JP2011092142A - 抗原特異的b細胞集団の製造方法 - Google Patents

抗原特異的b細胞集団の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特定抗原に対して特異的なB細胞を含む抗原特異的B細胞集団を簡便に製造する方法を提供する。
【解決手段】特定抗原に特異的なIgG陽性B細胞を含む抗原特異的B細胞集団の製造方法であって、IgG陽性B細胞を、IL−21の存在下で、CD40、BAFF受容体、Fasを介した刺激を付与しながら、前記特定抗原と共に培養して前記特定抗原に特異的な抗原特異的B細胞を選別し、前記特定抗原に特異的なIgG陽性B細胞を含む抗原特異的B細胞集団を得ることを含む当該製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、抗原特異的B細胞集団の製造方法に関する。
モノクローナル抗体は、特定の抗原に対して高い選択性を示すため、有効な医薬として近年大きな注目を集めており、特に、癌細胞を標的とする抗体医薬には大きな期待が寄せられている。モノクローナル抗体を有効な医薬としてヒトの治療に適用するには、異種抗原の量が少ないヒトの抗体を投与することが、拒絶反応回避の観点から最も理想的である。このため多くのキメラ抗体やヒト化抗体が開発されている。
一般にヒト治療用のキメラ抗体やヒト化抗体は、抗原をマウス等に複数回免疫した後に、脾臓やリンパ節の細胞をミエローマ細胞と融合してハイブリドーマを形成し、ハイブリドーマが産生するマウスIgG抗体を基に、組換え技術を用いて作製している。
しかしながら、動物個体を用いることや、高い親和性を示す抗体を産生するハイブリドーマを選択することには時間がかかり、組換え技術により得られた抗体の活性を確認する必要がある。このため、この方法では、目的とする抗体の作製に時間がかかる上に、その効果はヒトに投与するまで確定できない。
また、免疫抗原が個体毒性を示す場合には個体への免疫は困難である。さらに、動物種間で保存性の高いタンパク抗原を抗原とする場合、免疫学的寛容のために抗体が産生されにくい。
その一方で、抗原に対する高い親和性を示すB細胞は胚中心で選択されることが知られているが、この選択の機構については、充分に解明されていない。特定の抗原に対して高い親和性を示すB細胞を人為的に増殖させて濃縮できれば、特定の抗原に対して高い親和性を示すモノクローナル抗体をより短時間で作製できる。
B細胞を増殖させる方法として、CD40リガンド(CD40L)とインターロイキン(IL)−4等のサイトカインの存在下でB細胞を培養する方法が知られている(例えば、特許文献1及び非特許文献1)。
また、胚中心は、抗原未接触のナイーブB細胞が抗原と接触して増殖した結果形成される組織学的構造であり、胚中心のB細胞にはクラススイッチや体細胞超突然変異が起こることが知られている。例えば、非特許文献2では、BAFFとCD40Lを同時発現させた線維芽細胞の存在下で、IL−4及び抗μHc抗体と共に脾臓B細胞を培養すると、殆どのB細胞が胚中心様の表現型を示すようになり、その約半数はIgG1へクラススイッチすること、及びその後にIL−4をIL−21に切り替えると、IgE陽性細胞が増加することが開示されている。
特表平9−512441号公報
J Exp Med. 1992 Vol.176(6): pp.1543-1550 日本免疫学会学術集会記録、2007年、第37巻、第259頁、3−F−W41−16−O/P
しかしながら、ナイーブB細胞、抗原接触後のB細胞に関わらず、特定の抗原に対して高い親和性を示すIgG抗体を産生可能なB細胞のみを高い選択性で且つ短時間に得ることには、未だに至っていない。
従って、本発明の目的は、特定抗原に対して特異的なIgG陽性B細胞を含む抗原特異的B細胞集団を簡便に製造する方法を提供することである。
本発明は以下のとおりである。
[1] 特定抗原に特異的なIgG陽性B細胞を含む抗原特異的B細胞集団の製造方法であって、IgG陽性B細胞を、IL−21の存在下で、CD40、BAFF受容体及びFasを介した刺激を付与しながら、前記特定抗原と共に培養して前記特定抗原に特異的な抗原特異的B細胞を選別し、前記特定抗原に特異的なIgG陽性B細胞を含む抗原特異的B細胞集団を得ることを含む当該製造方法。
[2] 前記CD40、BAFF受容体及びFasを介した刺激は、CD40L、BAFF及びFasLにより付与される[1]に記載の製造方法。
[3] 前記IgG陽性B細胞は、B細胞を含む細胞集団を、CD40及びBAFF受容体を介した刺激を付与しながら、IL−4の存在下で培養する一次培養及びIL−21の存在下で培養する二次培養により培養することによって得られる[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4] 前記CD40L、BAFF、FasL及び特定抗原を提示した担体が使用される[1]〜[3]のいずれかにに記載の製造方法。
[5] 前記CD40L、BAFF、FasL及び抗原を提示したフィーダー細胞が使用される[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6] [1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法により得られた抗原特異的B細胞集団を用いてモノクローナル抗体を製造するモノクローナル抗体の製造方法。
[7] CD40L、BAFF、FasL及び特定抗原を表面に有する抗原特異的B細胞選別用フィーダー細胞。
本発明によれば、特定抗原に対して特異的なIgG陽性B細胞を含む抗原特異的B細胞集団を簡便に製造することができる。
本発明によるIgG陽性B細胞の選別を、フィーダー細胞を使用した一実施形態に基づいて説明する概念図である。 本発明の実施例1にかかるB細胞増殖曲線のグラフである。 本発明の実施例1にかかる一次および二次培養中の細胞集団に対する抗IgE抗体及び抗IgG1抗体を用いた二次元染色の結果を説明する図である。 本発明の実施例2にかかる細胞集団中の抗NPIgG1産生細胞の割合を示すグラフである。 本発明の実施例3にかかる選別工程後の細胞集団のNP共役BSAビオチン及び抗IgG1抗体を用いた二次元染色の結果を説明する図である。 本発明の実施例4にかかるAID誘導体細胞における抗体遺伝子の超突然変異の部位を説明する図である。 本発明の実施例5にかかるヒト末梢血B細胞増殖曲線のグラフである。 本発明の実施例5にかかるヒト末梢血細胞の二次培養後の細胞集団に対する抗IgG抗体又は抗IgG1抗体と抗C19抗体とを用いた二次元染色の結果を説明する図である。
