JP2011089750A - 蒸気発生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】汎用の小型給水ポンプなどを使用でき、蒸発管などの耐久性に優れた蒸気発生装置に関する。
【解決手段】水を蓄えるタンク2と、該タンク2の水を連続的に送り出す給水ポンプ3と、該給水ポンプ3から送り出された水を加熱する燃焼室Fを有する蒸気発生機4と、この蒸気発生機4から取り出された蒸気から水を取り除く汽水分離器5とを含む蒸気発生装置1であって、前記蒸気発生機4は、前記水が供給される水供給口13iを有するヘッダー13と、該ヘッダー13に接続されかつ前記水を燃焼室Fの周囲で螺旋状に移動させる複数本の管14の並列体である並列管群5とを含むことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】水を蓄えるタンク2と、該タンク2の水を連続的に送り出す給水ポンプ3と、該給水ポンプ3から送り出された水を加熱する燃焼室Fを有する蒸気発生機4と、この蒸気発生機4から取り出された蒸気から水を取り除く汽水分離器5とを含む蒸気発生装置1であって、前記蒸気発生機4は、前記水が供給される水供給口13iを有するヘッダー13と、該ヘッダー13に接続されかつ前記水を燃焼室Fの周囲で螺旋状に移動させる複数本の管14の並列体である並列管群5とを含むことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、蒸気発生装置に関し、詳しくは汎用かつ小型の低圧給水ポンプなどを使用し蒸発管のキャビテーションエロージョン及び管内の腐食ガスによる腐食などを効果的に防止できる蒸気発生装置に関する。
多管式の蒸気発生機として貫流ボイラーが知られている(例えば下記特許文献1参照)。図9に略して示されるように、貫流ボイラーaは、燃焼室Fの周りに1本の管を螺旋状に周回させたいわゆるモノチューブ構造の蒸発管bが採用される。このようなモノチューブ構造の蒸発管bは、場合によっては、全長200m以上になることがあり、当然、圧力損失も大きくなる。従って、従来の貫流ボイラーaの蒸発管bに連続給水するためには、小容量でありながら高圧力のプランジャーポンプを使わざるを得ない。
しかしながら、プランジャーポンプは、吐出圧力の激しい変化、即ち脈動が生じる。このため、給水時の脈動に起因して蒸発管b内でキャビテーションが生じる。そして、このキャビテーションによって生じた気泡が、給水の圧力の急激な変化によって高速で崩壊ないし振動し、それに伴って発生する衝撃圧力が蒸発管bを早期に損傷ないし腐食させるいわゆるキャビテーションエロージョンを発生させるという問題があった。
本発明は、以上のような実情に鑑み案出なされたもので、蒸気発生機に、水が供給される水供給口を有するヘッダーと、該ヘッダーに接続されかつ前記水を燃焼室の周囲で螺旋状に移動させる複数本の蒸発管の並列体である並列管群とを設けることを基本として、圧力損失を低減し、例えばプランジャーポンプ以外の小型かつ小出力の給水ポンプの使用を可能としてキャビテーションエロージョンといった損傷を長期に亘って防止しうる耐久性に優れた蒸気発生装置を提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、水を蓄えるタンクと、該タンクの水を送り出す給水ポンプと、該給水ポンプから送り出された水を加熱する燃焼室を有する蒸気発生機と、この蒸気発生機で得られた汽水混合物から水を取り除く汽水分離器とを含む蒸気発生装置であって、前記蒸気発生機は、ヘッダーと、該ヘッダーに接続されかつ前記水を前記燃焼室の周囲で螺旋状に移動させる複数本の管の並列体である並列管群とを含むことを特徴とする蒸気発生装置である。
