JP2011092330A - 洗濯機用の濾過装置 - Google Patents

Abstract

【課題】洗濯機に供給する水に含まれる不純物を濾過することを、より安価で簡易な構成にて実現する。
【解決手段】洗濯機用の濾過装置１８は、水道栓１５と当該水道栓１５からの水を洗濯機１に供給するための給水口８との間であって洗濯機１の給水弁１４よりも上流側に接続可能に構成されているとともに、シート状の生地からなる濾材が取り付け可能に構成されている。
【選択図】図１

Description

本発明は、洗濯機に供給される水に含まれる不純物を濾過する洗濯機用の濾過装置に関する。

水道の配管や給水器具などの老朽化により、水道水が赤色に濁ること（赤水）がある。これは、主に水道の配管などに発生した鉄錆（赤錆）が水道水に流れ出して混入したもので、水道の蛇口を開いた直後（使い始め）によく見られるものである。このような鉄錆が混入した水道水で繰り返し洗濯を行なうと、洗濯物に鉄錆が残留付着し、徐々に洗濯物が変色（黄ばみ）するという問題がみられる。なお、鉄錆の大きさは様々で、微細なもので数μｍ程度のものも混入している。

このような問題に対処するため、従来より、洗濯槽に供給する水を濾過装置で濾過することにより、鉄錆などの不純物を除去するようにすることが考えられている。この種の濾過装置として、例えば特許文献１には、イオン交換樹脂を備えた濾過装置（イオン除去装置）が示されている。

特開平１１−３０００９０号公報

特許文献１に記載の濾過装置によれば、鉄錆の源となる鉄イオンを効率良く除去することができ、鉄錆の発生を抑えることができる。しかしながら、このようなイオン交換樹脂を濾材として備えた濾過装置は高価であり、地域によっては、このようなイオン交換樹脂を入手することが困難な場合がある。また、特許文献１の濾過装置は、洗濯機の内部に埋め込まれており、構成も複雑であることから、濾材（イオン交換樹脂）の着脱や交換に手間がかかるという課題がある。
このような事情から、より安価で簡易な構成で、洗濯機に供給する水に含まれる不純物を濾過することを実現できる濾過装置が求められている。

本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、洗濯機に供給する水に含まれる不純物を濾過することを、より安価で簡易な構成にて実現できる洗濯機用の濾過装置を提供することにある。

本発明の洗濯機用の濾過装置は、水源と当該水源からの水を洗濯機に供給するための給水口との間であって前記洗濯機の給水弁よりも上流側に接続可能に構成されているとともに、シート状の生地からなる濾材が取り付け可能に構成されていることに特徴を有する。

本発明の洗濯機用の濾過装置によれば、濾材として使用するシート状の生地としては、古着や不要となった衣類生地など、入手し易い生地を利用することができる。また、このような古着や不要となった衣類生地などを濾材として利用するので、濾過装置を安価に構成することができる。

また、濾過装置は、水源と当該水源からの水を洗濯機に供給するための給水口との間であって洗濯機の給水弁よりも上流側に接続可能に構成されている。つまり、濾過装置は、洗濯機の外部に接続可能に構成されているので、当該濾過装置への濾材の着脱や交換を容易に行うことができる。

このように、本発明の洗濯機用の濾過装置によれば、洗濯機に供給する水に含まれる不純物を濾過することを、より安価で簡易な構成にて実現できる。

本発明の第１の実施形態を示すものであり、濾過装置が接続された洗濯機の外観を示す斜視図 濾過装置およびその周辺部分を示す図 濾過装置の分解斜視図 濾過装置の内部構成を概略的に示す縦断側面図 内部コアへの濾材の保持態様を説明するための図 本発明の第２の実施形態を示す図４相当図 図５相当図

（第１の実施形態）
以下、本発明の第１の実施形態について図１ないし図５を参照しながら説明する。
図１は、洗濯機１の全体的な外観を示す斜視図である。図１に示すように、洗濯機１の外郭を構成する筐体２は、左右の側板３（一方のみ図示）と、基台４と、天板５と、前面カバー６と、底部カバー７と、背面板（図示せず）とを備えて構成され、全体として略矩形箱状をなしている。

