JP2011085513A - 動釣合い試験機およびロータ受け用アタッチメント - Google Patents
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Abstract
【解決手段】動釣合い試験機1では、振動部4に設けられたアタッチメント5がロータ2を保持し、ロータ2を回転させたときに振動部4に生じる振動を検出することで、ロータ2の動釣合い試験を行う。アタッチメント5は、マンドレル28とスラストリング29とブラケット30とを含んでいる。アタッチメント5は、振動部4に対して取り外し可能であることから、ロータ2の種類に応じて交換可能である。アタッチメント5は、マンドレル28、スラストリング29およびブラケット30に分割可能であるので、マンドレル28、スラストリング29およびブラケット30のそれぞれを、別々の状態で精度よく加工できる。
【選択図】図4
Description
この種のロータ受け部の従来例は、特許文献1、2および3に開示されている。
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、ロータ受け部の交換性および加工性の向上を図ることができる動釣合い試験機およびロータ受け用アタッチメントを提供することを目的とする。
請求項4記載の発明は、ジャーナル部を備え、かつ、回転軸上に貫通孔を有するロータ受け用アタッチメントであって、当該アタッチメントは、前記ロータの前記貫通孔が外嵌されるマンドレルと、前記マンドレルの一端側に結合されたスラストリングと、前記マンドレルの一端側および前記スラストリングに結合されたブラケットと、を含み、前記アタッチメントには、前記ロータを保持したときに、少なくとも前記マンドレルと前記貫通孔との間に流体を供給するための流体供給孔が形成されており、前記アタッチメントは、動釣合い試験機の振動部に対して取り外し可能であり、かつ、前記マンドレル、前記スラストリングおよび前記ブラケットに分割可能であることを特徴とする、ロータ受け用アタッチメントである。
アタッチメントには、流体供給孔が形成されており、ロータにおいてマンドレルに外嵌された貫通孔とマンドレルとの間に、流体供給孔から流体(空気や油や水等)が供給されて、この流体が軸受となることで、ロータは、アタッチメントによって回転自在に保持されることとなる。
また、アタッチメントは、マンドレル、スラストリングおよびブラケットに分割可能である。これにより、アタッチメントでは、マンドレル、スラストリングおよびブラケットのそれぞれを、別々の状態で精度よく加工できる。そのため、アタッチメントの加工性の向上を図ることができる。
そして、この動釣合い試験機には、水平方向に延びる複数本のばねと吊り下げばねとが設けられている。
水平方向に延びるばねでは、一端が固定ベースに取り付けられて、他端が振動部に取り付けられている。これにより、振動部は、水平方向へ振動可能となる。
請求項3記載の発明によれば、ロータがアタッチメントに保持された状態において、ロータの外周面にベルトが掛けられ、ロータは、固定ベース側に設けられた駆動源によって、ベルトを介して回転される。
図1は、この発明の一実施形態に係る動釣合い試験機1を正面上方から見た斜視図である。ここで、動釣合い試験機1を正面側(図1における紙面手前側)から見たときを基準として、動釣合い試験機1の前後左右を規定する。
図1に示す動釣合い試験機1は、ターボチャージャーコアアッセンブリの構成パーツ(ターボ部品)である高速回転用ロータ(以下では、単に「ロータ」という。)2を、被試験体の一例としている。
(1)固定ベース
固定ベース3は、動釣合い試験機1を固定するためのものであり、動釣合い試験機1が設置される試験室の床等にボルト等によって固着される。固定ベース3は、側面視略L字をなしていて、縦壁6と横壁7とを含んでいる。
横壁7は、平面視において前後にやや長手の略矩形状をなしており、上下方向においてやや薄いブロック形状である。横壁7の天面7Aは、水平方向に沿って平坦であり、この天面7Aには、前後に延びる横溝9が、縦溝8と同様に、幅方向に間隔を隔てて3本形成されている。
上支持板12および下支持板13は、ともに、上下に薄い板状であって、平面視では略矩形状をなしている。上支持板12および下支持板13のそれぞれでは、後側端部の左端部が左側へ突き出ている。上支持板12および下支持板13のそれぞれの天面および底面には、水平方向に平坦な取付面14が形成されている(後述する図2も参照)。上支持板12および下支持板13のそれぞれの後側端部の幅方向両端部には、後側へ突出する突起15が一体的に設けられている。
上支持板12の天面の取付面14の前側端部には、ホルダ17が取り付けられている。ホルダ17は、後述する吊り下げばね27を支持するものである。
