JP2011086024A - 数値木型による成形加工シミュレーションシステム及び記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、圧延、ロール成形、鍛造、プレス成形、押出し、引抜、鋳造、射出成形、ダイキャスト成形などの主に金属材料の成形加工プロセスのコンピュータシミュレーションにおいて、成形工具の有限要素メッシュを直感的かつ簡便に生成する。
【解決の手段】成形体の形状と、少なくとも成形体が接する領域を含む工具の合わせ面の間隙の部分空間形状を合成して仮想モデルである数値木型を生成する工程、数値木型の表面形状を工具の合わせ面の間隙の領域で分離して数値工具を生成する工程、数値工具の表面を複数の多角形またはポリゴンに分割して工具の有限要素データを生成する工程を有することを特徴とする。
【選択図】図6
【解決の手段】成形体の形状と、少なくとも成形体が接する領域を含む工具の合わせ面の間隙の部分空間形状を合成して仮想モデルである数値木型を生成する工程、数値木型の表面形状を工具の合わせ面の間隙の領域で分離して数値工具を生成する工程、数値工具の表面を複数の多角形またはポリゴンに分割して工具の有限要素データを生成する工程を有することを特徴とする。
【選択図】図6
Description
本発明は、圧延、ロール成形、鍛造、プレス成形、押出し、引抜、鋳造、射出成形、ダイキャスト成形などの主に金属材料の成形加工プロセスのコンピュータシミュレーションにおいて、仮想的な数値木型を用いて成形工具の有限要素メッシュを直感的かつ簡便に生成する技術に関する。
自動車部品などの製品開発業務のPDM(Product Data Management)は、三次元CADを利用して組み立て状態図を部品図の集合として一元管理するため、部品の変更点を組み立て状態に反映して製品機能まで評価する。
また、最近のCAE(Computer
Aided Engineering)はCAD(Computer Aided Design)の形状データからFEM(finite elment method)即ち有限要素法のメッシュを自動生成するため、PDMの製品機能評価手段としてコンカレント開発に寄与する。
Aided Engineering)はCAD(Computer Aided Design)の形状データからFEM(finite elment method)即ち有限要素法のメッシュを自動生成するため、PDMの製品機能評価手段としてコンカレント開発に寄与する。
CAEは非特許文献1、CADは非特許文献2)、FEMは非特許文献3)および非特許文献4)、PDMは非特許文献5)を参照のこと。
例えば、1980年代から1990年代の新型の自動車の開発期間は約4年の周期であった。自動車はデザインの良否で販売台数が大幅に変化する。斬新なデザインは製品の市場投入時には新鮮な印象を顧客に与えて販売に好影響するが、数年の間に急速に飽きられてしまいモデルチェンジの前には販売台数が激減することがしばしばあった。そのため、販売開始から2年程度でデザインをマイナーチェンジして、その後は低価格設定にして顧客の関心を再度喚起する対策が施されていた。
2000年代には、顧客のデザインに関する嗜好が多様化し、また製品のトレンドが目まぐるしく変化するようになった。そのため、製品の開発期間を1年弱程度まで短縮して顧客のトレンドと設計のコンセプトの乖離を最小化する必要性が生じたが、これをコンカレント開発などの生産システムの革新により実現することに成功した。
コンカレント開発では、主な設計を二次元の紙による図面から、三次元のCADによるデジタルデータに変更し、これをデータベースに登録して管理する。その際、個々の部品のデジタルデータがあればこれを計算機で編集して短時間に組み立て図に変換する。
自動車は1万点程度の部品により構成されるので、個々の部品の設計が変更されると組み立て図に組み込んで干渉など他の部品などに影響しないか検査される。上記のコンカレント開発では部品のデジタルデータファイルを差し替えることにより、自動的に組み立て図に変更を反映できるので、システムの干渉シミュレーション機能を用いることにより瞬時に検査を行うことが可能である。
例えば、自動車の外板はデザイン重視の観点から複雑で精度の高い曲面が用いられる。従来、クレイモデルを作成して塗装など施した後、種々の環境下で見栄えが検査され、不良部はクレイモデルを再修正することで仕上げていた。
このようにして得られた曲面形状を3次元の形状測定器で細かく計測して金型製造のCAMデータに変換していた。CAMで金型を試作してプレス成形を行い、実物の外板パネルで割れや皺などの有害な欠陥が発生しないかや狙いのデザインの効果が達成されたかなどの見栄えの検査を実施していた。
CAEでは外板の見栄えのチェックはCGのレンダリング機能により、各種の環境下のライティングで検査できるようになった。例えば、計算機の高速化、高性能化により光線追跡法(レイトレーシング)などの高精度なシミュレーションを容易に実施できる。
板金の金型プレス成形のCAEでは動的陽解法FEMが改良されて、成形荷重や成形中に板や工具に生じるひずみ、応力などが求まるようになった。また、面外変形や型から成形材の取り外しにより生じるスプリングバックと呼称される弾性変形なども再現できるようになった。
CAEでは実際に用いる金型形状をできるだけ忠実に再現することにより、割れや皺などの有害な欠陥の発生箇所やその程度を精度良く予測できるようになった。また、実際の工場で調整されるビードや皺押さえなどの形状を金型のデジタルデータファイルに反映することにより、設計の段階で最適化を実施できる。
このように、CAEなどのシミュレーションを利用することにより、製品の設計の段階で下工程の各種の検査が比較的容易に実施できるようになると、製造工程の技術者が上工程の設計室で工程最適化や検査作業を行うようになった。
このようなコンカレント開発では、設計データに対して下工程で発生する各種の正常な操業実績や突発的な異常現象などが計算機のデータベースに蓄積される。これらのデータは次の製品の設計に反映されるので、設計システムは使用回数が増加するほど信頼性の高いシステムに発展する。
従って、コンカレント開発では信頼性の高い設計システムを活用して製品の設計段階で製品の製造工程まで詳細に平行作業として検討するので、開発期間を従来のシーケンシャルな開発に比べて大幅に短縮可能である。
但し、CADのデジタルデータファイルをそのままCAEの入力データとして利用することは出来ない。CAEでは通常は有限要素法が適用されるので、有限要素法の入力データに変換しなければならない。例えば、外板などの板金の金型プレス成形CAEではCADで生成した金型の加工面を三角形などの有限要素メッシュに分割して工具の有限要素データファイルに変換しなければならない。また、素材の板金も各部で異なる変形状態を正確に表現するためにひずみの集中する部分の要素密度を大にすることが重要である。要素密度を大にすることで離散化誤差を低減して解析の信頼性を向上する。そのためには、数万から数数百万の要素が必要とされる。
このような膨大なデータの処理を人間が手動で行うことは困難であるから、通常CAEは部品のデジタルデータファイルを有限要素のデータに変換するプリ処理機能が備わる。しかし、計算機による自動データ変換処理だけでは不備な点があり、データ変換プログラムに読み込む入力パラメータを種々に最適化して、実用的な計算処理を行う。
また、有限要素解析では要素の節点に種々の境界条件を設定して製造工程の条件を模擬する。例えば、素材板の変形状態が実際の工場の工程を再現するために金型と素材板の接触面の摩擦力を合わせ込む必要がある。同様に、絞りビードに作用する加工力を摩擦係数やビード形状などで合わせ込む。
更に、動的陽解法FEMでは解析時間を短縮化して許容可能な解析処理時間とするために、慣性力に関する素材質量を仮想的な値に故意に設定する。これらの入力データの作成には、オペレータに多くの経験と技能を要求するとともに、解析結果が妥当か否かを的確に判断して設計に有用な情報を得るには天性の才能も必要である。
従って、従来のクレイモデルで作業者に一流の職人芸的なスキルが要求されるように、計算機シミュレーションにおいても、デジタルマイスターなどと呼称される熟練のオペレータが必要になる。デジタルマイスターは大学や専門機関で情報工学の基礎を学んだ後、セミナーやOJTにより生産業務を経験することによってスキルを身につける。従って、優秀なオペレータを養成するには多大な人件費、教育費、教育期間が必要になる。
1990年代には多くの成形加工シミュレーションが研究の対象であった。2000年代に主に海外の大学や研究機関において汎用のシミュレーション用ソフトウェアとして製品化されて、漸く生産現場で実用化されるようになった。
そのため、個々の製造現場の各種現象を予測するためには、未だに研究領域に近い高度なスキルが必要である。
自動車メーカーのように高価で大規模な設備を有効に利用するための計算機シミュレーションを実施する場合では、工程の無駄を省くことで十分に採算がとれる可能性がある。また、同業他社を差別化するために付加価値の高い製品を製造する場合には、必須のツールとなりつつある。
一方、自動車メーカーを頂点にピラミッド型の関連企業が全世界的に展開している。冒頭に記述した製品開発業務のPDMはインターネットや専用回線によって全世界的に企業間、企業内の高付加価値通信網が構築される。三次元CADシステムを統一して、種々のデータをデータベースに登録しておけば、各社や各部署で同じ情報を共有することができる。
これにより、世界中の現場や工場で工夫された技術や付加価値の高い部品などが多面的に比較検討される。生き残ったベストプラクティスの技術が選択採用され瞬時のうちに世界中に技術伝播する。いわゆるデファクトスタンダードなどの規格もベストプラクティスが製品市場に定着したものと解釈される。
自動車部品は外板のような大型部品からネジなどの小物部品まで種々の寸法、形状、材質、機能のものがある。エンジンや足回りの部品には小物が多く、これらは棒材や線材を鍛造加工して製造する場合がある。鍛造メーカーは20人以下の小さな町工場が多く、デジタルマイスターを雇用できないため三次元CADシステムを活用できない。
このような場合に、三次元CADシステムの優れた機能の一つである二次元図面への変換機能が利用される。これは、三次元モデルを正面図、平面図、側面図として平行投影するもので、投影図を印刷して設計図面を生成する。
自動車メーカーは町工場に対して設計図面、素材、金型などを支給して成形加工を委託し、これらの支給品を用いて加工された製品は委託元の自動車メーカーに購入される。1990年代以前とほぼ同様の生産システムであり、鍛造メーカーは決められた日時に決められた量の製品を製造して依頼元の自動車メーカーの工場に納入する。
但し、かつて自動車業界が発展途上の時期には、町工場でも金型を設計、製造して同業他社よりも優れた品質の製品をより安価に製造する技術開発が実際の生産設備を用いて行われていた。しかしながら、自動車業界が発展して技術革新のシーズが相対的に減少するなかで、在庫削減のため製品の製造、管理、納入時期などが依頼元により厳しく管理されるようになる。
この場合、工場の設備が空きの状態でも試作試験による不慮の設備故障を警戒して生産設備を用いた試作試験が排除される。万が一の設備故障などにより鍛造製品がショートした場合に自動車メーカーの生産に影響する深刻な事態に繋がるからである。
また、一時期3K職場などとして鍛造工場に若手が就職しない状況が発生し、ベテランが年々老齢化するために技術伝承がうまくできない状況が発生した。そのため、支給された材料や金型で生産するだけで手一杯となり、金型の設計、製作を金型メーカーに委託する形態が定着した。
更に、自動車産業のグローバル化に伴って東欧や中国、インドなどに工場が建設され、鍛造メーカーや金型メーカーも海外に進出するようになった。現地の工場で技術者を育成すると彼らがスピンアウトしてローカル企業に技術が流出するようになり、日本のお家芸であった高精度の金型技術が海外企業によりキャッチアップされるようになった。
このような海外企業の技術競争力の向上の影響で、日本の鍛造メーカーや金型メーカーが技術競争だけでは必ずしも優位を確保できない状況を生じるようになった。資本力や技術力のある国内メーカーは海外企業と技術提携や資本提携を行ってグループ化することにより優位性を模索する状況が発生した。