また請求項2記載の発明は、前記蒸気発生機は、上下にのびる略円筒状のケーシングの内部に、上下にのびるヘッダーが配されるとともに、前記並列管群の各管は、前記燃焼室を囲むように湾曲して水平にのびる平面視略C字状で上下に隔設され、しかも各管は、前記ヘッダーの一側部に接続されかつ該ヘッダーから前記水又は汽水混合物を受け取る入口端と、前記ヘッダーの他側部に接続されかつ該ヘッダーに前記水又は汽水混合物を返す出口端とを具え、かつ 前記ヘッダーの内部には、前記各管の前記出口端を、上側又は下側の他の並列された複数本の管の入口端に案内する仕切部材を具える請求項1記載の蒸気発生装置である。
また請求項3記載の発明は、前記ヘッダーは、前記給水ポンプからの水が供給される水供給口を有する第1ヘッダーを有し、前記水供給口は、前記第1ヘッダーの底部側に設けられることにより、前記水は、前記並列管群を通って加温されつつ上部側に移動するとともに、前記第1ヘッダーの上部には、並列管群を通った温水から分離したガスをヘッダー外部に逃す脱気口と、ガスが脱気された温水を第1ヘッダー外部に排出する温水出口とを具える請求項1又は2記載の蒸気発生装置である。
また請求項4記載の発明は、前記第1ヘッダーの前記温水出口には、前記並列管群の内側を螺旋状に下降しながらのびるモノチューブが接続されてなる請求項3に記載の蒸気発生装置である。
また請求項5記載の発明は、前記モノチューブは、隣接するチューブ同士を溶接した接触巻構造を有することにより、前記燃焼室は、モノチューブで囲まれる高温領域と、前記モノチューブの外側かつ前記並列管群を加熱する低温領域とに区分される請求項4記載の蒸気発生装置である。
また請求項6記載の発明は、前記ヘッダーは、前記第1ヘッダーの下部側に配された第2ヘッダーを有し、該第2ヘッダーは、前記モノチューブの下端が接続される汽水混合物入口と、前記並列管群で加熱された汽水混合物を前記汽水分離器に送る汽水混合物出口とを有する請求項5記載の蒸気発生装置である。
請求項1に係る蒸気発生装置では、水を蓄えるタンクと、該タンクの水を送り出す給水ポンプと、該給水ポンプから送り出された水を加熱する燃焼室を有する蒸気発生機と、この蒸気発生機で得られた汽水混合物から水を取り除く汽水分離器とを含むとともに、前記蒸気発生機は、水が供給される水供給口を有するヘッダーと、該ヘッダーに接続されかつ前記水を燃焼室の周囲で螺旋状に移動させる複数本の管の並列体である並列管群とを含む。
このように、給水ポンプからの水を、ヘッダーに供給し、そこから並列に接続された並列管群に流すことにより、伝熱管全体の圧力損失を、全体がモノチューブタイプからなる従来のものに比べて大幅に低減できる。従って、蒸気発生装置を構成する給水ポンプに、脈動の少ない小型かつ小出力の給水ポンプ、例えば汎用の渦巻き給水ポンプ等を利用でき、蒸発管のキャビテーションエロージョンや及び管内の腐食ガスによる腐食などを長期に亘って抑制できる。また、高圧のプランジャー給水ポンプの場合に必要となりがちな流量調節弁による給水量の制御等を不要にでき、構造を簡素化しうる。さらに、ヘッダーを介して水を並列された管に送ることができるため、各管での偏流を防止することもできる。
また、請求項2に係る発明では、並列管群の各蒸発管は、燃焼室を囲むように湾曲して水平にのびる平面視略C字状で上下に隔設される。しかも、ヘッダーの内部に仕切部材を配置することにより、簡単な構造でかつ安価に水を螺旋状に循環させる並列管群を構成できる。
また、請求項3に係る発明では、前記ヘッダーは、前記給水ポンプからの水が供給される水供給口を有する第1ヘッダーを有し、前記水供給口は、前記第1ヘッダーの底部側に設けられることにより、前記水は、前記並列管群を通って加温されつつ上部側に移動するとともに、前記第1ヘッダーの上部には、並列管群を通った温水から分離したガスをヘッダー外部に逃す脱気口と、ガスが脱気された温水を第1ヘッダー外部に排出する温水出口とを具える。従って、かかる発明によれば、第1ヘッダー及び並列管群が、給水された水を加温していわゆる節炭器として機能させ、効率の良い蒸気発生装置を提供できる。また、第1ヘッダー及びこれに接続されている並列管群は、水に溶存している酸素等の脱気をも行うことができる。従って、従来のように、蒸気発生機とは別に設けられていた脱気器や節炭器が不要となる。従って、脱気機能等を損なうことなしに装置全体を小型化できかつ安価に製造できる。
