JP2011090421A - モバイル機器 - Google Patents

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佳広 多田
Yuichiro Nakada
裕一郎 中田
Junji Fujino
純士 藤野
Yoshitsugu Kamihira
祥嗣 上平
Noriyuki Yamada
宣幸 山田
Takeshi Yoshida
武司 吉田
Masahide Tanaka
雅英 田中
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Abstract

【課題】使用の容易なモバイル機器を提供する。
【解決手段】赤外発光・受光部で手の動きを検知して入力する際、加速度検知部で携帯電話の姿勢を検知し、画面の縦位置横位置にかかわらず、右方向移動など手の同じ方句の動きで同じ入力をする。加速度検知部で携帯電話の傾きを検知して入力を行う際、手の動きなどで傾き検知の基準位置を更新する。所定時間静止させても検知基準位置を更新する。手の動きで入力する際、加速度検知により手の動きに伴う携帯電話自体のブレを検知して補正する。加速度検知でカーソル移動させてメニュー選択し、手の動きで選択を決定する。加速度検知と手の動きのいずれでもカーソル移動可能とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、モバイル機器に関する。
モバイル機器に関してはその使用を容易にするため種々の提案が行われている。例えば特開2007−280461(特許文献1)には、携帯型コンテンツプレーヤーに加速度センサを搭載し、コンテンツプレーヤーの軸の傾斜角を検出することにより、その検出結果に応じてリストのスクロール、リスト上でのカーソル移動、スクロールが行われるよう構成することが提案されている。一方、モバイル機器への入力装置としてはGUI(Graphical User Interface)の採用も一般化している。その一例は表示部におけるタッチパネルの利用である。
特開2007−280461公報
しかしながら、モバイル機器に関してはその使用を容易にするためには、まだ種々検討すべき課題が多い。
本発明の課題は、上記に鑑み、使用の容易なモバイル機器を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、機器への加速度を検知する加速度検知部と、表示画面と、表示画面上で動かされる手の動きを検知する動き検知部と、動き検知部による動き検知および加速度検知部による加速度検知に基づいて入力を行う入力手段とを有するモバイル機器を提供する。これによって動き検知部と加速度検知部の情報を活用した有用な入力手段を有する使用の容易なモバイル機器が提供される。
本発明の具体的な特徴によれば、表示画面は長辺と短辺を有する矩形であるとともに、入力手段は加速度検知部の検知に基づいてモバイル機器が表示画面が縦長となるになる位置と横長になる位置のいずれの姿勢にあるかを検出し、この検出結果に基づいて表示画面の姿勢にかかわらず同じ方向の手の動きに基づいて同じ意味づけの入力を行う。
矩形表示画面を有するモバイル機器にあっては、前記表示画面が縦長となるになる位置と横長になる位置のいずれの姿勢でもモバイル機器を保持することが可能であるが、このような姿勢の変更によりモバイル機器に備えられた動き検知部の姿勢も90度回転してしまう。従って、このままでは手の動きにより同じ意味づけの入力を行おうとすると、縦長の場合と横長の場合で手の動きも90度違ったものとしなければならなくなり、ユーザが混乱する。上記の具体的な特徴は、このような問題が起こらないよう、加速度検知部の検知に基づいてモバイル機器の姿勢を検出し、姿勢にかかわらず同じ方向の手の動きに基づいて同じ意味づけの入力を行うことができるよう構成したものである。
本発明のさらに具体的な特徴によれば、入力手段は、表示画面の姿勢にかかわらず、表示画面上での左右方向の手の動きに基づいて同じ意味づけの入力を行う。また、他のさらに具体的な特徴によれば、入力手段は、表示画面の姿勢にかかわらず、表示画面上での上下方向の手の動きに基づいて同じ意味づけの入力を行う。
本発明の他の具体的な特徴によれば、動き検知部は、赤外発光部と表示画面上で動かされる手から反射する赤外発光部の赤外光を受光する赤外受光部を有する。これによって、画面を直接タッチしなくても画面との関係で入力を行うことが可能であり、画面に指紋をつける心配がなくなる。
本発明の他の具体的な特徴によれば、入力手段は、加速度検知部が検出する入力加速度に基づいて入力を行う際、動き検知部による手の動きに応じて重力加速度検知の基準値を更新する。これによって、これによって動き検知部と加速度検知部を組合せた入力手段を有する使用の容易なモバイル機器が提供される。
本発明のさらに他の具体的な特徴によれば、入力手段は、動き検知部の検知情報を加速度検知部の情報で補正する。これによって動き検知部と加速度検知部の他の態様で組み合わせた入力手段を有する使用の容易なモバイル機器が提供される。
本発明のさらに具体的な特徴によれば、入力手段は、動き検知部による画面と手の動きとの相対移動検知情報からの加速度検知部によるモバイル機器の絶対移動情報を差し引く補正を行う。動き検知部により検知される表示画面上での手の動きは表示画面と手との相対移動であるが、モバイル機器は手で保持されるので、表示画面に対して手を動かそうとしたときに同時に表示画面の方もブレてしまって意図通りの入力ができない場合がある。これに対し、上記のように動き検知部の検知情報からの加速度検知部情報を差し引くことによってブレのない画面に対して行った意図どおりの快適な入力が可能となる。
本発明の他の特徴によれば、機器への加速度を検知する加速度検知部と、表示画面と、表示画面による表示と加速度検知部が検出する入力加速度に基づいて入力を行う入力手段と、入力に必要な重力加速度検知の基準値を更新する更新手段とを有するモバイル機器が提供される。
モバイル機器を傾け、これを加速度検知部により検知させて表示画面を操作する場合、モバイル機器の基準位置を絶対的な水平状態とすると操作が不自由となる。これに対し、上記のように基準位置の更新手段を設ければ、モバイル機器の任意の姿勢で基準位置を更新でき、以後、更新された基準位置をもとにモバイル機器の姿勢変化による入力が可能となる。従って、例えばモバイル機器を持ちながら体の向きを変えても、その後、意に沿わない入力がなされるのを防止することができる。
上記本発明の具体的な特徴によれば、更新手段は、加速度検知部の検知する重力加速度が所定時間変化しないことを判断する判断手段である。また、他の具体的な特徴によれば、更新手段は、モバイル機器に対する手の動きを検知する動き検知部である。これらの更新手段はモバイル機器を扱うユーザの自然な動作に則ったものであって、容易な入力操作を可能とする。
本発明の他の特徴によれば、機器への加速度を検知する加速度検知部と、表示画面と、赤外発光部と、表示画面上で動かされる手から反射する赤外発光部の赤外光を受光する赤外受光部と、加速度検知部からの情報に基づいて表示画面との関係で第一の意味づけの入力を行うとともにともに、赤外受光部からの情報に基づいて前記表示画面との関係で第二の意味づけの入力を行う入力手段とを有するモバイル機器が提供される。
上記の特徴によれば、モバイル機器に対する相対的な手の動きの情報と、モバイル機器を傾けたりタップしたりすることによりモバイル機器にかかる加速度の情報とを使い分けることによって、表示画面との関係で複数の意味づけの入力を自然な動作で容易に行うことができる。
上記本発明の具体的な特徴によれば、第一および第二の意味づけの一方が表示画面上の選択項目の選択であるとともに他方は選択の決定である。これによって、例えばモバイル機器を傾けることによって重力に従った表示画面上の選択項目の選択を行うとともに、表示画面上での手の動きでその選択を決定する等、表示画面にタッチすることなく容易かつ自然な入力が可能となる。
本発明の他の特徴によれば、機器への加速度を検知する加速度検知部と、表示画面と、赤外発光部と、表示画面上で動かされる手から反射する前記赤外発光部の赤外光を受光する赤外受光部と、加速度検知部からの情報および前記赤外受光部からの情報のいずれであっても表示画面との関係で同じ意味づけの入力を行う入力手段とを有するモバイル機器が提供される。
上記の特徴によれば、表示画面との関係で同じ意味づけの入力を行う際に、モバイル機器に対する相対的な手の動きと、モバイル機器を傾けるなどの加速度をかける動作を併用して入力を行うことができ、場合に応じた自然な動作で容易に同じ意味づけの入力を行うことができる。