各第1ステー19は、上下に扁平で幅方向にやや長手の直方体形状である。ここで、上支持板12の天面および下支持板13の底面のそれぞれにおける取付面14には、レバー20が設けられている(下支持板13のレバー20については、図2参照)。レバー20を操作することによって、対応する第1ステー19の位置をロックしたり、そのロックを解除して第1ステー19の位置を調整したりすることができる。
(2)振動部
振動部4は、他の部品と区別するために、ドットで塗り潰されている。振動部4は、前後方向に薄い板状であって、正面視において、内側に開口を有する略矩形の枠体形状をなしている。振動部4の後側面における上端部および下端部のそれぞれには、後側へ突出する第2ステー24が取り付けられている。第2ステー24は、幅方向に長手の略四角柱である。
ここで、振動部4が動釣合い試験機1に組み付けられた状態において、固定部材25は、ホルダ17において前側へ延びる上端部のほぼ真下に位置している。また、正面から見て、上側の第2ステー24の左端部と、上側(上支持板12側)の第1ステー19(図2参照)の左端部とがほぼ一致していて、上側の第2ステー24の右端部と、上側の第1ステー19の右端部とがほぼ一致している。また、正面から見て、下側の第2ステー24の左端部と、下側(下支持板13側)の第1ステー19の左端部とがほぼ一致していて、下側の第2ステー24の右端部と、下側の第1ステー19の右端部とがほぼ一致している。
このように、振動部4は、上支持板12および下支持板13(つまり、固定ベース3)によって、ばね26(26A〜26D)および吊り下げばね27を介して弾性的に支持されている。そのため、この状態で、振動部4に力を加えると、振動部4は、比較的安定した姿勢で、水平方向に自在に振動することができる。つまり、振動部4は、固定ベース3に対して振動可能に連結されている。
(3)アタッチメント
図4は、図2の要部を拡大して断面で示した図である。次に、図4を参照して、アタッチメント5について説明する。説明に際し、図4におけるアタッチメント5の姿勢を基準とする。
一方、マンドレル28では、下端部が、下側へ向けて、一段大径となっていて(この部分を第1大径部31という。)、第1大径部31の下側でさらに一段大径となっていて(この部分を第2大径部32という。)、第2大径部32の下側で一段小径になっている(この部分を小径部33という。)。
第1大径部31の上端面、ならびに、第2大径部32の上端面および下端面は、水平方向に沿って平坦である。第1大径部31および小径部33のそれぞれの外周面には、周方向に沿って延びて環状をなす1本の溝34が形成されている。
スラストリング29は、上方から見て環状をなす上下に薄い板状である。詳しくは、スラストリング29の円中心位置には、スラストリング29を上下に貫通する挿通孔37が形成されている。
ブラケット30は、平面視で略矩形をなし、上下にやや薄い板状である。ブラケット30の上下のそれぞれの側面は、水平方向に沿って平坦である。
ブラケット30の下側面において、嵌合孔44に隣接する位置には、上側へ窪む凹部52(流体供給孔)が1つ形成されている。凹部52の最深部(上端部)は、ブラケット30の上側面まで届いておらず、凹部52は、ブラケット30を上下に貫通していない。凹部52は、その最深部において、嵌合孔44に連通している。また、ブラケット30で凹部52を区画する内周面の下端部には、ねじ部が形成されている。
まず、図4に示すように、ブラケット30を水平方向に沿った姿勢にする。
そして、マンドレル28を、垂直方向に延びた姿勢にしてから、ブラケット30の嵌合孔44に対して上から嵌め込む。すると、マンドレル28では、小径部33が嵌合孔44の略下半分44Bに対してぴったりと(ほぼ隙間なく)嵌り、第2大径部32が嵌合孔44の略上半分44Aに対して、径方向に遊びを持って嵌る。つまり、この状態で、ブラケット30において略上半分44Aを区画する内周面と第2大径部32の外周面との間には、所定の隙間Xが区画されている。隙間Xは、第2大径部32を中心として第2大径部32を取り囲む環状の空間である。隙間Xには、ブラケット30の凹部52が連通している。
最後に、ねじ46を、各ねじ挿通孔41に上から通して、対応するねじ孔45に組付けると、スラストリング29がブラケット30に固定される。
そして、完成したアタッチメント5を振動部4の下端部の幅方向略中央部分(図1および図3を参照)に対して正面側(図4では右側)から取り付け、後側(図4では左側)から振動部4に通したねじ48をアタッチメント5のブラケット30に組付ける。これにより、アタッチメント5が振動部4に固定される。この状態で、アタッチメント5は、振動部4とともに、所定方向に振動することができる。
このように、アタッチメント5は、振動部4に対して取り外し可能であることから、ロータ2の種類に応じて交換可能である。そのため、アタッチメント5の交換性の向上を図ることができる。
