JP2011089973A - 原子炉用熱電変換モジュール組立体 - Google Patents

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Abstract

【課題】原子炉冷却材圧力バウンダリーに手を加えずに、原子炉内で独立電源として使用可能な原子炉用熱電変換モジュール組立体を提供する。
【解決手段】高温熱源側に設置される熱源側電極部3と高温熱源よりも低温の低温熱源側に設置される放熱側電極部4とを有する少なくとも1組の熱電変換モジュール2と、熱電変換モジュール2の熱源側電極部3側に配置され原子炉内のγ線によって発熱するγ線発熱体と、熱電変換モジュール2及びγ線発熱体を収容して密閉されると共に減圧または真空とされ、かつ熱電変換モジュール2の各電極部3,4と導通され外部に露出する電極9を有する気密容器7とを備え、気密容器7に作用する加圧力によって熱電変換モジュール2の放熱側電極部4に気密容器7の一面・ケース蓋7bが押圧されて気密容器7の周囲を流れる原子炉冷却材と原子炉内のγ線によって発熱するγ線発熱体との間の温度差で発電する。
【選択図】図2

Description

本発明は、温度差により発電する熱電変換モジュールに関する。さらに詳述すると、本発明は、原子炉内に設置して原子炉内の計測器、駆動機構等の各種炉内機器の独立電源として使用するのに好適な原子炉用熱電変換モジュール組立体に関する。
原子炉、特に実験炉では、炉内に各種の計測器、加熱・除熱等の温度制御機器、駆動機構等を備える原子炉計装あるいは炉心計装が必要である。そして、これら計装装置または計測制御装置類などに供給する電源が必要となる。他方、原子炉容器には原子炉冷却材圧力バウンダリーを保つため高い気密性が要求される。このため、炉内に独立電源を設置することが望ましいが、このような高温・高放射線環境で使用できるバッテリーは従来存在しない。
そこで、図9に示すように、原子炉容器101を貫通する電源ケーブル敷設ライン102を設置し、貫通部に高度な気密シール103を施すことが従来から行われている。
特開2004−7223号公報
サイクル機構技報 No.21別冊6.1 2003.12「照射試験技術の開発」
しかしながら、高い気密性が要求される原子炉容器を貫通する電源ケーブルの設置には、高度な気密シールが必要とされる。しかも、この気密シールは高温・高放射線の過酷な環境で長期的耐久性が要求される。さらに電源ケーブル自体も高温・高放射線の過酷な環境で長期的耐久性が要求される。したがって、これら電源ケーブルの敷設、交換作業は、高放射線環境のため困難を伴うのが現状である。またこのような電源ケーブルの新設は極めて困難である。
しかも、電源ケーブルの交換および新設には原子炉容器バウンダリーに手を加えるため、監督官庁に対する許認可申請が必要であり、この申請および許認可に多大な労力と長時間を要する。
さらに、炉内機器の敷設並びに交換作業では、原子炉容器バウンダリーの改造が必要となり、気密・遮へい性能を維持しなければならない。また、電源ケーブルを装備した炉内機器は長尺となり、周辺機器も大型化する。この結果、設計及び工事の方法の認可申請、機器製作、原子炉への据付、運転、取出し等、全ての段階において、多大な労力、期間、費用を要する。
そこで、原子炉容器を貫通する電源ケーブル並びに気密シールを不要とし、その物量を削減し、かつ交換のための労力を削減することを可能とすると共に、安全かつ容易に設置できる炉内用独立電源が求められている。
本発明は、かかる要望に応えるもので、原子炉冷却材圧力バウンダリーに手を加えずに、原子炉内で独立電源として使用可能な原子炉用熱電変換モジュール組立体を提供することを目的とする。また、技術的および許認可手続きの観点から、炉内用電源の増設を容易にする原子炉用熱電変換モジュール組立体を提供することを目的とする。さらに、燃料交換の際に容易に炉内用電源の増設を可能にする原子炉用熱電変換モジュール組立体を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために請求項1記載の原子炉用熱電変換モジュール組立体は、高温熱源側に設置される熱源側電極部と前記高温熱源よりも低温の低温熱源側に設置される放熱側電極部とを有する少なくとも1組の熱電変換モジュールと、前記熱電変換モジュールの前記熱源側電極部側に配置され原子炉内のγ線によって発熱するγ線発熱体と、前記熱電変換モジュール及び前記γ線発熱体を収容して密閉されると共に減圧または真空とされ、かつ前記熱電変換モジュールの各電極部と導通され外部に露出する電極を有する気密容器とを備え、前記気密容器に作用する加圧力によって前記熱電変換モジュールの前記放熱側電極部に前記気密容器の一面が押圧されて前記気密容器の周囲を流れる原子炉冷却材と原子炉内のγ線によって発熱する前記γ線発熱体との間の温度差で発電するようにしている。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の原子炉用熱電変換モジュール組立体において、少なくともγ線発熱体と熱源側電極部との間に熱伝導性を有する滑り材が介在され、加圧状態における熱源側電極部とγ線発熱体との間の相対的摺動を許容するようにしている。
