JP2011089969A - 定量方法、プログラム及び定量装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】2種以上の金属が規則配列する複合酸化物の状態を定量的に把握する。
【解決手段】本発明の定量方法は、2種以上の金属を含み、この金属が規則配列し磁化曲線において磁化が飽和するスピネル型結晶構造を有する複合酸化物を定量する定量方法であって、複合酸化物の磁化曲線を測定するステップと、測定した磁化曲線から複合酸化物の飽和磁化MSを求めるステップと、求めた飽和磁化MSと複合酸化物の目的生成物における基準磁化M0とを用いて複合酸化物の作製率を求めるステップと、を含む。複合酸化物としては、例えば、LiNi0.5Mn1.5O4、LiMg0.5Mn1.5O4、LiZn0.5Mn1.5O4等が挙げられる。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の定量方法は、2種以上の金属を含み、この金属が規則配列し磁化曲線において磁化が飽和するスピネル型結晶構造を有する複合酸化物を定量する定量方法であって、複合酸化物の磁化曲線を測定するステップと、測定した磁化曲線から複合酸化物の飽和磁化MSを求めるステップと、求めた飽和磁化MSと複合酸化物の目的生成物における基準磁化M0とを用いて複合酸化物の作製率を求めるステップと、を含む。複合酸化物としては、例えば、LiNi0.5Mn1.5O4、LiMg0.5Mn1.5O4、LiZn0.5Mn1.5O4等が挙げられる。
【選択図】図2
Description
本発明は、定量方法、プログラム及び定量装置に関し、より詳しくは、2種以上の金属を含み、この金属が規則配列し磁化曲線において磁化が飽和するスピネル型結晶構造を有する複合酸化物を定量する定量方法、プログラム及び定量装置に関する。
従来、複合酸化物としては、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)など、例えば、リチウムイオン二次電池の活物質に用いられるものの開発が進められている。なかでも、組成式LiNi0.5Mn1.5O4で表されるリチウムニッケルマンガン酸化物は、金属リチウムに対して約4.7Vという高い作動電圧を示し、且つニッケル、マンガン原料がコバルト原料よりも豊富であることなどから、正極活物質として有望視されている。この組成式LiNi0.5Mn1.5O4で表される複合酸化物は、通常の固相反応で作製しても単一相として合成することが困難であることが指摘されている(例えば、非特許文献1参照)。例えば、760℃以上の温度では、LiXNi1-XO(0<X<1)とLiNi0.5-YMn1.5+Y(0<Y<0.5)の混合相に分離することがある。あるいは、酸素が欠損したLiNi0.5Mn1.5O4-Z相(0<Z<4)に転移することがある。これは、LiNi0.5Mn1.5O4を作製する際に、Li原料、Ni原料及びMn原料の混合体では約760℃以上の温度で格子から酸素を放出するためである。このことから、種々の製造方法が提案されている。
例えば、MnとNiとを含む原料へ更にリチウム原料を混合し、1000℃で第1焼成したのちに700℃で第2焼成を行う方法が提案されている(例えば特許文献1,2参照)。この製造方法では、第1焼成を行うことによって、単一相ではなく、Niイオン及びMnイオンの規則配列が不十分なLiNi0.5Mn1.5O4が得られる。また、更に第2焼成を行うことによって、単一相により近く、Niイオン及びMnイオンがより規則配列したLiNi0.5Mn1.5O4が得られる。即ち、第1焼成により原料から放出されてしまう酸素を第2焼成の再酸化工程によって補うことができ、LiNi0.5Mn1.5O4の組成により近いものを作製することができる。この第1焼成で得られた複合酸化物を正極活物質に用いると、充電時に、金属Liを基準とした端子間電圧において、約3.5Vから急激に上昇し4.6V以下に段を有し、4.7V近傍で平坦となる作動電圧を示す。これに対して、第2焼成を行った複合酸化物を正極活物質に用いると、充電時に、金属Liを基準とした端子間電圧において、約3.5Vから急激に上昇し4.7V近傍で平坦となる(即ち段のない)作動電圧を示す。なお、LiNi0.5Mn1.5O4の構造化学的な性質及び電気化学的性質については、非特許文献2〜5に報告されている。
Chemistry Letters,vol.12(2001)p.1270
Chemistry of Materials,vol.16(2004)p.906
Journal of Power Sources,Vol.119−121(2003)p.906
Journal of Electrochemical Society,Vol.151(2004)p.A296
Electrochemistry,Vol.76(2007)p.46
ところで、NiイオンとMnイオンとが規則配列したLiNi0.5Mn1.5O4を単一相で合成することは可能であるものの、Ni原料とMn原料とのモル比が1:3から逸脱したり、再酸化工程が不十分であると、NiイオンとMnイオンとが不規則配列することがある。このため、複合酸化物の構造化学的な性質を検出する必要がある。この複合酸化物の構造化学的な性質の検出は、例えば、フーリエ変換赤外分光測定(FT−IR)、ラマン分光測定(Raman)、X線回折測定(XRD)、中性子回折測定(ND)、電子線回折測定(ED)などを用いて行っている。しかしながら、例えばFT−IRやRamanでは、試料表面を分析する方法であり、試料内部あるいは試料全体を観測することができず、例えばNiとMnとが規則配列した吸収ピークが観測された場合であっても、それに対応する充放電曲線が安定的に得られないということがあった。また、XRD、ND,EDによって規則配列の有無を判断することはできたが、いずれもLiNi0.5Mn1.5O4における規則配列性を定量的に調べることはできなかった。また、XRDでは、NiとMnとの原子散乱因子の差が非常に小さく規則配列の有無の判定が極めて困難であった。また、NDでは、大型加速器施設あるいは原子炉施設で測定を行う必要があり、工業的ではなかった。また、EDでは、数十nmなどの局所的な測定であり、試料全体の規則配列状態を把握することは困難であった。このように、LiNi0.5Mn1.5O4におけるNi,Mnの規則配列性を定量的に把握する定量方法はなかった。したがって、得られた複合酸化物に対して充放電曲線を測定しなければ、結局、複合酸化物の状態を把握することができなかった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、2種以上の金属が規則配列する複合酸化物の状態を定量的に把握することができる定量方法、プログラム及び定量装置を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、2種以上の金属が規則配列する複合酸化物(LiNi0.5Mn1.5O4)の磁化測定を行い、測定試料の磁化と充放電曲線の関係とを詳細に検討したところ、複合酸化物の状態を定量的に把握することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の定量方法は、
