JP2011089182A - 電鋳体、その製造方法、及び時計部品 - Google Patents

電鋳体、その製造方法、及び時計部品 Download PDF

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Abstract

【課題】表面に凹部を有する電鋳体であり、電鋳体とは異なる金属材料からなる金属層が前記凹部底部に形成されており、前記凹部のパターンを文字、絵模様等任意のデザイン性、装飾性、視認性を有する0ものとする電鋳体とその製造方法を提供する。
【解決手段】電鋳体である電鋳体歯車301の一表面に凹部304が形成されており、この凹部304の底部と、底部以外の表面部に、電鋳部309を構成する金属とは異なる金属層が形成されている。
【選択図】図8

Description

本発明は、電気めっき法による電鋳体とその製造方法に係り、表面部に異種の金属部を有する電鋳体、その製造方法、及び時計部品に関する。
電鋳法によれば、精密に加工された電鋳型と呼ばれる部材を用いることにより、非常に高い転写性を有する部材を製造することが出来る。特に近年、シリコンプロセスにより感光性材料を用いて電鋳型形状に加工するLIGA(Lithographie Galvanofomung Abformung)法によって電鋳型を製造し、合わせて微小な形状を有する部品や金型を製造することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このような電鋳型では、微小な部品を高い精度を有する電鋳体を製造することが出来ることから、複雑形状を有する機械式腕時計ムーブ部品等微小な部品への応用がなされている。
近年、機械式腕時計では、装飾性を高めるため時計ケースや文字板等の所謂外装部品だけでなく、ケース内部が見えるように裏蓋や文字板等を透明あるいは開口部を設ける等を行い、内部すなわちムーブメントが外部から見える構造をとるようになっている。
このため、ムーブメントを構成する歯車、受け部品や自動巻き式腕時計に具備されている回転錘等に装飾性を持たせることが望まれている。
同様な観点から、機械式腕時計だけでなく微細部品や精密部品においても装飾性や部品の認識性、視認性を高めるといったことが広く望まれている。
特開平11−15126号公報
本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであり、LIGA法により作製される電鋳体の少なくとも一表面の一部に文字、絵模様等の任意のデザイン性、装飾性、視認性を目的としたパターン形状の凹部を有し、この一表面や凹部の底部に電鋳体とは異なる金属層を設け、さらにこの一表面の表面形態と凹部底部の表面形態とが異なっている電鋳体とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係る電鋳体は、第1の凹部を有する電鋳部と、少なくとも前記第1の凹部の底面に形成され、前記電鋳部と異なる組成を有し、前記電鋳部の第1の凹部を有する面と異なる平面上に形成された表面を有する第1の金属層と、を備えることを特徴とする。
この電鋳体は、電鋳部を構成する金属と、この表面に設けられた第1の凹部の底面を覆う第1の金属層の金属とが異なるので、全てが同じ金属で構成されている電鋳体と比べ、凹部のパターンがより明確になり、高いデザイン性、視認性等を有するものとなる。
また、前記第1の金属層は、前記第1の凹部の底面及び側面と前記電鋳部の前記第1の凹部を有する面とを覆うことを特徴とする。
また、この電鋳体は、第1の凹部を有する電鋳部と、前記第1の凹部の底面及び側面と前記電鋳部の前記第1の凹部を有する面とに形成され、第2の凹部を有し、前記電鋳部と異なる組成を有する第1の金属層と、少なくとも前記第2の凹部の底面に形成され、前記電鋳部及び前記第1の金属層と異なる組成を有し、前記第1の金属層の第2の凹部を有する面と異なる平面上に形成された表面を有する第2の金属層と、を備えることを特徴とする。
この電鋳体は、電鋳部の表面に凹部を有し、第2の金属層と電鋳部を構成する金属との間に、これらとは別の種類からなる第1の金属層が備えられ、さらに、第1の金属層が凹部側面および電鋳部表面に延長されるので、電鋳部、凹部底部表面および電鋳部の凹部を有する表面のうち凹部底部表面を除いた部分で、異なった種類の金属が表面に現れるので、全体として凹部パターンがより明確になり、高いデザイン性、視認性等を有するものとなる。
また、前記電鋳部の第1の凹部を有する面の表面形態が、前記第1の金属層又は前記第2の金属層の表面の表面形態と異なることを特徴とする。