また請求項4記載の発明は、前記第1ヘッダーの前記温水出口には、前記並列管群の内側を螺旋状に下降しながらのびるモノチューブが接続されるため、第1ヘッダーで脱気すされた温水を燃焼室のより近くで効率良く加熱して蒸発させることができる。このように、本発明の蒸気発生装置では、一部にモノチューブを用いることもできる。
また請求項5記載の発明は、前記モノチューブは、隣接するチューブ同士を溶接した接触巻構造を有することにより、前記燃焼室は、モノチューブで囲まれる高温領域と、前記モノチューブの外側かつ前記並列管群を加熱する低温領域とに区分できる。従って、高温領域でモノチューブを効率よく加熱しうる。一方、第1ヘッダーの並列管群には、給水ポンプからの低温の水が供給されるため、低温領域においても十分にこの並列管群内を流れる水を加温でき、前述の脱気及び節炭機能を確保しうる。
また請求項6記載の発明は、前記ヘッダーは、前記第1ヘッダーの下部側に配された第2ヘッダーを有し、該第2ヘッダーは、前記モノチューブの下端が接続される汽水混合物入口と、前記並列管群で加熱された汽水混合物を前記汽水分離器に送る汽水混合物出口とを有する。従って、請求項6の発明によれば、第2ヘッダーに接続された並列管群は、モノチューブから送られる汽水混合物をさらに加熱する蒸発管として機能しうる。また、第2ヘッダーに接続された並列管群は、第1ヘッダー同様、汽水混合物を分割して流すことにより、流動損失を低減することができる。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1には、本実施形態の蒸気発生装置1の全体系統図を示す。図において、蒸気発生装置1は、水を蓄えるタンク2と、該タンク2の水を送り出す給水ポンプ3と、該給水ポンプ3から送り出された水を加熱して蒸気を生成する蒸気発生機4と、この蒸気発生機4で得られた汽水混合物から飽和水を分離して取り除く汽水分離器5とを含んで構成される。
図1には、本実施形態の蒸気発生装置1の全体系統図を示す。図において、蒸気発生装置1は、水を蓄えるタンク2と、該タンク2の水を送り出す給水ポンプ3と、該給水ポンプ3から送り出された水を加熱して蒸気を生成する蒸気発生機4と、この蒸気発生機4で得られた汽水混合物から飽和水を分離して取り除く汽水分離器5とを含んで構成される。
本実施形態において、前記タンク2には軟水が蓄えられる。該軟水は、タンクに付設された軟水化装置(図示省略)によって得られる。このような軟水は、蒸気発生機4の内部に配された蒸発管の内側面へのスケール付着を抑制するのに役立つ。
前記給水ポンプ3は、タンク2内の軟水を蒸気発生機4に連続して供給する。これにより、蒸気発生機4に水(又は加熱による汽水混合物)を強制的に循環させることができる。給水ポンプ3からは、例えば蒸気発生機4での水の蒸発量に基づいた量の水が蒸気発生機4に供給される。
本実施形態において、前記給水ポンプ3には、プランジャーポンプを使用する必要がなく、例えば汎用の渦巻きポンプ等が使用できる。これは、後述するが、並列された管14からなる並列管群15を用いたことによる圧力損失の低減によるものである。よって、本実施形態では、従来の貫流ボイラーのように、給水時の大きな圧力変動(脈動)が抑制され、安定した圧力で給水を行うことができる。また、これは、蒸気発生機4の蒸発管のキャビテーションエロージョンを防止するのにも役立つ。
前記蒸気発生機4は、例えば、立形の多管式の貫流ボイラーであって、本実施形態では、軸方向を垂直とした略円筒状で形成されている。
蒸気発生機4は、鋼板からなるケーシング7を有する。本実施形態のケーシング7は、最上部に配される上部風箱7aと、最下部に配され床面に設置される底部7cと、これらの間を継ぐ略円筒状の本体部7bとの3分割構造をなす。ただし、ケーシング7の形状や分割構造は任意に変更できるのは言うまでもない。