国内の大手金型メーカーは近代的な優れた加工設備を設置するとともに、自社に鍛造工場を併設して、鍛造工程全般の技術開発を行うようになった。実生産することで金型の耐久試験を行って設計技術に反映することができる。また、金型技術を核にして生産性に優れた鍛造設備やシステムを開発して顧客に技術提供することも可能である。
金型設計に関して、塑性加工では材料非線形性や接触非線形性のため材料の挙動が予測困難であり、新規の金型の設計を1回だけで完了することは難しい。成形体の寸法・形状に誤差を生じて、欠陥発生や型寿命の低下などが問題になる。そこで、試作用の型を作成して欠陥が発生した場合は、再度設計を行って問題を改善する。複雑な型では試行錯誤が繰り返し行われるため、開発期間の延長やそれに伴うコストの増大が問題になる。
欧米では、型設計の試行錯誤を計算機シミュレーションで行うことにより、設計を合理化する技術の開発が実施された。所謂CAEであり、三次元CADで生成した三次元の型および素材のデジタルモデルから有限要素メッシュを生成して入力データにする。
その際、一般的に四面体要素が生成されるので、これを用いた塑性加工シミュレーションの開発が米国の大学関係のベンチャー企業で開始された。この技術の開発は困難性が高く、ビジネスとして成功したのは2000年頃である。
金型メーカーは研修生を海外の大学に派遣して塑性加工のCAE技術の導入を行った。金型メーカーでは鍛造などの金型設計技術を中心に鍛造工程の設計も手がけていたので、多くの非線形性に由来する鍛造欠陥や型寿命低下の発生機構についての知識を蓄積していた。従って、これらをCAEで検証すれば、計算機上での設計の試行錯誤に直接利用できる。
自社の鍛造工場でシミュレーションとの合わせ込みを行うことにより、設計のノウハウが蓄積され、やがて強力な手法として認識されるようになった。
このような、総合力が自動車メーカーの信頼性を得ることになり、鍛造シミュレーションシステムの代理販売と、シミュレーション技術のコンサルティングを行うようになった。
但し、解析に用いるプログラムは主に海外の大学や研究機関により開発されたものである。販売代理店はインターフェースやマニュアルなどに独自の工夫を行うこともあるが、プログラムそのものの開発を行うことは殆どない。従って、国内の顧客の高度なニーズに対する製品の改造などを開発元に依頼するため、レスポンスが遅くなる場合があった。
三次元CADシステムまたはCAEに付属の簡易CADシステムのインターフェースによるプリ処理が採用されており、オペレータには高度な知識とスキルが要求される。そのため、大企業や大学、研究機関などで利用されたが、町工場ではオペレーターを確保できないので三次元CADが採用できない問題があった。
近年、大学などで高価な三次元CADが教育用に50台程度導入され、町工場などの技術者を対象にCADや構造解析の研修会が開催されつつある。但し、市販のCADは機能が洗練されて完成しているので日本の大学における基礎研究開発の対象にはならず、また大学の教官が日頃からCAD操作を行うこともない。従って、現状の研修会はあくまでも三次元CADの導入研修であり、実際のCADシステムの操作練習を目的にしている。
上記のCAD講習会のシミュレーションでは、設計した装置の強度や質量配分などの予測をCAD付属の解析プログラムで実行する。但し、汎用のカリキュラムでは各研修生の所属する工場の設計の実情に必ずしも適合する訳ではなく、また各研修生が独自に自社工場に応用するにはハードルが高い。
また、各種の学協会で計算機シミュレーションを専門にする分科会が中心となって定期的に有限要素法の理論や周辺技術に関する講習会を開催している。この場合も入門者を対象とする場合が殆どで、実習の教材もCADを使用しないプリミティブなものが利用される場合が多い。この場合、三次元CADとの連携による実用的なシミュレーションシステムを利用できないので、実用という観点から離れている。
三次元CADは資格試験が存在し、これらの資格を有する者は就職が有利になる場合もある。このことからも分かるように、CADの基本操作自体が難しい。これは三次元CADにおいて三次元の空間把握能力が要求されるだけでなく、メーカーの製品毎に定義される操作体系の複雑さによると思われる。CADメーカーは顧客の囲い込みとして自社製品の操作性を他社と積極的に差別化する傾向であり、国際規格化などで一部改善はあるものの本質的に顧客の混乱は避けられないようである。
現状の三次元CADはソリッドモデルを発展させたB−REPとしてパラメトリック・フィーチャーモデルが採用されている。これは通常の三次元幾何学の理論だけで自然に理解できるものではなく、極めて精緻な人口的創造物である。
パラメトリック・フィーチャーモデルはCADメーカーで発展したモデルなのでロジックや実装に不明点が多い。CADのマニュアルの理解が必要であるが、大規模なオブジェクト指向プログラムなので、操作が出来るようになるまでかなりの時間がかかる。
また、三次元CADはパラメトリックな寸法定義機能を用いることにより、同じ製品系列の場合にはパラメータの変更で既存デジタルデータの再利用が可能となる。但し、一般に同じ製品を対象に三次元CADでモデル化する際に、複数の手法が選択可能である。
例えば、人の頭部をモデル化する際に、プリミティブとして球体、楕円体、円柱体など所望のものを採用して、これをCADで操作・処理することで同様のモデルを生成することができる。生成した頭部を例えば猿のものに変更して再利用する場合には、プリミティブに依存して再利用性が変化する。
初期に再利用を考慮しない場合は、それらの手法の多くは結果的にパラメトリックな寸法定義機能を無視するので、寸法・形状の変更修正が困難化する。従って、最初からプリミティブを生成しなおす方が簡単な場合がある。小規模企業ではこのようなパラメトリック機能を無視した利用方法が一般的である。
パラメトリックな設計では、計算機のプログラミングと同様に、入力するコマンドの順番が重要になる。従って、常に構造を意識して作業する必要性があるため、熟練よりもロジックの理解が重要になる。
対策として、CADのモデリングの手順をフローチャートにして、モデルパラメータが有効になるように、拘束方法を検討することが考えられる。プログラミングと同様、個人差による適性が存在するので、資格試験などで技能水準を管理しなければならない。
CADのデジタルマイスターが自己流のパラメトリック設計法を書籍で開示している場合がある。これらのレベルは進んだオブジェクト指向のプログラミングの教育に関する書籍と異なり、著者の環境に依存した最適解であることが多い。即ち、個々の顧客の環境で再現性が保証されない。
そもそも、先進のパラメトリック・フィーチャーモデルに関する学術文献は、開示されたものが少ない。国内では1995年の教科書にロジックの記述があるが、これらはCADカーネルの実装にともなうロジックなので一般論は皆無で詳細は不明である。従って、パラメトリック・フィーチャーモデルを理解しているのは限られた開発者だけである。
前記の3次元CADの講習会では難解なパラメトリック設計は考慮されず、講師でもパラメトリック設計を利用できない場合が多々みかけられる。3次元CADシステムを導入しても宝の持ち腐れになる。
また、実用されている三次元CADは特定のメーカーのCADカーネルを採用する場合が多く、これは極めて少数の海外メーカーに寡占されている。製造業に有用なハイレンジやミドルレンジのCADは少数のメーカーが企業合弁や買収により寡占する傾向であり、メーカーの市場支配力が強い製品がデファクトスタンダードになる。
従って、三次元CADによる金型設計、なかんずくこれを利用する成形加工解析では、コスト、マンパワー、時間の何れについても相当な投資が必要であることが分かる。そのため、町工場での利用はハードルが高くなり、これらをクリアーすることは困難である。
しかしながら、何らかの方法で鍛造メーカーがこのハードルを越えることができれば、極めて有用な技術になる可能性がある。例えば、自動車部品などは全体の形状が似ていて詳細寸法が異なるものが多い。ねじやボルトなどの既製品やギア部品など量産品はJISなどで規格化されるものだけでも相当数ある。
パラメトリックな設計を1回行えば、他の種類はパラメトリックに寸法を変更すれば作図を行わずに同じデータファイルを再利用できる。従って、設計作業やデータファイルの管理作業を大幅に合理化する可能性がある。
鍛造の金型設計などに三次元CADをプリ処理とする成形加工シミュレーションシステムを利用すれば、実設備による試作試験の多くをシミュレーションで代替できる可能性がある。そのため、実設備に依存しない金型設計や工程設計を行うことにより、自社技術を存分に発展することが可能になる。
また、実設備による試作試験では加工条件の制御が困難なことや、荷重、変位などの計測が出来ないことが一般的である。その場合、金型内部で発生している変形などの現象を直接観察することが困難であり、加工後の製品を測定するのが一般的である。このように、技術者の経験が不足する場合には試作試験だけでは有用な結果が得られない。
一方、成形加工シミュレーションでは、荷重、変位、ひずみ、応力などをポスト処理で可視化できるので、試作結果を比較的詳細に検討できる利点がある。また、金型の修正や境界条件の設定変更も入力データファイルの対応する箇所を変更することで処理できる。そのため、実設備で実現できない広い範囲で試作試験を実施できるので、表やグラフとして系統的な評価が可能になる。そのため、設計時の変形の予測精度が向上する。
欠陥の発生機構に関しても、加工後に欠陥が発生することを確認して、その部分の変形状況をシミュレーションで最初から観察することができる。従って、欠陥発生の予測を迅速に行って、入力データの修正による対策条件の効果も同様に確認できる。実設備との合わせ込みによりパラメータの信頼性が向上するので試作の回数の低減や、試作そのものを排除することも原理的には可能である。
更に、冷間金型は強靭な構造と精緻な仕上げが必要なので高価であり、数万ショットの寿命が確保できなければ採算性が悪化する。型の接触面の塑性変形や角部などの応力集中箇所からのき裂が極端な寿命低下の要因であるので、構造解析を行うことで応力緩和の最適化が実施できる。これは線形解析であり、CADの付属のシミュレーション機能を利用できる。実験では比較的困難な応力やひずみの分布を詳細に検討できる利点がある。
精度の高い設計を行うためには金型に作用する負荷を見積もることが重要である。これは塑性加工解析が必要になるので、専用のCAEを利用しなければならない。CAEメーカーの公開している事例では実用上重要な工程の予測を概ね合理的に予測しているようである。従って、解析により定性的な傾向を把握することで設計の最適化が可能になる。また、解析に用いる設定パラメータを実験や操業の結果と合わせ込むことにより、定量的な予測の信頼性を確保できるようになる。
このように、欠陥発生の防止や型寿命の向上など鍛造工程の最適化に関して、系統的な線図などのデータを比較的容易に取得出来る特徴がある。そのため、金型の形状の修正変更などもシミュレーションにより実施して、対策の有効性を検討することが可能になる。
近年、PCで利用するスタンドアローン型のアプリケーションの多くが、インターネットのブラウザで動作する非特許文献6)に開示のウェブアプリケーションに移行しつつある。これは、非特許文献7)に開示のようにWEB2.0と呼称されるインターネットの新しい利用法であり、高速で安価な双方向の非同期通信技術とデータベースを有する知的なクライアントサーバー技術で、ユーザーの利便性に優れるからである。
この利便性として、システムの操作の自動化技術やインストラクト機能で、システムの操作性が格段に向上することが期待される。また、データベースを利用して利用者の操作の目的に最適な専用処理が選択できるようになるはずである。
CADやCAEのシステムもやがてはウェブアプリケーションが主流になり、ユーザーニーズに合った合目的型の専用システムが選択できるようになる。鍛造工程の成形加工シミュレーションシステムでは、各社の限られて製品や工程に特化したデータベースが構築され、これを参照しながら、ベストプラクティスの条件で自動または半自動処理による操作性に優れるものが開発される。
そして、ウェブアプリケーションのメーカーは製品のライセンス販売から顧客に対するコンサルティングサービスにビジネスモデルを変革するであろう。