本発明の抗原特異的B細胞集団の製造方法は、特定抗原に特異的なIgG陽性B細胞を含む抗原特異的B細胞集団の製造方法であって、IgG陽性B細胞を、IL−21の存在下で、CD40、BAFF受容体、Fasを介した刺激を付与しながら、前記特定抗原と共に培養して前記特定抗原に特異的な抗原特異的B細胞を選別し、前記特定抗原に特異的なIgG陽性B細胞を含む抗原特異的B細胞集団を得ること(以下、「選別工程」という)を含む製造方法である。
この方法によれば、IgG陽性B細胞を、IL−21の存在下で、CD40、BAFF受容体、Fasを介した刺激を付与しながら、目的とする特定抗原と共に培養するので、他の抗原に対して親和性を有するB細胞ではなく、用いられた特定抗原に対して親和性を有するIgG陽性B細胞が生存し、その他のB細胞は排除される。特定の理論に拘束されないが、この段階のIgG陽性B細胞の表面には、B細胞抗原受容体(BCR)の他に、IL−21受容体(IL−21R)、CD40、BAFF受容体(BAFF−R)及びFasが存在しており、CD40及びBAFF−Rを介した刺激を受けたIgG陽性B細胞のうち、用いられた抗原に対する受容体を有するIgG陽性B細胞(特定抗原に対して特異性を有するIgG陽性B細胞)以外は、Fasを介した刺激によりアポトーシスが誘導されて死滅するためと推測される(図1参照)。この結果、選別の後に得られた細胞集団は、特定抗原に特異的なIgG陽性B細胞で主として構成された抗原特異的B細胞集団となる。
従って、複数回の免疫を経ることなく、特定抗原に対して特異性を有するIgG陽性B細胞を含む抗原特異的B細胞集団が効率よく得られる。
以下、本発明について説明する。
本発明に用いられるIgG陽性B細胞は、表面にIgGを有するB細胞である。このIgG陽性B細胞は、B細胞を含有する細胞集団からIgG抗体の有無に基づいて得ることができる。
本発明に用いられるB細胞を含有する細胞集団は、一般には末梢血細胞、骨髄細胞又はリンパ系臓器、例えば脾臓細胞などに由来する細胞集団であればよく、特に限定されない。またIgG陽性B細胞としては、抗原未反応のナイーブB細胞であっても、抗原接触後のB細胞であってもよい。ここで本明細書における「ナイーブB細胞」とは、抗原と未反応の成熟B細胞を一般に指し、CXCR5陽性且つCD40陽性の表面抗原を示す細胞が該当する。
また、本発明に用いられる細胞集団は、IL−21受容体(IL−21R)、CD40、BAFF受容体(BAFF−R)及びFasを有し且つ抗原を認識可能なIgG陽性B細胞を含むものであればよく、本発明の目的を妨げない範囲で分化段階における他のステージのB細胞や多種の細胞が含まれていてもよい。培養による選択の効率の観点から、IgG陽性B細胞以外のB細胞、例えば、IgE陽性細胞、CD138陽性(プラズマ)細胞や、B細胞以外の細胞、例えば、T細胞、単球、NK細胞を除去することが好ましい。
本発明において用いられる細胞集団は、免疫系が確立された生物由来の細胞集団であればよく、哺乳動物の霊長類、例えばヒト、サルなど、有蹄類、例えばブタ、ウシ、ウマなど、小型哺乳類の齧歯類、例えばマウス、ラット、ウサギなど、鳥類、例えはニワトリ、ウズラなどが含まれる。本細胞集団の由来としては、齧歯類及び霊長類であることが好ましく、マウス、ヒトを例示することができる。脾臓等の生体組織から細胞集団を調製する方法は、通常のB細胞集団を調製する条件をそのまま適用すればよい。また、生体由来の細胞集団に限定されず、確立されたB細胞株であってもよい。
IgG陽性B細胞を含む細胞集団の培養は、通常、B細胞の培養に用いられる培地による通常の培養条件であればよい。このような培地としては、例えば、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)や、RPMI1640などを挙げることができる。これらの培地に対しては、通常、血清、各種ビタミン、各種抗生物質等、通常の細胞培養に適用可能な各種添加剤を添加してもよい。
培養温度などの培養条件は、一般的なB細胞に対して用いられる培養条件をそのまま適用することができ、例えば、37℃5%COの条件が挙げられる。
細胞集団の培地への播種密度は、細胞集団の由来や組織から調製した細胞の状態、また同一培養系内で行う培養日数によって異なるが、一般に、1×10個〜1×10個/cm、好ましくは1×10個〜1×10個/cmとすればよく、特にヒトB細胞は高密度で培養を開始した方が増殖率が良いことから、好ましくは1×10個〜1×10個/cmとすればよい。この範囲内であれば、4日間程度の培養後に、過増殖状態になることを予防できる。
本発明に用いられるIgG陽性B細胞は、IL−21の存在下で、CD40、BAFF受容体、Fasを介した刺激により細胞内シグナルを生じさせるためには、IL−21受容体(IL−21R)、CD40、BAFF受容体(BAFF−R)及びFasを有することを要する。これらの分子に対する刺激は、これらの分子を外部から認識してCD40、BAFF受容体及びFasを有するIgG陽性B細胞の内部に細胞内シグナルを生じさせるものであれば制限はなく、これらの分子の全部又は一部を認識する抗体又は抗体断片、CD40リガンド(CD40L)、BAFF及びFasリガンド(FasL)を挙げることができる。なお、CD40、BAFF受容体及びFasを介した刺激は、CD40リガンド(CD40L)、BAFF及びFasリガンド(FasL)のうちの1つ以上を、CD40、BAFF受容体(BAFF−R)又はFasに対する抗体又は抗体断片に代えて、与える形態も本発明に包含される。
CD40Lは、CD40に対するリガンドであり、CD40Lのアミノ酸配列は公知となっている(例えば、Nature, Vol.357, pp.80-82 (1992)及び、EMBO J., Vol.11, pp.4313-4321 (1992)参照)。本発明では、CD40Lの配列のうち、受容体結合能に関与する活性ドメインの結合能が失われない程度に保存されていればよく、例えば、活性ドメインの80%以上のアミノ酸配列相同性があれば、本発明において利用可能である。このようなCD40Lは、自然に発現する細胞から単離したものであってもよく、既知のアミノ酸配列に基づいて合成したものであってもよい。また、CD40Lは、培養系中のB細胞に対してCD40Lの存在に対応したシグナルを与えることができる形態であればよく、遊離型であっても、膜結合型であってもよい。
