JP2011086835A - 有機薄膜製造法及び該製造法を用いた有機薄膜と同該薄膜を用いた有機光電変換素子 - Google Patents

有機薄膜製造法及び該製造法を用いた有機薄膜と同該薄膜を用いた有機光電変換素子 Download PDF

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Abstract

【課題】高い変換効率を示す有機光電変換素子を提供する。
【解決手段】共役系高分子化合物の前駆体を、熱処理又は光処理によって不溶化することで表面22にまで至る空隙24が形成された共役系高分子化合物からなる薄膜20を得る工程を含む有機薄膜20の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、共役系高分子化合物からなる有機薄膜の製造方法及びその製造方法により得られた有機薄膜、並びにそれを用いた有機光電変換素子及びその製造方法に関する。
光電変換素子は、光信号を電気信号に変換するフォトダイオードや撮像素子、光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池に代表されるように、光入力に対して電気出力を示す装置であり、電気入力に対して光出力を示すエレクトロルミネッセンス(EL)素子とは逆の応答を示す装置である。中でも太陽電池は、化石燃料の枯渇問題や地球温暖化問題を背景に、クリーンエネルギー源として近年大変注目されており、研究開発が盛んに行なわれている。
太陽電池として、従来、実用化されてきたのは、単結晶Si、多結晶Si、アモルファスSi等に代表されるシリコン系太陽電池である。しかしながら、高価であることや原料Siの不足問題等が表面化してきた。このような背景の中で、有機太陽電池は、安価で毒性が低く、原材料不足の懸念もないことから、シリコン系太陽電池に次ぐ次世代の太陽電池として大変注目を集めている。
有機太陽電池は、基本的には電子を輸送するn層と正孔を輸送するp層からなる。
例えば、n層としてチタニア等の無機半導体表面にルテニウム色素等の増感色素を単分子吸着させ、p層として電解質溶液を用いたものは、色素増感太陽電池(所謂グレッツエルセル)と呼ばれ、変換効率の高さから、1991年以降精力的に研究されてきたが、溶液を用いるため、長時間の使用に際して液漏れする等の欠点を有していた。
そこでこのような欠点を克服するため、電解質溶液を固体化して全固体型の色素増感太陽電池を模索する研究も最近なされている。しかしながら、多孔質チタニアの細孔に有機物をしみ込ませる技術は難易度が高く、再現性よく高変換効率が発現できるセルは完成していないのが現状である。
一方、n層、p層ともに有機薄膜からなる有機薄膜太陽電池は、全固体型のため液漏れ等の欠点がなく、作製が容易であり、稀少金属であるルテニウム等を用いないこと等から最近注目を集め、精力的に研究がなされている。
有機薄膜太陽電池は、最初メロシアニン色素等を用いた単層膜で研究が進められてきたが、p層/n層の多層膜にすることで変換効率が向上することが見出され、それ以降多層膜が主流になってきている。このとき用いられた材料はp層は銅フタロシアニン(CuPc)、n層はペリレンイミド類(PTCBI)であった。
その後、p層とn層の間にi層(p材料とn材料の混合層)を挿入して積層を増やすことにより、変換効率が向上することが見出された。しかしこのとき用いられた材料は、依然としてフタロシアニン類とペリレンイミド類であった。またその後、p/i/n層を何層も積層するというスタックセル構成によりさらに変換効率が向上することが見出されたが、このときの材料系はフタロシアニン類とC60であった。また、高分子を用いた有機薄膜太陽電池では、p材料として導電性高分子を用い、n材料としてC60誘導体を用いてそれらを混合し、熱処理することによりミクロ層分離を誘起してヘテロ界面を増やし、変換効率を向上させるという、所謂バルクヘテロ構造の研究が主に行なわれてきた。
このように、有機薄膜太陽電池では、セル構成及び薄膜層モルフォロジーの最適化により変換効率の向上がもたらされてきたが、未だ十分なレベルにまで到達していないのが現状である。
特許文献1は、上述したヘテロ界面を増やす手法として、無機微粒子を用いる空孔性薄膜の形成方法を開示するが、この空孔性薄膜を成膜する際には約500度といった非常に高温の雰囲気下におく必要があるので、非常に高い投入エネルギーを要し、また、この高温の雰囲気下に耐え得る非常に限られた材料を用いる必要があった。