従って、鍛造メーカーとウェブアプリケーションのメーカーのコミュニケーション手段として、成形加工シミュレーションシステムが益々重要になると思われる。そのためには、ウェブアプリケーションとして顧客のニーズに木目細かく対応する成形加工シミュレーションシステムが開発が期待される。
非特許文献1)http://ja.wikipedia.org/wiki/CAE
非特許文献2)http://ja.wikipedia.org/wiki/CAD
非特許文献3)http://ja.wikipedia.org/wiki/有限要素法
非特許文献4)日本塑性加工学会偏:『静的解法FEM−バルク解法』(2003)、コロナ社
非特許文献5)http://ja.wikipedia.org/wiki/製品情報管理
非特許文献6)http://ja.wikipedia.org/wiki/ウェブアプリケーション
非特許文献7)http://ja.wikipedia.org/wiki/Web_2.0
非特許文献8)http://ja.wikipedia.org/wiki/SketchUp
非特許文献9)http://ja.wikipedia.org/wiki/Jw_cad
非特許文献10)http://tetgen.berlios.de/
非特許文献11)http://www.math.meiji.ac.jp/~mk/labo/text/numbers.pdf
非特許文献12)http://ja.wikipedia.org/wiki/あおり(写真)
非特許文献2)http://ja.wikipedia.org/wiki/CAD
非特許文献3)http://ja.wikipedia.org/wiki/有限要素法
非特許文献4)日本塑性加工学会偏:『静的解法FEM−バルク解法』(2003)、コロナ社
非特許文献5)http://ja.wikipedia.org/wiki/製品情報管理
非特許文献6)http://ja.wikipedia.org/wiki/ウェブアプリケーション
非特許文献7)http://ja.wikipedia.org/wiki/Web_2.0
非特許文献8)http://ja.wikipedia.org/wiki/SketchUp
非特許文献9)http://ja.wikipedia.org/wiki/Jw_cad
非特許文献10)http://tetgen.berlios.de/
非特許文献11)http://www.math.meiji.ac.jp/~mk/labo/text/numbers.pdf
非特許文献12)http://ja.wikipedia.org/wiki/あおり(写真)
鍛造加工などの二次加工では製品の形状を反転させた窪みを有する金型の間に予め製品重量に切断した棒・線材を挿入して圧下・押出し・引抜きなどの工程で負荷しながら製品形状を転写する。
素材と直接接触する型の表面には素材の変形抵抗相当の高圧力が作用し、素材が流動しながら型表面を摩擦するので、負荷の高い部分が選択的に損傷して型寿命となる。従って、型設計では負荷分散のために素材の変形特性の予測が必要だが、一般に高度な非線形性のため困難であり、試し打ちによる型修正の試行錯誤が必要である。
塑性加工のシミュレーションを三次元CADとCAEで行う技術が開発され、PC(パーソナルコンピュータ)上で試行錯誤を行う合理化が提案された。しかし、小規模メーカーは三次元CADとCAEを操作するデジタルマイスターを養成できないので、シミュレーションを使えない。中小企業対策の観点からもデジタルデバイドの解消が喫緊の課題である。
一般に鍛造シミュレーションでは、弾塑性FEMまたは剛塑性FEMによる非定常モデルが採用される。鍛造では荒地成形と仕上げ成形など多段加工が一般的であり、各段の加工後の材料形状を次の段の加工前形状に流用する。
即ち、切断後の素材形状と、各段の金型の表面形状を模擬した有限要素メッシュを生成する必要がある。金型の表面形状は後段に近づくほど複雑化し、モデル化の工数が増加する。金型は複数個組み合わせて各段に1セットであるから、工具メッシュの生成とアライメントの調整に多くの時間が必要になる。
従って、課題であるデジタルデバイドの解消のためには、工具メッシュ生成の合理化と自動化によるユーザビリティー(操作性)の向上が重要である。
素材は、順行解析では1段目の加工前の比較的単純な形状を有限要素に分割し材料メッシュとする。稀に逆行解析が実施されるが、この場合は加工後の成形体形状を有限要素分割して材料メッシュとする。
金型設計では試作型による各段の成形体形状が所望の形状に一致するように工具メッシュを修正する。一般に、工具の位相幾何学(トポロジー)情報はそのままにして、節点の座標を変更することが多い。接触解析では材料が接触する領域より若干大きめに定義するが、主に型の窪みと型の合わせ面およびこれを滑らかに繋ぐ面取りである。
成形体形状は移動工具の下死点位置における変形形状で決まるので、下死点位置で所望の成形体形状に接触するように工具面を設定するのが自然である。但し、型には材料を取り出すための合わせ面と噛み出し疵を防止する面取りが付与されるので複雑形状であり、1段当たり型分割による複数個の工具メッシュが必要である。
図1は三次元CADでモデル化したギア素形材を鍛造して作成する仕上げ用金型の主要部の外観である。図2および図3は図1の金形を開いた状態における金型の内面形状の外観で、図1は下型、図2は上型を示す。
図1の状態では金型の外部表面しか観察できないから、単純な円柱と区別が困難である。一方、図2や図3のように金型の内面は図1の外観からは予想できないような複雑な凹凸が形成されている。また、一般に多くの金型が上下または左右二個の部品から構成されることが分かる。
即ち、金型をモデル化するには上下夫々の部品について形状定義しなければならない。また、その際に処理し難い型内面が、処理し易い型外表面に比べて複雑形状であるため、形状定義が困難化する。
加工中の素材からの加工反力による型の弾性変形を無視するものとする。この場合、有限要素法で必要な金型の有限要素メッシュは図2および図3の型内表面とその近傍の領域であり、図4はその有限要素メッシュの一例である。
図4の金型の有限要素メッシュは、上下の型が同じ中心軸上に正確に配置されなければならない。また、周囲の合わせ面は平行でなければならない。即ち、形状の定義だけでなく、型のアライメントを調整する処理が必要である。
図4の場合は、型が二分割で少ないが、型の分割数が増える場合はアライメント調整が極端に困難化することが予想される。従って、金型を個別の部品としてモデル化することは、処理時間が増加するため好ましくないという問題があった。
著者は図5に示すように、ダミー材料による実験シミュレーションで、成形体形状の立体模型(木型)を作成し、これを硬化性樹脂の型材料に埋め込んで密着・転写し、型の合わせ面で切断して立体模型を取り出した。型材料を硬化させて合わせ面の角部で噛み出し疵が発生しないように面取りを施すことで簡易実験型を作成し、これを用いた加工実験で問題解決に成功した。
型設計のシミュレーションでも、数値木型を用いて簡易実験型のように工具メッシュを作成することを発案した。但し、形状定義の直感性の確保と作業工数の削減のために仮想的な木型形状を採用した。
書店で教科書が入手でき、プログラムをインターネットからダウンロードできる二次元CADおよび三次元CADを利用して、この仮想的な木型形状を手動で生成することができた。また、CADに付属のスクリプトによる拡張機能を用いて、手動作業を自動化するとともに、煩雑な手動操作の多くを省略して、簡単で迅速な処理を実現することにより、以下の発明を成したものである。
即ち、第1の発明は
成形体の形状と、少なくとも成形体が接する領域を含む工具の合わせ面の間隙の部分空間形状を合成して仮想モデルである数値木型を生成する工程、数値木型の表面形状を工具の合わせ面の間隙の領域で分離して数値工具を生成する工程、数値工具の表面を複数の多角形またはポリゴンに分割して工具の有限要素データを生成する工程を有し、数値工具を生成する工程と有限要素データを生成する工程は順不同であることを特徴とする。
第2の発明は、
数値木型がサーフェスモデルで生成されることを特徴とする。
数値木型がサーフェスモデルで生成されることを特徴とする。
第3の発明は、
成形体形状による数値成形体を生成する工程、数値成形体の表面を複数の多角形またはポリゴンに分割して数値成形体の表面メッシュを生成する工程、数値成形体の表面メッシュを元に数値成形体の表面および内部空間を複数の有限要素に分割して成形体の有限要素データを生成する工程を有することを特徴とする。
第4の発明は、
工具の有限要素データおよび成形体の有限要素データを用いて、逆行解析を行う工程を有する。
工具の有限要素データおよび成形体の有限要素データを用いて、逆行解析を行う工程を有する。
第5の発明は、
数値工具の表面形状を修正するために、予め成形体形状および/または数値木型の形状を修正するか、もしくは数値工具の形状を直接修正する工程を有することを特徴とする。
第6の発明は、
数値工具の表面形状の修正が工具のキャビティー表面の抜き勾配の修正、成形体の噛み出し疵を防止する工具の合わせ面の付け根のフィレットおよび/またはコーナー半径の修正、成形圧力による工具および/または成形体の弾性変形による形状の修正の何れかであることを特徴とする。
第7の発明は、
数値木型から数値工具への形状の転写の誤差および/または工具の合わせ面の間隙が計算機イプシロンの少なくとも10000倍以上であることを特徴とする。ここで、計算機イプシロンとは成形加工シミュレーションシを実行する計算機が認識する最小の正の実数であり、専用のプログラムで求める。
第8の発明は、
成形加工シミュレーションが圧延、ロール成形、鍛造、プレス成形、押出し、引抜、鋳造、射出成形、ダイキャスト成形、塑性加工工程の何れかの成形であることを特徴とする。
第9の発明は、
CADおよび/またはCGのソフトウェアのマクロプログラムを用いて、成形体が接する領域を含む工具の合わせ面の間隙の部分空間形状を合成して仮想モデルである数値木型を生成する工程、CADおよび/またはCGのソフトウェアのマクロプログラムを用いて、数値木型の表面形状を工具の合わせ面の間隙の領域で分離して数値工具を生成する工程、CADおよび/またはCGのソフトウェアのマクロプログラムを用いて、数値工具の表面を複数の多角形またはポリゴンに分割して工具の有限要素データを生成する工程を有し、数値工具を生成する工程と有限要素データを生成する工程は順不同であることを特徴とする。
第10の発明は、
成形体の二次元断面形状または成形体の断面形状と工具の合わせ面の間隙の断面形状を合成した二次元断面形状を、二次元断面内に含まれる成形体の中心軸周りに回転掃引するか、成形体の中心軸に沿って掃引することにより、数値木型または数値木型のコンポーネントを生成する工程を有することを特徴とする。
第11の発明は、
成形体および/または工具のイメージデータの歪みを修正して輪郭データを生成する工程、輪郭データから抽出した成形体の断面形状と工具の合わせ面の間隙の断面形状を合成して二次元断面形状を生成する工程、二次元断面形状を二次元断面内に含まれる成形体の中心軸周りに回転掃引するか、成形体の中心軸に沿って掃引することにより、数値木型または数値木型のコンポーネントを生成する工程を有することを特徴とする。
第12の発明は、
二次元のCADおよび/またはCGのソフトウェアで成形体の断面形状と工具の合わせ面の間隙の断面形状を合成して二次元断面形状を生成する工程、二次元断面形状をデータファイルに出力する工程、データファイルを三次元のCADおよび/またはCGのソフトウェアに読み込んで二次元断面形状のオブジェクトに変換する工程、二次元断面形状のオブジェクトを二次元断面内に含まれる成形体の中心軸周りに回転掃引するか、成形体の中心軸に沿って掃引することにより、数値木型または数値木型のコンポーネントを生成する工程を有することを特徴とする。
第13の発明は、
数値木型が単数または複数の基本コンポーネントのブール演算または擬似ブール演算で生成され、基本コンポーネントがオブジェクトプログラムにより生成されるとともに、CADおよび/またはCGのソフトウェアからパラメータを指定してオブジェクトプログラムを操作することによりCADおよび/またはCGのオブジェクトとして数値木型または数値木型のコンポーネントを生成することを特徴とする。
第14の発明は、