遊離型CD40Lは、IgG陽性B細胞を含む細胞集団を形成するためには、B細胞が増殖を維持可能な濃度で培養系に存在すればよく、例えば、10ng/ml〜10μg/mlだが、B細胞の増殖に伴う相対的な減少を考慮して、好ましくは100ng/ml〜10μg/mlとすることができる。
BAFF(B細胞活性化因子:B cell activation factor belonging to the tumor necrosis factor family)は、TNF類縁分子であって抗原と反応したB細胞の増殖、分化等に関与していることが知られている分子であり、BAFFのアミノ酸配列は既に公知となっている(例えば、J Exp Med, Vol.189, pp.1747-1756 (1999)及び、Science, Vol. 285, pp.260-263 (1999)及び、J Bio Chem, Vol.274, pp.15978-15981, (1999))。本発明では、BAFFの配列のうち、受容体結合能に関与する活性ドメインの結合能が失われない程度に保存されていればよく、例えば、活性ドメインの80%以上のアミノ酸配列相同性があれば、本発明において利用可能である。このようなBAFFは、自然に発現する細胞から単離したものであってもよく、既知のアミノ酸配列に基づいて合成したものであってもよい。また、BAFFは、培養系中のIgG陽性B細胞に対してBAFFの存在に対応したシグナルを与えることができる形態であればよく、遊離型(即ち、分泌型)であっても、膜結合型であってもよい。
遊離型BAFFは、IgG陽性B細胞を含む細胞集団を形成するためには、B細胞が増殖を維持可能な濃度で培養系に存在すればよく、例えば、10ng/ml〜10μg/ml、高濃度であればより生存支持活性が期待できるとの観点から好ましくは100ng/ml〜10μg/ml濃度とすることができる。
Fasリガンド(FasL)は、TNFファミリーに属するデス因子、即ちアポトーシス誘導活性を示すサイトカインであり、そのアミノ酸配列は公知となっている(例えば、Cell, Vol.75, pp.1169-1178 (1993))参照。本発明では、FasLの配列のうち、受容体結合能に関与する活性ドメインの結合能が失われない程度に保存されていればよく、例えば、活性ドメインの80%以上のアミノ酸配列相同性があれば、本発明において利用可能である。このようなFasLは、自然に発現する細胞から単離したものであってもよく、既知のアミノ酸配列に基づいて合成したものであってもよい。また、FasLは、培養系中のIgG陽性B細胞に対してFasの存在に対応したシグナルを与えることができる形態であればよく、細胞内シグナルを生じさせることができれば遊離型であっても、膜結合型であってもよい。
FasLは、一般的にB細胞に対してアポトーシスを誘導可能な濃度で培養系に存在していればよく、例えば、10ng/ml〜10μg/ml、また抗原刺激による細胞死の抑制を誘導する観点から、好ましくは10ng/ml〜1μg/mlの濃度とすることができる。
なお、CD40L、BAFF及びFasLの由来としては、上述した細胞集団と同様に、哺乳動物の霊長類、有蹄類、小型哺乳類の齧歯類、鳥類などが挙げられ、好ましくは、齧歯類及び哺乳類由来のものであり、ヒト、マウスを例示することができる。また、提示対象となる上記細胞集団と同一の種に由来するものであってもよく、異なる種に由来するものであってもよい。
CD40、BAFF受容体(BAFF−R)又はFasに対する抗体又は抗体断片は、当業界で既知の方法に従って得ることができる。CD40、BAFF受容体(BAFF−R)又はFasに対して結合能を有する抗体であれば、特に制限はない。
これらの抗体又は抗体断片は、担体の表面に提示された形態であっても、抗体表面に固定化されていない遊離型又は可溶化形態であってもよい。
CD40L、BAFF又はFasLは、培養系中のB細胞に対して確実に細胞内シグナルを与える観点から、担体の表面に提示された形態であることが好ましい。
各分子を表面に提示するために用いられる担体としては、細胞、人工脂質二重膜、ポリスチレン若しくはポリエチレンテレフタレートなどのプラスチック、コラーゲン、ナイロン、ニトロセルロース、寒天、アガロース、セファロースなどの多糖、紙、ガラスなどを、上記分子を表面に提示するために通常用いられるものであれば、特に制限されることなく挙げることができる。担体の形状には特に限定はなく、シート状、平板状、球状、スポンジ状、繊維状などのいずれの形状としてもよい。担体としては、細胞の確実な選択性の観点から、細胞であることが好ましい。担体として使用可能な細胞としては、線維芽細胞、上皮細胞(例えばHeLa細胞)、胎児腎臓細胞(例えば、HEK293など)、濾胞樹状細胞などを挙げることができる。なかでも、増殖速度が速く、細胞表面積が大きい、フィーダー細胞の除去が簡便であるとの観点から、線維芽細胞が好ましい。
CD40L、BAFF及びFasLを細胞表面に提示されたフィーダー細胞は、CD40L、BAFF及びFasLの既知の配列に基づいて、当業者であれば遺伝子組み換え技術等を用いて作製することができる。
フィーダー細胞の由来としては、上述した細胞集団と同様に、哺乳動物の霊長類、有蹄類、小型哺乳類の齧歯類、鳥類などが挙げられ、好ましくは、齧歯類及び哺乳類由来のものであり、マウス、ヒトなどを例示することができる。また、フィーダー細胞は、提示対象となる上記細胞集団と同一の種に由来する細胞であってもよく、異なる種に由来する細胞であってもよい。
選別工程においてIgG陽性B細胞に対して提示される特定抗原は、本発明において目的とする抗原特異的IgG陽性B細胞が親和性を示す抗原を意味し、目的に応じて適宜選択される。抗原の種類としては、抗原性を示すものであれば特に制限はなく、DNA、RNAなどの核酸、糖鎖、脂質、アミノ酸、ペプチド、タンパク、ハプテン、低分子化合物などを挙げることができる。これらの物質は、B細胞が認識できる形態で提示されていればよく、遊離型であっても担体固定型であってもよい。B細胞への確実な提示の観点から、抗原は、担体に固定された形態であることが好ましい。
IgG陽性B細胞による抗原認識性を高めるために、用いられる抗原には、抗原単独で用いられる形態の他に、既知の補助分子を付加した形態、抗体分子との結合形態など、当業界で既知の抗原性を高める形態を適用してもよい。