この電鋳体は、少なくとも凹部底部表面を構成する金属層の組成が電鋳部の組成と異なっており、且つ、凹部底部の表面の表面形態とこの凹部が設けられている電鋳体の表面の表面形態が異なるので、凹部パターンが金属の違いによるだけでなく、表面形態の違いも同時に備えているので、より高いデザイン性、視認性等を有するものとなる。
また、本発明に係る電鋳体の製造方法は、基板の導電性を有する表面に、パターンめっきにより第3の金属層を形成する工程と、前記表面に電鋳型を形成する工程と、前記電鋳型の内部の前記表面及び前記第3の金属層の上面に、前記第3の金属層と異なる組成を有する第1の金属層を形成する工程と、前記第1の金属層の上面に、前記第1の金属層及び前記第3の金属層と異なる組成を有する電鋳部を形成する工程と、前記基板及び前記電鋳型を除去する工程と、前記第3の金属層を除去する工程と、を備えることを特徴とする。
この電鋳体の製造方法は、エッチング等により除去可能な第3の金属層をパターン化して形成し、第3の金属層を電鋳部を第1の金属で覆い、さらに第1の金属層に電鋳部を形成したのち、エッチング等により除去可能な第3の金属層を除去するので、第1の金属層が凹部を形成することになり、電鋳部を構成する金属と異なる金属層が表面に現れる。
また、本発明に係る電鋳体の製造方法は、前記第3の金属層を形成した後、かつ前記電鋳型を形成する工程の前に、前前記第3の金属層の上面に、パターンめっきにより第2の金属層を形成する工程を備えることを特徴とする。
この電鋳体の製造方法は、エッチング等により除去可能な第3の金属層をパターン化して形成し、第3の金属層の上面に第2の金属層がパターン化されて形成され、電鋳型を形成し、これらの金属層とは異なる第1の金属層を形成し、さらに、電鋳部が形成した後、エッチング等で除去可能な第3の金属層を除去するので、第2の金属層が第1の金属層の凹部底面に形成され、さらに凹部底面以外には電鋳部が現れる。
また、本発明に係る電鋳体の製造方法は、基板の導電性を有する表面に、パターンめっきにより第3の金属層を形成する工程と、前記第3の金属層の上面に、パターンめっきにより第1の金属層を形成する工程と、前記表面に電鋳型を形成する工程と、前記電鋳型の内部の前記表面及び前記第1の金属層の上面に、前記第1の金属層及び前記第3の金属層と異なる組成を有する電鋳部を形成する工程と、前記基板及び前記電鋳型を除去する工程と、前記第3の金属層を除去する工程と、を備えることを特徴とする。
この電鋳体の製造方法は、エッチング等により除去可能な第3の金属層をパターン化して形成し、第3の金属とは異なる第2の金属層がパターン化されて形成され、さらに電鋳部がこれらの金属層を覆った形で形成したのち、エッチング等で除去可能な第3の金属層を除去するので、第1のが電鋳部の凹部を覆い、凹部底面以外が電鋳部となるので、、凹部の底面の金属と電鋳部を構成する金属が異なった電鋳体を提供することが出来る。
また、本発明に係る電鋳体の製造方法は、基板の表面形態とエッチング等により除去可能な第3の金属層の表面形態を変えることを特徴とする。
この電鋳体の製造方法は、エッチング等で除去可能な第3の金属層の上面と基板の表面形態が異なるので、エッチング等により除去された第3の金属層の表面形態が、凹部の底部表面に転写され、これ以外の基板側の表面は、基板の表面形態が転写されるので、凹部の底部の表面形態と凹部以外の表面部の表面形態が異なった電鋳体を提供することが出来る。
この発明によれば、少なくとも一表面に装飾性、視認性等視覚的に優れたパターンを有する金属層が形成され、微細性、精度に優れた電鋳体を提供できる。
本発明の第1の実施形態に係る電鋳体を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る電鋳体の製造方法を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る電鋳体の製造方法を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る電鋳体の製造方法を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る電鋳体を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る電鋳体の製造方法を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る電鋳体の製造方法を示す説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る電鋳体を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る電鋳体の製造方法を示す説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る電鋳体の製造方法を示す説明図である。