2種以上の金属を含み、該金属が規則配列し磁化曲線において磁化が飽和するスピネル型結晶構造を有する複合酸化物を定量する定量方法であって、
(a)前記複合酸化物の磁化曲線を測定するステップと、
(b)前記ステップ(a)で測定した磁化曲線から前記複合酸化物の飽和磁化MSを求めるステップと、
(c)前記ステップ(b)で求めた飽和磁化MSと、前記複合酸化物の目的生成物における基準磁化M0とを用いて前記複合酸化物の作製率を求めるステップと、
を含むものである。
2種以上の金属を含み、該金属が規則配列し磁化曲線において磁化が飽和するスピネル型結晶構造を有する複合酸化物を定量する定量方法であって、
(a)前記複合酸化物の磁化曲線を測定するステップと、
(b)前記ステップ(a)で測定した磁化曲線から前記複合酸化物の飽和磁化MSを求めるステップと、
(c)前記ステップ(b)で求めた飽和磁化MSと、前記複合酸化物の目的生成物における基準磁化M0とを用いて前記複合酸化物の作製率を求めるステップと、
を含むものである。
本発明のプログラムは、上述した定量方法の各ステップを1又は複数のコンピュータに実現させるものである。
本発明の定量装置は、
2種以上の金属を含み、該金属が規則配列し磁化曲線において磁化が飽和するスピネル型結晶構造を有する複合酸化物を定量する定量装置であって、
前記複合酸化物の磁化曲線を測定する磁化測定部と、
前記磁化測定部で測定した磁化曲線から前記複合酸化物の飽和磁化Msを求め、該飽和磁化Msと、前記複合酸化物の目的生成物における基準磁化M0とを用いて前記複合酸化物の作製率を求める定量計算部と、
を備えたものである。
2種以上の金属を含み、該金属が規則配列し磁化曲線において磁化が飽和するスピネル型結晶構造を有する複合酸化物を定量する定量装置であって、
前記複合酸化物の磁化曲線を測定する磁化測定部と、
前記磁化測定部で測定した磁化曲線から前記複合酸化物の飽和磁化Msを求め、該飽和磁化Msと、前記複合酸化物の目的生成物における基準磁化M0とを用いて前記複合酸化物の作製率を求める定量計算部と、
を備えたものである。
本発明の定量方法、プログラム及び定量装置では、2種以上の金属が規則配列する複合酸化物の状態を定量的に把握することができる。この理由は、磁化測定は局所的な構造を敏感に把握することが可能であり、基準磁化と飽和磁化との関係を利用することにより、定量的な値を算出することができるためである。
次に、本発明の定量装置及び定量方法を具現化した一実施形態について説明する。本発明の定量方法は、2種以上の金属を含み、この金属が規則配列し磁化曲線において磁化が飽和するスピネル型結晶構造を有する複合酸化物を定量する方法である。まず、測定対象である複合酸化物について説明する。この測定対象である複合酸化物は、例えば、アルカリ金属二次電池の活物質として利用可能なものとしてもよい。この複合酸化物は、一般式LNmM2-mO4(0<m<2,Lはアルカリ金属、N,Mは金属、以下同じ)で表されるものとしてもよい。金属Nとしては、例えばNi,Mg,Znなどが挙げられ、金属Mとしては、例えばMnなどが挙げられる。アルカリ金属としては、Li,Na,K等が挙げられるが、Liがより好ましい。また、上記一般式においてm=0.5であることが好ましい。こうすると、NイオンとMイオンとが1:3となり、各金属イオンが規則配列しやすい。また、この複合酸化物は、例えばリチウムマンガン複合酸化物であるものとしてもよい。このリチウムマンガン複合酸化物としては、例えば、LiNi0.5-nMn1.5+nO4(−0.2≦n≦0.2、以下同じ)、LiMg0.5-nMn1.5+nO4、LiZn0.5-nMn1.5+nO4等が挙げられ、このうち、LiNi0.5-nMn1.5+nO4がより好ましい。リチウム二次電池の活物質として有望であるからである。例えば、複合酸化物としてのLiNi0.5Mn1.5O4では、NiイオンとMnイオンとが略完全に規則配列したものと、不完全に配列したもの、酸素欠損を生じているものなどが生成することがある。このような規則配列性の違いにより、二次電池の活物質とした際に、得られる充放電曲線が変化することが報告されている。このため、本発明の定量方法は、一般式LNmM2-mO4の複合酸化物において、NイオンとMイオンとが規則配列した割合やNイオン及びMイオンの価数、酸素欠損の有無や程度など、複合酸化物がどの程度理想状態に近いのかを定量的に見積もることを趣旨としている。なお、「磁化曲線において磁化が飽和する」とは、磁場−磁化応答曲線において、完全に磁化が飽和するもののほか、磁化が飽和する傾向を示すもの、即ち所定の磁場Hを境に磁化Mの変化量が急激に小さくなるものを含む趣旨である。
この複合酸化物が用いられるアルカリ金属二次電池としては、例えば、アルカリ金属を吸蔵放出する正極活物質を含む正極と、アルカリ金属を吸蔵放出する負極活物質を含む負極と、正極と負極との間に介在しアルカリ金属イオンを伝導するイオン伝導媒体とを備えたもの等が挙げられる。アルカリ金属としては、Li,Na,K等が挙げられるが、Liがより好ましい。このアルカリ金属二次電池は、例えば、コイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などの形状のものが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。このアルカリ金属二次電池の一例を図1に示す。図1は、コイン型電池20の構成の概略を表す断面図である。このコイン型電池20は、カップ形状の電池ケース21と、正極活物質を有しこの電池ケース21の下部に設けられた正極22と、負極活物質を有し正極22に対してセパレータ24を介して対向する位置に設けられた負極23と、絶縁材により形成されたガスケット25と、電池ケース21の開口部に配設されガスケット25を介して電池ケース21を密封する封口板26と、を備えている。このコイン型電池20は、正極22と負極23との空間にイオン伝導媒体としての、アルカリ金属塩を含む非水電解液が満たされている。ここでは、正極22は、上記複合酸化物を正極活物質として含んでいる。なお、負極23、セパレータ24及び非水電解液などは、公知のものを用いることができる。