上記本発明の具体的な特徴によれば、入力手段は、加速度検知部からの情報および赤外受光部からの情報のいずれであっても表示画面上の選択項目の選択を行う。この場合、選択項目の順次選択にはモバイル機器を傾けるとともに、離れた位置に飛んで選択をおこなうときには手の動きを利用するなど、場合に応じた自然な動作で容易に同じ意味づけの入力を行うことができる。
上記のように本発明によれば、入力の容易モバイル機器を提供することができる。
本発明の実施の形態に係るモバイル装置の実施例おける右手操作用の上面外観図である。 上記実施例おける左手操作用の上面外観図である。 上記実施例において「メール」の選択が確定した時の上面外観図である。 上記実施例において画像のサムネイル表示が選択された時の上面外観図である。 上記実施例のモバイル装置が横持されたときの外観図であり、図5(A)は上面を、図5(B)は、背面をそれぞれ示す。 上記実施例おける携帯電話のブロック図である。 上記実施例における操作画面図であり、図7(A)から図7(B)への「進み」操作の状態を示す。 図7と同様の操作画面図であり、図8(B)から図8(A)への「戻り」操作の状態を示す。 上記実施例における操作画面図であり、初期画面から電話機能以外の機能モードを選択する場合の操作と表示の変化を示すものである。 図9の状態変化を経た後の画面操作図であり、図10(A)および図10(B)間のカーソル移動操作を示すものである。 上記実施例における操作画面図であり、図11(A)から図11(B)の「メニュー」画面への「進み」操作の状態を示す。 上記実施例における操作画面図であり、図12(A)から図12(B)の「メール」画面への「進み」操作の状態を示す。 上記実施例における図6の携帯電話制御部の機能を示す基本フローチャートである。 図13のステップS12の詳細を示すフローチャートである。 図13のステップS26の詳細を示すフローチャートである。 図13のステップS30の詳細を示すフローチャートである。 図15のステップS96の詳細を示すフローチャートである。
図1は、本発明の実施の形態に係るモバイル装置の実施例おける上面外観図である。実施例は、携帯電話2として構成されているが、その上面における面積の大半は入力部を兼ねた表示部4で占められている。表示部4はバックライトにより照明される。表示部4の周囲には、右下方にフォトダイオードからなる赤外線受光センサ6が設けられるとともに、右上方および左右下方にそれぞれLEDからなる赤外線発光部8、10および12が設けられている。なお、これら赤外線受光センサ6および赤外線発光部8、10、12はそれぞれ表示部4の周囲に設けられる赤外線透過カバーで覆われているので、意匠上は外部から見えない。赤外線発光部8、10および12からそれぞれ時分割で発光される赤外光は表示と関連して表示部4上で動かされる操作者の指または手によって反射される。そして、これらの反射光が赤外線受光センサ6によって受光されることにより、操作者の指または手の位置および動きの有無とその方向が検出され、これが携帯電話2への入力となる。
なお、赤外線受光センサ6に近接して設けられている赤外線発光部8の絶対的な出力の大小は、主に手または指の接近の情報となる。一方、上下方向に並ぶ赤外線発光部8,12の出力変化の相対的な差は主に手または指の上下の動きの情報となるとともに、左右方向に並ぶ赤外線発光部10,12の出力変化の相対的な差は、主に手または指の左右の動きの情報となる。また、対角線上にある赤外線発光部8,12の出力変化の相対的な差も、手または指の左右の動きの情報となる。但し、実際には赤外線発光部8、10、12の発光に基づく赤外線受光センサ6の情報は上記のように明確に区分されるわけではなく、総合的に分析判断される。また、携帯電話2には加速度センサが設けられており、この加速度センサにより検知される携帯電話2の傾き、振動、揺れなども携帯電話2への入力となる。これら携帯電話2への入力の詳細については後述する。
携帯電話2は図1のように矩形形状をしており、通常は図1のような縦長状態において片手で保持して使用される。そして、赤外線受光センサ6および赤外線発光部8、10、12による入力操作は、主にこのような縦長状態の携帯電話2を保持する片手の親指の動きによって行うことを想定して構成される。図1における表示部4の表示は携帯電話2に電源が入った状態の待受け画面等の初期画面のものであるが、この状態におけるレイアウトでの入力操作関連の表示は、携帯電話2を保持する片手の親指が自然に届く範囲に集中して配置され、表示部4の上方領域14は、主に画像や文章などの情報表示に割り当てられている。また、携帯電話2を右手で持った場合と左手で持った場合の片手操作にもそれぞれ対応できるよう構成されている。図1は携帯電話2を右手で持った場合の表示である。
内側カメラ12は、携帯電話2をテレビ電話として利用する場合において、表示部4を見ている操作者の顔を写すことができるとともに、自分撮の際にも利用されるものである。携帯電話2は、内側カメラ12の画像について顔認識が可能なよう構成されており、この顔認識機能によって表示部4を見ている操作者の顔が検知できない限り、赤外線受光センサ6および赤外線発光部8、10、12が表示面4上での物体の移動を検知しても入力操作を行うことができないよう構成される。これによって、操作の意図がないときに、不用意に表示面4上を手などが横切った場合における誤動作を防止することができる。なお、このような内側カメラによる顔認識情報を加速度センサによる携帯電話2の傾き、振動、揺れの検知と組み合わせることにより、加速度センサの出力による誤動作を防止することも可能である。
図2は、図1と同様のモバイル装置の実施例おける上面外観図であるが、携帯電話2を左手で持った場合の表示である。この場合、図2に示すように表示部4の下方領域の表示が図1と左右対象に入れ代わっており、右手親指の動きと鏡面対称の左手親指の動きに応じて入力がなされるよう表示が変更される。この表示の変更に対応し、親指の動きを判定する基準データテーブルも右手用から左手用に変更される。さらに、上記の基準データテーブルの変更に伴い、赤外線発光部8、10および12の発光強度も右手用と左手用に変更される。これらは、赤外線受光センサ6および赤外線発光部8、10、12の配置が左右対称でないことに対応するためである。なお、図1と図2の間の表示の変更およびこれに伴う基準データテーブルの変更は、表示部4の上での指の初期移動のパターンを識別し、右手親指特有の動きか左手親指特有の動きかを判定することで自動的に行われる。従って、基本的には手動で切換え操作をしなくても左右の手を持ち替えて親指操作を開始すればその初期において表示および基準データテーブルが自動的に切換わる。また、右手操作の場合は右手親指で携帯電話2の右側面をタップし、左手操作の場合は左手親指で携帯電話2の左側面をタップすることで加速度センサがいずれの側面がタップされたかを判定するので、手動で切換えを行うことも可能である。
図1および図2において、表示部4の下方領域における入力操作関連表示としては、まず、「電話帳」、「メニュー」、「メール」、「カメラ」などのメニューリストからなる基本機能選択部16がある。これらの選択は加速度センサによる傾きや振動の検知および赤外線発光部8、10、12と赤外線受光センサ6による基本機能選択部16上での指の動き検知によって可能である。その詳細は後述する。また、「進み」指軌跡指示マーク18はその指示どおりに時計回りにマーク上で親指を動かすことによって入力指示が実行されるものであるが、この詳細についても後述する。なお、日付/時刻表示20は、所定の操作手続きをした上でこれらの表示上で指を動かすことにより、その調整や変更が可能であるが、通常は入力部ではなく、これらの上で指が動いても反応はしない。
図3は、図1の基本機能選択部16において「メール」の選択が確定した時に現れる画面を示した携帯電話2の上面外観図である。基本機能選択部16におけるメニューリストの選択と確定操作については、後述することとし、図3以下図5までは、選択が確定した結果現れる表示について説明する。また、図3以下、図7から図12における片手操作を前提とした表示は図1に準じ、右手で携帯電話2を持った場合についてのみ説明し、左手操作の場合の説明は省略する。携帯電話2を左手で持った場合については、図2と同様にして基本的に表示が左右対称に入れ代わるものとして理解すればよいからである。
図3においても、図1と同じ構成には同一の番号を付し、説明は省略する。後述する操作手続きによりメール機能が選択され、図2の状態となった場合、表示部4の下方領域には、入力文字盤22が表示される。文字入力にあたっては、加速度センサによる傾きや振動の検知または赤外線発光部8、10、12と赤外線受光センサ6による指の動き検知により「あ」、「か」、「さ」「た」「な」の行を選択する。選択されている行には図2の「か」のように太枠カーソルが表示される。またカ行における「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」の段の選択は、タ行にカーソルがある状態で携帯電話2を裏側から中指などでタップする毎に変更され、その結果が入力ウインドウのカーソル部分に「こ」のように現れる。