前記ケーシング7の上部風箱7aには、その中央部に、下方の燃焼室Fに向けて燃焼炎を吹き出すバーナーBを含む燃焼装置が取り付けられる。また、バーナーBの周囲には、燃焼室Fの上部を覆うようにロックウール等からなる断熱材f1が配される。これにより、蒸気発生機4の運転時には、燃焼室Fは高温に保たれる。
図2には、図1のA−A断面図が示される。図2に示されるように、前記ケーシング7の本体部7bの内側には、該本体部7bと略同心で略円筒状をなす外壁部8が固着される。
前記外壁部8は、底部7cの底板部7eまでのびている。これにより、ケーシング7内の内部には、外壁部8で囲まれて軸方向を上下とする略円筒状の燃焼室Fが区画される。
また、本実施形態では、外壁部8の外側に、該外壁部8の外面を覆うように内に寄せてロックウール等の断熱材f2が配される。断熱材f2とケーシング7の本体部7bとの間は、周方向にのびる空気室R1が形成された、空気断熱とされている。また、底板部7eの底部は、断熱材f3で断熱されるとともに、さらにその下部側には空気室R2を利用した空気断熱がなされている。
燃焼室Fの底部に形成された前記空気室R2には、空気の入口Eが円周方向に例えば4ケ所設けられる。この入口Eから空気室R2に進入した空気は、断熱材f3の下面を冷却した後、底板部7eに設けた透孔(図示せず)を通ってケーシング7の本体部7bの側面の空気室R1に立ち上り、ケーシング7の本体部7bを冷却しつつ上昇する。そして、最終的には、上部風箱7aに流入し、燃焼用送風機(図示省略)に吸入されて燃料とともに燃焼に使用される。
さらに、蒸気発生機4には、ヘッダー13と、該ヘッダー13に接続された複数本の管14の並列体である並列管群15とを含む。また、並列管群15の内側には、1本の管が螺旋状に下降しながらのびるモノチューブ33が設けられている。
本実施形態のモノチューブ33は、上下に隣接するチューブ同士を密に巻き付けかつ互いに溶接した接触巻構造を有する。また、モノチューブ33の下端は、ケーシング7の底板部7eに達することなくその上部で終端している。
このようなモノチューブ33は、燃焼室F内において、実質的に円筒状の仕切部材として機能する。これにより、燃焼室Fは、モノチューブ33で囲まれる相対的に高温のガスが流される高温領域10と、前記モノチューブ33の外側かつ前記並列管群14を加熱する相対的に低温の低温領域11とに区分される。また、バーナーBからモノチューブ33内を通って下方に達した高温の燃焼ガスは、モノチューブ33の下端と底板部7eとの隙間から前記低温領域11に流れ込み、ケーシング7の本体部7bの上部に設けられたガス排気口12から外部へと排出される。なお、低温領域11は、高温領域10に比して相対的に容積が小さく形成されるので、燃焼ガスの上昇流速を高め、並列管群15と効率良く熱交換するのに役立つ。
前記ヘッダー13は、図2〜5に示されるように、断面略矩形の角筒状をなし、前記外壁部8の一部を切り欠くことにより形成された縦空間に配置されて上下にのびている。また、本実施形態のヘッダー13は、低温領域11の円周方向を遮る向きにのびて互いに対向する第1の側壁部13a、第2側壁部13bと、それらの内周側を継ぐ第3側壁部13cと、前記第1の側壁部13a及び第2側壁部13bの外周側を継ぐ第4側壁部13dとを有し、上下端は閉塞されている。
また、本実施形態のヘッダー13は、図1に示されるように、上部側の第1ヘッダー13Aと、その下部に設けられた第2ヘッダー13Bとから構成され、全体としてケーシング7の本体部7bと略等しい長さで上下にのびている。
前記第1ヘッダー13Aには、図1、図3に示されるように、前記給水ポンプ3から軟水が供給される水供給口13iが形成されている。前記水供給口13iは、前記第1ヘッダーの底部側に設けられる。