また、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の原子炉用熱電変換モジュール組立体において、気密容器の原子炉冷却材の流れに対して対向する側の面に、ナイフエッジまたはノーズコーンを設けるようにしている。
また、請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1つに記載の原子炉用熱電変換モジュール組立体において、γ線発熱体は気密容器の中央に配置され、該γ線発熱体を挟んで気密容器とγ線発熱体との間にそれぞれ熱電変換モジュールが配置されるようにしている。
また、請求項5記載の発明にかかる燃料照射用集合体は、請求項1から4のいずれか1つに記載の原子炉用熱電変換モジュール組立体を組み込み、該熱電変換モジュールによって原子炉内で発生する熱を電気に変換して利用するようにしている。
また、請求項6記載の発明にかかる材料照射用集合体は、請求項1から4のいずれか1つに記載の原子炉用熱電変換モジュール組立体を組み込み、該熱電変換モジュールによって原子炉内で発生する熱を電気に変換して利用するようにしている。
請求項1記載の原子炉用熱電変換モジュール組立体では、気密容器内部に収容されたγ線発熱体が原子炉内のγ線によって発熱し、該γ線発熱体と気密容器の外を流れる原子炉冷却材との間の温度差が熱電変換モジュールに与えられることにより発電する。したがって、高い気密性が要求される原子炉容器内に設置されて独立電源として機能することができる。つまり、原子炉内に設置して原子炉内の計測器、駆動機構等の各種炉内機器の独立電源として使用することができる。
このため、原子炉容器内の原子炉計装あるいは炉心計装に電力を外部電源から供給するための原子炉容器を貫通する電源ケーブルの敷設が必要なくなる。また、原子炉冷却材圧力バウンダリーに手を加えなくて済むので、監督官庁に対する許認可申請が不要となると共に、高度でかつ高温・高放射線の過酷な環境での長期的耐久性を備える気密シールを必要としなくなる。さらに、各炉内機器は原子炉容器の外に引き出される電源ケーブルを装備しなくとも済むので、その分だけコンパクト化できる。これにより、機器製作、原子炉への据付、運転、取出し等、全ての段階において、炉内機器の設計並びに工事方法の認可申請などに対する労力、期間、費用を削減することができる。
また、γ線発熱体と熱電変換モジュールとは、気密容器の内外の圧力差によって常に加圧されるため、接触熱抵抗を低減できる。しかも、気密容器の内外の圧力差により熱電変換モジュールとγ線発熱体との間を加圧するため、接触熱抵抗低減のための加圧機構が不要となる。
また、請求項2記載の原子炉用熱電変換モジュール組立体によると、少なくとも熱電変換モジュールとγ線発熱体との接触界面に熱伝導性を有する滑り材が介在されているので、接触熱抵抗を低減して相対移動を可能にする。したがって、γ線発熱体の熱膨張あるいは熱収縮が生じても、熱電変換モジュールに過大な剪断力や歪みが与えられずに熱を熱電変換モジュールに伝えることができる。しかも、滑り材に熱伝導性グリースのような滑り材を用いる場合でも、気密容器内は減圧または真空のため、その劣化を抑止でき長期間の使用が可能となる。
また、請求項3記載の発明によると、気密容器の原子炉冷却材の流れに対して対向する側の面に設けられているナイフエッジまたはノーズコーンによって、冷却材が渦流や剥離を起こさずに、気密容器に導かれて気密容器の表面に沿って流れるため伝熱効率が良くなる。
また、請求項4記載の発明によると、γ線発熱体が気密容器の中央に配置され、該γ線発熱体を挟んで気密容器とγ線発熱体との間にそれぞれ熱電変換モジュールが配置されているので、γ線発熱体に発生する熱が無駄なく熱電変換モジュールに作用して気密容器の外の原子炉冷却材との間の温度差が有効利用される。このため、効率的に発電できる。
