしめ部50と、これら蓋かしめ部30とホルダかしめ部50の両方に係合するかしめピン6とを有して構成されている。
なお、基板ケース1が基板ケースホルダ5に取り付けられるとともに蓋ケース3と本体ケース4が封止されたケース閉状態においては、胴部係止部313がかしめピン6の胴部62にほぼ接触していることが望ましい。これにより、ケース閉状態における蓋ケース3と本体ケース4との間で隙間が開くのをなくすことができる。
この窓部314があることで、ここにニッパなどの工具を挿入し、かしめピン6の胴部62を切断することができる(図5参照)。
そして、基板ケース1をケース閉状態にすると、溝部出口512の先に、蓋かしめ部30の開口部311が位置するようになる。これにより、溝部出口512と開口部311がそれぞれ連通し、かしめピン6を挿通することができるようになっている。
なお、溝部入口511から溝部出口512までの長さは、図3、図4に示すように、かしめピン6の頭部63からハネ部61までの長さよりも長くすることができる。ただし、長くすることに限るものではなく、例えば、それとほぼ同じ長さとすることもでき、あるいは、短くすることもできる。
また、この細溝部514にかしめピン6の耳部633を嵌合させることで、かしめピン6の頭部63は、主基板2の基板面に対して垂直方向(あるいは、細溝部514が形成されていない方向)に移動できなくなる。これにより、ハネ部61が開口部311に挿通されたかしめピン6は、胴部62が開口部311に挿入した状態で留まり、頭部63の耳部633が細溝部514に嵌合した状態にあるので、このかしめピン6を基板ケースホルダ5又は本体かしめ部40(後述)から取り外すことができないようになっている。
この底部係止部516は、溝部入口511の近傍に形成されていることから、開口部311に挿通する前のかしめピン6を係止することができる。これにより、かしめピン6が不用意に主基板2の方へ移動して開状態の蓋ケース3を閉じようとするのを邪魔したり、コイルAに近づいて発光部721が不用意に発光するのを防止できる。
具体的には、かしめ構造(第二のかしめ構造)は、図2〜図5に示すように、蓋ケース3の外縁の一部に形成された蓋かしめ部30と、本体ケース4の外縁の一部に形成された本体かしめ部40と、これら蓋かしめ部30と本体かしめ部40の両方に係合するかしめピン6とを有して構成されている。
本体かしめ部40は、上述した第一のかしめ構造におけるホルダかしめ部50と同様の構造を有している。
これにより、蓋かしめ部30と本体かしめ部40の両方にかしめピン6を係合させることで、それら蓋かしめ部30と本体かしめ部40とを開封不能に封止することができる。
なお、本体かしめ部40においては、底部係止部516を省略できる。
かしめピン6は、ピン材の一例であり、基板ケースホルダ5の溝部51に嵌め込まれるとともに、閉状態の蓋ケース3の開口部311に挿通して、基板ケース1が基板ケースホルダ5から取り外し不能に封止する閂(かんぬき)として機能する。
また、かしめピン6は、本体ケース4の溝部41に嵌め込まれるとともに、閉状態の蓋ケース3の開口部311に挿通して、それら本体ケース4と蓋ケース3とを開封不能に封止する閂として機能する。
ハネ部61は、かしめピン6を開口部311に挿通するときに真っ先に挿入される部分であって、胴部62の先端から斜め後ろ方向に延設した延設部611を有しており、Λ(ラムダ)の文字のような形状をなしている。つまり、このハネ部61は、ちょうど矢印のアローヘッド(矢尻)に相当し、胴部62がシャフトに相当して、矢印「↑」の形状のように形成されている。
なお、本実施形態において、延設部611は、二本としてあるが、二本に限るものではなく、一本又は三本以上であってもよい。
この胴部62は、外周にコイルB(第二の電磁コイル)が巻きつけられており、コイル軸部として機能する。
この胴部62は、コイルBが巻かれた範囲内で、磁性材料により形成された部分を有する磁性部62−1と、工具により切断可能な切断部62−2とを有している。
鉄心は、ケイ素鋼などの磁性材料で形成されている。これにより、鉄損などを減らして効率的にコイルBに誘導電流Iを流したり、コイルBに発生する誘導起電力Vを大きくしたりすることができる。
なお、本実施形態において磁性部62−1は、樹脂管と鉄心の二重構造とするが、この構造に限るものではなく、例えば磁性部62−1の全体を磁性材料で形成することもできる。
なお、磁性部62−1のみならず切断部62−2も、磁性体により形成できる。例えば、磁性材料を混ぜ合わせたプラスチックなどにより形成することができる。この切断部62−2も、剪断工具等により剪断可能となっている。
筐体631は、容易に破壊できない工業用樹脂(例えば、ポリカーボネート)で形成することができ、側面632には、細溝部514に嵌合される耳部633が形成され、底面634には、底部係止部516に係止する凹部635(図4)が形成されている。
また、筐体631の上面には、発光部721の発光が目視できるように、透明又は半透明の板部材637が嵌合されている。
破断検出回路7aは、電磁誘導回路を含んでおり、主基板2の縁部の所定の箇所に配置された送電回路71と、かしめピン6に実装された検出回路72とを有している。
送電回路(送電部)71は、図7に示すように、発振回路711と一次側コイルAが直列に接続された回路である。
発振回路711は、時間的に変化する電流I1をコイルAに流す。これにともない、コイルAの周囲には、時間的に変化する磁場(磁束)が発生する。
コイルB(第二の電磁コイル)は、例えば、軟銅線やエナメル銅線などを用いることができ、かしめピン6の胴部62の外周に巻きつけられている。このコイルBは、送電回路71のコイルAの周囲に発生した磁場(磁束)の変化を受け、相互誘導により誘導起電力V2を発生させ、誘導電流I2を流す。
また、コイルBは、切断時に修復を困難にするために、複数層で巻きつけることができる。