また、前記管14は、図2ないし3に示されるように、外壁部8の外側、即ち、低温領域11を円周方向に湾曲してのびている。また、本実施形態の各管14は、連続した円形ではなく、両端に、入口端14iと、出口端14oとを有して水平にのびる平面視略C字状をなす。そして、各管14は、実施的に同一形状をなす複数本がヘッダー13に上下に隔設されている。本実施形態では、上下に並ぶ6本の管14が、同時に並列して水が流れる一つの並列管群15として構成されている。
前記各管14の入口端14iとは、ヘッダー13から水を受け取る開口を意味する。また、各管14の出口端14oとは、第1ヘッダー13Aに水を供給する開口を意味する。さらに、各管14の入口端14iは、第1ヘッダー13Aの第1側壁部13aを貫通してヘッダー内部で開口するように、第1側壁部13aに溶接にて固着されている。他方、各管14の出口端14oは、第1ヘッダー13Aの第2側壁部13bを貫通してヘッダー内部で開口するように、第2側壁部13bに溶接にて固着されている。
また、図3〜図5に良く表されるように、第1ヘッダー13Aには、仕切部材17が設けられる。本実施形態の仕切部材17は、第1ヘッダー13Aの第3側壁部13cと第4側壁部13dとの間に跨って配されており、上端が第1側壁部13aに固着されるとともに、下端が第2側壁部13bに固着されている。つまり、仕切部材17は、第1ヘッダー13A内で向き合う管14の入口端14iと出口端14oとの間を仕切り、2つの水室に分離させている。
さらに具体的について述べると、本実施形態の仕切部材17は、第1ヘッダー13Aの第1側壁部13a及び第2側壁部13bの略中間位置を上下にのびる中片17bと、その上部に一体に連なって第1側壁部13a側に斜めにのびかつ第1側壁部13aに溶接にて固着される上片17aと、前記中片17bの下部に連なって第2側壁部13b側に斜めにのびかつ該第2側壁部13bに溶接にて固着される下片17cとを含んで構成されている。そして、本実施形態では、このような仕切部材17が、並置された管14の6本毎に隔設されている。
また、前記水供給口13iは、図3に示されるように、最下部の仕切部材17の第1側壁部13a側の水室に接続されている。
従って、給水ポンプ3により、水供給口13iに供給された軟水は、仕切部材17によって最下部の6本の管14からなる並列管群15の各入口端14iにそれぞれ並列入力され、燃焼室Fの低温領域11(その中でも最も低温)で熱エネルギーを受けながらその周りをほぼ水平に1周する。しかる後、並列管群15の各管14の出口端14oから再び第1ヘッダー13A内へと戻される。また、出口端14oから第1ヘッダー13A内に戻された水は、仕切部材17の第2側壁部13bの面によって本実施形態では上部へと案内され、先の並列管群15の上部に設けられた別の6本の並列管群15の各管14の入口端14iへと順次供給される。
そして、本実施形態の蒸気発生機4では、上述のような作用を繰り返しながら、第1ヘッダー13Aの水供給口13iに供給された水は、燃焼室Fの低温領域11の最終段において熱エネルギーを受けながらその周囲を並列に螺旋状かつ上部側へと移動することができる。なお、給水された水は比較的低温であるあるため、第1ヘッダー13Aに接続された並列管群15は、低温領域11でも効果的に熱吸収をし、内部の水を十分に加熱することができる。
このような構成によれば、管全体をモノチューブタイプとしたものに比して大幅に圧力損失を低減できる。従って、前記のように、給水ポンプ3に、脈動の少ない小型かつ小出力の給水ポンプ、例えば汎用の渦巻き給水ポンプを利用し、管14のキャビテーションエロージョンなどを長期に亘って抑制できる。また、ヘッダー13を介して水を並列された蒸発管に送ることができるため、各管14での偏流などを防止することもできる。
図6には、第1ヘッダー13の上部側の部分断面図が示される。本実施形態の第1ヘッダー13には、温水出口25と、並列管群15を通った汽水混合物中のガスをヘッダー外部に逃す脱気口18とがその上部側に形成されている。