抗原の提示に抗体分子との結合形態を適用した場合あるいはタンパク抗原と抗体Fc領域との融合タンパクを適用した場合には、担体表面に抗原を展示させるための足場、例えばFcレセプター分子又は、プロテインAまたはプロテインGなどを更に用いればよい。また担体の構成成分に対して結合するタンパク質と、抗原蛋白の融合タンパク質を用いてもよい。また、抗原として膜型タンパク質を提示する場合はその遺伝子を発現ベクターの形で担体としての細胞に導入して発現させてもよい。それ以外のタンパクの場合は適当なシグナルペプチド(分泌タンパクの場合は不要)と適当な膜貫通領域(例えばMHC classIのもの)との融合タンパクとして発現させることのできる発現ベクターを担体としての細胞に導入して発現させてもよい。
目的とする抗原特異的B細胞の選択効率の観点から、CD40L、BAFF又はFasLと、抗原とは、フィーダー細胞に提示されていることが更に好ましい。なお、CD40L、BAFF、FasL及び抗原は、IgG陽性B細胞に対して細胞内シグナルを生じさせることができれば、必ずしも同一のフィーダー細胞上に存在していなくてもよい。
選別工程で用いられるIL−21は、天然由来のものであってもよく、生物工学的に得られた組換え体のものであってもよい。IL−21の由来としては、上述した細胞集団と同様に、哺乳動物の霊長類、有蹄類、小型哺乳類の齧歯類、鳥類などが挙げられる。これらの分子はそれぞれ、好ましくは、齧歯類及び哺乳類由来のものであり、例えばマウス、ヒトなどを挙げることができる。また、提示対象となる上記細胞集団と同一の種に由来する分子であってもよく、異なる種に由来する細胞であってもよい。
選別工程の培養系に含まれるIL−21の量は、特定抗原に対して親和性を有するIgG陽性B細胞を増殖可能な量であればよく、一般に、1ng/ml〜1μg/mlとすることが好ましく、100ng/ml〜1μg/mlとすることが更に好ましい。なお、選別工程では、得られる細胞集団におけるIgG陽性B細胞の割合の観点から、培養系にはIL−4が含まれていないことが好ましい。
選別工程は、播種密度及び細胞種などの条件によって異なる場合もあるが、確実な選別の観点から一般に選別工程開始後半日以上とし、確実な選別の観点から1日〜3日としてもよく、1日〜2日とすることが好ましいが、細胞の生存能が維持されれば、より長期であってもよく、より長期に培養することによって、より高い親和性を有する抗原特異的IgG陽性B細胞を得ることができる。
また、B細胞の抗原に対する親和性を向上させるために、選別工程はフィーダー細胞を更新しながら、繰り返し行ってもよい。その場合、各選別工程の後にIgG陽性B細胞を増殖させるために、後述する二次培養を行うことが好ましい。
B細胞の抗原に対する親和性を向上させるために、工程を繰り返す毎に抗原の濃度や価数を変化(減少)させてもよい。さらに、B細胞の抗原に対する親和性を向上させるために、直前の工程の培養上澄、または培養上澄中に産生された抗体を次の工程を行う際に培養系へ加えてもよい。これにより、B細胞受容体と抗体との競合が生じて、より高い親和性のB細胞受容体をもつB細胞が選別され得る。
本発明におけるIL−21受容体(IL−21R)、CD40、BAFF受容体(BAFF−R)及びFasを有するIgG陽性B細胞は、これらの分子の存在を、例えば抗体等を用いたときの反応性等に基づいて得てもよいが、調製時間及び目的とするIgG陽性B細胞の細胞密度の観点から、B細胞を含む細胞集団を、CD40及びBAFF受容体を介した刺激を付与しながら、IL−4の存在下で培養する一次培養工程及びIL−21の存在下で培養する二次培養工程により培養すること(培養工程)を含む方法によって得たものであることが好ましい。
このような異なるサイトカインを用いた二段階の培養を行うことによって、IgG陽性B細胞が大量に増殖する。培養工程の開始時の播種密度及び細胞種によって異なるが、本培養工程を行うことにより、IgG陽性B細胞を、培養開始時の10倍〜10倍まで増やすことが可能となる。
上記培養工程では、一次培養及び二次培養とも、CD40及びBAFF受容体を介した刺激を付与しながら行う。CD40及びBAFF受容体を介した刺激としては、選別工程と同様に、これらの分子に対する抗体を用いて行ってもよく、CD40L及びBAFFを用いてもよい。またこれらの抗体及び分子からの刺激を確実に培養対象となる細胞集団に対して付与する観点から、これらの抗体またはCD40L及びBAFFを有する担体、例えばフィーダー細胞等を用いてもよい。CD40L及びBAFFと、担体等については、選別工程において記載した事項をそのまま適用することができる。培養工程で用いられる担体又はフィーダー細胞については、それぞれ培養用担体または培養用フィーダー細胞とよぶことがある。
一次培養に用いられるIL−4は、天然由来のものであってもよく、生物工学的に得られた組換え体のものであってもよい。IL−4の濃度は、B細胞の効果的な増殖の観点から1ng/ml〜100ng/mlとすることが好ましく、IgE細胞の抑制の観点から1ng/ml〜10ng/mlとすることが更に好ましい。
また一次培養では、培養対象となるB細胞集団の種類や由来に応じて、IL−4とともに他のサイトカインも使用してもよい。例えばIL−2をIL−4と併用する場合には、IL−2の濃度は1ng/ml〜1μg/mlであることが好ましい。
一次培養を開始するときの細胞の播種密度は、特に制限はないが、細胞集団の由来や組織から調製した細胞の状態、また同一培養系内で行う培養日数によって異なるが、一般に、1×10個〜1×10個/cm、好ましくは1×10個〜1×10個/cmとすればよい。
また一次培養は、播種密度によって異なる場合もあるが、B細胞集団の増殖速度の観点から一般に培養開始後2日〜8日としてもよく、細胞集団中のIgG陽性B細胞の密度の観点から3日〜6日とすることが好ましく、3日〜5日とすることがより好ましい。
上記培養工程における二次培養は、IL−21の存在下で行われる。IL−21は、天然由来のものであってもよく、生物工学的に得られた組換え体のものであってもよい。IL−21の濃度は、効果的なB細胞の増殖の関連から1ng/ml〜100ng/mlとすることが好ましく、10ng/ml〜100ng/mlとすることが更に好ましい。
二次培養は、播種密度によって異なる場合もあるが、B細胞集団の増殖速度の観点から一般に二次培養開始後2日〜10日としてもよく、細胞集団中でのプラズマ芽細胞の数の抑制とIgG陽性B細胞の数の増加の観点から2日〜7日とすることが好ましく、2日〜5日とすることがより好ましいが、細胞の生存能が維持されれば、より長期であってもよい。