また、矢印方向に沿ってウインドウ移動軌跡マーク26の上で親指を動かす毎に仮名漢字変換が行われ、携帯電話2を裏側タップで変換を確定した後、再度矢印方向に沿ってウインドウ移動軌跡マーク26の上で親指を動かすと、入力ウインドウ24から上方領域14にある表示ウインドウへの入力文字移動が実行される。さらに、右手親指を所定回数振ると、ひらがな、カタカナ、英数などの文字変更が行われ、入力文字盤22がその都度変更される。「進み」指軌跡指示マーク18は、図2でも表示されているが、ここでは、表示画面を進める入力に用いられ、指示通りに指を動かすと、宛先入力画面、題名入力画面、本文入力画面のうちの未入力画面にその都度画面が勧められるとともに、全ての画面が入力された段階で指示通りに指を動かすと送信が実行される。一方、図3では、「戻り」指軌跡指示マーク30も表示され、この指示に沿って親指を反時計回りに動かすと入力文字のクリアや画面戻りなどの実行が行われる。
なお、赤外線発光部8、10、12と赤外線受光センサ6は表示部4の下方領域だけでなく、上方領域14もカバーしている。従って、両手操作によって上方領域14での手の動きにより入力を行うことが可能である。例えば携帯電話2を右手で持っている場合であると、図2における表示部4の上方領域14には右手親指は届かないが、上方領域14の上で左手を左右に振るとこれが赤外線発光部8、10、12と赤外線受光センサ6により感知され、上方領域14における表示ウインドウのページ送りが実行される。同様にして、上方領域14の上で左手を上下に振るとこれが赤外線発光部8、10、12と赤外線受光センサ6により感知され、上方領域14における表示ウインドウのスクロールが実行される。
図4は、画像のサムネイル表示が選択された時に現れる画面を示した携帯電話2の上面外観図である。図1と同じ構成には同一の番号を付し、説明は省略する。後述する操作手続きにより図4のような画像サムネイル表示となった場合は上方領域と下方領域の区別なく表示部4全体がサムネイル表示に割り当てられる。このときのサムネイル指定入力は、加速度センサによる傾きや振動の検知および赤外線発光部8、10、12と赤外線受光センサ6による手の動きの検知によって可能となる。手の動きによる場合は例えば左手で携帯電話を持ち、右手を左右上下に移動させるような両手操作となる。選択画像は太枠カーソル32で表示され、上記のように携帯電話2を傾けたり振ったりする動作または表示部4上で手を移動させる動作によりカーソルが移動する。そしてカーソルがいずれかの画像上にある状態で携帯電話2を裏側から中指などでタップすると選択が確定して、その画像が拡大表示される。このとき横長画像であると、拡大画像が上方領域14に表示されるとともに、空いた下方領域には片手操作用の操作表示が現れる。
このように一枚の画像が拡大された状態においては、さらに一枚ずつの画像のページめくりと画像のズーム操作が可能である。これらの操作はいずれも、赤外線発光部8、10、12と赤外線受光センサ6による手の動きの検知によって可能となる。具体的には、表示されている一枚の拡大画像の上で手を左方向に動かすことによって次のページへのページめくりが行われ、次の拡大画像が表示される。一方、表示されている一枚の拡大画像の上で手を右方向に動かすことによって前のページへのページ戻しが行われ、一枚前の拡大画像が表示される。次に、表示されている一枚の拡大画像の上で手を上方向に動かすことによってその画像がズームアップされるとともに、手を下方向に動かすことによってその画像がズームダウンされる。サムネイル表示に戻るときは、下方領域に表示されている「戻り」指軌跡指示マーク30を指でなぞる。
携帯電話2は、図1から図4のような縦持ちだけでなく横持ちでも操作できる。この縦持ちと横持ちの変更は加速度センサによって検知され、操作と表示の切り替えが行われる。図5(A)は、このような横持ち操作の状態の画面を示す携帯電話2の上面外観図である。図1と同じ構成には同一の番号を付し、説明は省略する。図5(A)は、横持ち表示の例として、「駅前案内」のメニューリスト表示が行われている場合を図示している。後述する操作手続きにより図5(A)のような「駅前案内」表示となった場合も、上方領域と下方領域の区別なく表示部4全体が「駅前案内」のメニューリスト表示に割り当てられる。このときのメニュー指定入力も、加速度センサによる傾きや振動の検知および赤外線発光部8、10、12と赤外線受光センサ6による両手操作の検知によって可能となる。選択されたメニューには太枠カーソル34で表示され、ここにカーソルがある状態で携帯電話2を裏側から中指などでタップすると選択が確定し、詳細情報表示画面となる。
図5(A)のような横書きメニューのカーソルを手の動きで縦方向に送る場合は、例えば左手で携帯電話を持ち、右手を表示部4の上で上下方向に移動させるような両手操作となる。これによって、赤外線発光部8、10、12と赤外線受光センサ6が右手の動きを検知してカーソル34を移動させる。なお、横書きメニューの表示は、図5(A)のような横持ちの場合だけでなく、図1の基本機能選択部16における「電話帳」、「メニュー」、「メール」、「カメラ」の4つのメニュー表示のように縦持ちの場合にも採用される。そして縦持ちの場合においても、図1のような下方領域だけでなく表示部4全体を横書きメニュー表示に充てる場合もある。このような場合でも、例えば左手で携帯電話を持ち、右手を表示部4の上で上下方向に移動させることにより赤外線発光部8、10、12と赤外線受光センサ6がこれを検知してカーソルを上下に移動させる。
ここで注意すべきは、図5(A)のような横持ちの場合における上下方向は、赤外線発光部7および赤外発光部8を結んだ線方向であるのに対し、図1のような縦持ちの場合における上下方向は、赤外線発光部8および赤外発光部12を結んだ線方向であることである。従って、縦持ちの場合と横持ちの場合で、手を同様に上下方向に移動させた場合、赤外線発光部8、10、12の出力は異なったものとなる。そこで、加速度センサが検知する重力加速度により横持ちか縦持ちかを識別し、赤外線発光部8、10、12の出力の判定基準データテーブルを横持ち用と縦持ち用の間で切り換える。これによって、横持ちか縦持ちかにかかわらず、統一した上下方向の手の動きによりカーソルを上下方向に移動させることができる。
同様にして、画像のサムネイル表示も、図4のような縦持ちの場合だけでなく、縦持ちの場合にも採用される。ここでも、手の動きによりカーソルを左右方向に動かすときと上下方向に動かすときで、縦持ちの場合と横持ちの場合で赤外線発光部8、10、12の出力は異なったものとなる。そこで、図4のようなカーソルを上下左右に動かす場合の手の動きの検知についても、加速度センサにより横持ちか縦持ちかを識別し、赤外線発光部8、10、12の出力の判定基準データテーブルを横持ち用と縦持ち用の間で切り換える。これによって、横持ちか縦持ちかにかかわらず、統一した上下左右方向の手の動きによりカーソルを上下左右方向に移動させることができる。
なお、図4において拡大画像が上方領域14に表示された状態において、携帯電話2を横持ちにすると、加速度センサがこれを検知し、図5(A)におけるような横長の表示部4一杯に横長拡大画像を表示することができる。このようにして横持ち状態で一枚の画像が拡大された状態においても、さらに一枚ずつの画像のページめくりを手の左右方向の動きで行うとともに、画像のズーム操作を手の上下方向の動きで行うことが可能である。ここにおいても、手の左右方向の動きと上下方向の動きによる赤外線発光部8、10、12の出力は縦持ちの場合と横持ちの場合で異なったものとなる。従って、手の上下左右の動きによるページめくりとズーム操作においても、加速度センサにより横持ちか縦持ちかを識別し、赤外線発光部8、10、12の出力の判定基準データテーブルを横持ち用と縦持ち用の間で切り換える。これによって、横持ちか縦持ちかにかかわらず、統一した上下左右方向の手の動きによりページめくりとズーム操作を行うことができる。
