JP2011091009A - ラバーヒータ - Google Patents
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Abstract
【課題】加熱対象物と反対側への熱の散逸が少なく、かつ、低分子量シロキサンガス等のガス発生量が少ないラバーヒータ及びラバーヒータ用断熱材を提供する。
【解決手段】本発明のラバーヒータは、電気抵抗式ヒータ1と、該電気抵抗式ヒータ1を両側から挟む可撓性耐熱層2,4とを備えている。可撓性耐熱層2,4のうち一面側は耐熱ゴム層2を備えており、他面側は、耐熱性繊維からなり互いに平行で対面する第1の布帛5aと第2の布帛5bとが耐熱性繊維からなるパイル繊維によって連結された中空織物5に耐熱ゴムがコーティングされた中空断熱層4を備えている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のラバーヒータは、電気抵抗式ヒータ1と、該電気抵抗式ヒータ1を両側から挟む可撓性耐熱層2,4とを備えている。可撓性耐熱層2,4のうち一面側は耐熱ゴム層2を備えており、他面側は、耐熱性繊維からなり互いに平行で対面する第1の布帛5aと第2の布帛5bとが耐熱性繊維からなるパイル繊維によって連結された中空織物5に耐熱ゴムがコーティングされた中空断熱層4を備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、可撓性を有する面状発熱体であるラバーヒータに関する。
ラバーヒータは、電気抵抗式ヒータをシリコンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムで覆った面状発熱体であり、柔軟性を有する面状発熱体という特質から、加熱対象物の表面形状に沿ってフレキシブルに密着させることができる。このため、さまざまな形状を有する加熱対象物の加温、保温、予熱、防湿、乾燥等、様々な分野の加熱(例えば、熱硬化性樹脂の加熱による硬化処理、寒冷地の水道管の凍結防止用保温、醸造タンクの温度調節、バルブ凍結防止用保温、様々な原料供給管の加熱等)に用いることができる。
従来、ラバーヒータは電気抵抗式ヒータを2枚の耐熱性ゴム板で挟む構造とされていた。さらには、電気抵抗式ヒータと耐熱性ゴム板との間に、補強のためのガラス繊維織物を配置したり、均熱性を高めるための金属メッシュ層を配置したりする提案もなされている(特許文献1)。
しかし、上記のラバーヒータでは、加熱対象物と接触していない面から熱が外部に散逸し易く、その分の熱エネルギーが無駄となるという欠点があった。このため、加熱対象物に接触する面と反対側の面に発泡ラバーを貼り付け、断熱効果を高めたラバーヒータも提案されている(特許文献2)。このラバーヒータは、図12に示すように、ニクロム線等からなるヒータ91が、シリコンスポンジ板92と、シリコンゴム板93とで挟まれた構造とされている。そして、加熱対象物にシリコンゴム板93側を密着させ、ヒータ91に通電することにより、加熱対象物へ迅速に熱を伝えるとともに、シリコンスポンジ板92の断熱効果によって、加熱対象物と反対側への熱の散逸を低減することができる。その結果、ヒータ91からの熱を効率よく加熱対象物に伝えることができるという利点を有する。
しかし、上記シリコンスポンジ板を使用したラバーヒータでは、断熱効果を高めるためにかなりの厚みを有するシリコンスポンジ板を用いており、ラバーヒータ加熱時にこの厚いシリコンスポンジから低分子量シロキサンガスが多量に発生するという問題を有していた。一般に流通しているシリコンスポンジには、ジメチルテトラマー(下記構造式参照)や線状低分子量シロキサンがかなりの割合で含まれており、これらの化合物がヒータの発熱によって気化するのである。