クライアントPCおよび/またはサーバーPCで稼動するCADおよび/またはCGのソフトウェアからクライアントプログラムを起動することにより表示されるダイアログボックスで製品および/または加工工程に関するカテゴリーを選択するとともにパラメータを設定する工程、選択されたカテゴリーと設定されたパラメータをデータベースサーバーに読み込んでベストプラクティスのオブジェクトプログラムおよび/または設定パラメータの候補を検索する工程、クライアントPCのダイアログボックスに結果を表示する工程、ベストプラクティスのオブジェクトプログラムを起動してベストプラクティスのパラメータに対応する数値木型または数値木型のコンポーネントを生成する工程を有することを特徴とする。
第15の発明は、
単数または複数のデータベースサーバーおよび/またはクライアントPCおよび/またはサーバーPCが高付加価値通信網に接続され、オブジェクトプログラムおよび/またはパラメータが単数または複数のデータベースサーバーおよび/またはクライアントPCおよび/またはサーバーPCに登録および/または組み込まれる工程、クライアントPCおよび/またはサーバーPCからオブジェクトプログラムおよび/またはパラメータおよび/またはメタデータをカテゴリー別に予め定められた様式に従ってデータベースに登録する工程、所望によりオブジェクトプログラムの実行結果および/または統計情報が予め定められた様式に従ってデータベースに登録される工程を有することを特徴とする。
第16の発明は、
シミュレーションの物理的な対称性を利用して、数値成形体および/または数値木型の解析領域を削減するとともに、解析領域の対称面に表面のオブジェクトを生成することを特徴とする。
第17の発明は、
下死点位置における成形体の形状と工具の合わせ面の間隙の部分空間形状を合成して数値木型を生成することを特徴とする。
下死点位置における成形体の形状と工具の合わせ面の間隙の部分空間形状を合成して数値木型を生成することを特徴とする。
第18の発明は、
剛塑性有限要素法および/または共回転型定式による弾塑性有限要素法のソルバーを用い、成形体の有限要素が泡節点付四面体要素であり、所望により泡節点付四面体要素の泡節点を剛性行列の作成時に未知変数から消去することを特徴とする。
第19の発明は、
数値木型による成形加工シミュレーションシステムを記録した記録媒体である。
数値木型による成形加工シミュレーションシステムを記録した記録媒体である。
以下では代表的な成形加工である型鍛造を一実施例として本発明の成形加工シミュレーションシステムに関する効果の説明を行った。また、三次元モデルの図形表示は主にサーフェスモデルを用いて行ったが、他のモデルの適用を制限する訳ではない。
(1)本発明の第1の成形加工シミュレーションシステムの効果について説明する
(1)本発明の第1の成形加工シミュレーションシステムの効果について説明する
図6は成形加工シミュレーションシステムの構成を示す流れ図である。
図7および図8は、数値木型の外観の一例で、各々斜め上方および斜め下方から観察したものである。数値木型は成形体形状と鍔状である工具の合わせ面の間隙の部分空間形状を合成したものである。従って、数値木型は金型の部品数と異なり1個のオブジェクトである。
数値木型の外表面は複雑な成形体形状であるが、従来技術である図2や図3の場合と異なり直接観察できるため形状定義し易い。そのため、成形体形状が複雑化しても柔軟に処理することが可能である。
数値木型はサーフェスモデル、ソリッドモデル、パラメトリック・フィーチャーモデルの何れの方式でもモデル化が可能である。ソリッドモデル、パラメトリック・フィーチャーモデルの場合は、数値木型の表面を剥ぎ取ってサーフェスモデルに変換することが出来る。このように、サーフェスモデルとして生成した数値木型の鍔状の合わせ面の外周部分を消去するか、もしくは所望の境界線上で切断することにより分離することが可能である。
図9および図10は上下の型に分離したサーフェスモデルの外観を示す。図7および図8と図9および図10のモデル形状を直接比較すると、主に異なるのは分離面の有無であることが理解される。
ところで、図9および図10の数値工具などのサーフェスモデルでは表裏面が存在する。有限要素メッシュでは接触解析や物理量の流入流出の処理で表裏面の定義が重要であるから、各数値工具で、専用の処理が発生する。ところが、図7および図8のように同じ数値木型から生成された数値工具の表裏面は数値工具の表裏面に統一されているため、特別の処理が不要である。
また、数値木型は成形体形状を基本にするので、図7および図8の表面形状から工具合わせ面の外周部分を消去したままでは、分離され各数値工具間のアライメントが成形時のストロークエンド位置に厳密に一致する。図9および図10は型開きの方向に平行移動したが、この状態は加工開始または加工途中の工具のアライメントと一致する。即ち、数値木型を採用することで複数個に分割された数値工具のアライメント処理を省略可能である。そのため、数値木型のモデルは本質的に処理手続きが簡素であり無駄が少ない。
図11および図12は図9および図10の金型のサーフェスモデルに対して三角形要素で分割した有限要素メッシュの外観である。通常、要素形状は三角形が採用されるが、所望により四角形、多角形、またはポリゴンに分割することもできる。三角形要素を採用する場合には、三次元のCADではSTLファイルの仕様が図11および図12の有限要素メッシュと実質的に同じ機能を有するので、CADのファイル出力でSTLファイルを選択すれば簡単に処理できる。
尚、数値木型から直接STLファイルを生成して数値木型の表面を要素分割した後、分離面に相当する要素を消去するか、分離境界線上の節点のコネクティビティーを変更して自由境界に変更することで、数値工具の有限要素メッシュを生成することも可能である。計算機のソフトウェアや計算環境に応じて所望の方法を選択すれば良い。
数値木型は成形体形状を基本にして、金型の分割や角部の局部的な形状などを付加することで生成した仮想的なモデルまたは人工物である。一般に成形体形状が決まってその後金型設計が実施される。近年のCADでは、金型などの工具をモデル化すると同時に、所定のように機能するか否かをCAEによる計算機シミュレーションで評価する。
その際、数値木型を用いれば、金型の分割位置や角部の局部的な形状を修正することにより、迅速に所望の数値工具の有限要素メッシュを生成することができる。この修正と計算機シミュレーションを計算機上で繰り返すことにより、所定の機能を有する金型の基本形状が決定される。
従来の数値木型と計算機シミュレーションによる金型設計では、図1から図4に示すように複数の金型の部品に対して修正を施すので作業の無駄が多く発生し、専任のオペレーターが必要であった。我が国で一般的な小規模メーカーでは、専任のオペレーターが確保できないため、CAEを採用できない状況である。
数値木型モデルを採用すれば、操作が比較的容易なサーフェスモデルで、少ない処理量ですむため、設計を担当する技術者の負担が軽減され専用のオペレーターを必要としない。設計の担当者が設計段階で成形加工シミュレーションを行って金型構造の最適化を完了するため、実製造段階における不具合が低減して、小規模メーカーでも技術競争力で優位に立つ可能性がある。
尚、近年の金型は荒仕上げの後に放電加工による仕上げ加工を行うことが一般的である。その際、電極として金型表面の凹部形状を転写した凸部形状の電極を用いる。数値木型は一見この電極と同様の形状と判断されるかもしれないが、これは誤った認識である。
先ず、外観として放電加工の電極は分割された金型の部品毎に複数必要であるが、数値木型は金型の部品数によらず原則的に単一である。また、数値木型は有限要素解析に必要な金型の合わせ面の一部を含む。
次に、数値木型は金型設計の試行錯誤の段階で修正され、最終的に採用案として金型が設計される。その際、放電加工の電極の形状はこの数値木型の表面形状の一部を用いて、これを電極構造に適するように修正しなければならない。即ち、放電加工の電極の形状は生産用の実物形状であり、数値木型のように金型設計における計算機モデルには利用できない。
現状の計算機モデルはデジタル計算機の浮動小数点演算の精度が高いため、数値木型の表面形状を剥ぎ取って転写した数値工具との形状誤差は無視できる。しかしながら、放電加工の電極では電極と型材料の接触境界面で溶融現象が発生するため、原理的に電極の寸法よりも転写された型材の形状が無視できない程度に拡大する。
従って、電極の寸法は狙いの型材料の寸法よりも縮小して設定される。このことからも、大部分が成形体と同じ寸法形状である数値木型と物理現象で寸法が変化する放電加工の電極の形状を同一視することは困難である。
従って、数値木型は現状の金型設計では取り扱わない仮想的なモデルまたは中間モデルであるが、小規模メーカーでも利用しやすい、極めて簡単な操作の計算機による金型設計の最適化システムを提供する。従って、本発明の成形加工シミュレーションシステムは小規模メーカーの利用に適する。
(2)本発明の第2の成形加工シミュレーションシステムの効果について説明する。
数値木型はサーフェスモデル、ソリッドモデル、パラメトリック・フィーチャーモデルの何れの方式でもモデル化が可能である。ものづくりに用いられる三次元CADの殆どは海外で開発された商用製品であり、国内で開発されたCADであってもカーネルという最重要なエンジン部は海外から技術輸入している。
ものづくりのグローバル化のため、自動車関連企業では世界中で共通に利用できるCAD環境を指向しており、このような有望な潜在市場に対して、CADメーカーは資本提携や買収で自社製品のデファクトスタンダード化を推進している。そのため、CAD製品は少数の製品に集約されつつあり、大企業で便利な統合型のシステムが主流である。
基本的にはソリッドモデルの短所を補うためにパラメトリック・フィーチャーモデルとサーフェスモデルを統合したパラメトリック・フィーチャーモデルがデファクトスタンダードである。ここでパラメトリック・フィーチャーモデルはB-REP(Boundary Representation)に分類される技術である。
一般的に、ソリッドモデルからB-REPへの変換は可能であるが、B-REPからソリッドモデルへは完全な変換は困難とされる。パラメトリック・フィーチャーモデルは高機能であるが、大規模であり操作に習熟するために高度なロジックの理解が必要であり、CAD検定などで資格を持ったオペレーターが操作を行うことが多い。
従って、パラメトリック・フィーチャーモデルの場合、製品を構成する部品点数が多い自動車や電機などでメリットが顕著であるから、主に大企業で利用される。
サーフェスモデルはCGソフトとして製品化されており、ロジックが単純明快で仕様がほぼ確定しているので、インターネットで入手できるフリーソフトが開発されている。また、近年インターネットの検索エンジンで世界的なシェアを占める海外企業が、地球全体を覆う地図と航空機写真から構成される三次元仮想マップを製品化した。その地図上に配置する建物や景観のデジタル模型の作成ツールとして、二次元図面を容易に立体化できる特殊なCGソフトを非特許文献8)のように公開して、コンセプトデザイン用の3dモデリングツールと位置付けている。
これは、操作系が単純化されており、またビデオチュートリアルで初級から上級まで使い方が開示されているので、建築業界を中心に、従来二次元CADを利用していたユーザーに急速に支持されつつあり、ものづくりやホビー用途にも利用されている。これはサーフェスモデルによるCGソフトであるが、DXFファイルやSTLファイルなど三次元CADのデータファイルを処理できるという優れた特徴がある。
鍛造の金型設計では素材と直接接触して加工する金型の主要部品は図1から図3のように数点である。従って、小規模な鍛造の金型設計では大規模なパラメトリック・フィーチャーモデルよりも、小規模なサーフェスモデルの使用が適すると判断される。
図13から図18はコンセプトデザイン用の3dモデリングツールを利用して図7から図10の数値木型モデルおよび数値工具モデルを生成するために実施した処理の一例を示すスナップショットである。
図13は非特許文献9)に示す二次元CADで生成した成形体の中心軸を含む断面の外形線である。二次元CADでは紙の製図と同様に外形線は単なる線であり、面の情報を持たない。即ち、面というオブジェクトではないのでモデルとしての発展性または再利用性が低い。但し、二次元CADは小規模企業にも広く普及しており、二次元の外形線を作図する機能が充実している。従って、鍛造金型の設計には好適である。