二次培養を開始する際には、一次培養後の培養系に所定量のIL−21を添加してもよく、一次培養後の培養系から細胞を回収して、IL−4を含まないIL−21含有培地に移して開始してもよい。二次培養におけるIgG陽性B細胞の増殖速度及び得られた細胞集団中におけるIgE陽性B細胞の混入を抑制する観点から、IL−21を含有し且つIL−4を含まない培地により二次培養を行うことが最も好ましい。
なお、本発明で用いられるIL−4及びIL−21の由来としては、上述した細胞集団と同様に、哺乳動物の霊長類、有蹄類、小型哺乳類の齧歯類、鳥類などが挙げられる。これらの分子はそれぞれ、好ましくは、齧歯類及び哺乳類由来のものであり、マウス、ヒトなどを例示することができる。また、提示対象となる上記細胞集団と同一の種に由来する分子であってもよく、異なる種に由来する細胞であってもよい。
二次培養終了後には、目的とするB細胞の濃度を確実に高めるために、IgG陽性B細胞以外の細胞を除去することが好ましい。除去対象となる細胞としては、IgE陽性B細胞、CD138陽性の形質細胞、フィーダー細胞(存在する場合)などを挙げることができる。これらの細胞は、表面に存在する固有の表面抗原に対する抗体等を用いた既知の技術で除去することができる。
また二次培養では、培養対象となるB細胞集団の種類や由来に応じて、IL−21とともに他のサイトカインも使用してもよい。例えば、IL−2をIL−21と併用する場合には、IL−2の濃度は1ng/ml〜1μg/mlであることが好ましい。
本発明の抗原特異的B細胞集団の製造方法では、目的とする抗原特異的IgG陽性細胞を選別するために必要な期間行えばよく、選別工程を開始するときのIgG陽性B細胞の数、用いられる抗原の種類又はフィーダー細胞の状態などによって適宜変更することができる。例えば、効率よく目的とする細胞集団を得るために、選別工程を1日〜2日間としてもよく、培養工程を含む場合には、一次培養を3日〜5日間、二次培養を2日〜5日間とし、選別工程を1日〜2日間としてもよい。
本発明の製造方法では、選別工程の後に、選別された抗原特異的IgG陽性B細胞を更に増殖させるための増殖工程を含んでもよい。この増殖工程は、選別工程で選別された特定抗原に対して抗原特異的IgG陽性B細胞を増殖させることができる培養条件で行えばよいが、選別されたIgG陽性B細胞の効率よい増殖の観点から、IL−21の存在下で、CD40L及びBAFFと共に培養するものであることが好ましい。
増殖工程で好ましく用いられるIL−21については、前述した二次培養又は選別工程で適用した条件をそのまま適用することができる。また、増殖工程に好ましく用いられるCD40L及びBAFFについても、前述した事項をそのまま適用することができる。
増殖工程は、得られた細胞集団中の目的とするIgG陽性B細胞の数に応じた期間継続すればよく、一般に1日以上、好ましくは3日以上とすることができるが、培養系に含まれる細胞集団の増殖速度及び密度に応じて適宜調整すればよい。
なお、本発明では、上述した選別工程後に得られた細胞に対して用いられる「抗原特異的IgG陽性B細胞集団」との用語は、得られた細胞を総括する意味で用いられ、細胞の数に限定されない。即ち、複数個の細胞を指す場合に用いられる他、1個の細胞のみが存在する場合にも同様に用いられる。
本発明の抗原特異的IgG陽性B細胞集団は、上述した製造方法により得られた細胞集団である。この細胞集団では、用いられた特定抗原に対して特異性を有するIgG陽性B細胞で主として構成されており、例えば、同様の抗原と一次接触した生体由来の脾臓組織に由来する細胞集団よりも、抗原に対して特異性を有するIgG陽性B細胞の密度が高い。
従って、本抗原特異的IgG陽性B細胞集団であれば、特定抗原に対して親和性を有するIgG陽性B細胞を大量に必要とするモノクローナル抗体の製造や、細胞治療等に好適に用いることができる。
なお、本発明の製造方法により得られたIgG陽性B細胞集団を構成するB細胞に対しては、抗体分子に変異を導入して、更に多様な抗原特異性を有するB細胞を得てもよい。このような変異の導入としては、例えば、V領域に対する変異の導入が挙げられる。これにより、抗原に対する親和性を更に改良することができる。
V領域に対して変異を導入する方法としては、公知の方法を適用することができるが、変異導入の確実性の観点から、抗体遺伝子の体細胞突然変異(SHM)と抗体定常部領域遺伝子のクラススイッチ組み換え(CSR)の双方に寄与するAID(activation induced cytidine deaminase)の利用が挙げられる。あるいは、AIDの発現を増強するサイトカインなどを用いてもよい。
本発明のモノクローナル抗体の製造方法は、上述した抗原特異的B細胞集団の製造方法により得られた細胞集団を用いてモノクローナル抗体を製造することを含む。
これにより、特定抗原に対するモノクローナル抗体を簡便に且つ迅速に得ることができる。
本モノクローナル抗体の製造方法では、周知のハイブリドーマ作製方法を、上記の抗原特異的B細胞集団に対して適用すればよい。具体的には、本発明により得られたIgG陽性B細胞を含む細胞集団に対して、ミエローマ細胞等を周知の方法による細胞融合法を用いてハイブリドーマを得て、このハイブリドーマの中から、目的とする抗体を産生するハイブリドーマを、限界希釈法等を用いて単離し、単離されたハイブリドーマが産生する抗体を回収すればよい。あるいは、上記の抗原特異的B細胞集団から抗体遺伝子を単離して、遺伝子組み換えによりモノクローナル抗体を作製する方法でもよい。
本発明の抗原特異的B細胞選別用フィーダー細胞は、CD40L、BAFF、FasL及び特定抗原を表面に有する細胞である。
本フィーダー細胞を用いることによって、本発明の抗原特異的B細胞集団を効率よく得ることができる。
本抗原特異的B細胞選別用フィーダー細胞では、CD40L、BAFF、FasL及び特定抗原が、提示対象となるB細胞に認識可能に細胞表面に提示されていればよい。これらの分子を細胞表面に提示する手段としては、例えば、膜型の天然由来分子としてそのまま発現するように、又は、膜に結合するアンカー分子との融合タンパク質として発現するように、遺伝子組み換え技術などを用いて標的フィーダー細胞へ導入することなどが挙げられる。
フィーダー細胞の種類としては、この目的に一般的に用いられるものであれば特に制限はなく、線維芽細胞、上皮細胞(例えばHeLa細胞)、胎児腎臓細胞(例えば、HEK293など)、濾胞樹状細胞などを挙げることができる。なかでも、増殖速度が速く、細胞表面積が大きい、フィーダー細胞の除去が簡便であるとの観点から、線維芽細胞が好ましい。