また、これ以外にシリコンスポンジに添加されている液状の低分子量ジメチルシリコーンや、高分子量シロキサンの熱による解重合によっても低分子量シロキサンガスが発生する。こうして発生する低分子量シロキサンガスは、半導体、精密光学機器、電子機器等を生産、あるいは取扱うクリーンルームにおいて、微粒子汚染の原因となるため、その発生を極力防止することが要請されている。また、低分子量シロキサンガスは、電子機器のスイッチ、リレー、圧電素子等の接点表面に析出して導通不良の原因となる。
一方、耐熱ゴムとしてバイトン(登録商標)等のフッ素ゴムを用いた場合であっても、フッ素ゴム配合物の加硫工程で有害なフッ化水素やフッ化オレフィン等が僅かに発生するため、フッ素ゴムの使用量をなるべく少なくしたいという要請があった。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、加熱対象物と反対側への熱の散逸が少なく、かつ、加熱時にガス発生量の少ないラバーヒータ及びラバーヒータ用断熱材を提供することを目的とする。
シリコンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムの加熱時に発生するガス量は、耐熱ゴムの量に比例する。このため発明者は、断熱効果を低下させることなく耐熱ゴムの目付け量を減らすことができれば、上記問題点が解決できると考えた。そして、このような性質を有する断熱材として、立体的に編んだ耐熱性布帛を耐熱ゴムで覆ったものを耐熱スポンジの替わりの断熱材として用いることにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のラバーヒータは、電気抵抗式ヒータと、該電気抵抗式ヒータを両側から挟む可撓性耐熱層とを備えたラバーヒータであって、前記可撓性耐熱層のうち一面側は耐熱ゴム層を備え、前記可撓性耐熱層のうち他面側は、耐熱性繊維からなり互いに平行で対面する第1の布帛と第2の布帛とが耐熱性繊維からなるパイル繊維によって連結された中空織物が耐熱ゴムでコーティングされ、該第1の布帛と該第2の布帛の間に中空部が設けられた中空断熱層を備えていることを特徴とする。
本発明のラバーヒータでは、他面側に中空織物を耐熱ゴムでコーティングした中空断熱層を備えている。ここで、耐熱ゴムとは、ヒータ通電時の熱に耐え得るゴムをいい、具体的にはシリコンゴムやフッ素ゴムが挙げられる。また、ここで中空織物は、耐熱性繊維からなり、互いに平行で対面する第1の布帛と第2の布帛とが耐熱性繊維からなるパイル繊維によって連結された構造を有している。このため、この中空織物を耐熱ゴムでコーティングすることにより、第1の布帛及び第2の布帛はほとんど通気性のない状態となり、第1の布帛と第2の布帛の間に中空部が形成される。このため、中空織物を耐熱ゴムでコーティングした中空断熱層は、中空部の断熱効果により極めて優れた断熱性を奏することとなり、加熱対象物と反対側への熱の散逸が少なくなる。
また、中空部及び耐熱性繊維が存在することにより、中空断熱層の単位面積あたりの耐熱ゴムの目付け量を小さくすることができる。このため、耐熱ゴムが加熱されるときに発生するガス量も少なくすることができる。例えば、耐熱ゴムがシリコンゴムである場合、低分子量シロキサンガスの発生量も少なくなり、クリーンルーム内で真空系の加熱用に用いた場合でも、低分子量シロキサンガスに起因する微粒子汚染を低減できる。また、電子機器内部のスイッチ、リレー、圧電素子等の接点表面に析出して導通不良となることを防止することができる。また、単位面積あたりの耐熱ゴムの目付け量を小さくすることができることから、製造コストの低減化が可能となる。
中空断熱層の外面側には、さらに耐熱ゴム層が貼り付けられていることが好ましい。発明者らの試験結果によれば、中空断熱層の外面側をさらに耐熱ゴムによってコーティングした場合、ラバーヒータが中空部の延在方向に沿って折れ曲がってしまうことが阻止され、ラバーヒータをどのような曲面にも自由に曲げ易くなる。このため、加熱対象物の形状に沿ってラバーヒータを密着させることが容易となる。