側板３は、例えば鉄板から形成され、筐体２の左右の両側面を構成する。基台４は、樹脂から形成され、筐体２の下部において、洗濯機１全体を支える土台としての機能を有する。天板５は、樹脂から形成され、洗濯機１の上面を構成する。天板５には、給水口８が設けられている。この給水口８は、後述する水道栓１５からの水を洗濯機１に供給するためのものである。なお、この給水口８には、例えば金属製のフィルタ８ａ（図２参照）が取り付けられている。この場合、フィルタ８ａは、１インチ当たりに６０メッシュ、各メッシュの１辺の長さ（目開き）が０．２４ｍｍ程度となっている。

前面カバー６は、樹脂から形成され、全体として、前方に凸となるように滑らかに湾曲した形状をなしている。前面カバー６の中央部には、円形状に開口した洗濯物出入口が設けられているとともに、この洗濯物出入口を開閉するための扉９がヒンジ部（図示せず）に枢支された状態で設けられている。また、扉９の近傍に位置して、当該扉９を開くための開扉ボタン１０が設けられている。

前面カバー６の上部には、コントロールパネル１１および洗濯用剤投入ケース１２が設けられている。コントロールパネル１１には、前面カバー６の裏側に設けられた制御装置（図示せず）が接続されている。また、コントロールパネル１１には、各種の運転コースを選択したり運転を開始させるための各種のスイッチが設けられている。使用者は、このコントロールパネル１１を操作することにより、洗濯運転コースなどの運転コースを選択して実行させることができる。なお、制御装置は、マイクロコンピュータを中心としてＲＯＭ，ＲＡＭなどを備えて構成されており、各種運転コースの制御のほか、洗濯機１の動作全般を制御するものである。

洗濯用剤投入ケース１２の内部には複数の部屋（図示せず）が形成されており、部屋ごとに各種の洗濯用剤（洗剤，柔軟剤，漂白剤など）を収容可能となっている。そして、各部屋に収容された洗濯用剤を運転中に自動的に投入できるようになっている。

底部カバー７は、樹脂から形成され、洗濯機１の前面下部に着脱可能に設けられている。例えば洗濯機１の真下に排水管を設置する場合に、この底部カバー７を取り外すことにより、洗濯機１の底部を容易に操作することができるようになっている。

洗濯機１の筐体２の内部には、水槽（図示せず）、ドラム１３などが備えられている。
水槽は、前面側が開口した有底円筒状をなしており、その前面側（開口した側）を若干上方に向けて傾斜させて扉９に対向させた横軸状の態様で、サスペンション（図示せず）によって基台４に弾性支持されている。また、水槽の前面側（開口した側）は、ベロー（図示せず）を介して前面カバー６の洗濯物出入口に水密に連結されている。

ドラム１３は、前面側が開口した有底円筒状をなしており、その前面側（開口した側）を若干上方に向けて傾斜させて扉９に対向させた横軸状の態様で、水槽の内部に当該水槽と同軸状に配置されている。ドラム１３の内周壁には、多数の貫通した透孔（図示せず）が形成されているとともに、洗濯物を掻き揚げるためのバッフル（図示せず）が設けられている。

ドラム１３は、水槽の背面側に配置された洗濯機モータ（図示せず）の回転軸に連結され、水槽内に回転可能に配設されている。この洗濯機モータは、アウターロータ型のブラシレスＤＣモータで構成され、ドラム１３を回転させるための駆動源として機能する。

水槽の上方には、給水弁１４が設けられている。給水弁１４の入口部は、上記した給水口８に接続されている。給水弁１４の出口部は、給水ケース（図示せず）を介して水槽の上部に接続されている。なお、この給水ケースの内部には、洗濯用剤投入ケース１２が収容されるようになっている。

この給水弁１４には、給水口８を介して、例えば水道の蛇口からなる水道栓１５（水源に相当）が接続されており、これにより、水道栓１５からの水を洗濯機１内の水槽に供給するための給水経路１６が設けられている。なお、水槽の背面側の底部には、洗濯機１の外部に連なる排水経路（図示せず）が接続されている。これにより、水槽内の水を排水経路を通して排水可能に構成されている。

上記した給水経路１６は、給水ホース１７を備えている。この給水ホース１７の一端部（図では上端部）は、水道栓１５に接続されている。また、給水ホース１７の他端部（図では下端部）と給水口８との間には、濾過装置１８が接続可能に構成されている。給水経路１６に接続された濾過装置１８は、水道栓１５と給水口８との間であって洗濯機１の給水弁１４よりも上流側に配置される。