図5(B)は、携帯電話2の背面の外観図であり、図5(A)と同様の横持ち状態で図示しているが、特に横持ち状態に関連する事項を説明するためのものではなく、背面構成に関する特徴を説明するために図示したものである。図5(B)において、背面カメラ42は、表示部4に表示される画像を見ながら撮影ができるよう、携帯電話2の背面に設けられている。携帯電話2の背面にはさらに、背面赤外発光部35およびこれに近接して背面赤外線受光センサ37が設けられている。背面赤外発光部35および背面赤外線受光センサ37は、上面の背面赤外線受光センサ6および赤外線発光部8、10、12と同様、赤外線透過カバーで覆われているので、意匠上は外部から見えない。背面赤外線受光センサ37は、背面赤外発光部35からの赤外線の反射状態を検知することによって、携帯電話2が背面を背にして机等に密着して置かれている状態と、携帯電話2が手に持たれている状態とを識別できるよう構成される。なお、携帯電話2の背面形状によっては、上記の構成において、さらに背面カメラ42を背面赤外線受光センサ37として機能させることに検知能力を高める。なお、背面カメラ42を赤外受光センサとして機能させるときは、専用の背面赤外線受光センサ37を省略するよう構成することも可能である。
ここで、携帯電話2の電源管理について説明する。携帯電話2は大半の時間、いわゆる「待受」状態にあり、表示をオフするとともに内部構成の消費電力も最低限に抑えられている。そして、携帯電話の表示をオンにして機能を起動する場合には、携帯電話2の背面または側面を中指または親指でタップする。携帯電話2の加速度センサは、このタップによる振動を検知することにより起動操作がなされたものと判断して表示をオンするとともに諸機能を起動する。この目的のため、加速度センサには待受状態において微弱電流が供給されるとともに、加速度センサは通常動作よりも低い低電力消費モードにて起動操作のための振動を常時検知することができるよう構成される。このように構成する場合、起動を意図したタップ以外の振動を加速度センサが起動操作と誤認しないようにすることが必要となるが、図5(B)における背面赤外発光部35と背面赤外線受光センサ37の組合せは、このような誤起動を防ぐための手段となっている。
具体的には、待受状態において、赤外発光部35は微弱な赤外光を間欠的に発光するとともに背面赤外線受光センサ37はこの赤外光の反射を検知できる状態に置かれている。従って、背面携帯電話2が背面を背にして机等に置かれる場合の机面の接近により反射光が増加していくとともに机面への密着によって反射光が最大となり安定する。なお、これを可能とするため、赤外発光部35と背面赤外線受光センサ37は互いに近接して配置されるとともに、携帯電話2の背面自体が机面などに密着しても赤外発光部35と背面赤外線受光センサ37が机面によって塞がれないよう携帯電話2の背面表面から少し沈んだ位置に配置される。以上のようにして、携帯電話2が机面に置かれる場合に特有の反射光変化パターンが赤外線受光センサ37によって検知され、この反射光パターン変化の検知時点から次に背面携帯電話2が持ち上げられた時の反射光の減衰検知時点までは、加速度センサが振動を検知しても起動を禁止する。これによって携帯電話2が置かれている机に誰かがぶつかった場合や、携帯電話が常に振動がある車両のシートに置かれていた場合などにおける誤起動を防止することができる。さらに、互いに近接している赤外線発光部12と赤外線受光センサ6の組合せにも同様の誤起動禁止機能を持たせることにより、携帯電話2の上面がうつ伏せになった状態で机や座席に置かれた場合にも対応することができる。また、このようにして上面側と背面側に同様の誤起動禁止手段を設けることにより、携帯電話2をポケットに入れているときの体の振動による誤起動を防止することができる。
なお、携帯電話2が机上等に置かれた瞬間の衝撃を加速度センサで検知するよう構成し、机面の接近から密着への反射光の増加パターンおよび加速度センサによる机面への密着時における衝撃検知の組合せによって携帯電話2が机上等に置かれたことを検知することでより確実に起動禁止をスタートさせるよう構成してもよい。また、起動禁止の解除についても、背面携帯電話2が持ち上げられた時の反射光の増加検知と持ち上げ時の加速度検知の組合せに基づいて起動禁止を解除するよう構成してもよい。
この組合せは、反射光増加検知出力と加速度検知の検知出力の組合せ利用には限らない。例えば、起動禁止がスタートした後は背面カメラ42および背面赤外発光部35の機能を停止させ、加速度センサが加速度を検知した段階で背面カメラ42および背面赤外発光部35の機能を起動するよう構成するような組合せも可能である。このような組合せによれば、背面密着時の反射光強度を記憶しておき、加速度が検知された段階で検知した反射光強度を記憶された反射光強度と比較することで、加速度の検知が携帯電話2の持ち上げによるものか携帯電話2の背面が机上等に密着したままの状態のものか識別することができるので、常時背面カメラ42および背面赤外発光部35の機能を起動しておく必要がなくなり、省電の効果がある。
図6は、以上のような本発明のモバイル装置の実施例おける携帯電話2のブロック図である。図1と同じ構成には同一の番号を付し、説明は省略する。マイクロコンピュータを含む携帯電話制御部36は、所定のクロックにより駆動されて携帯電話2を制御するとともに、電話機能部38と共同して通常の携帯電話機能を実行する。記憶部40は、携帯電話機能部36の機能に必要なコンピュータプログラムを格納するとともに、必要なデータを記憶する。また、電話帳などのテキストデータや背面カメラ42で撮影された画像データなども記憶する。加速度センサ44は、既に説明したように携帯電話2の傾き、振動、衝撃などを入力情報として検知し、携帯電話制御部36に検知情報を送る。LEDドライバ46は携帯電話制御部36の指示に基づきLEDからなる赤外線発光部8、10、12の発光を時分割で制御する。また、フォトダイオードドライバ48は携帯電話制御部36の指示に基づきフォトダイオードからなる赤外線受光センサ6の受光状況を検知し携帯電話制御部36に送る。このとき、LEDドライバ46およびPDドライバ48が時分割で連携しているため、赤外線受光センサ6の出力がどの赤外線発光部8、10、12の発光に基づくものかを識別することができる。また、LEDドライバ46はPWM制御等により赤外線発光部8、10、12の発光強度を変化させることができ、既にのべたように、左手親指の動きの検知の場合と右手親指の動きの検知の場合とでそれぞれの発光強度を変化させることが出来る。
また、側面静電センサ49は、携帯電話2が操作者の手によって保持されているかどうかを検知し、検知結果を携帯電話製著部36に送ることによって、操作の意図がないときにおける加速度センサ44や赤外線受光センサ6による操作入力の誤検出を排除する。具体的には、携帯電話2が操作者の手によって保持されていることが検知されない限り、加速度センサによる起動を禁止することによって、携帯電話が机上や車両のシートにおかれている場合における待受状態からの誤起動を防止することが可能となる。このようにして、側面静電センサ49による操作者の保持の直接検知によっても、背面カメラ42と背面赤外発光部35の組合せによるのと同様の誤起動防止が可能となる。
オーディオ出力部43は、記憶部40に記憶された楽曲等のオーディーコンテンツを再生するものでオーディオコンテンツデータを音声信号に変換する機能を有するとともに、これを音声信号とするスピーカおよびイヤホンなど外部のアクセサリにオーディオ信号を出力するための出力端子を有する。加速度センサ44はオーディオ出力部43によるオーディオ信号のボリューム調節の入力部を兼ねており、携帯電話2へのタップ箇所またはタップリズムパターンを検知してボリュームのアップダウンを行う。
図7は、操作の詳細を示す操作画面図であり、図1から図3のような片手操作の場合について説明している。そして、操作による画面変化を一覧するため、表示画面4の下方領域のみを図示している。また、図1と同じ構成には、同一の番号を付し、必要のない限り説明は省略する。図7(A)は図1と同様の表示画面であり、図1で説明したように携帯電話2に電源が入った状態の初期画面のものである。なお、携帯電話2の電源を入れるには、携帯電話2を背面から中指などで所定リズムにて複数回タップする。この所定リズムは、不用意な携帯電話への振動で意図せず電源が入るのを防止する手段の一つであり、自然では生じないような好みのリズムを予め登録しておくことができる。なお、この所定リズム登録による誤動作防止機能は、携帯電話2に電源が入っている待受状態から表示をオンして諸機能を起動する場合の誤起動防止にも採用できる。
また、図7(A)においては「進み」指軌跡指示マーク18にハッチングが入れられているが、これは軌跡に沿って指が動いたことを検知した状態であることを示す。そして、この検知が行われると、図7(B)に示す電話モードに表示が変更され、ダイヤル数字盤50等が表示される。破線矢印52は、このような図7(A)から図(B)への表示変更方向を示す。ダイヤルナンバーの入力は、加速度センサによる傾きや振動の検知および赤外線発光部8、10、12と赤外線受光センサ6による親指操作の検知によって可能となる。選択されたナンバーには太枠カーソル54が表示され、ここにカーソルがある状態で携帯電話2を裏側から中指などでタップするとナンバーが確定してナンバー表示窓56への入力が行われる。なお、ダイヤルナンバーの入力が終わって図7(B)の状態で「進み」指軌跡指示マーク18に沿って指を動かすと、ダイヤル先への発呼が実行される。因みに、図7(A)の待受け状態において外部からの着信があったとき、「進み」指軌跡指示マーク18に沿って指を動かすと、受信が始まり、図7(B)の状態に移行する。