これに対し、中空断熱層の外面側は耐熱ゴムによってコーティングしない場合には、ラバーヒータが途中で折れ曲がり易くなり、このような屈曲状態になった場合には加熱対象物とラバーヒータとの密着が困難となる。
これに対し、中空断熱層の外面側は耐熱ゴムによってコーティングしない場合には、ラバーヒータが途中で折れ曲がり易くなり、このような屈曲状態になった場合には加熱対象物とラバーヒータとの密着が困難となる。
また、中空断熱層には外側から中空部に達する切込みが中空部の延在方向に一端側から他端側まで平行して複数設けられていることも好ましい。こうであれば、ラバーヒータを自由な曲面となるように曲げることが容易となり、加熱対象物の形状に沿ってラバーヒータを密着させることが容易となる。
実施形態のラバーヒータは、平面状に配置された電気抵抗式ヒータがシリコンゴム層と中空断熱層とによって挟まれた構造とされている。
電気抵抗式ヒータとしては、可撓性耐熱層によって挟まれた状態において、ラバーヒータが可撓性を発揮できるものであれば特に限定はされない。このような電気抵抗式ヒータとしては、ニクロム線等の金属からなる電熱線を平面状に配置させたヒータの他、薄膜状の電気抵抗体からなるヒータ等を用いてもよい。
シリコンゴム層は、泡を有していないシリコンゴムからなるが、機械的強度を高めるためにガラス繊維などで強化することも好ましい。
一方、中空断熱層は、中空織物にシリコンゴムがコーティングされた構造とされている。中空織物は耐熱性繊維からなり、互いに平行で対面する2枚の布帛が、耐熱性繊維からなるパイル繊維によって連結されている。2枚の布帛の距離は1〜15mmが好ましく、さらに好ましいのは2〜10mmであり、最も好ましいのは3〜7mmである。2枚の布帛間の距離が15mmを超えるとラバーヒータの可撓性が不十分となり、ラバーヒータを加熱対象の形状あわせて密着させることが困難となる。また、2枚の布帛間の距離が1mm未満では、断熱効果が不十分となる。
耐熱性繊維としては、特に限定はないが、例えばガラス繊維や炭素繊維等を用いることができる。ただし、炭素繊維を用いる場合には、炭素繊維を介しての短絡に注意をする必要がある。この中空織物に、架橋前のシリコンゴム原料と、硬化剤と、必要に応じて適宜溶媒とを加えた混合物を含浸させ、加熱等により硬化させることにより、シリコンゴムコーティング中空織物を製造することができる。シリコンゴムの含有量は中空織物の形状等によって適宜決定されるが、通常中空織物に対して5〜30質量%が好ましく、さらに好ましいのは7〜20質量%である。こうして製造されたシリコンゴムコーティング中空織物は、互いに平行で対面する2枚の布帛の間に中空部が形成されるため、断熱性能に優れている。また、シリコンスポンジと比較して単位面積あたりのシリコンゴムの量が少なく、また、シリコンスポンジのように表面積も多くないので、加熱による低分子量シロキサンガスの発生量も少ない。このため、クリーンルーム内で用いても微粒子汚染を引き起こしたり、電子部品の接点表面に析出して導通不良の原因となったりするおそれが少ない。
以下、本発明をさらに具体化した実施例について、図面を参照しつつ説明する。
(実施例1)
実施例1のラバーヒータは、図1及び図2に示すように、つづれ折に屈曲して平面状配置されたニクロム線からなるヒータ1の一面側に厚さ0.3mmのシリコンゴム層2が密着して形成されており、ヒータ1の他面側には、厚さ0.2mmの接着用シリコンゴム層3を介して、後述する厚さ4mmの中空断熱層4が形成されている。大きさは120mm×120mmの正方形形状で、全体の厚さは4.7mmとされている。
実施例1のラバーヒータは、図1及び図2に示すように、つづれ折に屈曲して平面状配置されたニクロム線からなるヒータ1の一面側に厚さ0.3mmのシリコンゴム層2が密着して形成されており、ヒータ1の他面側には、厚さ0.2mmの接着用シリコンゴム層3を介して、後述する厚さ4mmの中空断熱層4が形成されている。大きさは120mm×120mmの正方形形状で、全体の厚さは4.7mmとされている。
