JP2011091625A - 電子走査型アレイアンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 アンテナ素子として円偏波素子アンテナを用いた電子走査型アレイアンテナ装置において、広角にビームを走査すると、交差偏波成分が増大するという問題があった。
【解決手段】 アンテナ素子として円偏波素子アンテナを用いた電子走査型アレイアンテナ装置において、主に交差偏波成分を放射する交差偏波素子アンテナを追加し、このアンテナから放射する交差偏波成分の振幅、位相を制御することで、広角ビーム走査時のビーム形成方向における交差偏波成分を低減する。
【選択図】 図1
【解決手段】 アンテナ素子として円偏波素子アンテナを用いた電子走査型アレイアンテナ装置において、主に交差偏波成分を放射する交差偏波素子アンテナを追加し、このアンテナから放射する交差偏波成分の振幅、位相を制御することで、広角ビーム走査時のビーム形成方向における交差偏波成分を低減する。
【選択図】 図1
Description
この発明は、電子走査型アレイアンテナ装置に関し、特にアンテナ素子として円偏波素子アンテナを用いたものに関する。
図2は、衛星移動体通信システムにおいて、移動可能な地上局に用いられる電子走査型アレイアンテナ装置の構成例および動作を示す図である。また、図3は円偏波素子アンテナ1の放射パターンを示す図である。図2(b)において、電子走査型アレイアンテナ装置は、円偏波素子アンテナ1と、可変移相器2と、分配合成回路3と、送受信部4から構成される。
電子走査型アレイアンテナ装置を送信に用いる場合、送受信部4で生成された送信RF信号は、分配合成回路3で分配され、可変移相器2で所望のビームを形成するための位相を与えられた後に、円偏波素子アンテナ1から放射されて、空間に所望のビームを形成する。
しかしながら、一般的な円偏波素子アンテナ1は、図3(a)に示すように直交する2つのモードを同一振幅で励振し、その励振位相を90度ずらすことにより円偏波を放射するが、この場合、直交する2つのモードの放射パターン形状は厳密に同じではない。また、図3(b)に示すように、一般的に円偏波素子アンテナ1の放射パターンは、正面方向では所望の円偏波成分を放射するが、広角方向では交差偏波成分が増大する傾向にある。
そのため、前述の衛星移動体通信システムにおいて、低仰角の衛星と通信するため電子走査型アレイアンテナ装置で広角にビームを走査すると、図2(a)に示すように交差偏波成分が増大するため、通信品質の劣化が生じやすい。
このような、電子走査型アレイアンテナ装置における交差偏波を低減する方法として、次に示す従来技術があった。
特許文献1に示す従来の技術は、各円偏波素子アンテナから放射される偏波成分をビーム形成方向で測定し、非線形最適化法を用いることで、正偏波成分は所望利得を実現しつつ、交差偏波成分を抑圧する位相分布を移相器に設定することで、交差偏波を抑圧している。しかし、この方法では、ビーム形成方向における各円偏波素子アンテナの交差偏波成分が揃っている場合、交差偏波成分を抑圧することで、正偏波成分の利得が同レベルで低下し、場合によっては通信品質の劣化を招いてしまうという問題があった。
また、特許文献2に示す従来の技術は、各円偏波素子アンテナから放射される交差偏波を主ビーム方向で打ち消すために、全ての円偏波素子アンテナの励振振幅、位相を制御する。もしくは、各円偏波素子アンテナの直交する2つのモードを個別に制御する。このため、励振振幅位相を決定および実現するために大掛かりな演算または、制御装置が必要となるという問題があった。
この発明は係る課題を解決するためになされたものであり、全ての円偏波素子アンテナの励振振幅位相を演算することなく、広角ビーム走査時のビーム形成方向における交差偏波成分を低減することを目的とする。
この発明による電子走査型アレイアンテナ装置は、複数の円偏波素子アンテナと、主に交差偏波成分を放射する交差偏波素子アンテナと、上記各円偏波素子アンテナおよび交差偏波素子アンテナにそれぞれ接続された複数の移相器と、上記それぞれの移相器が接続される送受信部と、上記交差偏波素子アンテナと送受信部との間に設けられた可変減衰器と、上記移相器の位相及び上記可変減衰器の減衰量を設定するアンテナ制御部と、を備え、上記アンテナ制御部は、上記交差偏波素子アンテナから放射される交差偏波の主ビーム方向で、上記円偏波素子アンテナが形成する交差偏波成分の主ビームを打ち消すように、上記交差偏波素子アンテナから放射する交差偏波成分の振幅および位相を調整することを特徴としたものである。
この発明による電子走査型アレイアンテナ装置は、主に交差偏波成分を放射する交差偏波素子アンテナを追加し、このアンテナから放射する交差偏波成分の振幅、位相を制御することで、大掛かりな演算または、制御装置を必要とせずに、広角ビーム走査時のビーム形成方向における交差偏波成分を低減することができる。
実施の形態1.