特開平01−220380号公報
本発明の目的は、光電変換素子に用いた場合に高い変換効率を示す有機薄膜及びそれを用いた有機光電変換素子、並びに、光電変換素子に用いた場合に高い変換効率を示す有機薄膜の製造方法及びそれを用いた有機光電変換素子の製造方法を提供することである。
本発明者らは、有機薄膜のモルフォロジーの最適化と前述の細孔に着目し、表面積の大きな有機薄膜及びその製造方法について鋭意検討した結果、本発明に至った。
本発明によれば、以下の有機薄膜の製造方法及びその製造方法により得られた有機薄膜、並びにそれを用いた有機光電変換素子及びその製造方法が提供される。
1.共役系高分子化合物の前駆体を、熱処理又は光処理によって不溶化することで表面にまで至る空隙が形成された共役系高分子化合物からなる薄膜を得る工程を含む有機薄膜の製造方法。
2.前記共役系高分子化合物は、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリチエニレンビニレン、ポリアセチレン、ポリアニリン又はこれらの誘導体である1に記載の有機薄膜の製造方法。
3.前記空隙の前記表面における大きさが、0.01〜10μmである1又は2に記載の有機薄膜の製造方法。
4.1〜3のいずれかに記載の方法により得られた有機薄膜。
5.4に記載の有機薄膜を有する有機光電変換素子。
6.前記空隙に、前記共役系高分子化合物とは逆の電荷輸送能を有する材料を含む5に記載の有機光電変換素子。
7.有機太陽電池である5又は6に記載の有機光電変換素子。
8.4に記載の有機薄膜の空隙に、前記共役系高分子化合物とは逆の電荷輸送能を有する材料を含ませる工程を含む有機光電変換素子の製造方法。
本発明によれば、光電変換素子に用いた場合に高い変換効率を示す有機薄膜及びそれを用いた有機光電変換素子が得られる。
本発明の有機薄膜を用いた有機光電変換素子を模式的に示す断面図である。 吸収特性と吸収端波長(λedge)を例示する図である。 実施例1における熱処理前後の有機薄膜表面のAFM図である。 実施例1,2,3、比較例1における熱処理前後の有機薄膜の光吸収特性を示す図である。
本発明の有機薄膜は、共役系高分子化合物の前駆体を熱処理又は光処理によって不溶化することで得られる。不溶化は、熱処理又は光処理により、例えば前駆体内に二重結合が形成されることで実現される。
前駆体としては、溶液プロセスで成膜可能な有機半導体材料等が挙げられ、例えば、ポリフェニレンビニレン(PPV)、ポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリチエニレンビニレン、ポリアセチレン、ポリアニリン等の共役高分子やその誘導体等の前駆体が挙げられる。
このような前駆体は溶媒に対する溶解性が高い。
具体的な溶解性の程度は溶媒の種類等によるが、25℃における溶解性は、通常0.1g/L以上、好ましくは0.5g/L以上、より好ましくは1g/L以上である。尚、上限に制限はないが、通常100g/L以下である。
溶液プロセスで用いる溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン系炭化水素系溶媒や、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶媒、メタノールやエタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ヘキサン、オクタン、デカン、テトラリン等の炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶媒等が挙げられる。なかでも、炭化水素系溶媒又はエーテル系溶媒が好ましい。また、これらの溶媒は単独で使用しても複数混合して用いてもよい。尚、使用可能な溶媒は、これらに限定されるものではない。
不溶化処理は熱処理又は光処理であり、好ましくは熱処理である。不溶化処理は、例えば前駆体を塗布法により成膜した後に行う。