この実施形態では、第1ヘッダー13Aの上部に、ガイド片19ないし22によってジグザグ状の屈曲路23が形成されている。そして、この屈曲路23の下位側に温水出口25が、また、屈曲路23の上位側に脱気口18がそれぞれ形成されている。
給水に含まれている溶存酸素及び腐食性ガスは、温度上昇に比例して許容濃度が減少する。通常、温度約100℃で0に近くなるが、これを迅速に脱気して並列管群15から追い出すことが重要になる。そのためには、本実施形態のように、第1ヘッダー13A内に上述のような屈曲路23を設けて、前記モノチューブ33に入る温水時(蒸気発生前)に完全に脱気することにより、高温領域10で高温の燃焼ガスと接触するモノチューブ33の腐食を防止するのが特に好ましい。
他方、屈曲路23を通ったガスGの一部乃至主要部は、温水出口25よりも上部に設けられた脱気口18からヘッダー13の外部に案内される。即ち、温水は、第1ヘッダー13A内の前記屈曲路23を通過する課程で、ガイド片19ないし22によってジグザグに方向変換し、その遠心力によって溶存したガスGを脱気口18より効率良く排出させることができる。従って、本実施形態では約95〜100℃程度の高温の温水のみを温水出口25から排出できる。このように、本実施形態の第1ヘッダー13Aは、いわゆる脱気器及び節炭機の機能を兼備するものである。
なお、上述のようなガス抜きを作用を高めるために、上部側のガイド片21及び/又は22は、例えばガスGが通過可能な多数の小孔が形成されたいわゆるパンチングメタル又は網板等から形成されるのが良い。また、前記脱気口18には、図1に示されるように、空気のみを通過させる自動空気抜き弁27を設けておくことが望ましい。
第1ヘッダー13Aの給水出口37には、燃焼室F内を螺旋状に下降しながらのびる前記モノチューブ33が接続されている。
前記モノチューブ33は、例えばケーシング7の上部に吊り具40を介して吊下げ保持される。従って、第1ヘッダー13Aを通り加熱かつ脱気された温水は、最も高温の燃焼ガスと接触するモノチューブ33を通ってさらに加熱される。
モノチューブ33は、燃焼室Fの燃焼ガスの放射熱及び燃焼室Fの下部でUターンして上昇した燃焼ガスの流動による接触伝熱によって、効率良く熱を吸収する蒸発管となる。また、燃焼室F内は加圧燃焼とされるとともに、この最内側のモノチューブ33は前述のように接触巻の螺旋管とされる。これにより、燃焼ガスは、低温領域11側(煙道側)に漏れない構造としている。従って、バーナーBからの高温の燃焼ガスは、その全量が底板部7eまで到達して低温領域11へとUターンし、モノチューブ33に効率良く接触して該モノチューブ33によって熱吸収される。モノチューブ33内では、温水の一部は蒸気化して汽水混合物となる。
なお、もし、燃焼ガスがモノチューブ33間から漏れた場合、モノチューブ33は熱を十分に吸収できなくなり、かつ、排ガス温度が高くなるなど効率を低下させるため、好ましくない。従って、本実施形態では、モノチューブ33の隣接する管間は、ガスがショートパスしないように、例えば螺旋状に沿ったシール溶接とされる。
前記モノチューブ33の下端は、第2ヘッダー13Bの低位側に設けられた第2の汽水混合物口34に接続されている。従って、モノチューブ33によって得られた汽水混合物は、第1ヘッダー13Aの下側に設けられた第2ヘッダー13Bの低位側に供給される。なお第2ヘッダー13Bも第1ヘッダー13Aと同様の構造を具える。
この汽水混合物は、第2ヘッダー13Bに接続された並列管群15で最終加熱されて乾き度を高めつつ、上位側へと流れ、第2ヘッダー13Bの上位側に設けられた第2汽水混合物出口38から外部の汽水分離器5へと供給される。
図1に示した汽水分離器5は、例えばサイクロン式であって、蒸気発生機4で得られた汽水混合物を旋回させ、水分と蒸気とに分離させる。そして、蒸気は、内筒を上昇して主蒸気弁29からユーザーに供給しうる。また、汽水分離器5で分離された水分(飽和水)は、スチームトラップ30によってタンク2内へと戻される。従って、タンク2の温度は、飽和水量によって上昇する。