図8は、図7と同様の図であるが、図8(B)において、「戻り」指軌跡指示マーク30にハッチングがあるように、軌跡に沿って反時計回りの指の動きを検知した状態であることを示す。そして、この検知が行われると、まず、ナンバー表示窓56にナンバーが入力されている場合、「戻り」指軌跡指示マーク30に沿った指の動きが一回検知される毎にナンバーが一つずつキャンセルされていく。これによって、誤入力の訂正が可能となる。また、ナンバー表示窓56にナンバーが入力されていない状態において、「戻り」指軌跡指示マーク30に沿った指の動きが検知されると破線矢印58に示すように図8(A)の初期画面に戻る。なお、通話状態において、図8(B)の画面から「戻り」指軌跡指示マーク30に沿った指の動きが検知されると通信が遮断される。
なお、図7(A)および図8(A)の表示状態において指の動きに反応するのは「進み」指軌跡指示マーク18上での動きだけである。換言すると、基本機能選択部16の表示の上で指を動かしても携帯電話2は反応しない。また、図7(B)および図8(B)では本機能選択部16の表示が消えている。従って、図7または図8のいずれの場合も基本機能選択部16の誤作動が起こることはなく、もっぱら電話機能だけが可能となる。このように、本発明では、表示部4の表示状態と赤外線発光部8、10、12と赤外線受光センサ6による手や指の動きの検知を連携させることで誤入力を防止している。
以上説明した赤外線発光部8、10、12と赤外線受光センサ6の組合せによる入力検知は、携帯電話2と手または指との相対移動の検知に基づくものである。従って、指や手を意図通りに動かしたとしても、手持ちの携帯電話2自体に意図せぬブレがあると相対移動は指や手の動きと携帯電話2自体のブレを合成したものとなり、赤外線発光部8、10、12の出力は必ずしも指や手を動かした意図を正確に反映しない場合がある。これに対処するため、加速度センサ44は携帯電話2自体のブレを検知し、赤外線発光部8、10、12の出力を、携帯電話2自体にブレがなかったものとした場合の情報に補正する。また、この補正は、その時点に検出されるブレの情報だけでなく、指または手を動かした時における片手操作および両手操作に特有の携帯電話2のブレの癖の個人差を学習し、このような学習情報も加味して行われる。
図9は初期画面から電話機能以外の機能モードを選択する場合の操作と表示の変化を示すものである。基本機能選択部16を活性化するには、電源オンの場合と同様にして、携帯電話2を裏側から中指などで所定リズムにて複数回タップする。この所定リズムは、不用意な携帯電話への振動で意図せず電源が入るのを防止するため、自然では生じないような好みのリズムを予め登録しておくことができる。このリズムは電源オンと同じものにしてもよく、また異なったものを登録してもよい。加速度センサ44がこのタッチを検知すると、破線矢印52に示すように図9(A)から図9(B)の状態となり、基本機能選択部16が活性化されたことを示すために、「電話帳」、「メニュー」、「メール」、「カメラ」の4つのメニューリストいずれかに太枠カーソル60が表示される。
図10は、図9(A)から図9(B)への経過を経て基本機能選択部16が活性化された状態におけるカーソル移動操作を示すものである。この状態におけるカーソル60の移動は、加速度センサが携帯電話2の傾きを検知することにより行われる。具体的には、携帯電話2の上面が上を向いている場合、携帯電話2の上側を相対的に持ち上げたとき図10(A)から図10(B)のようにカーソル60は上方から下方に移動する。逆に、携帯電話2の上面が上を向いている場合に携帯電話2の下側を相対的に持ち上げたとき図10(B)から図10(A)のようにカーソル60は下方から上方に移動する。これは引力に従った移動を模している。一方、寝転がって、携帯電話2を見上げた場合のように携帯電話の上面が下を向いている場合、携帯電話2の下側を相対的に持ち上げたとき図10(A)から図10(B)のようにカーソル60は上方から下方に移動する。また、携帯電話2の上面が下を向いている場合に携帯電話2の上側を相対的に持ち上げたとき図10(B)から図10(A)のようにカーソル60は下方から上方に移動する。これも引力に従った移動を模した移動となる。このように、図10の状態では、両方向矢印61で示すように携帯電話2の傾き方向に応じ、カーソルは図10(A)と図10(B)の間で上下移動する。
なお、上記の移動における携帯電話2の傾き検知はあくまで相対的なものであり、携帯電話2の絶対的な姿勢に基づくものではない。次に、このような傾きの相対移動検知の際の基準の取り方について説明する。図10のように基本機能選択部16が活性化された状態において、親指を任意の方向に表示部4の下方領域を横切るよう振ると、これが赤外線発光部8、10、12と赤外線受光センサ6によって検知され、携帯電話2の傾き状態にかかわらず基準位置リセットが行われるとともに、その状態でカーソル60の動きが停止する。この基準位置リセットの操作は、片手操作における親指の動きだけでなく、両手操作における空いている方の手が表示部4全体を横切るよう動かすことによって行ってもよい。そして基準位置リセットが行われた携帯電話2の傾きにおいて加速度センサ44が検知する重力加速度が記憶部40に記憶され、この記憶値を基準にして、これとその後の加速度センサ44の検知出力が携帯電話制御部36で比較され、携帯電話4の上側および下側のいずれがその後相対的に持ち上げられたかが判断される。このようにして、指または手を表示部4上で振るたびに基準位置リセットが行われるので、携帯電話2を持ちながら姿勢を変えても、カーソル60が意に沿わない動きをするのを防止することができる。
図11(A)は、基本機能選択部16のメニューリストにおける「メニュー」にカーソル60がある状態において、「進み」指軌跡指示マーク18の軌跡に沿って指が動いたことを赤外線発光部8、10、12と赤外線受光センサ6が検知し、メニューリストにおける「メニュー」の選択が確定した状態を示す。そしてこのことを示すため、図11(A)では「進み」指軌跡指示マーク18にハッチングが入れられている。そして、このようにして「メニュー」選択の確定検知が行われると、矢印52に示すように図11(B)の詳細メニュー選択モードに表示が変更され、複数の詳細メニューアイコン64が、表示されるようになる。詳細メニューアイコン64の選択は、加速度センサによる傾きや振動の検知および赤外線発光部8、10、12および赤外線受光センサ6による親指操作の検知のいずれによっても可能であり、選択された詳細メニューアイコンには太枠カーソル66が表示される。
そして、詳細メニューアイコンの一つにカーソル66がある状態で「進み」指軌跡指示マーク18の軌跡に沿って指を動かすと赤外線発光部8、10、12と赤外線受光センサ6がこれ検知し、詳細メニューアイコンの選択が確定して次の画面への移行が行われる。一方、詳細メニューアイコンのいずれにカーソル66がある状態であっても「戻り」指軌跡指示マーク30の軌跡に沿って指を動かすと赤外線発光部8、10、12と赤外線受光センサ6がこれ検知し、図11(B)から図11(A)の画面への復帰が行われる。
図12(A)は、基本機能選択部16のメニューリストにおける「メール」にカーソル60がある状態において、「進み」指軌跡指示マーク18の軌跡に沿って指が動いたことを赤外線発光部8、10、12と赤外線受光センサ6が検知し、メニューリストにおける「メニュー」の選択が確定した状態を示す。そして、図11と同様にして「メニュー」選択の確定検知が行われると、矢印52に示すような図12(A)から図12(B)への表示変更が行われ、メール入力画面が表示される。これは、図3と同じものであり、その操作の詳細は図3で説明したので省略する。
図12(B)において、「戻り」指軌跡指示マーク30に軌跡に沿って指を動かすと、赤外線発光部8、10、12と赤外線受光センサ6これを検知し、入力ウインドウ24に文字が入力されている場合、「戻り」指軌跡指示マーク30に沿った指の動きが一回検知される毎に文字が一つずつキャンセルされていく。また、ナンバー表示窓56にナンバーが入力されていない状態において、「戻り」指軌跡指示マーク30に沿って指を動かすと、赤外線発光部8、10、12と赤外線受光センサ6がこれ検知し、図12(B)から図12(A)の画面への復帰が行われる。