本発明に係る第1の実施形態について、図1から図4を参照して説明する。図1(a)は本発明の第1の実施形態の電鋳体である電鋳歯車の一表面を示す図であり、図1(b)は図1(a)におけるA−A’における断面を示す図である。
本実施形態に係る電鋳体である電鋳歯車101は、図1に示すように、軸穴102と歯車の軽量化を図るために設けた歯車開口部103を有する。また、電鋳体である電鋳歯車101の一表面が金めっきによる第1の金属層104により覆われている。また、歯車を構成する部分のうち歯先表面部105、開口部縁部106および文字パターン部107を除く部分が凹部108構造を有している。また、電鋳部109がニッケル電鋳からなる構造を有している。なお、電鋳部109及び第1の金属層104は、例えば金、ニッケル、鉄や、またはこれらの合金を用いることができる。さらに、第1の金属層は、装飾性を向上させるために、例えば、ロジウムやルテニウムを用いてもよい。
次に、本実施形態に係る電鋳体を製造する方法について説明する。
この電鋳体の製造方法は、図2に示したように、少なくとも一表面に導電性を有する基板に任意のパターンを有する凹部を形成するための第3の金属層を形成する工程と、図3に示した電鋳型を形成する工程と、この電鋳型内に電鋳体の一表面を覆うための第1の金属層を形成する工程と、電鋳部を形成する工程と、図4に示した基板から電鋳体を分離する工程と、第3の金属層をエッチングにより除去し、凹部を有する第1の金属層を備えた電鋳体を形成する工程と、から構成されている。
第3の金属層を形成する工程では、まず、図2(a)に示すように、単結晶シリコンウエハからなる基板110上に基板110側からクロム、銅の2層からなる導電層110を形成する。次に、図2(b)に示すように、この基板110の導電層111表面にポジ型フォトレジストを塗布し、露光、現像を順次行うことにより、文字、絵模様等所望とする開口パターンを有する厚み10μmの第1のレジスト層112を形成する。なお、導電層111は、クロム、または銅の単層でもよい。また、第1のレジスト層112は、ネガ型フォトレジストを用いてもよい。
次に、図2(c)に示すように、電気めっき法により7μmの厚みの銅めっきを第1のレジスト層112の開口部に施すことにより第3の金属層113を形成する。次いで図2(d)に示すように、第1のレジスト層112をアルカリ性水溶液やアセトンのような有機溶剤等の剥離剤で剥離除去する。なお、第1のレジスト層112及び第3の金属層113の厚さは、上記に記載した厚さに限定されるものではなく、第3の金属層113が第1のレジスト層112より厚くなければよい。
図3(a)の電鋳型を形成する工程では、化学増幅型エポキシ系厚膜フォトレジストを塗布し、露光、加熱による硬化促進後、現像を行うことにより電鋳型114を形成する。この電鋳型114の厚さは、機械式腕時計用歯車では、50μmから1mm程度となる。
次に、図3(b)に示すように、電鋳型114の開口部に湿式法により金めっきを施し、基板表面及び第3の金属層の上面に金からなる第1の金属層115を形成する。
次に、図3(c)に示すように、この第1の金属層の上面にニッケル電鋳を行い、電鋳部116を形成する。必要に応じて研磨等により電鋳部116の厚さや表面状態の調整を行う。
次ぎに図4(a)に示すように、基板110、導電層111および電鋳型114を除去することにより電鋳物117を得る。その後、図4(b)に示すように、第3の金属層113である銅層をエッチングにより除去することにより、電鋳体118を得る。
なお、電鋳部116、第3の金属層113、及び第1の金属層115は、異なる組成を有すればよく、例えば金、ニッケル、鉄や、またはこれらの合金を用いることができる。さらに、第1の金属層は、装飾性を向上させるために例えば、ロジウムやルテニウムを用いてもよい。
このようにして作製された電鋳体118は、基板110側に接していた面には、第2の凹部119を有している。さらに、金で形成された第1の金属層113でがニッケルからなる電鋳部116の一表面を覆っているものとなり、この凹部119が文字や模様とすることが可能であり、装飾性や視認性に優れたものとなる。