次に、この濾過装置１８の構成および当該濾過装置１８の給水経路１６への取り付け構造について、図２ないし図４を参照しながら説明する。
濾過装置１８は、その外郭を構成するベース部１９およびケース部２０と、当該濾過装置１８の内部に取り付けられる有底円筒状の内部コア２１（図３および図４参照）とを備えて構成されている。

ベース部１９は、濾過装置１８のベースとなる部材であり、当該濾過装置１８の下部を構成する。このベース部１９は、接続部２２と、濾材取付部２３とを有している。接続部２２は、ほぼ矩形状をなし、上記した給水経路１６に接続される部分となる。濾材取付部２３は、接続部２２の側部に設けられ、上方に開放した有底円筒状をなしている。

接続部２２の上部には、水道栓１５から給水ホース１７を通して流れる水が流入する流入口２４が設けられている。この流入口２４は、接続部２２の内部に形成された流入路２５（図４参照）を通して、濾材取付部２３の内側部に連通されている。この流入路２５は、流入口２４から下方に延び、接続部２２内部の上部にて水平に折れ曲がるように設けられている。

また、接続部２２の下部には、流出口２６が設けられている。この流出口２６は、接続部２２の内部に形成された流出路２７（図４参照）を通して、濾材取付部２３の底部のほぼ中央部に連通されている。この流出路２７は、濾材取付部２３の底部のほぼ中央部から下方に延び、接続部２２内部の下部にて水平に折れ曲がり、さらに流出口２６に向かって下方に折れ曲がるように設けられている。これら流出口２６および流出路２７は、流入口２４から濾過装置１８内に流入した水を洗濯機１内に流出させるためのものである。

濾材取付部２３は、その底部のほぼ中央部にガイド部２８（図３および図４参照）を有している。このガイド部２８は、流出路２７の入口部分（当該流出路２７が連通する濾材取付部２３の底部のほぼ中央部分）から所定の間隔を有して、当該流出路２７の入口部分を円環状に囲むように設けられている。このガイド部２８の内部には、例えば発泡性を有する材料で構成され適度な弾性を有する円環状のパッキン２９が嵌め込まれる。

ケース部２０は、上下方向に貫通した円筒状のハウジングケース３０と、下方に開放した有底円筒状をなすキャップ３１とから構成されている。ハウジングケース３０は、ケース部２０の胴部を構成するものであり、例えばアクリロニトリルスチレン樹脂（ＡＳ樹脂）などの透明な樹脂からなる。

キャップ３１は、ケース部２０の上部を構成するものであり、そのほぼ中央部に下方に延びる円筒状の挿入部３２（図３および図４参照）を有している。この挿入部３２は、その側周部の中段部から上段部にかけて、格子状に配列され矩形状に開口する複数の流入孔３３を有している。これら流入孔３３は、挿入部３２の長手方向（図では上下方向）に沿って複数段（この場合、６段）設けられている。また、キャップ３１は、その底部のほぼ中央部にガイド部３４（図４参照）を有している。このガイド部３４は、挿入部３２の基端部（図では上端部）から所定の間隔を有して、当該挿入部３２の基端部を円環状に囲むように設けられている。このガイド部３４の内部には、例えば発泡性を有する材料で構成され適度な弾性を有する円環状のパッキン３５が嵌め込まれる。

内部コア２１は、その一端部（図では上端部）に、当該内部コア２１の長手方向に開放した孔３６を有し、他端部（図では下端部）に、ほぼ閉塞した底部３７を有している。内部コア２１は、その一端部側（孔３６側）の側周部に、格子状に配列され矩形状に開口する複数の流入孔３８を有している。これら流入孔３８は、内部コア２１の長手方向に沿って複数段（キャップ３１の流入孔３３よりも少ない段数であり、この場合、３段）設けられており、それぞれの流入孔３８は、キャップ３１の流入孔３３よりも大きく開口している。
また、内部コア２１は、底部３７（図では下端部）のほぼ中央部に、円形状に開口する流出孔３９を有している。

この内部コア２１は、水に含まれる不純物を除去するための濾材４０を保持するものであり、濾材４０を保持した状態で、濾過装置１８の内部に取り付けられる。ここで、内部コア２１への濾材４０の保持態様について図５を参照して説明する。

本発明で使用する濾材４０は、シート状の生地からなるものであり、例えば、古着、不要となったシャツや肌着、伝線したストッキングなどの衣類生地を、適当な大きさに切り出したものである。