また、請求項5記載の発明にかかる燃料照射用集合体並びに請求項6記載の発明にかかる材料照射用集合体によると、請求項1から4のいずれか1つに記載の原子炉用熱電変換モジュール組立体を組み込み、該熱電変換モジュールによって原子炉内で発生する熱を電気に変換して利用するようにしているので、燃料交換の際に原子炉冷却材圧力バウンダリーに手を加えずに容易に原子炉用熱電変換モジュール組立体の原子炉容器内への設置または交換が可能である。即ち、極めて困難な電源ケーブル敷設作業を必要としなくなり、また原子炉用熱電変換モジュール組立体の設置・交換作業も燃料交換と同時に行うことができる。しかも、熱電変換モジュールとγ線発熱体とを気密容器に収容したコンパクトな構造のため、照射燃料集合体や材料照射用反射体の内部に容易に設置できる。さらに、コンパクトな熱電変換モジュールの採用により、燃料集合体と同一形状の照射燃料集合体や照射材料集合体などに装荷できるため、炉心部に容易に設置でき、炉内のオンライン計測及び自己制御型照射装置に応用できる。
両面スケルトン型モジュール構造を適用した本発明の原子炉用熱電変換モジュール組立体の一実施形態を示す縦断面図である。 同原子炉用熱電変換モジュール組立体の縦断面模式図である。 同原子炉用熱電変換モジュール組立体のIII-III線に沿う横断面模式図である。 図2および図3の原子炉用熱電変換モジュール組立体の温度分布の例を示す。 本発明の原子炉用熱電変換モジュール組立体の他の実施形態を示す縦断面模式図である。 同原子炉用熱電変換モジュール組立体のVI-VI線に沿う横断面模式図である。 本発明の原子炉用熱電変換モジュール組立体のさらに他の実施形態を示す縦断面模式図である。 同原子炉用熱電変換モジュール組立体のVIII-VIII線に沿う横断面模式図である。 原子炉容器における、従来の電源ケーブル敷設ラインを伴う集合体と、熱電変換モジュール組立体を組みこんだ集合体との配置関係を比較する概略説明図である。 コンパートメント型材料照射用集合体の概略図で、(A)は一部断面斜視図、(B)はコンパートメントにおける本発明の原子炉用熱電変換モジュール組立体の組み込み状況を示す一部断面斜視図、(C)は同集合体の横断面図である。
以下、本発明の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1並びに図2及び図3に本発明の原子炉用熱電変換モジュール組立体の実施の一形態を示す。この原子炉用熱電変換モジュール組立体1は、気密容器7に少なくとも1組の熱電変換モジュール2を密封し、熱電変換モジュール2の熱源側の電極部3の面にγ線発熱体6を設置すると共に、熱電変換モジュール2の低温側の電極部4の面に気密容器7のカバーが接するように構成されている。そして、原子炉内で発生するγ線によって気密容器7の内部で発熱するγ線発熱体6と気密容器7の外を流れる原子炉冷却材(図示省略)によって冷却される気密容器7のカバーとの間の温度差により発電させるものである。尚、熱電変換モジュール2の熱源側には熱電半導体5と電気的に接続されている熱源側電極部3が、また熱電変換モジュール2の低温側には熱電半導体5と電気的に接続されている放熱側電極部4が備えられている。
気密容器7は、本実施形態の場合、熱電変換モジュール2を外力から保護するための構造物としての強度を保つ胴部(フレーム)7aと、胴部7aの両面を覆う比較的柔軟性のあるケース蓋7bとから構成され、熱電変換モジュール2及びγ線発熱体6を収納した状態で胴部7aとケース蓋7bとの周縁とを電子ビーム溶接あるいは接着剤やロウ付けで接合することにより一体化されて密閉されている。ここで、気密容器7の内部の圧力は気密容器7の外部の圧力よりも相対的に低い圧力として気密容器7の内外で差圧を生じさせ、ケース蓋7bが熱電変換モジュール2に押圧されて熱電変換モジュール2に対して密着され、さらに熱電変換モジュール2とγ線発熱体6とが密着するように設けられている。具体的には、気密容器7の内部を減圧状態または真空状態とすることにより、気密容器7の内部と外部との間に差圧を生じさせている。そして、この差圧に起因する外から内への押圧力を利用してケース蓋7bの内面を熱電変換モジュール2の放熱側電極部4に当接させ、さらに熱電変換モジュール2の熱源側電極部3を内側に位置するγ線発熱体6に押しつけさせる。
尚、気密容器7には熱電変換モジュール2の各電極部3,4と導通され外部に露出する一対の電極9を備え、該電極9を介して気密容器7の密封性を保ちつつ、熱電変換モジュール2が発電した電力を気密容器7の外側へと取り出すことができるようにしている。電極9は電気絶縁体10を介して気密容器7の胴部7aを貫通している。そして、熱電変換モジュール2は気密容器7の内部でリード線11によって電気的に直列に結線されている。熱電変換モジュール2で発生した電力は一対の電極9から図示省略する電力回収用ラインを介して電力利用機器などに供給される。なお、必要な電力及び設置スペースの制限に応じて、熱電変換モジュールの設置数は柔軟に変更することが可能である。