次に、本発明の定量装置について説明する。図2は、本発明の一実施形態である定量装置30の構成の概略を示す構成図である。この定量装置30は、複合酸化物の磁化Mを測定可能な磁化測定部40と、磁化測定部40により測定した結果を用いて複合酸化物の状態を定量する定量計算部50とを備えている。この磁化測定部40は、試料を入れる試料ホルダー46と、試料ホルダー46を回転駆動するモーター41と、一端がモータ41に接続され他端が試料ホルダー46に接続された試料ロッド42と、試料ホルダー46を冷却媒体と共に内包するデュワー43と、試料に磁場を印加する超伝導磁石44と、超電導性を利用した高感度の磁束検出部としてのSQUIDコイル45と、試料の温度を計測する熱電対47とを備えている。磁化測定部40では、冷却媒体として液体Heを用いることが好ましい。更に、磁化測定部40は、磁化測定部40を制御するコントローラー31や、微小磁界を測定する素子であるSQUID32、検出した信号を増幅する増幅回路34などを備えている。
定量計算部50は、測定者が使用するパーソナルコンピューター(PC)として構成されており、図2に示すように、各種制御を実行するCPU52と各種制御プログラムを記憶するROM53とデータを一時記憶するRAM54とを備えたコントローラ51と、各種アプリケーションプログラムや各種データファイルを記憶する大容量メモリであるHDD55と、磁化測定部40との間で信号の送受信が可能なインターフェイス(I/F)47とを備えている。この定量計算部50は、HDD55に記憶された複合酸化物定量プログラム56を実行し、I/F57を介して磁化測定部40に指令を送信したり、磁化測定部40から送信された信号を受信したりする。また、定量計算部50は、各種情報を画面表示するディスプレイ58や、測定者が各種指令を入力するキーボード等の入力装置59などを備えている。この定量計算部50は、ディスプレイ58に表示されたカーソル等を入力装置59を介して測定者が入力操作すると、その入力操作に応じた動作を実行する機能を有している。
次に、こうして構成された本実施形態の定量装置30の動作について、特に、目的とする構造に、作製した複合酸化物がどの程度達しているかを把握する際の動作について説明する。ここでは、説明の便宜のため、目的とする複合酸化物をLiNi0.5Mn1.5O4とした場合について具体的に説明する。まず、測定者は、測定する試料を試料ホルダー46へ入れ、この試料をSQUIDコイル46(図2では4つのコイル)のほぼ中央部に静置する。次に、測定者は、定量計算部50の入力装置59を操作してHDD55に記憶された複合酸化物定量プログラム56を実行する。すると、定量計算部50のCPU52は、図3に示す、定量処理ルーチンを実行する。図3は、定量計算部50により実行される定量処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。この定量処理ルーチンには、複合酸化物の磁化曲線を測定するステップと、測定した磁化曲線から複合酸化物の飽和磁化MSを求めるステップと、求めた飽和磁化MSと複合酸化物の目的生成物における基準磁化M0とを用いて複合酸化物の作製率を求めるステップと、が含まれている。このルーチンを開始すると、CPU52は、まず、HDD25に記憶された図示しない測定条件入力画面を読み出しディスプレイ58に表示出力する(ステップS100)。入力する測定条件としては、試料の組成(例えばLiNi0.5Mn1.5O4)、測定する磁場H(kOe)の範囲、磁場Hの変化幅(kOe)、測定温度(K)などが挙げられる。
次に、CPU52は、測定条件の入力が終了したか否かを測定条件入力画面上に配置されている、図示しない測定実行ボタンがクリックされたか否かに基づいて判定する(ステップS110)。入力が終了していないときには、そのまま待機し、入力が終了したときには入力値を用いて基準磁化M0を計算する(ステップS120)。基準磁化M0は、複合酸化物の目的生成物における理論的な値である。この基準磁化M0は、複合酸化物が一般式LNmM2-mO4(0<m<2,Lはアルカリ金属、N,Mは金属)で表され、自由電子のランデg因子をgとし、MイオンのスピンをSMとし、NイオンのスピンをSNとしたときに、次式(1)を用いて求めることができる。例えば、LiNi0.5Mn1.5O4では、測定温度(例えば5K)ではフェリ磁性に転移していると推察される。即ち、LiNi0.5Mn1.5O4のなかで、Ni2+イオン(d8,SNi=1)とMn4+イオン(d3,SMn=3/2)のスピンは強磁性的に配列し、且つNi2+イオンとMn4+イオンとの間は反強磁性的に配列しているものと推察される。したがって、LiNi0.5Mn1.5O4が理想的なフェリ磁性体に転移したとすると、基準磁化M0は、式(1)を用い、基準磁化M0=(SMn×g×3/2)−(SNi×g×1/2)=3.5μBと計算することができる。
基準磁化M0(μB)=(SM×g×(2−m))−(SN×g×m)…式(1)
次に、CPU52は、入力された測定条件をI/F57を介して磁化測定部40のコントローラー31へ出力し(ステップS130)、測定結果が磁化測定部40の増幅回路34からI/F57を介して入力されたか否かを判定する(ステップS140)。測定結果がすべて入力されていないときには、そのまま待機する。磁化測定部40のコントローラー31は、入力された測定条件に基づいて、モーター41の駆動制御やデュワー43内の試料ホルダー46の温度制御を行い、磁化曲線を測定する。