熱処理条件は特に限定されるものではない。また、熱処理温度は不溶化反応が進行する限り制限はないが、通常100℃以上、好ましくは150℃以上である。温度が低すぎると、変換に時間がかかり、実用上好ましくなくなる可能性がある。上限は任意であるが、通常400℃以下、好ましくは300℃以下である。温度が高すぎると分解の可能性があるためである。加熱時間は反応が進行する限り制限はないが、通常10秒以上、好ましくは30秒以上、また、通常100時間以下、好ましくは50時間以下である。加熱時間が短すぎると変換が不十分となる可能性があり、長すぎると実用上好ましくなくなる可能性がある。
熱処理雰囲気は反応が進行する限り制限はないが、ガス置換雰囲気であることが好ましい。この際に用いることができるガスの種類としては、例えば、水素、窒素、希ガス等が挙げられる。尚、置換ガスは、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
光処理は、例えば紫外線光や太陽光照射等、波長400nm以下の光成分を有する光源より光照射する。なお、この光処理と上述した熱処理とを組み合わせても良い。
本発明の有機薄膜を構成する共役系高分子化合物は、上記処理により有機溶媒に不溶化される。
有機溶媒としてはテトラヒドロフラン(THF)、クロロベンゼン、クロロホルム、アセトン等が挙げられる。
不溶化とは、前駆体より溶解性が低下することであり、処理後の溶解性の程度は溶媒の種類等によるが、例えば、25℃における溶解性が0.05g/L以下、好ましくは0.01g/L以下である。
本発明の有機薄膜は、共役系高分子化合物からなり、その表面にまで至る空隙を有する。空隙は空間のままでもよいし、共役系高分子化合物以外の材料で埋まっていてもよい。
図1に、本発明の有機薄膜を用いた有機光電変換素子の模式的な断面を示す。有機光電変換素子1は、下部電極10と上部電極40の間に、N型有機薄膜30と、本発明の有機薄膜20を有する。有機薄膜20は、その一表面22から内側に多数の空隙24がある。空隙24はN型有機薄膜30の形成材料で埋まっている。
空隙の大きさは、好ましくは0.01〜10μmであり、より好ましくは0.05〜5μmである。空隙の大きさとは、有機薄膜の表面における空隙の2点を結ぶ最も長い長さのことである。
共役系高分子化合物としては、例えば、ポリフェニレンビニレン(PPV)、ポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリチエニレンビニレン、ポリアセチレン、ポリアニリン及びこれらの誘導体等の共役高分子が挙げられる。例えば、炭素数1〜10のアルコキシで置換されたポリフェニレンビニレン等である。
共役系高分子化合物は、特に限定されないが、好ましくは重量平均分子量Mwが5×10〜10である。
本発明の有機光電変換素子は、上記の有機薄膜を有する。本発明の有機光電変換素子の一実施形態を図1に示す。
有機光電変換素子のセル構造は、一対の電極間に活性層(p、n又はi層)を有する構造であれば特に限定されない。好ましくは活性層の少なくとも一層が本発明の有機薄膜であり、より好ましくはp又はn層、特に好ましくはp層が本発明の有機薄膜である。
具体的なセル構造としては、安定な絶縁性基板上に下記の構成を有する構造が挙げられる。
(1)陽極/p層/n層/陰極
(2)陰極/n層/p層/陽極
(3)陽極/p層/i層(p材料とn材料の混合層)/n層/陰極
また、必要に応じて、電極と有機層の間にバッファー層を設けてもよい。例えば、上記構成(1)にバッファー層を設けた場合、下記構成を有する構造が挙げられる。
(4)陽極/バッファー層/p層/n層/陰極
(5)陽極/p層/n層/バッファー層/陰極
(6)陽極/バッファー層/p層/n層/バッファー層/陰極
[電子供与性材料(p材料)]
電子供与性材料は、p層及び混合層で使用される。正孔受容体としての機能を有する化合物であり、正孔移動度が高い材料が好ましい。具体的には、正孔移動度は、10−6cm2/V・s以上である。
電子供与性材料としては、例えば、アミン化合物、フタロシアニン類、ポルフィリン類、その他公知の高分子類等が挙げられる。
p層を形成する有機化合物のエネルギーギャップEgは、好ましくはEg≦3eVであり、より好ましくはEg≦2.5eVである。p層を形成する有機化合物がEg≦3eVを満たすことにより、動作過程における光吸収をより増加させることができる。
例えば太陽光は、紫外から可視域、さらには赤外以上の長波長域にわたる広波長域スペクトルを有し、特に500〜700nm域のスペクトル強度が強いので、p層を形成する有機化合物が上記の条件を満たすことにより、太陽光をより効率的に吸収できる。