図1は、この発明に係る実施の形態1による電子走査型アレイアンテナ装置の構成および動作を説明するための図であり、(a)は円偏波素子アンテナの偏波パターンを示す図、(b)は交差偏波素子アンテナの偏波パターンを示す図、(c)は円偏波素子アンテナおよび交差偏波素子アンテナを組み合わせた偏波パターンを示す図、(d)は構成を示す図である。
図1は、この発明に係る実施の形態1による電子走査型アレイアンテナ装置の構成および動作を説明するための図であり、(a)は円偏波素子アンテナの偏波パターンを示す図、(b)は交差偏波素子アンテナの偏波パターンを示す図、(c)は円偏波素子アンテナおよび交差偏波素子アンテナを組み合わせた偏波パターンを示す図、(d)は構成を示す図である。
図1(d)において、電子走査型アレイアンテナ装置は、複数個(N−1、Nは2以上の整数)の円偏波素子アンテナ1と、各円偏波素子アンテナ1にそれぞれ接続された複数個(N個)の可変移相器2と、各可変移相器2が接続される分配合成回路3と、分配合成回路3に接続される送受信部4と、少なくとも1つの交差偏波素子アンテナ5と、分配合成回路3に接続される少なくとも1つの可変減衰器6と、アンテナ制御部7とを備えている。少なくとも1つの交差偏波素子アンテナ5と少なくとも1つの可変減衰器6の間には少なくとも1つの可変移相器2が接続される。なお、可変減衰器6は、交差偏波素子アンテナ5と可変移相器2の間に接続されていても良い。
円偏波素子アンテナ1は、図3で説明したように、図1(a)に示すような正偏波および交差偏波の放射パターンを形成し、主ビームの方向(θ0)では所望の円偏波成分を放射し、広角方向ではビームf(θ)に示すように交差偏波成分が増大する。各可変移相器2は、各円偏波素子アンテナ1および交差偏波素子アンテナ5に対して所望のビームを形成するための位相を与える。可変減衰器6は、減衰量を調整することで交差偏波素子アンテナ5の振振振幅を調整する。分配合成回路3は、送受信部4から送られてくる高周波(Radio Frequency)の送信信号(送信RF信号)を分配し、各円偏波素子アンテナ1および交差偏波素子アンテナ5に対してそれぞれ給電する。また、分配合成回路3は、各円偏波素子アンテナ1および交差偏波素子アンテナ5によって受信され、可変移相器2によって位相の調整された受信信号を合成して、送受信部4に送る。送受信部4は、分配合成回路3に送る送信信号を生成するとともに、分配合成回路3から受けた受信信号を検波し、受信データを復調処理する。アンテナ制御部7は、各可変移相器2について所定の位相情報を設定するとともに、可変減衰器6について所定の振幅情報を与える減衰量を設定することで、各円偏波素子アンテナ1および交差偏波素子アンテナ5に与える位相や振幅を調整する。
次に、この実施の形態1による電子走査型アレイアンテナ装置の動作について説明する。この実施の形態1による電子走査型アレイアンテナ装置を送信に用いる場合、送受信部4で生成された送信RF信号は分配合成回路3で分配され、可変移相器2で所望のビームを形成するための位相を与えられる。この送信RF信号は可変移相器2により所望の位相を与えられた後に、円偏波素子アンテナ1から空間に放射され、空間に所望のビームF(θ)を形成する。ここで、図1(a)で説明したように、広角にビームを形成した場合、前述する各円偏波素子アンテナの交差偏波成分によって、交差偏波成分のビームf(θ)が主ビーム方向に形成される。
また、分配合成回路3で分配された送信RF信号の一部は、可変移相器2および可変減衰器7を介して、交差偏波素子アンテナ6に送られ、図1(b)に示すような交差偏波成分g(θ)を放射する。この時、可変減衰器7および可変移相器2に設定する振幅をa、位相をφとすると、アンテナ制御部7は次式(1)を満足するように(a,φ)を選ぶ。
ここで、θ0は主ビーム方向を示す。