シリコンゴム層2の断面中央には、平織りのガラス繊維からなる布帛2aが挿入されており、これによって機械的特性が強化されている。
また、中空断熱層4は、ガラス繊維からなる中空織物5がシリコンゴム6によって覆われている。中空織物5は、図3に示すように、平織りされた2枚のガラス繊維布帛5a、5bが、ガラス繊維パイル糸5cによって4mmの間隔を保ちながら互いに平行となるように連結されており、ガラス繊維布帛5a、5bの間に中空部7が形成されている。この例ではガラス繊維パイル糸5cがW字型に編まれているが、V字型に編まれていてもよい。また、ガラス繊維布帛5a、5b間の間隔は、ガラス繊維パイル糸5cの連結部分の長さを替えることによって適宜調節することができる。さらに、ガラス繊維パイル糸5cの密度も変更することができるが、0.1×106本/m2 ないし3×106本/m2 が望ましい。また、120mm×120mm角の中空織物5の質量は14gであり、これがシリコンゴムによって覆われた状態での質量は16gである。したがって、中空織物5を覆うシリコンゴム6の質量は2gである。
(比較例1)
比較例1のラバーヒータは、実施例1のラバーヒータにおける中空断熱層4の替わりに、シリコンゴム層10を介してシリコンスポンジ層11が貼り付けられている(図4参照)。シリコンスポンジ層11の質量は16gである。ラバーヒータの大きさは120mm×120mmの正方形形状で、厚さは5mmとされている。その他については実施例1のラバーヒータと同様であり、同一の構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
比較例1のラバーヒータは、実施例1のラバーヒータにおける中空断熱層4の替わりに、シリコンゴム層10を介してシリコンスポンジ層11が貼り付けられている(図4参照)。シリコンスポンジ層11の質量は16gである。ラバーヒータの大きさは120mm×120mmの正方形形状で、厚さは5mmとされている。その他については実施例1のラバーヒータと同様であり、同一の構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
(比較例2)
比較例2のラバーヒータは、図5に示すように、平面状に配置されたニクロム線からなるヒータ21が、2枚のシリコンゴム層22、23によって密着して挟まれた構造とされている。シリコンゴム層22、23の断面中央にはガラス繊維製布帛22a、23aが挿入されている。ラバーヒータの大きさは120mm×120mmの正方形形状で、厚さは1.3mmとされている。
比較例2のラバーヒータは、図5に示すように、平面状に配置されたニクロム線からなるヒータ21が、2枚のシリコンゴム層22、23によって密着して挟まれた構造とされている。シリコンゴム層22、23の断面中央にはガラス繊維製布帛22a、23aが挿入されている。ラバーヒータの大きさは120mm×120mmの正方形形状で、厚さは1.3mmとされている。
<製造方法>
次に、ラバーヒータの製造方法について説明する。
・実施例1のラバーヒータの製造方法
まず、ラバーヒータ用断熱材として、図1に示す中空断熱層4となる部分を以下のようにして作製する。
ガラス繊維糸を用意し、編織機を用いて図3に示す、平織りされた2枚のガラス繊維布帛5a、5bがガラス繊維パイル糸5cによって互いに連結された中空織物5を編み、120×120mmに裁断する。そして、図6に示すように、この裁断した中空織物に対し、重合開始剤の入った生シリコン(信越シリコーン社製 商品名:KE−445−R)をシンナーで1:1(容量比)の混合比となるように薄めた溶液を、脱泡ローラを使用して塗布し、常温硬化させる。こうして、中空断熱層4となる部分をラバーヒータ用断熱材として作製しておく。
次に、ラバーヒータの製造方法について説明する。
・実施例1のラバーヒータの製造方法
まず、ラバーヒータ用断熱材として、図1に示す中空断熱層4となる部分を以下のようにして作製する。