図13は、本発明の実施例における図6の携帯電話制御部36の機能を示す基本フローチャートである。フローは携帯電話2の主電源のオンでスタートし、ステップS2で電話機の初期立上を行うとともに各部の機能チェックを行う。そしてステップS4で表示部4に図1のような右手操作用の待受け画面が表示される。さらに、ステップS6で、表面の赤外線発光部8、10、12および赤外線受光センサ6、背面の赤外線発光部35および赤外線受光センサ37、側面静電センサ49、並びに加速度センサ44を活性化させる。
次いでステップS8では、所定時間の間、これらのセンサによる無検知状態が続いているかどうかをチェックする。そして無検知状態が続いているとステップS10に進み、表示部4のバックライトを消すとともに携帯電話制御部36のクロック周期を落とすなどの省電力モードに入る。ステップS10では、さらに赤外線発光部8、10、12、35および赤外線受光センサ6、37を不活性化させる。これらの発光・受光部は、活性化状態では所定の周期で発光受光を繰り返し、手や指の動きを検知しているが、不活性状態では少なくとも赤外発光部8、10、12、35の発光が停止される。
次いでステップS12では、このような省電力モードから通常動作モードに復帰するための起動を行うとともに発光・受光部を活性化させるための処理に入る。この処理は、携帯電話2の持ち上げなどを検知して自動的に起動させるための処理であるが、その詳細は後述する。そしてこの処理の結果をステップS14でチェックし、通常モードへの起動が行われたかどうかを確認する。そして通常動作への起動が確認できなければステップS12に戻り、以下、ステップS12およびステップS14を繰り返して起動を待つ。一方、ステップS14で通常動作への起動が確認されるとステップS16に移行する。なお、ステップS8において所定時間無検知でないことが確認されると直接ステップS16に移行する。この場合は、省電力モードに入らずに通常動作モードが継続されているからである。
ステップS16では、発光・受光部による手又は指の動きが検知されたかどうかチェックする。そして何等かの検知があるとステップS18に進み、検知された動きに基づいて表示部4の画面を図1のような右手操作用と図2のような左手操作用の画面に切換えるための処理を行う。この処理は、既に述べたように、表示部4の上での指の初期移動のパターンを識別し、右手親指特有の動きか左手親指特有の動きかを判定するものである。そして、必要に応じ左右の切換えを実行した上でステップS20に移行する。なお、ステップS16の段階で発光・受光部による手又は指の動きが検知されないときは直接ステップS20に移行する。
ステップS20では、携帯電話2に電話の着信があったかどうかチェックする。そして着信があればステップS22に進み、発光・受光部が図1または図2の「進み」指軌跡指示マーク18をなぞる指の動きを検知したかどうかチェックする。着信中にこの動きがあれば受話操作がなされたことを意味する。そしてこの動きが検知されるとステップS24の通話処理に進む。通話処理は通常の電話中の処理である。一方、ステップS22で上記のような受話操作が検知されない場合はステップS16に戻り、以下着信状態が続いている限りステップS16からステップS22を繰り返して受話操作を待つ。
通話が終わって電話が切られるとステップS24の通話処理電話が完了し、ステップS26に移行する。なお受話処理がされないままで電話が切れ、ステップS20で着信状態が検知できなくなると直接ステップS26に進む。ステップS26では、図1から図12で説明したような発光・受光部または加速度センサによる種々の携帯電話2への入力を検知する処理が行われる。なお、ステップS26にもステップS18と同様の左右切換処理が含まれている。ステップS26の入力検知処理の詳細については後述する。入力検知処理が終わるとステップS28に進み、なんらかの入力が検知されたかどうかがチェックされる。そして、ステップS28で入力が検知された場合は検知入力に応じ、ステップS30において図1から図12で説明したような種々の入力対応処理が実行される。ステップS30の入力対応処理の詳細は後述する。入力対応処理が終わるとステップS32に移行する。一方、ステップS28で入力検知が行われなかったことが確認された場合は直接ステップS32に移行する。
ステップS32では、主電源がオフされたかどうかがチェックされ、主電源オフが検知されない場合はステップS8に戻る。以下、主電源がオフされない限りステップS8からステップS32が繰り返され、種々の入力への対応や省電力モードへの移行および通常動作モードへの復帰が実行される。一方、ステップS32で主電源のオフが検知されたときはフローを終了する。
図14は、図13のステップS12における起動/発光・受光部活性化処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートするとステップS42において携帯電話2に対する起動のための所定パターンのタップがあったかどうかチェックされる。このチェックは、加速度センサおよび検知パターンテーブルとの照合により実行される。そしてステップS42で所定パターンのタップが検知されない場合はステップS44に進み、携帯電話2への着信があったかどうかがチェックされる。そして着信が検知されないときはステップS46に進む。
ステップS46では、加速度センサ44による所定の加速度が検知されたかどうかがチェックされる。加速度センサ44は省電力モードにおいても、チェック周期が遅状態ではあるが常に活性化されており、加速度の検知が可能である。そしてステップS46で加速度が検知されるとステップS48に進み、赤外線発光部12、35および赤外線受光センサ6、37を活性化させる。表面において特に発光部12を活性化させるのは赤外受光センサ6に近接していて背面赤外光発光部35と同様の密着検知機能が持たせられているからである。さらに、ステップS50では背面カメラ42をオンする。そしてステップS52において表面の赤外線受光センサ6、背面赤外光受光センサ37および背面カメラ42の出力を記憶してステップS54に進む。
ステップS54では、携帯電話4が操作者の手によって保持されているかどうかを側面静電センサ49で検知する。検知がなければステップS56に進み、表面の赤外光受光センサ6および背面赤外光受光センサ37の両者の出力が所定以下であるかどうかをチェックする。これは、携帯電話2の表面および背面のいずれもが赤外光発光部からの強い反射光の原因となるような面に近接していない状態にあるかどうかをチェックしていることを意味する。
ステップS56に該当しないときは少なくとも携帯電話2の表面または背面が何らかの面に近接していることを意味するのでステップS58に進み、表面の赤外光受光センサ6の出力がステップS52で記憶された出力から所定以上変化しているかどうかチェックする。これは、携帯電話の表面に近接する何らかの面から携帯電話2が移動しているかどうかをチェックしていることを意味する。ステップS58にも該当しないときは携帯電話の表面が何らかの面に置かれたままの状態にある可能性があるのでステップS60に進み、背面赤外光受光センサ37の出力がステップS52で記憶された出力から所定以上変化しているかどうかチェックする。これは、携帯電話の背面に近接する何らかの面から携帯電話2が移動しているかどうかをチェックしていることを意味する。
ステップS60にも該当しないときは携帯電話の背面が何らかの面に置かれたままの状態にある可能性があるのでステップS62に進み、背面カメラ42の出力がステップS52で記憶された出力から所定以上変化しているかどうかチェックする。これも、携帯電話の背面に近接する何らかの面から携帯電話2が移動しているかどうかをチェックしていることを意味する。ステップS62に該当しないときも携帯電話の背面が何らかの面に置かれたままの状態にある可能性があるのでステップS64に進む。
ステップS64では、ステップS46で最初の加速度が検知されてから初手時間経過したどうかのチェックが行わる。そして、時間経過がなければステップS68に進み、加速度センサ44による加速度検知が継続しているかどうかチェックする。加速度検知が継続している場合はステップS54に戻り、以下、加速度検知が継続している限り所定時間が経過するまでの間ステップS54からステップS68を繰り返してステップS54からステップS64のいずれかに該当する状態を待つ。一方、ステップS68で加速度検知が継続していないことが確認されるとステップS70に移行する。また、ステップS64で所定時間が経過したときは、加速度検知が継続していても携帯電話4がなんらかの面に密着したままであるものと看做し、ステップS54からステップS68の繰り返しを停止してステップS70に移行する。