また、汽水分離器5の底部には、給水エゼクタ31が接続される。この給水エゼクタ31は、給水ポンプ3の流動圧力によって飽和水を誘導し、給水とともに蒸気発生機4へ給水する。このような給水方法によって、スチームトラップ30からの還流量を絞り、高温の給水を蒸気発生機4に供給することができる。これは、給水ポンプ3の入口温度の低下と併せて、給水ポンプ3の給水量の小量化と吸い込み能力NPSH(Net Positive Suction Head)の向上を図ることができ、省エネ及び省力化を図るのに有効である。
以上のように構成された蒸気発生装置1では、ヘッダー13に接続された並列管群15と、モノチューブ33とを組み合わせたことにより、燃焼室Fの燃焼ガスを効率的に使用できる。即ち、高温領域10ではモノチューブ33で燃焼ガスの温度を下げ、その後、低温領域11側では並列管群15で燃焼ガスの温度を下げることができる点で好ましい。
図7(a)、(b)には、本発明の他の実施形態が示される。
この実施形態では、5本の管14を1セットとして並列管群15を構成している。また、並列管群15を構成する各管14も、平面視略C字状をなすが、この例では、外径D2が小さい第1管14Sと、外径D1が大きい第2管14Lとを交互に上下に並べて構成されている。このように、第1管14Sと第2管14Lとを千鳥状に配置することにより、管数を増し伝熱面積を多くすることができる。従って、このような構成は、蒸発量が大きい大型の蒸気発生器に好適に利用できる。また、千鳥状に管14を配置することにより、ヘッダー13への溶接が容易となり、生産性も向上する。
この実施形態では、5本の管14を1セットとして並列管群15を構成している。また、並列管群15を構成する各管14も、平面視略C字状をなすが、この例では、外径D2が小さい第1管14Sと、外径D1が大きい第2管14Lとを交互に上下に並べて構成されている。このように、第1管14Sと第2管14Lとを千鳥状に配置することにより、管数を増し伝熱面積を多くすることができる。従って、このような構成は、蒸発量が大きい大型の蒸気発生器に好適に利用できる。また、千鳥状に管14を配置することにより、ヘッダー13への溶接が容易となり、生産性も向上する。
図8には、さらに本発明の他の実施形態が示される。
この実施形態の蒸気発生機4では、図1の実施形態とはモノチューブ33が設けられていない点で異なる。また、燃焼室Fを高温領域10と低温領域11とに区分する円筒状の内壁部9がモノチューブ33の代わりに設けられている。
この実施形態の蒸気発生機4では、図1の実施形態とはモノチューブ33が設けられていない点で異なる。また、燃焼室Fを高温領域10と低温領域11とに区分する円筒状の内壁部9がモノチューブ33の代わりに設けられている。
本実施形態では、第1ヘッダー13Aの低位側には水供給口13iが、また上位側には第1給水出口37がそれぞれ設けられる。そして、第1ヘッダー13Aの第1給水出口37は、第2ヘッダー13Bの上部側に設けられた第2の汽水混合物口34に接続される。そして、第2ヘッダー13Bの下部側に設けられた第2汽水混合物出口38から汽水分離器へと送られる。このように、蒸気発生機4は、構造を簡素化することもできる。
1 蒸気発生装置
2 タンク
3 給水ポンプ
4 蒸気発生機
5 汽水分離器
13 ヘッダー
13A 第1ヘッダー
13B 第2ヘッダー
13i 水供給口
14 管
15 並列管群
16 仕切部材
2 タンク
3 給水ポンプ
4 蒸気発生機
5 汽水分離器
13 ヘッダー
13A 第1ヘッダー
13B 第2ヘッダー
13i 水供給口
14 管
15 並列管群
16 仕切部材
Claims (6)
- 水を蓄えるタンクと、該タンクの水を送り出す給水ポンプと、該給水ポンプから送り出された水を加熱する燃焼室を有する蒸気発生機と、この蒸気発生機で得られた汽水混合物から水を取り除く汽水分離器とを含む蒸気発生装置であって、