ケース蓋7bは、気密容器7の内外の差圧により変形して滑り材8を良好に押圧できる程度の柔軟性と、外気に押圧されても密封性を確保できる程度の剛性とを備える。例えば1枚の薄い金属板をプレス成形加工して作製される。ここで、胴部7aとケース蓋7bとを接合する方法としては、電子ビーム溶接の適用が好ましい。この場合には、電子ビーム溶接は真空雰囲気で行うため、溶接完了と同時に気密容器7の内部を真空とできる。また、気密容器7の内部を真空とせずに、気密容器7の内圧を目的値に設定する場合には、例えば気密容器7の胴部7aにノズル(図示省略)を設けておき、胴部7aとケース蓋7bとを溶接またはろう材等で接合した後に、図示していないグローブボックスに入れて先ず真空引きし、次にグローブボックスに不活性ガス又は還元ガスを目的の圧力となるように導入することにより気密容器7の内部を所定の圧力にする。その後、ノズルの先端を工具で押し潰して、気密容器7を応急的に密閉する。さらに気密容器7をグローブボックスから取り出してノズルの先端を溶接またはろう材等で完全に密閉する。図中の符号7cは接合箇所(溶接部)を示す。
気密容器7の材質としては、原子炉冷却材との共存性および高温強度に優れたものが好ましい。例えば、ナトリウム冷却高速炉に対してはオーステナイト系ステンレス鋼などが適する。また、軽水炉に対してはハステロイ(米国ハイネス・ステライト社の商品名)などが適する。ここで、気密容器7のケース蓋7bの厚みは、気密容器7の内外の差圧により変形して熱電変換モジュール2を良好に押圧できるように、また熱抵抗を小さくする観点からも、薄くすることが望ましく、例えば20μm〜0.5mm程度、より好ましくは0.1mm程度とすることである。勿論、前述の材質・厚みに特に限定されるものではなく、原子炉用熱電変換モジュール組立体1の大きさや差圧の大きさなどに応じて適宜決定される。また、場合によっては、必ずしも金属に限定されず、耐熱性、耐蝕性、加工性などの観点から適宜選択して良い。
γ線発熱体6は、原子炉内のγ線によって発熱するもので、例えばタングステン(W)やモリブデン(Mo)および鉛(Pb)などの使用が好ましい。これら材料は熱電変換モジュール2と密着できるような平面度(例えば、0.05mm以内)および表面仕上げ(▽▽▽)が必要である。ただし、接触熱抵抗を低減してスライドを可能にする熱伝導性のシートまたはグリースなどの滑り材8を介在させるため、多少の凹凸は許容できる。また、このγ線発熱体6の形状は、熱電変換モジュール2との接触界面が十分に確保できるのであれば、特定の形状に限られず、例えば図2及び図3に示すような矩形状の板材でも、図5及び図6に示すような角柱状の棒材でも良い。
このγ線発熱体6は、気密容器7の中央に配置され、当該γ線発熱体6を挟んで気密容器7とγ線発熱体6との間にそれぞれ熱電変換モジュール2が配置されるように設けられている。例えば図2及び図3に示すように、気密容器7の中央に配置したγ線発熱体6を挟むように2組の発電変換モジュール2が気密容器7のケース蓋7bとの間に配置されている。本実施例ではγ線発熱体6の両面に20対の熱電半導体5から成る伝熱電変換モジュール2が各々1組ずつ、合計2組設置されている。そして、2組の熱電変換モジュール2は気密容器7の内部でリード線11によって電気的に直列に結線されている。
この原子炉用熱電変換モジュール組立体1の少なくともγ線発熱体6と熱源側電極部3の間の接触界面には、熱伝導性を有する滑り材8が備えられ、滑り材8を介在させてγ線発熱体6と熱源側電極部3との間の熱的連結が図られると共にγ線発熱体6の熱膨張・収縮に伴う熱源側電極部3との間の滑りを可能としている。本実施形態の場合、気密容器7のケース蓋7bと熱電変換モジュール2との間の接触界面にも、接触熱抵抗を低減してスライドを可能にする滑り材8が介在されている。