ガラス繊維糸を用意し、編織機を用いて図3に示す、平織りされた2枚のガラス繊維布帛5a、5bがガラス繊維パイル糸5cによって互いに連結された中空織物5を編み、120×120mmに裁断する。そして、図6に示すように、この裁断した中空織物に対し、重合開始剤の入った生シリコン(信越シリコーン社製 商品名:KE−445−R)をシンナーで1:1(容量比)の混合比となるように薄めた溶液を、脱泡ローラを使用して塗布し、常温硬化させる。こうして、中空断熱層4となる部分をラバーヒータ用断熱材として作製しておく。
次に、ヒータ部分の作製について説明する。まず、図7aに示すように、ヒータの形状を印刷したヒータ設計図面30を木製板31上に貼り付ける。そして、図7bに示すように、ヒータ設計図面30に描かれた位置に穴31aを開け、長さ1.5cmのステンレス製のパイプ32を上方に少し突出するように穴31aに挿入する。そして、図7cに示すように、ニクロム線1をパイプ32に沿って引っ掛けて、ヒータ設計図面30のとおりにニクロム線1を配設した後、図7dに示すように、重合開始剤入りの生シリコン板34でパイプ32の上から覆い、図示しない脱泡ローラでニクロム線1とガラス繊維の入った生シリコン板34とを空気が入らないように密着させる(図7e)。このとき、パイプ32は下方に落下する。そして、真空加熱装置に入れ、真空下150℃で5分間加熱して重合させた後、木製板31から剥離させる。
さらに、図8に示すように、接着用シリコンゴム層3と、上述のようにして作製した中空断熱層4となる部分とを載せた後、再び真空加熱装置内に入れ、真空下150℃で5分間の加熱を行い、重合及び接着を行う。
こうして、図1に示す、実施例1のラバーヒータを製造することができる。
さらに、図8に示すように、接着用シリコンゴム層3と、上述のようにして作製した中空断熱層4となる部分とを載せた後、再び真空加熱装置内に入れ、真空下150℃で5分間の加熱を行い、重合及び接着を行う。
こうして、図1に示す、実施例1のラバーヒータを製造することができる。
・比較例1のラバーヒータの製造方法
まず、実施例1における図7a〜図7eに示す工程を同様に行う。そしてヒータ1が剥き出しとなっている面を上にして平面な台の上に載せ、その上に硬化剤入りの生シリコン板10を載せ、さらにその上にシリコンスポンジ層11を載せる、真空加熱装置内で真空下150℃で5分間の加熱を行い、図4に示す、比較例1のラバーヒータを得た。
まず、実施例1における図7a〜図7eに示す工程を同様に行う。そしてヒータ1が剥き出しとなっている面を上にして平面な台の上に載せ、その上に硬化剤入りの生シリコン板10を載せ、さらにその上にシリコンスポンジ層11を載せる、真空加熱装置内で真空下150℃で5分間の加熱を行い、図4に示す、比較例1のラバーヒータを得た。
・比較例2のラバーヒータの製造方法
まず、実施例1における図7a〜図7eに示す工程を同様に行う。そしてヒータ1が剥き出しとなっている面を上にして平面な台の上に載せ、さらにその上に硬化剤入りの生シリコン板23を載せ、真空加熱装置内で真空下150℃で5分間の加熱を行い、図5に示す、比較例2のラバーヒータを得た。
まず、実施例1における図7a〜図7eに示す工程を同様に行う。そしてヒータ1が剥き出しとなっている面を上にして平面な台の上に載せ、さらにその上に硬化剤入りの生シリコン板23を載せ、真空加熱装置内で真空下150℃で5分間の加熱を行い、図5に示す、比較例2のラバーヒータを得た。
<断熱性の評価>
上記の製造方法によって製造されたラバーヒータについて、以下に示す断熱性能試験1及び断熱性能試験2を行った。
上記の製造方法によって製造されたラバーヒータについて、以下に示す断熱性能試験1及び断熱性能試験2を行った。
(1)断熱性能試験1
断熱性能試験1では、実施例1と比較例2のラバーヒータの断熱性能の比較を行った。