まず、図５（ａ）に示すように、適当な大きさのシート状の濾材４０のほぼ中央部に、内部コア２１を、その底部３７を下にして立てるようにして配置する。そして、図５（ｂ）に示すように、濾材４０を、内部コア２１に、当該内部コア２１を下方から上方にかけて包み込むように被せる。最後に、図５（ｃ）に示すように、濾材４０の余った部分（この場合、濾材４０の縁部分）を内部コア２１の孔３６から内側に詰め込むようにして挿入する。これにより、濾材４０が内部コア２１に保持される。なお、濾材４０の縁部分（余った部分）を内部コア２１の孔３６に挿入し易くするために、予め濾材４０の縁部分に切り込みを入れたり、縁部分の一部を切り取っておくようにするとよい。

次に、濾材４０を保持した内部コア２１の濾過装置１８への取付態様について図３および図４を参照して説明する。
濾材４０を保持した内部コア２１は、その底部３７側の端部が、濾材取付部２３のガイド部２８に嵌め込まれる。なお、内部コア２１の底部３７とガイド部２８の内底部との間は、パッキン２９によって水密な状態となる。

そして、ハウジングケース３０をベース部１９の濾材取付部２３に取り付け、このハウジングケース３０の上端部にキャップ３１を取り付ける。これにより、濾過装置１８の内部には、濾材取付部２３とケース部２０（ハウジングケース３０およびキャップ３１）とからなる濾過室４１（図４参照）が形成される。ここで、濾材取付部２３とハウジングケース３０との間、ハウジングケース３０とキャップ３１との間には、それぞれ円環状のパッキン４２，４３が介在されている。従って、濾過室４１は水密な構成となっている。

なお、ハウジングケース３０は、濾材４０を保持した内部コア２１をガイド部２８に嵌め込む前に、濾材取付部２３に取り付けるようにしてもよい。また、濾材取付部２３とハウジングケース３０との取り付け構造、および、ハウジングケース３０とキャップ３１との取り付け構造としては、種々の構造を採用することができ、例えば、一方を他方にねじ込む構造としてもよいし、一方を他方に嵌め込む構造としてもよい。

キャップ３１を取り付けることに伴い、当該キャップ３１の挿入部３２が、濾材４０を保持した内部コア２１の孔３６から当該内部コア２１の内部に挿入される。これにより、内部コア２１の孔３６に詰め込まれている濾材４０の縁部分が、挿入部３２によって内部コア２１の内部に押し込まれ、内部コア２１の内周面と挿入部３２の外周面との間にて、下方に押し延ばされた状態となる。なお、内部コア２１の上端部とガイド部３４の内底部との間は、パッキン３５によって水密な状態となる。

このような取付態様により、濾材４０を保持した内部コア２１は、水密な濾過室４１の内部のほぼ中央部にて、直立した状態で配置されるようになっている。そして、このように取り付けられた内部コア２１の内部には、後述するようにして、水道栓１５からの水が通るようになっている。

このような構成の濾過装置１８は、ベース部１９を下方に、ケース部２０を上方にした状態で、次のようにして給水経路１６に接続される。即ち、図２に示すように、ベース部１９の流入口２４は、給水ホース１７の末端部の流入ナット４４によって給水ホース１７に水密に接続される。一方、ベース部１９の流出口２６は、流出ナット４５によって洗濯機１の給水口８に水密に接続される。なお、流入ナット４４は、本来は洗濯機１の給水口８に接続されるものであり、濾過装置１８は、既存の流入ナット４４および給水口８を利用して、給水経路１６の一部に接続可能に構成されている。つまり、ベース部１９の流入口２４は、洗濯機１の給水口８と同一形状のねじ切り部を有しており、流出ナット４５は、流入ナット４４と同一形状のねじ切り部を有している。

次に、このように接続された濾過装置１８における水の流れ、および、当該濾過装置１８による濾過作用について図４を参照して説明する。
給水経路１６に接続された濾過装置１８においては、水道栓１５から給水ホース１７に流れた水は、流入口２４から流入路２５を通して濾過室４１内に流入する（矢印Ａ参照）。そして、濾過室４１内への水の流入に伴い当該濾過室４１内の水位が流入孔３８を超えると、当該濾過室４１内の水が、流入孔３８および流入孔３３を通して内部コア２１の内部に流入するようになる（矢印Ｂ，矢印Ｃ参照）。つまり、濾過装置１８は、水道栓１５から流入した水が、濾過室４１内にて内部コア２１の内部を通るようになっている。このとき、内部コア２１の内部に流入する水に含まれる鉄錆などの不純物が、濾材４０のうち、特に、内部コア２１の外周部に存する部分、および、流入孔３８と流入孔３３との間に介在する部分によって濾過され取り除かれる。