図14は二次元CADで生成した数値木型の中心軸を含む断面の外形である。図13の製品の断面形状に、金型合わせ面の部分空間の断面形状を付加した。生成する最終的な数値木型の断面形状に近づくように外形線を作図すると煩雑な3次元での集合演算の処理が省略できる。
また、成形体本体と合わせ面の付け根部近傍の角部は加工中に素材に加工疵を生じる危険性があるので、所望により角の半径や面取りなどの対策が施されるが、図14では省略した。
二次元CADのデファクトスタンダードのCADファイル様式はDXFファイルである。多くのCAD製品で処理が可能であるからこの様式で出力した。
図15は図14の外形線をDXFファイルに書き出した後、3dモデリングツールにインポート機能で読み込むとともに、外形線の一部を上書きして二次元断面の面オブジェクトに変換したものである。インポートの際に注意することは、線の長さの単位である。二次元CADと整合性を保つように設定する必要性がある。面オブジェクトは外形線とハッチングが施された面領域から成り立つ。その他に、外形線上に二次元の作図の基準として導入した複数の点が存在する。
図16は二次元断面の面オブジェクトを三次元の断面の位置に合わせるために、面オブジェクトの回転を準備した状態である。面オブジェクトは複数の構成要素から成り立つが、マウスのポイントで単一のオブジェクトとして選択・処理できる特徴がある。ここでも、面オブジェクトを選択した後、回転のコマンドを選択して回転軸や方向を設定する。
図17は面オブジェクトを座標軸まわりに90度回転した後の状態である。面オブジェクトを構成する外形線と面領域は狙いのように回転したが、面オブジェクトに含まれない基準点は元の位置にそのまま残る。これらの基準点は不要なので削除する。
図18は面オブジェクトを上方に平行移動して、中心軸まわりに回転ドローイングするための中心軸と回転方向の基準である円を作図した際の外観である。3d化の具体的な処理は、円を選択して回転ドローイングのコマンドを選択するとともに、回転する面オブジェクトを選択して行った。計算機の演算が終了すると図7または図8のように三次元形状の数値木型が生成される。
尚、生成された三次元の数値木型のオブジェクトはサーフェスモデルであるから、この場合はオブジェクトの内部は中空である。従って、本発明の第1の成形加工シミュレーションシステムを用いて、図9から図12の数値工具およびその有限要素メッシュを生成することができる。
数値木型を導入したことにより、二次元CADおよび三次元モデリングにおいて、最小限の個数のオブジェクトで処理が可能になる。この場合は最終的に二個の数値工具を生成するが、1個のオブジェクトで処理することが可能であった。
従来技術では金型を複数の金型部品として処理するため、処理量がオブジェクトの個数倍必要とされるだけでなく、オブジェクト間の相対位置や面の向きなどの調整に数倍の処理作業が必要になる。
また、図6に開示の成形加工シミュレーションシステムでは三次元モデルから表面を要素で分割したメッシュを生成する必要がある。サーフェスモデルで処理する場合は中間処理状態がサーフェスモデルであるから、処理が簡潔である。従って、本発明の成形加工シミュレーションシステムは小規模メーカーの利用に適する。
(3)本発明の第3の成形加工シミュレーションシステムの効果について説明する。
図19は成形加工シミュレーションシステムの構成を示す流れ図である。
一般的に型鍛造工程では棒材から切り出した円柱状の素材を上下の金型の間に挿入して、上金型で素材を圧下しながら金型内部に素材を充満させることで、型の形状を転写する。加工は簡素な型から次第に複雑形状の型に数段階に分けて行うので、素材の形状は後段に近づく程目標の製品形状に近づく。
鍛造の成形加工シミュレーションでは、素材円柱を1段目の金型で圧下して型の形状を転写することで中間成形体にする。次の段ではこの中間成形体をより最終形状に近い金型で圧下して次の中間成形体にする。このように順行解析では前の段の解析結果である中間成形体を素材の形状とする。
また、特別な解析として逆行解析が適用される場合がある。これは、実際の工程と異なり最も複雑な最終形状を開始形状として逆方向の加工により前段の中間成形体形状を推定する。この場合は、素材形状を最終製品に近い複雑な形状としてモデル化する必要がある。
また、順行解析であっても、例えば最終段だけ解析する場合には複雑な中間成形体の形状をモデル化する必要性がある。従って、最終製品形状もしくはそれに近い複雑な成形体形状のモデル化および有限要素メッシュの生成が重要である。
そこで、数値木型の生成技術に基づき、数値成形体およびその有限要素メッシュを生成して、一対の平行平盤で圧縮する条件で有限要素法による成形加工シミュレーションを実施した。
図20は二次元CADにより生成したギア用素形材の成形体の中心軸を含む断面形状の外形線である。所望により角部の半径や面取りを付与できるが、図20ではメッシュ密度の低減の観点で省略した。二次元CADのデファクトスタンダードであるDXFファイルに結果を出力した。
図21は3dモデリングツールにDXFファイルをインポートして、表示した成形体の外形線である。
図22は外形線の一部に線を上書きすることで生成される成形体の断面オブジェクトを示す。断面オブジェクトは外形線と面領域から構成される。
図23は断面オブジェクトを正規の位置に設置するための回転操作の準備を行った状況を示す。これは3dモデリングツールの回転ツールを利用する。
図24は回転ツールにより90度回転後の断面オブジェクトの外観を示す。回転ツールは90度位置に正確に停止できるようにされている。
図25は断面形状オブジェクトを回転して三次元化オブジェクトを生成する準備を行った状況を示す。断面オブジェクトを上方に平行移動して、回転の中心軸と方向を示す円オブジェクトを生成する。三次元化は3dモデリングツールの回転押し出しツールを利用する。
図26は回転押し出しツールで生成した3dオブジェクトの外観を示す。断面オブジェクトと異なり、視線の反対側が隠れるので全体の詳細な形状の把握は困難である。
図27は3dオブジェクトをSTLファイルに出力することにより生成した3dオブジェクトの表面の三角形要素分割によるメッシュの外観である。STLファイルでは3dモデリングツールの表面の表現方法を反映するので、三角形要素の一部が細長く変形していることが分かる。尚、この段階では、3dオブジェクトはサーフェスモデルのため外表面だけで、内部は中空である。
図28はプレ処理ソフトに3dオブジェクトのSTLファイルを読み込んで、表面および内部空間を四面体要素により分割した忠実の有限要素メッシュの外観である。STLファイルで極端に細長くなっていた一部の要素が、新しい有限要素メッシュに更新されたため、有限要素として理想的な正四面対に近づいていることが分かる。
図29は三次元の弾塑性有限要素解析ソフトに成形体の有限要素メッシュを読み込んで、平行平盤による据え込みの条件を設定して実施した成形加工シミュレーションの結果である。下工具を固定し、上工具を圧下した場合の変形状態を諧調によるコンター表示したもので、上工具側を斜め方向から観察した。
図30は図29の結果に関して下工具側を斜め方向から観察した。固定側の下工具と接触する面の変位が概ねゼロで、移動側の上工具と接触する面の変位が概ね上工具の変位と等しい。また、成形体の任意の位置の変位は上下の面の変位を直線補間して予想される変位と概ね等しいので、結果は妥当と判断される。
図27のSTLファイルでは節点が1716個、三角形要素が572個、辺が858個であった。
図28の有限要素メッシュでは節点が648個、四面体要素が2296個、三角形が5135個であった。
プリ処理はインターネットで入手できるフリーソフトを利用した。これは、非特許文献10)に開示のDelaunay法を採用したものであり、欧州では定番のソフトの一つである。
有限要素解析ソフトは発明者が自作したもので、大変形定式とrミニマム法による静的陽解法二次元弾塑性有限要素法のロジックを三次元に拡張適用した。通常の低次元形状関数では塑性変形が増加すると体積一定の拘束によるロッキングが生じる。これを回避するために、中心点にも泡節点を有する四面体要素を採用したので、ロッキングは観察されなかった。
通常の四面体要素によるメッシュでは、節点が648個と四面体要素が2296個の比率であるから、節点の未知数は通常の四面体要素の場合で648x3=1944個であるのに対して、泡節点を付加した場合は(648+2296)x3=8832個である。
泡節点はその属する要素の節点以外にコネクティビティーを有しないので、剛性行列を生成する際に掃き出して未知数から除外する。これにより、泡節点を付加しても見かけ上は未知数が通常の四面体要素の場合の1944個に維持される。従って、本発明の成形加工シミュレーションシステムは小規模メーカーの利用に適する。
(4)本発明の第4の成形加工シミュレーションシステムの効果について説明する。
図31は成形加工シミュレーションシステムの構成を示す流れ図である。
鍛造工程の条件の決定に際しては、最終製品の寸法、形状、材質、仕上げ精度、生産量、価格などの仕様の目標が決まった後に、これらの仕様を満足する範囲内で最適工程が検討される。
一般的には、町工場で生産する製品は過去の製造実績に特化される傾向であり、リピート品やそのマイナーな改造である。例えば、ギア素形材であれば寸法、形状、材質が多少異なることで製品の型番が変わる程度である。しかし、世界的な省エネルギー指向に伴う製品のコンパクト化、軽量化、リサイクル対応などは新しい製品や工程の開発を伴う。
自動車における従来の内燃機関から電気モーターへの動力源の変革は、その構成部品の根本的な変更が必要な場合が多い。これは従来の単純な構造部品から、更に付加価値の高い機能部品が要求され、低コストの多品種少量生産が指向される。
このように、過去の実績にとらわれない全く新しい製品または部品の生産工程を設計する際には、成形加工シミュレーションによる仮想試験を実施するメリットが大きい。また、製品や部品の仕様を満足することを前提に、最終製品の仕上げから遡ってその前段の中間製品、更にその上流の中間製品として最後に素材形状に辿り着く。これを逆行解析と呼称し、生産工程の最適化の強力な手段の一つとされている。
逆行解析では、順行解析と同様に各段の数値工具のメッシュが必要であるだけでなく、複雑な最終製品の有限要素メッシュを生成しなければならない。そのため、原理的には可能であっても、鍛造工程の逆行解析は実施例が殆ど見当たらない。
本発明の第4の成形加工シミュレーションシステムで既に開示した数値成形体およびその有限要素メッシュの生成技術を適用して、有限要素メッシュを生成することが可能となる。
また、実際の解析に際しては順行解析と逆行解析を組み合わせて実施することになる。本発明の成形加工シミュレーションシステムでは、順行解析と逆行解析に対して共通に機能するので、簡素な解析処理で信頼性の高い結果を得ることが期待される。従って、小規模メーカーでも逆行解析が比較的容易に実施できるようになる。
(5)本発明の第5の成形加工シミュレーションシステムの効果について説明する。
図32は成形加工シミュレーションシステムの構成を示す流れ図である。
鍛造では断面形状の変化が少ない押し出しなどの条材や、軸対称材の成形加工が適用されることが多い。また、ギア素形材などで軸対称形状をベースに周方向に周期的に凹凸を有する場合もあり、その際、条材や軸対称材の基本形状にギアの歯などのコンポーネントを組み合わせる修正が行われる。
また、数値木型では製品形状をベースに、更に工具合わせ面の部分形状や角の半径などのコンポーネントを組み合わせる必要がある。一般的に鍛造などの製品形状は条材や軸対称材が基本形状であるから、これらとコンポーネントの組み合わせの処理を簡素化することが重要である。
一般に鍛造の金型は高い成形荷重が作用するので、破壊を防止するために型の周囲を締め付ける補強対策がなされる。素材と直接接触する金型主要部は図1から図3に示すように略円柱の基本形状が、主要部を組み込むダイセットの形状は扱い易い直方体が多い。
また、金型の合わせ面の空間形状は有限の間隙と同じ高さを有する略直方体形状が多い。但し、成形加工シミュレーションで重要な解析領域は金型主要部とこれに隣接する部分に限られるので、その重要な部分領域は間隙と同じ高さを有する略円柱状とすることができる。