すなわち、シリコンスポンジからなる平滑な断熱板の上に熱電対を設置し、その上に厚さ5mmのアルミ板を重ね、さらにその上にラバーヒータを置く。そして、ヒータに所定の同一の電流を流し、熱電対設置箇所の温度と経過時間との関係を測定した。
断熱性能試験1では、実施例1と比較例2のラバーヒータの断熱性能の比較を行った。
すなわち、シリコンスポンジからなる平滑な断熱板の上に熱電対を設置し、その上に厚さ5mmのアルミ板を重ね、さらにその上にラバーヒータを置く。そして、ヒータに所定の同一の電流を流し、熱電対設置箇所の温度と経過時間との関係を測定した。
その結果、図9に示すように、実施例1のラバーヒータでは、比較例2と比較して昇温速度が速かった。実施例1及び比較例2に用いているヒータは同じものであり、流した電流も同じであり、加熱対象側のシリコンゴム層も同じ構造をしていることから、昇温速度の差は、加熱対象と反対側の断熱性能を示すものであり、実施例1のラバーヒータの方が断熱性に優れていることが分かった。
(2)断熱性能試験2
断熱性能試験2では、実施例1と比較例1のラバーヒータの断熱性能の比較を行った。
すなわち、ラバーヒータの加熱対象側の表面中央及び加熱対象と反対側の表面中央の2箇所に熱電対を設置した後、ヒータに所定の同一の電流を流し、加熱対象側の熱電対が所定の温度になるまでの時間及びその時の加熱対象と反対側の熱電対の温度を測定した。
断熱性能試験2では、実施例1と比較例1のラバーヒータの断熱性能の比較を行った。
すなわち、ラバーヒータの加熱対象側の表面中央及び加熱対象と反対側の表面中央の2箇所に熱電対を設置した後、ヒータに所定の同一の電流を流し、加熱対象側の熱電対が所定の温度になるまでの時間及びその時の加熱対象と反対側の熱電対の温度を測定した。
その結果、表1に示すように、加熱側の熱電対が100℃及び150℃になるまでの時間はどちらのラバーヒータもほぼ同じであり、その時の反対側の温度は、実施例1の方が若干低かった。このことから、実施例1のラバーヒータは、比較例1よりも若干優れた断熱性能を有することが分かった。
<低分子量シロキサンガスの発生量>
実施例1と比較例1のラバーヒータに用いている断熱材についての低分子量シロキサンガスの発生量を以下のようにして測定した。
すなわち、実施例1に用いた120mm×120mmの大きさの中空断熱層4(図1参照)、及び比較例1のラバーヒータに用いた120mm×120mmの大きさのシリコンスポンジ層11(図4参照)のそれぞれの重量を測定した後、加熱炉内に入れ、190℃で2時間の加熱を行なった後、電気炉から出し、再び重量を測定した。そして、加熱後の重量低減量を求め、これを低分子量シロキサンガス発生量とみなした。
実施例1と比較例1のラバーヒータに用いている断熱材についての低分子量シロキサンガスの発生量を以下のようにして測定した。
すなわち、実施例1に用いた120mm×120mmの大きさの中空断熱層4(図1参照)、及び比較例1のラバーヒータに用いた120mm×120mmの大きさのシリコンスポンジ層11(図4参照)のそれぞれの重量を測定した後、加熱炉内に入れ、190℃で2時間の加熱を行なった後、電気炉から出し、再び重量を測定した。そして、加熱後の重量低減量を求め、これを低分子量シロキサンガス発生量とみなした。
その結果、表2に示すように、実施例1の中空断熱層4の低分子量シロキサンガスの発生量は、比較例1のシリコンスポンジ層11からの低分子量シロキサンガスの発生量の16.3%であり、極めて少ないことが分かった。
この結果は、シリコンゴムの目付け量の差に起因するものと考えられる。すなわち、実施例1のラバーヒータでは、断熱効果を奏する部分が中空断熱層4(図1参照)であるのに対し、比較例1ではシリコンスポンジ層11であり、その他については同一の構成である。そして、シリコンスポンジ層11の重量は120mm×120mmで16gであり、同じ大きさの中空断熱層4も16gである。しかしながら、中空断熱層4のうち中空織物の重量は14gであることから、中空断熱層4にコーティングされているシリコンゴムの量は2gとなり、比較例1のシリコンゴムの目付け量の1/8である。この実施例1の中空断熱層4におけるシリコンゴムの目付け量の少なさが、低分子量シロキサンガスの発生量の少なさの要因と考えられる。