内部コア２１内に流入した水は、内部コア２１の底部３７の流出孔３９から流出し、流出路２７に流れる（矢印Ｄ参照）。このとき、流出孔３９から内部コア２１の外部に流出する水が濾材４０の一部（流出孔３９を覆う部分）によって濾過される。そして、流出路２７に流出した水は、流出口２６から流出し（矢印Ｅ参照）、給水口８から給水弁１４に向かって流れる。

以上に説明したように本実施形態によれば、洗濯機１外部の水道栓１５と当該水道栓１５からの水を洗濯機１内部の水槽に供給するための給水口８との間であって、洗濯機１内部の給水弁１４よりも上流側に、濾過装置１８を接続可能に構成した。これにより、洗い行程やすすぎ工程では、水道栓１５から供給される水に含まれる不純物（鉄錆など）を除去して水槽に注水することができ、洗濯物に不純物が残留付着して変色してしまうこと（黄ばみなど）を抑えることができる。

そして、この濾過装置１８において、濾材４０として使用するシート状の生地としては、入手し易い生地（例えば、古着、不要となったシャツや肌着、伝線したストッキングなどの衣類生地）を利用することができる。また、このような生地を濾材４０として利用するので、濾過装置１８を安価に構成することができる。

また、濾過装置１８は、洗濯機１の外部（洗濯機１外部の水道栓１５と洗濯機１が備える給水口８との間であって、洗濯機１内部の給水弁１４よりも上流側）に接続可能に構成されているので、濾過装置を洗濯機の内部に設けた構成とは異なり、濾過装置１８への内部コア２１の着脱や交換、ひいては、濾材４０の着脱や交換を容易に行うことができる。

このように、本実施形態の濾過装置１８によれば、洗濯機１に供給する水に含まれる不純物を濾過することを、より安価で簡易な構成にて実現できる。
また、濾過装置１８は、例えばイオン交換樹脂のような高価な濾材を入手困難な地域において、簡易的な濾過装置として使用することができる。

また、濾過装置１８は、濾材４０を保持するための孔３６を有し、水道栓１５からの水が内部を通るように取り付けられる内部コア２１を備えている。そして、濾材４０は、内部コア２１に当該内部コア２１を包み込むように被せられ、余った部分を孔３６に挿入させることによって内部コア２１に保持されるように構成されている。

これにより、内部コア２１の外周部において、濾材４０を重ねることなく均一な状態で保持することができる。濾材４０が部分的に重なっていたりして不均一な状態で保持されていると、その部分では、水の流れが妨げられて濾材４０を通過できなくなり、全体として均一な濾過を行うことができない。本実施形態の濾過装置１８によれば、内部コア２１の外周部において濾材４０が重なることなく均一な状態で保持されることから、内部コア２１の外部から内部へ流れる水が、その流れを妨げられることなく確実に濾材４０を通過するようになり、全体として均一な濾過を行うことができる。

また、内部コア２１の内周部においても、濾材４０が挿入部３２によって押し延ばされた状態となり、濾材４０が殆ど重なることなく均一な状態で保持される。従って、内部コア２１の内部においても、部分的に水の流れが妨げられることが殆どなく、全体として均一な濾過を行うことができる。

また、濾過装置１８は、水道栓１５からの水が流入する流入口２４と、この流入口２４から流入した水が流出する流出口２６とを有し、濾材４０が取り付け可能に構成されたベース部１９と、ベース部１９の上方に着脱可能に構成されたケース部２０とを備えて構成されている。このような構成によれば、濾過装置１８の上部を構成するケース部２０を取り外すことで、内部コア２１、ひいては、この内部コア２１に保持されている濾材４０の着脱や交換を容易に行うことができる。

さらに、ケース部２０は、その胴部を構成するハウジングケース３０と、上部を構成するキャップ３１とから構成されているので、ケース部２０全体を取り外さなくとも、上部のキャップ３１を取り外すことで、濾過装置１８内部の内部コア２１、ひいては、この内部コア２１に保持されている濾材４０の着脱や交換を容易に行うことができる。