尚、分光装置(例えば島津製作所製UV−3100)を用いることで、例えば図2の吸収特性が得られる。Eg値は、図2に図示するλedge(吸収端波長)から算出できる。
ただし吸収特性の測定方法は上記測定法に限定されない。用いる有機化合物や他の条件により、上記測定法に準じた種々の分析方法で各パラメータを決定できる。
[電子受容性材料(n材料)]
電子受容性材料は、n層及び混合層で使用される。電子受容体として機能する有機化合物は、好ましくは電子の移動度が高い材料又は電子親和力が小さい材料である。電子親和力の小さい材料をn層に用いることで充分な開放端電圧を実現することができる。また、好ましくは、n層の化合物のイオン化ポテンシャルは、隣接する不溶性有機薄膜層のイオン化ポテンシャルより大きい。
上記の電子受容体として機能する有機化合物として、C60、C70等のフラーレン誘導体、カーボンナノチューブ、以下に示すPCBM等が挙げられる。
また、n型特性無機半導体化合物としては、n−Si、GaAs、CdS、PbS、CdSe、InP、Nb,WO,Fe等のドーピング半導体及び化合物半導体;二酸化チタン(TiO)、一酸化チタン(TiO)、三酸化二チタン(Ti)等の酸化チタン;及び酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等の導電性酸化物が挙げられる。上記n型特性無機半導体化合物は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよく、好ましくは酸化チタンを用い、特に好ましくは二酸化チタンを用いる。
[電極]
有機光電変換素子の一対の電極(陰極及び陽極)は、いずれか一方が光を透過する電極であればよく、例えば一対の電極の少なくとも一方が波長300〜800nmの光に対する透過率が10%以上である。尚、電極の透過率は透過率測定装置(例えば分光装置(島津製作所製UV−3100))により測定することができる。
陰極及び陽極は、公知の導電性材料からなる電極を用いることができる。
p層と接続する電極(陽極)としては、例えば錫ドープ酸化インジウム(ITO)、酸化インジウム亜鉛、金(Au)、オスミウム(Os)、パラジウム(Pd)等の金属からなる電極が使用できる。
n層と接続する電極(陰極)としては、例えば銀(Ag)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、カルシウム(Ca)、白金(Pt)、リチウム(Li)等の金属からなる電極、Mg:Ag、Mg:In、Al:Li等の二成分金属系からなる電極、さらには、上述した陽極の例示材料が使用できる。
高効率の光電変換特性を得るためには、有機光電変換素子の少なくとも一方の電極は、太陽光スペクトルに対して充分透明にすることが望ましい。上記透明電極は、公知の導電性材料を使用して、蒸着やスパッタリング等の方法で所定の透光性が確保されるように形成する。
一対の電極は、電極の一方が仕事関数の大きな金属を含み、他方が仕事関数の小さな金属を含むと好ましい。
[バッファー層]
有機光電変換素子は、一般に総膜厚が薄い場合が多いく、陰極及び陽極が短絡して、セル作製の歩留まりが低下することがある。このような場合、バッファー層を積層することでこれを防止することができる。
バッファー層に用いる材料としては、膜厚を厚くしても短絡電流が低下しないようにキャリア移動度が充分に高い化合物が好ましい。例えば、低分子化合物であれば下記に示すNTCDAに代表される芳香族環状酸無水物等が挙げられ、高分子化合物であればポリ(3,4−エチレンジオキシ)チオフェン:ポリスチレンスルホネート(PEDOT:PSS)、ポリアニリン:カンファースルホン酸(PANI:CSA)等に代表される公知の導電性高分子等が挙げられる。
(式中、n、mは繰り返し数である。)
バッファー層は、励起子が電極まで拡散して失活してしまうのを防止する役割を持たせることも可能である。このように励起子阻止層としてバッファー層を挿入することは、高効率化のために有効である。励起子阻止層は陽極側、陰極側のいずれにも挿入することができ、両方同時に挿入することも可能である。