ここで、磁化測定部40での磁化曲線の測定について説明する。まず、磁化測定部40では、図示しないヒーターとデュワー43内の冷却媒体とを用いて、試料の温度を設定された測定温度に制御する。この磁化曲線の測定温度は、例えば、詳しくは後述する帯磁率測定によって求められる磁気転移温度に基づいて定めてもよいし、十分低い温度(例えば10Kや5Kなど)に固定的に定めるものとしてもよい。この測定温度は、磁気転移温度よりも十分低い温度、例えば磁気転移温度よりも20K以下、より好ましくは50K以下とすることが好ましい。次に、超伝導磁石44により試料に磁場を印加し、モーター41によって試料の位置を変化させる。すると、SQUIDコイル45部分の磁界が変化する。この磁界の変化量をSQUID32によって電圧信号に変換すると、試料の磁化Mや帯磁率χを測定することができる。測定を行う磁場Hの範囲は、試料の磁化Mが飽和する範囲とするのが好ましく、5(kOe)以上、より好ましくは10(kOe)以上、更に好ましくは50(kOe)以上である。また、磁化曲線の測定では、磁場Hを+10(kOe)から最大+55(kOe)まで印加し、次に磁場を印加する方向を逆向きにし、磁場Hを+55(kOe)から−55(kOe)まで印加し、最後に磁場を−55(kOe)から+55(kOe)まで印加しながら磁化Mを測定してもよい。磁場Hの変化幅(kOe)は、磁化Mの変化が把握可能な任意の値としてもよく、例えば1.0(kOe)間隔や0.5(kOe)間隔としてもよい。なお、磁化測定部40では、SQUIDコイル45、試料ホルダー46等は、ヒーターとともに、液体Heを内包するデュワー43内に設置されており、1.8K〜700Kまで温度制御可能となっている。
さて、ステップS140で測定結果が入力されたときには、CPU52は、入力された測定結果を用いて飽和磁化MSを求める(ステップS150)。試料によっては、磁化曲線が完全に飽和する場合や完全に飽和しない場合などがありうるが、飽和磁化MSは、測定された値のうち最大値とするものとしてもよい。また、得られた値が、飽和磁化MS(emu・mol-1)であるときには、1μBが約5582(emu・mol-1)に相当することから、この値で除算して飽和磁化MS(μB)に変換するものとしてもよい。続いて、CPU52は、ステップS120で計算した基準磁化M0(μB)及び飽和磁化MS(μB)から次式(2)を用いて作製率(%)を計算する(ステップS160)。この作製率は、含まれている複数の金属(ここではNi及びMnなど)が規則配列している割合や、この金属それぞれの価数、酸素欠損の有無や程度などを反映し、複合酸化物がどの程度理想状態に近いのかを定量的に見積もる値である。そして、求めた作製率をディスプレイ58へ表示出力すると共に、HDD55の所定領域へ保存し(ステップS170)、このルーチンを終了する。なお、作製率と共に磁化曲線の測定結果をディスプレイ58へ表示するものとしてもよい。
作製率(%)=MS/M0×100…式(2)
以上詳述した本実施形態の定量装置及び定量方法によれば、2種以上の金属が規則配列する複合酸化物の状態を定量的に把握することができる。この理由は、磁化測定は局所的な構造を敏感に把握することが可能であり、基準磁化と飽和磁化との関係を利用することにより、定量的な値を算出することができるためである。例えば、複合酸化物としてのLiNi0.5Mn1.5O4では、一般にNiイオンとMnイオンとの規則的配列については、赤外分光測定、ラマン分光測定、X線回折測定、中性子回折、電子線回折などによって、定性的な分析はかろうじて可能であったが、定量的な分析方法はなく、電極活物質として二次電池に用いて充放電曲線を測定しなければその詳細な構造についてはわからなかった。特に、LiNi0.5Mn1.5O4では、NiイオンとMnイオンとをそれぞれ2価、4価としたうえで規則配列しなければならず、またこの反応が律速であり、長時間の焼成を必要とするものである。このため、作製した複合酸化物のイオンの規則配列状態を定量的に把握することが、製造工程の管理や、品質管理上必要とされている。本発明の定量方法によれば、複合酸化物を作製した段階で、電池にすることなく、複数の金属イオンの規則配列状態を定量的に求めることができるため、繰り返し行う焼成処理の削減など、製造工程を大幅に減らすことができる。また、作製した材料の品質を保証する定量的数値としても利用することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば上述した実施形態では、ステップS120で基準磁化M0を式(1)を用いて計算するものとしたが、基準磁化M0を固定値として記憶しこれを読み出して用いてもよい。あるいは、測定者に入力させるものとしてもよい。なお、基準磁化M0は、固定値としたり測定者に入力させるものとしても、式(1)を用いて求めたものということができる。
上述した実施形態では、基準磁化M0や飽和磁化MSをμB値として作製率を計算するものとしたが、特にこれに限らず、基準磁化M0や飽和磁化MSとしてemu・mol-1値を用いて作製率を計算するものとしてもよい。こうしても、複合酸化物の状態を定量的に把握することができる。
上述した実施形態では、測定温度を測定者の入力により設定するものとしたが、例えば、帯磁率測定を行い、磁気転移温度を求めたのち、この磁気転移温度に基づいて磁化曲線の測定温度を定めるものとしてもよい。帯磁率測定では、まず試料が常磁性である温度、例えば、300Kあるいは400Kまで一旦温度を上昇させ、試料を“ゼロ磁場”にする。この“ゼロ磁場”は、印加する磁場が0とは異なる、つまり磁場の設定値が0になっていたとしても、通常は磁場が数Oe残留しているので、印加する磁場を振動させながら、小さくしていく処置を行うことで“ゼロ磁場”を生成する。例えば、5Kから200Kに温度を上昇させ、そこでゼロ磁場を生成し、再び5Kに冷却するものとしてもよい。このとき、所定の磁場Hを印加し、測定温度の上限まで温度を上昇させながらゼロ磁場冷却における帯磁率ZFCを測定する。続いて、測定温度の下限まで温度を低下させながら磁場冷却における帯磁率FCを測定する。強磁性、フェリ磁性、スピングラス等の磁気転移が存在していると、帯磁率ZFCと帯磁率FCとに差が観測されることから、この手法により容易に磁気転移の有無と磁気転移温度を調べることができる。本手法では、印加する磁場が弱磁場であるほど検出しやすいので、磁場H=1000(Oe)以下で測定することが望ましく、H=100(Oe)以下で測定することがより望ましい。
上述した実施形態では、定量計算部50のコンピュータープログラムとして本発明の定量方法を説明したが、コンピュータープログラムではない複合酸化物の定量方法としてもよい。即ち、本発明の定量方法は、2種以上の金属を含み、該金属が規則配列し磁化が飽和するスピネル型結晶構造を有する複合酸化物を定量する定量方法であって、複合酸化物の磁化曲線を測定する工程と、測定した磁化曲線から複合酸化物の飽和磁化MSを求める工程と、求めた飽和磁化MSと複合酸化物の目的生成物における基準磁化M0とを用いて複合酸化物の作製率を求める工程とを含むものとしてもよい。こうしても、複合酸化物の状態を定量的に把握することができる。