なお、本発明で用いられるフィーダー細胞の由来としては、上述した細胞集団等と同様に、哺乳動物の霊長類、有蹄類、小型哺乳類の齧歯類、鳥類などが挙げられる。これらの分子はそれぞれ、好ましくは、齧歯類及び哺乳類由来のものであり、マウス、ヒトなどを例示することができる。また、フィーダー細胞は、提示対象となる上記細胞集団と同一の種に由来する細胞であってもよく、異なる種に由来する細胞であってもよい。
なお、上記抗原特異的B細胞選別用フィーダー細胞を得るために、CD40L、BAFF、FasLのみを有する抗原提示用フィーダー細胞を用いてもよい。この抗原提示用フィーダー細胞を用いて抗原特異的B細胞選別用フィーダー細胞を得るには、特定抗原を細胞表面に提示するための手段、例えば特定抗原発現ベクター等を用いて、特定抗原を後から抗原提示用フィーダー細胞へ提示させればよい。このような抗原提示用フィーダー細胞を用いることにより、全ての分子を同時期に導入するよりも効率よく、目的に応じた特定抗原を有する抗原特異的B細胞選別用フィーダー細胞を得ることができる。
以下に本発明の実施例について説明するが、これに限定されるものではない。また実施例中の%は、特に断らない限り、重量(質量)基準である。
[実施例1]
[A]IgG陽性B細胞の増殖
(1)細胞の培養
B細胞調製物及び他の細胞の培養は、特に断らない限り、RPMI−1640(10%(v/v) FCS、ペニシリン/ストレプトマイシン、2mM L−グルタミン、55nM 2−ME、10mM HEPES及び1mM ピルビン酸ナトリウム添加)をB細胞培養培地として用いて、5%(v/v)CO、37℃の条件下で行った。
(2)ナイーブB細胞の調製
マウス(C57BL/6、メス8週齢)から脾臓細胞を得て、常法により、ビオチン−抗マウスCD43抗体(BD Pharmingen社製)、ビオチン−抗マウスCD4抗体(Biolegend社製)、ビオチン−抗マウスTer−119抗体(eBioscience社製)、ビオチン−抗マウスCD11c抗体(eBioscience社製)を反応させ、CD43、CD4、Ter−119及びCD11c陰性のB細胞を、Streptavidin-Particle Plus-DM、BD IMagnet(BD Bioscience Pharmingen社製)を用いて回収し、上記培養培地に懸濁してB細胞調製物を得た。
CD40L及びBAFFを細胞表面に提示するフィーダー細胞、40LB細胞は、以下のようにして得た。即ち、マウスCD40リガンド(例えば、Nature, Vol.357, pp.80-82 (1992)及び、EMBO J., Vol.11, pp.4313-4321 (1992)参照)を、pApuro(EMBO J. 13:1341-1349, 1994)に組み込んでCD40L発現ベクターを構築した。またBAFF(例えば、J Exp Med, Vol.189, pp.1747-1756 (1999)及び、Science, Vol. 285, pp.260-263 (1999)及び、J Bio Chem, Vol.274, pp.15978-15981, (1999))を、pCAGGS(Gene 108: 193-199, 1991)のプロモーター部分(SnaBIからEcoRIまで)とpEGFP−C1(Clontech)(BamHIからSnaBIまでのネオマイシン耐性遺伝子を含む部分)とから構成されるベクターに組み込んでBAFF発現ベクターを構築した。これらの発現ベクターを、Balb/c 3T3細胞に、常法により導入し、恒常的に発現させてクローンを作製した。
実験には、直径10cm細胞培養プレート(BD Falcon社製)に、40LB細胞を3×10個播種し、24時間培養して単一層を形成させた後、120Gyのγ線を照射してから使用した。
(3)IgG陽性B細胞集団の調製(培養工程)
40LB上に、上記で得られたマウスB細胞を、マウスIL−4(10ng/ml、PEPRO TECH社製)を含有するB細胞培養培地に1.25×10個/mlの細胞密度で懸濁して、COインキュベーターにて培養を行った(一次培養)。
培養4日目に全細胞を、2mMのEDTAと0.5%のBSAを含むPBSを用いてフィーダーごと剥がし、ピペットでフラッシュして回収した。新たに準備された40LB細胞が播種されたプレートに、IL−21(10ng/ml、PEPRO TECH社製)を含有するB細胞培養培地に、回収された細胞集団を、2.5×10個/ml以下の細胞密度で播種して、培養を行った(二次培養)。
培養開始から4、6、8、10日目に、トリパンブルーで染色して生細胞数を計測し、初期細胞数からの増加率を表した。結果を図2に示す。図2において、実線は一次培養期間で確認された細胞数、破線は二次培養期間で確認された細胞数を示す。その結果、培養開始から10日で約10万倍に増殖したことが確認された(図2参照)。
また、培養開始から4、6、8、10日目のB細胞を、IgEおよびIgG1に対する抗体(ビオチン−抗マウスIgE抗体(BD Pharmingen社製)、FITC−抗マウスIgG1抗体(Southern biotec社製))で20分間、室温にて染色し、フローサイトメーター(FACS Calibur BectonDickinson社製)で解析した。結果を図3に示す。図中の囲み線に付された数値はそれぞれの囲み線内の含まれる細胞の割合(%)を示す。
図3に示されるように、培養4日目ではIgG1及びIgE型抗原受容体を発現したB細胞が存在しているが、培養10日目にはほぼ全てのB細胞はIgG1型のみとなったことが確認できた。また、一部がCD138陽性(形質細胞系)となることを除けば、ほぼ全ての細胞が胚中心B細胞の表現型を示していた(GL7+、Fas+、CD38low、PNA結合性+)(データは示さず)。
[実施例2]
[B]B1−H8ノックインマウス由来B細胞集団の抗体産生能
(1)細胞の調製
NP抗原特異的IgG陽性B細胞集団を調製するために、B1−8重鎖ノックインマウスのB細胞集団を用いた。
B1−8重鎖ノックインマウス(Lam KP et al., 1997: Cell 90:1073)の脾臓より、実施例1(1)と同様にして、ナイーブB細胞を調製した。B1−8重鎖ノックインマウスのB細胞は、4−ヒドロキシ−3−ニトロフェニルアセチル(NP)抗原に対して親和性を示すB細胞(λL鎖陽性)が約5%存在していることが知られている。