励起子阻止層の好ましい材料としては、例えば有機EL素子用途で公知な正孔障壁層用材料又は電子障壁層用材料等が挙げられる。正孔障壁層として好ましい材料は、イオン化ポテンシャルが充分に大きい化合物であり、電子障壁層として好ましい材料は、電子親和力が充分に小さい化合物である。
具体的には、有機EL素子用途で公知な材料であるフェナントロリン誘導体、具体的にはバソクプロイン(BCP)、バソフェナントロリン(BPhen)等が陰極側の正孔障壁層材料として挙げられる。
上記化合物のほか、バッファー層の材料として、上記n層材料として例示した無機半導体化合物を用いてもよく、また、p型無機半導体化合物であるCdTe、p−Si、SiC、GaAs、WO等も用いることができる。
[基板]
基板は、機械的、熱的強度を有し、透明性を有する基板が好ましく、例えばガラス基板及び透明性樹脂フィルムが挙げられる。
上記透明性樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド等が挙げられる。
[作製方法]
本発明の有機光電変換素子の共役系高分子化合物からなる有機薄膜以外の他の層の作製方法は、特に限定されない。具体的には、真空蒸着、スパッタリング、プラズマ、イオンプレーティング等の乾式成膜法やスピンコーティング、ディップコート、キャスティング、ロールコート、フローコーティング、インクジェット等の湿式成膜法を適用することができる。好ましい形成方法は、真空蒸着法である。
乾式成膜法の場合、公知の抵抗加熱法が好ましい。この抵抗加熱法とは、具体的には、加熱源が金属又はセラミックスのヒーターであって、電流を流すことで加熱するものである。また、混合層を形成する際には、例えば、複数の蒸発源からの同時蒸着による成膜方法が好ましい。
また、本発明の有機薄膜とは逆の電荷輸送能を有する材料を含有した液体にこの有機薄膜を含浸させ乾燥することで、逆の電荷輸送能を有する材料の層を形成することもできる。例えば、本発明の有機薄膜でp層を形成した場合、この薄膜を有する基板をn材料の溶液中に含浸させ、その後基板を引き上げ乾燥させる。
各層の膜厚は特に限定されないが、適切な膜厚に設定できる。一般に有機薄膜の励起子拡散長は短いことが知られており、膜厚が厚すぎると励起子がヘテロ界面に到達する前に失活してしまうため、内部抵抗が高くなり、光電変換効率が低くなるおそれがある。このため、通常の各層の膜厚はそれぞれ1nm〜10μmの範囲が適しているが、5nm〜0.2μmの範囲が好ましい。
また、各層は、耐久性向上等必要により、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等の添加剤を含有してもよい。
[薄膜の作製]
実施例1
25mm×75mm×0.7mm厚のガラス基板をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間実施した。
この洗浄後の基板へ、PEDOT:PSS(アルドリッチ製)を1000rpm30秒で成膜し、80℃10分で乾燥させた。その成膜基板上にpre−MH−PPVをクロロホルムに溶解した溶液を塗布後、以下のようにして不溶化処理を行い、MH−PPVの薄膜を形成した。
窒素雰囲気下で設定温度100℃にし、10分間温度保持後、窒素99%塩化水素1%の混合ガスを10分間流した。この後、再び、窒素ガスを流して窒素雰囲気下にした後、加熱を停止し、50℃以下まで冷却した。
この薄膜表面をAFM(原子間力顕微鏡)観察し、その空隙のサイズを測定した。結果を図3に示す。なお、図3における黒い領域が空隙である。
観察面積は4×4μm、10×10μmであり、空隙のサイズは0.5〜3μmであった。
この薄膜上に、アセトンを滴下したが肉眼にて膜が溶解する様子(以下、変化と言う)は観察されなかった。
実施例2
不溶化処理の処理温度を150℃にした以外は、実施例1と同様にして有機薄膜を作製、評価した。
この薄膜上に、アセトンを滴下したが肉眼にて膜の変化は観察されなかった。
実施例3
不溶化処理の処理温度を200℃にした以外は、実施例1と同様にして有機薄膜を作製、評価した。
この薄膜上に、アセトンを滴下したが肉眼にて膜の変化は観察されなかった。
実施例1〜3の有機薄膜の吸収特性の測定結果を図4に示す。Egはいずれも2.25eV(550nmの光エネルギーに相当)以下であることが分かる。
実施例4
pre−MH−PPVを下記の化合物1にし、不溶化処理の熱処理を200℃で15分間とした以外は実施例1と同様にして下記化合物2の薄膜を作製、評価した。