以下には、本発明の定量方法を具体的に検討した例を実施例として説明する。ここでは、磁化測定部40として、カンタムデザイン社製MPMSを用いて複合酸化物の磁化測定を行った。
[実施例1]
NiイオンとMnイオンとが不規則配列したLiNi0.5Mn1.5O4を合成し、これを実施例1とした。まず、Li原料として水酸化リチウム、Ni原料、Mn原料として、NiとMnのモル比が1:3に調整されたニッケルマンガン水酸化物を用い、これらの原料を乳鉢にてよく混合した。得られた混合物を直径23mm、厚さ5mmの大きさにペレット成形し、空気気流中、1000℃で12時間焼成した。その後、室温まで徐冷し、得られた焼成体を実施例1とした。なお、焼成条件であるが、昇温速度を7.5℃/分、降温速度を4.5℃/分に統一して行った。
NiイオンとMnイオンとが不規則配列したLiNi0.5Mn1.5O4を合成し、これを実施例1とした。まず、Li原料として水酸化リチウム、Ni原料、Mn原料として、NiとMnのモル比が1:3に調整されたニッケルマンガン水酸化物を用い、これらの原料を乳鉢にてよく混合した。得られた混合物を直径23mm、厚さ5mmの大きさにペレット成形し、空気気流中、1000℃で12時間焼成した。その後、室温まで徐冷し、得られた焼成体を実施例1とした。なお、焼成条件であるが、昇温速度を7.5℃/分、降温速度を4.5℃/分に統一して行った。
[実施例2]
NiイオンとMnイオンとの規則配列をより高めたLiNi0.5Mn1.5O4を合成し、これを実施例2とした。上述した実施例1のペレットを解砕・混合し、再度ペレットに成形した。このペレットを空気気流中、700℃で12時間焼成した。その後、上記と同様に、得られた焼成後のペレットを解砕・混合・再成形して空気気流中、650℃で12時間焼成、600℃で24時間焼成した。その後、室温まで徐冷し、得られた焼成体を実施例2とした。
NiイオンとMnイオンとの規則配列をより高めたLiNi0.5Mn1.5O4を合成し、これを実施例2とした。上述した実施例1のペレットを解砕・混合し、再度ペレットに成形した。このペレットを空気気流中、700℃で12時間焼成した。その後、上記と同様に、得られた焼成後のペレットを解砕・混合・再成形して空気気流中、650℃で12時間焼成、600℃で24時間焼成した。その後、室温まで徐冷し、得られた焼成体を実施例2とした。
[実施例3]
MgイオンとMnイオンとが規則配列したLiMg0.5Mn1.5O4を合成し、これを実施例3とした。まず、Li原料として水酸化リチウム、Mg原料として炭酸マグネシウム及びMn原料としてオキシ水酸化マンガンを用い、Mg及びMnのモル比が1:3となるように、これらの原料を乳鉢にてよく混合した。得られた混合物を直径23mm、厚さ5mmの大きさにペレット成形し、空気気流中、1000℃で12時間焼成した。その後、室温まで徐冷し、得られた焼成体を実施例3とした。
MgイオンとMnイオンとが規則配列したLiMg0.5Mn1.5O4を合成し、これを実施例3とした。まず、Li原料として水酸化リチウム、Mg原料として炭酸マグネシウム及びMn原料としてオキシ水酸化マンガンを用い、Mg及びMnのモル比が1:3となるように、これらの原料を乳鉢にてよく混合した。得られた混合物を直径23mm、厚さ5mmの大きさにペレット成形し、空気気流中、1000℃で12時間焼成した。その後、室温まで徐冷し、得られた焼成体を実施例3とした。
[実施例4]
LiイオンとMnイオンとが規則配列したLiZn0.5Mn1.5O4を合成し、これを実施例4とした。まず、Li原料として水酸化リチウム、Zn原料として炭酸亜鉛及びMn原料としてオキシ水酸化マンガンを用い、Zn及びMnのモル比が1:3となるように、これらの原料を乳鉢にてよく混合した。得られた混合物を直径23mm、厚さ5mmの大きさにペレット成形し、空気気流中、1000℃で12時間焼成した。その後、室温まで徐冷し、得られた焼成体を実施例4とした。
LiイオンとMnイオンとが規則配列したLiZn0.5Mn1.5O4を合成し、これを実施例4とした。まず、Li原料として水酸化リチウム、Zn原料として炭酸亜鉛及びMn原料としてオキシ水酸化マンガンを用い、Zn及びMnのモル比が1:3となるように、これらの原料を乳鉢にてよく混合した。得られた混合物を直径23mm、厚さ5mmの大きさにペレット成形し、空気気流中、1000℃で12時間焼成した。その後、室温まで徐冷し、得られた焼成体を実施例4とした。
[比較例1]
CoイオンとMnイオンとが不規則配列したLiCo0.5Mn1.5O4を合成し、これを比較例1とした。まず、Li原料として水酸化リチウム、Co原料として炭酸コバルト及びMn原料としてオキシ水酸化マンガンを用い、Co及びMnのモル比が1:3となるように、これらの原料を乳鉢にてよく混合した。得られた混合物を直径23mm、厚さ5mmの大きさにペレット成形し、空気気流中、1000℃で12時間焼成した。その後、室温まで徐冷し、得られた焼成体を比較例1とした。
CoイオンとMnイオンとが不規則配列したLiCo0.5Mn1.5O4を合成し、これを比較例1とした。まず、Li原料として水酸化リチウム、Co原料として炭酸コバルト及びMn原料としてオキシ水酸化マンガンを用い、Co及びMnのモル比が1:3となるように、これらの原料を乳鉢にてよく混合した。得られた混合物を直径23mm、厚さ5mmの大きさにペレット成形し、空気気流中、1000℃で12時間焼成した。その後、室温まで徐冷し、得られた焼成体を比較例1とした。
(コイン型電池の作製)
実施例1〜4,比較例1の複合酸化物を正極活物質として、図1に示すコイン型電池20を作製し、充放電測定を行った。まず、上記作製した複合酸化物を88重量%、導電材としてのアセチレンブラックを6重量%、結着材としてのポリフッ化ビニリデン(呉羽化学社製)を6重量%を混合し、分散材としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量添加し、分散させてスラリー状の正極合材とした。この正極合材を厚さ20μmのアルミニウム箔集電体に塗布し、120℃で12時間乾燥させたあと、ロールプレスで高密度化し、直径15mmの形状に切り出したものを正極22とした。なお、正極活物質の付着量は、30mg程度とした。対極(負極)には、金属Liを用いた。上記正極22と金属Liの負極23とによりポリエチレン製のセパレータ24を挟み込み、電池ケース21に配設し、非水電解液28を収容して2016型のコイン型電池20を作製した。非水電解液28は、1MのLiPF6をエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)を体積比で1:1に混合させた電解液に溶解させたものとした。このコイン型電池20の作製は、すべてAr雰囲気下のグローブボックス内で行った。