(2)NP抗原認識産生B細胞のELISPOT法による確認
B1−8重鎖ノックインマウス由来脾臓B細胞を、実施例1と同様にして、回収した後、κ軽鎖陰性且つNP結合性B細胞を、FITC−抗マウスκ軽鎖抗体(BD Pharmingen社製)、抗FITC-microbeads(Miltenyi Biotec社製)、NP−BSA−ビオチン(Biosearch Technologies社製)、及びアビジン-microbeads(Miltenyi Biotec社製)を使用し、さらにMACS Separation Columns (Miltenyi Biotec社製)を用いて回収した。このNP特異的B細胞を、実施例1と同様にして培養開始から4日目に回収して、二次培養を開始した。二次培養開始から2日目と4日目における全B細胞中の抗NPIgG1産生細胞数を、ELISPOT法により測定した。また、実施例1と同様にしてフローサイトメトリーを用いて、IgG1陽性細胞の数を算出した。フローサイトメトリーの結果から算定したIgG1陽性細胞数を基に、抗NP−IgG1抗体産生細胞の割合(%)を算出した。具体的には、NP−CGGをコーティングしたMultiScreen(MILLIPORE社製)に、回収された細胞を200個/wellで播種し、5時間培養後、細胞を洗浄除去し、抗マウスIgG1−HRP抗体(SouthernBiotech社製)を反応後、AEC substrate(DAKO社製)を用いて発色させ、NP特異的IgG1産生細胞数を測定した。結果を図4示す。
図4に示されるように、二次培養開始後2日目では41%±6、4日後には67%±4と、約半数がIgG抗体産生細胞として存在することが確認された。このように、二次培養工程を経たIgG陽性B細胞の半数は、形質芽細胞であることが示された。
[実施例3]
[C]B1−H8ノックインマウス由来のIgG陽性B細胞集団の調製
(1)細胞の調製
抗原特異的IgG陽性B細胞集団が選択できることを確認するため、B1−8重鎖ノックインマウスのB細胞集団及び40LB−FcY−FL細胞を用いた。
B1−8重鎖ノックインマウス(Lam KP et al., 1997: Cell 90:1073)の脾臓より、実施例1(1)と同様にして、ナイーブB細胞を調製した。
40LB−FcY−FL細胞は、40LB細胞にマウスFas−ligand(FL)(Cell, Vol.75, pp.1169-1178 (1993))とニワトリIgY(IgG)受容体(Proc Natl Acad Sci U S A, Vol.104, pp.11718-11723 (2007))を、常法に従ってレトロウィルスベクターにより導入し(Int J Hematol, Vo.67, pp.351-359 (1998))、恒常的に発現させてクローン作製した。
40LB−FcY−FL細胞に提示する抗原としては、NP42−チキン−グロブリン(CGG)抗原(定法によりNPとCGGを共役させた)を用いた。実施例1と同様に、10cmプレートに40LB−FcY−FL細胞を播種した後、NP42−CGGを10ug/mlで1時間、室温で反応させ結合させた。
(2)抗原特異的IgG陽性B細胞集団の調製
B1−8重鎖ノックインマウス由来脾臓B細胞を、実施例1と同様にして、3日間一次培養した後、2日間二次培養した。
次にNP抗原特異的B細胞の選択培養を行うため、回収した培養B細胞から、ビオチン−抗マウスIgE抗体(BD Pharmingen社製)及びビオチン−抗マウスCD138抗体(BD Pharmingen社製)とStreptavidin-Particle Plus-DM(BD Pharmingen社製)とを用いてIgE陽性細胞及び抗体産生細胞を除いた後、NP42−CGGを結合させた40LB−FcY−FL細胞でIL−21(10ng/ml、PEPRO TECH社製)と共に培養した。36時間後、全細胞を回収し、ここからビオチン−抗マウスH−2Kd抗体とStreptavidin-Particle Plus-DM(BD Pharmingen社製)を用いて40LB−FcYR−FL細胞を除き、得られたB細胞を新たな40LB細胞上でIL−21(10ng/ml、PEPRO TECH社製)を加えて3日間、培養した。
培養後に細胞を回収して、NP特異的B細胞を、NP−BSA−ビオチン(Biosearch Technologies社製)とavidin−PE (eBioscience社製)と抗IgG1抗体(Southern biotec社製)を用いて、フローサイトメーターで検出した。結果を図5に示す。図5左欄は選択培養前、図5右欄はNP42−CGGを結合させた40LB−FcYR−FL上で36時間選択培養した後、生存B細胞を回収して40LBとIL−21でさらに3日間培養したもの、図5中央は選択培養を行わず、40LB上で培養を続けて図5右欄と同時に解析したものを示した。図5中の右上領域及び右下領域に付された数値はそれぞれの領域内の含まれる細胞の割合(%)を示す。
図5に示されるように、d5からd6.5までの36時間、40LB−FcYR−FL上で培養した結果(図5右欄)、NPに結合しないB細胞はほとんど死滅し、NP結合性B細胞が選択された。Fas受容体刺激によるアポトーシスが抗原受容体刺激により回避された結果、抗原特異的B細胞が選別されることを示している。従って、得られた細胞集団は、NPに特異的なIgG陽性B細胞を含むNP特異的B細胞集団であることが確認された。
[実施例4]
[D]AID強制発現によるGCL−B細胞における体細胞超突然変異の誘導
B1−8重鎖ノックインマウス由来脾臓B細胞を用いて、実施例1と同様に一次培養を開始し、培養2日目にAIDを、レトロウィルスベクターを用いて強制発現させた。具体的には、pMX-IRES-GFPレトロウィルスベクター(Proc Natl Acad Sci U S A, Vol.97, pp.3062-3066 (2000))のGFP遺伝子をヒトCD8(hCD8)に組み換えたpMX-IRES-hCD8レトロウィルスベクターを作成し、これにマウスAID(J Biol Chem, Vol.274, pp.18470-18476 (1999))を常法に従ってサブクローニングして作成したpMX-AID-IRES-hCD8レトロウィルスベクターを用いて、培養2日目のB細胞に感染させて培養4日目で2次培養に移行した。培養開始後2日ごとに抗軽鎖抗体を用いて抗原受容体刺激を行い、培養9日目に、ビオチン−抗ヒトCD8抗体(Biolegend社製)とアビジン-APC (eBioscience社製)を用いて染色し、FACS Vantage(BectonDickinson社製)を用いてhCD8陽性細胞をソーティングした。この細胞のゲノムに対し、鋳型として以下のプライマー(5’−GGCCGTCGACTGAGCACACAGGACCTCAC−3’:配列番号1)及び(5’−CCGGGAATTCTTCTGACTCCCAAGGTGTCC−3’:配列番号2)を用いてノックイン重鎖をPCR法により増幅し、増幅した断片をプラスミドベクターにクローニングした後、シークエンス解析を行った。