ここで、滑り材8としては少なくとも熱伝導性を有しかつ2部材間の摺動を容易なものとする物質であれば良く、本実施形態においては例えば低摩擦係数の材質からなる熱伝導性を有するカーボンあるいは高分子のシート材あるいはグリースなどが熱半導体5の最高使用温度に応じて適宜採用される。例えば、カーボンシートは、厚さ方向に高い熱伝導率を有すると共に真空および不活性雰囲気中では1100℃程度まで使用可能である。熱電変換モジュール2の最高使用温度は、一般的には熱電半導体5の制約により決まるが、最も高温で使用できるSiGeでも最高使用温度は1100℃である。したがってカーボンシートを使って気密容器7の内部を真空または不活性雰囲気とすれば、いかなる熱電変換モジュール2にも対応できる。但し、カーボンシートを用いる場合には、電極部と接する面側にはマイカシートなどの絶縁層を備える必要がある。他方、熱伝導性と電気絶縁性並びに摺動性(滑り)の全てを兼ね備えた高分子シートの場合には、電気絶縁性シートを併用した複層にする必要はない。高分子としては、例えばポリアリレート、ポリサルファン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイドなどの準スーパーエンジニアリングプラスチックと呼ばれるもの、あるいはPEEK、ポリアミドイミド、全芳香族エステル、ポリイミドなどのスーパーエンジニアリングプラスチックと呼ばれるものの使用が好ましい。これらプラスチックの場合には、使用限界温度が200〜250℃程度なので、熱電半導体2として例えばBiTeなどを用いて低温用の熱電変換モジュール2を構成することが可能である。さらに、熱伝導性のグリースとしては、例えば耐熱温度300℃程度のシリコーンオイル系のグリースの利用が好ましい。特に、シリコーンオイルにアルミナなど熱伝導性のよい粉末を配合したグリース状の製品の利用が好ましい。気密容器7を密封し、また気密容器7の内部を真空または不活性雰囲気とすることで、熱酸化によるグリースの劣化やグリースの蒸発などの問題が無くなり、グリースを長期に安定して熱電モジュール2とγ線発熱体6との間並びに気密容器7のケース蓋7bと熱電変換モジュール2との間に保持できる。また、グリース14は熱電モジュール2とγ線発熱体6との間並びに気密容器7のケース蓋7bと熱電変換モジュール2との間の接触界面を良好に密着させるため、接触熱抵抗を低減できる。
また、気密容器7の内部を減圧雰囲気とする場合においては、当該気密容器7の内部を不活性雰囲気または還元雰囲気としても良い。これにより、気密容器7の内部に収容された熱電変換モジュール1の構成部品の酸化による劣化を防止できる。
尚、気密容器7に封入する熱電変換モジュール2の型式としては、特定の構造に限られるものではなく、例えば(1)上下両面に電気絶縁板を備える通常型、(2)片面に電気絶縁板を備え、他の面は電極が露出した片面スケルトン型、(3)両面の電極が露出した両面スケルトン型の3種類のいずれでも実施可能である。ここで、(2)の片面スケルトン型および(3)の両面スケルトン型を採用する場合には、露出した電極面にはマイカ(雲母)シートなどの電気絶縁体を接触させる必要がある。この熱電半導体および接合材の材質としては、特に限定されるものではないが、最高使用温度により適切な材質を選定する必要がある。例えば、最高使用温度200℃程度までははんだを接合材とするBiTeモジュールなどが適する。最高使用温度600℃程度までは銀ろうを接合材とするSiGeモジュールなどが適する。さらに、最高使用温度1100℃程度までは接合材を使わず拡散接合で組み立てたSiGeモジュールなどが適する。これら熱電半導体5および接合材の材質の選択は、原子炉用熱電変換モジュール組立体1の原子炉容器内における利用位置即ち設置位置などに応じて適宜選択することが望ましい。尚、本実施形態の熱電変換モジュール2では、熱電半導体5としてその両面の電極が露出した両面スケルトン型構造を採用している。したがって、図示していないが、露出した電極面にはマイカ(雲母)シートなどの電気絶縁体を、あるいは電気絶縁性を併せ持つ滑り材8が接触させられている。
また、気密容器7の原子炉冷却材の流れ(流れ方向を矢印Aで示す)に対して対向する側の面には、気密容器7の表面特に熱電変換モジュール2の放熱側電極部4と接するケース蓋7bに沿って流れる冷却材の剥離を防ぐための整流用キャップ12を設けることが望ましい。この整流キャップ12は、図2及び図3の実施形態においては、側方から見て原子炉冷却材の流れに対向する先端側が小さな曲面となった放物線形状(図2参照)を成し、正面から見て矩形状を成すナイフエッジ形状に構成されている。例えば、プレス加工や溶接などで板材によって前述の輪郭形状でかつ内部が空洞の整流キャップ12が形成される。そして、整流用キャップ12と気密容器7とは、必要に応じてビーム溶接や接着、ろう付けなどで接合されている。勿論、整流用キャップ12を気密容器7に圧入により嵌合させるなどの他の固定手法で固定するようにしても良い。