実施例1〜4,比較例1の複合酸化物を正極活物質として、図1に示すコイン型電池20を作製し、充放電測定を行った。まず、上記作製した複合酸化物を88重量%、導電材としてのアセチレンブラックを6重量%、結着材としてのポリフッ化ビニリデン(呉羽化学社製)を6重量%を混合し、分散材としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量添加し、分散させてスラリー状の正極合材とした。この正極合材を厚さ20μmのアルミニウム箔集電体に塗布し、120℃で12時間乾燥させたあと、ロールプレスで高密度化し、直径15mmの形状に切り出したものを正極22とした。なお、正極活物質の付着量は、30mg程度とした。対極(負極)には、金属Liを用いた。上記正極22と金属Liの負極23とによりポリエチレン製のセパレータ24を挟み込み、電池ケース21に配設し、非水電解液28を収容して2016型のコイン型電池20を作製した。非水電解液28は、1MのLiPF6をエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)を体積比で1:1に混合させた電解液に溶解させたものとした。このコイン型電池20の作製は、すべてAr雰囲気下のグローブボックス内で行った。
(充放電測定)
上記作製したコイン型電池を試験温度25℃、電流値0.5mA(約0.28mA/cm2の電流密度に相当)で金属Liに対して5Vまで定電流充電し、その後、電流値0.5mA(約0.28mA/cm2)で3.0Vまで定電流放電を行う充放電を1サイクルとし、このサイクルを合計5サイクル行う充放電サイクル試験を行った。図4は、実施例1、2を用いたリチウム二次電池の充放電曲線である。図4に示すように、実施例1のリチウム二次電池では、4.7V付近の平坦な部分に加えて4.6V以下の領域に約30mAh/gの充放電容量が観測された。このように、実施例1のLiNi0.5Mn1.5O4は、NiイオンとMnイオンとの規則配列が不十分であると推察された。また、実施例2のLiNi0.5Mn1.5O4は、NiイオンとMnイオンとが規則配列した、空間群がP4332(若しくはP4132)の試料であると推察された。
上記作製したコイン型電池を試験温度25℃、電流値0.5mA(約0.28mA/cm2の電流密度に相当)で金属Liに対して5Vまで定電流充電し、その後、電流値0.5mA(約0.28mA/cm2)で3.0Vまで定電流放電を行う充放電を1サイクルとし、このサイクルを合計5サイクル行う充放電サイクル試験を行った。図4は、実施例1、2を用いたリチウム二次電池の充放電曲線である。図4に示すように、実施例1のリチウム二次電池では、4.7V付近の平坦な部分に加えて4.6V以下の領域に約30mAh/gの充放電容量が観測された。このように、実施例1のLiNi0.5Mn1.5O4は、NiイオンとMnイオンとの規則配列が不十分であると推察された。また、実施例2のLiNi0.5Mn1.5O4は、NiイオンとMnイオンとが規則配列した、空間群がP4332(若しくはP4132)の試料であると推察された。
(X線回折測定:XRD)
実施例1〜4,比較例1の複合酸化物のX線回折測定をX線回折装置(リガク社製RINT−2200)を用いてCuKα線により行った。測定は、2θが5°〜105°の範囲で行った。その測定結果では、実施例1,2の複合酸化物は、立方晶で帰属でき、その格子定数は、実施例1が8.1860Å、実施例2が8.1759Åであった。
実施例1〜4,比較例1の複合酸化物のX線回折測定をX線回折装置(リガク社製RINT−2200)を用いてCuKα線により行った。測定は、2θが5°〜105°の範囲で行った。その測定結果では、実施例1,2の複合酸化物は、立方晶で帰属でき、その格子定数は、実施例1が8.1860Å、実施例2が8.1759Åであった。
(フーリエ変換赤外分光測定:FT−IR)
実施例1〜4,比較例1の複合酸化物のFT−IR測定をニコレー社製AVATAR360型フーリエ赤外分光測定器を用いて、いわゆるKBr法により測定した。上記作製した複合酸化物の試料数mgを200mgのKBrに混合し、真空ポンプで排気しながらペレット成形し、このペレットを測定した。図5は、実施例1、2のFT−IR測定結果である。ここで、FT−IRによる試料の解析について説明する。FT−IR測定では、1000cm-1から400cm-1の赤外線の吸収領域で観測される吸収スペクトルの本数からNiイオンとMnイオンとの規則配列が判別可能である。例えば、NiイオンとMnイオンとがランダムに配列された場合、ブロードな吸収ピークが2〜3本観測されるが、NiイオンとMnイオンとが規則配列すると、少なくとも8本以上の微細な吸収ピークが観測される。因子群解析による理論的な予測によれば、不規則配列の場合は吸収ピークは4本であり、規則配列の場合は吸収ピークが21本であることから、観測される吸収ピークが4本以上であれば、空間群の対称性がFd3−mよりも低いと解釈することができる。このように、空間群Fd3−mで表されるスピネル構造の場合、吸収スペクトルは因子群解析により4本と予測される。図5に示すように、実施例2では、8本以上の吸収ピークが観測され、結晶の対称性がFd3−mよりも低いことがわかった。充放電測定結果とFT−IR測定結果より、実施例1のLiNi0.5Mn1.5O4は、NiイオンとMnイオンとの規則配列が不十分であると同定された。また、実施例2のLiNi0.5Mn1.5O4は、NiイオンとMnイオンとが規則配列した、空間群がP4332(若しくはP4132)の試料であると同定された。