このような簡素化を行うことにより、図7および図8に実施例を開示したように軸対称形状の数値木型をモデル化できる。即ち、成形体のコンポーネントと工具の合わせ面の部分形状のコンポーネントがともに共通の中心軸を有する軸対称形状である。
この場合は、図13の成形体の断面形状に図14のように工具の合わせ面の部分形状を組み合わせて、二次元断面形状の段階で単一のモデル化が可能である。図14の実施例ではデファクトスタンダードのフリーソフトの二次元CADで処理を行った。そのため、小規模の鍛造メーカーでも容易に実施できる。
このように、数値木型の断面形状で複数のコンポーネントを組み合わせる場合は、その後の三次元モデル化や有限要素メッシュの生成の処理を単一のオブジェクトとして処理できるので、極限まで処理操作を低減できる。即ち、小規模メーカーの利用に適する。
しかしながら、条材や軸対称材の基本形状にギアの歯などのコンポーネントを組み合わせる修正処理が必要な場合には、更に3dのCADや3dモデリングツールで三次元形状のコンポーネントの組み合わせ処理が必要である。即ち、上記の軸対称形状の数値木型を基本形状として、更に非軸対称のギアの歯を組み合わせる。
一般にギアの歯などは単独の場合、プリミティブと呼称される基本形状のオブジェクトとしてコマンドなどで比較的容易に生成できる。少し複雑でも任意の断面形状オブジェクトを定義して、これを押し出すことで生成可能である。
図33は3dモデリングツールで軸対称の基本形状に歯のコンポーネントを生成して重ねあわせた場合の外観である。基本形状は濃い諧調、歯のコンポーネントは薄い諧調で表示されている。この状態ではそれぞれのコンポーネントは互いに独立に存在するため、単一の成形体のオブジェクトとしては認識されない。
図34は3dモデリングツールの機能を組み合わせて利用することにより、軸対称の基本形状と歯のコンポーネントを一体化処理した際の外観である。ソリッドモデルやパラメトリック・フィーチャーモデルの3dCADではブール集合演算の和集合の処理コマンドで容易に実行可能である。サーフェスモデルをベースとする3dモデリングツールでは、擬似ブール集合演算のコマンドをマクロ機能で実現することが可能である。この処理により比較的容易に実行可能である。
コンポーネントの一体化処理で、歯付きの成形体として単一のオブジェクトで認識される。この状態で成形体をSTLファイルに出力することにより、三角形要素で分割されたサーフェスモデルに変換できる。従って、既に開示した方法で工具メッシュや成形体の有限要素メッシュを生成することが可能である。
数値木型は主に複雑な数値工具を生成するために利用される。そして、数値工具が生成された後に直接数値工具の寸法・形状を修正することが可能である。
有限要素法による成形加工シミュレーションでは、計算処理量に対して工具のメッシュよりも成形体のメッシュの方が圧倒的に影響が大である。従って、成形体のメッシュを生成する際には、3dCADや3dモデリングツールなどで成形体形状を出来るだけ少ない構成面で表現する必要性がある。
特に、三次元の有限要素解析は処理量が膨大になり、処理待ち時間が多くなる傾向であるから、実用処理のためには計算処理量を削減すべきである。処理量の削減で最も良く用いられるのは、問題の対称性を利用して解析領域を大幅に削減する方法である。
図34の場合は周方向に24分割(歯数の2倍)して歯の半分を含む領域をモデル化することができる。しかし、通常の解析ソフトはxy面、yz面、zx面の何れかの対称面の組み合わせによる領域定義が行われるので、4分割して歯を3個含むものとした。
図35は3dモデリングツールを利用して4分割するとともに、分割の切断面にも表面を付加してモデル化した後、STLファイルに出力して三角形要素で分割されたサーフェスモデルに変換した際の外観である。3dモデリングツールのモデル表面の定義方法に由来する細長い三角形要素が多く観察される。
図36は非特許文献10)に開示の3dのプレ処理ソフトを用いてSTLファイル読み込んでバルクモデルとして成形体の有限要素メッシュを生成した際の外観である。表面の三角形はバルクの四面体要素の一部表面が露出したものであり、STLファイルに比べて極端に細長い要素が大幅に減少するとともに、要素の密度のバランスが改善されていることが分かる。
このように、一見複雑な形状の成形加工解析であっても、複数の比較的単純なコンポーネントに分解して形状の生成を容易化するとともに、再度コンポーネントを組み合わせて所望の成形体を構築することが出来る。また、図32に開示するように、三種類の修正方法を適用できるので、目的に応じて最適な方法を選択することが可能である。
その際、本発明の成形加工シミュレーションシステムでは主要な基本形状を軸対称形状にモデル化することで、処理が簡素で容易になる。そのため小規模メーカーの利用に適する。
(6)本発明の第6の成形加工シミュレーションシステムの効果について説明する。
数値木型のモデルを採用することで、比較的容易に数値工具を生成することが可能であることが判明した。数値木型は成形体形状をベースに工具の合わせ面の部分形状を付加する。数値工具は数値木型の合わせ面の一部を分離することで機械的に生成できる特徴がある。
しかしながら、このように成形体形状を転写しただけの数値工具では、所望の成形体を加工出来ない場合がある。例えば、成形体の周囲を垂直な面が取り囲む形状では金型内部に充満した素材が弾性ひずみのため型の垂直面を押し付ける。その際に接触面に発生する摩擦力により素材が型に張り付いて型から分離できないので、ノックアウトなどの強制排出機構が利用される。抜き勾配が無い垂直面の場合は摩擦力が極めて過大であるため機械や工具の破損などを生じ易い。これを防止するには成形体の周囲の面に所望の抜き勾配を付与すればよい。
また、素材は丸棒などを所定の長さに切断して作成するが、その体積または質量は成形体のものと厳密に一致することが理想である。しかしながら、素材の丸棒の外径寸法は製造時の寸法公差が許容されるので個々の丸棒によって異なる。また、同一の素材丸棒であっても、製造時の寸法制御の外乱により長手方向の位置で変化する。従って、一定長さに切断された素材は個々に体積または質量が変化する。
従って、同一の金型を用いて同じ条件で加工する限り、個々の素材の体積または質量のばらつきによる成形体の形状変化の発生が避けられない。体積が過大な場合には、金型から素材の一部が型の合わせ面に噛み出すため、噛み出し防止による疵発生の抑制が課題になる。これは、合わせ面と成形体の表面が交差する金型の角部に半径や面取り加工を行って逃がしのスペースを設けることにより対策する。
また、素材の材質が硬い場合には成形加工時に発生する金型の面圧が極端に高くなる。金型は一般的に鋼材や金属合金が用いられるので、面圧が高い場合に金型の弾性変形が顕著に発生する。これらは成形加工解析により予測できるので、金型の設計の際に弾性変形を補償する微小寸法の修正が必要になる場合がある。
これらの金型の形状修正を数値木型の形状修正で処理すれば、処理が大幅に簡素化できる。一般的に修正量は過去の実績によりハンドブックやデータベースを参照して決定されるが、実績のない新製品の場合には設計者の主観で決定せざるを得ず、試作金型を用いて試し打ちを行って妥当性を評価する。
成形加工シミュレーションシステムでは、有限要素法による成形体の仕上げ寸法・形状を予測するので、試作型を用いないで、迅速に修正量の妥当性を検証できる。仮に目標の条件をクリアできない場合には、再度修正量を変更して評価すれば良いので、この処理を反復することで最適な金型を設計できる特徴がある。従って、本発明の成形加工シミュレーションシステムは小規模メーカーの利用に適する。
(7)本発明の第7の成形加工シミュレーションシステムの効果について説明する。
数値木型は、成形体と工具合わせ面の部分形状を合体させて基本形状とする。従って、工具と材料が直接接触する工具の内面の形状や工具の合わせ面の位置および間隙の設定に金型設計のノウハウがある。
近年、マイクロ加工やナノ加工と呼称される小型で精密な成形体を加工する技術が開発されつつある。その際、使用される加工工程の条件に関する成形加工シミュレーションは、金型設計の重要な最適化技術と考えられる。このような超精密加工の極限的な精度は、原子や分子の寸法と推定される。
数値木型は計算機を用いた数値モデルであるから、浮動小数点の誤差、数値計算の打切り誤差、計算機環境などの影響により、信頼できる解析の精度に限界がある。一般的に数値計算では使用する計算機の環境によりこれらの限界精度が変動するので、専用のプログラムで計算機毎に非特許文献11)に開示の計算機イプシロンを測定して基準値とする。
数値木型では、値木型から数値工具への形状の転写の誤差が発生する。また、工具の合わせ面の間隙に関して、接触判定が可能な下限の寸法が存在する。そこで、これらの条件をクリアする基準として、数値木型を生成して調査した結果、計算機イプシロンの少なくとも10000倍以上に設定すると安定して利用できることが判明した。
解析者の計算環境は種々変化するので、計算機イプシロンを導入することによって、科学的に合理的な基準を設定できるので、本発明の成形加工シミュレーションシステムは小規模メーカーの利用に適する。
(8)本発明の第8の成形加工シミュレーションシステムの効果について説明する。
数値木型のモデルは工具を利用する各種成形加工工程のシミュレーションにおいて数値工具の生成に適用が出来る可能性が高い。そこで、圧延、ロール成形、鍛造、プレス成形、押出し、引抜、鋳造、射出成形、ダイキャスト成形、塑性加工工程で適用可否を検討した結果、何れの工程でも適用できることが判明した。
(9)本発明の第9の成形加工シミュレーションシステムの効果について説明する。
図37は成形加工シミュレーションシステムの構成を示す流れ図である。
図14から図18および図7から図12の手順で数値木型、数値工具、工具の有限要素メッシュを生成する成形加工シミュレーションシステムの効果を説明した。これらは、主にCADおよび/またはCGのコマンドを組み合わせて処理できる。
しかしながら、CADまたはCGは多くの機能が利用できるので、一見同じようなコマンドが多数存在するため、所望のモデルを生成できるまでに多くの学習時間が必要である。一般に、CADまたはCGは生産性を向上するために、マクロプログラムと呼称するプログラミングによる自動処理機能が利用できる。
多くのCADまたはCGのソフトウェアはオブジェクト指向言語により記述されるので、ソフトウェアで利用できるコマンドは、マクロプログラムでもサブルーチンや組み込み関数のように呼び出すだけで利用できる。従って、100行程度のコンパクトなプログラムで主要な処理を記述できる。
また、図14から図18および図7から図12の一連の処理は、成形体の仕様が異なっても、鍛造工程としては共通である。そのため、コマンドの操作もパターン化されている。このパターンに従って、コマンドを順番に記述することによりプログラミングを行うことができる。特に、近年のマクロプログラムの言語はスクリプト言語というテキスト形式のインタープリター方式が主流である。
テキストファイルのコマンドを一行毎にマシーン語に翻訳して計算機で実行するので、バグが存在する場合には現在翻訳して実行する行であるから、エラーの箇所が明確でデバッグが容易である。また、プログラムのサイズが小さいのでデバッグだけでなく、プログラムの維持管理も容易で経済的である。
小規模の鍛造メーカーでは製品の種類が少ないので、各々の製品や工程に対して専用のプログラムを作成することができる。このように一旦プログラムを作成すると、ユーザーはこのプログラムを起動して自動処理により図14から図18および図7から図12の一連の処理を実施できるので、便利である。従って、本発明の成形加工シミュレーションシステムは小規模メーカーの利用に適する。
(10)本発明の第10の成形加工シミュレーションシステムの効果について説明する。
図38は成形加工シミュレーションシステムの構成を示す流れ図である。
図14から図18および図7から図12の一連の処理は、軸対称またはほぼ軸対称形状である場合の実施例で説明した。鍛造などの成形加工では、材料の送り方向に垂直な断面の形状が緩やかに変化するか一定の場合が多い。この場合には二次元CADで断面の外形線を作図した後、CADまたはCGの押し出しツールを用いて成形体の中心軸に沿って掃引することにより三次元モデルに変換することが出来る。