また、濾過装置１８において水が流入し流出する部分、つまり、内部コア２１や濾材４０の着脱や交換に際して必ずしも洗濯機１（給水経路１６）から取り外す必要のない部分であるベース部１９は、洗濯機１に接続したままとすることができる。従って、濾材の着脱や交換に際し濾過装置全体を取り外す構成のものと異なり、濾材４０（当該濾材４０を保持する内部コア２１）の着脱や交換の手間を格段に簡略化することができる。

また、内部コア２１の内部に水を通すための流入孔３８および流入孔３３が、それぞれ内部コア２１の上部側および挿入部３２の上部側に設けられていることで、濾過室４１内において水が流れる流路（濾過室４１に流入した水が内部コア２１の内部に到達するまでの流路）を長く確保することができる。これにより、濾過室４１内にて水が濾材４０に接触する面積を大きく確保することができ、濾過性能の向上を図ることができる。

また、内部コア２１の内部に配置される挿入部３２の流入孔３３が、内部コア２１の流入孔３８よりも小さく、且つ、流入孔３８よりも多数設けられていることから、内部コア２１の周方向における取付位置がどのような位置であっても、流入孔３３および流入孔３８からなる内部コア２１内への通水路を確保することができる。

また、濾過装置１８は、洗濯機１の外部に容易に着脱可能に構成されているので、洗濯機１の製造時に濾過装置１８を予め組み付ける必要がなく、必要な場合にのみ濾過装置１８を洗濯機１に接続すればよい。また、濾過装置１８を洗濯機１とは別売りの装置として提供することができる。

（第２の実施形態）
以下、本発明の第２の実施形態について図６および図７を参照しながら説明する。本実施形態は、濾材４０の保持態様が、上述の第１の実施形態と異なる。以下、第１の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。

本実施形態では、上述の内部コア２１に代わる円筒状の内部コア５１を使用する。この内部コア５１は、その長手方向の両端部に、当該内部コア５１の長手方向に開放した孔５２，孔５３を有している。内部コア５１は、その一端部側（孔５２側）の側周部に、格子状に配列され矩形状に開口する複数の流入孔５４を有している。これら流入孔５４は、内部コア５１の長手方向に沿って複数段（キャップ３１の流入孔３３よりも少ない段数であり、この場合、３段）設けられており、それぞれの流入孔５４は、キャップ３１の流入孔３３よりも大きく開口している。

次に、この内部コア５１への濾材４０の保持態様について図７を参照して説明する。なお、本実施形態においても、使用する濾材４０は、シート状の生地からなるものであり、例えば、古着、不要となったシャツや肌着、伝線したストッキングなどの衣類生地を、適当な大きさに切り出したものである。

まず、図７（ａ）に示すように、適当な大きさのシート状の濾材４０に、内部コア５１を、寝かせるように配置する。このとき、内部コア５１の一端部側（複数の流入孔５４が形成されている側、孔５２側）では、濾材４０を幅広く余らせ、他端部側（複数の流入孔５４が形成されていない側、孔５３側）では、濾材４０を幅狭く余らせるように配置する。そして、図７（ｂ）に示すように、濾材４０を、内部コア５１に周方向に巻き付けるように被せる。最後に、図７（ｃ）に示すように、内部コア５１の長手方向の両端部にて、濾材４０の余った部分（この場合、濾材４０の両縁部分）を内部コア５１の孔５２，孔５３から内側に詰め込むようにして挿入する。これにより、濾材４０が内部コア５１に保持される。なお、濾材４０の両縁部分（余った部分）を内部コア５１の孔５２，孔５３に挿入し易くするために、予め濾材４０の両縁部分に切り込みを入れたり、両縁部分の一部を切り取っておくようにするとよい。

このように濾材４０を保持した内部コア５１は、図６に示すように、第１の実施形態に示したものと同様にして、水密な濾過室４１の内部のほぼ中央部にて、直立した状態で配置されるようになっている。そして、このように取り付けられた内部コア５１の内部には、第１の実施形態に示したものと同様にして、水道栓１５からの水が通るようになっている（矢印Ａ〜矢印Ｄ参照）。

このような本実施形態おいても、濾材４０として使用するシート状の生地としては、入手し易い生地（例えば、古着、不要となったシャツや肌着、伝線したストッキングなどの衣類生地）を利用するので、濾過装置１８を安価に構成することができる。
また、濾過装置１８は、洗濯機１の外部に接続可能に構成されているので、濾過装置１８への内部コア５１の着脱や交換、ひいては、濾材４０の着脱や交換を容易に行うことができる。
従って、洗濯機１に供給する水に含まれる不純物を濾過することを、より安価で簡易な構成にて実現できる。