また、本実施形態では、各表面部の表面形態については、特に規定していないが、例えば、シリコンからなる基板110の表面を鏡面とし、第3の金属層113であるめっきによる銅層を形成するに当たり、この銅めっきの表面の形態を梨地とすれば、第1の金属層113である金層のうち、基板110の表面に形成された導電層111と接する部分では、シリコン基板110の表面形態である鏡面を転写するので鏡面状態を示し、第3の金属層113である梨地面を有する銅めっきと接する部分では、梨地の表面形態を転写するので梨地状態を示し、凹部119の底面部とこの凹部以外のこの面で異なる表面形態を有する電鋳体118を得ることも可能である。
また、本実施形態では、電鋳部116をニッケルで形成し、第1の金属層113を金で形成したが、これらは限定されるものではなく、めっきとして析出可能な材料であれば、いずれも自由に選択できることは言うまでもない。
本発明に係る第2の実施形態について図5から図7を参照して説明する。図5(a)は本発明の第2の実施形態の電鋳体である電鋳歯車の一表面を示す図であり、図5(b)は図5(a)におけるB−B’における断面を示す図である。
本実施形態に係る電鋳体である電鋳歯車201は、図5に示すように、軸穴202と歯車の軽量化を図るために設けた歯車開口部203を有する。また、歯先表面部205と開口部縁部206および文字パターン部207を除く部分が、凹部を有している。この凹部の表面には金からなる第1の金属層208が形成されている。また、ニッケル電鋳からなる電鋳部209から構成されている。
次に、本実施形態に係る電鋳体を製造する方法について説明する。
この電鋳体の製造方法は、図6に示したように、少なくとも一表面に導電性を有する基板に任意のパターンを有する凹部を形成するための第3の金属層と第1の凹部の底面に形成される第1の金属層を形成する工程と、図7に示した電鋳型を形成する工程と、この電鋳型内に電鋳部を形成する工程と、基板から第1の金属層、第3の金属層、及び電鋳部からなる電鋳物を分離する工程と、第3の金属層をエッチングにより除去する工程と、から構成されている。
まず、図6(a)に示すように、単結晶シリコンウエハからなる基板210上に基板210側からクロム、銅の2層からなる導電層211を形成する。図6(b)に示すように、基板210の導電層211表面にポジ型フォトレジストを塗布し、露光、現像を順次行うことにより、文字、絵模様等所望とする開口パターンを有する厚み10μmの第1のレジスト層212を形成する。なお、導電層211は、クロム、または銅の単層でもよい。また、第1のレジスト層212は、ネガ型フォトレジストを用いてもよい。
次に、図6(c)に示すように、電気めっき法により7μmの厚みの銅めっきを第1のレジスト層212の開口部に施すことにより、基板表面に第3の金属層213を形成する。さらに、図6(d)に示すように、1μmの厚みの金めっきを第3の金属層213である銅めっき層の上面に第1の金属層214として形成する。次いで、図6(e)に示すように、第1のレジスト層212をアルカリ性水溶液やアセトンのような有機溶剤等の剥離剤で剥離除去する。なお、第1のレジスト層212、第1の金属層214、及び第3の金属層213の厚さは、上記に記載した厚さに限定されるものではなく、第1の金属層214及び第3の金属層213が第1のレジスト層212より厚くなければよい。
図7(a)に示すように、電鋳型を形成する工程では、化学増幅型エポキシ系厚膜フォトレジストを塗布し、露光、加熱による硬化促進後、現像を行うことにより電鋳型215を形成する。電鋳型215の厚さは、機械式腕時計用歯車では、50μmから1mm程度となる。
次に、図7(b)に示すように、基板表面及び第1の金属層の上面に、ニッケル電鋳を行い、電鋳部216を形成する。必要に応じて研磨等により電鋳部216の厚さや表面状態の調整を行う。
次ぎに、図7(c)に示すように、基板210、導電層211および電鋳型215を除去することにより、電鋳部216、第1の金属層214、及び第3の金属層213からなる電鋳物217を得る。その後、第3の金属層113である銅層をエッチングにより除去することにより、電鋳体218を得る。
このようにして作製された電鋳体218は、基板210側に接していた側には、凹部219を有し、且つ、第1の金属層214である金層が、凹部219の底面のみに形成されている。このため、この凹部219が文字や模様となり、電鋳部216と凹部219底面に形成された金層219との関係から装飾性や視認性に優れたものとなる。
また、本実施形態では、各表面の表面形態については、特に規定していないが、例えば、シリコンからなる基板210の表面を鏡面とし、第3の金属層213であるめっきによる銅層を形成するに当たり、この銅めっきの表面形態を梨地とすれば、第1の金属層214である金層は梨地形態の表面形態となり、導電層211と接する電鋳部215は、基板210の表面形態である鏡面を転写するので鏡面状態を示す。そのため、凹部219の底面とこの凹部219以外の面で異なる表面形態を有する電鋳体218を得ることが出来る。