前記蒸気発生機は、ヘッダーと、該ヘッダーに接続されかつ前記水を前記燃焼室の周囲で螺旋状に移動させる複数本の管の並列体である並列管群とを含むことを特徴とする蒸気発生装置。 - 前記蒸気発生機は、上下にのびる略円筒状のケーシングの内部に、上下にのびるヘッダーが配されるとともに、
前記並列管群の各管は、前記燃焼室を囲むように湾曲して水平にのびる平面視略C字状で上下に隔設され、しかも
各管は、前記ヘッダーの一側部に接続されかつ該ヘッダーから前記水又は汽水混合物を受け取る入口端と、前記ヘッダーの他側部に接続されかつ該ヘッダーに前記水又は汽水混合物を返す出口端とを具え、かつ
前記ヘッダーの内部には、前記各管の前記出口端を、上側又は下側の他の並列された複数本の管の入口端に案内する仕切部材を具える請求項1記載の蒸気発生装置。 - 前記ヘッダーは、前記給水ポンプからの水が供給される水供給口を有する第1ヘッダーを有し、
前記水供給口は、前記第1ヘッダーの底部側に設けられることにより、前記水は、前記並列管群を通って加温されつつ上部側に移動するとともに、
前記第1ヘッダーの上部には、並列管群を通った温水から分離したガスをヘッダー外部に逃す脱気口と、ガスが脱気された温水を第1ヘッダー外部に排出する温水出口とを具える請求項1又は2記載の蒸気発生装置。 - 前記第1ヘッダーの前記温水出口には、前記並列管群の内側を螺旋状に下降しながらのびるモノチューブが接続されてなる請求項3に記載の蒸気発生装置。
- 前記モノチューブは、隣接するチューブ同士を溶接した接触巻構造を有することにより、前記燃焼室は、モノチューブで囲まれる高温領域と、前記モノチューブの外側かつ前記並列管群を加熱する低温領域とに区分される請求項4記載の蒸気発生装置。
- 前記ヘッダーは、前記第1ヘッダーの下部側に配された第2ヘッダーを有し、
該第2ヘッダーは、前記モノチューブの下端が接続される汽水混合物入口と、前記並列管群で加熱された汽水混合物を前記汽水分離器に送る汽水混合物出口とを有する請求項5記載の蒸気発生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009245783A JP2011089750A (ja) | 2009-10-26 | 2009-10-26 | 蒸気発生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009245783A JP2011089750A (ja) | 2009-10-26 | 2009-10-26 | 蒸気発生装置 |
Publications (1)
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JP2011089750A true JP2011089750A (ja) | 2011-05-06 |
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ID=44108156
Family Applications (1)
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JP2009245783A Withdrawn JP2011089750A (ja) | 2009-10-26 | 2009-10-26 | 蒸気発生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2011089750A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105114930A (zh) * | 2015-09-17 | 2015-12-02 | 哈尔滨市金京锅炉有限公司 | 一种高效燃烧锅炉 |
-
2009
- 2009-10-26 JP JP2009245783A patent/JP2011089750A/ja not_active Withdrawn
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