ステップS70で赤外線発光部12、35および赤外線受光センサ6、37を不活性化するとともにステップS72で背面カメラ42をオフしてフローを終了する。一方、ステップS42で所定パターンのタップが検知されたとき、またはステップS44で着信が検知されたときは、ステップS74で赤外線発光部8、10、12、35および赤外線受光センサ6、37を活性化させるとともにステップS76に進んで直ちに携帯電話2を起動モードに復帰させる。これらの場合は、携帯電話2を起動すべき状態であることが確実であるからである。そして、ステップS72を経由してフローを終了する。なお、この場合は、元々背面カメラ42はオフのままなので、ステップS72では何も起こらない。
一方、ステップS54からステップS64のいずれかに該当する状態が生じたときは直ちにステップS76に進んで直ちに携帯電話2を起動モードに復帰させる。そしてステップS50でオンされていた背面カメラをステップS72でオフしてフローを終了する。以上のようにして、ステップS46で所定の加速度が検知され、かつステップS54からステップS64のチェックによってその加速度がカメラの持ち上げによって生じたと看做されたときは携帯電話2を自動的に起動モードに復帰させる。そしてステップS54からステップS64のいずれにも該当しないときは、ステップS46で加速度が検知されたとしても、携帯電話2が机や車両のシートに置かれた状態または携帯電話2がポケットに入れられた状態で何らかの加速度が加わっただけであって起動の意図はなかったものと看做し、起動を禁止する。
なお、起動が禁止されたまま図14のフローが終了した場合、図13から明らかなようにステップS14からステップS12に戻るので図14のフローの実行が繰り返される。これによって、誤起動が防止されるとともに、種々の状況に従った起動が実行される。
図15は、図13のステップS26における入力検知処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS82で現在の表示部4の表示が片手操作用画面かどうかチェックする。片手操作画面であればステップS84に進み、発光・受光部による手又は指の動きが検知されたかどうかチェックする。そして何等かの検知があるとステップS86に進み、検知された動きに基づいて表示部4の画面を図1のような右手操作用と図2のような左手操作用の画面に切換えるための処理を行う。そして、必要に応じ左右の切換えを実行した上でステップS88に移行する。なお、ステップS84の段階で発光・受光部による手又は指の動きが検知されないときは直接ステップS88に移行する。また、ステップS82で片手操作画面表示状態でないことが確認されたときも直接ステップS88に移行する。
ステップS88では、入力検知のために想定されている以外のパターンの加速度が検知されたかどうかチェックする。そしてこのような加速度が検知されると、携帯電話の絶対的動きをキャンセルする補正を行ってステップS90に移行する。ステップS90の意義は、既にのべたように、発光・受光部検知出力に手持ちの携帯電話2自体のブレ影響が含まれ、検知出力が指や手を動かした意図を正確に反映しない場合の対策である。つまり、想定外の加速度が検知された時は、指や手を動かしたことに伴って携帯電話2自体に意図しないブレが生じたものと判断し、このプレの絶対的動きをキャンセルすることで、ブレのない携帯電話2に対して指や手を動かしたときの検知出力への補正を行うものである。これによって意図を反映した快適な入力が可能となる。なお、既に述べたように、この携帯電話の動きをキャンセルする補正にあたっては、検出された絶対的動きの情報だけでなく、指や手を動かしたときの携帯電話2のブレの癖の個人差を学習し、このような学習情報も加味する。なお、ステップS88で想定外加速度が検知されなかったときは直接ステップS92に移行する。
ステップS92では重力加速度を検知するとともに、ステップS94においてはその検知出力に基づき携帯電話2の画面が縦画面と横画面の間で変更されたかどうかチェックする。そして変更があればステップS96で縦横入換え入力検知処理を行ってステップS98に移行する。縦横入換え入力検地処理の詳細は後述する。一方、ステップS94で立て画面横画面変更検知がなかったときは直接ステップS98に移行する。ステップS98では、以上の処理を加味して発光・受光部による入力検知を行う。
次いでステップS100では、重力加速度反転の有無を検知する。これは、通常のように表示部4を上から見下ろしている状態と、寝転がって表示部4を下から見上げた状態との間で重力加速度が反転しているか否かを見るものであって、重力加速度の反転が検知されるとステップS102の天地入換え処理を行ってステップS104に移行する。一方、ステップS100で重力加速度の反転が検知されない場合は直接ステップS104に移行する。
ステップS104では、所定時間加速度の検知がなく携帯電話2が止まっている状態であるかどうかチェックする。これに該当しなければステップS106に進み、発光・受光部が指または手の所定の動きを検知したかどうか検知する。この所定の動きは、例えば表示部4の上を指または手が一回横切るなどの比較的単純な動作である。そしてステップS106でこの動きが検知されるとステップS108に進み、回転検出用基準位置のリセットおよび記憶を行ってステップS110に移行する。また、携帯電話2が所定時間以上静止することでステップS104において所定時間加速度検知がないときもステップS108に移行し、静止した位置において回転検出用基準位置のリセットおよび記憶が行われる。このようにして、所定時間携帯電話2を静止させると自動的にリセット/記憶がかかり、また、所定時間経過する前に指または手が表示部4を横切動きるよう振れば、直ちにリセット/記憶をかけることができる。
ステップS108の意義は、既にのべたように、例えば図10においてカーソル60をメニューの上で動かす場合において、必ずしも絶対的な水平状態を基準位置にせずともよいようにすることにある。つまり、表示部4が所定の角度にあるときステップS108において回転検知用基準位置リセット行われ、そのときの重力加速度が記憶部40に記憶されると、以後、この記憶値を基準にして新たに検出される重力加速度との比較により携帯電話2の回転が検知されるようになる。一方、ステップS104で静止状態が検出されずステップS106でも発光・受光部による所定動きが検知されないときは、直接ステップS110に移行する。ステップ110では、以上の処理を加味して加速度センサ44による入力検知を行い、フローを終了する。図15のステップS98による受光・発光部入力検知情報およびステップS110による加速度入力検知情報は、図13のステップS30における入力対応処理の情報元となる。
図16は、図13のステップS30における入力対応処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートするとステップS112で現在の表示部4の表示が図1または図2のような待受け画面かどうかチェックする。待受け画面であればステップS114に進み、発光・受光部による「進み」操作の指の動きが検知されたかどうかチェックする。これが検知されるとステップS116の電話発進画面に移行する。これは図7で説明した動作に該当する。次いで、ステップS118の通話処理に入る。発呼から通話が行われてこれが終了するか、または通話の実行が中止されるかして通話処理が終了するとステップS120に移行する。また、ステップS114で「進み」操作が検知されないときは直接ステップS120に移行する。
ステップS120では、加速度センサ44によって携帯電話2が所定リズムにて複数回タップされたかどうかチェックする。これが検知されるとステップS122に進み、メニュー画面への変更を行ってステップS124に移行する。これは、図9で説明した動作に該当する。一方ステップS120で所定回のリズムタップが検知されない場合は直接ステップS124に移行する。また、ステップS112で現在待受け画面が表示中であることが検知できなかったときも直接ステップS124に移行する。
ステップS124では、現在の表示部4の表示が図9のようなメニュー画面かどうかチェックする。メニュー画面であったときはステップS126に進み、発光・受光部による「戻り」操作が検知されたかどうかチェックする。そしてこの操作が検知されなかったときはステップS128に進み、携帯電話2が傾けられたことによる入力加速度が検知されたかどうかチェックする。そして検知があればステップS130に進み、検知方向にカーソルを移動させてステップS132に移行する。一方、ステップS128で加速度入力検知がなければ直接ステップS132に移行する。ステップS132では、発光・受光部による「進み」操作が検知されたかどうかチェックする。
ステップS132に「進み」操作の検知があればステップS134でメニューを決定するとともに決定されたメニューに対応する機能画面に進む。これは、図11または図12で説明した動作に対応する。一方、ステップS132で「進み」操作の検知がないときはステップS126に戻り、以下「戻り」操作または「進み」操作が検知されない限りステップS126からステップS132を繰り返す。この間、ステップS128とステップS130による任意のカーソル移動が可能である。