また、本実施形態では、電鋳部218をニッケルで形成し、第1の金属層214を金形成したが、これらは限定されるものではなく、めっきとして析出可能な材料であれば、いずれも自由に選択できる。
本発明に係る第3の実施形態について図8から図10を参照して説明する。
図8(a)は本発明の第2の実施形態の電鋳体である電鋳歯車の一表面を示す図であり、図8(b)は図5(a)におけるC−C’における断面を示す図である。
本実施形態に係る電鋳体である電鋳歯車301は、図8に示すように、軸穴302と歯車の軽量化を図るために設けた歯車開口部303を有する。また、歯先表面部305と開口部縁部306および文字パターン部307がロジウムからなる第1の金属層310で覆われており、凹部304の底面には金からなる第2の金属層308が形成されている。また、電鋳部309はニッケルで形成されている。
次に、本実施形態に係る電鋳体を製造する方法について説明する。
この電鋳体の製造方法は、図9に示したように少なくとも一表面に導電性を有する基板に任意のパターンを有する凹部を形成するための第3の金属層と凹部の底面を形成する第2の金属層を形成する工程と、図10に示した電鋳型を形成する工程と、電鋳型内の第2の金属層の上面及び基板表面に、第1の金属層を形成する工程と、第1の金属層の上面に電鋳部を形成する工程と、基板から電鋳部、第1の金属層、第2の金属層、及び第3の金属層からなる電鋳物を分離する工程と、第3の金属層をエッチングにより除去する工程と、から構成されている。
まず、図9(a)に示すように、単結晶シリコンウエハからなる基板311上に基板311側からクロム、銅の2層からなる導電層312を形成する。次に、図9(B)に示すように、導電層312表面にポジ型フォトレジストを塗布し、露光、現像を順次行うことにより、文字、絵模様等所望とする開口パターンを有する厚み10μmの第1のレジスト層313を形成する。なお、導電層211は、クロム、または銅の単層でもよい。また、第1のレジスト層212は、ネガ型フォトレジストを用いてもよい。
次に、図9(c)に示すように、電気めっき法により7μmの厚みの銅めっきを第1のレジスト層313の開口部に施し、第3の金属層314を形成する。さらに、図9(d)に示すように、1μmの厚みの金めっきを第3の金属層314の上面に第2の金属層315として形成する。次いで、図9(e)に示すように、第1のレジスト層313をアルカリ性水溶液やアセトンのような有機溶剤等の剥離剤で剥離除去する。なお、第1のレジスト層313、第2の金属層315、及び第3の金属層314の厚さは、上記に記載した厚さに限定されるものではなく、第2の金属層315及び第3の金属層314が第1のレジスト層313より厚くなければよい。
図10(a)の電鋳型を形成する工程では、化学増幅型エポキシ系厚膜フォトレジストを塗布し、露光、加熱による硬化促進後、現像を行うことにより電鋳型316を形成する。電鋳型316の厚さは、機械式腕時計用歯車では、50μmから1mm程度となる。
次に、図10(b)の電鋳型内に第1の金属層を形成する工程では、電鋳型316の内部にある基板表面及び第2の金属層315の上面に、厚み0.1μmのロジウムめっきを行い、第1の金属層317を形成する。なお、第1の金属層は上記以外の厚さも形成可能である。
図10(c)の電鋳部を形成する工程では、第1の金属層317の上面に、ニッケル電鋳を行い、電鋳部318を形成する。必要に応じて研磨等により電鋳部318の厚さや表面状態の調整を行う。次に、図10(d)に示すように、基板311、導電層312および電鋳型316を除去することにより、電鋳部318、第1の金属層317、第2の金属層315、及び第3の金属層314からなる電鋳物319を得る。
次に、図10(e)に示すように、第3の金属層314である銅めっきをエッチングにより除去することにより、電鋳体320を得る。
このようにして作製された電鋳体320は、基板311側に接していた面には、凹部321を有し、且つ、第2の金属層315である金層が凹部321の底面のみに形成されている。また、凹部321が文字や模様となり、電鋳部318と第2の金属層315と第1の金属層317が異なった金属で構成されていることから装飾性や視認性に優れたものとなる。なお、電鋳部208、第1の金属層317、第2の金属層315、及び第3の金属層314は、異なる組成を有すればよく、例えば金、ニッケル、鉄や、またはこれらの合金を用いることができる。さらに、第1の金属層、及び第2の金属層は、装飾性を向上させるために例えば、ロジウムやルテニウムを用いることができる。