尚、気密容器7の形状や熱電変換モジュール2の配置条件などは特定の形状等に限られず、図2及び図3の実施形態に限られない。例えば、図5及び6に示すように、角柱状の細長い原子炉用熱電変換モジュール組立体1として構成することも可能である。この場合、気密容器7は、例えば、深絞り加工などによって角柱状に一体的に成形された筒形のフレーム7aの開口部を、気密容器7の内部に角柱状のγ線発熱体6とその周りの4面に7対の熱電半導体5を直列に連結した細長い熱電変換モジュール2を4組配置した状態で収容してから、フレーム蓋7bで閉じてビーム溶接などで密封するようにしている。熱電変換モジュール2は、気密容器7の中央に配置されたγ線発熱体6の四面とその周りを囲う気密容器7の各面との間にそれぞれ配置するように収容され、電気的に互いに直列に結線されている。この実施形態における整流キャップ12は、原子炉冷却材の流れに対向する先端側が回転放物面(図5参照)で、基端側(気密容器7と隣接する部分)がコーナー部分に丸みのあるほぼ四角錐形状とされ、回転放物面から四角錐へと緩やかに表面形状が連続的に変化するノーズコーン形状に構成されている。尚、気密容器7の筒形のフレーム7aの厚みは、気密容器7の内外の差圧により変形して熱電変換モジュール2を良好に押圧できるように、また熱抵抗を小さくする観点からも、薄くすることが望ましく、例えば20μm〜0.5mm程度、より好ましくは0.1mm程度とすることである。
また、図7及び図8に示すように、γ線発熱体6の片面にのみ1組の熱電変換モジュール2を配置することにより薄型の原子炉用熱電変換モジュール組立体1を構成することも可能である。この場合には、熱電変換モジュール2を配置しない側のγ線発熱体6の面が気密容器7と直接接触すると、γ線発熱体6の熱がそのまま気密容器7の外を流れる原子炉冷却材に無駄に奪われ発電に寄与する温度を低減させるため、気密容器7とγ線発熱体6の熱電変換モジュール2が配置されない側の面との間に断熱のための隙間19が形成されることが好ましい。例えば、セラミックなどの耐熱性があり熱伝導率の低い材料から成るスペーサ18を気密容器7とγ線発熱体6の熱電変換モジュール2が配置されない側の面との間に適宜配置して隙間19を設定している。より具体的には、図7及び図8に示すように、ケース蓋7bよりも剛性のある箱形のフレーム7aの底面側にγ線発熱体6の熱電変換モジュール2が配置されない側の面を配置し、フレーム7aとγ線発熱体6との間にスペーサ18を配置して隙間19を設定している。本実施形態の場合、気密容器7の内部は真空若しくは減圧下にあるため、耐熱性があり熱伝導率の低い材料から成るスペーサ18を板状のγ線発熱体6の四隅に配置するだけで、隙間19の存在が断熱効果を生み出し、γ線発熱体6の熱電変換モジュール2が配置されない側の面からの伝熱を防いで、無駄に外部の原子炉冷却材に熱が奪われるのを防ぐ。勿論、隙間19を形成せずに、箱形のフレーム7aの底面とγ線発熱体6の全面との間にセラミックなどの耐熱性があり熱伝導率の低い材料を全域に充填することで断熱構造を構成するようにしても良い。この実施形態の原子炉用熱電変換モジュール組立体1の場合、図1及び図2のタイプよりも薄型とできるので、原子炉容器内のより狭いスペースにも配置できる。尚、本実施形態において図1及び図2と同じ符号を付すものは特に断りが無い限り、同じ構成であるため特に説明を省略する。
以上のように構成された原子炉用熱電変換モジュール組立体1によると、コンパクトかつ気密状態で気密容器7の内部に熱電変換モジュール2が封入されるように構成できるので、原子炉容器内に設置しながら原子炉内で発生する熱を電気に変換して作動する独立電源として、原子炉内に配置される様々の計装に適用可能である。例えば、(1)照射温度・中性子束等を炉内においてオンラインで測定する計測器、(2)計測温度・中性子束に基づき冷却材流量、ヒータ出力、中性子吸収材の挿入・引き抜きを行う照射条件自己制御型照射装置、(3)計測温度・中性子束に基づき試料位置等を移動する駆動機構、(4)各種炉内機器などの独立電源として組みこみ可能である。特に、燃料集合体と同一形状の照射燃料集合体や照射材料集合体などに装荷できるため、炉心部に容易に設置でき、炉内のオンライン計測や自己制御型照射装置に応用できる。特に、図5及び6に示すような原子炉用熱電変換モジュール組立体1によると、気密容器7が細長く角柱状であるため、燃料照射用集合体や材料照射用集合体などの内部に容易に設置できる。