図6は、B1−8重鎖V領域の塩基配列(配列番号3、図6下段)と、この領域に変異を有する変異体の配列を示したものである(図6上段及び中段。下線部の塩基がその上方の塩基に置換されていたことを示し、(−)は塩基の欠失を示す)。24クローン解析した結果、合計で14塩基の置換もしくは欠失が生じていたことから、変異頻度は1重鎖あたり0.58塩基であった。細胞数よりAID導入から約10回の細胞分裂が起こったと考えられるので、変異率は約1/10000/generationと算定できる。
従って、実施例1及び実施例2で示される一次培養及び二次培養では、AIDを発現させることによって、重鎖V領域に高頻度の変異を導入可能であることが示された。この重鎖V領域に高頻度に変異が導入されたIgG陽性B細胞を、実施例3と同様に抗原を用いて選別することによって、この抗原に特異的なIgG陽性B細胞を含む抗原特異的B細胞集団が得られることが示唆される。
[実施例5]
[E]ヒトB由来細胞を用いたIgG陽性B細胞集団の調製
健常人のヒト末梢血からFicoll(GE Healthcare Bio-Sciences社製)を用いて単核球を分離し、さらにCD2陰性且つCD19陽性のB細胞を、ビオチン−抗ヒトCD2抗体、FITC−抗ヒトCD19抗体、Streptavidin-Particle Plus-DM(BD Pharmingen社製)及び抗FITC microbeads(Miltenyi Biotec社製)を使用し、更にMACS Separation Columns (Miltenyi Biotec社製)を用いて回収した。回収されたB細胞を、実施例1と同様に準備した40LB上で、ヒトIL−4(50ng/ml、PEPRO TECH社製)、ヒトIL−2(25unit/ml、PEPRO TECH社製)を加えて4日間一次培養した。一次培養後の全細胞を実施例1と同様に回収し、新たに準備した40LB上に一次培養B細胞を撒き、ヒトIL−2(25unit/ml、PEPRO TECH社製)とヒトIL−21(10ng/ml、PEPRO TECH社製)を加え二次培養した。3日後に全細胞を回収し、二次培養と同条件でさらに3日間培養を続けた。
培養後の細胞の生細胞数を、実施例1と同様に計測し、初期細胞数からの増加率を表した。結果を図7に示す。図7において、実線は一次培養期間で確認された細胞数、破線は二次培養期間で確認された細胞数を示す。その結果、培養開始から10日で約100倍に増殖したことが確認された(図7参照)。
また、培養開始時点及び10日目のB細胞をFITC−抗CD19抗体(eBioscience社製)およびビオチン−抗IgG(BD Pharmingen社製)もしくはビオチン抗IgG1抗体(BD Pharmingen社製)で染色し、フローサイトメーターで解析した。結果を図8に示す。図8中の右上領域及び右下領域に付された数値はそれぞれの領域内の含まれる細胞の割合(%)を示す。
図8に示されるように、培養開始時に全B細胞中18%であったIgG1陽性細胞は16%に、また培養開始時に22%であったIgG陽性細胞は48%となったことが確認された。従って、ヒト由来細胞でも、本実施例1による培養方法で、IgG陽性B細胞を効果的に増やすことができた。従って、得られたIgG陽性B細胞を、実施例3と同様に抗原を用いて選別することによって、この抗原に特異的なIgG陽性B細胞を含む抗原特異的B細胞集団を得ることができる。
このように本発明の製造方法によれば、目的とする種々の特定抗原に対して特異性を示し、且つ特定抗原に対する抗体を産生可能なIgG陽性B細胞を多く含むB細胞集団を、簡便に得ることができる。また、このIgG陽性B細胞のV領域には高頻度の変異を導入することができる。これらのことから、動物への免疫を実施する必要なく特定抗原に対して特異性を示す抗体産生細胞の細胞集団を簡便に製造できることは明らかである。動物への免疫を実施する必要がないので個体毒性のある物質や種間で相同性の高いタンパクを抗原として抗体を作ることに利用することができる。

Claims (7)

  1. 特定抗原に特異的なIgG陽性B細胞を含む抗原特異的B細胞集団の製造方法であって、
    IgG陽性B細胞を、IL−21の存在下で、CD40、BAFF受容体、Fasを介した刺激を付与しながら、前記特定抗原と共に培養して前記特定抗原に特異的な抗原特異的B細胞を選別し、前記特定抗原に特異的なIgG陽性B細胞を含む抗原特異的B細胞集団を得ること
    を含む当該製造方法。
  2. 前記CD40、BAFF受容体及びFasを介した刺激は、CD40L、BAFF及びFasLにより付与される請求項1記載の製造方法。
  3. 前記IgG陽性B細胞は、B細胞を含む細胞集団を、CD40及びBAFF受容体を介した刺激を付与しながら、IL−4の存在下で培養する一次培養及びIL−21の存在下で培養する二次培養により培養することによって得られる請求項1又は請求項2記載の製造方法。
  4. CD40L、BAFF、FasL及び特定抗原を提示した担体が使用される請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の製造方法。
  5. 前記CD40L、BAFF、FasL及び特定抗原を提示したフィーダー細胞が使用される請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の製造方法。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の製造方法により得られた抗原特異的B細胞集団を用いてモノクローナル抗体を製造するモノクローナル抗体の製造方法。
  7. CD40L、BAFF、FasL及び特定抗原を表面に有する抗原特異的B細胞選別用フィーダー細胞。
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