(4)動釣り合い試験の手順
次に、この動釣り合い試験機1を用いたロータ2の動釣り合い試験の手順について説明する。
また、この状態で、マンドレル28の各第1供給孔36は、ロータ2において貫通孔2Bを区画する内周面に対して、径方向内側から対向している。そして、スラストリング29の上部39の上端面における各第2供給孔40の開口部分が、ロータ2の段付き部分2Cに対して下から対向している。
また、流体供給源(図示せず)から延びるホース(図示せず)につながった別のコネクタ50が、ブラケット30の下側面の凹部52に対して下から差し込まれている。このコネクタ50は、ブラケット30で凹部52を区画する内周面の下端部(前述したねじ部)に組付けられている。
コネクタ49に到達した空気は、点線矢印で示すように、マンドレル28の凹部35内を上昇し、その際、各第1供給孔36からマンドレル28の径方向外側へ進んでマンドレル28の外周面とロータ2の貫通孔2Bにおける内周面との間に進入する。つまり、コネクタ49に到達した空気は、マンドレル28とロータ2の貫通孔2Bとの間に供給される。これにより、マンドレル28の外周面とロータ2の貫通孔2Bにおける内周面との間には、その全域に亘って、空気の薄い層が形成され、マンドレル28の外周面とロータ2の貫通孔2Bにおける内周面とは非接触状態となる。
前述したようにロータ2がアタッチメント5によって回転自在に保持された状態において駆動源が駆動されると、その駆動力がベルトを介してロータ2に伝達され、ロータ2がマンドレル28を中心に回転される。ロータ2に不釣合いが存在する場合には、ロータ2の回転に伴って、ロータ2の不釣合いに起因する振動が振動部4に生じる。この振動(固定ベース3に対する振動部4の振動)が、前述したように振動検出部23において各ピックアップ22に検出されることにより、ロータ2の不釣合いが測定され、ロータ2の動釣合い試験が実施される。
この発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
2 ロータ
2A ジャーナル部
2B 貫通孔
3 固定ベース
4 振動部
5 (ロータ受け用)アタッチメント
26 ばね
27 吊り下げばね
28 マンドレル
29 スラストリング
30 ブラケット
35 凹部
36 第1供給孔
40 第2供給孔
52 凹部
Claims (4)
- ジャーナル部を備え、かつ、回転軸上に貫通孔を有するロータのための動釣合い試験機であって、
固定ベースと、
前記固定ベースに対して振動可能に連結された振動部と、
前記振動部に設けられた前記ロータを回転自在に保持するためのロータ受け用アタッチメントと、を有し、
当該アタッチメントは、
前記ロータの前記貫通孔が外嵌されるマンドレルと、
前記マンドレルの一端側に結合されたスラストリングと、
前記マンドレルの一端側および前記スラストリングに結合されたブラケットと、を含み、
前記アタッチメントには、前記ロータを保持したときに、少なくとも前記マンドレルと前記貫通孔との間に流体を供給するための流体供給孔が形成されており、
前記アタッチメントは、前記振動部に対して取り外し可能であり、かつ、前記マンドレル、前記スラストリングおよび前記ブラケットに分割可能であることを特徴とする、動釣合い試験機。 - 前記アタッチメントは、前記マンドレルが垂直方向に延びるように配置されていて、前記ロータを縦方向に保持するものであり、
前記振動部は、一端が前記固定ベースに取り付けられて他端が前記振動部に取り付けられた水平方向に延びる複数本のばねで支持されており、かつ、前記振動部を上方から振動自在に吊り下げる吊り下げばねが設けられていることを特徴とする、請求項1記載の動釣合い試験機。 - 前記ロータは、前記アタッチメントに保持された状態において、前記ロータの外周面にベルトが掛けられ、前記固定ベース側に設けられた駆動源によって、前記ベルトを介して回転されることを特徴とする、請求項1または2記載の動釣合い試験機。
- ジャーナル部を備え、かつ、回転軸上に貫通孔を有するロータ受け用アタッチメントであって、
当該アタッチメントは、
前記ロータの前記貫通孔が外嵌されるマンドレルと、
前記マンドレルの一端側に結合されたスラストリングと、
前記マンドレルの一端側および前記スラストリングに結合されたブラケットと、を含み、
前記アタッチメントには、前記ロータを保持したときに、少なくとも前記マンドレルと前記貫通孔との間に流体を供給するための流体供給孔が形成されており、
前記アタッチメントは、動釣合い試験機の振動部に対して取り外し可能であり、かつ、前記マンドレル、前記スラストリングおよび前記ブラケットに分割可能であることを特徴とする、ロータ受け用アタッチメント。
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