ステップS134で機能画面に進むと、次のステップS316では、加速度センサ44による加速度入力検知の有無がチェックされる。検知がない場合はステップS138に進み、発光・受光部入力検知の有無がチェックされる。ここで検知が確認されるとステップS140に進み検知入力に応じてカーソル移動又は該当する入力に応じた動作を実行する。また、ステップS316で加速度検知が行われたときもステップS140に進み検知入力に応じてカーソル移動又は該当する入力に応じた動作を実行する。このようにステップS316からステップS140の機能により、加速度入力および発光・受光部入力のそれぞれに対応する特有の入力が可能であるとともに、図3や図11(B)におけるカーソル移動のように加速度入力および発光・受光部入力のいずれでも同じ入力を行うことが可能となる。
ステップS140のカーソル移動又は該当入力実行処理が完了するとフローが終了する。なお、ステップS138で発光・受光部入力検知がなかったときもフローを終了する。さらに、ステップS216で「戻り」操作が検知されたときはステップS142で画面が待受け画面に戻された上でフローを終了する。またステップS124で表示されているのがメニュー画面でなかったときはステップS144に進んで機能画面であるかどうかをチェックする。そして機能画面であったときはステップS316に移行して加速度検知のフローに入る。一方、ステップS144で機能画面でなかったときは待受け画面が表示されていることを意味するから直ちにフローを終了する。
図17は、図15のステップS96における縦横入換え入力検知処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS152で縦位置画面状態の重力加速度が検知されているかどうかチェックする。そして縦位置重力状態であればステップS154に進み縦位置における天地を設定する。これは同じ縦位置でも天地が逆だと発光・受光部検知出力が異なってくるからである。そしてステップS156で発光受光部が画面の短辺方向の手または指の移動を検知したかどうかチェックする。そして該当する動きが検知されるとステップS158に進み、左右方向の操作として右または左の検知方向とともに入力を行ってステップS160に移行する。一方ステップS156で該当する検知がなければ直接ステップS160に移行する。
ステップS160では、発光受光部が画面の長辺方向の手または指の移動を検知したかどうかチェックする。そして該当する動きが検知されるとステップS162に進み、上下方向の操作として上または下の検知方向とともに入力を行ってフローを終了する。一方ステップS156で該当する検知がなければ直ちにフローを終了する。
これに対し、ステップS152で縦位置画面状態の重力加速度が検知されない場合は横意義画面状態であることを意味するからステップS164に移行し、横位置における天地を設定する。そしてステップS166で発光受光部が画面の長辺方向の手または指の移動を検知したかどうかチェックする。そして該当する動きが検知されるとステップS168に進み、左右方向の操作として右または左の検知方向とともに入力を行ってステップS170に移行する。一方ステップS166で該当する検知がなければ直接ステップS170に移行する。
ステップS170では、発光受光部が画面の短辺方向の手または指の移動を検知したかどうかチェックする。そして該当する動きが検知されるとステップS172に進み、上下方向の操作として上または下の検知方向とともに入力を行ってフローを終了する。一方ステップS170で該当する検知がなければ直ちにフローを終了する。
以上のように図17のフローでは画面が縦位置状態であるか横位置状態であるかにかかわらず、左右方向の指または手の動きは左右方向の入力として、上下方向の指または手の動きは上下方向の入力として統一して処理する。これは、図1から図4の状態と図5の状態とを比較すればと明らかなように赤外線発光部8、10、12および赤外線受光センサ6の位置が90度回転しており、そのままでは、例えば左右方向に指または手を動かしたとき、画面が縦位置状態で左右の動きが入力されるとしても、横位置状態では上下方向の動きとして入力されてしまうことへの対策である。
本発明は、GUIを備えたモバイル機器を提供するものである。
44 加速度検知部
4 表示画面
6、8、10、12 動き検知部
36 入力手段
8、10、12 赤外発光部
6 赤外受光部
36、40 更新手段
36 判断手段

Claims (15)

  1. 機器への加速度を検知する加速度検知部と、表示画面と、前記表示画面上で動かされる手の動きを検知する動き検知部と、前記動き検知部による動き検知および前記加速度検知部による加速度検知に基づいて入力を行う入力手段とを有することを特徴とするモバイル機器。
  2. 前記表示画面は長辺と短辺を有する矩形であるとともに、前記入力手段は前記加速度検知部の検知に基づいてモバイル機器が前記表示画面が縦長となるになる位置と横長になる位置のいずれの姿勢にあるかを検出し、この検出結果に基づいて前記表示画面の姿勢にかかわらず同じ方向の手の動きに基づいて同じ意味づけの入力を行うことを特徴とする請求項1記載のモバイル機器。
  3. 前記入力手段は、前記表示画面の姿勢にかかわらず、前記表示画面上での左右方向の手の動きに基づいて同じ意味づけの入力を行うことを特徴とする請求項2記載のモバイル機器。
  4. 前記入力手段は、前記表示画面の姿勢にかかわらず、前記表示画面上での上下方向の手の動きに基づいて同じ意味づけの入力を行うことを特徴とする請求項2または3記載のモバイル機器。
  5. 前記動き検知部は、赤外発光部と前記表示画面上で動かされる手から反射する前記赤外発光部の赤外光を受光する赤外受光部を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のモバイル機器。
  6. 前記入力手段は、前記加速度検知部が検出する入力加速度に基づいて入力を行う際、前記動き検知部による手の動きに応じて重力加速度検知の基準値を更新することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のモバイル機器。
  7. 前記入力手段は、前記動き検知部の検知情報を前記加速度検知部の情報で補正することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のモバイル機器。
  8. 前記入力手段は、前記動き検知部による前記画面と手の動きとの相対移動検知情報からの前記加速度検知部によるモバイル機器の絶対移動情報を差し引く補正を行うことを特徴とする請求項7記載のモバイル機器。
  9. 機器への加速度を検知する加速度検知部と、表示画面と、前記表示画面による表示と前記加速度検知部が検出する入力加速度に基づいて入力を行う入力手段と、入力に必要な重力加速度検知の基準値を更新する更新手段とを有することを特徴とするモバイル機器。
  10. 前記更新手段は、前記加速度検知部の検知する重力加速度が所定時間変化しないことを判断する判断手段であることを特徴とする請求項9記載のモバイル機器。
  11. 前記更新手段は、モバイル機器に対する手の動きを検知する動き検知部であることを特徴とする請求項9または10記載のモバイル機器。
  12. 機器への加速度を検知する加速度検知部と、表示画面と、赤外発光部と、前記表示画面上で動かされる手から反射する前記赤外発光部の赤外光を受光する赤外受光部と、加速度検知部からの情報に基づいて前記表示画面との関係で第一の意味づけの入力を行うとともにともに前記赤外受光部からの情報に基づいて前記表示画面との関係で第二の意味づけの入力を行う入力手段とを有することを特徴とするモバイル機器。
  13. 前記第一および第二の意味づけの一方が表示画面上の選択項目の選択であるとともに他方は選択の決定であることを特徴とする請求項12記載のモバイル機器。
  14. 機器への加速度を検知する加速度検知部と、表示画面と、赤外発光部と、前記表示画面上で動かされる手から反射する前記赤外発光部の赤外光を受光する赤外受光部と、加速度検知部からの情報および前記赤外受光部からの情報のいずれであっても前記表示画面との関係で同じ意味づけの入力を行う入力手段とを有することを特徴とするモバイル機器。
  15. 前記入力手段は、加速度検知部からの情報および前記赤外受光部からの情報のいずれであっても前記表示画面上の選択項目の選択を行うことを特徴とする請求項14記載のモバイル機器。
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