この結果は、シリコンゴムの目付け量の差に起因するものと考えられる。すなわち、実施例1のラバーヒータでは、断熱効果を奏する部分が中空断熱層4(図1参照)であるのに対し、比較例1ではシリコンスポンジ層11であり、その他については同一の構成である。そして、シリコンスポンジ層11の重量は120mm×120mmで16gであり、同じ大きさの中空断熱層4も16gである。しかしながら、中空断熱層4のうち中空織物の重量は14gであることから、中空断熱層4にコーティングされているシリコンゴムの量は2gとなり、比較例1のシリコンゴムの目付け量の1/8である。この実施例1の中空断熱層4におけるシリコンゴムの目付け量の少なさが、低分子量シロキサンガスの発生量の少なさの要因と考えられる。
以上のように、実施例1のラバーヒータにおける加熱と反対側の断熱効果は、比較例1より若干優れている(上記表1参照)にもかかわらず、低分子量シロキサンガスの発生量の16.3%であり、極めて少ないことが分かった。
上記実施例1の変形例として、図10に示すように、実施例1の中空断熱層4の外側に、さらにシリコンゴム層8が貼り付けられていてもよい。このシリコンゴム層8を設けることにより、ラバーヒータを図10に示す矢印の方向に曲げた場合において、ラバーヒータが中空部7の延在方向に沿って折れ曲がってしまうことが阻止され、自由な曲面に曲げ易くなる。このため、加熱対象物の形状に沿ってラバーヒータを密着させることが容易となる。
また、上記実施例1ではシリコンゴムを用いたラバーヒータであったが、これをフッ素ゴムに替えて同様にラバーヒータとすることもできる。この場合も、上記と同様、断熱性能を低下させること無く、フッ素ゴムの目付け量を低減することができる。このため、フッ素ゴム配合物の加硫工程で発生する、有害なフッ化水素やフッ化オレフィン等のガスの発生量を大幅に削減することができるとともに、製造コストの低減化が可能となる。
(実施例2)
実施例2のラバーヒータは、図11に示すように、中空断熱層4に、外側から中空部7に達する切込みが中空部7の延在方向に一端側から他端側まで平行して複数設けられている。このため、ラバーヒータを図11に示す矢印の方向に曲げた場合において、ラバーヒータを自由な曲面となるように曲げることが容易となり、加熱対象物の形状に沿ってラバーヒータを密着させることが容易となる。
実施例2のラバーヒータは、図11に示すように、中空断熱層4に、外側から中空部7に達する切込みが中空部7の延在方向に一端側から他端側まで平行して複数設けられている。このため、ラバーヒータを図11に示す矢印の方向に曲げた場合において、ラバーヒータを自由な曲面となるように曲げることが容易となり、加熱対象物の形状に沿ってラバーヒータを密着させることが容易となる。
この発明は上記発明の実施の態様及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
本発明のラバーヒータは、柔軟性を有する面状発熱体であるという特質から、加熱対象物の表面形状に沿ってフレキシブルに密着させることができる。このため、さまざまな形状を有する加熱対象物の加温、保温、予熱、防湿、乾燥等、様々な分野の加熱(例えば、熱硬化性樹脂の加熱による硬化処理、寒冷地の水道管の凍結防止用保温、醸造タンクの温度調節、バルブ凍結防止用保温、様々な原料供給管の加熱等)に用いることができる。
1…ヒータ(電気抵抗式ヒータ)
2、4…可撓性耐熱層
2、8…シリコンゴム層(耐熱ゴム層)
4…中空断熱層
5…中空織物
5a、5b…ガラス繊維布帛(布帛)
7…中空部
5c…ガラス繊維パイル糸(パイル繊維)
9…切込み
2、4…可撓性耐熱層
2、8…シリコンゴム層(耐熱ゴム層)
4…中空断熱層
5…中空織物
5a、5b…ガラス繊維布帛(布帛)
7…中空部