実施例1〜4,比較例1の複合酸化物のFT−IR測定をニコレー社製AVATAR360型フーリエ赤外分光測定器を用いて、いわゆるKBr法により測定した。上記作製した複合酸化物の試料数mgを200mgのKBrに混合し、真空ポンプで排気しながらペレット成形し、このペレットを測定した。図5は、実施例1、2のFT−IR測定結果である。ここで、FT−IRによる試料の解析について説明する。FT−IR測定では、1000cm-1から400cm-1の赤外線の吸収領域で観測される吸収スペクトルの本数からNiイオンとMnイオンとの規則配列が判別可能である。例えば、NiイオンとMnイオンとがランダムに配列された場合、ブロードな吸収ピークが2〜3本観測されるが、NiイオンとMnイオンとが規則配列すると、少なくとも8本以上の微細な吸収ピークが観測される。因子群解析による理論的な予測によれば、不規則配列の場合は吸収ピークは4本であり、規則配列の場合は吸収ピークが21本であることから、観測される吸収ピークが4本以上であれば、空間群の対称性がFd3−mよりも低いと解釈することができる。このように、空間群Fd3−mで表されるスピネル構造の場合、吸収スペクトルは因子群解析により4本と予測される。図5に示すように、実施例2では、8本以上の吸収ピークが観測され、結晶の対称性がFd3−mよりも低いことがわかった。充放電測定結果とFT−IR測定結果より、実施例1のLiNi0.5Mn1.5O4は、NiイオンとMnイオンとの規則配列が不十分であると同定された。また、実施例2のLiNi0.5Mn1.5O4は、NiイオンとMnイオンとが規則配列した、空間群がP4332(若しくはP4132)の試料であると同定された。
[帯磁率χ測定]
実施例1,2の複合酸化物の帯磁率測定を測定装置(カンタムデザイン社製MPMS)を用いて行った。帯磁率は、30mgの試料を用い、磁場H=100(Oe)でゼロ磁場冷却(ZFC)および磁場冷却(FC)の2つのモードで測定した。まず、試料を200Kにセットし、ゼロ磁場にしたのち5Kまで冷却した。その後、磁場H=100(Oe)を印加し、温度を5Kから180Kまで昇温させながら磁化を測定した(ゼロ磁場冷却ZFC)。続いて、磁場を印加させたまま180Kから5Kまで降温させながら磁化を測定した(磁場冷却FC)。図6は、実施例1、2の温度(K)に対する帯磁率χ(emu・mol-1)の測定結果である。一般に、ゼロ磁場冷却と磁場冷却における磁化の温度依存性から、強磁性、フェリ磁性、スピングラスなどの磁気転移の有無とその磁気転移温度を調べることができる。図6に示すように、実施例1では、約120K以下の温度でゼロ磁場冷却の帯磁率が磁場冷却の帯磁率から逸脱し始め、ゼロ磁場冷却の帯磁率が約50Kで幅広な極大を示した。一方、実施例2では、約130Kで急峻な磁気転移を示した。このように、NiイオンとMnイオンとの規則配列の割合などが変化すると、磁気転移温度も変化することから、磁気転移温度も各イオンの規則配列の一つの指標となりうることがわかった。
実施例1,2の複合酸化物の帯磁率測定を測定装置(カンタムデザイン社製MPMS)を用いて行った。帯磁率は、30mgの試料を用い、磁場H=100(Oe)でゼロ磁場冷却(ZFC)および磁場冷却(FC)の2つのモードで測定した。まず、試料を200Kにセットし、ゼロ磁場にしたのち5Kまで冷却した。その後、磁場H=100(Oe)を印加し、温度を5Kから180Kまで昇温させながら磁化を測定した(ゼロ磁場冷却ZFC)。続いて、磁場を印加させたまま180Kから5Kまで降温させながら磁化を測定した(磁場冷却FC)。図6は、実施例1、2の温度(K)に対する帯磁率χ(emu・mol-1)の測定結果である。一般に、ゼロ磁場冷却と磁場冷却における磁化の温度依存性から、強磁性、フェリ磁性、スピングラスなどの磁気転移の有無とその磁気転移温度を調べることができる。図6に示すように、実施例1では、約120K以下の温度でゼロ磁場冷却の帯磁率が磁場冷却の帯磁率から逸脱し始め、ゼロ磁場冷却の帯磁率が約50Kで幅広な極大を示した。一方、実施例2では、約130Kで急峻な磁気転移を示した。このように、NiイオンとMnイオンとの規則配列の割合などが変化すると、磁気転移温度も変化することから、磁気転移温度も各イオンの規則配列の一つの指標となりうることがわかった。
[磁化曲線測定]
実施例1〜4,比較例1の複合酸化物の磁化曲線(MH曲線)を磁化測定装置(カンタムデザイン社製MPMS)を用いて行った。磁化曲線測定は、約50mgの試料を用い、測定温度5Kで、磁場Hが55(kOe)以下の範囲で行った。具体的には、まず、それぞれの粉末試料を約2cm×2cmのAl箔(約12mg)に封入し、金属Cu線に固定した。試料を図2に示す試料ロッド42に取り付け、試料の環境温度を5Kにセットした。SQUIDコイル45の中央部に試料を設置した後、磁場Hを+10(kOe)から0.5(kOe)間隔で最大+55(kOe)まで印加し、その時の磁化Mを測定した。次に磁場を印加する方向を逆向きにし、磁場を+55(kOe)から−55(kOe)まで印加しながら磁化Mを測定した。最後に磁場を−55(kOe)から+55(kOe)まで印加しながら磁化Mを測定した。磁場の変化幅は任意であるが、実施例1から実施例4の試料は磁場が約5(kOe)以上で磁化Mが飽和し始めるので、より正確に磁化μBを求めるために、磁化の変化幅を0.5(Oe)とした。図7は、実施例1、2の複合酸化物の磁化曲線であり、図8は、実施例3、4及び比較例1の複合酸化物の磁化曲線である。図7に示すように、実施例1,2共に、印加する磁場Hが大きくなるに従い、急激に磁化Mが増大し、軟強磁性的な振る舞いを示した。更に、実施例2では、磁化Mが磁場H≧5kOeの範囲でほぼ飽和し、その飽和磁化MSは18500emu・mol-1であった。ここで、磁化M及び飽和磁化MSの単位は、LiNi0.5Mn1.5O4の1モル単位に規格化している。図7の磁化曲線から、LiNi0.5Mn1.5O4は、測定温度の5Kではフェリ磁性に転移していると推察された。即ち、LiNi0.5Mn1.5O4のなかで、Ni2+イオン(d8,SNi=1)とMn4+イオン(d3,SMn=3/2)のスピンは強磁性的に配列し、且つNi2+イオンとMn4+イオンとの間は反強磁性的に配列しているものと推察される。したがって、LiNi0.5Mn1.5O4が理想的なフェリ磁性体に転移したとすると、基準磁化M0は、次式(3)により算出することができる。ここで、SMn,SNiはそれぞれMnイオン、Niイオンの持つスピン、gは自由電子のランデg因子(=2)である。