特に、サーフェスモデルによる3dモデリングツールを利用すると、これらの処理が直感的に処理できるので簡素な処理で生産性を向上することが期待される。
本発明の成形加工シミュレーションシステムは、図38に示すように、3dモデル化を適正に選択することで生産性が向上するので、小規模メーカーの利用に適する。
(11)本発明の第11の成形加工シミュレーションシステムの効果について説明する。
図39は成形加工シミュレーションシステムの構成を示す流れ図である。
サーフェスモデルによる3dモデリングツールには建築物のデジタル写真などのイメージデータを下敷きにして、モデルを生成する機能が存在する。一般に写真では被写体とカメラの位置やカメラのレンズの特性などにより不可避的にイメージのゆがみが発生する。
建築用カメラでは非特許文献12)に開示のあおりという特殊な撮影方法により光学系でオリジナルのイメージを修正して記録する工夫がなされた。しかし、これらのハードによる方法は一般的でなくコストが高い問題があった。
近年は、一般的な撮影方法でゆがみを許容したイメージを元に、CADやCGの機能によりイメージのゆがみを修正する場合が多い。鍛造などの実機の成形加工工程をイメージデータによりモデル化する際には、撮影方法などによるゆがみを修正することにより、信頼性の高いモデル化が可能になる。
一般的に、塑性加工などの力学では、多くの場合に相似則が概ね成立するので、寸法が不明であってもイメージデータによるモデルが有効な場合が多い。
本発明の成形加工シミュレーションシステムは、イメージデータから手軽に解析データを生成できるので、小規模メーカーの利用に適する。
(12)本発明の第12の成形加工シミュレーションシステムの効果について説明する。
図40は成形加工シミュレーションシステムの構成を示す流れ図である。
町工場で利用実績が高い二次元のCADまたはCGのソフトウェアを用いて、数値木型の主な基本形状の定義および詳細な寸法の入力を実施することにより、ユーザーの処理の負担を軽減する。この処理により成形体の断面形状と工具の合わせ面の間隙の断面形状を合成して数値木型の二次元断面形状を容易に生成できる。
二次元のCADまたはCGのソフトウェアでは三次元の処理が困難であるから、二次元断面形状を三次元のCADまたはCGのソフトウェアで読み込み可能な仕様のデータファイルに出力する。DXFファイルやXMLファイルが利用できる。
二次元断面形状のデータファイルを三次元のCADまたはCGのソフトウェアに読み込んで、二次元断面形状のオブジェクトに変換する。外形線や断面領域からなる二次元断面形状を一体化した単一のオブジェクトとして選択し、処理できる。
三次元のCADまたはCGのソフトウェアの機能を用いて二次元断面形状のオブジェクトを二次元断面内に含まれる成形体の中心軸周りに回転掃引するか、成形体の中心軸に沿って掃引することで数値木型または数値木型のコンポーネントとして立体モデルに変換する。
数値木型の主要な基本形状を単一のオブジェクトとしてルーチンワーク的に処理することが可能になる。そのため、自動処理が容易化するので、本発明の成形加工シミュレーションシステムは小規模メーカーの利用に適する。
(13)本発明の第13の成形加工シミュレーションシステムの効果について説明する。
一般的に複雑な形状である数値木型を単数または複数の基本コンポーネントに分解することにより、個々のコンポーネントを生成処理が比較的容易な単純形状にする。生成されたコンポーネントをブール演算または擬似ブール演算で集合処理することにより数値木型を生成することが出来る。
ソリッドモデルやパラメトリック・フィーチャーモデルでは、ブール演算のコマンドが標準で設定されているので、これを利用する。サーフェスモデルではコンポーネントを正規の位置に配置して各コンポーネントの表面の交叉する境界線を求めるとともに、この境界線を境にして分離される面要素の存在可否を判定して、不要な面素を削除する。この処理により、オブジェクトの外面および内面が一枚のシェルからなるサーフェスモデルとして定義される。この処理をサーフェスモデルでは擬似ブール演算と呼称する。
数値木型を構成する基本コンポーネントはオブジェクトを操作するプログラムにより生成される。また、CADまたはCGのソフトウェアからパラメータを指定してオブジェクトプログラムを操作することが出来るので、ユーザーはCADまたはCGのソフトウェアを開いたまま、そのインターフェースを一貫して利用できるので、操作性が良好でかつ便利である。
オブジェクトプログラムはマルチタスクやマルチスレッドの機能を利用して自動処理でCADまたはCGのオブジェクトとして数値木型または数値木型のコンポーネントを生成する。即ち、単一のオブジェクトとして処理できる数値木型のモデルが生成される。
本発明の成形加工シミュレーションシステムは、オブジェクトを処理するプログラムの自動処理によりユーザーの処理を低減するので、小規模メーカーの利用に適する。
(14)本発明の第14の成形加工シミュレーションシステムの効果について説明する。
図41は成形加工シミュレーションシステムの構成を示す流れ図である。
近年、インターネットなどの高付加価値通信網が整備され、大量のデータを双方向で転送できるだけでなく、WEB2.0と呼称されるようにアプリケーションサーバーにアクセスすることで様々なサービスを利用できるようになった。
成形加工シミュレーションシステムは複数のアプリケーションがデータファイルを介して連結する組み合わせシステムである。高付加価値通信網に接続されたサーバーにCADやCG、プレ処理やシミュレーションのアプリケーションを配置して、各アプリケーション間のデータファイルの送信を非同期通信で行えば、スタンドアローンのシステムと全く同様のサービスを享受することが可能になる。
また、高付加価値通信網にデータベースサーバーを配置すれば、スタンドアローンシステムでは困難な高付加価値のサービスの提供も可能になる。そこで、データベースとして成形加工シミュレーションに関するスキルやナレッジを登録すれば高付加価値のサービスを世界中のユーザーに提供できる。
この高付加価値の成形加工シミュレーションサービスとして、小規模メーカーで不足するシミュレーションのスキルやナレッジを各種の鍛造工程や製品により分類した専用のシミュレーションとして提供することができる。
具体的には、クライアントPCまたはサーバーPCで稼動するCADまたはCGのソフトウェアをインターネットアプリケーションとして、クライアントのインターネットブラウザから呼び出して利用する。CADまたはCGのソフトウェアのブラウザに表示されるインターフェースからクライアントプログラムを起動することにより表示されるダイアログボックスで製品または加工工程に関するカテゴリーを選択する。
クライアントプログラムは選択されたカテゴリーと設定されたパラメータをデータベースサーバーに送信し、データベースはこれらのパラメータを読み込んでベストプラクティスのオブジェクトプログラムまたは設定パラメータの候補を検索する。
検索結果はクライアントPCに送信され、ダイアログボックスに結果が表示される。その際、カテゴリーの選択でデータベースから製品または工程に関する専用のデータが取得され、その際、デフォールトのデータが取得されるので必要最小限のパラメータを設定すればよい。ユーザーは馴染みのある自社の工程に関する必要最小限のパラメータを設定するので、正確な入力が可能になる。
ユーザーは結果として表示されたベストプラクティスのオブジェクトプログラムを起動することができる。ベストプラクティスのオブジェクトプログラムとして、CADのマクロプログラムとそのベストプラクティスのパラメータを登録すれば、自動的にこれらのオブジェクトプログラムが最適な数値木型または数値木型のコンポーネントを生成する。
尚、登録されたマクロプログラムとパラメータを利用しない場合は、手動による設定も選択することができる。これらの手動設定に関して、マクロプログラムに記述してパラメータとともに登録すれば、次回からは自動処理が可能になる。
本発明の成形加工シミュレーションシステムは、ユーザーの工程に関連した最小限のパラメータを設定するので、小規模メーカーの利用に適する。
(15)本発明の第15の成形加工シミュレーションシステムの効果について説明する。
図42は成形加工シミュレーションシステムの構成を示す流れ図である。
小規模の鍛造メーカーで不足する成形加工シミュレーションに関するスキルやナレッジをデータベースに登録して、ユーザーニーズに適合する高付加価値のサービスを提供する。
具体的には、単数または複数のデータベースサーバー、クライアントPC、サーバーPCがインターネットなどの高付加価値通信網に接続される。また、工程や製品に対して専用化されたオブジェクトプログラムまたはそのパラメータが単数または複数のデータベースサーバー、クライアントPC、サーバーPCに登録または組み込まれる。
クライアントPCまたはサーバーPCから専用のオブジェクトプログラム、パラメータ、メタデータをカテゴリー別に予め定められた様式に従ってデータベースに登録する。
ユーザーが利用することによって発生するオブジェクトプログラムの実行結果または利用条件に関する統計情報が予め定められた様式に従ってデータベースに登録される。ユーザーがクライアントPCからカテゴリーなどを入力してデータベースを検索する際に、選択したカテゴリーに関連する統計情報を参照してベストプラクティスのオブジェクトプログラムやその実行結果を閲覧できる。これにより、無駄な処理を未然に防止するとともに、利用頻度の高いオブジェクトプログラムを選択することが可能になる。
本発明の成形加工シミュレーションシステムは、ユーザーに使用頻度の高いオブジェクトプログラムの情報を提供するので、小規模メーカーの利用に適する。
(16)本発明の第16の成形加工シミュレーションシステムの効果について説明する。
図20から図30に開示の実施例では、数値成形体のSTLファイルにプレ処理を適用して生成した成形体の有限要素メッシュの節点数およびバンド幅が計算処理可能な上限を左右する。そのため、解析の信頼性を確保できるメッシュ密度で、解析領域をできるだけ縮小しなければならない。
そのためには、シミュレーションの物理的な対称性を利用して、数値成形体または数値木型の解析領域を削減することができる。解析領域を削減するために1個対称面を導入すると、全体の節点数や要素数がほぼ半減するので、計算処理量の節約に繋がる。
但し、サーフェスモデルでは対称面で切断された場合に、切り口断面が中空となる。その場合には、解析領域の対称面に表面のオブジェクトを生成して、対称性の境界条件を設定できるようにすればよい。
本発明の成形加工シミュレーションシステムは、対称性を用いて解析領域を削減することにより、解析の待ち時間も削減するので、小規模メーカーの利用に適する。
(17)本発明の第17の成形加工シミュレーションシステムの効果について説明する。
鍛造などの成形加工では、一般に成形機本体に固定された金型に素材をセットして、対向する金型が加工方向に往復運動により素材を圧下しながら加工する。その際、対向する一対の金型の距離を最も近づけた状態でその段の加工が終了する。このストロークエンドの位置を下死点位置と呼称し、対向する金型の内部形状が成形体に転写される。
そこで、下死点位置における成形体の形状と工具の合わせ面の間隙の部分空間形状を合成して数値木型を生成する。対向する金型の位置は成形機の駆動装置による往復運動により時々刻々と変化する。数値木型は工具の合わせ面で分離して複数の工具を生成するので、アライメントを明確に定義する必要がある。
下死点位置における成形体の形状と工具の合わせ面形状の関係をそのまま利用して数値木型のアライメントを明確に定義することができる。下死点位置で工具の合わせ面を分離することにより、各工具は自然に下死点位置に設定されるので、工具の相対位置の調節を省略することができる。これにより、複雑なアライメント調整が不要になるので、この成形加工シミュレーションシステムは小規模メーカーの利用に適する。
尚、実機では一般的に下死点位置で最大の成形荷重が成形機と金型および素材に作用するので、弾性変形により合わせ面が開く変形が生じる。この開いた状態でアライメントを定義すると、変形による誤差が減少して好ましい。
また、近年はサーボプレスなるアクチュエータが適用されており、この場合は下死点位置の代わりに停止位置を利用すればよい。
(18)本発明の第18の成形加工シミュレーションシステムの効果について説明する。