5c…ガラス繊維パイル糸(パイル繊維)
9…切込み
Claims (5)
- 電気抵抗式ヒータと、該電気抵抗式ヒータを両側から挟む可撓性耐熱層とを備えたラバーヒータであって、
前記可撓性耐熱層のうち一面側は耐熱ゴム層を備え、
前記可撓性耐熱層のうち他面側は、耐熱性繊維からなり互いに平行で対面する第1の布帛と第2の布帛とが耐熱性繊維からなるパイル繊維によって連結された中空織物が耐熱ゴムでコーティングされ、該第1の布帛と該第2の布帛の間に中空部が設けられた中空断熱層を備えていることを特徴とするラバーヒータ。 - 前記中空断熱層の外面側にはさらに耐熱ゴム層が貼り付けられていることを特徴とする請求項1記載のラバーヒータ。
- 前記中空断熱層には外側から中空部に達する切込みが中空部の延在方向に一端側から他端側まで平行して複数設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のラバーヒータ。
- 前記耐熱ゴム層及び前記耐熱ゴムはシリコンゴムからなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のラバーヒータ
- 耐熱性繊維からなり互いに平行で対面する第1の布帛と第2の布帛とが耐熱性繊維からなるパイル繊維によって連結された中空織物に耐熱ゴムがコーティングされていることを特徴とするラバーヒータ用断熱材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009245815A JP2011091009A (ja) | 2009-10-26 | 2009-10-26 | ラバーヒータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009245815A JP2011091009A (ja) | 2009-10-26 | 2009-10-26 | ラバーヒータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2011091009A true JP2011091009A (ja) | 2011-05-06 |
Family
ID=44109061
Family Applications (1)
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JP2009245815A Pending JP2011091009A (ja) | 2009-10-26 | 2009-10-26 | ラバーヒータ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2011091009A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102425035A (zh) * | 2011-10-21 | 2012-04-25 | 南京航空航天大学 | 一种编织复合材料隔热层及其制备方法 |
JP7454923B2 (ja) | 2019-07-17 | 2024-03-25 | 株式会社Totoku | 屈曲性に優れた発熱シート及びその製造方法 |
JP7454924B2 (ja) | 2019-07-17 | 2024-03-25 | 株式会社Totoku | 耐久性に優れた発熱シート及びその製造方法 |
-
2009
- 2009-10-26 JP JP2009245815A patent/JP2011091009A/ja active Pending
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JP7454923B2 (ja) | 2019-07-17 | 2024-03-25 | 株式会社Totoku | 屈曲性に優れた発熱シート及びその製造方法 |
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