実施例1〜4,比較例1の複合酸化物の磁化曲線(MH曲線)を磁化測定装置(カンタムデザイン社製MPMS)を用いて行った。磁化曲線測定は、約50mgの試料を用い、測定温度5Kで、磁場Hが55(kOe)以下の範囲で行った。具体的には、まず、それぞれの粉末試料を約2cm×2cmのAl箔(約12mg)に封入し、金属Cu線に固定した。試料を図2に示す試料ロッド42に取り付け、試料の環境温度を5Kにセットした。SQUIDコイル45の中央部に試料を設置した後、磁場Hを+10(kOe)から0.5(kOe)間隔で最大+55(kOe)まで印加し、その時の磁化Mを測定した。次に磁場を印加する方向を逆向きにし、磁場を+55(kOe)から−55(kOe)まで印加しながら磁化Mを測定した。最後に磁場を−55(kOe)から+55(kOe)まで印加しながら磁化Mを測定した。磁場の変化幅は任意であるが、実施例1から実施例4の試料は磁場が約5(kOe)以上で磁化Mが飽和し始めるので、より正確に磁化μBを求めるために、磁化の変化幅を0.5(Oe)とした。図7は、実施例1、2の複合酸化物の磁化曲線であり、図8は、実施例3、4及び比較例1の複合酸化物の磁化曲線である。図7に示すように、実施例1,2共に、印加する磁場Hが大きくなるに従い、急激に磁化Mが増大し、軟強磁性的な振る舞いを示した。更に、実施例2では、磁化Mが磁場H≧5kOeの範囲でほぼ飽和し、その飽和磁化MSは18500emu・mol-1であった。ここで、磁化M及び飽和磁化MSの単位は、LiNi0.5Mn1.5O4の1モル単位に規格化している。図7の磁化曲線から、LiNi0.5Mn1.5O4は、測定温度の5Kではフェリ磁性に転移していると推察された。即ち、LiNi0.5Mn1.5O4のなかで、Ni2+イオン(d8,SNi=1)とMn4+イオン(d3,SMn=3/2)のスピンは強磁性的に配列し、且つNi2+イオンとMn4+イオンとの間は反強磁性的に配列しているものと推察される。したがって、LiNi0.5Mn1.5O4が理想的なフェリ磁性体に転移したとすると、基準磁化M0は、次式(3)により算出することができる。ここで、SMn,SNiはそれぞれMnイオン、Niイオンの持つスピン、gは自由電子のランデg因子(=2)である。
基準磁化M0=(SMn×g×3/2)−(SNi×g×1/2)=3.5μB…式(3)
ここで、1μBは約5582(emu・mol-1)に相当するので、実施例2のLiNi0.5Mn1.5O4では、飽和磁化MSが約3.31μBであることがわかる。一方、実施例1のLiNi0.5Mn1.5O4は、磁化が完全に飽和していないものの、実施例2とほぼ同じ振る舞いをしていた。最も磁場の大きいH=55(kOe)で測定した値を飽和磁化MSとすると、その飽和磁化MSは2.40μB(=13400(emu・mol-1))に相当した。以上のように、NiイオンとMnイオンとが略完全に規則配列した理想的なLiNi0.5Mn1.5O4は、磁気転移温度の130Kよりも十分な低温においてフェリ磁性に転移し、その飽和磁化MSは理論値3.5μBを示す。実際に合成した試料では、NiイオンとMnイオンとの混合比のずれや原料粉体の不均一性などが影響し、一部NiイオンとMnイオンとが不規則に配列したドメイン又はクラスターが存在するものと考えられる。従来の測定方法では、これらの不規則部分を見積もることは困難であるが、本発明の定量方法によれば、理論値3.5μBと比較することにより簡便に規則配列などの割合を見積もることができる。即ち、基準磁化M0としての理論値3.5μB、飽和磁化MSとしての実施例1の2.40μB、実施例2の3.31μBから上述した式(2)を用いて、実施例1の規則配列の度合いを示す作製率は、約95%、実施例2の作製率は約68%と見積もることができる。
また、図8に示すように、MgイオンとMnイオンとが規則配列したLiMg0.5Mn1.5O4(実施例3)も、同様に強磁性的な振る舞いを磁気転移温度以下で示すため、飽和磁化MSから規則配列の度合いを見積もることができる。また、LiイオンとMnイオンとが規則配列したLiZn0.5Mn1.5O4(実施例4)についても同様である。これに対して、CoイオンとMnイオンとが規則配列しないLiCo0.5Mn1.5O4(比較例1)では、この手法を用いることができないことがわかった。
本発明は、複合酸化物の製造分野に利用可能である。
20 コイン型電池、21 電池ケース、22 正極、23 負極、24 セパレータ、25 ガスケット、26 封口板、30 定量装置、31 コントローラー、32 SQUID、34 増幅回路、40 磁化測定部、41 モーター、42 試料ロッド、43 デュワー、44 超伝導磁石、45 SQUIDコイル、46 試料ホルダー、47 熱電対、50 定量計算部、51 コントローラー、52 CPU、53 ROM、54 RAM、55 HDD、56 複合酸化物定量プログラム、57 インターフェイス(I/F)、58 ディスプレイ、59 入力装置。
Claims (5)
- 2種以上の金属を含み、該金属が規則配列し磁化曲線において磁化が飽和するスピネル型結晶構造を有する複合酸化物を定量する定量方法であって、
(a)前記複合酸化物の磁化曲線を測定するステップと、
(b)前記ステップ(a)で測定した磁化曲線から前記複合酸化物の飽和磁化MSを求めるステップと、
(c)前記ステップ(b)で求めた飽和磁化MSと、前記複合酸化物の目的生成物における基準磁化M0とを用いて前記複合酸化物の作製率を求めるステップと、
を含む定量方法。 - 前記複合酸化物は、一般式LNmM2-mO4(0<m<2,Lはアルカリ金属、N,Mは金属)で表され、
前記ステップ(c)では、自由電子のランデg因子をgとし前記MイオンのスピンをSMとし前記NイオンのスピンをSNとしたときの次式(1)を用いて求めた前記基準磁化M0と、前記求めた飽和磁化MSとから次式(2)を用いて前記作製率を求める、請求項1に記載の定量方法。
基準磁化M0(μB)=(SM×g×(2−m))−(SN×g×m)…式(1)
作製率(%)=MS/M0×100…式(2) - 前記複合酸化物は、LiNi0.5-nMn1.5+nO4(−0.2≦n≦0.2)である、請求項1又は2に記載の定量方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の定量方法の各ステップを1又は複数のコンピュータに実現させるプログラム。
- 2種以上の金属を含み、該金属が規則配列し磁化曲線において磁化が飽和するスピネル型結晶構造を有する複合酸化物を定量する定量装置であって、
前記複合酸化物の磁化曲線を測定する磁化測定部と、
前記磁化測定部で測定した磁化曲線から前記複合酸化物の飽和磁化MSを求め、該飽和磁化MSと、前記複合酸化物の目的生成物における基準磁化M0とを用いて前記複合酸化物の作製率を求める定量計算部と、
を備えた定量装置。
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