可変減衰器7および可変移相器2は、アンテナ制御部7により選ばれた振幅と位相が設定される。かくして、交差偏波素子アンテナ6から放射される交差偏波g(θ)は、次式(2)に示すように、その主ビーム方向で円偏波素子アンテナ1が形成する交差偏波成分のビームf(θ)を打ち消すので、主ビーム方向での交差偏波を低減することができる。例えば、図1(c)に示すように、円偏波素子アンテナ1による交差偏波成分のビームf(θ)は、交差偏波素子アンテナ6から放射される交差偏波g(θ)によって打ち消される。
なお、この実施の形態1では送信の例について説明したが、受信の場合であっても、RF信号の流れる向きが逆なだけで、同様な効果を得ることができる。また、交差偏波素子は1素子だけでなく、少なくとも2素子からなるアレイアンテナとすることも可能である。
以上説明した通り、この実施の形態1による電子走査型アレイアンテナ装置は、複数の円偏波素子アンテナ1と、主に交差偏波成分を放射する交差偏波素子アンテナ5と、上記各円偏波素子アンテナ1および交差偏波素子アンテナ5にそれぞれ接続された複数の移相器2と、上記それぞれの移相器2が分配合成回路3を介して接続される送受信部4と、上記交差偏波素子アンテナ1と送受信部3との間に設けられた可変減衰器6と、上記移相器2の位相及び上記可変減衰器6の減衰量を設定するアンテナ制御部7と、を備え、上記アンテナ制御部7は、上記交差偏波素子アンテナ5から放射される交差偏波の主ビーム方向で、上記円偏波素子アンテナ1が形成する交差偏波成分の主ビームを打ち消すように、上記交差偏波素子アンテナ5から放射する交差偏波成分の振幅および位相を調整することを特徴とする。このように、主に交差偏波成分を放射する交差偏波素子アンテナ5を追加し、このアンテナから放射する交差偏波成分の振幅、位相を制御することで、大掛かりな演算または、制御装置を必要とせずに、広角ビーム走査時のビーム形成方向における交差偏波成分を低減することができる。
本発明は衛星移動体通信システムにおける移動可能な地上局に用いられる電子走査型アレイアンテナ装置に利用可能なものであるが、例えば、低軌道衛星に搭載された衛星局に用いられる電子走査型アレイアンテナ装置にも利用可能である。また、可変減衰器8、および可変移相器2を固定減衰器、および遅延線路で実現すれば、電子走査ではないアレイアンテナ装置にも利用することが可能である。
1 円偏波素子アンテナ、2 可変移相器、3 分配合成回路、4 送受信部、5 交差偏波素子アンテナ、6 可変減衰器、7 アンテナ制御部。
Claims (1)
- 複数の円偏波素子アンテナと、
主に交差偏波成分を放射する交差偏波素子アンテナと、
上記各円偏波素子アンテナおよび交差偏波素子アンテナにそれぞれ接続された複数の移相器と、
上記それぞれの移相器が接続される送受信部と、
上記交差偏波素子アンテナと送受信部との間に設けられた可変減衰器と、
上記移相器の位相及び上記可変減衰器の減衰量を設定するアンテナ制御部と、
を備え、
上記アンテナ制御部は、上記交差偏波素子アンテナから放射される交差偏波の主ビーム方向で、上記円偏波素子アンテナが形成する交差偏波成分の主ビームを打ち消すように、上記交差偏波素子アンテナから放射する交差偏波成分の振幅および位相を調整することを特徴とした電子走査型アレイアンテナ装置。
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JP2009243506A JP2011091625A (ja) | 2009-10-22 | 2009-10-22 | 電子走査型アレイアンテナ装置 |
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CN107078402A (zh) * | 2015-09-30 | 2017-08-18 | 华为技术有限公司 | 波束赋形方法和设备 |
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2009
- 2009-10-22 JP JP2009243506A patent/JP2011091625A/ja active Pending
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