近年のCADは簡単なシミュレーションの機能が付属するので、通常は付属のソフトウェアでCAE解析を実施する。しかしながら、成形加工シミュレーションでは材料の非線形性、接触解析の非線形性などにより、解の収束性が変化する。汎用解析では収束条件を甘く設定しなければ収束解を得ることができないので、必然的に解析精度が低下する。可能な限り専用解析のソフトウェアとして収束条件を厳しく設定することが好ましい。
その際、完全なホワイトボックスである自作のCAEソフトウェアが、信頼性の確保に有利である。その場合は、大変形でも計算量の低減と解析精度の向上のバランスに優れる剛塑性有限要素法、共回転型定式による弾塑性有限要素法のソルバーを用いると良い。
前者は素材の弾性変形を無視するのでスプリングバックを考慮しないが、これを考慮する場合よりも計算量が少ない利点がある。後者は弾性変形も考慮するのでスプリングバックを考慮できるが、計算量が多いので待ち時間が長い。共回転型定式とすることで計算量を低減できるので有利である。
CADのモデルから成形体の有限要素メッシュを生成する際に、一般的にSTLファイルに出力してプリ処理に読み込んで自動要素分割を実施する。プリ処理ではDelaunay法によるロジックが最も多く利用されるので、一般にプリ処理では四面体有限要素メッシュが生成される。
成形加工シミュレーションでは塑性加工の前後で材料の体積または質量が変化しないので、その拘束条件のため通常の低次要素では正解を得ることが困難である。その対策として成形体の各有限要素の中心点位置に泡節点と呼称される内部節点を追加して変形の自由度を増加させる。
但し、図28の有限要素メッシュでは節点が648個、四面体要素が2296個、三角形が5135個であった。従って、通常の有限要素では節点が648個であるのに対して、泡節点を追加する場合には更に要素の数の内部節点が追加されるため、648個+2296個=2944個に増加する。後者は前者の約4.54倍であるから、計算処理量が数十倍に増加して計算処理が困難化する。
そこで、要素の泡節点を剛性行列の作成時に未知変数から消去すれば、見かけの節点数が通常の節点数と同じになる。この処理により、待ち時間を低減した実用的な解析が可能になる。
本発明に成形加工シミュレーションシステムは、変形の自由度の確保と自動メッシュを両立させるので、小規模メーカーの利用に適する。
(19)本発明の第19の記録媒体の効果について説明する。
数値木型による成形加工シミュレーションシステムを記録した記録媒体とすることで、ユーザーに成形加工シミュレーションシステムを配布することが可能になる。
この成形加工シミュレーションシステムは、記録媒体として配布可能であるから、小規模メーカーの利用に適する。
本発明の成形加工シミュレーションシステムの一実施例を鍛造工程の金型による加工の場合に、開示した。鍛造工程の金型は構造が複雑な工具であるから、圧延、押出し、引抜き、ロール成形、回転成形、鍛造、ロールフォージング、リングローリングなどの主に金属材料の塑性加工プロセスの一般的な工具にも適用が可能である。また、3dモデルとしてサーフェスモデルで表示したが、原理的にソリッドモデル、B-REPでも適用が可能である。
従って、金属材料の各種コンピュータシミュレーションにおいて、中間モデルとして数値木型を導入することにより複雑な数値工具を簡単にかつ正確に生成できるので、小規模な加工メーカーであっても実用的な解析システムを構築することができる。
Claims (19)
- 成形体の形状と、少なくとも該成形体が接する領域を含む工具の合わせ面の間隙の部分空間形状を合成して仮想モデルである数値木型を生成する工程、該数値木型の表面形状を該工具の合わせ面の間隙の領域で分離して数値工具を生成する工程、該数値工具の表面を複数の多角形またはポリゴンに分割して工具の有限要素データを生成する工程を有し、該数値工具を生成する工程と該有限要素データを生成する工程は順不同であることを特徴とする数値木型による成形加工シミュレーションシステム。
- 該数値木型がサーフェスモデルで生成されることを特徴とする請求項1に記載の数値木型による成形加工シミュレーションシステム。
- 該成形体形状による数値成形体を生成する工程、該数値成形体の表面を複数の多角形またはポリゴンに分割して該数値成形体の表面メッシュを生成する工程、該数値成形体の表面メッシュを元に該数値成形体の表面および内部空間を複数の有限要素に分割して該成形体の有限要素データを生成する工程を有することを特徴とする請求項1および請求項2に記載の数値木型による成形加工シミュレーションシステム。
- 該工具の有限要素データおよび該成形体の有限要素データを用いて、逆行解析を行う工程を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の数値木型による成形加工シミュレーションシステム。
- 該数値工具の表面形状を修正するために、予め該成形体形状および/または該数値木型の形状を修正するか、もしくは該数値工具の形状を直接修正する工程を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の数値木型による成形加工シミュレーションシステム。
- 該数値工具の表面形状の修正が該工具のキャビティー表面の抜き勾配の修正、該成形体の噛み出し疵を防止する該工具の合わせ面の付け根のフィレットおよび/またはコーナー半径の修正、成形圧力による該工具および/または該成形体の弾性変形による形状の修正の何れかであることを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載の数値木型による成形加工シミュレーションシステム。
- 該数値木型から該数値工具への形状の転写の誤差および/または該工具の合わせ面の間隙が計算機イプシロンの少なくとも10000倍以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項6に記載の数値木型による成形加工シミュレーションシステム。ここで、該計算機イプシロンとは該成形加工シミュレーションシを実行する計算機が認識する最小の正の実数であり、専用のプログラムを用いて求める。
- 該成形加工シミュレーションが圧延、ロール成形、鍛造、プレス成形、押出し、引抜、鋳造、射出成形、ダイキャスト成形、塑性加工工程の何れかの成形であることを特徴とする請求項1乃至請求項7に記載の数値木型による成形加工シミュレーションシステム。
- CADおよび/またはCGのソフトウェアのマクロプログラムを用いて、該成形体が接する領域を含む工具の合わせ面の間隙の部分空間形状を合成して仮想モデルである数値木型を生成する工程、該CADおよび/または該CGのソフトウェアのマクロプログラムを用いて、該数値木型の表面形状を該工具の合わせ面の間隙の領域で分離して数値工具を生成する工程、該CADおよび/または該CGのソフトウェアのマクロプログラムを用いて、該数値工具の表面を複数の多角形またはポリゴンに分割して工具の有限要素データを生成する工程を有し、該数値工具を生成する工程と該有限要素データを生成する工程は順不同であることを特徴とする請求項1乃至請求項8に記載の数値木型による成形加工シミュレーションシステム。
- 該成形体の二次元断面形状または該成形体の断面形状と該工具の合わせ面の間隙の断面形状を合成した二次元断面形状を、該二次元断面内に含まれる該成形体の中心軸周りに回転掃引するか、該成形体の中心軸に沿って掃引することにより、該数値木型または該数値木型のコンポーネントを生成する工程を有することを特徴とする請求項1乃至請求項9に記載の数値木型による成形加工シミュレーションシステム。
- 該成形体および/または該工具のイメージデータの歪みを修正して輪郭データを生成する工程、該輪郭データから抽出した該成形体の断面形状と該工具の合わせ面の間隙の断面形状を合成して二次元断面形状を生成する工程、該二次元断面形状を該二次元断面内に含まれる該成形体の中心軸周りに回転掃引するか、該成形体の中心軸に沿って掃引することにより、該数値木型または該数値木型のコンポーネントを生成する工程を有することを特徴とする請求項1乃至請求項10に記載の数値木型による成形加工シミュレーションシステム。
- 二次元のCADおよび/またはCGのソフトウェアで該成形体の断面形状と該工具の合わせ面の間隙の断面形状を合成して二次元断面形状を生成する工程、該二次元断面形状をデータファイルに出力する工程、該データファイルを三次元の該CADおよび/または該CGのソフトウェアに読み込んで該二次元断面形状のオブジェクトに変換する工程、該二次元断面形状のオブジェクトを該二次元断面内に含まれる該成形体の中心軸周りに回転掃引するか、該成形体の中心軸に沿って掃引することにより、該数値木型または該数値木型のコンポーネントを生成する工程を有することを特徴とする請求項1乃至請求項11に記載の数値木型による成形加工シミュレーションシステム。
- 該数値木型が単数または複数の基本コンポーネントのブール演算または擬似ブール演算で生成され、該基本コンポーネントがオブジェクトプログラムにより生成されるとともに、該CADおよび/または該CGのソフトウェアからパラメータを指定して該オブジェクトプログラムを操作することにより該CADおよび/または該CGのオブジェクトとして該数値木型または該数値木型のコンポーネントを生成することを特徴とする請求項1乃至請求項12に記載の数値木型による成形加工シミュレーションシステム。
- クライアントPCおよび/またはサーバーPCで稼動する該CADおよび/または該CGのソフトウェアからクライアントプログラムを起動することにより表示されるダイアログボックスで製品および/または加工工程に関するカテゴリーを選択するとともにパラメータを設定する工程、該選択されたカテゴリーと該設定されたパラメータをデータベースサーバーに読み込んでベストプラクティスのオブジェクトプログラムおよび/または設定パラメータの候補を検索する工程、該クライアントPCの該ダイアログボックスに結果を表示する工程、該ベストプラクティスのオブジェクトプログラムを起動して該ベストプラクティスのパラメータに対応する該数値木型または該数値木型のコンポーネントを生成する工程を有することを特徴とする請求項1乃至請求項13に記載の数値木型による成形加工シミュレーションシステム。
- 単数または複数の該データベースサーバーおよび/または該クライアントPCおよび/またはサーバーPCが高付加価値通信網に接続され、該オブジェクトプログラムおよび/または該パラメータが単数または複数の該データベースサーバーおよび/または該クライアントPCおよび/または該サーバーPCに登録および/または組み込まれる工程、該クライアントPCおよび/またはサーバーPCから該オブジェクトプログラムおよび/または該パラメータおよび/またはメタデータを該カテゴリー別に予め定められた様式に従って該データベースに登録する工程、所望により該オブジェクトプログラムの実行結果および/または統計情報が予め定められた様式に従って該データベースに登録される工程を有することを特徴とする請求項1乃至請求項14に記載の数値木型による成形加工シミュレーションシステム。
- シミュレーションの物理的な対称性を利用して、該数値成形体および/または該数値木型の解析領域を削減するとともに、該解析領域の対称面に表面のオブジェクトを生成することを特徴とする請求項1乃至請求項15に記載の数値木型による成形加工シミュレーションシステム。
- 下死点位置における該成形体の形状と該工具の合わせ面の間隙の部分空間形状を合成して数値木型を生成することを特徴とする請求項1乃至請求項16に記載の数値木型による成形加工シミュレーションシステム。
- 剛塑性有限要素法および/または共回転型定式による弾塑性有限要素法のソルバーを用い、該成形体の有限要素が泡節点付四面体要素であり、所望により該泡節点付四面体要素の該泡節点を剛性行列の作成時に未知変数から消去することを特徴とする請求項1乃至請求項17に記載の数値木型による成形加工シミュレーションシステム。
- 請求項1乃至請求項18の該数値木型による成形加工シミュレーションシステムを記録した記録媒体。
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2009
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