例えば、図9並びに図10に示すように、原子炉用熱電変換モジュール組立体1を組みこんだ集合体13例えば照射材料集合体として、原子炉容器101内に収容・配置することができる。この場合、従来のように外部電源から電力などを供給するための電源ケーブル敷設ライン102や気密シール部103を必要としないので、原子炉冷却材圧力バウンダリーに手を加えずに容易に原子炉用熱電変換モジュール組立体の原子炉容器101内への設置または交換が可能である。即ち、極めて困難な電源ケーブル敷設作業を必要としなくなり、また原子炉用熱電変換モジュール組立体の設置・交換作業も燃料交換と同時に行うことができる。しかも、燃料集合体と同一形状の照射燃料集合体や照射材料集合体などに装荷できるため、炉心部に容易に設置でき、炉内のオンライン計測及び自己制御型照射装置に応用できる。尚、図中の符号14はコンパートメント、15はラッパ管、16はエントランスノズル、17はハンドリングヘッドである。
以上のように構成された熱電変換モジュール組立体1によれば、原子炉容器内に設置されるだけで、気密容器7の内部に収容されたγ線発熱体6が原子炉内のγ線によって発熱し、該γ線発熱体6と気密容器7の外を流れる原子炉冷却材との間の温度差が熱電変換モジュール2に与えられることにより発電する。したがって、高い気密性が要求される原子炉容器内に設置されて独立電源として機能することができる。つまり、原子炉内に設置して原子炉内の計測器、駆動機構等の各種炉内機器の独立電源として使用することができる。
しかも、気密容器7の内部のγ線発熱体6と熱電変換モジュール2とは、気密容器7の内外の圧力差によって常に加圧されるため、接触熱抵抗が低減される。さらに加えて、滑り材8が介在する接触界面は、気密容器7の内外の差圧により気密容器7の外から加圧されるため、良好な密着性により当該接触界面における接触熱抵抗を小さくできる。これにより熱電半導体5に大きな温度差を与えることができる。しかも、気密容器7のγ線発熱体6と熱源側電極部3との間に介在する熱伝導性を有するシート材またはグリースから成る滑り材8が、γ線発熱体6と熱源側電極部3との相対的なスライド移動を可能にするため、例えばγ線発熱体6が熱膨張しても、滑り材8上での滑動により面方向に移動させるので、熱電半導体5および熱源側電極部3および放熱側電極部4には、せん断応力は作用しない。したがって、熱電変換モジュール2を大型化しても、脆弱な熱電半導体5を破壊したり、接合面で剥離を生じることはない。また、熱電変換モジュール2を大型化することが可能となるので、熱電半導体5の実質的な充填密度を向上でき、出力密度(単位面積当たりの出力)を増大することができる。また、熱電変換モジュール2の全ての構成部品は気密容器7の内部に収容されるので、外部からの力に対する強度が高まる。また、熱電変換モジュール2の構成部品は気密容器7に密封されるため、原子炉冷却材の中でも使用できる。熱伝導性グリースの使用においても、真空中のためその劣化を抑止でき長期間の使用が可能である。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
例えば、熱電変換モジュール2を最小単位の熱電半導体5を有するもの、例えばP型とN型の熱電半導体を各1個備えるユニ・カップル型としても構わない。また、絶縁層を備える電極部、特に熱源側電極部3として、電極層と電気絶縁層を有する傾斜機能材料から成るコンプライアント・パッド(FGMコンプライアント・パッド)を用いても良い。FGMコンプライアント・パッドは、例えば熱電半導体5側が電極層、その反対側が電気絶縁層で、両者の組成が連続的に変化するものであり、例えば特許第3056047号や特許第3482094号に開示された物を利用することができる。尚、両面が電極層、内部が電気絶縁層から成るFGMコンプライアント・パッドを用いても良い。勿論、放熱側電極部4にもFGMコンプライアント・パッドを用いても良い。
図2及び図3に示す構造の原子炉用熱電変換モジュール組立体並びに図5及び図6に示す構造の原子炉用熱電変換モジュール組立体のそれぞれについての各発電モジュール2に与えられる温度差について検討した。尚、図2及び図3に示す構造の原子炉用熱電変換モジュール組立体は、気密容器7の寸法は高さ56mm×幅51mm×厚み17mmで、ケース蓋7bの厚さ0.1mmとした。また、図5及び図6に示す構造の原子炉用熱電変換モジュール組立体は、気密容器7の寸法は高さ56mm×幅24mm×厚み24mmで、筒形のフレーム7aの厚さ0.1mmとした。
γ線発熱体6は厚いほどその中心温度を高くできるため、熱電変換モジュールの定格運転温度(耐熱温度)を考慮して厚さを決定する。厚さを暫定した場合のγ線発熱体中心最高温度は次式で計算できる。