また、本実施形態では、各表面部の表面形態については、特に規定していないが、例えば、基板311の表面を鏡面とし、第3の金属層314である銅層を形成するに当たり、この銅めっきの表面の形態を梨地とすれば、第2の金属層315は、梨地形態の表面形態となり、第1の金属層は、導電層312と接する面でシリコン基板311の表面形態である鏡面を転写するので、鏡面状態を示す。凹部321の底面とこの凹部321以外の面で異なる表面形態を有する電鋳体320を得ることが出来る。
なお、本発明の電鋳体は、回転錘、歯車、がんぎ車、アンクル、てんわなどの時計部品を形成することが可能である。また、時計部品に限らず、微細部品や精密部品を形成することができる。
101、201、301 電鋳歯車
102、202、302 軸穴
103、203、303 歯車開口部
104、115、208、214、310、317 第1の金属層
105、205、305 歯先表面部
106、206、306 開口部縁部
107,207、307 文字パターン部
108、119、204、219、304、321 凹部
109、116、209、216、309 電鋳部
110、210、311 基板
111、211、312 導電層
112、212、313 第1のレジスト層
113、213、314 第3の金属層
114、215、316 電鋳型
117、217、319 電鋳物
118、218、320 電鋳体
308、315 第2の金属層

Claims (9)

  1. 第1の凹部を有する電鋳部と、
    少なくとも前記第1の凹部の底面に形成され、前記電鋳部と異なる組成を有し、前記第1の凹部を有する面と異なる平面上に形成された表面を有する第1の金属層と、
    を備えることを特徴とする電鋳体。
  2. 前記第1の金属層は、前記第1の凹部の底面及び側面と前記電鋳部の前記第1の凹部を有する面とを覆うことを特徴とする請求項1に記載の電鋳体。
  3. 第1の凹部を有する電鋳部と、
    前記第1の凹部の底面及び側面と前記第1の凹部を有する面とに形成され、第2の凹部を有し、前記電鋳部と異なる組成を有する第1の金属層と、
    少なくとも前記第2の凹部の底面に形成され、前記電鋳部及び前記第1の金属層と異なる組成を有し、前記第2の凹部を有する面と異なる平面上に形成された表面を有する第2の金属層と、
    を備えることを特徴とする電鋳体。
  4. 前記電鋳部の第1の凹部を有する面の表面形態が、前記第1の金属層又は前記第2の金属層の表面の表面形態と異なることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電鋳体。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の電鋳体からなる時計部品。
  6. 基板の導電性を有する表面に、パターンめっきにより第3の金属層を形成する工程と、
    前記表面に電鋳型を形成する工程と、
    前記電鋳型の内部の前記表面及び前記第3の金属層の上面に、前記第3の金属層と異なる組成を有する第1の金属層を形成する工程と、
    前記第1の金属層の上面に、前記第1の金属層及び前記第3の金属層と異なる組成を有する電鋳部を形成する工程と、
    前記基板及び前記電鋳型を除去する工程と、
    前記第3の金属層を除去する工程と、
    を備えることを特徴とする電鋳体の製造方法。
  7. 前記第3の金属層を形成した後、かつ前記電鋳型を形成する工程の前に、
    前前記第3の金属層の上面に、パターンめっきにより第2の金属層を形成する工程を備えることを特徴とする請求項6に記載の電鋳体の製造方法。
  8. 基板の導電性を有する表面に、パターンめっきにより第3の金属層を形成する工程と、
    前記第3の金属層の上面に、パターンめっきにより第1の金属層を形成する工程と、
    前記表面に電鋳型を形成する工程と、
    前記電鋳型の内部の前記表面及び前記第1の金属層の上面に、前記第1の金属層及び前記第3の金属層と異なる組成を有する電鋳部を形成する工程と、
    前記基板及び前記電鋳型を除去する工程と、
    前記第3の金属層を除去する工程と、
    を備えることを特徴とする電鋳体の製造方法。
  9. 前記基板の導電性を有する表面の表面形態が、前記第3の金属層の上面の表面形態と異なることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の電鋳体の製造方法。
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