また、濾過装置１８は、濾材４０を保持するための孔５２，孔５３を有し、水道栓１５からの水が内部を通るように取り付けられる内部コア５１を備えている。そして、濾材４０は、内部コア５１に巻き付けるように被せられ、余った部分を孔５２，孔５３に挿入させることによって内部コア５１に保持されるように構成されている。

これにより、内部コア５１の外周部において、濾材４０を重ねることなく均一な状態で保持することができ、内部コア５１の外部から内部へ流れる水が、その流れを妨げられることなく確実に濾材４０を通過するようになり、全体として均一な濾過を行うことができる。

また、内部コア５１の内周部においても、濾材４０が挿入部３２によって押し延ばされた状態となり、部分的に水の流れが妨げられることが殆どなく、全体として均一な濾過を行うことができる。

（その他の実施形態）
本発明は、上述した各実施形態にのみ限定されるものではなく、例えば次のように変形または拡張することができる。
流入孔３３，３８，５４の配列や形状は適宜変更して実施することができ、例えば、スリット状に開口した流入孔を挿入部３２，内部コア２１，５１の周方向に配列したり、円形状に開口した流入孔を半ピッチずつずらして配列してもよい。

濾過装置１８を構成する部材のうちハウジングケース３０以外の部材（ベース部１９、キャップ３１など）は、不透明な樹脂から構成してもよいし、ハウジングケース３０と同様に透明な樹脂から構成してもよい。
濾材４０の保持態様は、包み込むように被せる態様（第１の実施形態）や巻き付けるように被せる態様（第２の実施形態）に限られるものではなく、適宜変更して実施することができる。要は、濾材４０を内部コア２１，５１に重ねることなく均一な状態で保持できる態様であればよい。

コントロールパネル１１に開放ボタンを設け、使用者による開放ボタンの操作に応じて給水弁１４を開放させる機能を備えるようにしてもよい。このような構成によれば、濾材４０（当該濾材４０を保持する内部コア２１，５１）の着脱や交換の際に、この機能によって給水弁１４を開放させることで、濾過装置１８内（特に、濾過室４１内）の圧力（水圧）を下げることができ、濾材４０（内部コア２１，５１）の着脱や交換を容易に行うことができる。また、このように圧力を下げることによって、着脱や交換時における残圧による水の飛散を防止することができる。
本発明の濾過装置１８は、水槽の軸方向が横方向となる横軸型の洗濯機１のみならず、水槽の軸方向が縦方向となる縦軸型の洗濯機にも接続することができる。

図面中、１は洗濯機、８は給水口、１４は給水弁、１５は水道栓（水源）、１８は濾過装置、１９はベース部、２０はケース部、２１は内部コア、２４は流入口、２６は流出口、３６は孔、４０は濾材、５１は内部コア、５２，５３は孔を示す。

Claims (4)

1. 水源と当該水源からの水を洗濯機に供給するための給水口との間であって前記洗濯機の給水弁よりも上流側に接続可能に構成されているとともに、シート状の生地からなる濾材が取り付け可能に構成されていることを特徴とする洗濯機用の濾過装置。
2. 前記濾材を保持するための孔を有し、前記水源からの水が内部を通るように取り付けられる内部コアを備え、
   前記濾材は、前記内部コアに当該内部コアを包み込むように被せられ、余った部分を前記孔に挿入させることによって前記内部コアに保持されるように構成されていることを特徴とする請求項１記載の洗濯機用の濾過装置。
3. 前記濾材を保持するための孔を有し、前記水源からの水が内部を通るように取り付けられる内部コアを備え、
   前記濾材は、前記内部コアに巻き付けるように被せられ、余った部分を前記孔に挿入させることによって前記内部コアに保持されるように構成されていることを特徴とする請求項１記載の洗濯機用の濾過装置。
4. 前記水源からの水が流入する流入口と、この流入口から流入した水が流出する流出口とを有し、前記濾材が取り付け可能に構成されたベース部と、
   前記ベース部の上方に着脱可能に構成されたケース部とを備えて構成されていることを特徴とする請求項１から請求項３の何れか１項に記載の洗濯機用の濾過装置。

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