例えば、図2及び図3に示すモジュール(本体寸法40×35×6mm)において、厚さ4mmのタングステン板をγ線発熱体6として採用した場合、熱電変換モジュール2の低温側温度は394(℃)、高温側温度は1094(℃)となる。高速実験炉「常陽」の炉心中心におけるタングステンのγ線発熱分布を図4に示す。γ線発熱体は厚いほどその中心温度を高くできるため、熱電変換モジュールの定格運転温度(耐熱温度)を考慮して決定する。厚さを暫定した場合のγ線発熱体中心最高温度は次式で計算できる。以下の計算例ではナトリウム冷却高速炉を想定している。
[数1]
Tmax= Tc +q”’b/h +q”’bRmod + (q”’/2λ) b2
= Tc +q”’b (1/h + Rmod + b/2λ)
= (原子炉冷却材温度)+(冷却材主流との温度差)+(モジュール内温度差)
+(γ線発熱体内温度差)
= 380 + q”’(W/m3) ×b (m)
×[(1/1.5×104 (W/m2K))+(3.5×10-3 (m2K/W))+b (m)/2λ(W/mK)]
= 380+14+700+4=380+718=1098 (℃)
ここに 、
原子炉冷却材温度: Tmax=380 (℃)
γ線発熱体(タングステン)の発熱密度: q”’= 100 (W/cm3) =100×106 (W/m3)
γ線発熱体(タングステン)の片側厚さ(実際の厚さの半分):
b= 2 (mm)= 2×10-3 (m)
原子炉冷却材(ナトリウム)の熱伝達係数(at 700 K): h= 1.5×104 (W/m2K)
熱電変換モジュールの熱抵抗: Rmod= 3.5×10-3 (m2K/W)
γ線発熱体(タングステン)の熱伝導率(at 700 K): λ=60 (W/mK)
以上の計算結果から、熱電変換モジュール2に発電に必要な温度差が十分に与えられることが明らかである。上記計算例ではナトリウム冷却高速炉を想定して原子炉冷却材の熱伝達係数を設定しているが、これは設置位置のナトリウムの流速によっても変化する。また軽水炉の場合は設置環境の水の流速に基づいて上記熱伝達係数を設定する必要がある。尚、γ線発熱体6の発熱密度は設置環境のγ線強度および材質に依存する。
1 原子炉用熱電変換モジュール組立体
2 熱電変換モジュール
3 熱源側電極部
4 放熱側電極部
5 熱電半導体
6 γ線発熱体
7 気密容器
7a 胴部
7b ケース蓋
7c 溶接箇所
8 滑り剤
12 ナイフエッジまたはノーズコーン
13 原子炉用熱電変換モジュール組立体が組み込まれた集合体
14 コンパートメント

Claims (6)

  1. 高温熱源側に設置される熱源側電極部と前記高温熱源よりも低温の低温熱源側に設置される放熱側電極部とを有する少なくとも1組の熱電変換モジュールと、前記熱電変換モジュールの前記熱源側電極部側に配置され原子炉内のγ線によって発熱するγ線発熱体と、前記熱電変換モジュール及び前記γ線発熱体を収容して密閉されると共に減圧または真空とされ、かつ前記熱電変換モジュールの各電極部と導通され外部に露出する電極を有する気密容器とを備え、前記気密容器に作用する加圧力によって前記熱電変換モジュールの前記放熱側電極部に前記気密容器の一面が押圧されて前記気密容器の周囲を流れる原子炉冷却材と原子炉内のγ線によって発熱する前記γ線発熱体との間の温度差で発電することを特徴とする原子炉用熱電変換モジュール組立体。
  2. 少なくとも前記γ線発熱体と前記熱源側電極部との間に熱伝導性を有する滑り材が介在され、前記加圧状態における前記熱源側電極部と前記γ線発熱体との間の相対的摺動を許容する請求項1記載の原子炉用熱電変換モジュール組立体。
  3. 前記気密容器の原子炉冷却材の流れに対して対向する側の面に、ナイフエッジまたはノーズコーンを設けるものである請求項1または2記載の原子炉用熱電変換モジュール組立体。
  4. 前記γ線発熱体は前記気密容器の中央に配置され、該γ線発熱体を挟んで前記気密容器と前記γ線発熱体との間にそれぞれ前記熱電変換モジュールが配置されている請求項1から3のいずれか1つに記載の原子炉用熱電変換モジュール組立体。
  5. 上請求項1から4のいずれか1つに記載の原子炉用熱電変換モジュール組立体を組み込み、該熱電変換モジュールによって原子炉内で発生する熱を電気に変換して利用する燃料照射用集合体。
  6. 上請求項1から4のいずれか1つに記載の原子炉用熱電変換モジュール組立体を組み込み、該熱電変換モジュールによって原子炉内で発生する熱を電気に変換して利用する材料照射用集合体。
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