抵抗722は、発光部721が定格電流の範囲内で発光するように、電流I2を抑制する。
なお、コイルBは、かしめピン6の胴部62に巻きつけられているが、発光部721と抵抗722は、回路基板636に実装されて、かしめピン6の頭部63の筐体631の内部に収納することができる。
送電回路71では、発振回路711から出力された電流I1により、コイルAの周囲に、時間的に変化する磁場が発生する。
コイルAとコイルBが十分離れているとき、例えば、かしめピン6が溝部51に嵌合されていないとき、あるいは、かしめピン6が溝部51に嵌合されているが開口311に挿通されていないとき(かしめピン6の頭部63の凹部635が溝部51の底部係止部516に係合しているときなど)には、コイルAの周囲に発生した磁場がコイルBに影響を与えず、あるいは、相互誘導により誘導起電力V2が発生しても、この誘導起電力V2がわずかであるために、発光部721は、発光しない。この場合は、かしめピン6による基板ケース1の封止がなされていないと判断できる。
なお、切断されたコイルBは、復元が困難である。このため、不正行為を行う者がコイルBを切断すると、検出回路72は寸断された状態で放置され、発光部721は点灯不能となる。これにより、遊技ホールの店員が気付くまでは、少なくともその発光部721の消灯状態が維持されるので、これが不正行為の証拠となり、主基板2に対する不正行為を確実に発見できる。
自己診断回路73は、主基板2に備える回路であって、送電回路71が正常かどうかを診断する回路である。
この自己診断回路73は、検出回路72と同じ構成を有している。すなわち、自己診断回路73は、コイルC(第三の電磁コイル)と発光部(第二の発光部)731と抵抗732とを直列に接続した回路構成を有している。
例えば、上述した実施形態では、コイルAの数をかしめピン6の数と同じとし、これらを一対一で対応させていたが、一対一に限るものではなく、例えば、図2に示すように、複数のかしめピン6に対して送電する一対多数用コイルA1を備えることもできる。これにより、コイルAとかしめピン6を一対一とした場合に比べて、部品点数を削減できる。
しかも、かしめの破損の確認は、電源ON時のみだけでなく、電源OFF時にも確認する場合は、バックアップ電源によりこの回路を動作させてもよい。
さらに、上述した実施形態においては、第一の発光部621をかしめピン6に設けたが、かしめピン6に設けることに限るものではなく、主基板2に設けることもできる。この場合、送電部71の配線の一部又は検出回路72の配線の一部をかしめピン6に配線するようにすればよい。
2 主基板
6 かしめピン
62 胴部(コイル軸部)
62−1 磁性部
62−2 切断部
7 破断検出回路
71 送電回路(送電部)
721 発光部(第一の発光部)
731 発光部(第二の発光部)
100 スロットマシン(遊技機)
A 電磁コイル(第一の電磁コイル)
B 電磁コイル(第二の電磁コイル)
C 電磁コイル(第三の電磁コイル)
Claims (8)
- 所定のプリント基板が収容された基板ケースにかしめピンを係合させて当該基板ケースを開封不能又は遊技機から取り外し不能に封止する基板ケースのかしめ構造において、
電力を受けて発光する第一の発光部と、
基板ケース内に設けられ、前記第一の発光部に電力を送る送電部と、を備え、
前記第一の発光部と前記送電部は、前記かしめピンを介して電力を送受可能に構成され、
封止解除に伴う、前記かしめピンの切断又は前記基板ケースからの脱抜によって前記第一の発光部が消灯する
ことを特徴とする遊技機用基板ケースのかしめ構造。 - 前記送電部は、第一の電磁コイルを備え、
前記かしめピンが、前記第一の発光部と、前記第一の電磁コイルの周囲に発生した電界により誘導起電力を発生する第二の電磁コイルと、
前記第一の発光部は、前記誘導起電力を受けて発光する
ことを特徴とする請求項1記載の遊技機用基板ケースのかしめ構造。 - 前記かしめピンを介さずに、前記送信部からの電力を受けて発光する第二の発光部を備える
ことを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機用基板ケースのかしめ構造。 - 前記送電部は、第一の電磁コイルと、前記第一の電磁コイルの周囲に発生した電界により誘導起電力を発生する第三の電磁コイルとを備え、
第二の発光部は、前記第三の電磁コイルから誘導起電力を受けて発光する
ことを特徴とする請求項3記載の遊技機用基板ケースのかしめ構造。 - 前記送電部を、前記プリント基板と異なる別基板に設け、
前記プリント基板と前記別基板が、前記基板ケースに収容された
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の遊技機用基板ケースのかしめ構造。 - 前記第一の電磁コイルの周囲に発生した電界により誘導起電力を発生する第三の電磁コイルと、
この第三の電磁コイルから誘導起電力を受けて発光する第二の発光部とを有し、
前記第三の電磁コイルと前記第二の発光部が、前記基板に実装された
ことを特徴とする請求項1記載の遊技機用基板ケースのかしめ構造。 - 前記かしめピンが、前記第二の電磁コイルの巻かれたコイル軸部を有し、
このコイル軸部が、磁性材料により形成された部分を有する磁性部と、工具により切断可能な切断部とを有する
ことを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の遊技機用基板ケースのかしめ構造。 - 所定のかしめピンを基板ケースに係合させて当該基板ケースを開封不能又は遊技機から取り外し不能に封止する基板ケースのかしめ構造を備える遊技機において、前記基板ケースのかしめ構造が請求項1〜7のいずれかに記載の遊技機用基板ケースのかしめ構造であることを特徴とする遊技機。
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