この薄膜上に、アセトンを滴下したが、肉眼にて膜の変化は観察されなかった。空隙のサイズは1〜3μmであった。
[有機太陽電池の作製]
実施例5
ガラス基板をITO付ガラス基板へ変更した以外は実施例1と同様に有機薄膜を作製した。
上記基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、化合物C60を1Å/sで抵抗加熱蒸着し、膜厚60nmのn層を形成し、その上に化合物BCPを1Å/sで抵抗加熱蒸着し、10nmの正孔障壁層(バッファー層)を形成した。最後に、連続して対向電極(陰極)として金属Alを膜厚80nm蒸着させ、有機太陽電池を形成した。素子面積は0.05cmであった。このように作製された有機太陽電池をAM(エアマス)1.5(光強度100mW/cm)でI−V特性を測定した。得られた開放端電圧(Voc)、短絡電流密度(Jsc)、曲線因子(FF)、変換効率(η)を表1に示す。
実施例6
n層の形成工程を以下のように変更し、その後真空蒸着装置の基板ホルダーに装着した他は実施例5と同様にして有機太陽電池を形成し評価した。
有機薄膜を形成した基板をn型半導体であるPCBMの溶液に含浸させ、その後、基板を引き上げ、60℃の乾燥窒素中で20分乾燥した。
結果を表1に示す。
実施例7
有機薄膜を形成した基板を実施例4で作製したものにし、ガラス基板をITO付ガラス基板へ変更した他は実施例6と同様にして有機太陽電池を形成し評価した。結果を表1に示す。
比較例1
不溶化処理を行わなった他は実施例5と同様にして有機太陽電池を形成し評価した。結果を表1に示す。
この薄膜上に、アセトンを滴下したところ、溶解した。
比較例2
pre−MH−PPVの代わりにMEH−PPV(アルドリッチ製、Mw=86000)を用い、MEH−PPVのクロロホルム溶液をスピンコートするこによって成膜した(すなわち不溶化処理工程を実施しなかった)他は実施例6と同様にして有機太陽電池を形成し評価した。結果を表1に示す。
実施例8
実施例6で得られた有機太陽電池を暗幕で完全に被い、1.1Vの電流を印加したところ、電流密度値は1.03mA/cmであった。この素子へITO側より波長480nmの光(光量30mW/cm)を照射した。
この結果、電流密度値は1.66mA/cmへ増加した。
実施例6で得られた有機太陽電池を暗幕で完全に被い、1.0mA/cmの電流を印加したところ、電圧値は1.08Vであった。この素子へITO側より擬似太陽光源にて光量100mW/cmを照射したところ、電圧値は0.95Vへ低下した。
上記の結果から、実施例6の太陽電池は光センサーシステムとして機能し、良好な光電変換素子であることがわかった。
本発明の有機光電変換素子は、例えば、有機薄膜太陽電池、フォトダイオード、撮像素子として使用できる。また、有機薄膜太陽電池は、時計、携帯電話及びモバイルパソコン等の各種装置、電化製品の電源として使用できる。

Claims (8)

  1. 共役系高分子化合物の前駆体を、熱処理又は光処理によって不溶化することで表面にまで至る空隙が形成された共役系高分子化合物からなる薄膜を得る工程を含む有機薄膜の製造方法。
  2. 前記共役系高分子化合物は、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリチエニレンビニレン、ポリアセチレン、ポリアニリン又はこれらの誘導体である請求項1に記載の有機薄膜の製造方法。
  3. 前記空隙の前記表面における大きさが、0.01〜10μmである請求項1又は2に記載の有機薄膜の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の方法により得られた有機薄膜。
  5. 請求項4に記載の有機薄膜を有する有機光電変換素子。
  6. 前記空隙に、前記共役系高分子化合物とは逆の電荷輸送能を有する材料を含む請求項5に記載の有機光電変換素子。
  7. 有機太陽電池である請求項5又は6に記載の有機光電変換素子。
  8. 請求項4に記載の有機薄膜の空隙に、前記共役系高分子化合物とは逆の電荷輸送能を有する材料を含ませる工程を含む有機光電変換素子の製造方法。
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